JP2004338509A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の衝突時に、ステアリングコラムの前方移動によって変形して二次衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収プレートの変形が安定して得られるようにすること。
【解決手段】ステアリングコラム20を保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケット41を備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをブレークアウエイブラケット41の前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレート71を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、エネルギー吸収プレート71は、ブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿って前方から後方に向けて延在するU字状形成部71aを有するとともに、上部一端に車体への取付部71bを有している。
【選択図】 図1
【解決手段】ステアリングコラム20を保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケット41を備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをブレークアウエイブラケット41の前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレート71を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、エネルギー吸収プレート71は、ブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿って前方から後方に向けて延在するU字状形成部71aを有するとともに、上部一端に車体への取付部71bを有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時における乗員(運転者)の二次衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収プレートを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のステアリングコラム装置の一つとして、ステアリングコラムを保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケットを備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ブレークアウエイブラケットの前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレートを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−79690号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のステアリングコラム装置では、エネルギー吸収プレートの一端部に仮保持フック部が設けられ、エネルギー吸収プレートの中間部に略U字状のエネルギー吸収折り曲げ部が設けられていて、エネルギー吸収折り曲げ部はステアリングコラムとブレークアウエイブラケット(特許文献1ではコラムブラケットと記載されている)間に設けた収容空間に単に収容されている。また、エネルギー吸収プレートは他端部がステアリングコラムの外周上面に溶接等によって固定されている。
【0005】
このため、上記した従来のステアリングコラム装置では、エネルギー吸収プレートの中間部に設けた略U字状のエネルギー吸収折り曲げ部が収容空間で予定通りに変形しない可能性が多分にあり、エネルギー吸収プレートの変形によるエネルギー吸収が不安定となるおそれがある。また、エネルギー吸収プレートの一端部に設けた仮保持フック部は、エネルギー吸収プレートの一端部を折り曲げて形成したものであり、折り曲げた部分を引き延ばすような曲げ荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能である。このため、エネルギー吸収プレートにおける仮保持フック部の強度・剛性(支持強度)を上げるためには、所望の曲げ強度を上げるべくエネルギー吸収プレートの板厚または板幅を大きくする必要がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題に対処すべくなされたものであり、ステアリングコラムを保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケットを備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ブレークアウエイブラケットの前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレートを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートは、前記ブレークアウエイブラケットの上下両面に沿って前方から後方に向けて延在するU字状形成部を有するとともに、上部一端に車体への取付部を有していることに特徴がある。
【0007】
このようにすれば、車両の衝突時、ブレークアウエイブラケットが車体に対して前方に移動離脱することで、エネルギー吸収プレートのU字状形成部がブレークアウエイブラケットの前方端によって沿ってしごかれて変形する。このため、エネルギー吸収プレートのU字状形成部は予定通りにブレークアウエイブラケットの上下両面に沿って変形し、エネルギー吸収プレートの変形によるエネルギー吸収が安定して得られる。また、この場合には、エネルギー吸収プレートの下部他端をステアリングコラムに固定する必要はなく、コスト低減を図ることが可能である。
【0008】
また、本発明の実施に際して、エネルギー吸収プレートの車体への取付部は、車体に対して係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能であることが好ましい。この場合には、車体に対して係脱可能なエネルギー吸収プレートの取付部が剪断荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能であるため、同取付部の強度・剛性を上げるための板厚アップは、上記従来技術にて述べた曲げ荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能な仮保持フック部の強度・剛性を上げるための板厚アップに比して、小さくてよく、重量増を抑えることが可能である。
【0009】
また、本発明の実施に際して、エネルギー吸収プレートの車体への取付部が組付けられる車体側の支持部はアクチュエータによって進退可能であり、前記取付部と前記支持部は同支持部の進退により係合・解除可能であることも可能である。この場合には、前記取付部と前記支持部の係合を解除することで、車両の衝突時に、ブレークアウエイブラケットが車体に対して前方に移動離脱しても、ブレークアウエイブラケットがエネルギー吸収プレートのU字状形成部をしごかないようにすることが可能である。したがって、この場合には、エネルギー吸収プレートによるエネルギー吸収の有無を切り替えることが可能である。
【0010】
また、本発明の実施に際して、前記エネルギー吸収プレートは複数枚の積層構造であり、各エネルギー吸収プレートには車体への取付部が設けられていることも可能である。この場合には、各エネルギー吸収プレートによるエネルギー吸収の有無をそれぞれ切り替えることが可能であって、複数のエネルギー吸収荷重が選択可能であり、衝突条件に応じたエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0011】
また、本発明の実施に際して、前記ブレークアウエイブラケットには同ブレークアウエイブラケットの前方への移動離脱を可能とする左右のスリット孔が設けられ、前記エネルギー吸収プレートには前記U字状形成部と前記取付部間にて左右に延びて前記スリット孔に圧入嵌合されて前記ブレークアウエイブラケットの前方への移動離脱時に前記スリット孔から離脱する筒部を備える翼部が設けられていることも可能である。
【0012】
この場合には、当該装置の車体への組付に際して、エネルギー吸収プレートの取付部を車体に係合させてステアリングコラムを仮保持したとき、ステアリングコラムの荷重が、エネルギー吸収プレートの翼部と取付部を介して車体に支持されて、エネルギー吸収プレートのU字状形成部には殆ど作用しない。このため、当該装置の車体への組付時に、エネルギー吸収プレートのU字状形成部を無用に変形させることがなく、安定したエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0013】
また、本発明の実施に際して、前記エネルギー吸収プレートの前記U字状形成部と同U字状形成部内に介在する前記ブレークアウエイブラケットの前方端部との間に、前後方向の所定空隙が設けられていることも可能である。この場合には、二次衝突初期にブレークアウエイブラケットの空隙内での空走を許容することが可能である。このため、ブレークアウエイブラケットが車体から離脱する際の荷重発生タイミングに対して、エネルギー吸収プレートのU字状形成部がブレークアウエイブラケットによってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを所定量遅らせることができる。したがって、これらが略同時に発生する場合に比して、二次衝突初期の発生荷重を低くすることが可能である。また、上記した空隙をチューニングすることにより、エネルギー吸収プレートのU字状形成部がブレークアウエイブラケットによってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを自由に設定することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1実施形態を示していて、この第1実施形態においては、ステアリングシャフト10が軸方向にて伸縮可能かつトルク伝達可能なアッパシャフト11とロアシャフト12を備える構成とされ、ステアリングシャフト10を回転自在に支持して軸方向にて伸縮可能なステアリングコラム20がアウターチューブ21とインナーチューブ22を備える構成とされている。
【0015】
アッパシャフト11は、アウターチューブ21に対して軸受13を介して回転自在かつ軸方向移動不能に支持されていて、図1右端の上端部にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール(図示省略)が一体回転可能に組付けられるようになっている。一方、ロアシャフト12は、インナーチューブ22に軸受14を介して回転自在に支持されていて、図1左端の下端部にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。
【0016】
アウターチューブ21は、下端部にてインナーチューブ22の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されていて、下端部に固着したブラケット21aにてチルトおよびテレスコピック調整可能な上方支持機構Aを介して車体の一部(図示省略)に固着される車体側ブラケット31に組付けられている。一方、インナーチューブ22は、下端部に固着したブラケット22aにて回動可能な下方支持機構Bを介して車体の一部(図示省略)に傾動可能に組付けられるようになっている。
【0017】
上方支持機構Aは、アウターチューブ21に固着したブラケット21aを上下方向にて傾動可能(チルト可能)に支持するブレークアウエイブラケット41を備えるとともに、ブレークアウエイブラケット41に対してアウターチューブ21に固着したブラケット21aを固定・解除可能なチルトロック機構と、アウターチューブ21をインナーチューブ22に対して固定・解除可能なテレスコピックロック機構を備えている。
【0018】
チルトロック機構は、それ自体公知のものであり、ハンドル操作にて固定・解除可能であり、解除状態ではステアリングシャフト10とステアリングコラム20をブレークアウエイブラケット41に対して一体的にチルト調整可能とする。テレスコピックロック機構は、それ自体公知のものであり、ハンドル操作にて固定・解除可能であり、解除状態ではアッパシャフト11とアウターチューブ21をロアシャフト12とインナーチューブ22に対してテレスコピック調整可能とする。
【0019】
ブレークアウエイブラケット41は、左右に延びる一対のアーム41a,41bを有していて、図3にて示したように、各アーム41a,41bに設けた各スリット孔41a1,41b1にて、各樹脂カプセル42と各金属カラー43を介して、各ボルト44を用いて車体側ブラケット31に組付けられるようになっている。なお、各ボルト44は、車体側ブラケット31に予め固着した各ナット32に螺着固定されるようになっている。
【0020】
ブレークアウエイブラケット41の各スリット孔41a1,41b1は、車両衝突時の二次衝突時にブレークアウエイブラケット41の前方への移動離脱を可能とするものであり、図2に破線で示したように、各アーム41a,41bの略中央から後端に延びて後端にて開口している。各樹脂カプセル42は、各スリット孔41a1,41b1内に嵌合する筒部42aを有していて、各アーム41a,41bの上面に添着固定されており、二次衝突時に所定の荷重にて破壊されるようになっている。各金属カラー43は、各樹脂カプセル42の筒部42aに圧入嵌合されていて、各ボルト44を用いて車体側ブラケット31に組付けられている状態では二次衝突時に各樹脂カプセル42を破壊可能である。
【0021】
下方支持機構Bは、ステアリングコラム20におけるインナーチューブ22を常に傾動(回動)可能に支持するものであり、インナーチューブ22の下端部に固着したブラケット22aに形成した取付孔22a1に回転自在に嵌合されるカラー51と、このカラー51を車体の一部(図示省略)に固定するボルトおよびナット(図示省略)等によって構成されている。
【0022】
また、この第1実施形態においては、図1および図2に示したように、アウターチューブ21とインナーチューブ22間に、衝撃エネルギー吸収機構Cが介装されている。衝突エネルギー吸収機構Cは、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギー等の衝撃エネルギーをステアリングシャフト10とステアリングコラム20の軸方向収縮によって吸収するものであり、エネルギー吸収部材61を備えている。
【0023】
エネルギー吸収部材61は、ステアリングシャフト10とステアリングコラム20が図1および図2に示した初期状態から設定値L以上に軸方向収縮することによって剪断または塑性変形されてエネルギー吸収荷重を発生させるものであり、樹脂または軽金属等の軽量素材にて断面略C形で円筒状に形成されていて、インナーチューブ22の外側に一体的に組付けられている。
【0024】
このエネルギー吸収部材61は、アウターチューブ21の下方部位を軸方向へ摺動可能に支持する薄肉の支持部61aと、この支持部61aの下方外周に一体的に形成されてステアリングコラム20の軸方向収縮時にアウターチューブ21の下端部によって剪断または塑性変形される複数個のリブ61bを有している。また、エネルギー吸収部材61には、インナーチューブ22に設けた取付孔22bに嵌合固定される複数の突起61c(図1参照)が中間部内周に一体的に形成されている。
【0025】
各リブ61bは、所定の厚みで径外方に向けて所定量突出していて、軸方向に所定量延びており、アウターチューブ21がインナーチューブ22に対して図1および図2の初期状態から前方に設定値L以上に軸方向移動するとき、アウターチューブ21の下端部によって剪断または塑性変形されて、所定のエネルギー吸収荷重を発生させる。なお、各リブ61bの形状・個数は適宜変更可能である。
【0026】
また、この第1実施形態においては、図1〜図4に示したように、ブレークアウエイブラケット41の略中央部位にエネルギー吸収プレート71が樹脂製のガイド49を介して組付けられている。エネルギー吸収プレート71は、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをステアリングコラム20におけるアクチュエータ21の前方移動に伴うブレークアウエイブラケット41の前方移動によって吸収する金属プレートであり、図5に示したように、U字状形成部71aを有するとともに、上部一端に車体側ブラケット31への取付部71bとブレークアウエイブラケット41への係止部71cを有している。
【0027】
U字状形成部71aは、ブレークアウエイブラケット41の上端部上下両面に沿って前方から後方に向けて延在していて、ブレークアウエイブラケット41の下面に沿って前方から後方に向けて延在する直線状部分がブレークアウエイブラケット41の前方移動によってブレークアウエイブラケット41の前方にあるガイド49に沿ってしごかれて塑性変形することにより二次衝突エネルギーを吸収するようになっている。取付部71bは、矩形の取付孔71b1を有していて、車体側ブラケット31の略中央に一体的に形成した突起31aに対して係脱可能であり、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。
【0028】
上記のように構成したこの第1実施形態においては、車両の衝突時、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して前方に移動離脱することで、エネルギー吸収プレート71のU字状形成部71aがブレークアウエイブラケット41の前方にあるガイド49に沿ってしごかれて変形する。このため、エネルギー吸収プレート71のU字状形成部71aは予定通りにブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿って変形し、エネルギー吸収プレート71の変形によるエネルギー吸収が安定して得られる。
【0029】
また、ステアリングシャフト10とステアリングコラム20が図1および図2に示した初期状態から設定値L以上に軸方向収縮する、具体的には、アッパシャフト11とアウターチューブ21がロアシャフト12とインナーチューブ22に対して前方に設定値L以上に軸方向移動することによって、エネルギー吸収部材61のリブ61bが剪断または塑性変形されて二次衝突エネルギーが吸収される。
【0030】
また、この第1実施形態においては、エネルギー吸収プレート71の下部他端をステアリングコラム20に固定する必要はなく、コスト低減を図ることが可能である。また、エネルギー吸収プレート71の車体側ブラケット31への取付部71bが、車体側ブラケット31の突起31aに対して係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。このため、取付部71bの強度・剛性を上げるための板厚アップは小さくてよく、重量増を抑えることが可能である。
【0031】
上記第1実施形態においては、図5に示したエネルギー吸収プレート71を採用して実施したが、図6に示したエネルギー吸収プレート171を採用して実施することも可能である。図6に示したエネルギー吸収プレート171は、U字状形成部171aを有するとともに、上部一端に車体側ブラケット31への取付部171bとブレークアウエイブラケット41への係止部171cを有している。このエネルギー吸収プレート171では、一端部周縁をコ字状に切り起こすことにより取付部171bが形成され、残部をフック状に折り曲げることにより係止部171cが形成されていて、取付部171bと係止部171cが上記実施形態に比してシンプルかつコンパクトに形成されている。
【0032】
また、上記第1実施形態においては、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能な突起31aを、車体側ブラケット31に一体的に形成して実施したが、上記突起31aに相当する支持ピンを車体側ブラケットとは別体で構成し、同支持ピンを車体側ブラケット31に設けた電磁ソレノイド等のアクチュエータにて進退可能とし、エネルギー吸収プレート71の車体への取付部71bと前記支持ピンが同支持ピンの進退により係合・解除可能となるように構成して実施することも可能である。
【0033】
この場合には、電磁ソレノイド等のアクチュエータにより支持ピンを退避させて、エネルギー吸収プレート71の取付部71bと支持ピンの係合を解除することで、車両の衝突時に、ブレークアウエイブラケット41が車体に対して前方に移動離脱しても、ブレークアウエイブラケット41がエネルギー吸収プレート71のU字状形成部71aをしごかないようにすることが可能である。したがって、この場合には、エネルギー吸収プレート71によるエネルギー吸収の有無を切り替えることが可能である。
【0034】
また、上記第1実施形態においては、エネルギー吸収プレート71を一枚の金属プレートにて構成して実施したが、図7〜図9にて示した第2実施形態のように、エネルギー吸収プレート270を二枚のエネルギー吸収プレート271,272の積層構造とするとともに、各エネルギー吸収プレート271,272を電磁ソレノイド33により進退可能な支持ピン34に係脱可能かつ係合・解除可能に構成して実施することも可能である。なお、エネルギー吸収プレートを三枚以上の積層構造として実施することも可能である。
【0035】
一方のエネルギー吸収プレート271は、U字状形成部271aを有するとともに、上部一端に支持ピン34への取付部271bとブレークアウエイブラケット41への係止部271c(図9では図示省略)を有している。U字状形成部271aは、ブレークアウエイブラケット41の上端部上下両面に沿って前方から後方に向けて延在していて、ブレークアウエイブラケット41の下面に沿って前方から後方に向けて延在する直線状部分がブレークアウエイブラケット41の前方移動によってブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿ってしごかれて塑性変形することにより二次衝突エネルギーを吸収するようになっている。取付部271bは、矩形の取付孔271b1を有していて、支持ピン34に対して係脱可能であり、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。
【0036】
他方のエネルギー吸収プレート272は、U字状形成部272aを有するとともに、上部一端に支持ピン34および車体側ブラケット31への取付部272bを有している。U字状形成部272aは、ブレークアウエイブラケット41の上端部上下両面に沿って前方から後方に向けて延在していて、ブレークアウエイブラケット41の下面に沿って前方から後方に向けて延在する直線状部分がブレークアウエイブラケット41の前方移動によってブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿ってしごかれて塑性変形することにより二次衝突エネルギーを吸収するようになっている。
【0037】
取付部272bは、矩形の取付孔272b1と左右一対の突起272b2を有していて、矩形の取付孔272b1にて支持ピン34に対して係脱可能であり、左右一対の突起272b2にて車体側ブラケット31に形成した切欠31bに係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。
【0038】
図7〜図9に示した上記第2実施形態においては、上述した構成以外の構成が図1〜図5に示した上記第1実施形態の構成と実質的に同じである。このため、この第2実施形態においては、各エネルギー吸収プレート271,272の取付部271b,272bと支持ピン34が係合している状態での車両の衝突時、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して前方に移動離脱することで、両エネルギー吸収プレート271,272のU字状形成部271a,272aがブレークアウエイブラケット41によってその上下両面に沿ってしごかれて変形する。このため、両エネルギー吸収プレート271,272のU字状形成部271a,272aは予定通りにブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿って変形し、両エネルギー吸収プレート271,272の変形によるエネルギー吸収が安定して得られる。
【0039】
また、この第2実施形態においては、電磁ソレノイド33により支持ピン34を退避させて、各エネルギー吸収プレート271,272の取付部271b,272bと支持ピン34の係合を解除することで、車両の衝突時に、ブレークアウエイブラケット41が車体に対して前方に移動離脱しても、ブレークアウエイブラケット41が一方のエネルギー吸収プレート271のU字状形成部271aをしごかないようにすることが可能である。したがって、この第2実施形態では、一方のエネルギー吸収プレート271によるエネルギー吸収の有無を切り替えることで、複数のエネルギー吸収荷重が選択可能であり、衝突条件に応じたエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0040】
上記第2実施形態においては、他方のエネルギー吸収プレート272の取付部272bに左右一対の突起272b2を形成するとともに、車体側ブラケット31に切欠31bを形成して、電磁ソレノイド33により支持ピン34を退避させて、エネルギー吸収プレート272の取付部272bと支持ピン34の係合を解除した状態でも、エネルギー吸収プレート272の取付部272bと車体側ブラケット31が係合可能として、積層構造のエネルギー吸収プレート270によるエネルギー吸収荷重を高・低の二段階に選択可能としたが、上記した左右一対の突起272b2と切欠31bを無くすとともに、電磁ソレノイド33による支持ピン34の退避状態を大小二段に設定し、支持ピン34の小退避状態では一方のエネルギー吸収プレート271の取付部271bと支持ピン34の係合のみを解除し、支持ピン34の大退避状態では両エネルギー吸収プレート271,272の取付部271b,272bと支持ピン34の係合を共に解除して実施することも可能である。この場合には、積層構造のエネルギー吸収プレート270によるエネルギー吸収荷重を高・低・無の三段階に選択可能として実施することが可能である。
【0041】
また、上記第1実施形態においては、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の車体への組付に際して、ブレークアウエイブラケット41への係止部71cを有してブレークアウエイブラケット41に予め組付けられているエネルギー吸収プレート71の取付部71bを車体側ブラケット31の突起31aに係合させることにより、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能として実施したが、図10および図11に示した第3実施形態のように、エネルギー吸収プレート71に代えてエネルギー吸収プレート371を採用して実施することも可能である。
【0042】
第3実施形態のエネルギー吸収プレート371は、U字状形成部371aを有するとともに、上部一端に車体側ブラケット31への取付部371bを有していて、U字状形成部371aと取付部371b間には翼部371cが設けられている。翼部371cは、左右に延びてブレークアウエイブラケット41の各スリット孔41a1,41b1に樹脂カプセル42を介して圧入嵌合されてブレークアウエイブラケット41の前方への移動離脱時に各スリット孔41a1,41b1から離脱する左右一対の筒部371c1を備えている。なお、図10に示した樹脂カプセル42は、その筒部がブレークアウエイブラケット41の各アーム41a,41bに設けた各スリット孔41a1,41b1に下側から嵌合するようにして組付けられている。
【0043】
このため、この第3実施形態においては、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の車体への組付に際して、エネルギー吸収プレート371の取付部371bを車体側ブラケット31の突起31aに係合させてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持したとき、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の荷重が、エネルギー吸収プレート371の翼部371cと取付部371bを介して車体に支持されて、エネルギー吸収プレート371のU字状形成部371aには殆ど作用しない。このため、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の車体への組付時に、エネルギー吸収プレート371のU字状形成部371aを無用に変形させることがなく、安定したエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0044】
また、上記各実施形態においては、エネルギー吸収プレートにおけるU字状形成部の前方端部とこのU字状形成部内に介在するブレークアウエイブラケット41の前方端部がガイド49を介して当接するように構成して実施したが、図12に例示した第4実施形態のように、エネルギー吸収プレート471のU字状形成部471aと同U字状形成部471a内に介在するブレークアウエイブラケット41の前方端部との間に、前後方向の所定空隙Sを設けて実施することも可能である。
【0045】
この第4実施形態においては、二次衝突初期にブレークアウエイブラケット41およびガイド49の空隙S内での空走を許容することが可能である。このため、ブレークアウエイブラケット41が車体から離脱する際の荷重発生タイミングに対して、エネルギー吸収プレート471のU字状形成部471aがブレークアウエイブラケット41によってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを遅らせることができる。したがって、これらが略同時に発生する場合に比して、二次衝突初期の発生荷重を低くすることが可能である。また、上記した空隙Sをチューニングすることにより、エネルギー吸収プレート471のU字状形成部471aがブレークアウエイブラケット41によってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを自由に設定することが可能である。
【0046】
また、上記各実施形態においては、ステアリングコラム20が車体の一部に対して上方支持機構Aと下方支持機構Bからなる支持機構によって支持される実施形態に本発明を実施したが、本発明はステアリングコラムが車体の一部に対して単一の支持機構によって支持される実施形態にも同様に実施することが可能である。
【0047】
また、上記各実施形態においては、ステアリングコラム20自体に設けた衝突エネルギー吸収機構Cにても、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収可能として実施したが、上記した衝突エネルギー吸収機構Cと同等の機能を有する他の衝突エネルギー吸収機構をステアリングコラムと車体間に設けて実施することも可能であり、上記各実施形態に限定されず適宜変更可能である。また、上記各実施形態においては、衝突エネルギー吸収機構Cを必要に応じて設ければよく、衝突エネルギー吸収機構Cを設けないで実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の平面図である。
【図3】図1に示した車体側ブラケット、ブレークアウエイブラケット、エネルギー吸収プレート等の関係を示す部分破断拡大背面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った縦断側面図である。
【図5】図1〜図4に示したエネルギー吸収プレートの斜視図である。
【図6】図5に示したエネルギー吸収プレートの変形実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第2実施形態を示す要部拡大縦断側面図である。
【図8】図7に示した車体側ブラケット、ブレークアウエイブラケット、エネルギー吸収プレート、電磁ソレノイド等の関係を示す部分破断背面図である。
【図9】図7および図8に示した車体側ブラケット等とエネルギー吸収プレートとの関係を概略的に示す斜視図である。
【図10】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第3実施形態を示す図3相当の部分破断背面図である。
【図11】図10に示したエネルギー吸収プレートを概略的に示す斜視図である。
【図12】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第4実施形態を示す図4相当の縦断側面図である。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト、20…ステアリングコラム、31…車体側ブラケット、31a…突起、33…電磁ソレノイド(アクチュエータ)、34…支持ピン、41…ブレークアウエイブラケット、41a1,41b1…スリット孔、71…エネルギー吸収プレート、71a…U字状形成部、71b…取付部、71c…係止部、270…積層構造のエネルギー吸収プレート、271,272…エネルギー吸収プレート、271a,272a…U字状形成部、271b,272b…取付部、371…エネルギー吸収プレート、371a…U字状形成部、371b…取付部、371c…翼部、371c1…筒部、S…空隙、A…上方支持機構、B…下方支持機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時における乗員(運転者)の二次衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収プレートを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のステアリングコラム装置の一つとして、ステアリングコラムを保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケットを備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ブレークアウエイブラケットの前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレートを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−79690号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のステアリングコラム装置では、エネルギー吸収プレートの一端部に仮保持フック部が設けられ、エネルギー吸収プレートの中間部に略U字状のエネルギー吸収折り曲げ部が設けられていて、エネルギー吸収折り曲げ部はステアリングコラムとブレークアウエイブラケット(特許文献1ではコラムブラケットと記載されている)間に設けた収容空間に単に収容されている。また、エネルギー吸収プレートは他端部がステアリングコラムの外周上面に溶接等によって固定されている。
【0005】
このため、上記した従来のステアリングコラム装置では、エネルギー吸収プレートの中間部に設けた略U字状のエネルギー吸収折り曲げ部が収容空間で予定通りに変形しない可能性が多分にあり、エネルギー吸収プレートの変形によるエネルギー吸収が不安定となるおそれがある。また、エネルギー吸収プレートの一端部に設けた仮保持フック部は、エネルギー吸収プレートの一端部を折り曲げて形成したものであり、折り曲げた部分を引き延ばすような曲げ荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能である。このため、エネルギー吸収プレートにおける仮保持フック部の強度・剛性(支持強度)を上げるためには、所望の曲げ強度を上げるべくエネルギー吸収プレートの板厚または板幅を大きくする必要がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題に対処すべくなされたものであり、ステアリングコラムを保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケットを備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ブレークアウエイブラケットの前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレートを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートは、前記ブレークアウエイブラケットの上下両面に沿って前方から後方に向けて延在するU字状形成部を有するとともに、上部一端に車体への取付部を有していることに特徴がある。
【0007】
このようにすれば、車両の衝突時、ブレークアウエイブラケットが車体に対して前方に移動離脱することで、エネルギー吸収プレートのU字状形成部がブレークアウエイブラケットの前方端によって沿ってしごかれて変形する。このため、エネルギー吸収プレートのU字状形成部は予定通りにブレークアウエイブラケットの上下両面に沿って変形し、エネルギー吸収プレートの変形によるエネルギー吸収が安定して得られる。また、この場合には、エネルギー吸収プレートの下部他端をステアリングコラムに固定する必要はなく、コスト低減を図ることが可能である。
【0008】
また、本発明の実施に際して、エネルギー吸収プレートの車体への取付部は、車体に対して係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能であることが好ましい。この場合には、車体に対して係脱可能なエネルギー吸収プレートの取付部が剪断荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能であるため、同取付部の強度・剛性を上げるための板厚アップは、上記従来技術にて述べた曲げ荷重を受けてステアリングコラムを仮保持可能な仮保持フック部の強度・剛性を上げるための板厚アップに比して、小さくてよく、重量増を抑えることが可能である。
【0009】
また、本発明の実施に際して、エネルギー吸収プレートの車体への取付部が組付けられる車体側の支持部はアクチュエータによって進退可能であり、前記取付部と前記支持部は同支持部の進退により係合・解除可能であることも可能である。この場合には、前記取付部と前記支持部の係合を解除することで、車両の衝突時に、ブレークアウエイブラケットが車体に対して前方に移動離脱しても、ブレークアウエイブラケットがエネルギー吸収プレートのU字状形成部をしごかないようにすることが可能である。したがって、この場合には、エネルギー吸収プレートによるエネルギー吸収の有無を切り替えることが可能である。
【0010】
また、本発明の実施に際して、前記エネルギー吸収プレートは複数枚の積層構造であり、各エネルギー吸収プレートには車体への取付部が設けられていることも可能である。この場合には、各エネルギー吸収プレートによるエネルギー吸収の有無をそれぞれ切り替えることが可能であって、複数のエネルギー吸収荷重が選択可能であり、衝突条件に応じたエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0011】
また、本発明の実施に際して、前記ブレークアウエイブラケットには同ブレークアウエイブラケットの前方への移動離脱を可能とする左右のスリット孔が設けられ、前記エネルギー吸収プレートには前記U字状形成部と前記取付部間にて左右に延びて前記スリット孔に圧入嵌合されて前記ブレークアウエイブラケットの前方への移動離脱時に前記スリット孔から離脱する筒部を備える翼部が設けられていることも可能である。
【0012】
この場合には、当該装置の車体への組付に際して、エネルギー吸収プレートの取付部を車体に係合させてステアリングコラムを仮保持したとき、ステアリングコラムの荷重が、エネルギー吸収プレートの翼部と取付部を介して車体に支持されて、エネルギー吸収プレートのU字状形成部には殆ど作用しない。このため、当該装置の車体への組付時に、エネルギー吸収プレートのU字状形成部を無用に変形させることがなく、安定したエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0013】
また、本発明の実施に際して、前記エネルギー吸収プレートの前記U字状形成部と同U字状形成部内に介在する前記ブレークアウエイブラケットの前方端部との間に、前後方向の所定空隙が設けられていることも可能である。この場合には、二次衝突初期にブレークアウエイブラケットの空隙内での空走を許容することが可能である。このため、ブレークアウエイブラケットが車体から離脱する際の荷重発生タイミングに対して、エネルギー吸収プレートのU字状形成部がブレークアウエイブラケットによってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを所定量遅らせることができる。したがって、これらが略同時に発生する場合に比して、二次衝突初期の発生荷重を低くすることが可能である。また、上記した空隙をチューニングすることにより、エネルギー吸収プレートのU字状形成部がブレークアウエイブラケットによってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを自由に設定することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1実施形態を示していて、この第1実施形態においては、ステアリングシャフト10が軸方向にて伸縮可能かつトルク伝達可能なアッパシャフト11とロアシャフト12を備える構成とされ、ステアリングシャフト10を回転自在に支持して軸方向にて伸縮可能なステアリングコラム20がアウターチューブ21とインナーチューブ22を備える構成とされている。
【0015】
アッパシャフト11は、アウターチューブ21に対して軸受13を介して回転自在かつ軸方向移動不能に支持されていて、図1右端の上端部にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール(図示省略)が一体回転可能に組付けられるようになっている。一方、ロアシャフト12は、インナーチューブ22に軸受14を介して回転自在に支持されていて、図1左端の下端部にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。
【0016】
アウターチューブ21は、下端部にてインナーチューブ22の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されていて、下端部に固着したブラケット21aにてチルトおよびテレスコピック調整可能な上方支持機構Aを介して車体の一部(図示省略)に固着される車体側ブラケット31に組付けられている。一方、インナーチューブ22は、下端部に固着したブラケット22aにて回動可能な下方支持機構Bを介して車体の一部(図示省略)に傾動可能に組付けられるようになっている。
【0017】
上方支持機構Aは、アウターチューブ21に固着したブラケット21aを上下方向にて傾動可能(チルト可能)に支持するブレークアウエイブラケット41を備えるとともに、ブレークアウエイブラケット41に対してアウターチューブ21に固着したブラケット21aを固定・解除可能なチルトロック機構と、アウターチューブ21をインナーチューブ22に対して固定・解除可能なテレスコピックロック機構を備えている。
【0018】
チルトロック機構は、それ自体公知のものであり、ハンドル操作にて固定・解除可能であり、解除状態ではステアリングシャフト10とステアリングコラム20をブレークアウエイブラケット41に対して一体的にチルト調整可能とする。テレスコピックロック機構は、それ自体公知のものであり、ハンドル操作にて固定・解除可能であり、解除状態ではアッパシャフト11とアウターチューブ21をロアシャフト12とインナーチューブ22に対してテレスコピック調整可能とする。
【0019】
ブレークアウエイブラケット41は、左右に延びる一対のアーム41a,41bを有していて、図3にて示したように、各アーム41a,41bに設けた各スリット孔41a1,41b1にて、各樹脂カプセル42と各金属カラー43を介して、各ボルト44を用いて車体側ブラケット31に組付けられるようになっている。なお、各ボルト44は、車体側ブラケット31に予め固着した各ナット32に螺着固定されるようになっている。
【0020】
ブレークアウエイブラケット41の各スリット孔41a1,41b1は、車両衝突時の二次衝突時にブレークアウエイブラケット41の前方への移動離脱を可能とするものであり、図2に破線で示したように、各アーム41a,41bの略中央から後端に延びて後端にて開口している。各樹脂カプセル42は、各スリット孔41a1,41b1内に嵌合する筒部42aを有していて、各アーム41a,41bの上面に添着固定されており、二次衝突時に所定の荷重にて破壊されるようになっている。各金属カラー43は、各樹脂カプセル42の筒部42aに圧入嵌合されていて、各ボルト44を用いて車体側ブラケット31に組付けられている状態では二次衝突時に各樹脂カプセル42を破壊可能である。
【0021】
下方支持機構Bは、ステアリングコラム20におけるインナーチューブ22を常に傾動(回動)可能に支持するものであり、インナーチューブ22の下端部に固着したブラケット22aに形成した取付孔22a1に回転自在に嵌合されるカラー51と、このカラー51を車体の一部(図示省略)に固定するボルトおよびナット(図示省略)等によって構成されている。
【0022】
また、この第1実施形態においては、図1および図2に示したように、アウターチューブ21とインナーチューブ22間に、衝撃エネルギー吸収機構Cが介装されている。衝突エネルギー吸収機構Cは、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギー等の衝撃エネルギーをステアリングシャフト10とステアリングコラム20の軸方向収縮によって吸収するものであり、エネルギー吸収部材61を備えている。
【0023】
エネルギー吸収部材61は、ステアリングシャフト10とステアリングコラム20が図1および図2に示した初期状態から設定値L以上に軸方向収縮することによって剪断または塑性変形されてエネルギー吸収荷重を発生させるものであり、樹脂または軽金属等の軽量素材にて断面略C形で円筒状に形成されていて、インナーチューブ22の外側に一体的に組付けられている。
【0024】
このエネルギー吸収部材61は、アウターチューブ21の下方部位を軸方向へ摺動可能に支持する薄肉の支持部61aと、この支持部61aの下方外周に一体的に形成されてステアリングコラム20の軸方向収縮時にアウターチューブ21の下端部によって剪断または塑性変形される複数個のリブ61bを有している。また、エネルギー吸収部材61には、インナーチューブ22に設けた取付孔22bに嵌合固定される複数の突起61c(図1参照)が中間部内周に一体的に形成されている。
【0025】
各リブ61bは、所定の厚みで径外方に向けて所定量突出していて、軸方向に所定量延びており、アウターチューブ21がインナーチューブ22に対して図1および図2の初期状態から前方に設定値L以上に軸方向移動するとき、アウターチューブ21の下端部によって剪断または塑性変形されて、所定のエネルギー吸収荷重を発生させる。なお、各リブ61bの形状・個数は適宜変更可能である。
【0026】
また、この第1実施形態においては、図1〜図4に示したように、ブレークアウエイブラケット41の略中央部位にエネルギー吸収プレート71が樹脂製のガイド49を介して組付けられている。エネルギー吸収プレート71は、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをステアリングコラム20におけるアクチュエータ21の前方移動に伴うブレークアウエイブラケット41の前方移動によって吸収する金属プレートであり、図5に示したように、U字状形成部71aを有するとともに、上部一端に車体側ブラケット31への取付部71bとブレークアウエイブラケット41への係止部71cを有している。
【0027】
U字状形成部71aは、ブレークアウエイブラケット41の上端部上下両面に沿って前方から後方に向けて延在していて、ブレークアウエイブラケット41の下面に沿って前方から後方に向けて延在する直線状部分がブレークアウエイブラケット41の前方移動によってブレークアウエイブラケット41の前方にあるガイド49に沿ってしごかれて塑性変形することにより二次衝突エネルギーを吸収するようになっている。取付部71bは、矩形の取付孔71b1を有していて、車体側ブラケット31の略中央に一体的に形成した突起31aに対して係脱可能であり、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。
【0028】
上記のように構成したこの第1実施形態においては、車両の衝突時、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して前方に移動離脱することで、エネルギー吸収プレート71のU字状形成部71aがブレークアウエイブラケット41の前方にあるガイド49に沿ってしごかれて変形する。このため、エネルギー吸収プレート71のU字状形成部71aは予定通りにブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿って変形し、エネルギー吸収プレート71の変形によるエネルギー吸収が安定して得られる。
【0029】
また、ステアリングシャフト10とステアリングコラム20が図1および図2に示した初期状態から設定値L以上に軸方向収縮する、具体的には、アッパシャフト11とアウターチューブ21がロアシャフト12とインナーチューブ22に対して前方に設定値L以上に軸方向移動することによって、エネルギー吸収部材61のリブ61bが剪断または塑性変形されて二次衝突エネルギーが吸収される。
【0030】
また、この第1実施形態においては、エネルギー吸収プレート71の下部他端をステアリングコラム20に固定する必要はなく、コスト低減を図ることが可能である。また、エネルギー吸収プレート71の車体側ブラケット31への取付部71bが、車体側ブラケット31の突起31aに対して係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。このため、取付部71bの強度・剛性を上げるための板厚アップは小さくてよく、重量増を抑えることが可能である。
【0031】
上記第1実施形態においては、図5に示したエネルギー吸収プレート71を採用して実施したが、図6に示したエネルギー吸収プレート171を採用して実施することも可能である。図6に示したエネルギー吸収プレート171は、U字状形成部171aを有するとともに、上部一端に車体側ブラケット31への取付部171bとブレークアウエイブラケット41への係止部171cを有している。このエネルギー吸収プレート171では、一端部周縁をコ字状に切り起こすことにより取付部171bが形成され、残部をフック状に折り曲げることにより係止部171cが形成されていて、取付部171bと係止部171cが上記実施形態に比してシンプルかつコンパクトに形成されている。
【0032】
また、上記第1実施形態においては、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能な突起31aを、車体側ブラケット31に一体的に形成して実施したが、上記突起31aに相当する支持ピンを車体側ブラケットとは別体で構成し、同支持ピンを車体側ブラケット31に設けた電磁ソレノイド等のアクチュエータにて進退可能とし、エネルギー吸収プレート71の車体への取付部71bと前記支持ピンが同支持ピンの進退により係合・解除可能となるように構成して実施することも可能である。
【0033】
この場合には、電磁ソレノイド等のアクチュエータにより支持ピンを退避させて、エネルギー吸収プレート71の取付部71bと支持ピンの係合を解除することで、車両の衝突時に、ブレークアウエイブラケット41が車体に対して前方に移動離脱しても、ブレークアウエイブラケット41がエネルギー吸収プレート71のU字状形成部71aをしごかないようにすることが可能である。したがって、この場合には、エネルギー吸収プレート71によるエネルギー吸収の有無を切り替えることが可能である。
【0034】
また、上記第1実施形態においては、エネルギー吸収プレート71を一枚の金属プレートにて構成して実施したが、図7〜図9にて示した第2実施形態のように、エネルギー吸収プレート270を二枚のエネルギー吸収プレート271,272の積層構造とするとともに、各エネルギー吸収プレート271,272を電磁ソレノイド33により進退可能な支持ピン34に係脱可能かつ係合・解除可能に構成して実施することも可能である。なお、エネルギー吸収プレートを三枚以上の積層構造として実施することも可能である。
【0035】
一方のエネルギー吸収プレート271は、U字状形成部271aを有するとともに、上部一端に支持ピン34への取付部271bとブレークアウエイブラケット41への係止部271c(図9では図示省略)を有している。U字状形成部271aは、ブレークアウエイブラケット41の上端部上下両面に沿って前方から後方に向けて延在していて、ブレークアウエイブラケット41の下面に沿って前方から後方に向けて延在する直線状部分がブレークアウエイブラケット41の前方移動によってブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿ってしごかれて塑性変形することにより二次衝突エネルギーを吸収するようになっている。取付部271bは、矩形の取付孔271b1を有していて、支持ピン34に対して係脱可能であり、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。
【0036】
他方のエネルギー吸収プレート272は、U字状形成部272aを有するとともに、上部一端に支持ピン34および車体側ブラケット31への取付部272bを有している。U字状形成部272aは、ブレークアウエイブラケット41の上端部上下両面に沿って前方から後方に向けて延在していて、ブレークアウエイブラケット41の下面に沿って前方から後方に向けて延在する直線状部分がブレークアウエイブラケット41の前方移動によってブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿ってしごかれて塑性変形することにより二次衝突エネルギーを吸収するようになっている。
【0037】
取付部272bは、矩形の取付孔272b1と左右一対の突起272b2を有していて、矩形の取付孔272b1にて支持ピン34に対して係脱可能であり、左右一対の突起272b2にて車体側ブラケット31に形成した切欠31bに係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能である。
【0038】
図7〜図9に示した上記第2実施形態においては、上述した構成以外の構成が図1〜図5に示した上記第1実施形態の構成と実質的に同じである。このため、この第2実施形態においては、各エネルギー吸収プレート271,272の取付部271b,272bと支持ピン34が係合している状態での車両の衝突時、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して前方に移動離脱することで、両エネルギー吸収プレート271,272のU字状形成部271a,272aがブレークアウエイブラケット41によってその上下両面に沿ってしごかれて変形する。このため、両エネルギー吸収プレート271,272のU字状形成部271a,272aは予定通りにブレークアウエイブラケット41の上下両面に沿って変形し、両エネルギー吸収プレート271,272の変形によるエネルギー吸収が安定して得られる。
【0039】
また、この第2実施形態においては、電磁ソレノイド33により支持ピン34を退避させて、各エネルギー吸収プレート271,272の取付部271b,272bと支持ピン34の係合を解除することで、車両の衝突時に、ブレークアウエイブラケット41が車体に対して前方に移動離脱しても、ブレークアウエイブラケット41が一方のエネルギー吸収プレート271のU字状形成部271aをしごかないようにすることが可能である。したがって、この第2実施形態では、一方のエネルギー吸収プレート271によるエネルギー吸収の有無を切り替えることで、複数のエネルギー吸収荷重が選択可能であり、衝突条件に応じたエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0040】
上記第2実施形態においては、他方のエネルギー吸収プレート272の取付部272bに左右一対の突起272b2を形成するとともに、車体側ブラケット31に切欠31bを形成して、電磁ソレノイド33により支持ピン34を退避させて、エネルギー吸収プレート272の取付部272bと支持ピン34の係合を解除した状態でも、エネルギー吸収プレート272の取付部272bと車体側ブラケット31が係合可能として、積層構造のエネルギー吸収プレート270によるエネルギー吸収荷重を高・低の二段階に選択可能としたが、上記した左右一対の突起272b2と切欠31bを無くすとともに、電磁ソレノイド33による支持ピン34の退避状態を大小二段に設定し、支持ピン34の小退避状態では一方のエネルギー吸収プレート271の取付部271bと支持ピン34の係合のみを解除し、支持ピン34の大退避状態では両エネルギー吸収プレート271,272の取付部271b,272bと支持ピン34の係合を共に解除して実施することも可能である。この場合には、積層構造のエネルギー吸収プレート270によるエネルギー吸収荷重を高・低・無の三段階に選択可能として実施することが可能である。
【0041】
また、上記第1実施形態においては、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の車体への組付に際して、ブレークアウエイブラケット41への係止部71cを有してブレークアウエイブラケット41に予め組付けられているエネルギー吸収プレート71の取付部71bを車体側ブラケット31の突起31aに係合させることにより、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持可能として実施したが、図10および図11に示した第3実施形態のように、エネルギー吸収プレート71に代えてエネルギー吸収プレート371を採用して実施することも可能である。
【0042】
第3実施形態のエネルギー吸収プレート371は、U字状形成部371aを有するとともに、上部一端に車体側ブラケット31への取付部371bを有していて、U字状形成部371aと取付部371b間には翼部371cが設けられている。翼部371cは、左右に延びてブレークアウエイブラケット41の各スリット孔41a1,41b1に樹脂カプセル42を介して圧入嵌合されてブレークアウエイブラケット41の前方への移動離脱時に各スリット孔41a1,41b1から離脱する左右一対の筒部371c1を備えている。なお、図10に示した樹脂カプセル42は、その筒部がブレークアウエイブラケット41の各アーム41a,41bに設けた各スリット孔41a1,41b1に下側から嵌合するようにして組付けられている。
【0043】
このため、この第3実施形態においては、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の車体への組付に際して、エネルギー吸収プレート371の取付部371bを車体側ブラケット31の突起31aに係合させてステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等を仮保持したとき、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の荷重が、エネルギー吸収プレート371の翼部371cと取付部371bを介して車体に支持されて、エネルギー吸収プレート371のU字状形成部371aには殆ど作用しない。このため、ステアリングシャフト10およびステアリングコラム20等の車体への組付時に、エネルギー吸収プレート371のU字状形成部371aを無用に変形させることがなく、安定したエネルギー吸収を行うことが可能である。
【0044】
また、上記各実施形態においては、エネルギー吸収プレートにおけるU字状形成部の前方端部とこのU字状形成部内に介在するブレークアウエイブラケット41の前方端部がガイド49を介して当接するように構成して実施したが、図12に例示した第4実施形態のように、エネルギー吸収プレート471のU字状形成部471aと同U字状形成部471a内に介在するブレークアウエイブラケット41の前方端部との間に、前後方向の所定空隙Sを設けて実施することも可能である。
【0045】
この第4実施形態においては、二次衝突初期にブレークアウエイブラケット41およびガイド49の空隙S内での空走を許容することが可能である。このため、ブレークアウエイブラケット41が車体から離脱する際の荷重発生タイミングに対して、エネルギー吸収プレート471のU字状形成部471aがブレークアウエイブラケット41によってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを遅らせることができる。したがって、これらが略同時に発生する場合に比して、二次衝突初期の発生荷重を低くすることが可能である。また、上記した空隙Sをチューニングすることにより、エネルギー吸収プレート471のU字状形成部471aがブレークアウエイブラケット41によってしごかれて変形する際の荷重発生タイミングを自由に設定することが可能である。
【0046】
また、上記各実施形態においては、ステアリングコラム20が車体の一部に対して上方支持機構Aと下方支持機構Bからなる支持機構によって支持される実施形態に本発明を実施したが、本発明はステアリングコラムが車体の一部に対して単一の支持機構によって支持される実施形態にも同様に実施することが可能である。
【0047】
また、上記各実施形態においては、ステアリングコラム20自体に設けた衝突エネルギー吸収機構Cにても、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収可能として実施したが、上記した衝突エネルギー吸収機構Cと同等の機能を有する他の衝突エネルギー吸収機構をステアリングコラムと車体間に設けて実施することも可能であり、上記各実施形態に限定されず適宜変更可能である。また、上記各実施形態においては、衝突エネルギー吸収機構Cを必要に応じて設ければよく、衝突エネルギー吸収機構Cを設けないで実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の平面図である。
【図3】図1に示した車体側ブラケット、ブレークアウエイブラケット、エネルギー吸収プレート等の関係を示す部分破断拡大背面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った縦断側面図である。
【図5】図1〜図4に示したエネルギー吸収プレートの斜視図である。
【図6】図5に示したエネルギー吸収プレートの変形実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第2実施形態を示す要部拡大縦断側面図である。
【図8】図7に示した車体側ブラケット、ブレークアウエイブラケット、エネルギー吸収プレート、電磁ソレノイド等の関係を示す部分破断背面図である。
【図9】図7および図8に示した車体側ブラケット等とエネルギー吸収プレートとの関係を概略的に示す斜視図である。
【図10】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第3実施形態を示す図3相当の部分破断背面図である。
【図11】図10に示したエネルギー吸収プレートを概略的に示す斜視図である。
【図12】本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第4実施形態を示す図4相当の縦断側面図である。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト、20…ステアリングコラム、31…車体側ブラケット、31a…突起、33…電磁ソレノイド(アクチュエータ)、34…支持ピン、41…ブレークアウエイブラケット、41a1,41b1…スリット孔、71…エネルギー吸収プレート、71a…U字状形成部、71b…取付部、71c…係止部、270…積層構造のエネルギー吸収プレート、271,272…エネルギー吸収プレート、271a,272a…U字状形成部、271b,272b…取付部、371…エネルギー吸収プレート、371a…U字状形成部、371b…取付部、371c…翼部、371c1…筒部、S…空隙、A…上方支持機構、B…下方支持機構。
Claims (6)
- ステアリングコラムを保持して車体に対して前方に移動離脱可能に組付けられるブレークアウエイブラケットを備えるとともに、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ブレークアウエイブラケットの前方移動によって吸収するエネルギー吸収プレートを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートは、前記ブレークアウエイブラケットの上下両面に沿って前方から後方に向けて延在するU字状形成部を有するとともに、上部一端に車体への取付部を有していることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートの前記取付部は、車体に対して係脱可能であって、係合状態では剪断荷重を受けて前記ステアリングコラムを仮保持可能であることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 請求項1または2に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートの前記取付部が組付けられる車体側の支持部はアクチュエータによって進退可能であり、前記取付部と前記支持部は同支持部の進退により係合・解除可能であることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 請求項3に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートは複数枚の積層構造であり、各エネルギー吸収プレートには車体への取付部が設けられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 請求項1または2に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記ブレークアウエイブラケットには同ブレークアウエイブラケットの前方への移動離脱を可能とする左右のスリット孔が設けられ、前記エネルギー吸収プレートには前記U字状形成部と前記取付部間にて左右に延びて前記スリット孔に圧入嵌合されて前記ブレークアウエイブラケットの前方への移動離脱時に前記スリット孔から離脱する筒部を備える翼部が設けられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 請求項1〜5の何れか一つに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収プレートの前記U字状形成部と同U字状形成部内に介在する前記ブレークアウエイブラケットの前方端部との間に、前後方向の所定空隙が設けられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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