JPWO2014073530A1 - 導電性ペースト組成物 - Google Patents

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Abstract

ここに開示される発明は、高い印刷精度が得られるとともに、極めて薄いセラミックグリーンシートに対してもシートアタックの抑制された導電性ペースト組成物を提供する。かかる導電性ペースト組成物は、導電性粉末と、バインダと、有機溶剤とを含む導電性ペースト組成物であって、有機溶剤は、主溶剤としてイソボルニルアセテートと、副溶剤としてイソボルニルアセテートよりもハンセンの溶解度パラメータが低い溶剤と、を含む。

Description

本発明は、導電性ペースト組成物に関する。より詳細には、積層セラミック電子部品の内部電極の形成に好適に使用できる導電性ペースト組成物に関する。
なお、本出願は2012年11月6日に出願された日本国特許出願2012−244846号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
近年の電子機器の小型化および高集積化に伴い、電子機器に実装される電子部品においては構造の微細化が進められている。例えば、積層コンデンサや積層セラミック配線基板のような電子部品においては、一層の小型化と薄型化が求められている。
図1は、積層セラミックコンデンサ(以下、単に「MLCC」という場合がある。)の構造を説明する図である。MLCC10は、酸化チタンやチタン酸バリウム等のセラミックからなる誘電体層20と、ニッケル等の導電膜からなる内部電極層30とが多数積み重ねられたチップタイプのセラミックコンデンサであり、セラミック材料が持つ優れた高周波特性等のメリットを活かして小型化および大容量化の実現が可能なため、電子回路の広い範囲で使用されている。
かかるMLCC10は、典型的には、以下の手順により製造される。すなわち、まず、セラミック粉末にバインダおよび有機溶剤等を加えてスラリーとし、かかるスラリーをドクターブレード法等により基材上に塗布して、誘電体層20を構成するためのセラミックグリーンシート(以下、単に「グリーンシート」という場合がある。)を形成する。そして、このグリーンシート上に、導電性粉末、バインダおよび有機溶剤を含む導電性ペースト組成物をスクリーン印刷法等の印刷法により所定のパターンに塗布して、内部電極層30を構成するための導電性塗膜を形成する。次いで、このようにして用意した導電性塗膜付きのグリーンシートを所定の枚数(例えば、数10〜数100枚)積層し、圧着した後、焼成し、その後外部電極40を形成することで、上記の内部電極層30と誘電体層20とが積層されたMLCC10を得ることができる。
以上のようなMLCC10の製造過程において、グリーンシート用のスラリーに配合するバインダとしては、セラミック粒子に対する結着性に優れたブチラール系樹脂またはアクリル系樹脂が広く採用されている。これに対し、導電性ペースト組成物に配合される有機溶剤は、グリーンシートに対する親和性を有しながらも、グリーンシート中のブチラール系樹脂またはアクリル系樹脂等のバインダを溶解してグリーンシートを浸食(以下、「シートアタック」ともいう。)するシートアタックが抑制されたものであることが望まれる。
ここで、従来より電子部品に広く一般に使用されている導電性ペースト組成物においては、ターピネオール等の有機溶剤が汎用されている。しかしながら、かかるターピネオールはブチラール系樹脂またはアクリル系樹脂に対する溶解性が強いことから、MLCC10の内部電極層30を形成するために使用する導電性ペースト組成物に用いるのに適しているとは言い難い。そのため、MLCC10の内部電極層30を形成用の導電性ペースト組成物においては、ターピネオールに代えて、グリーンシートに対する親和性と、シートアタックの抑制効果とが両立された有機溶剤を使用することが提案されている(例えば、特許文献1〜5等参照)。
日本国特許出願公開2006−203185号公報 日本国特許出願公開2007−084690号公報 日本国特許出願公開2007−149994号公報 日本国特許出願公開2006−134726号公報 日本国特許出願公開2006−202502号公報
ところで、上記のシートアタックの現象は、セラミックグリーンシートが比較的厚い場合は許容できる基準が緩いものの、セラミックグリーンシートの薄層化が進行するにつれてその影響が顕在化されるため、より一層厳しい基準で評価することが求められる。
例えば、MLCCの寸法は、1005サイズ(外形寸法:1.0mm×0.5mm×0.5mm)であったものが、0603サイズ(外形寸法:0.6mm×0.3mm×0.3mm)や、0402サイズ(外形寸法:0.4mm×0.2mm×0.2mm)等へと超小型化されてきており、かかる超小型のMLCCにおける誘電体層の一層の厚みは、従来の3μm〜5μmのレベルから、例えば3μm未満、さらには1μm以下と、薄層化されている。また、従来の外形寸法の比較的大きいMLCCにおいても、その寸法を保ったまま内部の積層数を増加させて高容量化することがなされており、誘電体層の一層の厚みはやはり1μm未満のレベルまで薄層化されつつある。
したがって、MLCCの製造においては、より高い印刷精度を得ることと共に、より薄いセラミックグリーンシートに対してもシートアタック性の問題の生じない導電性ペースト組成物の実現が望まれている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、高い印刷精度が得られるとともに、極めて薄いセラミックグリーンシートに対してもシートアタックの抑制された導電性ペースト組成物を提供することにある。
上記目的を実現するべく、本発明によって、導電性粉末と、バインダと、有機溶剤とを含む導電性ペースト組成物が提供される。かかる導電性ペースト組成物において、上記有機溶剤は、主溶剤としてイソボルニルアセテートと、副溶剤として上記イソボルニルアセテートよりもハンセンの溶解度パラメータが低い溶剤を含むことを特徴としている。
本発明の導電性ペースト組成物において主溶剤として用いられるイソボルニルアセテートは、導電性ペースト組成物のバインダ成分に対して良好な溶解性を示すものであるが、セラミックグリーンシートに用いられるブチラール系樹脂に対しても溶解性を示す。したがって、例えば、特許文献5の0018段落には、溶剤成分がイソボルニルアセテートであると、シートアタック現象を完全に回避することが難しいことが指摘されている。このため、イソボルニルアセテートは、単独では、MLCC等の製造に用いる導電性ペースト組成物の主たる溶剤として適しているとは言い難い材料である。
これに対し、本発明においては、導電性ペースト組成物の有機溶剤として、このイソボルニルアセテートを主溶剤とし、当該イソボルニルアセテートよりもハンセンの溶解度パラメータが低い溶剤を副溶剤とし、両者を併用することで、イソボルニルアセテートのセラミックグリーンシートに対するシートアタックを抑制するようにしている。
なお、上記「ブチラール系樹脂」とは、この種の分野でセラミックグリーンシートを形成するためのバインダとして用いられる、いわゆるブチラール系樹脂等と呼ばれている、ポリビニルブチラール系樹脂全般を包含する用語である。かかるポリビニルブチラール系樹脂とは、ポリビニルブチラールを50質量%以上(例えば、70質量%以上)の割合で含む樹脂組成物を意味する。
また、導電性ペースト組成物を印刷した場合の印刷精度については、例えば、セラミックグリーンシートの表面に印刷したペースト塗膜が、セラミックグリーンシートとの接触面においてダレたり滲んだりして広がることにより、印刷精度が低下するものと考えられる。本発明の導電性ペースト組成物においては、印刷パターンの寸法が微細化(特に厚みが薄層化)された場合であっても、印刷パターン寸法に対するペースト塗膜の形状のダレや滲みが比較的小さく抑制されるため、印刷精度を高く維持することができる。
なお、ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)とは、ある物質が他のある物質にどのくらい溶けるのかという溶解性を表す指標である。このHSPは、溶剤ハンドブック(発行:(株)講談社サイエンティフィク)などにおいて採用されているヒルデブランドのSP値とはその思想が異なり、溶解性を多次元(典型的には、3次元)のベクトルで表す。このベクトルは、代表的には、分散項、極性項、水素結合項で表すことができる。この分散項はファンデルワールス力、極性項はダイポール・モーメント、水素結合項は水、アルコールなどによる作用を反映している。そしてHSPによるベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断できる。また、HSPによりある物質が他のある物質中にどの程度存在しやすいか、すなわち分散性がどの程度良いか等の判断の指標ともなり得る。
イソボルニルアセテートのHSPは19.0(J/cm1/2であり、本発明では、HSPが19.0(J/cm1/2未満の溶剤を副溶剤として用いることができる。このようなHSPは、例えば、Wesley L.Archer著、Industrial Solvents Handbook等に開示された値を参照することができる。
ここに開示される導電性ペースト組成物の好ましい一態様では、上記有機溶剤は、上記イソボルニルアセテートを60質量%〜90質量%、上記副溶剤を40質量%〜10質量%の割合で含むことを特徴としている。
かかる構成によると、イソボルニルアセテートを主溶剤とした導電性ペースト組成物において、セラミックグリーンシートに対する親和性と、シートアタックの抑制効果とをバランスよく実現することができる。
ここに開示される導電性ペースト組成物の好ましい一態様では、上記副溶剤が、ハンセンの溶解度パラメータが19未満であって、かつ、
(A)ターピネオール誘導体、
(B)下記の一般式(1)で示される化合物、
(OR)OR・・・(1)
(ただし、式中、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、Rは炭素数2〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、Rは水素原子,アセチル基または直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、nは1または2である。)
および、
(C)炭化水素、
のうちの何れか1種または2種以上を含むことを特徴としている。
上記の(A)〜(C)の溶剤のうち、HSPが19.0(J/cm1/2未満のものは、HSPのベクトルの相関関係から、主溶剤であるイソボルニルアセテートのセラミックグリーンシートに対するシートアタック性を効果的に抑制できる溶剤であり得る。したがって、副溶剤として上記の溶剤を用いることで、セラミックグリーンシートとの親和性を備え、且つシートアタックがより効果的に抑制された導電性ペースト組成物が提供される。
ここに開示される導電性ペースト組成物の好ましい一態様では、上記導電性粉末を構成する金属種が、ニッケル、白金、パラジウム、銀および銅からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上であることを特徴としている。
これらニッケル、白金、パラジウム、銀および銅は、いずれも導電性に優れるとともに、例えばセラミックグリーンシートの焼成温度において耐熱性を有する金属種であり、導電性粉末として相応しい。また、これらの金属種を含む合金および各種導電性金属化合物も導電性粉末として相応しい特性を備えたものであり得る。かかる構成によると、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極を形成するに好適な導電性ペースト組成物が提供される。
ここに開示される導電性ペースト組成物の好ましい一態様では、スプレー塗布、ローラー塗布、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷およびインクジェット印刷からなる群から選択されるいずれか1つの印刷法に用いられるように調製されていることを特徴としている。
本発明の導電性ペースト組成物は、セラミックグリーンシートを被印刷体とする印刷において、シートに対する適度な馴染みを有しながらも、シートアタック性が抑制されているため、各種の印刷法に適用することができる。例えば、スクリーン印刷法では困難とされる、より厚みの薄い導電性塗膜をより高精度で生産性良く印刷することができるグラビア印刷法に好適に適用することができる。
以上のとおりの本発明が提供する導電性ペースト組成物は、セラミックグリーンシートを被印刷体とする印刷において、例えばグラビア印刷法等により、より厚みの薄い導電性塗膜を高精度で生産性良く印刷することができる。したがって、積層セラミックコンデンサの内部電極を形成するために用いることで、その利点をより明瞭に発揮することができるために好ましい。
図1は、積層セラミックコンデンサの構造を模式的に示した一部切り欠き斜視断面図である。 図2の(a)(b)は、それぞれ実施例で作製した導電性ペースト組成物1および2を印刷して得られた電極パターンの断面形状図の一例である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(例えば導電性ペースト組成物の調製方法や、基板への付与方法および焼成方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される導電性ペースト組成物は、本質的に、導電性粉末と、バインダと、有機溶剤とを含んでいる。ここで導電性粉末は、典型的にはバインダと有機溶剤とで構成されるビヒクル(有機媒体)に均一に分散されている。
[導電性粉末]
導電性粉末は、導電性ペースト組成物を焼成した後に得られる焼成体(典型的には導電性膜)の導電性を担う物質である。かかる導電性粉末の種類等について特に制限はなく、目的の導電性ペースト組成物に従来用いられている各種の導電性粉末を特に制限なく用いることができる。
かかる導電性ペースト組成物は、電極層形成用、印刷回路用、接合用、抵抗体用、異方導電性インク用等の様々な用途であってよく、かかる導電性粉末を構成する材料の一例としては、金(Au),銀(Ag),銅(Cu),白金(Pt),パラジウム(Pd),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),イリジウム(Ir),オスミウム(Os),ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)等の金属およびそれらの合金、カーボンブラック等の炭素質材料、LaSrCoFeO系酸化物(例えばLaSrCoFeO)、LaMnO系酸化物(例えばLaSrGaMgO)、LaFeO系酸化物(例えばLaSrFeO)、LaCoO系酸化物(例えばLaSrCoO)等として表わされる遷移金属ペロブスカイト型酸化物に代表される導電性セラミックス等が例示される。特に限定されるものではないが、この導電性ペースト組成物を例えばMCLLの内部電極層を形成する目的で用いる場合には、焼成温度においても溶融することが無い、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)および銅(Cu)のいずれか1種または2種以上の金属種から構成されていることが好ましい。なお、これらの導電性粉末は、本発明の導電性ペースト組成物の特性を損ねない範囲で不純物を含むものであっても良いことは言うまでもない。
粒子の形状や粒径に厳密な制限はなく、例えば、代表的には、平均粒径が数nm〜数μm程度、例えば、10nm〜10μm程度の範囲のものから用途等に応じて選択される平均粒径を有する粒子を用いることができる。なお、本明細書における「平均粒径」とは、平均粒径がおおよそ0.5μm以上となる範囲では、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置により測定された粒度分布における積算値50%での粒径(50%体積平均粒子径;以下、D50と略記する場合もある。)として求めることができ、平均粒径がおおよそ0.5μm程度以下の範囲では、電子顕微鏡等の観察手段により観察される観察像内の複数の粒子の円相当径に基づき作成された粒度分布における積算値50%での粒径として求めることができる。なお、これらの平均粒径の算出手法を適用する粒径範囲に厳密な臨界はなく、採用する装置の精度等に応じて算出方法を適宜選択することができる。
なお、MLCCを構成するセラミックグリーンシートの表面に内部電極層としての電極パターンを印刷する場合、所望のパターン寸法(パターン幅、膜厚など)および形状を実現し得るよう導電性ペースト組成物の塗布量および塗布形態等を考慮することができる。ここで、MLCCの内部電極層を形成するのに好適な導電性粉末としては、特に制限されるものではないが、該粉末を構成する粒子の平均粒径が1μm以下であるものが適当であり、典型的には0.05μm〜0.8μm、好ましくは0.05μm〜0.4μmとすることが例示される。
ここで開示される導電性ペースト組成物全体における導電性粉末の含有量については特に制限されないが、該導電性ペースト組成物全体の合計を100質量%としたときに、導電性粉末がその40質量%以上95質量%以下、より好ましくは40質量%以上60質量%以下となるように調整することが好ましい。製造された導電性ペースト組成物中の導電性粉末含有率が上記範囲内にあるような場合には、導電性が高く、緻密性がより向上した導電性膜を形成することができる。
[バインダ]
バインダとしては、導電性ペースト組成物に良好な粘性、塗膜形成能(基板に対する付着性)を付与し得るものであればよく、従来のこの種の導電性ペースト組成物に用いられているものを特に制限なく使用することができる。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド系樹脂、セルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ロジン系樹脂等を主体とするものが挙げられる。
[有機溶剤]
ここに開示される導電性ペースト組成物において特徴的な構成である有機溶剤は、主溶剤としてイソボルニルアセテートを含むとともに、副溶剤としてイソボルニルアセテートよりもハンセンの溶解度パラメータ(HSP)が低い溶剤を含む。
イソボルニルアセテートは、分子式がC1220のモノテルペンの含酸素化合物であって、従来より導電性ペースト組成物の有機溶剤として用いられることがある。しかしながら、かかるイソボルニルアセテートは単独ではブチラール系樹脂に対する溶解性が高く、ブチラール系樹脂を用いたセラミックグリーンシート等に対するシートアタック現象を完全に抑制することは困難であることが知られている。そこで、本発明では、このイソボルニルアセテートのシートアタック性を、適切な副溶剤を併用することで抑えるようにしている。
かかる副溶剤としては、イソボルニルアセテートよりもHSPが低い各種の溶剤の一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。イソボルニルアセテートのHSPは19であることから、副溶剤としては、HSPが19未満、より好ましくは15〜18程度であることが例示される。より具体的には、副溶剤としては、下記(A)〜(C)のうちの何れか1種または2種以上であるのが好ましい。
(A)ターピネオール誘導体
本発明におけるターピネオール誘導体としては、ターピネオールそれ自体の他に、ターピネオールの分子構造における末端の水素あるいはヒドロキシ基の少なくとも一つが有機基に置換された構造を有するものを考慮することができる。ターピネオールにはヒドロキシ基と二重結合の位置が異なる4種類の異性体、α,β,γ,δ−ターピネオールが存在することが知られているが、これら何れのターピネオールを主体とする誘導体であっても良い。例えば、α−ターピネオールの誘導体については、下記一般式(2)で表されるα−ターピネオール誘導体が挙げられる。
Figure 2014073530
ここで、式(2)中、R21,R22,R23は、各々独立の、水素原子または有機基を示し、R21,R22およびR23の少なくとも1つは水素原子でない。
一般式(2)中のR21,R22は各々独立した有機基であって、典型的には、水素原子、アルキル基、またはアルコキシ基である。
アルキル基としては、特に制限されるものではないが、炭素数1〜14の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、より限定的には炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、特に制限されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
これらのなかでも、R21,R22としては、水素原子またはアルキル基であるのが好ましく、水素原子またはメチル基であるのがより好ましい。
一般式(2)中のR23は有機基であって、典型的には、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基である。アルキル基およびアルコキシ基については、上記と同様であってよい。アシル基については、典型的には、ホルミル基、メタノイル基、アセチル基、エタノイル基、プロピオニル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等である。
21,R22,R23については、いずれかが有機基であることが必須である。
かかるターピネオール誘導体としては、ターピネオールの有機酸エステルが好ましく、例えば、具体的には、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロターピニルプロピオネート等が例示される。
(B)アルキレングリコール系化合物
副溶剤としては、下記の一般式(1)で示されるアルキレングリコール系化合物のうち、HSPが19未満のものが挙げられる。
(OR)OR・・・(1)
ここで、式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、Rは炭素数2〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、Rは水素原子またはアセチル基を示し、nは1または2である。
かかるアルキレングリコールモノアルキル化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールトリアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、トリプロピレングリコールトリアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、トリプロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類が例示される。
より具体的には、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が例示される。
(C)炭化水素
炭化水素としては、HSPが19未満の各種の直鎖または分岐の炭化水素が挙げられ、より好ましくは直鎖の飽和炭化水素である。かかる炭化水素としては、常圧での沸点が185〜270℃程度であるものがより好ましく、さらに好ましくは常圧での沸点が200〜260℃程度のものが例示される。特に限定されるものではないが、この様な性状の炭化水素は、概ね全体の50%以上のものの炭素数が20以下、典型的には炭素数が10〜16の中に包含されている。例えば、C1022、C1124、C1226、C1328、C1430、C1532、C1634が挙げられる。
以上の有機溶剤において、イソボルニルアセテートが占める割合は60質量%〜90質量%であり、副溶剤が占める割合が40質量%〜10質量%であるのが好ましい。より好ましくは、イソボルニルアセテートが70質量%〜90質量%、残部が副溶剤である。
かかる有機溶剤が導電性ペースト組成物全体に占める割合は、5質量%以上60質量%以下であるのが適当であり、好ましくは20質量%以上60質量%以下である。また、バインダは、導電性ペースト組成物の用途等によりその配合量が調整できるものの、おおよその目安として、導電性ペースト組成物全体の1質量%以上15質量%以下程度、好ましくは1質量%以上10質量%以下程度より好ましくは1質量%以上7質量%以下程度の割合で含むことができる。かかる構成とすることで、例えばグリーンシート等の被印刷体上に導電性膜として均一な厚さの塗膜を形成(塗布、印刷)し易く、取扱いが容易となるために好ましい。
なお、本発明の導電性ペースト組成物は、その目的を実現する限りにおいて、その他の構成成分やその配合割合(量)に関して厳密な制限はなく、例えば、導電性粉末以外に、用途に応じて所望の特性を発揮し得る種々の構成材料や、この種の導電性ペースト組成物に一般的に使用され得る分散剤等の添加剤が含まれていてもよい。
導電性粉末以外に含まれる典型的な成分としては、セラミック粉末や、ガラス粉末などが例示される。より具体的には、導電性ペースト組成物の被印刷体である未焼成のセラミックグリーンシートを構成するセラミック原料の微粉末や、ガラス粉末等であり得る。このような添加物は、例えば、導体性粉末をバインダや有機溶剤等と混合する際に同時に添加すれば良い。
以上の、ここに開示される導電性ペースト組成物は、従来と同様に、典型的には上記の構成材料を混合することによって容易に調製することができる。例えば、三本ロールミルやその他の混練機を用いて、所定の配合の導電性粉末、バインダおよび有機溶剤を混合・撹拌するとよい。なお、導電性粉末を他の構成材料と混合するにあたり、予めバインダと有機溶剤とを混合してビヒクルを調製しておき、このビヒクルに導電性粉末等を分散させることで、スラリー状(インク状であり得る。)の組成物として提供するようにしてもよい。
かかる導電性ペースト組成物は、例えば、グリーンシートに対する親和性を備えながらも、シートアタック性が抑制されており、適切な粘度等に調整することで様々な印刷方法によりグリーンシート上に印刷することができる。例えば、スプレー塗布、ローラー塗布、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷およびインクジェット印刷等の印刷法によって好適に印刷することができる。特にグラビア印刷法により印刷することで、高品質な印刷パターンを高速印刷により印刷することができ、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極を形成するのに好適に適用することができる。
かかるグリーンシートとしては、必ずしも限定されるものではないが、例えば、各種のセラミックス等の誘電体粉末をブチラール系樹脂からなるバインダで結合することで形成されたグリーンシートを好ましい対象として考慮することができる。典型的には、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)等のセラミックスの粉末に、バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂および有機溶媒を混合した誘電体スラリーを調製し、この誘電体スラリーを所定の位置に供給、乾燥させて有機溶媒を除去することで、シート状に成形したもの(グリーンシート)を対象とすることができる。かかるセラミックス粉末は、上記の例に限定されることなく、種々の組成の誘電体を考慮することができる。また、グリーンシートには、上記の他に、この種のグリーンシートの形成において用いられる分散剤、可塑剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
(実施態様1)
[導電性ペースト組成物の用意]
以下の手順で、導電性ペースト組成物(サンプル1〜8)を作製した。
すなわち、まず、バインダとしてのエチルセルロース(EC)と主溶剤としてのイソボルニルアセテート(IBA)を混合し、70℃で24時間撹拌することでビヒクルを調製した。次いで、このビヒクルに、導電性粉末、添加剤および副溶剤を加え、三本ロールミルにて十分に混練することで導電性ペースト組成物(サンプル1〜8)を得た。なお、副溶剤としては、下記の表1に示す組み合わせの溶剤を、質量比で主溶剤:副溶剤が70:30となるように配合し、導電性ペースト組成物の粘度が0.1〜3Pa・sの範囲となるようにした。なお、各副溶剤のハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を下記の表2に示した。
また、添加剤としては、この導電性ペースト組成物の塗布(印刷)先のグリーンシートを構成するチタン酸バリウム(BaTiO)の粉末を用いるようにした。導電性粉末および添加剤は、ペースト組成物の全体に対して、導電性粉末が40〜60質量%、添加剤が1〜20質量部となる割合で配合した。
なお、後で行うシートアタック性の評価のために、表1に示す組み合わせで主溶剤と副溶剤とを70:30(質量比)の割合で配合した溶剤を用意した。
[セラミックグリーンシートの用意]
上記の導電性ペースト組成物の塗布対象として、セラミックグリーンシートを用意した。かかるセラミックグリーンシートとしてはMLCCの誘電体層用のグリーンシートを想定し、誘電体粉末としてのチタン酸バリウム(BaTiO)粉末に、バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂と、可塑剤および有機溶媒を混合した誘電体スラリーを調製し、この誘電体スラリーを支持フィルム上に塗布後、乾燥させて有機溶媒を除去することで、シート状に成形した。
[印刷性の評価]
上記で用意した導電性ペースト組成物(サンプル1〜8)を、上記のセラミックグリーンシートの表面にグラビア印刷法により塗布し、乾燥させることで、電極膜(電極パターン)を形成した。形成された電極パターンの断面形状特性(膜厚、表面粗さ、形状指数)をレーザー変位計((株)キーエンス社製)によって測定し、印刷性の評価を行った。測定内容と評価結果は、下記の表1に示した。
なお、表1において、膜厚は、電極パターンの9箇所以上の任意の測定点において測定したグリーンシートの表面から電極パターン表面までの厚さの平均値であり、表面粗さは、算術平均粗さRaである。また、形状指数とは、電極パターンの細線部の幅方向断面(略方形ないし略台形の断面形状であり得る。)における、電極パターンがグリーンシートと接触している部分(下底)の長さをa、電極パターンの上面部分の長さをbとしたときの、(b/a)として定義される値である。
また、サンプル1および2の導電性ペースト組成物から得られた電極パターンの断面形状解析像を、図2(a)および(b)にそれぞれ示した。
[シートアタック性の評価]
導電性ペースト組成物をセラミックグリーンシート上に印刷すると、導電性ペースト組成物に含まれる有機溶剤がセラミックグリーンシートに含まれるバインダを溶解するシートアタックと呼ばれる現象が生じ、電極パターンがセラミックグリーンシートに滲んだり、セラミックグリーンシートとの接触面を溶かしてしまうことがある。そこで、セラミックグリーンシートに、上記で用意したシートアタック性の評価のための溶剤を滴下し、乾燥後の滴下部を目視で観察することでシートアタック性を評価して、その結果を表1に併せて示した。表1における評価結果は、セラミックグリーンシートの表面が明らかに溶解しておりシートが破れたものを「×」、セラミックグリーンシートの表面に溶解が認められるもののシートは破れないものを「△」、セラミックグリーンシートの表面に溶解がほぼ認められないものを「○」とした。
Figure 2014073530
Figure 2014073530
表1に示した通り、有機溶剤として(d)イソボルニルアセテートのみを用いたサンプル1の導電性ペースト組成物に作製された電極は、膜厚、表面粗さについては比較的良好なものの、形状指数がわずかに低い結果となった。図2(a)の電極パターンの断面形状を見ると、電極パターンの両端部の膜厚が薄く、形状指数が低いことが確認できた。また、シートアタック性については、シートに破れはないが溶解が認められ、膜厚約1μm以下の薄膜セラミックグリーンシートでは問題となるため、総合的な評価としては「△」であった。
これに対し、有機溶剤の主溶剤として(d)イソボルニルアセテートを用い、副溶剤として(d)イソボルニルアセテートよりHSPの低い溶剤を用いたサンプル2〜4の導電性ペースト組成物は、膜厚、表面粗さおよび形状指数の何れも良好であった。例えば、図2(b)のサンプル2のペーストにより形成された電極パターンの断面形状を見ると、(a)のサンプル1の電極パターンより電極パターンの両端部の膜厚が厚く、形状指数が高いことが確認できた。以上のことから、サンプル2〜4の導電性ペースト組成物は、グラビア印刷による印刷性に優れたペーストであることが確認できた。
また、シートアタック性については、サンプル4の導電性ペースト組成物については、若干のシートアタック性が確認されたものの、サンプル2および3の導電性ペースト組成物については、セラミックグリーンシートの溶解が殆ど見られなかった。以上のことから、サンプル2〜4の導電性ペースト組成物は、印刷性およびシートアタック性の総合的な評価が「○」であった。
一方、有機溶剤の主溶剤として(d)イソボルニルアセテートを用い、副溶剤として(d)イソボルニルアセテートよりHSPの高い溶剤を用いたサンプル5〜8の導電性ペースト組成物は、膜厚および形状指数は良好であったものの、表面粗さが極めて荒く、グラビア印刷による印刷性には適していないペーストであることが確認できた。また、副溶剤のHSPが高くなるほどシートアタック性が悪化していくことが確認された。このため、サンプル5〜8の導電性ペースト組成物は、印刷性およびシートアタック性の総合的な評価を「×」とした。
(実施態様2)
有機溶剤の主溶剤と副溶剤をいずれも変えて、導電性ペースト組成物(サンプル9)を作製した。すなわち、下記の表3に示したように、主溶剤として(d)イソボルニルアセテートに代えてHSPのより小さい(c)ジヒドロターピニルプロピオネートを用い、副溶剤として(d)イソボルニルアセテートよりもHSPがわずかに大きい(e)ジヒドロターピネオールを用い、後は上記の実施態様1の場合と同様にして、導電性ペースト組成物を調製した。
このサンプル9の導電性ペースト組成物と、実施態様1で作製したサンプル2の導電性ペースト組成物を、実施態様1と同様のセラミックグリーンシートの表面にグラビア印刷法により塗布し、乾燥させることで、電極膜(電極パターン)を形成した。このグラビア印刷においては実施態様1とは異なる製版を用いて形成された電極パターンについて、実施態様1と同様にして、印刷性およびシートアタック性の評価を行った。この実施態様2で用いた製版は、実施態様1の製版よりも、膜厚が薄く形状指数が高い印刷体が得られる製版である。評価結果を、下記の表3に示した。
Figure 2014073530
表3に示した通り、サンプル9の導電性ペースト組成物は、印刷性については良好であった。しかしながら、シートアタック性については、シートは破れないが溶解があるため、膜厚約1μm以下の薄膜セラミックシートでは問題となるものであった。サンプル9の導電性ペースト組成物は、主溶剤として(d)イソボルニルアセテートよりもHSPが小さい(c)ジヒドロターピニルプロピオネートを用い、副溶剤として、汎用の(e)ジヒドロターピネオールを用いたにも関わらず、シートアタック性については改善の余地が残されており、総合的な評価としては「△」であった。
これに対し、サンプル2の導電性ペースト組成物は、より微細な印刷パターンにおいても良好な印刷性を示し、総合的な評価は「○」であった。
(実施態様3)
セラミックグリーンシートとして、実施態様1と同様のセラミックグリーンシートと、バインダとしてアクリル系樹脂を用いたセラミックグリーンシートとを用意し、これらのグリーンシートの表面に実施態様1で作製したサンプル2の導電性ペースト組成物をグラビア印刷法により塗布し、乾燥させることで、電極膜(電極パターン)を形成した。このグラビア印刷においては実施態様1および2とは異なる製版を用いている。形成された電極パターンについて、実施態様1と同様にして、印刷性およびシートアタック性の評価を行った。評価結果を、下記の表4に示した。
Figure 2014073530
表4に示した通り、サンプル2の導電性ペースト組成物は、印刷性およびシートアタック性の両方が良好であり、多様な製版、および、アクリル系,ブチラール系の樹脂を使用したセラミックグリーンシートの何れに適用した場合においても優れた品質を有していることが確認できた。
10 積層型セラミックコンデンサ
20 セラミックグリーンシート
30 内部電極層
40 外部電極

Claims (6)

  1. 導電性粉末と、バインダと、有機溶剤とを含む導電性ペースト組成物であって、
    前記有機溶剤は、
    主溶剤としてイソボルニルアセテートと、
    副溶剤として前記イソボルニルアセテートよりもハンセンの溶解度パラメータが低い溶剤と、
    を含む、導電性ペースト組成物。
  2. 前記有機溶剤は、前記イソボルニルアセテートを60質量%〜90質量%、前記副溶剤を40質量%〜10質量%の割合で含む、請求項1に記載の導電性ペースト組成物。
  3. 前記副溶剤が、ハンセンの溶解度パラメータが19未満であって、かつ、
    (A)ターピネオール誘導体、
    (B)下記の一般式(1)で示される化合物、
    (OR)OR・・・(1)
    (ただし、式中、Rは水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、Rは炭素数2〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、Rは水素原子,アセチル基または直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、nは1または2である。)
    および、
    (C)炭化水素、のうちの何れか1種または2種以上を含む、請求項1または2に記載の導電性ペースト組成物。
  4. 前記導電性粉末を構成する金属種が、ニッケル、白金、パラジウム、銀および銅からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の導電性ペースト組成物。
  5. スプレー塗布、ローラー塗布、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷およびインクジェット印刷からなる群から選択されるいずれか1つの印刷法に用いられるように調製されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の導電性ペースト組成物。
  6. 積層セラミックコンデンサの内部電極を形成するために用いられるように調製されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の導電性ペースト組成物。
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