JP3029168B2 - マルチカー方式エレベーターの運行制御装置 - Google Patents

マルチカー方式エレベーターの運行制御装置

Info

Publication number
JP3029168B2
JP3029168B2 JP5096116A JP9611693A JP3029168B2 JP 3029168 B2 JP3029168 B2 JP 3029168B2 JP 5096116 A JP5096116 A JP 5096116A JP 9611693 A JP9611693 A JP 9611693A JP 3029168 B2 JP3029168 B2 JP 3029168B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
car
stop
traveling
floor
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5096116A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06305648A (ja
Inventor
篤哉 藤野
敏光 飛田
中村  清
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP5096116A priority Critical patent/JP3029168B2/ja
Publication of JPH06305648A publication Critical patent/JPH06305648A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3029168B2 publication Critical patent/JP3029168B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一走行シャフト内に
複数の乗りかごを運行させるマルチカー方式エレベータ
ーの運行制御装置に係り、特に、安全で高効率な乗りか
ごの運行を行うために使用して好適なマルチカー方式エ
レベーターの運行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来のエレベーターは、各乗り
かご毎に個別のシャフトが設けられ、その中を乗りかご
が上下方向に自由に走行できるように構成されている。
そのため、従来技術によるエレベーターは、乗りかごの
走行、停止の制御を、特公昭54−24574号公報に
開示されているように、自号機の現在位置、走行経過時
間、呼び受持ち状況等を考慮して行うものであった。
【0003】また、運行時に他の乗りかごの位置を考慮
する従来技術として、同方向に併走するかごによる風音
を防止するために、一方のかごを停止させる方法が、例
えば、特公昭58−42109号等に開示されて知られ
ている。
【0004】しかし、前述したような各乗りかご毎に個
別のシャフトを設けたエレベーターは、高層ビルに設置
された場合、建屋の床面積に対するエレベーターの床占
有面積比率が多くなるという問題点を生じさせる。
【0005】このような問題点を解決し、エレベーター
の床占有面積比率を低減することのできるエレベーター
に関する従来技術として、例えば、特開平3−2977
83号公報、特開平4−129986号公報等に記載さ
れた技術が知られている。
【0006】この従来技術は、同一走行シャフト内に複
数の乗りかごを運行させるようにしたマルチカー方式の
エレベーターシステムに関するものである。
【0007】なお、このような、同一軌道上に複数の移
動物体を運行させる代表的な技術としては、例えば、特
開平4−201674号公報等に記載されている鉄道車
両の運行管理に関する技術が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マルチカー方式エレベ
ーターは、同一走行シャフト内に複数の乗りかごを運行
させるているため、従来からの乗りかご毎に個別のシャ
フトを備えたエレベーターシステムと異なり、例えば、
乗りかごが追突する恐れがある、自由に方向を反転する
ことができない、他の乗りかごを追い越すことができな
い等の特有の制約を有している。
【0009】前記特公昭54−24574号公報、特公
昭58−42109号公報等に記載された乗りかごの運
行制御に関する従来技術は、マルチカー方式のエレベー
ターを対象としていないため、前述したようなマルチカ
ー方式に特有な制約について配慮がなされておらず、そ
のままマルチカー方式のエレベーターに適用することが
できないという問題点を有している。
【0010】また、前記特開平3−297783号公
報、特開平4−129986号公報等に記載されたマル
チカー方式のエレベーターに関する従来技術は、機構に
関するものであり、乗りかごの運行制御の実現方法につ
いては考慮されていないという問題点を有している。
【0011】一方、鉄道車両用の運行管理方式の従来技
術は、鉄道車両を事前に作成した運行スケジュールに従
い運行させ、停止駅には乗降客がいなくても停止させる
等の運行制御を行うものであり、利用客からの利用要求
に応じてフレキシブルな運行を求められるエレベーター
システムにそのまま適用することができないという問題
点を有している。
【0012】また、鉄道システムとエレベーターシステ
ムとの最大の相違点として、鉄道は動力が遮断された場
合に慣性により進行方向へ移動するのに対して、エレベ
ーターは重力の影響で緊急停止装置が働くまで降下する
場合があることである。従って、どのような際にも追突
することのない安全なマルチカー方式のエレベーターの
運行制御装置は、これらの点を考慮して実現する必要が
ある。
【0013】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、安全で、かつ、運行間隔を短くして輸送能力の
向上を図ることのできるマルチカー方式エレベーターシ
ステムの運行制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、循環型走行シャフト内を走行する前後の乗りかご間
の距離により乗りかごの運行方法を決定し制御する基本
的な運行制御手段を備えることにより達成される。
【0015】また、前記目的は、循環型走行シャフト内
の前方を走行する乗りかごの位置に応動して後続の乗り
かごの運行方法を決定し制御する運行制御手段を備える
ことにより達成される。
【0016】また、前記目的は、循環型走行シャフト内
を走行する乗りかごの位置から後方に、緊急時に乗りか
ごが緊急停止装置で停止するまでの落下距離と、後続の
乗りかごが停止に要する距離と、前記運行制御装置の運
行関連の演算周期当りの後続する乗りかごの走行距離と
の、3種の距離の和の距離間隔以内での後続の乗りかご
の運行を禁止する運行禁止手段を備えることにより達成
される。
【0017】また、前記目的は、循環型走行シャフト内
を走行する乗りかごの位置を測定する乗りかご位置測定
手段と、測定した乗りかごの位置から後方の所定の間隔
内を後続の乗りかごの運行を禁止する閉そく区間として
設定する閉そく区間設定手段と、閉そく区間を保持する
ために必要な後続の乗りかごの停止階をサービス階の中
から選択して保安停止階として設定する保安停止階設定
手段と、走行中の乗りかごの位置に先行して、乗りかご
が通常に停止可能な位置を算出する停止可能位置算出手
段と、算出した停止可能な位置が保安停止階として設定
されていることを検出して該当する乗りかごを停止させ
るかご停止手段とを備えることにより達成される。
【0018】また、前記目的は、停止中の乗りかごの位
置が保安停止階であることを検出して、該当する乗りか
ごの停止を継続させる停止継続手段を備えることにより
達成される。
【0019】また、前記目的は、複数台の乗りかごの内
少なくとも1台の乗りかごの故障が検出されたとき、あ
るいは、複数台の乗りかごの内少なくとも1台の乗りか
ごからの信号が正常に伝達されなかったとき、全ての乗
りかごの走行を停止させる乗りかご停止手段を備えるこ
とにより達成される。
【0020】
【作用】乗りかご位置測定手段は、走行シャフト内に設
けたマーク情報、あるいは、乗りかごの動きを同期縮尺
した稼働部を持つ機械的なフロアコントローラからの信
号に基づいて、エレベーターの乗りかごの現在位置を測
定するように、または、乗りかごの停止時の階床位置、
走行時間、加減速時間等に基づいて、現在位置を算出す
るように動作する。
【0021】閉そく区間設定手段は、測定された乗りか
ごの位置から後方の所定の間隔内を後続する乗りかごの
運行を禁止する閉そく区間として設定するように動作す
る。
【0022】保安停止階設定手段は、閉そく区間を保持
するために必要な後続の乗りかごの停止階を、サービス
階の中から選択して設定するように動作する。
【0023】停止可能位置算出手段は、乗りかごの現在
位置、走行時間、加減速時間等に基づいて、乗りかごが
正常に停止可能な位置を算出するように動作する。
【0024】乗りかご停止手段は、算出された停止可能
な位置が、保安停止階に設定されていることを検出し
て、該当する乗りかごを停止させるように動作する。
【0025】停止継続手段は、停止中の乗りかごの位置
が、保安停止階であることを検出して、該当する乗りか
ごの停止を継続させるように動作する。
【0026】運行制御手段は、前走する乗りかごの現在
の位置と後続する乗りかごの停止可能位置とを常に監視
し、後続の乗りかごの停止可能位置が前走する乗りかご
の現在位置から所定の間隔以内に進入した場合に、後続
の乗りかごを停止させるように動作する。
【0027】運行禁止手段は、前走する乗りかごの現在
の位置から所定の間隔内を後続する乗りかごの運行を禁
止する閉そく区間として設定し、後続の乗りかごの停止
可能位置が閉そく区間内に進入した場合に、後続乗りか
ごを停止させるように動作する。
【0028】乗りかご停止手段は、複数台の乗りかごの
内少なくとも1台の乗りかごの故障が検出されたとき、
あるいは、複数台の乗りかごの内少なくとも1台の乗り
かごからの信号が正常に伝達されなかったときに、全て
の乗りかごの走行を停止させるように動作する。
【0029】本発明によれば、前述した各手段の動作及
びその連係動作により、マルチカー方式エレベーターの
各乗りかご間の最低の間隔を常に所定の値に保持するこ
とができ、互いに追突することのない、安全なマルチカ
ー方式エレベーターシステムを実現することができる。
また、本発明によれば、常に各乗りかごの位置、後続す
る乗りかごの停止可能階を算出して、最低の間隔を保持
するように動作するため、乗りかご間の間隔を最小限に
することができ、運行間隔の短い、運行の自由度の高い
マルチカー方式エレベーターシステムを実現することが
できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明によるマルチカー方式エレベー
ターの運行制御装置の一実施例を図面により詳細に説明
する。
【0031】図1は本発明の一実施例のシステム構成を
示すブロック図、図2はマルチカー方式の概略を説明す
る図、図3は閉そく間隔と保安停止階とを説明する図、
図4は本発明の一実施例の全体の動作を説明するフロー
チャート、図5は停止中処理の動作を説明するフローチ
ャート、図6は加速中処理の動作を説明するフローチャ
ート、図7は保安停止階設定処理の動作を説明するフロ
ーチャート、図8は定速走行中処理の動作を説明するフ
ローチャート、図9は減速中処理の動作を説明するフロ
ーチャートである。図1〜図3において、1は運行制御
装置、2は乗りかご制御装置、3は乗りかご、4はホー
ル呼び釦、5は上昇走行シャフト、6、8は方向反転ス
ペース、7は下降走行シャフト、1−1は保安停止設定
部、1−2は停止可能位置算出部、1−3は乗りかご停
止部、3−1は乗りかご本体、3−2はかご外枠、3−
3は安全装置、3−4はかご位置測定装置である。
【0032】本発明の一実施例によるマルチカー方式エ
レベーターの運行制御装置は、図1(a)に示すよう
に、運行制御装置1、かご制御装置2、乗りかご3、ホ
ール呼び釦4を備えて構成され、運行制御装置1は、保
安停止設定部1−1、停止可能位置算出部1−2、乗り
かご停止部1−3を備えて構成されている。そして、こ
れらの各部は、データ伝送路により互いに接続されてい
る。また、乗りかご3は、図1(b)に示すように、乗
りかご本体3−1と、かご外枠3−2と、安全装置3−
3とを備えて構成され、かご位置測定装置3−4を備え
ている。
【0033】一般に、エレベーターの運行制御1は、マ
イクロコンピュータ内のソフトウェア処理として実行さ
れており、システム内部に実際のハードウェアとして保
安停止設定部1−1、停止可能位置算出部1−2、かご
停止部1−3等を設けなくとも本発明を実現することが
できるが、ここでは説明の都合上、それぞれを他と区別
して図示している。また同様に、運行制御装置1を設け
ずに、各乗りかご制御装置2相互間で位置情報を伝送す
ることにより、運行制御装置1の機能を乗りかご制御装
置2で分散処理することにより行わせることが可能であ
るが、その際にも以下に説明する本発明の一実施例の方
法を変形して適用することができる。
【0034】図1(a)において、運行制御装置1は、
本発明の基本となる安全なマルチカー方式エレベーター
システムの運行制御を行うものであり、保安停止設定部
1−1、停止可能位置算出部1−2、かご停止部1−3
の各機能を含み、これらを管理するようにすることによ
り実現することができる。そして、運行制御装置1は、
かご位置測定装置3−4からのかご位置の情報と、ホー
ル呼び釦4から待ち客の情報とを入力として取り入れ、
乗りかご3の走行、停止等の運行を決定し、乗りかご制
御装置2に対して、走行停止指令、加減速指令、戸開閉
指令等の指令を出力する。すなわち、運行制御装置1
は、運行制御手段、及び、運行禁止手段として動作す
る。
【0035】保安停止設定部1−1は、かご位置測定装
置3−4で測定された乗りかごの位置から後方の所定の
間隔内を後続の乗りかごの運行を禁止する閉そく区間と
して設定する。また、保安停止設定部1−1は、設定し
た閉そく区間を保持するために必要な後続の乗りかごの
停止階を、サービス階の中から選択して保安停止階とし
て設定する。すなわち、保安停止設定部1−1は、閉そ
く区間設定手段、及び、保安停止階設定手段としての機
能を有する。
【0036】停止可能位置算出部1−2は、乗りかご3
の現在位置、走行時間、加減速時間等に基づいて、乗り
かごが通常の減速度で停止可能な位置を算出するもので
あり、停止可能位置算出手段としての機能を有する。
【0037】乗りかご停止部1−3は、停止可能位置算
出部1−2により算出された停止可能な位置が保安停止
階に設定されていることを検出して、該当する乗りかご
を停止させ、また、停止中のかごの位置が保安停止階で
あることを検出して、該当する乗りかごの停止を継続さ
せる。すなわち、乗りかご停止部1−3は、かご停止手
段、及び、停止継続手段としての機能を有する。
【0038】乗りかご制御装置2は、乗りかご3の1つ
1つに対応して設けられ、運行制御装置1から前述した
各指令を受け取り、図示していない乗りかごの駆動装
置、戸開閉用モータ等の制御を行う。
【0039】マルチカー方式エレベーターの乗りかごの
駆動装置としては、乗りかご側にリニアモータ、電動機
等の動力源を備えた自走式のものと、機械室に設置した
モータによりロープを駆動し、乗りかごをそのロープに
より走行させる非自走式のものとがある。
【0040】本発明は、この走行方式の相違に対して、
前述した乗りかご間の間隔の設定により対応することが
できるものであり、従って、本発明は、マルチカー方式
の種類を問わずに適用することができる。以下に説明す
る本発明の一実施例は、かご外枠3−2に組み込んだリ
ニアモータにより、乗りかごが自走するものとして説明
する。
【0041】乗りかご3は、図1(b)に示すように、
乗りかご本体3−1、かご外枠3−2、安全装置3−
3、かご位置測定装置3−4を備えて構成される。そし
て、かご外枠3−2には、かご駆動用のリニアモータ、
戸開閉用のモータが設けられており、乗りかご制御装置
2からの制御信号により、これらが制御される。また、
安全装置3−3は、緊急停止装置(キャッチ)、追突時
の衝撃防止装置(バンパー)等を備えて構成される。
【0042】かご位置測定装置3−4は、走行シャフト
内に設けたマーク情報を読み取り、乗りかごの現在位置
を測定するものである。本発明の一実施例では、乗りか
ごの位置把握を、乗りかご本体3−1の乗客が立つ床面
の高さで行い、各階の位置も各階の床面の高さで表わす
こととする。また、本発明の一実施例では、床面の高さ
は、ビルの基準点(最下点等)からの距離とする。
【0043】なお、本発明の一実施例を説明するために
使用する用語として、ビルの基準点からの距離として表
わされる乗りかごの現在位置を「同期位置」、その対応
する階を「同期階床」と表記し、また、乗りかごの停止
可能位置を「先行位置」、先行位置に対応する階を「先
行階床」と表記することとする。
【0044】次に、本発明が適用されるマルチカー方式
のエレベーターシステムの概略について、図2を参照し
て説明する。
【0045】本発明が適用されるマルチカー方式エレベ
ーターシステムは、乗りかごが上昇方向の走行に専用に
用いる上昇走行シャフト5、下降方向の走行に専用に用
いる下降走行シャフト7、及び、走行方向を転換し、走
行シャフト5から7に移動する上層の方向反転スペース
6、走行シャフト7から5に移動する下層の方向反転ス
ペース8を備えて構成される循環型の走行シャフト内
を、複数の乗りかご3を走行させるものである。このと
き、任意の位置で同一方向に走行する乗りかごは1台に
限定され、また、走行方向の反転は、上下の方向反転ス
ペース6、8のみで行われる。
【0046】図2に示す例は、乗りかごが5台の場合を
例として図示しているが、本発明は、乗りかご台数、階
床数に限定されることなく実施することができる。ま
た、本発明は、鉄道線路のスイッチバック方式のよう
に、乗りかごのガイドレールを中間階を複線とし、端階
だけを単線化して構成した循環型の走行シャフトの場合
にも問題なく適用することができる。
【0047】なお、本発明は、単一のシャフト内を複数
の乗りかごが同時に上下するマルチカー方式については
考慮しない。
【0048】次に、本発明の基本的な考え方である、閉
そく間隔と保安停止階とについて、図3を参照して説明
する。
【0049】マルチカー方式のエレベーターは、後続の
乗りかごが前走する乗りかごに追い付いて追突する可能
性があり、これを防止するために、乗りかご間の距離と
して常に所定の間隔以上を保持する必要がある。運行制
御装置1は、前走する乗りかごとの間隔を考慮して後続
する乗りかごの運行を行い、必要なときには後続の乗り
かごを停止させて、安全を確保しなければならない。
【0050】いま、図3に示すように、上昇走行シャフ
ト5内の10階の位置に乗りかご3が停止している場合
を例に、前述の前走する乗りかごと後続の乗りかごとの
安全な間隔について説明する。
【0051】図3には、10階の位置に停止中の乗りか
ご3に対して、後続する乗りかごが仮想的に最も接近し
た位置を仮想最接近後続乗りかご9として示している。
乗りかご3と乗りかご9との間には、追突防止のため、
「かご間の必要間隔」として図示する常に保持しなけれ
ばならない間隔がある。この間隔は、制御、機構の要因
から決定されものであり、制御上からは、最悪事態の発
生時においても安全を確保するための余裕間隔と、制御
の遅延等に起因する間隔とにより決定される。
【0052】エレベーターの停止には、通常状態で規定
の減速度により停止する「通常停止」と、停電等の理由
で停止する「非常停止」と、懸垂ロープの切断等の異常
事態発生時に一瞬の落下状態からキャッチと呼ばれる緊
急停止装置により停止する「緊急停止」とがある。
【0053】マルチカー方式の運行制御装置における前
述の乗りかご間の間隔は、最悪の緊急停止時にも追突を
避ける安全性を確保する必要があり、緊急時にかごが緊
急停止装置で停止するまでの落下距離を考慮して設定す
る必要がある。
【0054】また、前述の間隔は、制御の遅延に関する
配慮も必要であり、例えば、エレベーターの定格速度が
低速の60m/分、運行制御装置1の運行関連の演算周
期が0.1秒、であれば、演算周期当り乗りかごが最大
距離0.1m走行することになり、定格速度が900m
/分の高速となると、演算周期当りの最大走行距離が
1.5mとなる。すなわち、任意の時点で任意の乗りか
ご3に停止を指令する場合、停止指令発令の決定から、
実際の発令まで、最大で運行関連の演算周期分の遅れが
生じ、前述したように、その間に乗りかごが走行してし
まうので、乗りかご間の必要間隔としては、少なくとも
演算周期あたりの最大走行距離以上の間隔を設定する必
要がある。
【0055】前述した2つの間隔は、同時に満たされる
必要があり、このため、前述した乗りかご間の間隔は、
緊急時に乗りかごが緊急停止装置で停止するまでの落下
距離と、前記運行制御装置の運行関連の演算周期あたり
のエレベーターの最大走行距離との和の距離を最低限と
して設定する必要がある。
【0056】また、機構に関する間隔として、機械系の
取り回し、ロープ、給電設備、情報伝送系等の付帯設備
に起因して決定される間隔があり、この距離が前述の制
御上の要因による距離より大きい場合には、この機構要
因の間隔も併せて確保する必要がある。
【0057】そして、乗りかご3の位置は、乗りかご本
体3−1の床面の高さで把握するため、乗りかご位置相
互の間隔としては、乗りかご全体の大きさを含めて考慮
する必要があり、この間隔が、図示した「閉そく間隔」
である。
【0058】さて、後続する乗りかごは、最接近状態で
仮想最接近後続かご9の位置に存在できるが、前走する
乗りかごが停止している間、後続する乗りかごも停止し
ていなければならない。このとき、後続する乗りかごに
も乗客がいるため、サービス階以外の位置に停止するこ
とになり、乗客に不安を与え、好ましくない。
【0059】従って、実際に後続する乗りかごが前走す
る乗りかごに追い付き、追突することを防止するため
に、後続する乗りかごが停止して待機する位置は、前走
する乗りかごの位置から閉そく間隔以上離れたサービス
階となる。本発明の一実施例では、このサービス階を
「保安停止階」と表記することとし、また、乗りかご3
の同期階床から、保安停止階までの各階を、保安停止区
間と表記することとする。図3に示す例の場合、上昇シ
ャフトの7階〜10階が保安停止区間となる。
【0060】前述した図3に示す例は、上昇走行シャフ
ト5について説明したので、保安停止階が仮想最接近後
続かご9の位置より下方であるが、下降走行シャフト7
内では、当然仮想最接近後続かご9の位置より上方にな
る。また、エレベーターシステムとして、不停止階の設
定、急行通過ゾーンの設定が行われている場合には、そ
のことも考慮して手前にあるサービス階が保安停止階と
される。
【0061】次に、前述したように構成される本発明の
一実施例の動作を、図4〜図9に示すフローを参照して
説明する。なお、後述する説明において、乗りかごの加
速方法、戸開閉の方法等の公知の方法については、特公
昭54−24574号公報等の多数の文献に開示されて
いるので、それらの説明を省略する。
【0062】まず、図4に示すフローにより本発明の一
実施例の全体の動作を説明する。
【0063】この全体の動作のための処理は、運行制御
装置1内で行われ、ここで作成される各種指令信号に基
づいて、乗りかご制御装置2が実際の機器の制御を行う
ものである。また、運行制御装置1で行う処理は、待ち
時間予測、割当て制御、管制運転制御の他、多数の処理
があるが、これらの処理については、例えば、特開昭6
3−247276号公報等に開示されているため説明を
省略し、ここでは、かごの走行停止処理プログラム10
の流れについてのみ説明する。この走行停止処理10
は、運行制御装置1の制御周期毎に繰り返し起動される
処理である。
【0064】(1)走行停止処理プログラム10は、全
かごについての処理を行うため、全乗りかごに関して、
かごループの設定を行う(ステップ10−1、10−
7)。
【0065】(2)その後、各乗りかごが正常に作動し
ているか否かを確認し、1台でも正常でない乗りかごが
あれば、非常事態として全乗りかごに停止を指令し、ル
ープ処理を抜けて、非常時の対応処理(特に説明、図示
しない)に移る(ステップ10−2、10−3、10−
8)。
【0066】(3)ステップ10−2で全乗かごが正常
に作動していると確認できた場合、処理中のかごに走行
指令が設定されているか否かを調べる。走行指令とは、
乗りかごの走行中Yes、停止中Noに設定される信号
であり、走行指令がNoすなわち乗りかごが停止中であ
れば、後述する停止中処理のサブルーチンを実行する
(ステップ10−4、20)。
【0067】(4)ステップ10−4の判定で走行指令
がYesであれば、処理中の乗りかごに加速指令が設定
されているか否かを調べる。加速指令とは、乗りかごの
加速中Yes、それ以外Noに設定される信号であり、
加速指令がYesであれば、後述する加速中処理のサブ
ルーチンを実行する(ステップ10−5、30)。
【0068】(5)ステップ10−5の判定で加速指令
がNoであれば、処理中の乗りかごに減速指令が設定さ
れているか否かを調べる。減速指令とは、乗りかごが減
速中Yes、それ以外Noに設定される信号であり、減
速指令がNoであれば、定速走行中処理のサブルーチン
を、また、減速指令がYesであれば、減速中処理のサ
ブルーチンを実行する(ステップ10−6、40、5
0)。
【0069】(6)ステップ20、30、40、また
は、50のサブルーチン処理の終了後、全乗りかごに対
する処理が終了したか否を判定し、未終了であれば次の
乗りかごを対象にステップ10−2以下の処理を繰り返
す。全乗りかご終了の場合、走行停止に関する1周期分
の処理を終了する(ステップ10−7、10−8)。
【0070】次に、処理対象乗りかごの停止中処理サブ
ルーチン20の詳細を図5に示すフローを参照して説明
する。
【0071】(1)まず、処理対象の乗りかごが現在停
止している階である同期階床が、保安停止階に設定され
ているか否かを調べ、同期階床が保安停止階に設定され
ている場合、保安停止中の走行を防止するために、乗り
かご内の戸閉ボタン操作を一時的に無効にする。その
後、サブルーチン20を呼び出したプログラムである走
行停止処理プログラム10へ戻る。この処理により、戸
閉操作が延期され、戸開時間が延長される。また、かご
内に情報出力装置が設けられている場合、「只今、信号
待ちです」等の情報案内を出力してもよい。この処理の
機能は、停止中の乗りかごの位置が、保安停止区間であ
ることを検出して、該当するかごの停止を継続させる停
止継続手段に相当する(ステップ20−1、20−2、
20−12)。
【0072】(2)ステップ20−1の判定で、同期階
床が保安停止階でないと判定された場合、乗降処理が完
了しているか否を調べ、完了していない場合、停止を続
けるため、何もせずにサブルーチン20を呼び出したプ
ログラムである走行停止処理プログラム10へ戻る(ス
テップ20−3、20−12)。
【0073】(3)ステップ20−3の判定で、乗降処
理が完了している場合、戸開指令が設定されているか否
かを調べ、設定されている場合、戸開指令を解除し、戸
閉指令を設定する。乗りかご制御装置2は、この戸閉指
令の設定により戸閉処理を開始する(ステップ20−4
〜20−6)。
【0074】(4)ステップ20−4の判定で、戸開指
令が設定されていない場合、及び、ステップ20−6の
処理終了後、戸閉処理が完了したか否かを調べ、完了し
ていない場合、停止を続けるため、何もせずにサブルー
チン20を呼び出したプログラムである走行停止処理プ
ログラム10へ戻る(ステップ20−7、20−1
2)。
【0075】(5)ステップ20−7の判定で、戸閉処
理が完了している場合、サービス停止指令の解除、保安
停止指令の解除、走行指令の設定、及び、加速指令の設
定を行う。乗りかご制御装置2は、これに応じて、乗り
かごの加速を開始する(ステップ20−8〜20−1
1)。
【0076】(6)以上により、処理対象となった乗り
かごの停止中処理サブルーチン20の処理を終了し、呼
び出したプログラムである走行停止処理プログラム10
へ戻る(ステップ20−12)。
【0077】次に、処理対象の乗りかごの加速中処理サ
ブルーチン30の詳細を図6に示すフローを参照して説
明する。
【0078】(1)図示しないメモリ等に格納される変
数Sxに前回の周期で測定した同期位置Sの値を複写設
定し、乗りかご位置測定装置3−4からの信号により、
現在の同期位置Sを測定する(ステップ30−1、30
−2)。
【0079】(2)乗りかごの停止可能位置である先行
位置Pを演算する。この処理は、加速中の停止可能位置
算出手段に相当する。ここで、加速時と減速時の加速度
の値が等しい場合、減速に要する距離は、加速に要した
距離と等しい。そのため、加速中の乗りかごの先行位置
Pは、加速中の各周期の走行距離(S−Sx)の2倍ず
つを加算することにより求めることができる(ステップ
30−3)。
【0080】(3)測定した同期位置S、算出した先行
位置Pのそれぞれに対応する同期階床、先行階床を算出
する。これらは、判定する位置をビルの基準点からの各
階床の高さを記録した値と比較することにより求めるこ
とができる。その後、算出した同期階床から保安停止階
を設定するサブルーチンを実行する。なお、保安停止階
設定サブルーチンの内容は後述する(ステップ30−
4、60)。
【0081】(4)保安停止階設定サブルーチンの実行
後、処理対象とする乗りかごの先行階床が、前走する乗
りかごの保安停止階に設定されているか否かを調べ、保
安停止階に設定されていない場合、先行階床がサービス
停止階であるか否かを調べる(ステップ30−5、30
−7)。
【0082】(5)ステップ30−5で、処理対象の乗
りかごの先行階床が、前走する乗りかごの保安停止階に
設定されていると判定された場合、対象乗りかごに閉そ
く指令、すなわち、保安停止指令を設定する(ステップ
30−6)。
【0083】(6)ステップ30−6の処理終了後、及
び、ステップ30−7で先行階床がサービス停止階であ
ると判定された場合、処理対象の乗りかごに、サービス
停止指令を設定し、加速指令を解除して、さらに、減速
指令を設定する。この一連の処理が、加速中のかご停止
手段に相当する。ステップ30−6の処理後の前述の処
理の場合、保安上の理由により乗りかごを停止させるも
のであるが、保安停止階の待ち客に対するサービスも行
うことができるように、ステップ30−7の処理後の処
理と同様に、サービス停止指令の処理も併せて設定して
いる(ステップ30−8〜30−10)。
【0084】(7)ステップ30−7で先行階床がサー
ビス停止階でないと判定された場合、処理対象の乗りか
ごが最高速度に到達したか否かを調べ、到達している場
合、加速指令を解除し、乗りかごを定速走行させる処理
を行う(ステップ30−11、30−12)。
【0085】(8)ステップ30−11で乗りかごが最
高速度に到達していない場合、そのまま加速を続けさせ
て、また、ステップ30−12の処理終了後、処理対象
の乗りかごの加速中処理を終了し、呼び出したプログラ
ムである走行停止処理プログラム10へ戻る(ステップ
30−13)。
【0086】次に、前述した保安停止階設定処理サブル
ーチン60の詳細を図7に示すフローを参照して説明す
る。
【0087】(1)まず、処理対象の乗りかごの走行方
向を判定する(ステップ60−1)。
【0088】(2)ステップ60−1で、乗りかごの走
行方向が上昇方向であると判定された場合、現在の同期
位置Sから閉そく間隔の値Lを減算し、減算した位置の
下方で一番近いサービス階床を算出する(ステップ60
−2、60−3)。
【0089】(3)ステップ60−1で、乗りかごの走
行方向が下降方向であると判定された場合、現在の同期
位置Sに閉そく間隔の値Lを加算し、加算した位置の上
方で一番近いサービス階床を算出する(ステップ60−
4、60−5)。
【0090】(4)その後、現在の同期階床から、算出
された階床までを保安停止階として設定する。この設定
は、例えば、図3に示す例の場合、上昇方向の7〜10
階が保安停止階であるので、対象かごの上昇方向の保安
停止階を表わす変数として、下位のビットから順に1
階、2階、………を表す2進数で、 (0111 1000 1001 1010) と設定する。この2進数の変数が、対象の乗りかごに関
する保安停止階設定であり、後続する乗りかごは、この
値を参照して、保安停止階設定の有無を判断する。以上
で保安停止階設定処理を終了し、呼び出したサブルーチ
ンへ戻る(ステップ60−6、60−7)。
【0091】次に、処理対象となった乗りかごの定速走
行中処理サブルーチン40の詳細を図8に示すフローを
参照して説明する。
【0092】(1)図示しないメモリ等に格納される変
数Sxに前回の周期で測定した同期位置Sの値を複写設
定し、乗りかご位置測定装置3−4からの信号により、
現在の同期位置Sを測定する(ステップ40−1、40
−2)。
【0093】(2)乗りかごの停止可能位置である先行
位置Pを演算する。この処理は、定速走行中の停止可能
位置算出手段に相当する。ここで、減速に要する距離
は、加速中の先行位置Pの演算で算出しているので、定
速走行中の先行位置は、各周期の走行距離(S−Sx)
を加算することにより求めることができる(ステップ4
0−3)。
【0094】(3)測定した同期位置S、算出した先行
位置Pのそれぞれに対応する同期階床、先行階床を算出
し、次に、算出した同期階床から保安停止階を設定する
前述で説明したと同一のサブルーチンを実行する(ステ
ップ40−4、60)。
【0095】(4)ステップ60の保安停止階設定サブ
ルーチンの実行終了後、対象乗りかごの先行階床が、前
走する乗りかごの保安停止階に設定されているか否かを
調べる(ステップ40−5)。
【0096】(5)ステップ40−5で、対象乗りかご
の先行階床が、前走する乗りかごの保安停止階に設定さ
れていると判定された場合、対象の乗りかごに保安停止
指令、サービス停止指令、減速指令をそれぞれ設定す
る。この一連の処理が、定速走行中のかご停止手段に相
当する(ステップ40−6、40−8、40−9)。
【0097】(6)ステップ40−5で、対象乗りかご
の先行階床が、前走する乗りかごの保安停止階に設定さ
れていないと判定された場合、先行階床がサービス停止
階であるか否かを調べ、先行階床がサービス停止階であ
る場合、前述したステップ40−8からの処理を行う
(ステップ40−7)。
【0098】(7)ステップ40−7で先行階床がサー
ビス停止階でないと判定された場合、そのまま定速走行
を続けさせる。そして、ステップ40−7、40−9の
処理の終了により、処理対象の乗りかごの定速走行中処
理を終了し、呼び出したプログラムである走行停止処理
プログラム10へ戻る(ステップ40−10)。
【0099】次に、処理対象の乗りかごの減速中処理サ
ブルーチン50の詳細を図9に示すフローを参照して説
明する。
【0100】(1)まず、乗りかご位置測定装置3−4
からの信号により、現在の同期位置Sを測定し、測定し
た同期位置Sに対応する同期階床を算出した後、算出し
た同期階床から保安停止階を設定する前述で既に説明し
たサブルーチンを実行する(ステップ50−1、50−
2、60)。
【0101】(2)次に、乗りかごの減速が完了したか
否かを調べ、減速が完了していなければ、減速中の処理
を続けるため、何もせずに呼び出したプログラムである
走行停止処理プログラム10へ戻る(ステップ50−
3、50−8)。
【0102】(3)ステップ50−3で、減速が完了し
たと判定された場合、走行指令の解除、減速指令の解
除、戸閉指令の解除を行い、引き続き戸開指令を設定す
る。乗りかご制御装置2は、この戸開指令により、戸開
処理を開始する。以上の処理を終了すれば、処理対象の
乗りかごの減速中処理が終了し、呼び出したプログラム
である走行停止処理プログラム10へ戻る(ステップ5
0−4、50−8)。
【0103】前述したように制御される本発明の一実施
例によれば、サービスのための停止と同じ方法で保安の
ための停止を行うことができ、通常の加減速度の範囲の
運行で、安全なマルチカー方式エレベーターを実現する
ことができる。
【0104】また、走行中の加速、減速の制御を、とも
に1度ずつ行えばよく、加減速を繰り返し、あるい
は、、定格速度以外の低速で乗りかごが走行することが
ないので、乗客に不快な乗り心地を与え、あるいは、不
安感を与えることのない乗りかごの運行を行うことがで
きる。
【0105】さらに、本発明の実施例によれば、保安停
止中、サービス階で戸開するため、乗客に閉じ込め感を
与えることがなく、また、保安停止時に、サービス停止
指令も同時に与えるので、該当する保安停止階に別のか
ごが割当てを持っている場合にも保安停止した乗りかご
がそのサービスを行うことができる。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、前
走する乗りかごの現在の位置と後続するかごの停止可能
位置とを常に監視し、後続する乗りかごの停止可能位置
が前走する乗りかごの現在位置から所定の間隔内に進入
した場合に、後続かごを停止させるように、乗りかごの
運行を制御しているので、乗りかごが互いに追突するこ
とのない、安全なマルチカー方式エレベーターシステム
の運行制御装置を提供することができ、しかも、乗りか
ご間の間隔を最小限にすることができるので、運行間隔
の短い、運行の自由度の高いマルチカー方式エレベータ
ーシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】マルチカー方式の概略を説明する図である。
【図3】閉そく間隔と保安停止階を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例の全体の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図5】停止中処理の動作を説明するフローチャートで
ある。
【図6】加速中処理の動作を説明するフローチャートで
ある。
【図7】保安停止階設定処理の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図8】定速走行中処理の動作を説明するフローチャー
トである。
【図9】減速中処理の動作を説明するフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 運行制御装置 2 乗りかご制御装置 3 乗りかご 4 ホール呼び釦 5 上昇走行シャフト 6、8 方向反転スペース 7 下降走行シャフト 1−1 保安停止設定部 1−2 停止可能位置算出部 1−3 乗りかご停止部 3−1 乗りかご本体 3−2 かご外枠 3−3 安全装置 3−4 かご位置測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−275987(JP,A) 特開 平4−361960(JP,A) 特開 平5−51185(JP,A) 特開 平4−354771(JP,A) 特公 昭62−10916(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 1/00 - 9/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層と下層とで接続された上昇走行専用
    シャフトと下降走行専用シャフトとにより形成される循
    環型走行シャフトと、前記循環型走行シャフト内を走行
    する複数の乗りかごと、利用客からの利用要求に応動し
    て前記乗りかごの運行を決定し制御する運行制御装置と
    を備えて構成されるマルチカー方式エレベーターシステ
    ムにおいて、前記循環型走行シャフト内を走行するかご
    の位置から進行方向後方に、緊急時に乗りかごが緊急停
    止装置で停止するまでの落下距離と、後続する乗りかご
    が停止に要する距離と、前記運行制御装置の運行関連の
    演算周期当りの後続する乗りかごの走行距離との3種の
    距離の和の距離間隔以内において後続する乗りかごの運
    行を禁止する運行禁止手段を備えたことを特徴とするマ
    ルチカー方式エレベーターの運行制御装置。
  2. 【請求項2】 上層と下層とで接続された上昇走行専用
    シャフトと下降走行専用シャフトとにより形成される循
    環型走行シャフトと、前記循環型走行シャフト内を走行
    する複数の乗りかごと、利用客からの利用要求に応動し
    て前記乗りかごの運行を決定し制御する運行制御装置と
    を備えて構成されるマルチカー方式エレベーターシステ
    ムにおいて、前記循環型走行シャフト内を走行する乗り
    かごの位置を測定するかご位置測定手段と、測定された
    乗りかごの位置から後方の所定の間隔内を後続する乗り
    かごの運行を禁止する閉そく区間として設定する閉そく
    区間設定手段と、前記閉そく区間を保持するために必要
    な後続する乗りかごの停止階をサービス階の中から選択
    して保安停止階として設定する保安停止階設定手段と、
    走行中の乗りかごの位置に先行する、乗りかごが通常に
    停止可能な位置を算出する停止可能位置算出手段と、算
    出された停止可能な位置が前記保安停止階として設定さ
    れていることを検出して該当する乗りかごを停止させる
    乗りかご停止手段とを備えたことを特徴とするマルチカ
    ー方式エレベーターの運行制御装置。
  3. 【請求項3】 前記閉そく区間設定手段は、閉そく区間
    として設定する所定の間隔を、緊急時に乗りかごが緊急
    停止装置で停止するまでの落下距離と、前記運行制御装
    置の運行関連の演算周期あたりの乗りかごの最大走行距
    離との和の距離以上に設定することを特徴とする請求
    2記載のマルチカー方式エレベーターの運行制御装置。
  4. 【請求項4】 前記乗りかご停止手段は、前記保安停止
    階で後続する乗りかごを戸開状態で停止させることを特
    徴とする請求項2または3記載のマルチカー方式エレベ
    ーターの運行制御装置。
  5. 【請求項5】 上層と下層とで接続された上昇走行専用
    シャフトと下降走行専用シャフトとにより形成される循
    環型走行シャフトと、前記循環型走行シャフト内を走行
    する複数の乗りかごと、利用客からの利用要求に応動し
    て前記乗りかごの運行を決定し制御する運行制御装置と
    を備えて構成されるマルチカー方式エレベーターシステ
    ムにおいて、前記循環型走行シャフト内を走行する乗り
    かごの位置を測定するかご位置測定手段と、測定された
    乗りかごの位置から後方の所定の間隔内を後続する乗り
    かごの運行を禁止する閉そく区間として設定する閉そく
    区間設定手段と、前記閉そく区間を保持するために必要
    な後続する乗りかごの停止階をサービス階の中から選択
    して保安停止階として設定する保安停止階設定手段と、
    停止中の乗りかごの位置が前記保安停止階であることを
    検出して、該当する乗りかごの停止を継続させる停止継
    続手段とを備えたことを特徴とするマルチカー方式エレ
    ベーターの運行制御装置。
  6. 【請求項6】 前記乗りかごは、その内部に音声、文字
    等による情報出力装置を備え、前記停止継続手段が保安
    により乗りかごの停止を継続している間、乗りかご内の
    利用客に対して前記情報出力装置に案内情報を出力する
    ことを特徴とする請求項5記載のマルチカー方式エレベ
    ーターの運行制御装置。
JP5096116A 1993-04-22 1993-04-22 マルチカー方式エレベーターの運行制御装置 Expired - Fee Related JP3029168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5096116A JP3029168B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 マルチカー方式エレベーターの運行制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5096116A JP3029168B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 マルチカー方式エレベーターの運行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06305648A JPH06305648A (ja) 1994-11-01
JP3029168B2 true JP3029168B2 (ja) 2000-04-04

Family

ID=14156417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5096116A Expired - Fee Related JP3029168B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 マルチカー方式エレベーターの運行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3029168B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10081513B2 (en) 2016-12-09 2018-09-25 Otis Elevator Company Motion profile for empty elevator cars and occupied elevator cars

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY154394A (en) * 1995-10-24 2015-06-15 Toshiba Kk Elevator group management control apparatus and elevator group management control method
JP4698004B2 (ja) * 2000-08-16 2011-06-08 東芝エレベータ株式会社 エレベーター
JP4108082B2 (ja) 2002-05-30 2008-06-25 三菱電機株式会社 エレベータの群管理制御装置
JP2005170597A (ja) 2003-12-11 2005-06-30 Mitsubishi Electric Corp エレベータ制御装置及び制御方法
WO2005092762A1 (ja) 2004-03-26 2005-10-06 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータの群管理制御装置
US7392883B2 (en) 2004-03-30 2008-07-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Elevator group control system
US7650966B2 (en) 2004-06-21 2010-01-26 Otis Elevator Company Elevator system including multiple cars in a hoistway, destination entry control and parking positions
CN100567118C (zh) 2004-08-26 2009-12-09 三菱电机株式会社 电梯群管理控制装置
WO2006025103A1 (ja) 2004-08-31 2006-03-09 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha ワンシャフトマルチカー方式エレベータの制御装置
CN100584724C (zh) 2004-12-16 2010-01-27 奥蒂斯电梯公司 在井道内具有多个轿厢的电梯系统
US8087497B2 (en) 2004-12-29 2012-01-03 Otis Elevator Company Compensation in an elevator system having multiple cars within a single hoistway
AU2005327255B2 (en) * 2005-02-04 2009-02-12 Otis Elevator Company Announcements indicating one car is waiting for another car in the same hoistway
KR100946353B1 (ko) 2005-02-04 2010-03-08 오티스 엘리베이터 컴파니 승강로 내의 2 대의 카 중 어느 한 쪽에 부과되는 지연을최소화시키기 위하여 상기 2 대의 카 중 하나의 카에할당되는 호출들
CN101119916B (zh) 2005-02-17 2010-09-29 奥蒂斯电梯公司 在具有两个轿厢的电梯通道内防止碰撞的方法
CN100554120C (zh) 2005-02-17 2009-10-28 奥蒂斯电梯公司 将轿厢去往底坑或者顶部的运行告知电梯乘客的方法
JP4861996B2 (ja) 2005-02-25 2012-01-25 オーチス エレベータ カンパニー 角度を形成するアンダースラング式ローピング配置を有するエレベータかご
JP4552793B2 (ja) * 2005-07-22 2010-09-29 株式会社日立製作所 マルチカーエレベータの安全システム
WO2007050060A1 (en) * 2005-10-25 2007-05-03 Otis Elevator Company Multiple car elevator safety system and method
WO2008079147A1 (en) 2006-12-22 2008-07-03 Otis Elevator Company Elevator system with multiple cars in a single hoistway
JP5215410B2 (ja) 2007-12-05 2013-06-19 オーチス エレベータ カンパニー 単一の昇降路内で2つのエレベータかごを運転する制御方法
WO2010072658A1 (de) * 2008-12-26 2010-07-01 Inventio Ag Aufzugsanlage mit einer sicherheitseinrichtung
JP5493427B2 (ja) * 2009-03-31 2014-05-14 フジテック株式会社 エレベータ設備計画装置
DE112010005335T5 (de) * 2010-03-01 2012-12-06 Mitsubishi Electric Corporation Steuervorrichtung eines fahrstuhls mit mehreren kabinen
JP5765482B2 (ja) 2012-03-23 2015-08-19 三菱電機株式会社 エレベータの制御装置
DE102015212903A1 (de) * 2015-07-09 2017-01-12 Thyssenkrupp Ag Verfahren zum Betreiben eines Aufzugsystems sowie Aufzugsystem

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10081513B2 (en) 2016-12-09 2018-09-25 Otis Elevator Company Motion profile for empty elevator cars and occupied elevator cars

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06305648A (ja) 1994-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3029168B2 (ja) マルチカー方式エレベーターの運行制御装置
EP0030823B1 (en) Relative system response elevator call assignments
KR101518506B1 (ko) 자동운행차량시스템의 합류제어방법과 합류제어시스템
EP0030163B1 (en) Variable elevator up peak dispatching interval
US20100065378A1 (en) Elevator system with multiple cars in a single hoistway
KR101393957B1 (ko) 멀티 카 엘리베이터 제어 장치
US5773772A (en) Transferring elevator cabs between non-contiguous hoistways
JP2000026034A (ja) エレベータの運転装置
JP2835206B2 (ja) 自走式エレベータの制御装置
JP2732730B2 (ja) 自走式エレベータの制御装置
TWI257370B (en) Double deck elevator
EP0776852A1 (en) Elevator shuttle employing horizontally transferred cab
JP3448890B2 (ja) マルチカー方式エレベータの運行制御装置
EP0776856A2 (en) Emergency elevator cab commandeering shuttle
CN111372885A (zh) 具有井道改变单元的电梯系统和用于运行具有井道改变单元的电梯系统的方法
JP3059006B2 (ja) 縦横自走式エレベーターの運行制御方法及びその装置
US4401190A (en) Cars/floors and calls/cars elevator assignments
JPH03172290A (ja) エレベータの群管理制御装置
JP2004238189A (ja) ダブルデッキエレベータの制御装置
JP3419089B2 (ja) エレベータ装置
JPH0539173A (ja) 自走エレベータの運行制御方法
JP2883776B2 (ja) 自走式エレベータ
JPH07277613A (ja) 昇降機システム
JP2001233553A (ja) ダブルデッキエレベータの制御装置
JP4530473B2 (ja) ダブルデッキエレベーター

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080204

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110204

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120204

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120204

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130204

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees