JPWO2012017853A1 - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得られる衝撃吸収式ステアリング装置の構造を実現する。二次衝突時に、アウタコラム13aとともに前方に変位す締付杆27aと、二次衝突時にも前方に向けて変位しないハウジング16または係止ピン63との間に設けられ、二次衝突に伴うアウタコラム13aの前方への変位に伴って塑性変形する部材からなり、塑性変形の相対移動により、衝撃エネルギの一部を吸収するエネルギ吸収部材36a, 36bとを備える。エネルギ吸収部材36a, 36bの一部は、締付杆27aに固定されており、かつ、該部材36a, 36bの塑性変形が、アウタコラム13aの1対の被挟持壁部11aにより幅方向について制限される。

Description

この発明は、衝突事故の際に、運転者の身体からステアリングホイールに加わった衝撃エネルギを吸収しつつ、このステアリングホイールの前方への変位を可能とする、衝撃吸収式ステアリング装置の改良に関する。
自動車用ステアリング装置は、図18に示すように、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って、左右1対のタイロッド4を押し引きして、前輪に舵角を付与するように構成されている。このため、ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定され、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持される。そして、ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して、中間シャフト8の後端部に接続され、この中間シャフト8の前端部は、別の自在継手9を介して、入力軸3に接続される。
衝突事故の際には、自動車が別の自動車などと衝突する一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイールに衝突する二次衝突が発生する。このため、このような自動車用ステアリング装置には、衝突事故の際に、衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングホイールを前方に変位させる構造が、運転者の保護のために必要とされる。このような構造として、特許文献1〜5には、ステアリングホイールを支持したステアリングコラムを、二次衝突に伴う前方への衝撃荷重により前方に脱落可能に、車体に対して支持するとともに、このステアリングコラムと共に前方に変位する部材と車体との間に、塑性変形することにより前記衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材を設けた構造が開示されており、このような構造は、すでに広く実施されている。
図19〜図22は、このような衝撃吸収機能を備えた自動車用ステアリング装置の構造の1例を示している。この構造は、ステアリングホイール1(図18参照)の上下位置を調節するためのチルト機構と、その前後位置を調節するためのテレスコピック機構とを備えたもので、ステアリングコラム6aと、支持ブラケット10と、このステアリングコラム6a側に設けた左右1対の被挟持壁部11と、車体側ブラケット12とを備える。このうちのステアリングコラム6aは、後側のアウタコラム13の前部と、前側のインナコラム14の後部とを軸方向の相対変位を可能に嵌合させることにより、全長を伸縮可能に構成されている。このようなステアリングコラム6aの内径側には、ステアリングシャフト5aが、回転自在に支持されている。このステアリングシャフト5aも、アウタシャフトとインナシャフトとを組み合わせることにより、全長を伸縮可能に構成されている。
ステアリングコラム6aの前端部には、電動式パワーステアリング装置の構成部品である電動モータ15(図18参照)や減速機などを設置するためのハウジング16が結合固定されている。このハウジング16は、上部に幅方向に設けた支持管17を挿通する図示しないボルトによって、揺動変位を可能に、車体の一部に支持されている。ステアリングシャフト5aの後端部でステアリングコラム6aよりも後方に突出した部分に、ステアリングホイール1が固定される。また、ステアリングシャフト5aの前端部でステアリングコラム6aよりも前方に突出した部分は、自在継手7を介して中間シャフト8(図18参照)に連結される。なお、幅方向とは、ステアリング装置が車両に組み付けられた状態での、この車両の幅方向を意味する。
また、支持ブラケット10は、車体側ブラケット12に対して、二次衝突に基づく衝撃荷重により前方への変位および離脱を可能に、結合支持されている。支持ブラケット10は、鋼板などの十分な強度および剛性を有する金属板からなる、天板18と左右1対の側板19a、19bを溶接などにより結合固定して形成したものである。このうちの天板18の幅方向両端部を、支持ブラケット10を車体側ブラケット12に結合支持するための結合板部20としている。これらの結合板部20の幅方向中央部には、図22に示すように、結合板部20の後端縁に開口する切り欠き21がそれぞれ形成されており、これらの切り欠き21に、カプセル22がそれぞれ装着される。
これらのカプセル22は、合成樹脂やアルミニウム系合金などの軟質金属といった、天板18を構成する金属板に対し滑りやすい材料により形成されている。これらのカプセル22は、通常状態では、切り欠き21から抜け出ることはないが、支持ブラケット10に前方に向いた大きな衝撃荷重が加わった場合には、この支持ブラケット10をこれらの切り欠き21内へ係止するための部材、たとえば、天板18とこれらのカプセル22との間に掛け渡された止めピンを裂断して、これらの切り欠き21から後方に抜け出る。これらのカプセル22の中央部には、支持ブラケット10を車体側ブラケット12に結合支持するためのボルトまたはスタッドを挿通するための通孔23が、それぞれ設けられている。支持ブラケット10を車体側ブラケット12に結合支持するためには、これらのカプセル22の通孔23を下から上に向けて挿通したボルトを、車体側ブラケット12に溶接などにより支持固定したナット24に螺合し、さらに締め付ける。この車体側ブラケット12は、あらかじめ車体側に固定されているので、ボルトの締め付けにより、支持ブラケット10が、前方に向いた大きな衝撃荷重が加わった場合にのみ前方に脱落可能に、車体に対して結合支持されることになる。なお、車体側ブラケット12の下面に固定したスタッドをカプセル22の通孔23を上から下に向けて挿通し、このスタッドの下端部にナットを螺合し、さらに締め付けることによっても、支持ブラケット10を車体側ブラケット12に結合支持することが可能である。
また、アウタコラム13を両側から挟む状態で側板19a、19bに設けた、1対の挟持板部25a、25bの互いに整合する位置に、上下方向長孔26がそれぞれ形成されている。これらの上下方向長孔26は、支持管17の中心軸をその中心とする部分円弧形状となっている。アウタコラム13は、これらの上下方向長孔26に挿通された締付杆27により、側板19a、19bの間に支持される。このため、アウタコラム13の前部上方に、被挟持壁部11を設け、これらの被挟持壁部11に、アウタコラム13の軸方向に長い前後方向長孔28(図4、図6参照)が形成されている。アウタコラム13は、支持ブラケット10に対して、上下方向長孔26および前後方向長孔28に挿通された締付杆27により支承されている。したがって、アウタコラム13は、この締付杆27が上下方向長孔26内で変位できる範囲で、支持管17に挿通されたボルトを中心として、上下方向に揺動変位可能となっている。また、締付杆27が、前後方向長孔28内で変位できる範囲で、前後方向(軸方向)に変位可能である。
締付杆27は、一端部(図20の右端部)に、外向フランジ状の鍔部29が固設されるとともに、他端部に、駆動側カム30と被駆動側カム31とからなるカム装置32が設けられている。調節レバー33を用いて駆動側カム30を回転駆動させることにより、被駆動側カム31と鍔部29との距離を拡縮可能としている。ステアリングホイール1の位置を調節する際には、調節レバー33を下方に回動させることにより、被駆動側カム31と鍔部29との距離を拡げる。この状態で、締付杆27が上下方向長孔26および前後方向長孔28内で変位できる範囲で、アウタコラム13を変位させる。そして、このアウタコラム13内に回転自在に支持されたステアリングシャフト5aの後端部に支持固定されたステアリングホイール1の位置を調節する。アウタコラム13とともに昇降する部分の重量は、締付杆27と、支持ブラケット10に設けた係止部34との間に設けた釣合ばね35により支承される。このため、ステアリングホイール1の位置の調節時にも、運転者がこれらの重量全部を支える必要がない。
そして、ステアリングホイール1の位置を調節した後、調節レバー33を上方に回動させることにより、被駆動側カム31と鍔部29との距離を縮める。この結果、挟持板部25a、25bの内側面と被挟持壁部11のそれぞれの外側面とが強く当接し、これらの摩擦係合により、ステアリングホイール1の上下位置が固定される。また、これらの被挟持壁部11が設けられた、アウタコラム13の前端部の直径が縮まり、このアウタコラム13の前端部内周面とインナコラム14の後端部外周面とが強く当接し、これらの摩擦係合により、ステアリングコラム6aが伸縮不能になる。この結果、ステアリングホイール1の前後位置が固定される。
このような構成を備えた自動車用ステアリング装置は、衝突事故に伴う二次衝突の際に、カプセル22を車体側ブラケット12の側に残したまま、支持ブラケット10を前方に変位させる。すなわち、二次衝突に伴って、この支持ブラケット10に、前方に向いた大きな衝撃荷重が、ステアリングホイール1から、ステアリングシャフト5a、アウタコラム13、締付杆27を介して加えられる。そして、カプセル22を結合板部20に係止している部材が裂断し、これらのカプセル22を切り欠き21から抜け出させつつ、支持ブラケット10が前方に変位する。この結果、ステアリングホイール1も前方に変位し、このステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和できる。
このように、二次衝突に伴ってステアリングホイール1を前方に変位させる際に、運転者の身体からこのステアリングホイール1に加わった衝撃エネルギを吸収しつつ、このステアリングホイール1を前方に変位させることが、運転者保護の面から好ましい。たとえば、図19〜図22に示した構造でも、被挟持壁部11のそれぞれの外側面と挟持板部25a、25bのそれぞれの内側面との当接部に作用する摩擦力、ならびに、アウタコラム13の前部内周面とインナコラム14の後部外周面との当接部に作用する摩擦力が、ステアリングホイール1を前方に変位させることに対する抵抗となり、衝撃エネルギの吸収に寄与する。ただし、摩擦力に基づくエネルギ吸収性能は不安定であり、それだけでは、運転者保護の充実を図ることは難しい。
これに対して、特許文献2では、二次衝突時に前方に変位するステアリングコラムと車体との間に、エネルギ吸収部材を設けた構造が、提案されている。この構造では、図23〜図24に示すように、塑性変形可能な線材を曲げ成形によって形成したエネルギ吸収部材36が、ステアリングコラム6bの上面に固設した支持ピン38と、車体側に固定した保持ケース39との間に設置される。二次衝突に伴って、ステアリングコラム6bが前方に変位すると、エネルギ吸収部材36が、図24(A)に示した状態から図24(B)に示した状態まで伸長する。この伸長に要するエネルギが、運転者の身体からステアリングホイールに加わった衝撃エネルギのうちから吸収されて、この運転者の身体に加わる衝撃が緩和されることになる。
このようなエネルギ吸収部材36を使用した衝撃吸収構造を、図19〜図22に示した衝撃吸収式ステアリング装置に組み込んで、エネルギの吸収特性を向上させることは可能であるが、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得るためには、以下の点で、改良が望まれる。
まず、二次衝突時に、ステアリングコラム6aを構成するアウタコラム13に加わる、揺動方向のモーメントを低減ないしは解消することが望まれる。すなわち、図23〜図24に示した構造を、ステアリング装置に組み込んだ場合、チルト機構やテレスコピック機構などのステアリングホイールの位置調節装置の有無にかかわらず、エネルギ吸収部材36と締付杆27(図20参照)との設置位置が、アウタコラム13の中心軸に対し直角方向にずれる場合がある。そして、このようなズレが存在すると、二次衝突時に揺動方向のモーメントが発生する。つまり、二次衝突時にエネルギ吸収部材36は、アウタコラム13が前方への変位に対する抵抗として働く。この結果、このステアリングコラム13に、締付杆27を支点とし、エネルギ吸収部材36を入力部とするモーメントが加わる。このため、二次衝突の進行に伴って、アウタコラム13の前部外周面とインナコラム14の後部内周面との嵌合部の摩擦状態が不安定となり、この嵌合部でのエネルギ吸収性能が不安定となってしまう。
このようなエネルギ吸収性能の不安定さは、エネルギ吸収部材36と締付杆27とを、いずれもステアリングコラム6a、6bの上下方向に関して同じ側に設置し、これらの部材36、27の間に存在する、このステアリングコラム6a、6bの中心軸に対する直角方向のズレを小さくすれば、低減ないしは解消できる。ただし、締付杆27は、ステアリングコラム6a、6bの下側に設ける場合が多い。この場合には、図23〜図24に示したように、エネルギ吸収部材36を、ステアリングコラム6bと、このステアリングコラム6bの上側に設けられる車体37との間に設ける構造によっては、前記モーメントを小さくすることができず、エネルギ吸収性能が不安定になることを防止できない。言い換えれば、図23〜図24に示した構造では、前記モーメントを小さく抑えてエネルギ吸収性能が不安定になるのを防止することを意図した場合に、締付杆27をステアリングコラムの下側に配置する構造を採用できず、設計の自由度が限られてしまう。しかも、図23〜図24に示した構造では、支持ピン38および保持ケース39が、エネルギ吸収部材36を設置するための専用の部品として必要になるため、コストが嵩むことが避けられない。
特開2000−095116号公報 特開昭63−046972号公報 特開2001−080527号公報 特開2006−312360号公報 実開平2−132576号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みて、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を備えた衝撃吸収式ステアリング装置の構造を実現することを目的とする。
本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、
前後位置を規制された状態で前側に配置されたインナコラムと、該インナコラムの後部に軸方向の相対変位を可能に外嵌され、該インナコラムとの嵌合部である前部に軸方向に設けられ、該前部の直径を拡縮可能とする軸方向スリット、該前部の上面または下面で該軸方向スリットを左右両側から挟む位置に設けられた1対の被挟持壁部、および、これらの被挟持壁部の互いに整合する位置に形成された1対の第1通孔を有するアウタコラムとを備えるステアリングコラムと、
インナシャフトと、該インナシャフトの後部に軸方向の相対変位を可能に外嵌され、後端部が前記アウタコラムの後端開口よりも後方に突出し、該後端部にステアリングホイールが支持固定されているアウタシャフトとを備え、前記ステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されているステアリングシャフトと、
左右1対の挟持板部と、これらの挟持板部の前記第1通孔のうちの少なくとも一部に整合する部分に形成された1対の第2通孔と、前記挟持板部を支持するとともに、二次衝突時に前記ステアリングホイールから前記アウタコラムに加えられた衝撃エネルギに基づいて、前方へ脱落することが可能なように、車体に支持される取付板部とを備える支持ブラケットと、
前記第1通孔と前記第2通孔とに挿通され、両端部に1対の押圧部を備える締付杆と、
前記1対の押圧部の間隔を拡縮し、該間隔の収縮時に前記アウタコラムの前記前部の直径を縮め、該アウタコラムの前記前部の内周面と前記インナコラムの前記後部の外周面とを摩擦係合させる固定手段と、
前記二次衝突時に、前記アウタコラムとともに前方に変位する部分と、該二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分との間に設けられ、該二次衝突に伴う前記アウタコラムの前方への変位に伴って塑性変形する部材からなり、該塑性変形の相対移動により、前記衝撃エネルギの一部を吸収するエネルギ吸収部材と、
を備える。
特に、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置では、前記エネルギ吸収部材の一部が、前記アウタコラムとともに前方に変位する部分の一部に固定されており、かつ、該部材の塑性変形が、前記アウタコラムの前記1対の被挟持壁部により幅方向について制限されていることを特徴としている。
前記エネルギ吸収部材の一部が固定され、前記アウタコラムとともに前方に変位する部分の一部を、前記締付杆とすることが好ましい。
前記締付杆の中間部に外嵌されたカム部材をさらに備え、前記アウタコラムの前部の直径を拡げる方向に前記締付杆を回動させた状態で、該カム部材を、該アウタコラムの前部に形成した前記軸方向スリットを通じて、前記インナコラムの後部に形成した係合孔内に進入させるように構成することが好ましい。
本発明の一態様では、前記エネルギ吸収部材を、基板部と、該基板部の左右両側縁から上下方向に関して同じ方向に折れ曲がった左右1対の帯状板部と、これらの帯状板部のうちの前記基板部の後端縁よりも後方に突出し、それぞれの後端部に互いに近付く方向に曲げ形成された、U字形の折り返し部を備えた1対のエネルギ吸収部と、これらのエネルギ吸収部の先端部から上下方向に突出する状態で設けられた1対の突出部と、これらの突出部のそれぞれに形成された1対の第3通孔と、前記帯状板部のうちの前記基板部の前端縁よりも前方に突出した部分に設けられた前端側取付部によって構成することができる。
この場合、前記帯状板部が、前記被挟持壁部の内側面に沿ってそれぞれ配置された状態で、前記第3通孔に前記締付杆が挿通されることにより、該エネルギ吸収部材の後部が、前記二次衝突時に前記アウタコラムとともに前方に変位可能に、前記締付杆に固定され、前記前端側取付部が、前記インナコラムの前端部が固定された部材に対して結合されることにより、該エネルギ吸収部材の前部が、前記二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分に固定される。
前記1対のエネルギ吸収部の先端部の間に、該先端部間の間隔を調整可能な部材を配置することが好ましい。この場合、前記間隔を調整可能な部材を、前記締付杆の中間部に外嵌されたカム部材とし、前記アウタコラムの前部の直径を拡げる方向に前記締付杆を回動させた状態で、前記カム部材を、該アウタコラムの前部に形成した前記軸方向スリットを通じて、前記インナコラムの後部に形成した係合孔内に進入させるように構成することが好ましい。
前記インナコラムの前端部が固定された部材を、電動式パワーステアリング装置の構成部品を収めたハウジングとし、前記前端側取付部を、前記帯状板部の前端縁から互いに反対方向に直角に折り曲げられた突合せ板部から構成し、これらの突合せ板部が前記ハウジングの後端面に結合固定することが好ましい。
本発明の別の態様では、前記エネルギ吸収部材を、基板部と、該基板部に設けられた第3通孔と、該基板部の後端縁から後方に突出した状態で設けられたU字形の湾曲部を備える折り返し部と、該折り返し部の先端縁から前方に向けて伸長する変形板部によって構成することもできる。この場合、前記第3通孔に前記締付杆が挿通されることにより、該基板部は、前記二次衝突時に前記アウタコラムとともに前方に変位可能に、前記締付杆に固定され、前記折り返し部は、前記二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分の一部の後側に、該二次衝突時に該折り返し部と該変位しない部分の一部が係合するように、配置され、前記変形板部は、前記被挟持壁部のうちの一方の内側面に沿って配置される。
この場合に、前記二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分の一部を、前記インナコラムの後端寄り部分の外周面に基端部が固定され、前記軸方向スリットに係合するとともに、前記アウタコラムの前端縁部に設けられた抜け止め部により、前記軸方向スリットから該アウタコラムの前方に抜け出ることが防止されている、係止ピンとすることが好ましい。
また、前記係止ピンの周囲に回転自在に外嵌された円筒部材を備えることが好ましい。
本発明の装置では、前記第1通孔を、前記アウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔として、前記締付杆がこれらの第1通孔内で変位できる範囲で、前記アウタコラムの前後位置を調節可能とし、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて、前記1対の押圧部の間隔を拡縮し、該間隔の収縮時に、前記アウタコラムの前部の直径を縮めて、該アウタコラムの前後位置を固定する構造とすることが好ましい。
また、前記インナコラムの前端部を、横軸を中心とする揺動変位を可能に車体に対して支持して、前記第2通孔を、該横軸を中心とする部分円弧形を有する上下方向に長い上下方向長孔として、前記締付杆がこれらの上下方向長孔内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能とし、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて前記1対の押圧部の間隔を拡縮し、該間隔の収縮時に前記1対の挟持板部の間隔を縮め、これらの挟持板部の内側面と前記被挟持壁部の外側面とを摩擦係合させて、前記アウタコラムの上下位置を固定する構造とすることが好ましい。
本発明の装置において、前記インナコラムの外周面に、それぞれが軸方向に長い複数本の突条が形成されており、該インナコラムの外周面と前記アウタコラムの内周面とが、これらの突条の頂部で当接していることが好ましい。
本発明の装置において、前記インナシャフトの端部外周面に形成した雄スプライン歯と、前記アウタシャフトの端部内周面に形成した雌スプライン歯とをスプライン係合させることで、前記スプラインシャフトの全長を伸縮可能とし、前記雄スプライン歯と前記雌スプライン歯とのうちの少なくとも一方の歯の表面に、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を形成することが好ましい。
本発明により、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得られる衝撃吸収式ステアリング装置の実現が可能となる。
本発明の構成により、締付杆がアウタコラムの上側および下側のいずれの側に配置されている場合でも、締付杆とエネルギ吸収部材とを、このアウタコラムの軸方向に関して互いに直列に配置できるので、二次衝突時にアウタコラムに揺動方向のモーメントが加わることを防止ないしは低減することができる。これにより、アウタコラムの前部とインナコラムの後部との嵌合部の摩擦係合状態を安定させて、この嵌合部の摺動を安定させ、二次衝突時の衝撃エネルギの吸収を安定化することができる。このため、設計の自由度を阻害することなく、衝撃吸収性能の向上を図ることができる。
また、本発明のいずれの態様においても、エネルギ吸収部材が、アウタコラムの1対の被挟持壁部の間に配置されるため、二次衝突時に衝撃荷重が加わることによるこのエネルギ吸収部材の塑性変形が、この被挟持壁部により拘束され、制限される。これにより、エネルギ吸収部材による衝撃エネルギの吸収を安定化することができる。さらに、この被挟持壁部の内側面は、ステアリングコラムの軸方向に沿って伸長している。アウタコラムに衝撃荷重が加えられた場合に、この衝撃荷重の掛かる方向とこの被挟持壁部の内側面の伸長方向が同じ方向であるため、エネルギ吸収部材の塑性変形が制限されるのみならず、衝撃エネルギの吸収を待機している部分、すなわち、エネルギ吸収部または変形板部も、この被挟持壁部の内側面によって拘束されるため、エネルギ吸収部材による衝撃エネルギの吸収の安定化がさらに図られる。
また、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収するために、アウタコラムの前部内周面とインナコラムの後部外周面との嵌合部の摩擦抵抗だけでなく、エネルギ吸収部材の塑性変形が利用されるため、衝撃エネルギを吸収する性能を安定させやすく、また、この吸収性能のチューニングも任意に行うことができる。たとえば、U字形の折り返し部を備えた1対のエネルギ吸収部を備えた構造において、その先端部の間に、該先端部間の間隔を調整可能な部材、たとえば、締付杆の中間部に外嵌されるカム部材を設けて、その幅を任意に変更することより、折り返し部の曲率半径を調整することが可能となり、エネルギ吸収部材の吸収性能のチューニングを容易に行うことができる。
本発明のいずれの態様でも、エネルギ吸収部材の一部を、もともとステアリング装置に組み込まれている締付杆に固定して、支持することができる。また、エネルギ吸収部材の前端部を、電動式パワーステアリング装置用のハウジングに支持する構造においても、また、エネルギ吸収部材の一部を係止ピンに係合させる構造においても、これらの部材も、もともとステアリング装置に組み込まれていたものである。よって、エネルギ吸収部材を設置するために、新たな部材を設置する必要がないので、本発明では、このエネルギ吸収部材を設けることに伴うコスト上昇を抑えることができる。
なお、この締付杆は、アウタコラムの被挟持壁部に形成される前後方向長孔によって支持されつつ、チルト機構およびテレスコピック機構のいずれの操作にも繰り返し利用されることから、このような繰り返し利用に耐えるように、熱処理によって硬化されており、よって曲げにも強いものとなっている。本発明の衝撃エネルギを吸収する構造は、この締付杆を利用していることから、この点でも、衝撃エネルギの吸収のバラツキを抑え、その安定化を図ることができる。
また、エネルギ吸収部材の前端部を、電動式パワーステアリング装置用のハウジングに支持する構造においては、このエネルギ吸収部材が、アルミニウム合金をダイキャスト成形することにより得られた剛体からなるハウジングに固定されるため、衝撃荷重が加わった場合でも、その取付部の変形が防止されるため、同様に、衝撃エネルギの吸収のバラツキを抑え、その安定化を図ることができる。
さらに、エネルギ吸収部材として、基板部と、この基板部の左右両側縁から起立する1対の帯状板部とを備える構造を採用した場合、エネルギ吸収部材の幅方向にわたって基板部が存在して、衝撃荷重が加わった場合に、このエネルギ吸収部材の変形を防止する事ができる。この点でも、本発明の構造は、衝撃エネルギの吸収のバラツキを抑え、その安定化に寄与するものといえる。
図1は、本発明の第1の実施形態の1例のステアリング装置の通常時の状態について、前上方から見た状態で示す斜視図である。 図2は、図1の装置の通常時の状態について、後下方から見た状態で示す斜視図である。 図3は、図1の装置の通常時の状態についての側面図である。 図4は、図3のa−a断面図である。 図5は、図2のb部を拡大して下方から見た状態で示す正投影図である。 図6は、図1の装置のアウタコラムの前後位置および上下位置を調節するための機構部分について、後下方から見た状態で示す分解斜視図である。 図7は、図1の装置のエネルギ吸収部材について、前上方から見た状態で示す斜視図(A)と、前下方から見た状態で示す斜視図(B)である。 図8は、図1の装置について、二次衝突発生後の状態で示す、図2と同様の図である。 図9は、図1の装置の車体側ブラケットを前上方から見た斜視図である。 図10は、本発明の第2の実施形態の1例のステアリング装置の通常時の状態について、前上方から見た状態で示す斜視図である。 図11は、図10の装置について、通常時の状態(A)と二次衝突後の状態(B)とを、後下方から見た状態で示す斜視図である。 図12は、図10の装置の通常時の状態についての側面図である。 図13は、図12のc−c断面図である。 図14は、図11(A)のd部を拡大して下方から見た状態で示す正投影図である。 図15は、図10の装置のアウタコラムの前後位置および上下位置を調節するための機構部分について、後下方から見た状態で示す分解斜視図である。 図16は、図10の装置のアウタコラムの前端部を、外周面の形状など一部の形状を簡略化して前上方から見た状態で示す、略斜視図である。 図17は、図10の装置のエネルギ吸収部材について、前上方から見た状態で示す斜視図(A)と、前下方から見た状態で示す斜視図(B)である。 図18は、従来のステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図である。 図19は、従来の衝撃吸収式ステアリング装置の1例を、前上方から見た状態で示す斜視図である。 図20は、図19の装置についての断面図である。 図21は、図19の装置について、車体側ブラケットを省略して示す、図19と同様の図である。 図22は、図19の装置の支持ブラケットについて、後下方から見た状態で示す斜視図である。 図23は、従来のエネルギ吸収部材を組み込んだ衝撃吸収式ステアリング装置のステアリングコラム部分についての、部分側面図(A)と、そのe−e断面図(B)である。 図24は、図23の装置のステアリングコラム部分について、通常時の状態(A)と二次衝突発生後の状態(B)とを示す、図23(A)のf−f断面図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の1例について、図1〜図9を参照しながら説明する。本例の衝撃吸収式ステアリング装置は、インナコラム14aと、アウタコラム13aと、ステアリングシャフト5bと、1対の被挟持壁部11aと、1対の前後方向長孔28と、支持ブラケット10aと、1対の上下方向長孔26a、26bと、締付杆27aと、固定手段を構成するカム装置32aと、エネルギ吸収部材36aとを備える。なお、本発明の定義において、前後方向長孔28は第1通孔に、上下方向長孔26a、26bは第2通孔に、それぞれ相当する。これらの第1通孔および第2通孔の形状は、ステアリング装置が、テレスコピック機構および/またはチルト機構を具備するものであるか否かによって、変更されうる。これらの機構を具備しない構造では、たとえば、第1通孔と第2通孔の一方または両方を単なる円孔とすることもできる。
インナコラム14aは、前後位置を規制された状態、すなわち、二次衝突時にも前方に変位しないようにされた状態で、アウタコラム13aよりも前側に配置されている。具体的には、インナコラム14aの前端部を、電動式パワーステアリング装置40を構成する減速機などの構成部品を収納したハウジング41の後端部に、結合固定している。このハウジング41は、たとえばアルミニウム合金をダイキャスト成形することにより形成されており、後壁部にステアリングシャフト5bの前端部を挿通するための通孔が形成されている。そして、この通孔の周縁部に円筒壁部を、後方に向け突出形成している。インナコラム14aの前端部は、この円筒壁部に締り嵌めで外嵌されるとともに、その前端縁を前記後壁部に突き当てるなどして、ハウジング41に対して結合固定される。インナコラム14aは、全体が円管状で、外周面のうちで前端部を除く部分に、それぞれが軸方向に長い複数本(好ましくは偶数本、図示の例では6本)の突条42を、円周方向に関して等間隔に形成している。
また、アウタコラム13aは、たとえばアルミニウム合金をダイキャスト成形することにより一体に形成されている。そして、このアウタコラム13aの前部をインナコラム14aの後部に外嵌して、伸縮可能なステアリングコラム6cを構成している。本例の場合には、アウタコラム13aの内周面とインナコラム14aの外周面とを、突条42のそれぞれの頂部で当接させている。また、この状態で、このインナコラム14aに対するアウタコラム13aの前後位置の調節および固定を可能としている。このため、このアウタコラム13aのうち、インナコラム14aとの嵌合部である前部に軸方向スリット43を、軸方向に設けて、この前部の直径を弾性的に拡縮可能としている。この構成では、インナコラム14aに設けられた突条が、軸方向に一定の突起形状を備えるため、インナコラム14aの外周面とアウタコラム13aの内周面との接触部が、略線接触となる。この構成により、アウタコラム13aとインナコラム14aの摺動抵抗が低減されるとともに、接触面の変化が少なくなり、アウタコラム13aに衝撃荷重が掛かった場合に、これらの接触による衝撃エネルギの吸収のバラツキが抑制される。また、アウタコラム13aは締め付けられ縮径する際に、その形状が若干変形するため、アウタコラム13aとインナコラム14aの間で相互に回転することが防止されるため、アウタコラム13aの軸方向スリット43の位置が安定する。
本例の構造の場合、アウタコラム13aの前端寄り部分部うちで、円周方向に関して上端部を除いた部分に、周方向スリット44を形成しており、この周方向スリット44とアウタコラム13aの前端縁との間の部分を、全周にわたり連続した閉鎖環部45としている。この閉鎖環部45は、本発明のうち、インナコラム14aに係止ピン63を設けた構造において、抜け止め部として機能するものである。アウタコラム13aは、その前部のうちで、周方向スリット部44よりも後側部分の直径を、弾性的に拡縮可能としている。アウタコラム13aは、このように直径を拡縮可能とした前部をインナコラム14aの後部に外嵌し、このインナコラム14aに対する軸方向の変位に基づいて、前後位置の調節を可能としている。
ステアリングシャフト5bは、後半部を構成するアウタシャフト46の前半部内周面に形成した雌スプライン歯と、前半部を構成するインナシャフト47の後半部外周面に形成した雄スプライン歯とをスプライン係合させることにより、全長を伸縮可能に形成されている。そして、これらの雄スプライン歯と雌スプライン歯とのうちの少なくとも一方の歯の表面には、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアセタール樹脂などの、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層が形成されている。したがって、アウタシャフト46とインナシャフト47とは、トルクの伝達を可能に、かつ、軽い力で伸縮可能に組み合わされている。この構成により、アウタシャフト46とインナシャフト47の摺動抵抗が低減される。このようなステアリングシャフト5bは、ステアリングコラム6cの内径側に回転自在に支持されている。具体的には、アウタシャフト46の中間部後端寄り部分を、アウタコラム13aの後端部の内径側に、単列深溝型玉軸受などの、ラジアル荷重およびアキシアル荷重を支承可能な転がり軸受により、回転のみ自在に支持している。したがって、アウタシャフト46は、アウタコラム13aの軸方向移動に伴って移動し、ステアリングシャフト5bが伸縮する。
1対の被挟持壁部11aは、アウタコラム13aの前部の下面で軸方向スリット43を左右両側から挟む位置に、このアウタコラム13aと一体に設けられている。これらの被挟持壁部11aの互いに整合する位置に、前後方向長孔28が、それぞれアウタコラム13aの軸方向に形成されている。なお、図示の例では、アウタコラム13aの下側に軸方向スリット43および被挟持壁部11aが設けられ、締付杆27aとこのアウタコラム13aの前部を拡縮するための固定手段が、このアウタコラム13aの下側に配置されることになるが、本発明はこの態様に限定されることなく、アウタコラムの上側に軸方向スリットおよび被挟持壁部を設け、アウタコラムの上側に、締付杆とこのアウタコラムの前部を拡縮するための固定手段を設ける構造にも適用することは可能である。
支持ブラケット10aは、左右1対の挟持板部25c、25dおよび取付板部48を有する。これらの挟持板部25c、25dおよび取付板部48は、それぞれが炭素鋼板などの、十分な強度および剛性を有する金属板にプレス加工を施すことにより形成されており、互いに溶接などの手段によって接合固定されている。挟持板部25c、25dは、アウタコラム13aの下面(アウタコラムの上側に軸方向スリットがある構造では、上面)に設けた被挟持壁部11aを、左右両側から挟持する。また、取付板部48は、これらの被挟持壁部11aを介して、アウタコラム13aを車体に対して支持するとともに、二次衝突時に、このアウタコラム13aが前方に変位することを許容する。このため、図19〜図22に示した従来の構造と同様に、取付板部48の左右両端部にそれぞれ形成した1対の切り欠き21aのそれぞれに、カプセル22aを、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて脱落を可能に、設置している。
上下方向長孔26a、26bは、ハウジング41の前上方部分に設けた支持管17aの中心軸をその中心とする部分円弧形状となっており、挟持板部25c、25dのうちの、前後方向長孔28の長さ方向の一部に整合する部分に形成している。そして、締付杆27aを、これらの前後方向長孔28と上下方向長孔26a、26bとに挿通している。締付杆27aは、中間部先端寄り部分(図4、図6の右寄り部分)に、この締付杆27aの中央寄りから順番に、チルトスペーサ49と、スペーサ50と、ワッシャ51と、スラスト軸受52とを外嵌している。そして、締付杆27aの先端部に螺着したナット53により、これらの部材49〜52が、この締付杆27aから抜け出ることを防止している。また、ナット53は、必要箇所に螺着後、いずれかの部分をかしめ変形することにより、緩み止めを図っている。なお、これらの部材49〜52は、ステアリングホイール1(図18参照)の位置調節の際に、締付杆27aの変位、ならびに、締付杆27aの先端部の上下方向長孔26aに沿う変位が、それぞれ円滑に行われるように、設けられている。
一方、締付杆27aの基端部には、駆動側カム30aと被駆動側カム31aとからなるカム装置32aが設けられている。本例の場合には、この被駆動側カム31aとナット53とによって、本発明における1対の押圧部が形成される。カム装置32aは、調節レバー33aにより駆動側カム30aを回転駆動させて、被駆動側カム31aとナット53との距離を拡縮可能としている。被駆動側カム31aは、挟持板部25dの外側面側から上下方向長孔26bに、この上下方向長孔26bに沿う変位(昇降)を可能に、かつ、回転を阻止された状態で係合している。ステアリングホイール1の位置を調節する際には、調節レバー33aを下方に回動させることにより、被駆動側カム31aとナット53との距離を拡げる。この距離が拡がる結果、挟持板部25c、25dの内側面と、被挟持壁部11aを含む、アウタコラム13aの左右両側面との当接圧が、低下ないしは喪失する。同時に、このアウタコラム13aの前部の直径が弾性的に拡がり、このアウタコラム13aの前部内周面とインナコラム14aの後部外周面との当接圧が低下する。
この状態で、締付杆27aが、上下方向長孔26a、26bおよび前後方向長孔28内で変位できる範囲で、アウタコラム13aを変位させる。そして、このアウタコラム13a内に回転自在に支持された、アウタシャフト46の後端部に支持固定されたステアリングホイール1の位置、すなわち、前後方向位置と上下方向位置とのうちの少なくとも一方を調節する。この調節作業の間、アウタコラム13aと共に昇降する部分の重量は、ハウジング41と、支持ブラケット10aを構成する取付板部48との間に設けた、それぞれが引っ張りばねである1対の釣合ばね35aにより支承される。このため、ステアリングホイール1の位置の調節時にも、運転者が前記部分の重量の全部を支える必要はない。このステアリングホイール1を所望の位置に移動させた後、調節レバー33aを上方に回動させて、被駆動側カム31aとナット53との距離を縮める。この結果、挟持板部25c、25dの内側面とアウタコラム13aの左右両側面との当接圧、ならびに、このアウタコラム13aの前部内周面とインナコラム14aの後部外周面との当接圧が高くなって、このアウタコラム13aの位置が、前記所望の位置に固定される。
さらに、本例の特徴部分であるエネルギ吸収部材36aが、二次衝突時にアウタコラム13aとともに前方に変位する部分である、締付杆27aの軸方向中間部と、電動式パワーステアリング装置40のハウジング41の後端面との間に、設けられている。エネルギ吸収部材36aは、軟鋼板などの、衝撃エネルギ吸収のために適切な強度および剛性を有し、かつ、塑性変形が可能である金属板に、プレス加工などによる打ち抜き加工および曲げ加工を施すことにより、図7に示すように、全体で一体となるように形成されている。なお、以下の説明は、本例の構成に基づいているが、図19〜図24に示す従来の構造と同様に、締付杆や前記固定手段が、ステアリングコラムの上方に設置される構造においては、以下の説明において、各部材の上下方向の位置関係が逆となる。
具体的には、エネルギ吸収部材36aは、基板部54と、左右1対の帯状板部55と、左右1対のエネルギ吸収部56と、円形の挿通孔57と、左右1対の前端側取付部58とを備える。なお、本発明の定義において、挿通孔57は第3通孔に相当する。
帯状板部55のそれぞれは、基板部54の左右両側縁から上方(アウタコラムの上側にスリットがある構造に適用する場合には、下方)に、この基板部54に対し直角に折れ曲がっており、互いに平行である。また、エネルギ吸収部56は、帯状板部55のうちの基板部54の後端縁よりも後方に突出した部分であり、それぞれの後端部に互いに近付く方向に曲げ形成された、U字形の折り返し部59を備える。そして、挿通孔57は、これらの折り返し部59よりも端縁側である、エネルギ吸収部56の先端部から上方(もしくは下方)に突出する状態で設けられた1対の突出部60に形成されている。したがって、挿通孔57は、エネルギ吸収部材36aを側方から見た状態で、エネルギ吸収部56の他の部分に覆われずに、側方に露出している。さらに、前端側取付部58は、帯状板部55の前端部で、基板部54の前端縁よりも前方に突出した部分の、前後方向位置が整合する部分を、互いに逆方向に、帯状板部55に対して直角に折り曲げることにより、設けられている。そして、前端側取付部58の先端部のそれぞれには、取付孔61が形成されている。
このようなエネルギ吸収部材36aは、図2に示すように、ハウジング41の後端面と締付杆27aとの間に組み付けている。すなわち、帯状板部55のうちのエネルギ吸収部56を、それぞれアウタコラム13a側に設けた1対の被挟持壁部11aの互いに対向する内側面に沿って配置している。この状態で、締付杆27aを挿通孔57に挿通して、エネルギ吸収部材36aの後部をアウタコラム13aに対し、締付杆27aを介して結合している。したがって、二次衝突時に、エネルギ吸収部材36aの後部は、アウタコラム13aと共に前方に変位する。これに対して、前端側取付部58の取付孔61に挿通したボルト62を、ハウジング41の後端面に開口したねじ孔に螺合し、さらに締め付けることにより、エネルギ吸収部材36aの前部を、ハウジング41に対し結合固定している。
このような構成を備え、上述のように、締付杆27aとハウジング41との間に組み付けられた、エネルギ吸収部材36aは、二次衝突の進行に伴って、図2の状態から図8に示す状態にまで塑性変形する。すなわち、この二次衝突時に、アウタコラム13aが前方に変位するのに伴って、折り返し部59を前方に移動させる方向に、エネルギ吸収部56を塑性変形させながら、締付杆27aの前方への変位を許容する。この際、この塑性変形に基づき、ステアリングホイール1から、アウタシャフト44およびアウタコラム13aを介して締付杆27aに伝達された衝撃エネルギを吸収する。この場合において、エネルギ吸収部56のそれぞれの外側は、被挟持壁部11aによりそれぞれ仕切られているため、また、被挟持壁部11は、アルミニウム合金をダイキャスト成形することにより得られた剛体からなるため、これらのエネルギ吸収部56が、左右に拡がる方向に変形することはなく、エネルギ吸収部56の塑性変形は安定して行われる。なお、このような二次衝突時に衝撃エネルギを吸収する際に、帯状板部55の前部で基板部54の前端縁よりも前方に突出した部分は変形しないことが、安定したエネルギ吸収性能を得る面からは、好ましい。そこで、この突出した部分に、前後方向にわたって突条を形成したり、基板部54を図示の例よりも前方にまで延長して、この部分の曲げ剛性を向上させたりすることもできる。
また、本例の場合には、締付杆27aの中間部でエネルギ吸収部材36aに設けられた1対の突出部60の間部分に、カム部材71を外嵌している。このカム部材71は、ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、調節レバー33aを下方に回動させ、カム装置32aを緩めることに伴って、その先端部を上方(アウタコラムの上側に軸方向スリットがある構造では、下方)に変位させる。そして、この先端部を、アウタコラム13aの前部に形成したスリット43を通じて、このアウタコラム13aの内周面から上方(もしくは下方)に突出させ、インナコラム14aの後部に形成した係合孔83(図14参照)内に進入させる。この状態で、ステアリングホイール1およびステアリングシャフト5bを介して、アウタコラム13aを前方に向いた力を付与し、このアウタコラム13aが前方に変位すると、カム部材71の先端部前縁が、係合孔83の前端縁に係合する。この状態で、前記前方に向いた力は、インナコラム14aを介して、車体に支承され、締付杆27aを介して、支持ブラケット10aに伝わることがなくなる。このため、カム装置32aを緩めた状態で、ステアリングホイール1およびアウタシャフト46を介して、アウタコラム13aを前方に強く押しても、カプセル22aが切り欠き21aから抜け出ることはなく、支持ブラケット10aが車体から前方に脱落することはなくなる。
本例の場合には、上述のような機能を備えるカム部材71を、1対の突出部60の間に挟持している。したがって、二次衝突時にも、これらの突出部60の間の距離が過度に縮まることはなく、折り返し部59の曲率半径は、ほぼ一定に保たれる。この結果、この面からも、エネルギ吸収部56の塑性変形が安定して行われる。
さらに、本例の場合には、ステアリングホイール1を調節後の高さ位置に保持するための支持強度を大きくする構造を組み込んでいる。すなわち、締付杆27aの中間部基端寄り部分に揺動腕72の基部を揺動変位可能に外嵌し、調節レバー33aを上方に回動させることに伴って、この揺動腕72を上方に揺動させるようにしている。また、この揺動腕72の先端部に雄側ギヤ73を、挟持板部25dの外側面の上部に雌側ギヤ74を、それぞれ設けて、揺動腕72の上方への揺動に伴って、これらのギヤ73、74を噛合させるようにしている。そして、噛合した状態では、揺動腕72を介して、締付杆27aを挟持板部25dに結合し、二次衝突に伴う大きな衝撃荷重に拘らず、ステアリングホイール1の高さ位置が大きくずれ動かないようにしている。
なお、被駆動側カム31aは、揺動腕72の基部に、この揺動腕72に対する相対回転を可能に、すなわち挟持板部25dに対する相対回転を阻止した状態で、かつ、揺動腕72に対する若干の上下方向の変位を可能に、組み付けられている。このために、被駆動側カム31aに相対回転を不能に組み付けたチルトスペーサ49aを、上下方向長孔26bに、昇降のみ可能に係合させている。また、被駆動側カム31aと揺動腕72との間に復位ばね75を設けて、この被駆動側カム31aをこの揺動腕72に対し、中立位置を中心とする若干の昇降を可能に支持している。このような若干の昇降を可能にする理由は、ステアリングホイール1の高さ位置が無段階で調節できるのに対して、前記ギヤ63、64の噛合位置は有段であることから、この差を吸収するためである。
上述のように構成する本例の構造によれば、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得られる衝撃吸収式ステアリング装置を実現できる。まず、締付杆27aを、図示の例のように、アウタコラム13aの下側に配置した構造で、この締付杆27aとエネルギ吸収部材36aとを、このアウタコラム13aの軸方向に関して、互いに直列に配置できる。なお、締付杆をアウタコラムの上側に配置した構造でも、この締付杆とエネルギ吸収部材とを、そのアウタコラムの軸方向に関して、互いに直列に配置できることはいうまでもない。これらの部材27a、36aをこのように配置すると、二次衝突時に、アウタコラム13aを前方に変位させることに対する抵抗となる力、すなわち、エネルギ吸収部材36aが塑性変形することに対する抵抗が、二次衝突時にアウタコラム13aが揺動変位する際にその中心となる、締付杆27aに向けて加わる。この結果、このアウタコラム13aに対して、この締付杆27aを中心として揺動させる方向のモーメントが加わることがなくなる。そして、アウタコラム13aの前部とインナコラム14aの後部との嵌合部の摩擦係合状態を安定させて、この嵌合部の摺動を安定させ、二次衝突時の衝撃エネルギの吸収状態を安定させることができる。
しかも、本例の構造の場合には、アウタコラム13aの前部内周面とインナコラム14aの後部外周面とを、前記突条42の頂部で当接させているため、これらの周面同士の嵌合部の摩擦嵌合状態を安定させて、二次衝突時における衝撃エネルギの吸収性能を、より安定させることができる。
さらに、本例の構造の場合には、アウタシャフト44の前半部とインナシャフト45の後半部とを、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を介してスプライン係合させているため、ステアリングシャフト5bの伸縮に要する力を、低く、かつ、安定させることができる。そして、ステアリングホイール1の前後位置の調節に要する力を低減できるとともに、二次衝突時における衝撃エネルギの吸収性能を、さらに安定させることができる。
また、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収するために、アウタコラム13aの前部内周面とインナコラム14aの後部外周面との嵌合部の摩擦抵抗だけでなく、エネルギ吸収部材36aの塑性変形も利用するため、衝撃エネルギを吸収する性能を安定させやすく、また、この吸収性能のチューニングも任意に行える。さらに、エネルギ吸収部材36aの前後両端部のうち、後端部を締付杆27aにより、前端部をハウジング41により、それぞれ支持している。これらの部材27a、41は、もともとステアリング装置に組み込まれていたものであり、エネルギ吸収部材36aを設置するために、新たに設置する必要がある部材ではない。このため、このエネルギ吸収部材36aを設けることに伴うコスト上昇を抑えられる。
加えて、図示の例の場合には、支持ブラケット10aを構成する取付板部48の上面中央部後端寄り部分に、取付用ブラケット76を固定している。この取付用ブラケット76の前半部は弾性係止部77とし、同じく後半部はガイド鍔部78としている。一方、支持ブラケット10aを取り付けるため、あらかじめ車体に固定しておく車体側ブラケット12aには、図9に示すように、幅狭部79と幅広部80とからなる係止孔81を形成している。このうちの幅広部80は、車体側ブラケット12aの後端部を上方に曲げ起こした、折り曲げ部82に形成している。ステアリングコラム6cを含むステアリング装置を、車体側に組み付ける場合には、まず、ハウジング41を車体に対し、支持管17aを挿通したボルトにより、揺動変位可能に支持する。この状態から、ステアリングコラム6cとともに、支持ブラケット10aを上方に変位させると、弾性係止部77が、幅寸法を弾性的に縮めつつ、係止孔81のうちの幅狭部79の後端部に係止される。この状態で、支持ブラケット10aが車体側ブラケット12aに対し仮止めされるため、この支持ブラケット10aをこの車体側ブラケット12aにねじ止め固定する作業を容易に行うことができる。
二次衝突時には、カプセル22aが、切り欠き21aから抜け出して、これらのカプセル22aによる支持ブラケット10aの支持力が喪失する以前に、ガイド鍔部78が、幅広部80から幅狭部79内に入り込む。そして、このガイド鍔部78の両側部分と、車体側ブラケット12aのうちの幅狭部79の両側部分との係合により、支持ブラケット10aが下方に落下するのを防止する。この結果、二次衝突の進行に伴って、ステアリングホイール1が過度に下降することを防止して、このステアリングホイール1の後方で開いたエアバッグと運転者の身体との位置関係を適正のままに維持できる。また、軽度の衝突事故の場合には、事故後にもステアリングホイールを操作可能にできて、事故車両の撤去に要する手間の軽減を図ることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の1例について、図10〜図17を参照しながら説明する。本例の衝撃吸収式ステアリング装置は、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収するための構造、すなわち、エネルギ吸収部材の構造においてのみ、第1の実施形態と異なる。このため、第1の実施形態と同様の構成については、その説明を省略ないしは簡略化し、以下、その特徴部分であるエネルギ吸収部材について説明する。なお、本例の説明でも、締付杆をアウタコラムの下側に配置した構造に基づいた説明がなされるが、この態様についても、締付杆をアウタコラムの上側に配置した構造に適用できることはいうまでもない。この場合、第1の実施形態における説明と同様に、部材およびその間の位置関係について、上下方向を逆とすればよい。
本例の特徴部分である、エネルギ吸収部材36bは、二次衝突時に、アウタコラム13aとともに前方に変位する部分である、締付杆27aの軸方向中間部と、インナコラム14aの後端寄り部分の外周面である、このインナコラム14aの後端寄り部分の下端面に基端部を固定した係止ピン63との間に設けている。この係止ピン63は、テレスコピック機構を備えた衝撃吸収式ステアリング装置を車体に取り付ける作業中、アウタコラム13aがインナコラム14aから後方に抜け出るのを防止するために設けている。すなわち、衝撃吸収式ステアリング装置を車体に取り付けるべく、支持ブラケット10aをこの車体に取り付ける以前に、調節レバー33aを下方に回動させた状態にすると、アウタコラム13aが取付ブラケット10aとともに、インナコラム14aから抜け出てしまう可能性がある。このような可能性をなくすために、係止ピン63を軸方向スリット43に係合させている。この軸方向スリット43の、アウタコラム13aの前端縁側は、閉鎖環部45により塞がれているため、係止ピン63が、このアウタコラム13aに対して前方に抜け出ることはない。したがって、支持ブラケット10aを車体に取り付ける以前に、調節レバー33aを下方に回動させた状態にしても、このアウタコラム13aがインナコラム14aに対し、後方に抜け出ることが防止される。
そして、エネルギ吸収部材36bは、このような機能を有する係止ピン63と、締付杆27aとの間に掛け渡して、二次衝突時に、ステアリングホイール1からアウタコラム13aに加えられた衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングホイール1およびアウタコラム13aが前方に変位することを許容するようにしている。エネルギ吸収部材36bは、軟鋼板などの塑性変形可能な金属板を曲げ成形することにより形成されており、基板部64と、折り返し部65と、変形板部66とを備え、全体を略J字形状としている。基板部64は、J字形状の短辺側の先端部に設けられたもので、上下方向に関する幅が他の部分よりも広くなっていて、幅方向片半部が、他の部分よりも上方(アウタコラムの上側にスリットがある構造に適用する場合には、下方)に突出している。そして、この上方(もしくは下方)に突出した部分に、挿通孔67を形成している。なお、本発明の定義において、この挿通孔67も第3通孔に相当する。また、基板部64の下端縁(もしくは上端縁)に、突き当て板部68を、変形板部66と反対側に突出する状態で曲げ成形により形成している。折り返し部65は、基板部64の後端縁から後方に突出した状態に設けられており、前方が開口したU字形の湾曲部69を有する。さらに、変形板部66は、平板状で、折り返し部65の先端縁から前方に向け延出する状態で設けられている。なお、挿通孔67は、二次衝突の発生初期段階での衝撃エネルギの吸収特性を改善する、すなわち、カプセル22aの離脱の瞬間と変形板部66の変形開始の瞬間とをずらせるために、前後方向に長い長孔とすることもできる。
上述のような構成を有するエネルギ吸収部材36bは、基板部64に形成した挿通孔67に締付杆27aを挿通することにより、この締付杆27aとともに、アウタコラム13aの軸方向の変位を可能に支持する。この状態で、突き当て板部68の上面(アウタコラムの上側にスリットがある構造に適用する場合には、下面)を、1対の被挟持壁部11aのうちの一方の被挟持壁部11aの下端面(もしくは、上端面)に、弾性的に当接させて、エネルギ吸収部材36bが、締付杆27aを中心として回動することを防止している。また、折り返し部65のうちの湾曲部69を、係止ピン63の後側に配置する。なお、本例の場合には、この係止ピン63に、合成樹脂などの滑りやすい材料により形成された、本発明の円筒部材である円筒状のローラ70を回転自在に外嵌しており、折り返し部65をこのローラ70に巻き掛けている。この構成により、エネルギ吸収部材36bが塑性変形する際に、このローラ70と塑性変形する部分の摺動抵抗が低減されるため、この摩擦抵抗の変動による衝撃エネルギ吸収のバラツキが低減される。さらに、変形板部66は、1対の被挟持壁部11aのうちの他方の被挟持壁部11aの内側面に沿って、アウタコラム13aのほぼ軸方向に配置している。
このような構成を備え、上述のように締付杆27aとインナコラム14aに固定した係止ピン63との間に組み付けられた、エネルギ吸収部材36bは、二次衝突の進行に伴って、図11(A)に示す状態から、図11(B)に示す状態にまで塑性変形する。すなわち、この二次衝突に伴って、アウタコラム13aが前方に変位すると、まず、このアウタコラム13aが締付杆27aに対し、テレスコピック調節可能な範囲、すなわち、この締付杆27aが前後方向長孔28の後端部に移動するまで、前方に変位する。この際、インナコラム14aの後部外周面とアウタコラム13aの前部内周面との嵌合部に作用する摩擦力により、ステアリングホイール1からこのアウタコラム13aに加えられた衝撃エネルギが、ある程度吸収される。
締付杆27aが前後方向長孔28の後端部まで移動し切った後、さらにアウタコラム13aが前方に移動すると、支持ブラケット10aが車体から脱落し、締付杆27aがアウタコラム13aとともに前方に変位し始める。そして、エネルギ吸収部材36bの基板部64が締付杆27aにより前方に引っ張られ、変形板部66が係止ピン63に外嵌したローラ70により扱かれて塑性変形する。具体的には、湾曲部69が、変形板部66の先端側に向けて移動する。この際、ローラ70による、変形板部66の塑性変形に基づき、ステアリングホイール1から、アウタシャフト46およびアウタコラム13aを介して、締付杆27aに伝達された衝撃エネルギが吸収される。この場合において、エネルギ吸収部材36bの基板部64は1対の被挟持壁部11aのうちの前記他方の被挟持壁部11aの内側面に、同じく変形板部66は前記一方の被挟持壁部11aの内側面に、それぞれ当接した状態のままとなる。また、被挟持壁部11は、アルミニウム合金をダイキャスト成形することにより得られた剛体からなるため、エネルギ吸収部材36bが、左右に拡がる方向に変形することはなく、このエネルギ吸収部材36bの塑性変形に基づくエネルギ吸収は、安定して行われる。なお、このような二次衝突時に衝撃エネルギを吸収する特性は、変形板部66の曲げ剛性により、任意に調節できる。たとえば、この変形板部66の幅寸法や厚さ寸法を、先端側に向け漸次大きくすれば、二次衝突の進行に伴って、次第に大きな衝撃エネルギを吸収できて、運転者保護の面から有利な特性を得られる。また、通常時、ローラ70の外周面と湾曲部69の内周面との間に適切な隙間を介在させて、二次衝突の発生初期段階での、衝撃エネルギの吸収特性をチューニングすることもできる。
また、本例の場合には、締付杆27aの中間部でエネルギ吸収部材36bを構成する基板部64と変形板部66との間部分に、カム部材71を外嵌している。第1実施形態の場合と同様に、このカム部材71の先端部前縁が、インナコラム14の係合孔83の前端縁に係合することにより、カム装置32aを緩めた状態で、ステアリングホイール1およびアウタシャフト46を介して、アウタコラム13aを前方に強く押しても、カプセル22aが切り欠き21aから抜け出ることはなく、支持ブラケット10aが車体から前方に脱落することがなくなる。
このような構成の第2の実施形態の衝撃吸収式ステアリング装置においても、第1の実施形態の装置と同様の作用効果を得ることが可能である。なお、この態様においては、たとえば、エネルギ吸収部材36bの湾曲部6の内周面を係合させる対象を、係止ピン以外の二次衝突時にアウタコラムともに変位することない部材とすることも可能である。また、係止ピンに外嵌する円筒部材としてローラとは異なる、係止ピンに対して、非回転に外嵌されるような部材も採用しうる。このように、いずれの態様においても、本発明は上記の特定の例の具体的な構成によって制限されるものではない。
本発明は、テレスコピック機構およびチルト機構の両方を備えた構造のステアリング装置に好適に適用される。ただし、いずれか一方の機構のみを備える構造や、いずれの機構も備えていないステアリング装置にも適用することは可能である。たとえば、テレスコピック機構のみを備えた構造で本発明を実施する場合には、図示の実施の形態から、挟持板部25c、25dに形成する第2通孔を、上下方向長孔26a、26bに代えて、締付杆27aを挿通可能とするだけの単なる円孔とする。一方、チルト機構のみを備えた構造で実施する場合には、図示の実施の形態から、1対の被挟持壁部11aに形成する第1通孔を、前後方向長孔28に代えて、締付杆27aを挿通可能とするだけの単なる円孔とする。さらに、ステアリングホイールの位置調節装置を備えない構造で実施する場合には、第1通孔および第2通孔のいずれも単なる円孔とする。このような位置調節装置を備えない構造で実施する場合に、締付杆をボルトとし、1対の押圧部を、このボルトの頭部と、このボルトに螺合したナットにより構成することもできる。この場合、このナットが一方の押圧部として、かつ、固定手段として機能する。このように、本発明は、衝撃吸収式ステアリング装置に広く適用される。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a、5b ステアリングシャフト
6、6a、6b、6c ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a 支持ブラケット
11、11a 被挟持壁部
12、12a 車体側ブラケット
13、13a アウタコラム
14、14a インナコラム
15 電動モータ
16 ハウジング
17、17a 支持管
18 天板
19a、19b 側板
20 結合板部
21、21a 切り欠き
22、22a カプセル
23 通孔
24 ナット
25a、25b、25c、25d 挟持板部
26、26a、26b 上下方向長孔
27、27a 締付杆
28 前後方向長孔
29 鍔部
30、30a 駆動側カム
31、31a 被駆動側カム
32、32a カム装置
33、33a 調節レバー
34 係止部
35、35a 釣合ばね
36、36a、36b エネルギ吸収部材
37 車体
38 支持ピン
39 保持ケース
40 電動式パワーステアリング装置
41 ハウジング
42 突条
43 軸方向スリット
44 周方向スリット
45 閉鎖環部
46 アウタシャフト
47 インナシャフト
48 取付板部
49、49a チルトスペーサ
50 スペーサ
51 ワッシャ
52 スラスト軸受
53 ナット
54 基板部
55 帯状板部
56 エネルギ吸収部
57 挿通孔
58 前端側取付部
59 折り返し部
60 突出部
61 取付孔
62 ボルト
63 係止ピン
64 基板部
65 折り返し部
66 変形板部
67 挿通孔
68 突き当て板部
69 湾曲部
70 ローラ
71 カム部材
72 揺動腕
73 雄側ギヤ
74 雌側ギヤ
75 復位ばね
76 取付用ブラケット
77 弾性係止部
78 ガイド鍔部
79 幅狭部
80 幅広部
81 係止孔
82 折り曲げ部
83 係合孔

Claims (14)

  1. 前後位置を規制された状態で前側に配置されたインナコラムと、該インナコラムの後部に軸方向の相対変位を可能に外嵌され、該インナコラムとの嵌合部である前部に軸方向に設けられ、該前部の直径を拡縮可能とする軸方向スリットと、該前部の上面または下面で該軸方向スリットを左右両側から挟む位置に設けられた1対の被挟持壁部と、これらの被挟持壁部の互いに整合する位置に形成された1対の第1通孔とを備えるアウタコラムとからなるステアリングコラムと、
    インナシャフトと、該インナシャフトの後部に軸方向の相対変位を可能に外嵌され、後端部が前記アウタコラムの後端開口よりも後方に突出し、該後端部にステアリングホイールが支持固定されているアウタシャフトとからなり、前記ステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されているステアリングシャフトと、
    左右1対の挟持板部と、これらの挟持板部の前記第1通孔のうちの少なくとも一部に整合する部分に形成された1対の第2通孔と、前記挟持板部を支持するとともに、二次衝突時に前記ステアリングホイールから前記アウタコラムに加えられた衝撃エネルギに基づいて、前方へ脱落することが可能なように、車体に支持される取付板部とを備える支持ブラケットと、
    前記第1通孔と前記第2通孔とに挿通され、両端部に1対の押圧部を備える締付杆と、
    前記1対の押圧部の間隔を拡縮し、該間隔の収縮時に前記アウタコラムの前記前部の直径を縮め、該アウタコラムの前記前部の内周面と前記インナコラムの前記後部の外周面とを摩擦係合させる固定手段と、
    前記二次衝突時に、前記アウタコラムとともに前方に変位する部分と、該二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分との間に設けられ、該二次衝突に伴う前記アウタコラムの前方への変位に伴って塑性変形する部材からなり、該塑性変形の相対移動により、前記衝撃エネルギの一部を吸収するエネルギ吸収部材と、
    を備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記エネルギ吸収部材の一部は、前記アウタコラムとともに前方に変位する部分の一部に固定されており、かつ、該部材の塑性変形が、前記アウタコラムの前記1対の被挟持壁部により幅方向について制限されていることを特徴とする、衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 前記エネルギ吸収部材の一部が固定される、前記アウタコラムとともに前方に変位する部分の一部が、前記締付杆である、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. 前記締付杆の中間部に、カム部材が外嵌されており、前記アウタコラムの前部の直径を拡げる方向に前記締付杆を回動させた状態で、前記カム部材を、該アウタコラムの前部に形成した前記軸方向スリットを通じて、前記インナコラムの後部に形成した係合孔内に進入させる、請求項2に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  4. 前記エネルギ吸収部材は、基板部と、該基板部の左右両側縁から上下方向に関して同じ方向に折れ曲がった左右1対の帯状板部と、これらの帯状板部のうちの前記基板部の後端縁よりも後方に突出し、それぞれの後端部に互いに近付く方向に曲げ形成された、U字形の折り返し部を備えた1対のエネルギ吸収部と、これらのエネルギ吸収部の先端部から上下方向に突出する状態で設けられた1対の突出部と、これらの突出部のそれぞれに形成された1対の第3通孔と、前記帯状板部のうちの前記基板部の前端縁よりも前方に突出した部分に設けられた前端側取付部とを備え、
    前記帯状板部が、前記被挟持壁部の内側面に沿ってそれぞれ配置された状態で、前記第3通孔に前記締付杆が挿通されることにより、該エネルギ吸収部材の後部が、前記二次衝突時に前記アウタコラムとともに前方に変位可能に、前記締付杆に固定され、前記前端側取付部が、前記インナコラムの前端部が固定された部材に対して結合されることにより、該エネルギ吸収部材の前部が、前記二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分に固定される、請求項2に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  5. 前記1対のエネルギ吸収部の先端部の間に、該先端部間の間隔を調整可能な部材が配置されている、請求項4に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  6. 前記間隔を調整可能な部材が、前記締付杆の中間部に外嵌されたカム部材であり、前記アウタコラムの前部の直径を拡げる方向に前記締付杆を回動させた状態で、前記カム部材を、該アウタコラムの前部に形成した前記軸方向スリットを通じて、前記インナコラムの後部に形成した係合孔内に進入させる、請求項5に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  7. 前記インナコラムの前端部が固定された部材が、電動式パワーステアリング装置の構成部品を収めたハウジングであり、前記前端側取付部が、前記帯状板部の前端縁から互いに反対方向に直角に折り曲げられた突合せ板部からなり、これらの突合せ板部が前記ハウジングの後端面に結合固定されている、請求項4に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  8. 前記エネルギ吸収部材は、基板部と、該基板部に設けられた第3通孔と、該基板部の後端縁から後方に突出した状態で設けられたU字形の折り返し部と、該折り返し部の先端縁から前方に向けて伸長する変形板部とを備え、前記第3通孔に前記締付杆が挿通されることにより、該基板部は、前記二次衝突時に前記アウタコラムとともに前方に変位可能に、前記締付杆に固定され、前記折り返し部は、前記二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分の一部の後側に、該二次衝突時に該折り返し部と該変位しない部分の一部が係合するように、配置され、前記変形板部は、前記被挟持壁部のうちの一方の内側面に沿って配置される、請求項2に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  9. 前記二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分の一部は、前記インナコラムの後端寄り部分の外周面に基端部が固定され、前記軸方向スリットに係合するとともに、前記アウタコラムの前端縁部に設けられた抜け止め部により、前記軸方向スリットから該アウタコラムの前方に抜け出ることが防止されている、係止ピンである、請求項8に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  10. 前記係止ピンの周囲に回転自在に外嵌された円筒部材を備える、請求項8に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  11. 前記第1通孔が、前記アウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔であって、前記締付杆がこれらの第1通孔内で変位できる範囲で、前記アウタコラムの前後位置を調節可能としており、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて、前記1対の押圧部の間隔を拡縮し、該間隔の収縮時に、前記アウタコラムの前部の直径を縮めて、該アウタコラムの前後位置を固定する、請求項2に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  12. 前記インナコラムの前端部が、横軸を中心とする揺動変位を可能に車体に対して支持されており、前記第2通孔が、該横軸を中心とする部分円弧形を有する上下方向に長い上下方向長孔であって、前記締付杆がこれらの上下方向長孔内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能としており、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて前記1対の押圧部の間隔を拡縮し、該間隔の収縮時に前記1対の挟持板部の間隔を縮め、これらの挟持板部の内側面と前記被挟持壁部の外側面とを摩擦係合させて、前記アウタコラムの上下位置を固定する、請求項2に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  13. 前記インナコラムの外周面に、それぞれが軸方向に長い複数本の突条が形成されており、該インナコラムの外周面と前記アウタコラムの内周面とが、これらの突条の頂部で当接している、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  14. 前記インナシャフトの端部外周面に形成した雄スプライン歯と、前記アウタシャフトの端部内周面に形成した雌スプライン歯とをスプライン係合させることで、前記スプラインシャフトの全長を伸縮可能としており、前記雄スプライン歯と前記雌スプライン歯とのうちの少なくとも一方の歯の表面に、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層が形成されている、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
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