JP3763208B2 - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

衝撃吸収式ステアリングコラム装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3763208B2
JP3763208B2 JP17339598A JP17339598A JP3763208B2 JP 3763208 B2 JP3763208 B2 JP 3763208B2 JP 17339598 A JP17339598 A JP 17339598A JP 17339598 A JP17339598 A JP 17339598A JP 3763208 B2 JP3763208 B2 JP 3763208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering column
bracket
absorbing member
energy absorbing
supported
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17339598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000006820A (ja
Inventor
健司 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP17339598A priority Critical patent/JP3763208B2/ja
Publication of JP2000006820A publication Critical patent/JP2000006820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3763208B2 publication Critical patent/JP3763208B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、ステアリングコラムを衝突時の衝撃を吸収できる構造とする事により、衝突時に於ける乗員の生命保護を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の衝突時には、自動車が他の自動車等と衝突する、所謂一次衝突に続いて、運転者がステアリングホイールに衝突する、所謂二次衝突が発生する。この二次衝突の際に運転者が受ける衝撃を少なく抑え、運転者の生命保護を図る事を目的として、一端にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトを、強い衝撃が加わった場合に全長が縮まる、所謂コラプシブルステアリングシャフトとすると共に、このステアリングシャフトを挿通したステアリングコラムを衝撃吸収式のものとする事が、一般的に行なわれている。
【0003】
この様な目的で使用される衝撃吸収式のステアリングコラム装置として従来から、例えば実開平5−75057号公報に開示されたものが知られている。図14〜16は、この公報に記載された衝撃吸収式ステアリングコラム装置を示している。尚、図示の例は、ステアリングシャフト1の後端部(本明細書中の前後は、自動車の進行方向で言う)に運転者に対向する状態で固定した、図示しないステアリングホイールの高さ位置を調節する為のチルト機構を組み込んだ構造を示している。ステアリングコラム2は、内側に上記ステアリングシャフト1を回転自在に支持すると共に、中間部に設けたコラプシブル構造部(図示省略)により、軸方向に亙る強い力が加わった場合には、全長が縮まる様にしている。尚、上記ステアリングシャフト1も、軸方向に亙る強い力が加わった場合には、全長が縮まる様にしている。
【0004】
上記ステアリングコラム2を車体に支持する為の支持ブラケット3は、左右1対の支持板部4、4により、上記ステアリングコラム2の中間部下面に溶接固定した被支持ブラケット5を挟持している。この被支持ブラケット5の左右両側壁には切り欠き6、6を、上記各支持板部4、4の一部でこれら各切り欠き6、6と整合する部分には上下方向に長い長孔7、7を、それぞれ形成している。そして、上記切り欠き6、6及び長孔7、7を一方から他方(図15の右から左)に挿通した、杆状の抑え部材である結合ボルト8の他端に、結合ナット9を螺合させている。この結合ボルト8は、頭部10と一方の長孔7の側縁との係合により、各長孔7、7に沿って昇降する事はあっても、回転する事のない様にしておく。又、上記結合ナット9は、チルトレバー11(本発明の実施の形態を示す図1、3参照。図14〜15には省略。)により回転自在としている。従って、このチルトレバー11の操作に基づいて上記結合ナット9を回転させ、この結合ナット9と上記頭部10との間隔を変化させれば、上記被支持ブラケット5を固定したステアリングコラム2を、上記支持ブラケット3に対し固定したり、或は固定を解除して、上記ステアリングホイールの上下位置の調節を行なえる。
【0005】
更に、上記結合ボルト8の中間部で、上記被支持ブラケット5の内側に存在する部分には、エネルギ吸収部材12の後端部(前後は自動車の進行方向で表わし、図14、16の右端部)を外嵌支持している。そして、このエネルギ吸収部材12の前端部(図14、16の左端部)は、上記ステアリングコラム2の中間部下面に溶接固定している。従って、上記エネルギ吸収部材12の後端部は、結合ボルト8及び支持ブラケット3を介して、衝突時にも変位する事のない車体13に支持し、前端部は、衝突時に前方に変位するステアリングコラム2に支持する。このエネルギ吸収部材12は、可塑性を有する1枚の金属板を打ち抜き形成する事により、図16に示す様に、内側部分の肉が抜かれた形状に造ったもので、後端部を除いた部分を平板状に形成している。
【0006】
この様なエネルギ吸収部材12を組み込んで成る、従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の場合、衝突事故に伴なう二次衝突により、前記ステアリングコラム2を前方に押す衝撃力が加わった場合には、エネルギ吸収部材12が、前後方向に伸長する方向に塑性変形しつつ、上記ステアリングコラム2が前方に変位する事を許容する。上記エネルギ吸収部材12に設けた各リング部14a〜14dの幅は、後端部のリング部14dが最も大きく、前端部のリング部14aに向かうに従って漸次小さくなる為、上記ステアリングコラム2の前方への変位に基づき、上記エネルギ吸収部材12が伸長するのに伴なって、上記ステアリングコラム2をそれ以上前方に変位させる(エネルギ吸収部材12を伸長させる)為に要する力が大きくなる。この為、二次衝突時にステアリングコラム2を変位させる為に要する力は、始めは小さく、変位が進むに従って次第に大きくなる。この結果、ステアリングホイールにぶつかった運転者の身体によって加わえられた衝撃力を効率的に受け止め、この運転者の身体に大きなダメージが加わる事を防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置には、次の(1)(2)の様な問題点があった。
(1) エネルギ吸収部材12が独立した1個の部品である為、部品管理並びに組立作業が面倒で、衝撃吸収式ステアリングコラム装置のコストを高くする原因となる。特に、エネルギ吸収部材12の前端部とステアリングコラム2の外周面とを、溶接により結合する作業が必要になり、組立作業の繁雑化に伴うコストアップが著しい。
(2) 二次衝突時にエネルギ吸収部材12を伸長させる為に要するエネルギは、始めは小さく、次第に大きくなる。この特性自体は好ましいものであるが、この特性を変える事は難しく、より運転者の保護充実を図る場合に対応できない可能性がある。
即ち、二次衝突時に運転者の身体からステアリングホイールに加えられた衝撃エネルギを吸収する部材は、上記エネルギ吸収部材12の他、ステアリングシャフト1やステアリングコラム2等が存在する。上記衝撃エネルギの吸収は、これら各部材が共働して行なう。従って、エネルギ吸収部材の特性を、他の部材の特性との関係で調整した方が好ましい場合がある。図14〜16に示した従来構造は、この様な場合に対応できない。
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、上述の様な不都合を何れも解消すべく考えたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、前述した従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置と同様に、運転者に対向する後端にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトを挿通自在なステアリングコラムと、このステアリングコラムの中間部外周面に固定した、後端縁側に開口した切り欠きを有する被支持ブラケットと、この被支持ブラケットを両側から挟む1対の支持板部を有し、車体側に固定される支持ブラケットと、これら両支持板部同士の間に掛け渡すと共に、上記切り欠きを挿通した状態で上記支持ブラケットに支持固定されて、上記各支持板部を上記被支持ブラケットの両側面に押し付ける杆状の抑え部材と、塑性変形自在な材料により造られ、上記被支持ブラケットが上記支持ブラケットから脱落して上記ステアリングコラムが前方に変位する際に塑性変形する事により、上記ステアリングコラムに加えられた衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材とから成る。
【0009】
特に、本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置に於いては、上記エネルギ吸収部材は、基板部の幅方向両側縁部に、上下方向に亙る板部を設けたものであって、上記被支持ブラケットにその前端部を結合固定すると共に、互いに平行に配置された上記1対の支持板部よりも後方に突出した部分の幅をこれら1対の支持板部同士の後端縁同士の間隔よりも大きく、且つ、後方に向かうに従って漸次大きくしたものである。そして、衝突事故に伴って上記運転者の身体から上記ステアリングコラムに加わる衝撃エネルギに基づき、上記支持ブラケットに対してこのステアリングコラムが前方に変位する際に、上記1対の支持板部の後端縁同士の間で上記エネルギ吸収部材を扱きつつ幅を狭くする方向に塑性変形させる事により、上記衝撃エネルギを吸収する。
【0010】
【作用】
上述の様に構成する本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、エネルギ吸収部材と上記被支持ブラケットとを、1枚の金属板を折り曲げる事により一体に構成する事が可能になる。この為、部品管理及び組立作業の簡素化、容易化が可能になる。
二次衝突時には、被支持ブラケットに形成した切り欠きから、杆状の抑え部材が抜け出て、ステアリングコラムが前方に変位すると共に、エネルギ吸収部材が、上記被支持ブラケットと共に前方に変位する。そして、このエネルギ吸収部材の幅方向両縁部が、支持ブラケットを構成する1対の支持板部の後端縁により扱かれる事で、幅を狭くする方向に塑性変形する。この様に、上記エネルギ吸収部材が塑性変形する事で、上記ステアリングコラムに加わった衝撃エネルギを吸収し、ステアリングホイールにぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
上記エネルギ吸収部材を塑性変形させつつ前方に移動させる為に要する力(エネルギ)は、このエネルギ吸収部材の幅や幅方向に亙る剛性に応じて変化する。従って、上記エネルギ吸収部材の幅や幅方向に亙る剛性を変える事により、このエネルギ吸収部材が衝撃エネルギを吸収する特性を、任意に調節できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜6は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。ステアリングコラム2は、内側にステアリングシャフト1を回転自在に支持すると共に、中間部に設けたコラプシブル構造部(図示省略)により、軸方向に亙る強い力が加わった場合には、全長が縮まる様にしている。勿論、上記ステアリングシャフト1も、軸方向に亙る強い力が加わった場合には、全長が縮まる様にしている。尚、上記ステアリングコラム2及びステアリングシャフト1をコラプシブル構造とせず、これらステアリングコラム2及びステアリングシャフト1全体を前方に変位させる構造を採用する事も可能である。この場合には、ステアリングシャフト1の前端部に接続する中間シャフトを、収縮自在な構造とする。
【0012】
上記ステアリングコラム2を車体13(図14〜15参照)に支持する為の支持ブラケット3aは、それぞれ鋼板等の金属板にプレス加工を施す事により造った、取付板部15と抱持部16とを、溶接等により互いに結合固定して成る。このうちの取付板部15は、上記支持ブラケット3を車体13に固定する為のもので、固定時には図示しない1対のボルトにより、上記取付板部15を、ダッシュボードの下側部分等で、車体13に取付固定する。又、上記抱持部16は、上記金属板をコ字形に折り曲げて成り、左右1対の支持板部4a、4aを有する。そして、これら両支持板部4a、4aにより、上記ステアリングコラム2の中間部下面に溶接固定した被支持ブラケット5を挟持している。尚、図示の例では、上記両支持板部4a、4aの前後両端部をそれぞれ幅方向外方に向け折り曲げている。この構成により、これら両支持板部4a、4aの剛性を確保すると共に、これら両支持板部4a、4aの内側面前後両端縁部を、滑らかな凸曲面としている。
【0013】
上記被支持ブラケット5は、上記ステアリングコラム2の外径よりも少し大きな幅を有する。従って、上記両支持板部4a、4aの内側面を上記被支持ブラケット5の左右両外側面に当接させた状態で、これら両支持板部4a、4aの内側面と上記ステアリングコラム2の外周面との間には、若干の隙間が存在する。この様な被支持ブラケット5の左右両側壁には切り欠き6、6を、上記各支持板部4a、4aの一部でこれら各切り欠き6、6と整合する部分には上下方向に長い長孔7、7を、それぞれ形成している。そして、上記切り欠き6、6及び長孔7、7を一方から他方(図4の右から左)に挿通した、杆状の抑え部材である結合ボルト8の他端に、結合ナット9を螺合させている。この結合ボルト8は、頭部10と一方の長孔7の側縁との係合により、各長孔7、7に沿って昇降する事はあっても、回転する事のない様にしている。尚、図示の例では、上記各切り欠き6、6の方向を、上記ステアリングコラム2の軸方向(図1、2、5の左右方向)に対し傾斜させている。この様な各切り欠き6、6は、上記ステアリングコラム2を自動車に組み付けた状態で、ほぼ水平方向に向く。
【0014】
又、上記結合ナット9の外半部(図4の左半部)には、チルトレバー11の基端部を結合固定し、このチルトレバー11により上記結合ナット9を回転自在としている。従って、このチルトレバー11の操作に基づいて上記結合ナット9を回転させ、この結合ナット9と上記頭部10との間隔を変化させれば、上記被支持ブラケット5を固定したステアリングコラム2を、上記支持ブラケット3aに対し固定したり、或は固定を解除して、ステアリングホイールの上下位置の調節を行なえる。尚、上記被支持ブラケット5の底板部17には、この被支持ブラケット5の幅方向(図1、2、5の表裏方向、図4の左右方向、図3、6の上下方向)に亙り突条18を形成して、上記底板部17の曲げ剛性を高めている。従って、上記チルトレバー11の操作に基づいて上記1対の支持板部4a、4a同士の間隔を狭めた場合に、上記被支持ブラケット5がこれら両支持板部4a、4a同士の間で突っ張り、上記支持ブラケット3aに対する上記被支持ブラケット5の支持強度を十分に確保できる。
【0015】
又、上記被支持ブラケット5の後端縁から後方に延出する状態でエネルギ吸収部材19を、この被支持ブラケット5と一体に設けている。このエネルギ吸収部材19は、軟鋼板等の塑性変形自在な材料により造られ、上記被支持ブラケット5が上記支持ブラケット3aを構成する1対の支持板部4a、4aの間から抜け出して、上記ステアリングコラム2が前方に変位する際に塑性変形する事により、このステアリングコラム2に加えられた衝撃エネルギを吸収する。
【0016】
特に、本例の衝撃吸収式ステアリングコラムに於いては、上記エネルギ吸収部材19と上記被支持ブラケット5とを、1枚の金属板を折り曲げる事により一体に構成している。そして、このうちのエネルギ吸収部材19は、上記被支持ブラケット5を構成する底板部17の後端縁から後方に延出している。上記エネルギ吸収部材19の平面形状は台形として、左右両側縁を互いに反対方向に、且つ、上記底板部17から離れるに従って幅が広くなる方向に傾斜させている。又、上記エネルギ吸収部材19は、上記底板部17と単一平面上に位置する基板部20と、この基板部20の左右両端縁部を上方に曲げ起こして成る、特許請求の範囲に記載した上下方向に亙る板部に相当する、折り曲げ縁部21、21とから成る。尚、これら各折り曲げ縁部21、21の前端部は、上記被支持ブラケット5を構成する左右1対の側板部22、22の後端縁で前記各切り欠き6、6の下側部分に連続している。
【0017】
又、図示の例では、上記基板部20の前部及び中間部に、この基板部20の幅方向に亙る突条23、23を形成して、上記エネルギ吸収部材19の前部及び中間部の、幅方向に亙る剛性を高くしている。更に、上記基板部20の後部には透孔24を形成して、上記エネルギ吸収部材19の後部の、幅方向に亙る剛性を低くしている。本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を組み立てた状態で、上述した様なエネルギ吸収部材19は、前記支持ブラケット3aを構成する1対の支持板部4a、4aの後端縁よりも後方に突出する。又、これら両支持板部4a、4aの後端縁から上記エネルギ吸収部材19の幅が広がり始める部分までは、距離L(図3)だけ離隔させている。言い換えれば、上記エネルギ吸収部材19の前端部で両支持板部4a、4aの後端縁から後方に突出した部分のうち、上記距離L部分は、前後方向に亙って幅が変化しない。
【0018】
上述の様に構成する本例の衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、上記エネルギ吸収部材19と前記被支持ブラケット5とを、1枚の金属板を折り曲げる事により一体に構成している為、部品管理及び組立作業の簡素化、容易化を図れる。即ち、互いに一体に結合された上記エネルギ吸収部材19と上記被支持ブラケット5とは、軟鋼板の如く塑性変形自在な金属板に、打ち抜き、折り曲げ等のプレス加工を施す事により、容易に且つ安価に造れる。そして、部品管理、組立作業は、これらエネルギ吸収部材19と上記被支持ブラケット5とを1個の部品として取り扱えるので、上述の様に、部品管理及び組立作業の簡素化、容易化によるコスト低減を図れる。
【0019】
二次衝突時に伴って、前記ステアリングコラム2に前方に向いた衝撃荷重が加わると、このステアリングコラム2の中間部下面に溶接固定した上記被支持ブラケット5が、前方に変位する。即ち、二次衝突時には、この被支持ブラケット5の左右両外側面と前記1対の支持板部4a、4aの内側面との間に働く摩擦力に抗して、上記被支持ブラケット5が前方に変位し、この被支持ブラケット5の後端縁に形成した1対の切り欠き6、6から、前記結合ボルト8が後方に抜け出る(実際には、結合ボルト8はそのままの位置に留まり、上記被支持ブラケット5が前方に変位する)。
【0020】
尚、図示の例では、上記各切り欠き6、6が水平方向に向いているので、二次衝突の初期段階に、上記結合ボルト8がこれら各切り欠き6、6から円滑に抜け出る。即ち、二次衝突発生の瞬間に上記ステアリングコラム2には、ほぼ水平方向の力が加わる。この力の方向と上記各切り欠き6、6の方向とがほぼ一致するので、これら各切り欠き6、6の内側面と上記結合ボルト8の周面とが強くすれ合う事を防止して、上記結合ボルト8が上記各切り欠き6、6から抜け出る事に対する抵抗を小さくできる。しかも、前記エネルギ吸収部材19の前端部は、前後方向に亙って幅が変化しない為、二次衝突の初期段階ではこのエネルギ吸収部材19を塑性変形させる必要がなく、上記各切り欠き6、6の方向を工夫した事とあいまって、上記ステアリングコラム2の前方への変位開始に要する荷重を小さくできる。この事は、二次衝突発生の瞬間に運転者の身体に加わる衝撃を緩和して、運転者の保護充実を図る為に有効である。
【0021】
上述の様に、上記ステアリングコラム2と共に上記被支持ブラケット5及びエネルギ吸収部材19が、図5〜6に示す様に、前方に変位する。そして、このエネルギ吸収部材19の幅方向両縁部が、前記支持ブラケット3aを構成する1対の支持板部4a、4aの後端縁部により扱かれる事で、幅を狭くする方向に塑性変形する。この様に、上記エネルギ吸収部材19が塑性変形する事により、上記ステアリングコラム2に加わった衝撃エネルギを吸収し、ステアリングホイールにぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。尚、上記エネルギ吸収部材19の左右両端縁部にはそれぞれ折り曲げ縁部21、21を形成しており、上記支持板部4a、4aの後端縁部は、前述の様に滑らかな凸曲面としている。従って、上記エネルギ吸収部材19の前方への変位に伴う、上記エネルギ吸収部材19の幅方向両縁部と上記各支持板部4a、4aの後端縁部との摩擦係合状態は安定したものとなる。言い換えれば、摩擦係合状態で吸収するエネルギが変動する事を防止して、二次衝突時に吸収するエネルギを、上記エネルギ吸収部材19の形状や厚さ等により定まる、所望値通りに規制できる。
【0022】
又、二次衝突時に上記エネルギ吸収部材19を塑性変形させつつ前方に移動させる為に要する力(エネルギ)は、このエネルギ吸収部材19の幅や幅方向に亙る剛性に応じて変化する。又、この剛性は、このエネルギ吸収部材19を構成する金属板の厚さにより変える事ができる他、前記基板部20に突条23、23や透孔24を形成するか否か、形成する場合にはその形状及び大きさをどの様にするかにより、任意に調節可能である。従って、上記エネルギ吸収部材19が衝撃エネルギを吸収する特性を、任意に調節できる。又、この特性は、上記エネルギ吸収部材19の左右両端縁部の傾斜角度を変える事によっても調節できる。更に、傾斜角度により上記特性を調節できる事を利用して、例えば、ストロークに余裕がない場合に、ステアリングコラム2が少し変位する間に大きなエネルギを吸収させる事もできる。即ち、実施の形態の第2例を表した図7に示す様に、エネルギ吸収部材19aの幅を急激に、且つ2段階に亙り広げる様にすれば、ステアリングコラム2が少し変位する間に、上記エネルギ吸収部材19aが、大きなエネルギを吸収する。尚、エネルギ吸収部材19、19aの前端縁と被支持ブラケット5を構成する側板部22、22の後端縁との連続部は、必ずしも図示の様に切り欠き6、6の下側でなくても良く、後述する図11〜13に示す第4例と同様に、上側に設けても良い。
【0023】
次に、図8〜10は、請求項1、5、6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。上述した第1〜2例は何れも、被支持ブラケット5(図1〜7)を、前述の 14〜15に示した従来構造と同様、1枚の金属板により形成していた。これに対して、本例の被支持ブラケット5aは、ブラケット本体27と突っ張り板28との2個の部材を組み合わせて成る。このうちのブラケット本体27は、鋼板等の金属板を略M字形に折り曲げて成り、ステアリングコラム2の中間部下面に、溶接固定している。又、上記突っ張り板28は、上記ブラケット本体27を構成する左右1対の側板部22a、22aの内側面同士の間に挟持して、これら両側板部22a、22a同士の間隔が縮まる事を防止する。
【0024】
即ち、上記突っ張り板28は、上記各側板部22a、22aに形成した切り欠き6、6の周囲を囲む様な断面円弧状に形成しており、左右両端縁部を上記各側板部22a、22aの内側面に、溶接により結合固定している。この様な突っ張り板28は、上記ステアリングコラム2の高さ位置を固定すべく、チルトレバー11の操作に基づいて結合ボルト8の頭部10と結合ナット9との間隔を縮める場合に、上記1対の側板部22a、22a同士の間で突っ張る。そして、上記両側板部22a、22aの外側面と、支持ブラケット3aを構成する1対の支持板部4a、4aの内側面との当接圧を十分に確保させる。
【0025】
この様なブラケット本体27と突っ張り板28との2個の部材を組み合わせて成る被支持ブラケット5a自体は、従来からも知られているが、特に本例の場合には、上記突っ張り板28の後端縁から後方に延出する状態でエネルギ吸収部材19cを、この突っ張り板28と一体に設けている。このエネルギ吸収部材19cの形状自体は、前述の第1例の場合と同様のものである。尚、図示の例では、第1例の場合とは異なり、幅方向の剛性を調整する突条23、23や透孔24(図1、2、3、5、6)を形成していないが、必要とするエネルギ吸収特性に応じて形成する事は自由である。被支持ブラケット5aをブラケット本体27と突っ張り板28との2個の部材により構成し、それに合わせて各部の形状を多少変えた以外の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
次に、図11〜13は、請求項1、5、6に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。上述の第3例が、被支持ブラケット5aを構成するブラケット本体27と突っ張り板28とのうち、突っ張り板28の後端縁部から後方に連続させてエネルギ吸収部材19cを設けていたのに対して、本例の場合には、ブラケット本体27の後端縁部から後方に連続させてエネルギ吸収部材19dを設けている。エネルギ吸収部材19dを一体に設ける部材が、突っ張り板28からブラケット本体27に変わった以外の構成及び作用は、上述した第3例の場合と同様である。
【0027】
尚、以上に述べた各例は何れも、ステアリングホイールの高さ位置の調節を自在とするチルト式ステアリング装置に、本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を組み込んでいる。但し、本発明はこの様なチルト式ステアリング装置に限らず、ステアリングホイールの高さ位置を固定したままの構造にも適用できる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、低コストで、しかも運転者の保護充実を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す要部側面図。
【図2】 同じく部分切断側面図。
【図3】 同じく底面図。
【図4】 同じく図1のA−A断面図。
【図5】 同じく二次衝突発生時の状態で示す部分切断側面図。
【図6】 同じく底面図。
【図7】 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同様の図。
【図8】 本発明の実施の形態の第3例を示す部分切断側面図。
【図9】 同じく底面図。
【図10】 被支持ブラケットのみを取り出して示す、図8のB−B断面図。
【図11】 本発明の実施の形態の第4例を示す部分切断側面図。
【図12】 同じく底面図。
【図13】 被支持ブラケットのみを取り出して示す、図11のC−C断面図。
【図14】 従来構造の1例を示す部分切断側面図。
【図15】 同じく図14のD−D断面図。
【図16】 同じくエネルギ吸収部材を取り出して示す底面図。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト
2 ステアリングコラム
3、3a 支持ブラケット
4、4a 支持板部
5、5a 被支持ブラケット
6 切り欠き
7 長孔
8 結合ボルト
9 結合ナット
10 頭部
11 チルトレバー
12 エネルギ吸収部材
13 車体
14a、14b、14c、14d リング部
15 取付板部
16 抱持部
17 底板部
18 突条
19、19a、19c、19d エネルギ吸収部材
20 基板部
21 折り曲げ縁部
22、22a 側板部
23 突条
24 透孔
27 ブラケット本体
28 突っ張り板

Claims (6)

  1. 運転者に対向する後端にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトを挿通自在なステアリングコラムと、このステアリングコラムの中間部外周面に固定した、後端縁側に開口した切り欠きを有する被支持ブラケットと、この被支持ブラケットを両側から挟む1対の支持板部を有し、車体側に固定される支持ブラケットと、これら両支持板部同士の間に掛け渡すと共に、上記切り欠きを挿通した状態で上記支持ブラケットに支持固定されて、上記各支持板部を上記被支持ブラケットの両側面に押し付ける杆状の抑え部材と、塑性変形自在な材料により造られ、上記被支持ブラケットが上記支持ブラケットから脱落して上記ステアリングコラムが前方に変位する際に塑性変形する事により、上記ステアリングコラムに加えられた衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材とから成る衝撃吸収式ステアリングコラム装置に於いて、このエネルギ吸収部材は、基板部の幅方向両側縁部に、上下方向に亙る板部を設けたものであって、上記被支持ブラケットにその前端部を結合固定すると共に、互いに平行に配置された上記1対の支持板部よりも後方に突出した部分の幅をこれら1対の支持板部同士の後端縁同士の間隔よりも大きく、且つ、後方に向かうに従って漸次大きくしたものであり、衝突事故に伴って上記運転者の身体から上記ステアリングコラムに加わる衝撃エネルギに基づき、上記支持ブラケットに対してこのステアリングコラムが前方に変位する際に、上記1対の支持板部の後端縁同士の間で上記エネルギ吸収部材を扱きつつ幅を狭くする方向に塑性変形させる事により、上記衝撃エネルギを吸収する事を特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 被支持ブラケットとエネルギ吸収部材とが、1枚の金属板にプレス加工を施す事により、一体に造られている、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 被支持ブラケットを構成する底板部及びエネルギ吸収部材を構成する基板部の一部に、幅方向に亙る突条が形成されている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  4. エネルギ吸収部材を構成する基板部の一部に透孔が形成されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  5. エネルギ吸収部材の両側縁部に設けた上下方向に亙る板部と擦れ合う、1対の支持板部の後端縁が、滑らかな凸曲面である、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  6. ステアリングコラム装置が、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能なチルト式ステアリング装置であり、1対の支持板部を被支持ブラケットの両側面に押し付ける為の抑え部材が、これら各支持板部に形成した上下方向に長い長孔に沿った移動を自在に支持されている、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
JP17339598A 1998-06-19 1998-06-19 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 Expired - Fee Related JP3763208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17339598A JP3763208B2 (ja) 1998-06-19 1998-06-19 衝撃吸収式ステアリングコラム装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17339598A JP3763208B2 (ja) 1998-06-19 1998-06-19 衝撃吸収式ステアリングコラム装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000006820A JP2000006820A (ja) 2000-01-11
JP3763208B2 true JP3763208B2 (ja) 2006-04-05

Family

ID=15959621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17339598A Expired - Fee Related JP3763208B2 (ja) 1998-06-19 1998-06-19 衝撃吸収式ステアリングコラム装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3763208B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003026006A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Koyo Seiko Co Ltd 衝撃吸収ステアリング装置
WO2012017853A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 日本精工株式会社 衝撃吸収式ステアリング装置
JP5293825B2 (ja) * 2010-08-06 2013-09-18 日本精工株式会社 衝撃吸収式ステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000006820A (ja) 2000-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3788039B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP3669156B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置
JP4000731B2 (ja) シートバックフレーム構造
US5378021A (en) Collapsible steering column apparatus
US5755461A (en) Energy absorbing device for a steering column
JP2003220909A (ja) バンパ補強材
JPH092294A (ja) 位置調節式ステアリング装置
JP3409572B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JPH082026Y2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JPH07329796A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置用エネルギ吸収プレート
JP2513633Y2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP3763208B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP2004532770A (ja) フレキシブルに取り付けられたボンネットを備える自動車ボディ
JPH0825458B2 (ja) 自動車用ステアリングホイール
JPH08295251A (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP3389767B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP3669095B2 (ja) ステアリングコラムの支持装置
JP4333674B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JPH11245826A (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP2002249078A (ja) 車両の衝撃吸収構造体
JP4150630B2 (ja) ステアリングコラム支持装置
JP3409500B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JP2687766B2 (ja) 自動車の歩行者保護装置
JPS6136434Y2 (ja)
JP3022046B2 (ja) ステアリングコラムの衝撃吸収装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051004

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20051122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20060109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110127

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees