JPWO2014061540A1 - 物体の落下衝撃緩和装置 - Google Patents

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Abstract

落下中の物体(C)の落下衝撃を緩和する落下衝撃緩和装置であって、物体が通過できる間隔を持ってワイヤー(10b〜18b)を複数本平行に張設したフィルタ(10〜18)を、上下にフィルタのワイヤー位置が相互に異なるように上下方向に複数層組み合わせてある。フィルタ上に物体を落下させると、物体はいずれかのフィルタのワイヤーと衝突し、ワイヤーの変形によって衝撃力が緩和され、かつワイヤー間を物体が容易に通過できるので、後続の物体と衝突する頻度を下げることができ、物体の割れや欠けを防止できる。

Description

本発明は、落下中の物体(例えばチップ部品や造粒物など)の落下衝撃を緩和し、物体が破損又は変形するのを抑制しつつ受け止める落下衝撃緩和装置に関する。本発明における物体とは、所定値以上の落下衝撃によって割れや欠け、又は変形が発生し得る固形物体のことであり、その素材や用途は限定されない。
従来より、積層セラミックコンデンサのようなチップ部品を製造工程の中で搬送する場合、ある高さの搬送ラインから、それより高さの低い別の搬送ラインへチップ部品を移送する必要が生じることがある。その場合、従来ではシュータのような滑り台に沿ってチップ部品を滑らせて搬送する方法が用いられているが、所定以上の高さを滑らせるには、シュータ自体が大型になると共に、水平方向にも大きなスペースを必要とする。
そこで、従来では図15に示すように、複数の搬送ベルト101、102、103を上下に多段階に配置し、最上段の搬送ベルト101上を搬送したチップ部品Cを、次段のベルト102上に落下させ、順次チップ部品Cを下段のベルト上へ落下させるようにして、1段当りのチップ部品Cの落下衝撃を緩和しつつ搬送する方法がある。積層セラミックコンデンサのようなチップ部品は、落下衝撃によって割れや欠けが発生しやすいため、1段当りのチップ部品の落下高さHを許容落下距離以下に管理する必要がある。
例えば、0.5×0.5×1.0mmの直方体形状の積層セラミックコンデンサを1mの高さから自由落下させると、落下速度は約4m/sまで加速される。この速度でチップ部品を剛体プレート(例えばセラミックプレート)に衝突させると、30%以上の確率で割れや欠けといったダメージを受けることを実験により確認した。一方、落下高さを50〜150mmとすると、割れや欠けはほぼゼロであり、許容落下距離は50〜150mmであることが確認されている。よって、150mmを超える高さから落下した場合は、何らかの落下衝撃緩和対策が必要である。
ウレタンやスポンジなどのやわらかい弾性マット上にチップ部品を落下させると、そのマットが衝撃を吸収し、チップ部品の破壊や損傷の回避が可能となる。しかし、マット上に多数のチップ部品を連続的に落下させると、先に落下したチップ部品と後続のチップ部品とが衝突し、その衝撃によっても割れや欠けが発生する。
上述のベルトを用いた搬送装置では、先に落下したチップ部品の上に後から落下したチップ部品が衝突しないように、ベルトの搬送速度を調節する必要がある。そのため、複数のベルトを常に駆動し続けなければならず、動力エネルギーも大きくなる。また、一気に多数のチップ部品を落下させると、たとえベルトの搬送速度を上げても対応できない可能性がある。
特許文献1には、落下衝撃の緩和を目的としたコンベアのシュート装置が開示されている。このシュート装置は、高さ方向に複数段並べて配置される搬送路を備え、上下に隣り合う各搬送路のうち、下側に位置する搬送路の上流側端部を、その上側に位置する搬送路の下流側端部に回動自在に接続し、自由状態では各搬送路を上流側から下流側へかけて下方へ傾斜させた落下速度減少手段と、最下段の搬送路に設けられ、この搬送路を上昇又は下降させ、落下速度減少手段の高さ調整を行うワイヤーとを有するものである。
しかしながら、特許文献1に記載されたシュート装置の場合、
(1)十分に落下衝撃の緩和を図るためにはかなりの長さの搬送路が必要であること、
(2)ジグザグ状に移動させながら落下させるため、移動に多大な時間がかかること、
(3)複数の搬送路をヒンジ軸を介して回動可能に連結する必要があるため、装置が大型かつ複雑になること、などの課題がある。
特開2007−153576号公報
そこで、本発明の目的は、個々の落下物の衝撃緩和と共に、複数の落下物が連続して落下してきた場合でも落下物同士の衝突を抑制できる、簡素な構造の落下衝撃緩和装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の実施形態は、落下中の物体の落下衝撃を緩和する落下衝撃緩和装置において、前記物体が通過可能な間隔を持ってワイヤーを複数本平行に張設したフィルタ、又は前記物体が通過可能な目開きを持ってワイヤーを網目状に組んだフィルタを、上下方向に複数層組み合わせてなり、前記複数層のフィルタを水平面に垂直投影した投影図におけるワイヤー間隔が、少なくとも物体が落下してくる領域において前記物体の通過できない幅となるように、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なることを特徴とする。ここで、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なるとは、上下のワイヤー同士が非平行である場合や、平行であるが水平方向の位置がずれている場合などを含む。
一般に、力積の式から、物体の衝突により生じる衝撃力Fは、次の(1)式で示される。F=mv/Δt ・・・(1)
ここで、mは物体の質量、vは速度、Δtは衝突時間である。即ち、物体の受ける衝撃力Fを低下させるには、右辺分子の運動量の減少(=速度の減少)、もしくは右辺分母の衝突時間の増加により達成可能である。
フィルタの上から複数の物体を落下させることで、物体はいずれかのワイヤーに衝突するが、ワイヤーの変位により物体とワイヤーとの衝突時間Δtが延び、衝撃力が低減される。例えば、ワイヤーと衝突した落下物は、ワイヤーの変位によって、剛体プレートとの衝突に比べて、その衝突時間Δtは数倍〜10倍以上となり、その衝突により生じる衝撃力Fは、剛体プレートとの衝突の際と比べて数分の1から1/10以下となる。
上下に組み合せられた複数層のフィルタを水平面に垂直投影してなる投影図におけるワイヤー間隔が、少なくとも物体が落下してくる領域において物体の通過できない幅となるように、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なるため、物体が如何なる姿勢で落下してきても、全てのフィルタを素通りしてしまうことがない。つまり、上層のフィルタをすり抜けた物体でも、下層のいずれかのフィルタのワイヤーに衝突する。複数層のワイヤーとの衝突により段階的に落下速度が低減し、一回当たりの衝撃力を小さくでき、許容衝撃力を下回る衝突を繰り返すことで、落下する物体を割れ欠けなく回収できる。また、フィルタは、落下物が通過できる間隔を持って複数のワイヤーを平行に配設又は網目状に構成したものであるから、物体がフィルタを通過しやすく、最上層のフィルタ上に物体が残留するのを抑制できる。そのため、複数の物体を連続的に落下させても、落下物は速やかに最上層のフィルタを通過し、後続の落下物との衝突を回避できる。この落下衝撃緩和装置を、高さの異なる搬送ラインに適用すれば、1回の落下で十分な高さ(例えば1m以上)を稼ぐことができ、平面方向のスペースを小さくできると共に、物体を連続的に落下させることができ、処理効率が向上する。しかも、駆動装置を必要としないので、構造が簡単で、動力エネルギーを削減できる。
フィルタとしては、枠体と、当該枠体の内側空間に平行に配設された複数本のワイヤーとを備え、枠体を上下方向に積み重ね可能とされている構造としてもよい。この場合には、上下に複数の枠体を積み重ねることで、個々のワイヤーには負荷がかからず、しかも個々のワイヤーの位置を正確に位置決めできる。ワイヤーとしては金属ワイヤーでもよいし、樹脂ワイヤーでもよいが、物体が衝突したときに十分な緩衝効果を発揮できるヤング率を持ち、かつ断線しにくいワイヤーが望ましい。
また、フィルタは、1枚の金属板をエッチングすることにより、複数本のワイヤーを枠部と一体に形成したものであってもよい。この場合には、エッチングにより枠部とワイヤーとが一体に形成されるので、ワイヤーを枠体に保持する作業が不要になり、フィルタを簡単に作成できる。このフィルタをスペーサを間にして複数層積み重ねることにより、落下衝撃緩和装置を構成できる。
また、フィルタのワイヤー間隔を、上層のフィルタに比べて下層のフィルタを小さくした構造も有効である。換言すれば、フィルタ各層のワイヤー間隔が、上部の層ほど疎らで、下部の層ほど密となるように設定してもよい。フィルタの上から複数の物体を連続的に落下させると、ある物体は最上層のワイヤーに衝突し、別の物体は最上層のワイヤーをすり抜けて下方のワイヤーに衝突する。上層のワイヤーの間隔が下層のフィルタの間隔より広いので、最上層のフィルタを物体がすり抜けやすく、すり抜けた物体が下層のいずれかのフィルタに衝突し、落下衝撃が緩和される。このように、上層のワイヤーと衝突する物体の衝突確率を低くすることで、上層のフィルタ上で跳ね返る物体の数を減らせるので、跳ね返った物体同士の衝突頻度、又は跳ね返った物体と上方から落下してきた物体との衝突頻度を低下させることができ、物体の欠けや割れを防止できる。また、最上層のフィルタ上に物体が滞留するのを抑制できるので、物体同士の衝突を抑制できる。
隣り合う上下層のフィルタのワイヤー方向が、鉛直上方からみて非平行に配置されている構造としてもよい。換言すれば、上層のフィルタに対して下層のフィルタを、互いのワイヤーが鉛直上方から見て交差するように配置してもよい。フィルタの上から複数の物体を落下させると、ある物体は最上層のワイヤーに衝突し、他の物体は最上層のワイヤーをすり抜ける。上層のワイヤーと下層のワイヤーとが非平行であるため、上層のワイヤーをすり抜けた物体は下層のいずれかのフィルタに衝突しやすく、落下衝撃が緩和される。
好ましい実施形態では、少なくとも最上層のフィルタのワイヤー方向が水平軸に対して斜めに傾いている構造としてもよい。フィルタがメッシュで構成されている場合には、メッシュを構成している一方向のワイヤーが水平軸に対して傾いておれば良く、他方向のワイヤーは水平方向でもよい。また、上下に配置されたすべてのフィルタのワイヤーを互いに平行にかつ斜めに配置してもよいが、最上層のフィルタを含む1つ又は複数のフィルタが傾斜しておればよい。この場合には、落下してきた物体は、最上層のフィルタを含む傾斜したフィルタに衝突する確率が高く、ワイヤーの変形によってその落下衝撃が緩和されるだけでなく、水平方向又は斜め方向に跳ね返り、後続の落下物体と正面衝突するのを回避できる。そのため、物体同士の衝突による割れや欠けを抑制できる。
本発明の他の実施形態として、複数本のワイヤーを網目状に組み合わせてなる複数のメッシュと、複数の前記メッシュを鉛直軸に対して斜め方向に、かつ互いに前記物体の最大寸法より大きな隙間を隔てて平行に支持してなる支持体と、を備えた構成としてもよい。メッシュの上縁部は、前記隙間より大きな水平方向の開口幅をあけて平行に配置されている。この場合は、落下してきた物体はいずれかのメッシュの上面に衝突し、メッシュの弾性により物体とメッシュとの衝突時間が伸び、衝撃力が緩和される。落下物はメッシュで跳ね返るが、メッシュは鉛直軸に対して斜め方向に傾斜しているので、跳ね返り方向が斜め方向又は水平方向となり、隣り合うメッシュの下側に入り込む。そのため、後続の落下物との衝突を避けることができる。落下物は隣り合う2つのメッシュとの衝突により段階的に落下速度が低減し、一回当たりの衝撃力を小さくでき、許容衝撃力を下回る衝突を繰り返すことで、物体を割れ欠けなく回収できる。
この実施形態の場合、各メッシュは、ワイヤーを物体が通過できない間隔で網目状に組み合わせたものであってもよいし、ワイヤーを物体が通過し得る間隔で網目状に組み合わせ、上下に隣接するメッシュのワイヤーの位置が相互に異なるように構成したものであってもよい。前者の場合には、上述の通り、チップ部品がメッシュと複数回衝突を繰り返しながら落下エネルギーが吸収される。後者の場合には、上層のメッシュをすり抜けた物体でも、下層のいずれかのメッシュに衝突し、許容衝撃力を下回る衝突を繰り返すことで、物体を割れ欠けなく回収できる。
以上のように、本発明の第1実施形態によれば、ワイヤーを複数本平行に張設したフィルタ、又はワイヤーを網目状に組んだフィルタを上下方向に複数層組み合わせたので、フィルタの上から複数の物体を落下させると、物体はいずれかのワイヤーに衝突し、ワイヤーの変形により物体とワイヤーとの衝突時間が伸びるので、衝撃力が低減される。また、複数層のフィルタを水平面に垂直投影した投影図におけるワイヤー間隔が物体の通過できない幅となるように、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なるので、複数のワイヤーとの衝突により段階的に物体の落下速度が低減でき、一回当たりの衝撃力を小さくでき、許容衝撃力を下回る衝突を繰り返すことで、物体を割れ欠けなく回収できる。また、フィルタは、落下物の最大寸法より大きな間隔を持つようにワイヤーを配置したものであるから、物体がワイヤーの間を通過しやすく、最上層のフィルタ上に物体が残留するのを抑制できる。そのため、複数の物体を連続的に落下させても、落下物は速やかに最上層のフィルタを通過し、後続の落下物との衝突を回避できるという優れた効果を奏する。しかも、駆動装置を必要としないので、構造が簡単で、動力エネルギーを削減できる。
また、第2実施形態によれば、複数のメッシュを鉛直軸に対して斜め方向に、かつ物体の最大寸法より大きな隙間を隔てて平行に配置したので、メッシュの弾性により物体とメッシュとの衝突時間が伸び、衝撃力が緩和される。しかも、物体はメッシュで斜め方向又は水平方向に跳ね返り、隣り合うメッシュの下側に入り込むため、後続の落下物との衝突を避けることができる。その結果、物体を割れ欠けなく回収できる。
本発明に係る落下衝撃緩和装置の第1実施例の概略断面図である。 図1の落下衝撃緩和装置を構成するフィルタの斜視図である。 図1の複数のフィルタを積層したものを上方から見た平面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の第2実施例におけるフィルタの断面図である。 本発明の第3実施例におけるフィルタを積層した状態の平面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 本発明に係るフィルタの他の例の斜視図である。 本発明に係るフィルタのさらに他の例の斜視図である。 本発明に係る落下衝撃緩和装置の第4実施例の概略断面図である。 図10の落下衝撃緩和装置を構成するフィルタの断面図である。 本発明に係る落下衝撃緩和装置の第5実施例の概略断面図である。 本発明に係る落下衝撃緩和装置の第6実施例の概略断面図である。 本発明に係る落下衝撃緩和装置の第7実施例の概略断面図である。 従来の搬送装置の一例の概略図である。
−第1実施例−
図1〜図4は本発明に係る落下衝撃緩和装置の第1実施例を示す。この装置1Aは、例えば、0.5×0.5×1.0mmサイズの直方体形状の積層セラミックコンデンサのようなチップ部品(物体)Cの落下衝撃緩和に使用される。なお、図1は理解を容易にするために図示したものであり、チップ部品Cと各部材との寸法関係は実際とは異なる。
本衝撃緩和装置1Aは、複数層のフィルタ10、11、12、13を積み重ねた状態で固定したものである。ここでは、4層のフィルタを積層した構造を示したが、2層以上であれば、その層数は任意である。本装置1Aは、落下筒2の下部にガイド筒3を介して固定されている。落下筒2の中を通って複数のチップ部品Cが連続的に落下してくるように構成されている。
装置1Aを構成するフィルタ10の構造は、図2のように、四角形状の枠体10aと、枠体10aの内側空間に平行に張設された複数本のワイヤー10bとで構成されている。図2では、1個の枠体10aの対向する2辺の間に5本のワイヤー10bを平行に張設したが、ワイヤー10bの本数は任意である。ワイヤー10bの材質としては、チップ部品Cが衝突したときに十分な緩衝効果を発揮できるヤング率を持ち、かつ断線しにくいワイヤーであれば、金属ワイヤーでもよいし、樹脂ワイヤーでもよい。チップ部品Cの重量や比重等に応じてワイヤーの材質、線径、張力を設定すればよい。ワイヤー10bの間隔Dは、チップ部品Cの最大寸法(上述のチップ部品の例では1mm)より大きく設定されている。
各フィルタの枠体10a〜13aは、上下に積み重ねた状態で、凹凸又はボルト等の固定具(図示せず)によって、位置決め固定されている。上下のフィルタのワイヤーの位置が相互に異なるように、フィルタ10、11、12、13は積層されている。図3は、上下に積層したフィルタ10〜13の一例を水平面に垂直投影した投影図であり、第4図は、ワイヤーと直交する方向の断面図である。図3では、理解を容易にするために最上層のワイヤー10bを太線、第2層のワイヤー11bを細線、第3層のワイヤー12bを一点鎖線、第4層のワイヤー13bを破線で示してあるが、全てのワイヤーは同じ太さである。上下に隣接するワイヤー間の距離hは、枠体10a〜13aの厚みに相当しており、この距離hはチップ部品の最大寸法より大きい。この実施例では、全てのフィルタ10〜13のワイヤー10b〜13bが平行であり、かつ上下に隣接するフィルタのワイヤーの位置が水平方向に相互にずれている。そして、複数層積層したフィルタ10〜13を水平面へ垂直投影したとき、全てのワイヤー10b〜13bの水平方向の最小隙間d(図3参照)は、チップ部品Cの最小寸法(上述の例では0.5mm)以下とされている。そのため、チップ部品Cが如何なる姿勢で落下してきても、チップ部品Cがワイヤーと接触せずにワイヤー間をすり抜けることがない。換言すれば、全てのチップ部品Cが何れかのワイヤーと必ず1回以上衝突し、衝撃力が緩和される。なお、図3ではフィルタの全面にわたってワイヤー間隔dをチップ部品の通過できない幅としたが、必ずしもフィルタ全面である必要はなく、例えばチップ部品の落下領域を予め制限しておけば、少なくともチップ部品が落下してくる領域においてワイヤー間隔dをチップ部品の通過できない幅とすればよい。
なお、図3、図4では上下に積層された全ての層のフィルタのワイヤーが、上下方向に整列しないような例を示したが、フィルタの層数、ワイヤー間隔D、及びチップ部品の寸法等との関係において、1つ又は複数の層のフィルタのワイヤーが上下方向に整列していてもよい。
装置1Aの下方には、隙間をあけて回収トレー4が配置されている。最下層のフィルタ13のワイヤー13bと回収トレー4の高さの差は、許容落下距離(例えば150mm)以下とされており、フィルタ10〜13を通過したチップ部品Cは、落下エネルギーが十分に低下しているので、回収トレー4が弾性体で構成されていなくても、割れや欠けを発生させずにチップ部品Cを回収できる。
ここで、上記構成からなる落下衝撃緩和装置1Aの動作について説明する。落下筒2の中を通って複数のチップ部品Cを連続的に自由落下させると、幾つかのチップ部品Cは最上層のフィルタ10のワイヤー10bに衝突する。ワイヤー10bの変形によりチップ部品Cとワイヤー10bとの衝突時間が伸び、衝撃力が低減される。他のチップ部品Cは最上層のフィルタ10をすり抜けるが、上下に隣接するフィルタのワイヤーの位置が相互に異なるので、下層のいずれかのワイヤーと衝突し、上記と同様にして衝撃力が緩和される。そして、複数層のワイヤーとの衝突により段階的に落下速度が低減し、許容衝撃力を下回る衝突を繰り返すことで、回収トレー4によってチップ部品Cを割れ欠けなく回収できる。
また、各フィルタのワイヤーの間隔Dは、落下物の最大寸法より大きな間隔を持つので、チップ部品Cがワイヤーの隙間を通過しやすく、最上層のフィルタ10上に物体が残留するのを抑制できる。そのため、複数のチップ部品Cを連続的に落下させても、チップ部品Cは速やかに最上層のフィルタ10を通過し、後続のチップ部品Cとの衝突を回避できる。その結果、チップ部品同士の衝突による割れや欠けを防止できる。
第1実施例の効果を確かめるため、内寸200mmの四角形枠体に、線径0.1mmの金属ワイヤーを2mm間隔で張設したフィルタを準備した。この場合には、隣り合う金属ワイヤーの間隔は1.9mmとなる。このフィルタを4層積み重ねて落下衝撃緩和装置を構成した。この装置の上方1mの位置からチップ部品(0.5×0.5×1.0mmサイズの積層セラミックコンデンサ)を落下させたところ、割れや欠けが殆ど発生することなく、チップ部品を回収できた。
−第2実施例−
図5は本発明にかかる落下衝撃緩和装置の第2実施例を示す。第1実施例では、ワイヤーの間隔Dが同じフィルタ10〜13を複数層積み重ねた例を示したが、この実施例では、ワイヤー間隔を、上層のフィルタに比べて下層のフィルタの方を小さくしたものである。換言すれば、フィルタ各層のワイヤー間隔が、上部の層ほど疎らで、下部の層ほど密となるように設定してある。
例えば、最上層のフィルタ10のワイヤー間隔をD1、第2層のフィルタ11のワイヤー間隔をD2、第3層のフィルタ12のワイヤー間隔をD3、第4層のフィルタ13のワイヤー間隔をD4とすると、
D1>D2>D3>D4
とされている。なお、最小の間隔D4でも、チップ部品の最大寸法より大きくするのがよい。
なお、フィルタを通過するチップ部品の通過特性に応じて、最上層のワイヤー間隔D1だけを他の層のワイヤー間隔D2〜D4より大きくしてもよいし、第3、第4層のワイヤー間隔D3、D4を同じとしてもよい。例えば、
D1>D2=D3=D4
D1>D2>D3=D4
この実施例では、上層のワイヤーと衝突するチップ部品の衝突確率を低くすることで、最上層のフィルタ10上で跳ね返るチップ部品の数を減らせるので、跳ね返ったチップ部品同士の衝突、又は跳ね返ったチップ部品と上方から落下してきたチップ部品との衝突頻度を低くすることができ、チップ部品の欠けや割れを防止できる。
−第3実施例−
図6、図7は本発明にかかる落下衝撃緩和装置の第3実施例を示す。この実施例では、上下に隣接するフィルタのワイヤーの位置が非平行になるように、フィルタ10、11、12、13は積層されている。図6では、最上層のワイヤー10bを太線、第2層のワイヤー11bを細線、第3層のワイヤー12bを一点鎖線、第4層のワイヤー13bを破線で示してある。ここでは、上側のフィルタのワイヤーの向きに対し、その下側のフィルタのワイヤー方向が直交している例を示したが、直交している必要はない。1つのフィルタに設けられている各ワイヤーの間隔Dは、第1実施例と同様にチップ部品Cの最大寸法より大きい。さらに、複数層積層したフィルタ10〜13を水平面に垂直投影した投影図において、ワイヤー10b〜13b間の最小隙間sは、チップ部品Cの最小寸法以下とされている。そのため、チップ部品Cが如何なる姿勢で落下してきても、全てのフィルタ10〜13のワイヤー間をすり抜けることがない。
この実施例の場合も、第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。チップ部品が偏平形状の場合、第1実施例のようなワイヤーを平行に配置した場合には、その最小隙間dを非常に小さくする必要があり、多数層のフィルタを必要とするが、この実施例では上下のワイヤーが交差している(疑似的にメッシュ状となる)ので、偏平なチップ部品でもワイヤーと確実に衝突させることができ、フィルタの層数を減らすことができる。また、チップ部品Cとワイヤーとの1回目に衝突する段数位置を、よりまばらに分散させることができるので、チップ部品同士の衝突回数を少なくできる。
図8は本発明にかかるフィルタの他の例を示す。この実施例では、各フィルタ14が、四角形状の枠体14aと、その内側にチップ部品Cが通過可能な目開きを持って網目状に組まれた複数のワイヤー14bとで構成したものである。このようなフィルタ14を上下に複数層積み重ね、かつ上下に隣接するフィルタのワイヤーの位置が水平方向に相互に異なるようにすることで、落下衝撃緩和装置が構成される。
この実施例の場合は、ワイヤー14bが縦横に設けられるので、第1実施例のように全てのワイヤーが平行に配置されたものに比べて、最上層のフィルタ14上に滞留するチップ部品の数が増え、後続のチップ部品と衝突する可能性が高くなる。そこで、上層側のフィルタ14に比べて、下層側のフィルタ14の目開きを順次小さくするのが望ましい。この場合には、最上層のフィルタ14上に滞留するチップ部品の数を減らすことができ、チップ部品同士の衝突頻度を下げることができる。
図9は、フィルタ20のさらに他の例を示す。このフィルタ20は、1枚の金属板をエッチングすることにより、複数本のワイヤー21を枠部22と一体に形成したものである。この実施例のフィルタ20の場合、厚みが薄いので、フィルタ20を枠状のスペーサ(図示せず)を間にして複数枚積み重ねることにより、上下のフィルタ間に所定の隙間を確保できる。その結果、落下衝撃緩和装置を簡単に構成できる。
フィルタのワイヤーを張力をもって配設してもよいが、チップ部品Cの跳ね返りを抑制するためには、ワイヤーを多少弛ませて配設するのが好ましい。しかし、ワイヤーを弛ませると、ワイヤー同士の間隔が不均一になり、チップ部品Cの衝撃吸収効果にバラツキが発生する可能性がある。図9のように、金属板からフィルタ20を形成した場合には、複数本のワイヤー21の中間部同士をその軸線方向に対して直交方向に連結する連結部23を一体に形成してもよい。連結部23の太さはワイヤー21と同等にするのがよい。上述のように連結部23を追加することで、ワイヤー21を弛ませた場合でも、その間隔のバラツキを解消できる。連結部23の本数は、1本である必要はなく、ワイヤー21の長さが長くなれば2本以上に増やしてもよい。連結部23は、金属板のエッチング時に同時に形成できるので、加工工数を増加させない。
−第4実施例−
図10は本発明にかかる落下衝撃緩和装置1Bの第4実施例を示す。この実施例では、フィルタ面が鉛直軸に対して傾斜するように、複数(ここでは4層)のフィルタ15〜18を積み重ねたものである。2は落下筒、5は落下筒2の下面に固定されたガイド筒であり、フィルタの下端にもガイド筒6が設けられている。ガイド筒5、6は、最上層のフィルタ15および最下層のフィルタ18と接する傾斜した下面5aと上面6aとを有し、チップ部品Cの飛び散りを防止しつつ下方へガイドしている。ガイド筒5、6は、落下衝撃緩和装置1Bの構成に応じて任意に設けられる。
各フィルタ15〜18は、図11に示すように、四角形の枠体15aと、その対向する2辺の枠部15a1の間に張設された平行な複数本のワイヤー15bとで構成されている。各ワイヤー15bの横方向の間隔は、チップ部品Cの最大寸法より大きく、かつ上下に隣接するワイヤー同士が、横方向に所定距離だけオフセットしている点で、第1実施例と同様である。当然ながら、上下に隣接するワイヤー間の上下方向の間隔も、チップ部品Cの最大寸法より大きい。各フィルタにおいて、ワイヤー15bは水平面に対して角度θで傾斜している。この傾斜角θは、15°〜75°の範囲が望ましい。この実施例では、上下に積層された複数層(ここでは4層)のフィルタ15〜18に張設されたワイヤー15b〜18bが、すべて同じ角度θで傾斜している。複数の枠体15a〜18aを積み重ねたときに安定するように、対向する2辺の枠部15a1の上下面は水平面とされ、これら2辺の枠部15a1を連結する2つの枠部15a2の上下面は斜め方向に傾斜している。なお、フィルタの形状は図11の構造に限定されず、図9に示すようなフィルタを使用することもできる。他の構成は第1実施例と同様であるため、重複説明を省略する。
ガイド筒6の下方には、矢印方向に連続駆動される搬送ベルト7が水平に配置されており、フィルタ15〜18を通過してきた部品Cを回収し、他の部位まで搬送できるようになっている。回収手段としては、搬送ベルト7に限らない。
この場合、落下してきたチップ部品Cは傾斜したワイヤー15d〜18dに衝突するので、上方に跳ね返るチップ部品が大幅に減少し、後から落下してくるチップ部品と衝突する頻度を激減させることができる。そのため、ワイヤーの変形による衝撃緩和効果とともに、チップ部品同士の衝突による割れや欠けを防止できる。フィルタ15〜18を通過したチップ部品Cの落下速度は十分に低いので、搬送ベルト7上に落下した衝撃で割れや欠けが発生せず、かつベルト7上で複数のチップ部品が積み重なっても、チップ部品が破損することがない。そのため、ベルト7を低速で駆動でき、場合によっては停止していてもよい。
第4実施例では、全てのワイヤー15d〜18dが同じ角度で傾斜した例を示したが、少なくとも最上層のフィルタ15のワイヤーが傾斜しておればよく、それより下層のフィルタのワイヤーは異なる傾斜角で傾斜していてもよいし、水平であってもよい。
第4実施例の具体的な例として、例えば線径0.1mmの金属ワイヤーを2mm間隔で平行に張設したフィルタを準備し、フィルタ面を水平方向に対して30°傾けて、合計6層のフィルタを積み重ねて落下衝撃緩和装置を構成した。この装置の上方1mの位置から1000個のチップ部品(0.5×0.5×1.0mmサイズの積層セラミックコンデンサ)を順番に落下させたところ、割れや欠けが発生したチップ部品は確認できなかった。そのため、この落下衝撃緩和装置の有効性が実証された。
第4実施例では、すべてのフィルタのワイヤーを同じ角度で傾斜させ、かつ上層のワイヤーに対して下層のワイヤーを横方向にオフセットするように積み重ねたが、第2実施例のようにフィルタ各層のワイヤー間隔が、上部の層ほど疎らで、下部の層ほど密となるように設定してもよいし、第3実施例のように、上下に隣接するフィルタのワイヤーの位置が非平行になるように積み重ねてもよい。さらに、第3実施例のように、メッシュ構造のフィルタを使用してもよいし、図9のような金属板よりなるフィルタを使用してもよい。
−第5実施例−
図12は本発明にかかる落下衝撃緩和装置の第5実施例を示す。この落下衝撃緩和装置1Cは、チップ部品Cを落下ガイドするガイド筒30と、ガイド筒30の中を落下したチップ部品Cを受けるスライダー部40と、スライダー部40の下部から落下したチップ部品を受ける減速部50と、減速部50を通過したチップ部品Cを受けるための回収部60とを備えている。図12の矢印はチップ部品Cの落下軌跡を示す。
スライダー部40の上部40aは45°より大きい角度θ(好ましくは60°より大きい)で傾斜しており、落下してくるチップ部品Cと45°より小さい角度で衝突する。なお、スライダー部40の上部40aの傾斜角をさらに大きくすることで、チップ部品Cがスライダー部40の上を滑るようにしてもよい。その場合には、スライダー部40として表面が平滑な板材を使用するのがよい。そのため、スライダー部40との衝突によってチップ部品Cが破損することはない。スライダー部40の下部は、その傾斜角が漸次小さくなるように湾曲しており、その下端部40bの傾斜角は0°に近くなっている。スライダー部40と衝突を繰り返しながら、又はスライダー部40の上を滑りながら下方へ移動したチップ部品Cは、下端部40bから斜め下方へ排出され、減速部50上に落下する。なお、スライダー部40は図示の形状に限らず、例えば一様な傾斜角で傾斜した板材でもよいし、下端部40bが上部40aの傾斜角より小さい角度で下方へ傾斜していてもよい。
減速部50は、複数のフィルタ51を、上部から下部に至るに従いその傾斜角が漸次減少するように配置したものである。フィルタ51は、スライダー部40の下端部40b側に近い側が下方に位置し、その反対側が上方に位置するように傾斜しており、最上部のフィルタ51aの傾斜角が最大で、最下部のフィルタ51bの傾斜角はほぼ0°(ほぼ水平)となっている。フィルタ51としては、図2に記載のフィルタ10、図8に記載のフィルタ14、図9に記載のフィルタ20、その他メッシュのような如何なるフィルタを使用してもよい。ここでは、複数のフィルタ51をその傾斜角を漸次変化させて配置したが、図1のようにすべてのフィルタ51を水平に配置してもよいし、図10のようにすべてのフィルタを同じ角度で傾斜させてもよい。スライダー部40の下端部40bから斜め下方へ排出されたチップ部品Cは、減速部50の最上部のフィルタ51a(最も傾斜角の大きなフィルタ)上に落下し、そのフィルタ51aを通過することで垂直方向及び水平方向の速度成分が減少する。その後、下方の複数のフィルタ51を通過する間にチップ部品Cの垂直方向及び水平方向の速度成分が漸次減少し、回収部60上で割れや欠けなく回収される。回収部60としては、メッシュを使用してもよいし、図1の回収トレー4、図10のベルトコンベア7などを使用してもよい。
チップ部品Cが高い位置から落下した場合には、複数のフィルタを通過させるだけではチップ部品の減速が不十分なことがあり得る。上述の落下衝撃緩和装置1Cを用いた場合には、スライダー部40によってチップ部品の垂直方向の速度成分をある程度減速させることが可能になり、その後で複数のフィルタ51を用いた減速部50の中を通過させるため、高い位置からチップ部品を落下させた場合でも、チップ部品を割れ欠けなく回収することが可能になる。
−第6実施例−
図13は本発明にかかる落下衝撃緩和装置の第6実施例を示す。この実施例の装置1Dは、複数のメッシュ70を鉛直方向に対して斜めに傾斜(傾斜角α)させ、かつ所定隙間Sをあけて平行に配置したものである。傾斜角αは30°〜75°の範囲がよい。メッシュ70同士の隙間Sは、チップ部品Cの最大寸法より大きく設定されている。メッシュ70の上縁部は、隙間Sより大きな水平方向の開口幅Wをあけて平行に配置されている。隙間Sと開口幅Wの関係は次の通りである。
W=S/sinα
メッシュ70は、複数本の弾性ワイヤー70aを、チップ部品Cが通過できない間隔で網目状に組み合わせたものである。メッシュ70の紙面と垂直方向の両端部は回収ボックス(支持体)71によって支持されており、メッシュ70同士の隙間を通過したチップ部品Cは、この回収ボックス71に落下し、回収される。なお、回収ボックス71がメッシュ70を支持する支持体を兼ねる例を示したが、支持体とは別に、搬送ベルトなどをメッシュ70の下方に配置してもよい。
メッシュ70としては、チップ部品との衝突時にその衝撃力を1/10以下程度まで低減できる弾力性を有するものが望ましく、例えば金属ワイヤーを網目状に組んだメッシュを使用してもよい。例えば、メッシュ70として、線径0.08mmの金属ワイヤーを使用し、目開き0.132mmとした金属メッシュを用いることができる。0.5×0.5×1.0mmサイズのチップ部品を1mの高さから自由落下させ、水平に設置したメッシュ70に衝突させたとき、メッシュと衝突した際の衝突時間(速度ゼロに達する時間)は約0.3m秒程度であることを確認した。一方、チップ部品が剛体(厚み5mmのセラミックプレート)に落下した場合は、その衝突時間はチップ部品の剛体への衝突シミュレーションから約0.003秒と考えられる。これら結果を合わせて考えると、メッシュ上での衝突回収の場合のチップ部品に加わる衝撃力は、(1)式からみて、剛体へ落下した場合に比べて1/10以下程度まで低減されていると考えられる。
この装置1Dでは、上記のような弾力性を有するメッシュ70を斜めに傾斜させてあるため、図13に矢印で示すように、メッシュ70に最初に衝突したチップ部品が水平方向又は斜め方向に跳ね返り、隣接するメッシュの背面側に回り込む。複数回の衝突を繰り返すことにより、段階的に速度が低減し、チップ部品を割れ欠けなく回収ボックス71で回収できる。また、メッシュ70は、チップ部品の最大寸法より大きな間隔Sを持つように平行に配置されているので、先に落下したチップ部品は速やかにメッシュの背面側に回り込み、後のチップ部品との衝突頻度を激減させることができる。そのため、複数のチップ部品を連続的に落下させても、チップ部品同士の衝突による割れや欠けを防止でき、しかもチップ部品が何れかのメッシュ上に滞留することがない。
−第7実施例−
図14は本発明にかかる落下衝撃緩和装置の第7実施例を示す。この実施例の装置1Eは、メッシュ72の目開きdを、チップ部品Cが通過できる間隔とすると共に、上下に隣接するメッシュ72のワイヤー72aの位置が水平方向に相互に異なるように構成した点で、第6実施例の装置1Dと相違する。具体的には、上層のワイヤー72aの位置と下層のワイヤー72aの位置との間隔sをチップ部品の最小寸法以下となるように、水平方向に相互にずらしてある。そのため、チップ部品が上層のメッシュ72をすり抜けても、下層のメッシュ72のワイヤー72aに衝突し、落下エネルギーを吸収できる。なお、メッシュ72に衝突したチップ部品は、第6実施例と同様に、対向する2つのメッシュ72の間で衝突を繰り返しながら段階的に速度が低減する。
本発明が対象とする物体としては、完成したチップ部品に限らず、その中間部品(外部電極を有しない)や、成形品、焼結体、金属体、造粒体などであってもよい。造粒体の場合、チップ部品と同様に落下衝撃により割れや欠けが発生しやすいので、本発明が有効である。焼結体や金属体の場合も、落下衝撃により変形や歪みが発生するので、本発明が有効である。物体の形状は、直方体に限らず、円盤形や錠剤のような形状でもよい。特に、角(エッジ)を有する物体の場合に効果的である。
C チップ部品(物体)
1A,1B,1C,1D,1E 衝撃緩和装置
2 落下筒
3 ガイド筒
4 回収トレー
7 搬送ベルト
10、11、12、13、14 フィルタ
10a〜14a 枠体
10b〜14b ワイヤー
15、16、17、18 フィルタ
15a 枠体
15b ワイヤー
20 フィルタ
30 ガイド筒
40 スライダー部
50 減速部
60 回収部
70 メッシュ
71 回収ボックス(支持体)
前記目的を達成するため、本発明の第1の実施形態は、落下中の物体の落下衝撃を緩和する落下衝撃緩和装置において、前記物体が通過可能な間隔を持ってワイヤーを複数本平行に張設したフィルタを、上下方向に複数層組み合わせてなり、前記複数層のフィルタを水平面に垂直投影した投影図におけるワイヤー間隔が、少なくとも物体が落下してくる領域において前記物体の通過できない幅となるように、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なることを特徴とする。ここで、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なるとは、上下のワイヤー同士が非平行である場合や、平行であるが水平方向の位置がずれている場合などを含む。

Claims (9)

  1. 落下中の物体の落下衝撃を緩和する落下衝撃緩和装置において、
    前記物体が通過可能な間隔を持ってワイヤーを複数本平行に張設したフィルタ、又は前記物体が通過可能な目開きを持ってワイヤーを網目状に組んだフィルタを、上下方向に複数層組み合わせてなり、
    前記複数層のフィルタを水平面に垂直投影した投影図におけるワイヤー間隔が、少なくとも物体が落下してくる領域において前記物体の通過できない幅となるように、上下のフィルタのワイヤー位置が水平方向に相互に異なることを特徴とする、落下衝撃緩和装置。
  2. 前記フィルタは、枠体と、当該枠体の内側に平行に張設された前記複数本のワイヤーとを備え、
    前記枠体は上下方向に積み重ね可能とされていることを特徴とする、請求項1に記載の落下衝撃緩和装置。
  3. 前記フィルタは、1枚の金属板をエッチングすることにより、複数本のワイヤーを枠部と一体に形成したものであることを特徴とする、請求項1に記載の落下衝撃緩和装置。
  4. 前記フィルタのワイヤー間隔を、上層のフィルタに比べて下層のフィルタのワイヤー間隔が小さくなるように設定したことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の落下衝撃緩和装置。
  5. 積層された前記フィルタの隣り合う上下層のフィルタのワイヤー方向が、鉛直上方からみて非平行に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の落下衝撃緩和装置。
  6. 積層された前記フィルタのうち、少なくとも最上層のフィルタのワイヤー方向が水平軸に対して斜めに傾いていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の落下衝撃緩和装置。
  7. 落下中の物体の落下衝撃を緩和する落下衝撃緩和装置において、
    複数本の弾性ワイヤーを網目状に組み合わせてなるメッシュと、
    複数の前記メッシュを鉛直軸に対して斜め方向に、かつ互いに前記物体の最大寸法より大きな隙間を隔てて平行に支持してなる支持体と、を備え、
    複数の前記メッシュの上縁部は、前記隙間より大きな水平方向の開口幅をあけて平行に配置されていることを特徴とする落下衝撃緩和装置。
  8. 前記メッシュは、複数本の弾性ワイヤーを前記物体が通過できない間隔で網目状に組み合わせたものである、請求項7に記載の落下衝撃緩和装置。
  9. 前記メッシュは、複数本の弾性ワイヤーを前記物体が通過し得る間隔で網目状に組み合わせたものであり、上下に隣接するメッシュのワイヤーの位置が水平方向に相互に異なることを特徴とする、請求項7に記載の落下衝撃緩和装置。
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