JPWO2011108171A1 - マルチカーエレベーター制御装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、マルチカーエレベーターシステムにおいて、前方かごが何らかの理由で停止した場合に、後方かごが火災階の周辺を避けて停止できるように運行制御を行うマルチカーエレベーター制御装置の提供を目的とする。本発明のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御する。本発明のマルチカーエレベーター制御装置は、停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部(3U1,3D1)と、火災階情報を取得する火災階情報取得部(3U2,3D2)と、火災階情報からかごの停止を禁止する火災時停止禁止区間を演算する火災時停止禁止区間演算部(3U4,3D4)と、走行可能区間と火災時停止禁止区間を参照してエレベーターの走行可否を判断する走行可否判断部(3U3,3D3)と、を備える。

Description

この発明は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて、火災時の運転制御を行うマルチカーエレベーター制御装置に関する。
建物に火災が発生した場合、エレベーターは通常の運行を停止し、乗客を避難階へ誘導するといった管制運転を行う。例えば、特許文献1には、一つの昇降路に一つのかごのみが走行するシングルカーエレベーターシステムにおけるエレベーター制御装置が記載されている。このエレベーター制御装置において、建物内の各階には火災センサ等の火災検出手段が設置されており、停止階選択手段は火災検出手段の出力信号と予め順位付けられた優先停止階を記憶した優先停止階記憶手段の出力信号とを照合し、エレベーターの避難階を自動的に選択してエレベーター制御盤を制御する。この発明によれば、火災発生階への停止を回避した緊急管制運転が自動的に行われるため、乗客の円滑かつ安全な避難を確保している。
ところが、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムの場合、特許文献3に記載されているようにかご同士が衝突しないように運転制御を行う必要があり、特許文献1のエレベーター制御装置をマルチカーエレベーターシステムに適用することは出来ない。
マルチカーエレベーターシステムにおける火災管制運転の例として、特許文献2に記載のエレベーターの運転装置では、災害発生時における管制運転を行う場合に、下部かごの管制運転が完了した後、下部かごを避難階より下方の階へ移動させ、次いで上部かごの管制運転を行う。これにより、地震管制運転時及び火災管制運転時に迅速な管制運転を行う事が出来る。
特開平10−182029号公報 特開2004−244123号公報 特開2003−081542号公報
特許文献2に記載のエレベーターの運転装置では、前方を走るかご(前方かご)が火災階付近を通過している時に、後方かごの制御を行っていない。そのため、マルチカーシステムの火災管制運転や火災時避難運転において、前方かごが火災階よりも少し下の階において何らかの原因で停止した場合に、後方かごが火災階や火災直上階に停止せざるを得ない可能性がある。この場合、後方かごの乗客が前方かごの停止によって危険な状況に置かれることになる。
本発明は上述の問題点に鑑み、マルチカーエレベーターシステムにおいて、前方かごが何らかの理由で停止した場合に、後方かごが火災階の周辺を避けて停止できるように運行制御を行う、マルチカーエレベーター制御装置の提供を目的とする。
本発明の第1のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するマルチカーエレベーター制御装置であって、停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部と、火災階情報を取得する火災階情報取得部と、火災階情報からかごの停止を禁止する火災時停止禁止区間を演算する火災時停止禁止区間演算部と、走行可能区間と火災時停止禁止区間を参照してエレベーターの走行可否を判断する走行可否判断部と、を備える。
また、本発明の第2のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するマルチカーエレベーター制御装置であって、火災階情報を取得する火災階情報取得部と、火災階情報から、かごが1台しか走行することを許可しない火災時閉塞区間を設定する火災時閉塞区間設定部と、火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように他のかごを制御する火災時閉塞制御部と、を備える。
本発明の第1のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するマルチカーエレベーター制御装置であって、停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部と、火災階情報を取得する火災階情報取得部と、火災階情報からかごの停止を禁止する火災時停止禁止区間を演算する火災時停止禁止区間演算部と、走行可能区間と火災時停止禁止区間を参照してエレベーターの走行可否を判断する走行可否判断部と、を備える。停止可能範囲に火災時停止禁止区間以外の階が常に含まれるようかごを制御することにより、前方かごが何らかの原因で火災階近傍の階に停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
また、本発明の第2のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するマルチカーエレベーター制御装置であって、火災階情報を取得する火災階情報取得部と、火災階情報から、かごが1台しか走行することを許可しない火災時閉塞区間を設定する火災時閉塞区間設定部と、火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように他のかごを制御する火災時閉塞制御部と、を備える。火災階から所定の範囲にある火災時閉塞区間にかごが1台しか存在しないように制御することにより、前方かごが火災階近傍の階に何らかの原因で停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
マルチカーシステムにおける衝突回避運行制御の概念図である。 実施の形態1のマルチカーエレベーター制御装置における火災時の運行制御を示す概念図である。 実施の形態1のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態1のマルチカーエレベーター制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態1のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置における火災時の運行制御を示す概念図である。 実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置における火災時の運行制御を示す概念図である。 実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態3のマルチカーエレベーター制御装置における火災時の運行制御を示す概念図である。 実施の形態3のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態3のマルチカーエレベーター制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態4のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態4のマルチカーエレベーター制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態5のマルチカーエレベーター制御装置における火災時の運行制御を示す概念図である。 実施の形態5のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態5のマルチカーエレベーター制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態6のマルチカーエレベーター制御装置における火災時の運行制御を示す概念図である。 実施の形態6のマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。 実施の形態6のマルチカーエレベーター制御装置の動作を示すフローチャートである。
(実施の形態1)
<前提技術>
1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて、マルチカーエレベーター制御装置は、特開2003−81542のように同一シャフト内のかご同士の衝突を避けるとともに、階と階の間でかごが停止しないよう衝突回避運行制御を行う。
衝突回避運行制御の概念を図1に示す。図において、8Fを走行中のかごを自かごとし、自かごの制御方法について示す。自かごが衝突する可能性のあるかご、具体的には直前のかごを拘束相手かごとする。そして、自かごの現在位置から停止可能な直近の階までの区間を自かご占有区間(ここでは、8Fから7F)とする。次に、拘束相手かごの現在位置から停止可能な直近の階までの区間を拘束相手かご占有区間(ここでは3Fから2F)とする。また、拘束相手かご占有区間の自かごが存在する方向の隣接階(ここでは4F)から予め定められた安全余裕距離(ここでは1F分)手前の位置までの区間を安全余裕区間(ここでは4F)と定める。安全余裕区間の自かごが存在する方向の隣接階(ここでは5F)から自かご占有区間の前方階(ここでは6F)までを走行可能区間とし、走行を継続した場合の自かご占有区間が現在の走行可能区間となる限り、自かごの走行を許可する。自かご占有区間が安全余裕区間と重なる場合には自かごの停止決定を行う。
次に、マルチカーエレベーター制御装置の火災時のかごの制御方法について述べる。火災時にエレベーターが走行するモードとして、火災管制運転、避難運転、消防運転がある。火災管制運転では、火災発生時に既に乗車している乗客を避難階へ避難させた後、かごを避難階で休止させる。避難運転では、継続的に上方階から避難階へ乗客を救出運転する。消防運転は消防士などの操作によって行われ、消火活動や救助活動のためにエレベーターが利用されるものである。一般に火災階や火災直上階は危険な階とされており、少なくとも火災階や火災直上階でかごを不用意に停止させることは極力避ける必要がある。
ところが、上述の衝突回避運行制御が用いられるマルチカーエレベーターシステムでは、例えば拘束相手かごが火災階の直下階で停止した場合に、自かごは拘束相手かごとの衝突を避けるために火災階や火災直上階、あるいはその近傍の階に停止せざるを得ない場合があり、危険な状況になる。そこで、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、停止することが望ましくない火災階周辺の区間を火災時停止禁止区間と定義し、走行を続けると火災時停止禁止区間でしか停止できない可能性がある場合に、かごを停止させる制御を行うこととする。
<構成>
マルチカーエレベーター制御装置の構成を図3に示す。昇降路1に上かご2Uと下かご2Dが走行しているものとする。マルチカーエレベーター制御装置は、図において上かご2Uの運行を制御する上かご制御装置3U、下かご2Dの運行を制御する下かご制御装置3Dとして示されている。上かご制御装置3Uは、下かご制御装置3Dと通信を行って下かご2Dの位置情報を取得するかご間通信手段3U5、走行可能区間を演算する走行可能区間演算部3U1、火災階の情報を取得する火災階情報取得部3U2、走行可否を判断する走行可否判断部3U3、火災時停止禁止区間を演算する火災時停止禁止区間演算部3U4を備えている。下かご制御装置3Dも同様に、上かご制御装置3Uのかご間通信手段3U5と通信を行うかご間通信手段3D5の他、走行可能区間演算部3D1、火災階情報取得部3D2、走行可否判断部3D3、火災時停止禁止区間演算部3D4を備えている。
上かご制御装置3Uにとって、上かご2Uが自かごであり、下かご2Dが拘束相手かごとなる。火災階情報取得部3U2はエレベーターが設置されたビルに備えられている火災感知器や熱感知器、火災報知機などの防災機器を通して、火災が発生している階の情報(火災階情報)を得る。火災時停止禁止区間演算部3U4は、火災階情報取得部3U2が得た火災階情報と、予め運用や建物の耐火性能などに基づいて定められた火災階から上下方向別の距離に基づいて、火災時停止禁止区間を演算する。ここで火災時停止禁止区間とは、火災時にかごの停止を禁止する区間のことである。走行可能区間演算部3U1は、かご間通信手段3U5を通して下かご(拘束相手かご)2Dの占有区間を取得し、これと自かご占有区間に基づいて走行可能区間を演算する。走行可否判断部3U3は、走行可能区間演算部3U1から走行可能区間を、火災時停止禁止区間演算部3U4から火災時停止禁止区間を取得し、これらに基づいて上かご(自かご)2Uの走行可否を判断する。
下かご制御装置3Dにおいても、上かご制御装置3Uと同様の動作によって下かご2Dの走行可否が判断される。
<動作>
図2に沿って、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置の動作を説明する。ここでは、5Fで火災が発生しており、火災階と火災直上階の5F〜6Fを火災時停止禁止区間として設定している。図2(a)は、自かごが8Fから7Fへ走行中であり、拘束相手かごが3Fから2Fへ走行中の状況を示している。この場合、自かご占有区間は8Fと7F、拘束相手かご占有区間は3Fと2F、安全余裕区間は4Fとなる。よって、走行可能区間は5F〜6Fとなる。走行可能区間のうち火災時停止禁止区間とならない階が存在しないため、自かごには停止指令が出され7Fで停止する。これによって、仮に拘束相手かごが何らかの理由で3Fに停止した場合でも、火災時停止禁止区間に停止することを避けられる。
図2(b)は、自かごが8Fから7Fへ走行中であり、拘束相手かごが2Fから1Fへ走行中の状況を示している。この場合、自かご占有区間は8Fと7F、拘束相手かご占有区間は2Fと1F、安全余裕区間は3F、走行可能区間は4F〜6Fとなる。よって、火災時停止禁止区間とならない階として4Fがある。この場合、拘束相手かごが2Fで緊急停止した場合に、自かごは安全余裕区間である3Fを空けて4Fに停止することができ、拘束相手かごに衝突することも、火災の影響を受けることもない。よって、自かごは走行を続けて7Fを通過することが出来る。
図2(c)は、自かごが3Fから4Fへ走行中であり、拘束相手かごが8Fから9Fへ走行中の状況を示している。この場合、自かご占有区間は3Fと4F、拘束相手かご占有区間は8Fと9F、安全余裕区間は7F、走行可能区間は5Fと6Fである。走行可能区間のうち火災時停止禁止区間とならない階が存在しないため、自かごには停止指令が出され4Fで停止する。これによって、仮に拘束相手かごが何らかの理由で8Fに停止した場合でも、火災時停止禁止区間に停止することを避けられる。
図2(d)は、自かごが2Fから3Fへ走行中であり、拘束相手かごが9Fで停止している状況を示している。この場合、自かご占有区間は2Fと3F、拘束相手かご占有区間は9F、安全余裕区間は8Fとなり、走行可能区間は4F〜7Fである。火災時停止禁止区間とならない階として4Fと7Fがある。よって、自かごは安全余裕区間である8Fを空けて4F又は7Fに停止することができ、拘束相手かごに衝突することも、火災の影響を受けることもない。そのため、自かごは走行を続けて3Fを通過することが出来る。
上述したように、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部3U1と、火災階情報を取得する火災階情報取得部3U2と、火災階情報から火災階を含む予め設定された所定範囲の階をかごの停止を禁止する火災時停止禁止区間として演算する火災時停止禁止区間演算部3U4と、走行可能区間と火災時停止禁止区間を参照してエレベーターの走行可否を判断する走行可否判断部3U3と、を備える。停止可能範囲に火災時停止禁止区間以外が常に含まれるようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの原因で停止した場合でも、火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
また、火災時停止禁止区間演算部3U4は、火災階情報に含まれる火災階の位置から上下方向に所定距離を加えた範囲を火災時停止禁止区間とする。停止可能範囲が、このように定めた火災時停止禁止区間以外を常に含むようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの原因で停止した場合でも、火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
図4に、上述したマルチカーエレベーター制御装置の走行可否判断のフローチャートを示す。まず、走行可能区間演算部3U1において、自かごの走行方向前方の最も近い位置にあるかごを拘束相手かごとして決定する(ステップS1)。ただし、前方にかごが無ければ拘束相手かごはなしと決定する。次に、走行可能区間演算部3U1は拘束相手かごがあるか否かを判断し(ステップS2)、無い場合は走行可否判断部3U3が引き続き走行可能であると判断し(ステップS3)、処理を終了する。
ステップS2で拘束相手かごがある場合、走行可能区間演算部3U1は自かご占有区間の演算を行う(ステップS4)。ここで自かご占有区間は、自かごの現在位置から停止可能位置より前方の直近の階までの区間である。さらに、走行可能区間演算部3U1はかご通信手段3U5を通して拘束相手かごの制御装置から拘束相手かご占有区間を取得する(ステップS5)。ここで拘束相手かご占有区間は、拘束相手かごの現在位置から停止可能位置より前方の直近の階までの区間であり、拘束相手かご制御装置で演算されるものである。その後、走行可能区間演算部3U1は自かご占有区間と拘束相手かご占有区間から走行可能区間を演算する(ステップS6)。
次に、火災時停止禁止区間演算部3U4が、火災階情報取得部3U2で取得された火災階情報から火災が発生しているか否かを判断する(ステップS7)。火災が発生している場合は、火災時停止禁止区間を演算する(ステップS8)。ここで火災時停止禁止区間は、予め運用や建物の耐火性能などに基づいて定められた火災階から上下方向別の距離と、火災階情報から決定する。例えば、火災階をF、上方向の距離をα、下方向の距離をβとすると、火災時停止禁止区間はF−β階からF+α階までの区間となる。
次に、走行可否判断部3U3は走行可能区間に火災時停止禁止区間以外の階が含まれるか否かを判断し(ステップS10)、含まれなければステップS11でかごを停止させ、処理を終了する。
火災が発生していない場合(ステップS7でNo)や、ステップS10で走行可能区間に火災時停止禁止区間以外の階が存在する場合には、現在階の前方が走行可能区間であるかどうかを判断し(ステップS9)、走行可能区間である場合には走行可能と判断し(ステップS3)、処理を終了する。走行可能区間でない場合はかごを停止し(ステップS11)、処理を終了する。
以上、上かご2Uの走行可否判断を行う上かご制御装置3Uの動作を説明したが、下かご制御装置3Dも同様の動作により下かご2Dの走行可否判断を行う。以上のように上下かご制御装置を構成することにより、火災時に拘束相手かごの停止によって、自かごが火災階付近の火災時停止禁止区間に停止しなければならない状況を避けることが出来る。さらに、かご間の距離を安全上必要な距離を超えて設ける必要が無くなるため、効率よく運行することが出来る。
なお、ここでは1つの昇降路に2つのかごが走行することを想定してマルチカーエレベーター制御装置の動作を説明したが、1つの昇降路を走行するかごの数はこれに限定されない。例えばかごが3つある場合には、図5のように上かご2U、中かご2M、下かご2Dの夫々に上述した構成のかご制御装置を設ければよい。かごが4つ以上の場合も同様である。
また、走行可否判断部、走行可能区間演算部、火災階情報取得部、火災時停止禁止区間演算部は、かご毎に設けたかご制御装置の構成要素とするのではなく、図6に示すように昇降路毎に設けられた昇降路制御装置4の構成要素としても良い。昇降路制御装置4の構成要素とすることによって、火災階情報取得部43と火災時停止禁止区間演算部44はかごの数だけ設ける必要がなく一つで済み、かご制御装置間の通信を行うかご間通信手段も不要となる。
<効果>
本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、すでに述べたとおり以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するものであり、停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部3U1と、火災階情報を取得する火災階情報取得部3U2と、火災階情報から火災階を含む予め設定された所定範囲の階をかごの停止として禁止する火災時停止禁止区間を演算する火災時停止禁止区間演算部3U4と、走行可能区間と火災時停止禁止区間を参照してエレベーターの走行可否を判断する走行可否判断部3U3とを備えることを特徴とする。停止可能範囲に火災時停止禁止区間以外が常に含まれるようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの原因で停止した場合でも、火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
また、火災時停止禁止区間演算部3U4は、火災階情報に含まれる火災階の位置から上下方向に所定距離を加えた範囲を火災時停止禁止区間とする。停止可能範囲が、このように定めた火災時停止禁止区間以外を常に含むようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの原因で停止した場合でも、火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
(実施の形態2)
<構成>
図9に、実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置の構成を示す。図は、1つの昇降路1に上かご2U、中かご2M、下かご2Dが走行するマルチカーエレベーターシステムを示している。上かご2Uには、上かご2Uの運行を制御する上かご制御装置3Uが、中かご2Mには、中かご2Mの運行を制御する中かご制御装置3Mが、下かご2Dには、下かご2Dの運行を制御する下かご制御装置3Dが設けられている。なお、1昇降路内のかご台数は3台に限るものではなく、2台以上の任意の台数に対して適用可能である。
昇降路1に設けられた昇降路制御装置4は、各かご2U,2M,2Dの走行可否を判断し、それをかご制御装置3U,3M,3Dに伝達する。昇降路制御装置4は、火災階情報取得部43と、火災時閉塞区間設定部45、火災時閉塞制御部46を備えている。
火災階情報取得部43は実施の形態1で示したものと同様であるため説明を省略する。火災時閉塞区間設定部45は、火災階情報取得部43から得た火災階情報に基づき火災時閉塞区間を設定する。火災時閉塞区間とは、火災時にかごを1台しか走行させない区間のことである。火災時閉塞制御部46は、火災時閉塞区間にかごが1台だけしか走行しないように昇降路1内のかごを制御する。実際には、各かご制御装置3U,3M,3Dに走行可否の判断結果を伝達する。
<動作>
図7,8に沿って、本実施の形態のマルチカーエレベーターの動作を説明する。図7では、実施の形態1で示した火災時停止禁止区間に対して、かごの走行方向側に安全余裕距離を加えた区間を火災時閉塞区間として設定し、火災時閉塞区間にはかごを1台しか走行させないように制御する場合を示す。なお、火災が発生していないときは実施の形態1と同様に衝突回避制御を行っている。
図7(a)は、自かごは7F、前かごが4Fから3Fへ走行中である状況を示している。火災階は5Fであり、火災階と火災直上階の5F,6Fが火災時停止禁止区間として設定される。安全余裕距離が1F分と決められていると、火災時閉塞区間は火災時停止禁止区間を下方に安全余裕距離分だけ延長した4F〜6Fに設定される。この場合、既に前かごが火災時閉塞区間内を走行しているため、自かごは火災時閉塞区間である6Fに進むことが出来ず、7Fで停止するように制御される。
図7(b)では、図7(a)と同様に火災が5Fで発生しており、火災停止禁止区間が5F,6Fに、火災時閉塞区間が4F〜6Fに設定されている。自かごは7Fにおり、前かごは3Fから2Fへ走行中である。この場合、火災時閉塞区間内にかごは1台も走行していないため、自かごは6Fに進むことが出来る。
火災管制運転のように全てのかごが避難階の方向にしか走行しない場合は、図7のように火災時停止禁止区間の一端側(避難階の方向)にのみ安全余裕距離を付加して火災時閉塞区間とすれば良い。しかし、避難運転や消防運転のようにかごが往復する場合は、図8に示すように、火災時停止禁止区間の両端に安全余裕距離を付加して火災時閉塞区間とする必要がある。
図8では、火災階が5Fであり、火災階と火災直上階の5Fと6Fが火災時停止禁止区間として設定される。安全余裕距離が1F分と決められていると、火災時閉塞区間は火災時停止禁止区間を上下両方向に安全余裕距離分だけ延長した4F〜7Fに設定される。図8(a)は、自かごは8Fにおり前かごは4Fから3Fへ走行中の状況を示している。前かごが火災時閉塞区間内を走行しているため、自かごは火災時閉塞区間である7Fに進むことが出来ず、8Fで停止するように制御される。図8(b)は、自かごが8Fにおり前かごは3Fから2Fへ走行中の状況を示している。この場合、火災時閉塞区間内でかごが1台も走行していないため、自かごは7Fに進むことが出来る。
上述のように、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するものであり、火災階情報を取得する火災階情報取得部43と、火災階情報から、かごが1台しか走行することを許可しない火災時閉塞区間を設定する火災時閉塞区間設定部45と、火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように他のかごを制御する火災時閉塞制御部46と、を備える。火災階から所定の範囲にある火災時閉塞区間にかごが1台しか存在しないようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの理由で火災階近傍の階に停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
図10に、火災時閉塞制御部46が行う火災時閉塞制御のフローチャートを示す。火災時閉塞制御部46は、火災が発生しているか否かを、火災階情報取得部43が取得した火災階情報から判断する(ステップS20)。火災が発生していなければ、火災時閉塞制御を終了し、通常の衝突回避運行制御を行う。火災が発生していれば、火災時閉塞区間にかごがあるか否かを判断する(ステップS21)。
ここで、火災時閉塞区間は火災時閉塞区間設定部45が火災階情報取得部43から得られる火災階情報から次のように設定するものである。まず、予め運用や建物の耐火性能などに基づいて定められた火災階から上下方向別の距離と火災階情報から、火災階停止禁止区間を決定する。例えば、火災階をF、上方向の距離をα、下方向の距離をβとすると、火災時停止禁止区間はF−β階からF+α階までの区間となる。次に、火災時停止禁止区間のかごの走行方向又は両方向に、安全余裕距離分だけ延長した区間を火災時閉塞区間と設定する。例えば、安全余裕距離をγとすると、F−β−γ階からF+α+γ階が火災時閉塞区間と設定される。
ステップS21において、火災時閉塞制御部46は、火災時閉塞区間にかごが居るか否かを各かご制御装置3U,3M,3Dがもつかご位置情報から判断し、火災時閉塞区間に1台もかごがいなければ処理を終了する。火災時閉塞区間にかごがあれば、かご占有区間の走行方向側の端が火災時閉塞区間のいずれかの端に隣接した階であるかごの制御装置3U,3M,3Dに対して停止指令を送信し(ステップS22)、処理を終了する。停止指令を受けたかご制御装置3U,3M,3Dはかごを停止させる。
近傍のかご間に設けられる安全余裕距離は、両かごの速度及び加速度に基づいて決定される。そのため、各かごの速度や加速度が異なれば、かご間毎に安全余裕距離が異なる場合がある。この場合、安全要求距離は同一シャフト内を走行するかご同士で設定される安全余裕距離のうち最大のものを一括して全てのかご間の安全余裕距離として設定してもよい。あるいは、図11に示すように、昇降路制御装置4に備えたかご安全余裕距離選択部47により、近傍の両かごの速度と加速度(これが負の場合は減速度)から定められる所定の安全余裕距離を例えば予め設定されたテーブルの中から選択し、選択した安全余裕距離を火災時閉塞区間設定部45に与えて、火災時閉塞区間を設定するようにしてもよい。
<効果>
本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、既に述べたとおり以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するものであり、火災階情報を取得する火災階情報取得部43と、火災階情報から、かごが1台しか走行することを許可しない火災時閉塞区間を設定する火災時閉塞区間設定部45と、火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように他のかごを制御する火災時閉塞制御部46と、を備える。火災階から所定の範囲にある火災時閉塞区間にかごが1台しか存在しないようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの理由で火災階近傍の階に停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。また、火災階に対して固定された距離の区間を火災時閉塞区間として設定するため、ロジックを持った電子的回路だけでなく、リレーなどの電気的回路で火災時閉塞区間設定部や火災時閉塞制御部を構成することができる。
また、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置において、火災時閉塞区間設定部45は、火災階を含む予め設定された所定範囲の階である火災時停止禁止区間に所定の安全余裕距離を加えた区間を火災時閉塞区間として設定するので、前方かごが何らかの理由で火災階近傍の階に停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
また、火災時閉塞区間を構成する上述の安全余裕距離は、かごの速度及び加速度に基づいて決定されるが、このような構成であっても、前方かごが何らかの理由で火災階近傍の階に停止した場合に、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るマルチカーエレベーター制御装置は、実施の形態1に係るマルチカーエレベーター制御装置の変形例である。図2(a)に示すように、拘束相手かご占有区間と火災時停止禁止区間の間に走行可能区間がないが安全余裕区間がある場合に、自かごの速度及び減速度を下げて安全余裕区間を短縮し、拘束相手かご占有区間と火災時禁止区間の間に走行可能区間を設定するものである。
ここで、安全余裕区間は、拘束相手かご占有区間の自かごが存在する方向の隣接階から予め定められた安全余裕距離分手前の位置までの区間と定められている。安全余裕距離は、自かごと拘束相手かごの速度及び減速度に基づいて定められるため、言い換えれば、安全余裕区間は自かごと拘束相手かごの速度及び減速度に基づいて定められる。
図12(a)では、火災が5Fで発生しており、拘束相手かごが2Fに停車中である例を示す。拘束相手かご占有区間は2Fであり、火災時停止禁止区間は5,6Fと設定される。自かごは8Fを速度X1で走行中であり、その減速度はY1とする。このとき、自かごの占有区間は7,8Fである。拘束相手かごが停止しており、自かごの速度がX1,減速度がY1のときの安全余裕距離が2階床分であるとすれば、安全余裕区間は3,4Fとなり、火災時停止禁止区間と拘束相手かご占有区間の間に走行可能区間を設定できない。
このような場合に、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、図12(b)に示すように、自かごの速度ならびに減速度をX1,Y1よりそれぞれ小さな値であるX2,Y2に変更することにより、安全余裕距離を1階床分に短縮する。ここで安全余裕距離は、自かごと拘束相手かごの速度、減速度、かご状態によって予め定められたものである。その結果、安全余裕区間が2F〜3Fから3Fに短縮されるため、4Fが火災時停止禁止区間と拘束相手かご占有区間の間の走行可能区間として設定され、自かごは4Fに向かって走行することが可能になる。
安全余裕距離はかごの速度及び減速度を小さくすることで短縮されるが、かごの速度及び減速度が小さすぎると、火災時停止禁止区間を自かごが通過する時間が長くなり、乗客の不安感が増大する。そこで、火災時停止禁止区間と拘束相手かご占有区間の間に走行可能区間が設定されるような自かごの速度、減速度の組み合わせの中から、火災時停止禁止区間の通過時間が最も短くなるものを設定することが望ましい。
図13は実施の形態3に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。実施の形態3に係るマルチカーエレベーター制御装置は、図3に示した実施の形態1に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成に加え、上かご制御装置3Uにおいて、速度・減速度候補提示部3U6、通過時間演算部3U7、速度・減速度選択部3U8をさらに備えたものである。速度・減速度候補提示部3U6は、走行可能区間が全て火災時停止禁止区間と重なった場合に、安全余裕区間を狭めて火災時停止禁止区間と重ならない走行可能区間を設定できるような、自かご(すなわち上かご2U)の速度及び減速度の組み合わせの候補を提示する。ここでは、予め与えられた自かごの速度、減速度の組み合わせの中から候補を選択しても良い。通過時間演算部3U7は、速度・減速度候補提示部3U6で提示した速度及び減速度の組み合わせの各候補を適用した場合に、自かごが火災時停止禁止区間の通過に要する時間(通過時間)を演算する。速度・減速度選択部3U8は、通過時間演算部3U7で演算された通過時間が最も短い候補を、自かごの新たな速度及び減速度として選択する。
なお、下かご制御装置3Dにおいても同様に、速度・減速度候補提示部3D6、通過時間演算部3D7、速度・減速度選択部3D8が設けられている。
これ以外の構成については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図14は、実施の形態3に係るマルチカーエレベーター制御装置が行う走行可否判断のフローチャートである。ステップS10A〜S10C以外の動作は図4に示した実施の形態1のフローチャートと同様であるため、説明を省略する。また、ここでは上かごが自かごである場合を例にして説明を行う。
走行可能区間に火災時停止禁止区間以外の階が含まれない場合(ステップS10でNO)、速度・減速度候補提示部3U6は、現在設定されている以外の速度及び減速度の候補があるか否かを確認し、他に候補があればステップS10Bへ進む。無ければかごを停止させる(ステップS11)。
ステップS10Bでは以下のようにして自かごの速度、減速度を変更する。速度・減速度候補提示部3U6は、かご間通信手段3U5を通じて得られた拘束相手かご占有区間、火災時停止禁止区間、自かごのかご位置、速度などの状態に基づいて予め与えられた自かごの速度及び減速度の組み合わせの候補の中から、火災時停止禁止区間と拘束相手かご占有区間の間に走行可能区間を設定することが可能な候補を選択する。通過時間演算部3U7では、速度・減速度候補提示部3U6で選択された自かごの速度及び減速度の候補の夫々について、火災時停止禁止区間の通過に要する時間(通過時間)を演算する。速度・減速度選択部3U8では、速度・減速度候補提示部3U6で選択された自かごの速度、減速度の組み合わせの候補の中から、通過時間演算部3U7で演算された火災時停止禁止区間の通過時間が最小となる速度及び減速度を選択し、これを自かごの新たな速度及び減速度として設定する。
次に、変更された速度及び減速度に従って自かごの走行可能区間を再び演算し(ステップS10C)、ステップS10へ戻る。
<効果>
実施の形態3に係るマルチカーエレベーター制御装置において、走行可能区間演算部3U1,3D1は、前方かご占有区間の自かご側に隣接して設けられた安全余裕区間と自かご占有区間の間の区間を走行可能区間として演算し、安全余裕区間は、かごの速度及び減速度に基づいて決定され、走行可否判断部3U3,3D3は、走行可能区間のうち、火災時停止禁止区間と重ならない区間がある場合にのみ走行を許可し、走行可能区間が全て火災時停止禁止区間と重なった場合に、安全余裕区間を狭めるかごの速度及び減速度の組み合わせの候補を提示する速度・減速度候補提示部3U6,3D6と、前記候補を用いた場合に前災時停止禁止区間の通過に要する通過時間を演算する通過時間演算部3U1,3D1と、前記通過時間が最も短い前記候補を、自かごの新たな速度及び減速度として選択する速度・減速度選択部3U8,3D8とをさらに備えるので、かごをより速く、火災時停止禁止区間よりも前方へと走行させることが可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るマルチカーエレベーター制御装置は、実施の形態3で説明した自かごの速度及び減速度を調整する技術を、実施の形態2のマルチカーエレベーター制御装置に対して適用したものである。すなわち、図7(a)や図8(a)のように火災時閉塞区間にかごが存在する場合に、占有区間の走行方向端に隣接して火災時閉塞区間を持つかご、つまり、図7(a)における7Fのかごや、図8(a)における8Fのかごの速度及び減速度を下げて安全余裕距離を短縮することにより、火災時閉塞区間を短縮して火災時閉塞区間内にかごが存在しないようにするものである。ここで、上述の速度及び減速度を調整する対象となったかごを閉塞停止対象かごと定義する。
図15は、実施の形態4に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。実施の形態4に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成は、図11に示した実施の形態2に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成に加え、閉塞停止対象かごの速度及び減速度の組み合わせの候補を提示する速度・減速度候補提示部48、閉塞停止対象かごが火災時閉塞区間を通過する時間を演算する通過時間演算部49、閉塞停止対象かごの速度及び減速度の組み合わせを決定する速度・減速度選択部410を備えたものである。この他の構成は実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
図16は、実施の形態4に係るマルチカーエレベーター制御装置が行う火災時閉塞制御のフローチャートである。図16において、ステップSA2A、SA2B以外は実施の形態2の図12と同じであるため、ステップSA2A,SA2Bについてのみ説明する。
火災時閉塞区間にかごがある場合(ステップSA2でYes)、閉塞停止対象かごに現在設定されている以外の速度及び減速度の候補があるか否かを確認し(ステップSA2A)、他にも候補があればステップSA2Bに進み、候補が無ければ閉塞停止対象かごの制御装置に停止指令を送信する(ステップSA3)。ステップSA2Bでは以下のように閉塞停止対象かごの速度及び減速度を変更した後、ステップSA2へ戻る。
ステップSA2Bにおいて速度・減速度候補提示部48は、火災時閉塞区間を短縮可能な組み合わせの候補を提示する。例えば、火災時閉塞区間と閉塞停止対象かごのかご位置及び速度などの状態に基づいて予め与えられた閉塞停止対象かごの速度・減速度の組み合わせの中から候補を選択しても良い。通過時間演算部49では、速度・減速度候補提示部48で提示された閉塞停止対象かごの速度・減速度の候補の夫々を用いた場合に、閉塞停止対象かごが火災時停止禁止区間を通過する時間(通過時間)を演算する。速度・減速度選択部410では、速度・減速度候補提示部48で選択された閉塞停止対象かごの速度及び減速度の組み合わせのうち、通過時間演算部49で演算された通過時間が最小となる閉塞停止対象かごの速度及び減速度を選択し、これを閉塞停止対象かごの新たな速度及び加速度として設定する。
<効果>
実施の形態4のマルチカーエレベーター制御装置は、火災時閉塞区間を狭める閉塞停止対象かごの速度及び減速度の組み合わせの候補を提示する速度・減速度候補提示部48と、前記候補を用いた場合に閉塞停止対象かごが火災時閉塞区間の通過に要する通過時間を演算する通過時間演算部49と、前記通過時間が最も短い前記候補を、閉塞停止対象かごの新たな速度及び減速度として選択する速度・減速度選択部410とをさらに備えるので、火災時閉塞区間によってかごが停止しなければならない状況を削減しながら、閉塞停止対象かごをより速く、火災時停止禁止区間よりも前方へと走行させることが可能となる。
(実施の形態5)
実施の形態5に係るマルチカーエレベーター制御装置は、実施の形態1に係るマルチカーエレベーター制御装置に火災時出発制御機能を備えたものである。火災時出発制御とは、火災時停止禁止区間によってかごが途中で停止することを防止するために、自かごの位置、拘束相手かごの位置、速度、方向、戸状態、火災時停止禁止区間から自かごと拘束相手かごの将来の位置を予測し、その予測結果に基づいて自かごの出発タイミングを制御することである。
図17(a)では、火災が5Fで発生しており、拘束相手かごが6Fから5Fに移動中である例を示す。拘束相手かご占有区間は5,6Fであり、火災時停止禁止区間も5,6Fと設定される。自かごは9Fで停止しており、自かご占有区間は9Fである。安全余裕距離が1階床分であるとすれば、安全余裕区間は7Fとなり、走行可能区間は8Fとなる。火災時停止禁止区間と重ならない走行可能区間として8Fがあるため自かごは9Fを出発し8Fに向けて走行することが可能であるが、火災時停止禁止区間に隣接した7Fに到着した際に、拘束相手かご占有区間と火災時停止禁止区間との間に走行可能区間がなければ、火災時停止禁止区間の直上階である7Fで停止しなければならない。
このような場合に、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、図17(b)に示すように、拘束相手かご占有区間と火災時停止禁止区間の間に走行可能区間が生じるタイミングで自かごが火災時停止禁止区間に侵入するように、自かごの出発時間を調整することにより、出発後は停止することなく火災時停止禁止区間を通過させる。
図18は、実施の形態5に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。実施の形態5に係るマルチカーエレベーター制御装置は、図3に示した実施の形態1に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成に加え、上かご制御装置3Uにおいて、自かごが火災時停止禁止区間に到着する時刻を予測する到着時刻予測部3U9、上記到着時刻における拘束相手かごの位置を予測する拘束相手かご位置予測部3U10、自かごの出発タイミングを制御するかご出発判断部3U11をさらに備えている。
図19は、実施の形態5に係るマルチカーエレベーター制御装置が行う火災時出発制御のフローチャートである。ここでは、上かごが自かごである例について説明を行う。
まず、火災が発生しているか否かを判断し(ステップSB1)、火災が発生していない場合は処理を終了する。火災が発生している場合は、自かごが停止中か否かを判断する(ステップSB2)。自かごが走行中の場合には処理を終了する。自かごが停止中の場合には、自かごの前方に火災時停止禁止区間があるか否かを判断し、無い場合には処理を終了する。火災時停止禁止区間がある場合には、ステップSB4へ進む。
ステップSB4では、自かごが火災時停止禁止区間に到着する時刻T1を到着時刻予測部3U9で予測演算する。本予測は、自かごの戸開閉の状態、自かごの位置、自かごの速度、自かごの停止予定階などから行う。
次に、時刻T1時点での拘束相手かごの位置を拘束相手かご位置予測部3U10で予測する(ステップSB5)。本予測は、拘束相手かごの戸開閉の状態、位置、速度、停止予定階などから行う。
その後、時刻T1時点での自かごの走行可能区間を演算し(ステップSB6)、時刻T1時点で自かごが停止する必要があるか否かを判断する(ステップSB7)。具体的には、時刻T1時点で拘束相手かご占有区間と火災時停止禁止区間の間に走行可能区間があれば停止する必要がなく、拘束相手かご占有区間と火災時停止禁止区間の間に走行可能区間がなければ停止する必要がある。
自かごが停止する必要がないと判断すれば、自かごに出発指令を行う(ステップSB8)。自かごが停止する必要があると判断すれば、予め定められた時間T2だけ出発を待機し(ステップSB9)、ステップSB4へ戻って処理を繰り返す。結果として、火災時停止禁止区間への到達時刻における走行可能区間の中に、火災時停止禁止区間と重ならない区間が出来るまで、自かごは出発待機をすることになる。ステップSB6〜SB9までの処理はかご出発判断部3U11が行う。
なお、実施の形態1に係るマルチカーエレベーター制御装置に火災時出発制御機能を備えたものを本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置として説明したが、火災時出発制御機能は実施の形態3に係るマルチカーエレベーター制御装置にも適用することが可能である。
<効果>
実施の形態5に係るマルチカーエレベーター制御装置によれば、出発予定の自かごが火災時停止禁止区間に到着する時刻を予測する到着時刻予測部3U9,3D9と、到着時刻における拘束相手かご(前方かご)の位置を予測する拘束相手かご位置予測部3U10,3D10(前方かご位置予測部)と、前記到着時刻及び前記到着時刻における前方かごの位置から、前記到着時刻における自かごの走行可能区間を演算し、走行可能区間の中に火災時停止禁止区間と重ならない区間ができるまで自かごの出発待機を行うかご出発判断部3U11とを備えるので、走行途中で火災階に近い階でかごを停止する必要が無くなり、かご内の乗客の焦燥感を減ずることが可能となる。
(実施の形態6)
実施の形態6に係るマルチカーエレベーター制御装置は、実施の形態2に係るマルチカーエレベーター制御装置に火災時出発制御機能を備えたものである。火災時出発制御とは、火災時閉塞区間によってかごが途中で停止することを防止するために、自かごの位置、前方かごの位置、速度、方向、戸状態、火災時停止禁止区間から自かごと前方かごの将来の位置を予測し、予測結果に基づいて、自かごの走行開始タイミングを制御することである。
図20(a)では、火災が5Fで発生しており、下かご2Dが7Fを移動中である例を示す。火災時停止禁止区間は5,6Fと設定され、安全余裕距離が1階床分であるとすれば、火災時閉塞区間は4〜6Fとなる。9Fで停止している上かご2Uは8Fに向けて移動することが可能であるが、7Fに到着した際に未だ下かご2Dが火災時閉塞区間内にいれば、上かご2Uは7Fで停止しなければならない。
このような場合に、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、図20(b)に示すように、下かご2Dが火災時閉塞区間を通過し終えたタイミングで上かご2Uが火災時閉塞区間内に侵入するように、上かご2Uの出発タイミングを制御することにより、出発後は停止することなく火災時停止禁止区間を通過させる。
図21は、実施の形態6に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成図である。実施の形態6に係るマルチカーエレベーター制御装置は、図11に示した実施の形態2に係るマルチカーエレベーター制御装置の構成に加え、上かご制御装置3Uにおいて、自かごが火災時閉塞区間に到着する時刻を予測する到着時刻予測部3U12、上記到着時刻における前方かごの位置を予測する前方かご位置予測部3U13、自かごの出発タイミングを制御するかご出発判断部3U14をさらに備えている。なお、図21では図示を省略しているが、中かご制御装置3Mおよび下かご制御装置にも夫々、到着時刻予測部、前方かご位置予測部、かご出発判断部が設けられている。これ以外の構成は実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
図22は、実施の形態6に係るマルチカーエレベーター制御装置の火災時出発制御のフローチャートである。ここでは、火災時出発制御の対象である自かごは上かごである例について説明を行う。
まず、火災が発生しているか否かを判断し(ステップSC1)、火災が発生していない場合は処理を終了する。火災が発生している場合は自かごが停止中か否かを判断する(ステップSC2)。自かごが走行中の場合には処理を終了する。自かごが停止中の場合には自かごの前方に火災時閉塞区間があるか否かを判断する(ステップSC3)。火災時閉塞区間が無ければ処理を終了し、ある場合にはステップSC4へ進む。
ステップSC4において、自かごが火災時閉塞区間に到着する時刻T3を到着時刻予測部3U12で予測演算する。本予測においては、自かごの戸開閉の状態、自かごの位置、自かごの速度、自かごの停止予定階、前方かごの戸開閉の状態、位置、速度、停止予定階などから予測を行う。
次に、時刻T3時点での前方かごの位置を前方かご位置予測部3U13で予測する(ステップSC5)。本予測は、前方かごの戸開閉の状態、位置、速度、停止予定階などから行う。
その後、時刻T3時点で前方かごが火災時閉塞区間を通過しているか否かを判断する(ステップSC6)。時刻T3時点で前方かごが火災時閉塞区間を通過していれば、自かごに出発指令を行う(ステップSC7)。通過していなければ、予め定められた時間T4だけ前方かごに出発待機させ(ステップSC8)、ステップSC4へ戻る。なお、SC6〜SC8までの処理はかご出発判断部3U14が行う。
なお、実施の形態2に係るマルチカーエレベーター制御装置に火災時出発制御機能を備えたものを本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置として説明したが、火災時出発制御機能は実施の形態4に係るマルチカーエレベーター制御装置にも適用することが可能である。
<効果>
本発明によれば、火災時閉塞区間に起因する停止が必要なくなるまで、かご出発の待機を行うため、走行途中で火災階に近い階でかごを停止する必要が無くなり、かご内の乗客の焦燥感を減ずることが可能となる。
実施の形態6のマルチカーエレベーター制御装置によれば、出発予定の自かごが火災時閉塞区間に到着する時刻T3を予測する到着時刻予測部3U12と、到着時刻T3における前方かごの位置を予測する前方かご位置予測部3U13と、前方かごが火災時閉塞区間を通過するタイミングで、自かごが火災時閉塞区間に到着するように、適宜自かごの出発待機を行うかご出発判断部3U14とを備えるので、火災階の近傍階でかごを停止する必要が無くなり、かご内の乗客の焦燥感を減ずることが可能となる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 昇降路、2U,2M,2D かご、3U,3M,3D かご制御装置、3U1,3M1,3D1,42U,42M,42D 走行可能区間演算部、3U2,3M2,3D2,43 火災階情報取得部、3U3,3M3,3D3,41U,41M,41D 走行可否判断部、3U4,3M4,3D4,44 火災時停止禁止区間演算部、3U5,3M5,3D5 かご間通信手段、3U6,3D6、48 速度・減速度候補提示部、3U7,3D7,49 通過時間演算部、3U8,3D8,410 速度・減速度選択部、3U9,3D9,3U12 到着時刻予測部、3U10,3D10 拘束相手かご位置予測部、3U11,3D11,3U14 かご出発判断部、3U13 前方かご位置予測部、4 昇降路制御装置、45 火災時閉塞区間設定部、46 火災時閉塞制御部、47 かご安全余裕距離選択部。
<効果>
本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、すでに述べたとおり以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するものであり、停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部3U1と、火災階情報を取得する火災階情報取得部3U2と、火災階情報から火災階を含む予め設定された所定範囲の階をかごの停止を禁止する火災時停止禁止区間として演算する火災時停止禁止区間演算部3U4と、走行可能区間に火災時停止禁止区間以外の階が含まれる場合はエレベーターの走行を許可し、走行可能区間に火災時停止禁止区間以外の階が含まれない場合はかごを停止させる走行可否判断部3U3とを備えることを特徴とする。停止可能範囲に火災時停止禁止区間以外が常に含まれるようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの原因で停止した場合でも、火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
上述のように、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するものであり、火災階情報を取得する火災階情報取得部43と、前記火災階を含む予め設定された所定範囲の階である火災時停止禁止区間に、かごの走行方向又は両方向に所定の安全余裕距離を加えた区間を火災時閉塞区間として設定する火災時閉塞区間設定部45と、火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように、現在位置から停止可能な直近の階までの区間である自かご占有区間の走行方向側の端の階が前記火災時閉塞区間のいずれか一方の端に隣接した階にいるかごを停止させる火災時閉塞制御部46と、を備える。火災階から所定の範囲にある火災時閉塞区間にかごが1台しか存在しないようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの理由で火災階近傍の階に停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。
<効果>
本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置では、既に述べたとおり以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のマルチカーエレベーター制御装置は、1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するものであり、火災階情報を取得する火災階情報取得部43と、火災階を含む予め設定された所定範囲の階である火災時停止禁止区間に、かごの走行方向又は両方向に所定の安全余裕距離を加えた区間を火災時閉塞区間として設定する火災時閉塞区間設定部45と、火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように、現在位置から停止可能な直近の階までの区間である自かご占有区間の走行方向側の端の階が前記火災時閉塞区間のいずれか一方の端に隣接した階にいるかごを停止させる火災時閉塞制御部46と、を備える。火災階から所定の範囲にある火災時閉塞区間にかごが1台しか存在しないようにかごを制御することにより、前方かごが何らかの理由で火災階近傍の階に停止した場合でも、後方かごは火災時停止禁止区間以外に停止し、かごの外に乗客を避難させることが出来る。また、火災階に対して固定された距離の区間を火災時閉塞区間として設定するため、ロジックを持った電子的回路だけでなく、リレーなどの電気的回路で火災時閉塞区間設定部や火災時閉塞制御部を構成することができる。
図16は、実施の形態4に係るマルチカーエレベーター制御装置が行う火災時閉塞制御のフローチャートである。図16において、ステップSA2A、SA2B以外は実施の形態2の図10と同じであるため、ステップSA2A,SA2Bについてのみ説明する。

Claims (9)

  1. 1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するマルチカーエレベーター制御装置であって、
    停止した前方かごに衝突することなく停止して戸開出来る階の範囲を走行可能区間として演算する走行可能区間演算部と、
    火災階情報を取得する火災階情報取得部と、
    前記火災階情報から火災階を含む予め設定された所定範囲の階をかごの停止を禁止する火災時停止禁止区間として演算する火災時停止禁止区間演算部と、
    前記走行可能区間と前記火災時停止禁止区間を参照してエレベーターの走行可否を判断する走行可否判断部と、を備えることを特徴とするマルチカーエレベーター制御装置。
  2. 前記火災時停止禁止区間演算部は、前記火災階情報に含まれる火災階の位置から上下方向に所定距離を加えた範囲を火災時停止禁止区間とすることを特徴とする、請求項1に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
  3. 1つの昇降路に複数のかごが走行するマルチカーエレベーターシステムにおいて各かごの運転を制御するマルチカーエレベーター制御装置であって、
    火災階情報を取得する火災階情報取得部と、
    前記火災階情報から、かごが1台しか走行することを許可しない火災時閉塞区間を設定する火災時閉塞区間設定部と、
    前記火災時閉塞区間にかごが1台存在する場合に、他のかごが火災時閉塞区間に侵入しないように他のかごを制御する火災時閉塞制御部と、を備えることを特徴とするマルチカーエレベーター制御装置。
  4. 前記火災時閉塞区間設定部は、火災階を含む予め設定された所定範囲の階である火災時停止禁止区間に所定の安全余裕距離を加えた区間を火災時閉塞区間として設定する、
    請求項3に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
  5. 前記安全余裕距離は、かごの速度及び加速度に基づいて決定される、
    請求項4に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
  6. 前記走行可能区間演算部は、前方かご占有区間の自かご側に隣接して設けられた安全余裕区間と自かご占有区間の間の区間を前記走行可能区間として演算し、
    前記安全余裕区間は、かごの速度及び減速度に基づいて決定され、
    前記走行可否判断部は、前記走行可能区間のうち、前記火災時停止禁止区間と重ならない区間がある場合にのみ走行を許可し、
    前記走行可能区間が全て前記火災時停止禁止区間と重なった場合に、前記安全余裕区間を狭めるかごの速度及び減速度の組み合わせの候補を提示する速度・減速度候補提示部と、
    前記候補を用いた場合に前記火災時停止禁止区間の通過に要する通過時間を演算する通過時間演算部と、
    前記通過時間が最も短い前記候補を、自かごの新たな速度及び減速度として選択する速度・減速度選択部とをさらに備える、
    請求項1に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
  7. 前記火災時閉塞区間内にかごが存在する場合に、占有区間の走行方向端に隣接して前記火災時閉塞区間を持つ閉塞停止対象かごの速度及び減速度を調整するマルチカーエレベーター制御装置であって、
    前記火災時閉塞区間を狭める前記閉塞停止対象かごの速度及び減速度の組み合わせの候補を提示する速度・減速度候補提示部と、
    前記候補を用いた場合に前記閉塞停止対象かごが前記火災時閉塞区間の通過に要する通過時間を演算する通過時間演算部と、
    前記通過時間が最も短い前記候補を、前記閉塞停止対象かごの新たな速度及び減速度として選択する速度・減速度選択部とをさらに備える、請求項5に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
  8. 出発予定の自かごが前記火災時停止禁止区間に到着する時刻を予測する到着時刻予測部と、
    前記到着時刻における前方かごの位置を予測する前方かご位置予測部と、
    前記到着時刻及び前記到着時刻における前方かごの位置から、前記到着時刻における自かごの走行可能区間を演算し、前記走行可能区間の中に前記火災時停止禁止区間と重ならない区間ができるまで自かごの出発待機を行うかご出発判断部とを備えた、
    請求項1に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
  9. 出発予定の自かごが前記火災時閉塞区間に到着する時刻を予測する到着時刻予測部と、
    前記到着時刻における前方かごの位置を予測する前方かご位置予測部と、
    前方かごが前記火災時閉塞区間を通過するタイミングで、自かごが前記火災時閉塞区間に到着するように、適宜自かごの出発待機を行うかご出発判断部と、
    を備える請求項3に記載のマルチカーエレベーター制御装置。
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