JP2004063560A - 配線基板 - Google Patents

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Satoshi Kajita
梶田 智
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Abstract

【課題】周囲との間の色調差やコントラスト比が大きく、丈夫で認識性に優れるマークを形成可能な配線基板を提供すること。
【解決手段】配線導体2が被着形成された有機材料系の絶縁基板1の表面に、酸化チタン顔料および無溶剤系の熱硬化性樹脂から成る第一の樹脂皮膜3aを被着させるとともにその第一の樹脂皮膜3a上にカーボン顔料および樹脂から成る第二の樹脂皮膜3bを被着させたレーザマーキング用樹脂皮膜3を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料系の配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子等の電子部品を搭載するための配線基板として、有機材料系の絶縁基板に銅箔から成る配線導体を被着形成して成る配線基板が使用されている。このような配線基板においては、絶縁基板の表面に、その配線基板を使用した製品の製造者名や製品名、製造日、あるいはロット番号等を示すマークが形成されている。
【0003】
このような配線基板へのマークの形成は、例えば有機材料系の絶縁基板の表面にインクをゴム製のスタンプ等で捺印することによってマークを形成したり、あるいは有機材料系の絶縁基板の表面にレーザビームを所望のパターンに沿って照射することにより有機材料系の絶縁基板の一部を溶融飛散させ、これによって有機材料系の絶縁基板の表面にマークを刻印したりする方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機材料系の絶縁基板の表面にインクでマークを形成する場合、マークが摩擦等により潰れたり、かすれたりし易い。また、有機材料系の絶縁基板の表面にレーザビームを照射してマークを形成する場合には、マークは有機材料系の絶縁基板の一部を溶融飛散させることにより刻印されているだけなので、マークと絶縁基板との色調差やコントラストが小さく、例えばこのマークを肉眼や画像認識装置で識別する際に、その識別が困難であるという欠点を有していた。また、有機材料系の絶縁基板の表面は、内部の配線導体の影響で凹凸が形成されやすく、そのような凹凸のためにマークが歪んで見え、マークを誤認識しやすいという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、有機材料系の絶縁基板に形成された製品の製造者名や製品名、製造日、あるいはロット番号等を示すマークと有機材料系の絶縁基板との間の色調差やコントラスト比が大きく、かつ丈夫で歪みがなく、肉眼や画像認識装置による認識性に優れるマークを形成可能な配線基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、配線導体が被着形成された有機材料系の絶縁基板の表面に、酸化チタン顔料および無溶剤系の熱硬化性樹脂から成る第一の樹脂皮膜を被着させるとともにその第一の樹脂皮膜上にカーボン顔料および樹脂から成る第二の樹脂皮膜を被着させたレーザマーキング用樹脂皮膜を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の配線基板によれば、レーザマーキング用樹脂皮膜は、有機材料系の絶縁基板の表面に、酸化チタン顔料および溶無溶剤系の熱硬化性樹脂から成る第一の樹脂皮膜を被着させるとともにその第一の樹脂皮膜上にカーボン顔料および樹脂から成る第二の樹脂皮膜を被着させて成ることから、このレーザマーキング用樹脂皮膜にレーザビームを照射してマークを形成すると、上層の第二の樹脂皮膜が容易に溶融飛散されて下層の第一の樹脂皮膜が露出するので、露出した白色である下層の第一の樹脂皮膜とその周りの黒色である上層の第二の樹脂皮膜との間に大きな色調差やコントラスト差が形成され、それにより肉眼や画像認識装置による認識性に優れるマークの形成が可能となる。また、第一の樹脂皮膜は、酸化チタンおよび無溶剤系の熱硬化性樹脂から成り、無溶剤系の熱硬化性樹脂は熱硬化にともなって殆ど収縮しないことから、例え絶縁基板の表面に凹凸があったとしても、絶縁基板に塗布されたときの厚みおよび平坦度が維持されて表面が平坦なレーザマーキング用樹脂皮膜を形成することができ、その結果、歪みのないマークを形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明の配線基板を半導体素子等の電子部品を搭載するための配線基板に適用した場合の実施の形態の一例の部分断面図である。
【0009】
図1において、1は有機材料系の絶縁基板、2は配線導体であり、主にこれらで電子部品(不図示)を搭載するための配線基板が構成される。さらに、本発明の配線基板においては、絶縁基板1の表面にレーザマーキング用樹脂皮膜3が被着形成されている。また、絶縁基板1には貫通孔4が形成されているとともに、貫通孔4の内壁に貫通導体5が被着形成されており、さらに貫通孔4内および絶縁基板1の上下面にはソルダーレジスト6が設けられている。
【0010】
絶縁基板1は、配線基板のコア部材として機能し、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた有機材料系の絶縁材料から成る厚みが0.1〜2mm程度の平板であり、その上下両面に銅箔およびその上に施された銅めっきから成る厚みが8〜30μmの配線導体2が被着された、いわゆる両面銅張り板を構成している。
【0011】
なお、このような絶縁基板1は、ガラスクロスやアラミドクロスに未硬化のエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させるとともに、その未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化させることにより形成される。
【0012】
また、絶縁基板1の上下面に被着された配線導体2は、本発明の配線基板に搭載される電子部品の電極を外部電気回路基板の配線導体に接続するための導電路の一部として機能し、上面側の配線導体2には、電子部品の電極が半田等の導電性接合部材を介して接続される電子部品接続パッドおよびこの電子部品接続パッドから引き回される配線パターン等が形成されており、下面側の配線導体2には、外部電気回路基板の配線導体に半田等の導電性接合部材を介して接続される外部接続パッド等が形成されている。
【0013】
そして、例えば上面側の配線導体2の電子部品接続パッドには、図示しない電子部品の電極が半田等の導電性接合部材を介して接続されるとともに、下面側の配線導体2の外部接続パッドは、図示しない外部電気回路基板の配線導体に半田等の導電性接合部材を介して接続される。
【0014】
これらの配線導体2は、その厚みが8μm未満であると、配線導体2の電気抵抗が高いものとなり、他方、30μmを超えると、配線導体2を高密度に形成することが困難となる。したがって、配線導体2の厚みは、8〜30μmの範囲が好ましい。
【0015】
また、貫通孔4の内壁に被着形成された貫通導体5は、厚みが8〜25μm程度の銅めっきから成り、絶縁基板1を挟んで上下に位置する配線導体2同士を互いに電気的に接続する接続導体として機能する。
【0016】
貫通導体5は、その厚みが8μm未満では、貫通導体5の電気抵抗が高いものとなりすぎる傾向にあり、他方、30μmを超えると、この貫通導体5が被着された貫通孔4の内部に後述するソルダーレジスト6を良好に充填することが困難となる。したがって、貫通導体5の厚みは、8〜30μmの範囲であることが好ましい。
【0017】
そして、絶縁基板1の表面および貫通孔4の内部には、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト6が被着および充填されている。ソルダーレジスト6は、貫通導体5および配線導体2を保護するとともに配線導体2における各パターン同士を電気的に良好に絶縁するための保護層として機能し、配線導体2の一部を露出させるパターンに被着形成されている。
【0018】
なお、ソルダーレジスト6は、配線導体2上における厚みが10μm未満であると、配線導体2を良好に保護することができなくなるとともに、配線導体2におけるパターン同士を電気的に良好に絶縁することができなくなる傾向にあり、他方、40μmを超えると、ソルダーレジスト6を所定のパターンに形成することが困難となる傾向にある。したがって、ソルダーレジスト6の配線導体2上における厚みは、10〜40μmの範囲が好ましい。
【0019】
さらに、絶縁基板1の上面には、ソルダーレジスト6の上にレーザマーキング用樹脂皮膜3が被着されている。なお、この例ではレーザマーキング用樹脂皮膜3はソルダーレジスト6の上に被着されているが、レーザマーキング用樹脂皮膜3は絶縁基板1の表面に直接被着されていてもよい。このレーザマーキング用樹脂皮膜3は、絶縁基板1上に被着された酸化チタン顔料および無溶剤系の熱硬化性樹脂から成る白色の第一の樹脂皮膜3aと、その上に被着されたカーボン顔料および樹脂から成る黒色の第二の樹脂皮膜3bとの2層構造になっている。第一の樹脂皮膜3a用の無溶剤系熱硬化性樹脂としては、例えば酸無水物系硬化型エポキシ樹脂が使用され、他方、第二の樹脂皮膜3b用の樹脂としては例えば酸無水物系硬化型エポキシ樹脂等の無溶剤系熱硬化性樹脂や溶剤を含有するエポキシ樹脂等の溶剤系熱硬化性樹脂が使用される。そして、その上面からレーザビームをコンピュータ制御により所定のパターンに照射し、第二の樹脂皮膜3bの一部を溶融飛散させて下地の第一の樹脂皮膜3aを露出させることによって、例えば図2に要部上面図で示すようなマーク7を形成するためのものである。なお、マーク7は、例えば本発明の配線基板を使用した製品の製造者名やシンボルマークや品名や製造日あるいはロット番号等を示すものである。
【0020】
このようなレーザマーキング用樹脂皮膜3は、例えば酸化チタン顔料および酸無水物系硬化型エポキシ樹脂から成る無溶剤系の熱硬化性樹脂ペーストを絶縁基板1の上面にその表面が平坦となるように塗布した後、それを熱硬化させて第一の樹脂皮膜3aを被着し、次に、その上にカーボン顔料および溶剤系あるいは無溶剤系のエポキシ樹脂等の樹脂から成る樹脂ペーストをその表面が平坦となるように塗布した後、それを熱硬化させて第二の樹脂皮膜3bを被着することによって絶縁基板1の上面に形成される。このとき、第一の樹脂皮膜3aは、酸化チタンおよび無溶剤系の熱硬化性樹脂から成り、無溶剤系の熱硬化性樹脂はその熱硬化時に殆ど収縮することがないことから、絶縁基体1の上面に凹凸があったとしても、塗布されたときの厚みおよび平坦度が維持されて硬化後の表面が平坦なものとなる。したがって、その上に第二の樹脂皮膜3bを被着して形成したレーザマーキング用樹脂皮膜3の表面も平坦なものとなる。さらに、レーザマーキング用樹脂皮膜3と絶縁樹脂板1とはともに有機材料系から成り化学的構成が近いことから、化学的に強固に接合して両者が剥離するようなことはない。
【0021】
そして、マーク7は、カーボン顔料を含有する黒色系の第二の樹脂皮膜3bをレーザビームにより溶融飛散させて下地の酸化チタン顔料を含有する白色系の第一の樹脂皮膜3aを露出させることにより形成されることから、第一の樹脂皮膜3aが白色のチタン顔料を含有しておりレーザビームにより分解されにくいのに対して、第二の樹脂皮膜3bが黒色のカーボン顔料を含有しておりレーザビームにより分解されやすいことから、レーザマーキング用樹脂皮膜3にレーザビームを照射してマーク7を形成する際に、黒色のカーボン顔料を含有している第二の樹脂皮膜3bがレーザビームの照射により容易に溶融飛散されて下地の第一の樹脂皮膜3aが極めて良好に露出し、第一の樹脂皮膜3aが露出した部分とその周りの第二の樹脂皮膜3bとの間に色調やコントラストの大きな差が形成される。また、マーク7はレーザにより刻印されているので摩擦等により滲んだり、かすれたり、あるいは熱等により変質したり消失したりするようなことはない。さらに、レーザマーキング用樹脂皮膜3は第一の樹脂皮膜3aが酸化チタンおよび無溶剤系の熱硬化性樹脂から成り、その表面が平坦であるので、マーク7が歪んで見えることはない。したがって、本発明の配線基板によれば、肉眼や画像認識装置によりマーク7を容易かつ正確に認識することが可能となる。さらにまた、レーザビームはコンピュータ制御により所定のパターンに照射されるので、文字や図形あるいはバーコード等のさまざまな形状およびパターンのマーク7を容易に形成することができる。
【0022】
なお、第一の樹脂皮膜3aと第二の樹脂皮膜3bとのコントラスト比が20%未満であると、肉眼や画像認識装置でマーク7を認識する際、マーク7を良好に認識することができず、誤認識してしまう危険性が大きなものとなる。したがって、第一の樹脂皮膜3aと第二の樹脂皮膜3bとのコントラスト比は20%以上あることが好ましい。このように第一の樹脂皮膜3aと第二の樹脂皮膜3bとのコントラスト比を20%以上とするには、第一の樹脂皮膜3aおよび第二の樹脂皮膜3bに含有される顔料の添加量を0.5〜25質量%程度とするとともに第一の樹脂皮膜3aおよび第二の樹脂皮膜3bの厚みをそれぞれ5〜30μm程度とすればよい。
【0023】
また、第一の樹脂皮膜3aは、その厚みが5μm未満であると、レーザマーキング用樹脂皮膜3にレーザビームを照射してマーク7を形成する際に、下地の絶縁基板1が露出したり、透けて見えたりしやすく、そのためマーク7を肉眼や画像認識装置で良好に認識することが困難となる危険性が大きくなり、他方、30μmを超えると、レーザマーキング用樹脂皮膜3の厚みが不要に厚いものとなる。したがって、第一の樹脂皮膜3aの厚みは5〜30μmの範囲が好ましい。また、第二の樹脂皮膜3bは、その厚みが5μm未満であると、下地の第一の樹脂皮膜3aが透けて見えて両者間のコントラストが低くなりレーザマーキング用樹脂皮膜3にマーク7を形成した場合に、マーク7を肉眼や画像認識装置で良好に認識することが困難となる危険性が大きくなり、他方、30μmを超えると、レーザマーキング用樹脂皮膜3にレーザビームを照射してマーク7を形成する際に、下地の第一の樹脂皮膜3aを良好に露出させることが困難となる傾向にある。したがって、第二の樹脂皮膜3bの厚みは5〜30μmの範囲が好ましい。
【0024】
かくして、本発明の配線基板によれば、絶縁基板1の表面に形成したレーザマーキング用樹脂皮膜3上にレーザビームを所定パターンに照射して第二の樹脂皮膜3bの一部を下地の第一の樹脂皮膜3aが露出するように溶融飛散させることにより肉眼や画像認識装置により良好に認識可能なマーク7が形成される。
【0025】
なお、本発明は上述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、レーザマーキング用樹脂皮膜は、有機材料系の絶縁基板の表面に、酸化チタン顔料および溶無溶剤系の熱硬化性樹脂から成る第一の樹脂皮膜を被着させるとともにその第一の樹脂皮膜上にカーボン顔料および樹脂から成る第二の樹脂皮膜を被着させて成ることから、このレーザマーキング用樹脂皮膜にレーザビームを照射してマークを形成すると、上層の第二の樹脂皮膜が容易に溶融飛散されて下層の第一の樹脂皮膜が露出するので、露出した白色である下層の第一の樹脂皮膜とその周りの黒色である上層の第二の樹脂皮膜との間に大きな色調差やコントラスト差が形成される。また、第一の樹脂皮膜は、酸化チタンおよび無溶剤系の熱硬化性樹脂から成り、無溶剤系の熱硬化性樹脂はその熱硬化時に殆ど収縮しないことから、例え絶縁基板の表面に凹凸があったとしても、絶縁基板に塗布されたときの厚みおよび平坦度が維持されて表面が平坦なレーザマーキング用樹脂皮膜を形成することができる。したがって、肉眼や画像認識装置による認識性に優れ、丈夫でかつ歪みのないマークの形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。
【図2】本発明の配線基板にマーク7を形成した例を示す要部上面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・・導体配線
3・・・・・・・レーザマーキング用樹脂皮膜
3a・・・・・・第一の樹脂皮膜
3b・・・・・・第二の樹脂皮膜

Claims (1)

  1. 配線導体が被着形成された有機材料系の絶縁基板の表面に、酸化チタン顔料および無溶剤系の熱硬化性樹脂から成る第一の樹脂皮膜を被着させるとともに該第一の樹脂皮膜上にカーボン顔料および樹脂から成る第二の樹脂皮膜を被着させたレーザマーキング用樹脂皮膜を設けたことを特徴とする配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011054678A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kyocer Slc Technologies Corp 配線基板
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