JP5833158B2 - エレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法 - Google Patents

エレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、エレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法に関する。
近年、フロア数が多い中・高層ビルが増加しており、これらのビルでは輸送能力が高いエレベータが必要になる。
輸送能力が高いエレベータの1つとして、「ダブルデッキエレベータ」がある。ダブルデッキエレベータは、上かごと下かごとの2つの乗りかごを連結し、この2つの乗りかごを一体にした状態でシャフト内を走行させることにより、高い輸送能力を得ることができる。
しかしダブルデッキエレベータを利用する際には、奇数階と偶数階と間の移動ができない、一方の階の利用者が他方の階の利用者の乗降を待つ必要がある等の制約があり、乗客の利便性が低下する場合ある。
この問題を解決するためのエレベータとして、「シングルシャフトマルチカーエレベータ」がある。シングルシャフトマルチカーエレベータは、同一シャフト内に複数の乗りかごをそれぞれ独立して走行させることにより、高い輸送能力を得るとともに、上述したような乗客の利便性の低下を防ぐことができる。
しかし上述したシングルシャフトマルチエレベータは、同一のシャフト内を走行する乗りかごどうしが互いに接近しないように運行を制御しなければならないという制約がある。
そのため各乗りかごについて、自乗りかごの占有区間(自乗りかごが走行可能であるとともに他の乗りかごの侵入を禁止する区間)を、進行方向に存在する別の乗りかごの占有区間によって随時決定し、その中でのみ走行するようにする制御方式がある。
このように制御することにより乗りかごどうしの接近は防止できるが、自乗りかごの走行可能範囲が他の乗りかごの占有区間によって制約を受けてしまい、乗車した利用者が目的に向かうことができない場合が生じるという問題がある。
これを解決するため、シングルシャフトマルチエレベータにおいて、利用者がエレベータホールにて予め目的階を登録し、この登録に基づいて当該利用者に所定の乗りかごを割り当てるホール行き先階先行登録システム(DCS:Destination Selection Control system)を利用する技術が提案されている。
この技術により、同一シャフト内で複数の乗りかごを走行させる際に、乗りかごどうしの接近を防ぎ、かつ利用者が目的階に到着できるよう効率よく運転させることができる。
特開2003−81542号公報
しかし、DCSの機能を搭載するためには、大型の目的階登録装置や、どの乗りかごに搭乗すべきかを指示するための表示システム等を各階に設置する必要があり、コストがかかるという問題があった。
また、DCSはまだ一般的になじみが薄く、初めて利用する人が乗車の仕方を理解できずに混乱を招く場合があるという問題があった。
一方、マルチカーエレベータの中でも、複数のシャフトを有し、固定されたシャフト内を走行するシャフト固定乗りかごと、異なるシャフト間を移動可能な状態で走行するシャフト移動乗りかごとを備えたマルチカーエレベータの場合は、同一のシャフトを昇降する乗りかごどうしの運転経路が重なる場合にも、シャフト移動乗りかごを他の走行路に移動させつつ走行させることで、双方の乗りかごを干渉させずに、目的階までそれぞれ移動させる運行方法を取ることが可能である。従って、上述したシャフト移動乗りかごを有するマルチカーエレベータでは、シャフト移動乗りかごを最大限活用することによって、従来のマルチカーにおけるDCS方式や、互いの占有区間に応じてかごの運行範囲に制約を与える従来の方式を用いずとも、マルチカーが本来持つ高い輸送能力と、シングルカー並みの乗客利便性を両立できるはずである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、建物内のエレベータの複数のシャフトにそれぞれ設置された複数のシャフト固定かごと、複数のシャフトのうち異なるシャフト間を水平移動可能であるとともに上下走行可能な状態で設置されたシャフト移動かごとを備えたマルチカーエレベータの運転に際し、シャフト移動かごのシャフト間の移動機能を有効に活用し、DCS(ホール行先階先行登録システム)を用いず、かご内には通常のシングルカーと同様の行先階ボタンを配置し、通常のシングルカーと何ら変わらない使い勝手と、DCSを用いたマルチカーエレベータに匹敵する高い輸送能力とを両立させたエレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータ群管理装置は、予測占有区間情報生成部と重複判定部と移動経路選択部とを有する。予測占有区間情報生成部は、複数のシャフト固定かごおよびシャフト移動かごのいずれかを、停止状態から目的階に向けて出発させる際に、当該目的階までの走行により占有すると予測されるシャフト内の予測占有区間情報を生成する。重複判定部は、生成された予測占有区間情報と他のかごに現在設定されている設定占有区間情報とが重複するか否かを判定する。移動経路選択部は、占有区間が重複すると判定されたときに、シャフト移動かごをシャフト移動させるための移動経路として、前記シャフト移動かごを異なるシャフトに水平移動させながら前記目的階へ昇降させる第1経路、前記シャフト移動かごを現在の階床にて異なるシャフトに水平移動させる第2経路、または前記シャフト移動かごを現在のシャフト内で上方向または下方向に移動させた後、異なるシャフトに水平移動させる第3経路のうち、前記シャフト移動かごに次の目的階があり、前記第1経路での移動が可能であるときには前記第1経路を選択し、前記シャフト移動かごに次の目的階がなく前記第2経路での移動が可能であるとき、または、前記シャフト移動かごに次の目的があるが前記第1経路での移動が可能ではなく前記第2経路での移動が可能であるときには前記第2経路を選択し、前記シャフト移動かごに次の目的階がなく前記第2経路での移動が可能ではないが前記第3経路での移動が可能であるとき、または、前記シャフト移動かごに次の目的階があるが前記第1経路での移動も前記第2経路での移動も可能ではなく前記第3経路での移動が可能であるときには前記第3経路を選択する。

第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置を利用したエレベータシステムの構成を示す全体図。 第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置により制御されるシャフト固定かごおよびシャフト移動かごの構成を示す外観斜視図。 第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置を利用したエレベータシステムの構成を示すブロック図。 第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置の動作を示すフローチャート。 第1実施形態によるエレベータ群管理装置の移動経路選択部の動作を示すフローチャート。 第1実施形態によるエレベータ群管理装置の制御により、シャフト移動かごを水平移動させながら目的階へ昇降させるときの経路を示す説明図。 第1実施形態によるエレベータ群管理装置の制御により、シャフト移動かごを水平移動させるときの経路を示す説明図。 第1実施形態によるエレベータ群管理装置の制御により、シャフト移動かごを上下方向に移動させた後、水平移動させるときの経路を示す説明図。 (a)、(b)は、第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置において、停止中の乗りかごに対して設定される占有区間の例である。 (a)、(b)は、第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置において、同一シャフト内で走行中の乗りかごに対して設定される占有区間の例である。 第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置において、シャフト移動を伴って走行中の乗りかごに対して設定される占有区間の例である。 第1実施形態および第2実施形態によるエレベータ群管理装置において、シャフト移動を伴って走行中の乗りかごに対して設定される占有区間の他の例である。 第2実施形態によるエレベータ群管理装置の移動経路選択部の動作を示すフローチャート。
《第1実施形態》
〈第1実施形態によるエレベータシステムの構成〉
本発明の第1実施形態によるエレベータシステム構成について、図1および2を参照して説明する。なお本実施形態では、2本のシャフト内にそれぞれシャフト固定かごを各1台配置し、それに加えてシャフト間を移動可能な移動かごを1台配置した「2シャフト3台かご」の構成の場合のものである。ただし本発明は、かご台数が必ずしも2シャフト3台かごに限定されるものでは無い。例えば、2本のシャフト内にシャフト固定かごを1台づつと、シャフト移動かご2台の「2シャフト4台かご」の場合でも適用は可能である。
本実施形態によるエレベータシステム1Aを搭載する建物は、エレベータの第1シャフト2−1および第2シャフト2−2を備える。
またエレベータシステム1Aは、第1シャフト2−1内を上下走行するように固定された乗りかご11−1(以下、「第1シャフト固定かご11−1」と称する。)と、第1シャフト固定かご11−1の垂直方向の位置情報を検出する第1垂直位置検出装置12−1と、第1シャフト固定かご11−1および第1垂直位置検出装置12−1に接続された第1シャフト固定かご制御装置13−1とを有する。第1シャフト固定かご11−1内には、かご呼びボタン111−1が設置されている。
またエレベータシステム1Aは、第2シャフト2−2内を上下走行するように固定された乗りかご11−2(以下、「第2シャフト固定かご11−2」と称する。)と、第2シャフト固定かご11−2の垂直方向の位置情報を検出する第2垂直位置検出装置12−2と、第2シャフト固定かご11−2および第2垂直位置検出装置12−2に接続された第2シャフト固定かご制御装置13−2とを有する。第2シャフト固定かご11−2内には、かご呼びボタン111−2が設置されている。
またエレベータシステム1Aは、第1シャフト2−1と第2シャフト2−2との間を水平移動可能であるとともに上下走行可能な状態で設置された乗りかご21(以下、「シャフト移動かご21」と称する。)と、シャフト移動かご21の垂直方向の位置情報を検出する第3垂直位置検出装置22と、シャフト移動かご21の水平方向の位置情報を検出する水平位置検出装置23と、シャフト移動かご21、第3垂直位置検出装置22、および水平位置検出装置23に接続されたシャフト移動かご制御装置24とを有する。シャフト移動かご21内には、かご呼びボタン211が設置されている。
シャフト移動かご21は、図2に示すように、第1シャフト2−1と第2シャフト2−2とにまたがるようにシャフト内に吊り下げられ、図示しないシャフト上方の巻上機によって上下方向に移動可能に設置された背面支持枠28上に設置された水平駆動装置25の駆動により、第1シャフト2−1と第2シャフト2−2との間を水平方向に移動可能であるとともに、垂直方向(上下方向)にも移動可能な状態で設置されている。
図1に戻り、当該建物内の各階(1階〜n階)のエレベータホールには、ホール呼びボタン30−1〜30−nが設置されている。
また、当該建物内のエレベータ機械室や管理室には、第1シャフト固定かご制御装置13−1、第2シャフト固定かご制御装置13−2、シャフト移動かご制御装置24、および、ホール呼びボタン30−1〜30−nに接続され、新規ホール呼に対する呼びの割り付けを行う群管理制御部41や、シャフト移動運行などの本発明に特有の制御を行う機能などを集約した集中管理装置40が設置されている。
図3は、第1シャフト固定かご制御装置13−1、第2シャフト固定かご制御装置13−2、シャフト移動かご制御装置24、および、集中管理装置40の詳細な構成を示すブロック図である。
第1シャフト固定かご制御装置13−1は、通信部131−1と、動作状態取得部132−1と、呼び登録部133−1と、動作制御部134−1とを有する。同様に第2シャフト固定かご制御装置13−2は、通信部131−2と、動作状態取得部132−2と、呼び登録部133−2と、動作制御部134−2とを有する。
通信部131−1および131−2はそれぞれ、集中管理装置40との通信を行うインタフェースである。
動作状態取得部132−1および132−2はそれぞれ、制御対象のシャフト固定かご11−1、11−2の動作状態(昇降状態、戸開閉状態、かご呼びボタン111−1、111−2の操作状態、現在位置、移動速度、目的階等)を示す情報を取得する。
呼び登録部133−1および133−2はそれぞれ、かご呼びボタン111−1、111−2の操作によるかご呼び情報、および集中管理装置40から送信されたホール呼び情報を登録する。
動作制御部134−1、134−2はそれぞれ、呼び登録部133−1、133−2に登録された呼び登録情報に基づいて、第1シャフト固定かご11−1、第2シャフト固定かご11−2の昇降動作、戸開閉動作、かご呼びボタン111−1、111−2の点灯消灯動作等を制御する。
またシャフト移動かご制御装置24は、通信部241と、動作状態取得部242と、呼び登録部243と、動作制御部244とを有する。ただし動作制御244は、他の動作制御部134−1、134−2と異なり、かごのシャフト移動に関する動作の制御も行う。
通信部241は、集中管理装置40との通信を行うインタフェースである。
動作状態取得部242は、制御対象のシャフト移動かご21の動作状態(昇降状態、水平移動状態、戸開閉状態、かご呼びボタン211の操作状態、現在位置、移動速度、目的階等)を示す情報を取得する。
呼び登録部243は、かご呼びボタン211の操作によるかご呼び情報、および集中管理装置40から送信されたホール呼び情報を取得する。
動作制御部244は、呼び登録部243に登録された呼び登録情報に基づいて、シャフト移動かご21の昇降動作、水平移動動作、戸開閉動作、かご呼びボタン211の点灯消灯動作等を制御する。
ホール呼びボタン30−1〜30−nは、エレベータホールの利用者により乗りかごを呼び寄せるためのボタン操作が行われると、ホール呼び情報を生成し、集中管理装置40に送信する。
集中管理装置40は、群管理制御部41の他に、シャフト移動に関連して各かごの運転を総合的に制御する制御部として、設定占有区間情報記憶部42と、予測占有区間情報生成部43と、重複判定部44と、移動経路選択部45と、通信部46とを有する。
群管理制御部41は、第1シャフト固定かご制御装置13−1、第2シャフト固定かご制御装置13−2、およびシャフト移動かご制御装置24が持っている現状のかご呼び情報およびホール呼び割り付け情報を取得し、また、ホール呼びボタン30−1〜30−nから、新規にホール呼びが登録されたことを検出した際には、総合の待ち時間などに基づく評価値が、どの乗りかごに割り付けたときに最良となるかを判断し、最良の評価値となる乗りかごに新規ホール呼びの割り付けを行う。この処理は、通常のシングルカーの群管理制御部と同等の機能である。
設定占有区間情報記憶部42は、第1シャフト固定かご11−1、第2シャフト固定かご11−2、およびシャフト移動かご21のそれぞれについて、現在設定されている、設定占有区間情報を記憶する。設定占有区間情報とは、他の乗りかごの侵入を禁止して、自乗りかごが占有するシャフト内の区間を示す情報である。
予測占有区間情報生成部43は、停止状態のかごが、次の目的階に出発する場合に、目的階への到着までに走行により占有すると予測されるシャフト内の区間を示す予測占有区間情報を生成する。
重複判定部44は、予測占有区間情報生成部43でいずれかの乗りかごに関する予測占有区間情報が生成されると、当該予測占有区間情報が、設定占有区間情報記憶部42に記憶されている他の乗りかごの設定占有区間情報と重複するか否かを判定する。ここで、重複すると判定したときには、シャフト移動かご21の移動指令を送出する。
移動経路選択部45は、重複判定部44からシャフト移動かご21の移動指令が送出されたときに、シャフト移動かご21の最適な移動経路を選択する。
通信部46は、第1シャフト固定かご制御装置13−1、第2シャフト固定かご制御装置13−2、シャフト移動かご制御装置24、およびホール呼びボタン30−1〜30−nとの通信を行い、必要に応じて各かごに待機指令や、シャフト移動指令などを出すためのインタフェースである。
〈第1実施形態によるエレベータシステムの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータシステム1Aの動作について説明する。本実施形態において第1シャフト固定かご制御装置13−1は、通信部131−1を介して、上位の集中管理装置40から出されるかご待機指令や、出発許可指令などの指令を受け取ったり、逆に上位の集中管理装置40に対して、次の目的階への出発許可を得るためのリクエスト(出発リクエスト)を送出するなどの送信動作を、リアルタイムに行う。また、呼び登録部133−1の登録情報に基づき、次の目的階を算出し、動作制御部134−1に対しては、目的階の指示や出発、待機指示を出す。
動作制御部134−1は、動作状態取得部からの指令に基づき、具体的な巻上機の制御やかご扉の戸開閉制御を実施する。
また、呼び登録情報などの必要な情報は、通信部131−1を介して、随時、集中管理装置40にも送信される。
また第2シャフト固定かご制御装置13−2、および第3シャフト固定かご制御装置24についても、同様の動作が実行される。
また集中管理装置40の設定占有区間情報記憶部42には、第1シャフト固定かご11−1、第2シャフト固定かご11−2、およびシャフト移動かご21のそれぞれについて現在設定されている設定占有区間情報が記憶されている。各乗りかごの占有区間の設定ルールについては、後述する。
また、利用者によりホール呼びボタン30−1〜30−nのいずれかが操作されると、操作階情報を含むホール呼び情報が生成され、集中管理装置40に送信される。新規のホール呼びについては、群管理制御部41により、各かごの呼び登録部133−1,133−2,243の情報に基づき、評価値が最適なかごが選定される。選定結果に基づき、通信部46から、当該かごの呼び登録部に呼びが登録される。
また、利用者により第1シャフト固定かご11−1内のかご呼びボタン111−1が操作されると、その情報は、呼び登録部133−1に登録される。これは、第1シャフト固定かご11−2、シャフト移動かご21についても同様である。
次に、登録された呼びに応答して乗りかごを停止状態から目的階に向けて出発させるために、各かごの制御装置13−1、13−2、24のいずれかから集中管理装置40に対して、次の目的階への出発リクエストが送信される。出発リクエストが送信された際に集中管理装置40において実行される処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
群管理制御部41では、いずれかのかごの制御装置から送出された、出発リクエストが検知される(S1の「YES」)
この場合、まず群管理制御部41により、出発リクエストを送出した乗りかごのかご制御装置に対する出発待機指令が生成され、通信部46から送信される(S2)。出発待機指令が受信されたかご制御装置では、登録された呼びに対する当該乗りかごの出発が待機状態となる。
次に、出発リクエストを送出した制御装置に対応する乗りかごの現在位置および目的階の情報が、当該かごの動作状態取得部から取得され、その情報から、予測占有区間情報生成部43において当該乗りかごが目的階まで走行する際に占有すると予測されるシャフト内の区間を示す予測占有区間情報が生成される(S3)。
次に、予測占有区間情報生成部43で生成された予測占有区間情報が、設定占有区間情報記憶部42に記憶されている他の乗りかごの設定占有区間情報と重複するか否かが、重複判定部44において判定される(S4)。
ここで、出発リクエストを送出した乗りかごの予測占有区間情報と、他の乗りかごの設定占有区間情報とが重複しないと判定されたとき(S4の「NO」)は、当該予測占有区間情報が、当該乗りかごの走行中の設定占有区間情報として設定占有区間情報記憶部42に記憶される。また、ステップS2で送信した出発待機指令を解除させるための出発待機の解除指令が生成され、ステップS2で出発待機指令を送信したかご制御装置に送信される(S5)。
出発待機の解除指令を受信したかご制御装置では、呼び登録部に登録された呼びに応答して、目的階に向けて乗りかごの走行を開始するよう、運転制御部により乗りかごが制御される。
走行が開始された乗りかごが目的階に着床し、呼びへの応答が完了すると(S6の「YES」)、設定占有区間情報記憶部42に記憶されている当該乗りかごの設定占有区間情報が、停止中の設定占有区間情報に更新される(S7)。
またステップS4において、出発リクエストを送出した乗りかごの予測占有区間情報と、他の乗りかごの設定占有区間情報とが重複すると判定されたとき(S4の「YES」)は、乗りかごどうしの衝突回避のため、シャフト移動かご21の移動指令が生成される(S8)。
重複判定部44においてシャフト移動かご21の移動指令が生成されると、移動経路選択部45において、シャフト移動かご21の最適な移動経路の選択が行われる(S9)。
移動経路選択部45において実行される、シャフト移動かご21の最適な移動経路の選択処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、集中管理装置40で取得された各乗りかごの動作状態情報に基づいて、シャフト移動かご21が走行中であるか、いずれかの階床に停止中であるかが判定される(S21)。
シャフト移動かご21が停止中であると判定されたとき(S21の「NO」)には、次の目的階があるか否かが判定される(S22)。
次の目的階がある場合(S22の「YES」)には、シャフト移動かご21を異なるシャフトに水平移動させながら当該目的階へ昇降させる第1経路での移動が可能であるか否かが判定される(S23)。
具体的には、シャフト移動かご21を異なるシャフトに水平移動させながら当該目的階へ昇降させる場合の、シャフト移動かご21の予測占有区間情報と、他の乗りかごの設定占有区間情報とが重複せずに当該走行が可能であるか否かが判定される。
第1経路での移動が可能であると判定されたとき(S23の「YES」)には、この第1経路がシャフト移動かご21の移動経路として選択される(S24)。
この第1経路では、シャフト移動を行いながら同時に目的階に向けて走行するため、到着までの移動時間や移動距離のロスを最も抑えることができる。
またステップS22において、シャフト移動かご21に次の目的階がない場合(S22の「NO」)、または、ステップS23において、第1経路での移動が可能ではない(シャフト移動かご21の予測占有区間情報と他の乗りかごの設定占有区間情報とが重複する)と判定されたとき(S23の「NO」)には、シャフト移動かご21を現在の階床にて異なるシャフトに水平移動させる第2経路での移動が可能であるか否かが判定される(S25)。具体的には、シャフト移動かご21を異なるシャフトに水平移動させる場合の、シャフト移動かご21の予測占有区間情報と、他の乗りかごの設定占有区間情報とが重複せずに当該走行が可能であるか否かが判定される。
第2経路での移動が可能であると判定されたとき(S25の「YES」)には、この第2経路がシャフト移動かご21の移動経路として選択される(S26)。
またステップS25において、第2経路での移動も可能ではない(シャフト移動かご21の予測占有区間情報と他の乗りかごの設定占有区間情報とが重複する)と判定されたとき(S25の「NO」)には、シャフト移動かご21を現在のシャフト内で上方向または下方向に移動させた後、異なるシャフトに水平移動させる第3経路での移動が可能であるか否かが判定される(S27)。
第3経路での移動が可能であると判定されたとき(S27の「YES」)には、この第3経路がシャフト移動かご21の移動経路として選択される(S28)。
このようにして、第1経路、第2経路、第3経路の順に高い優先順位で、移動経路が選択される。
ステップS24、S26、またはS28によりシャフト移動かご21の移動経路が選択されたときには、図4のフローチャートに戻ってステップS10からS11に移り、選択された経路にてシャフト移動かご21を移動させるための移動指令がシャフト移動かご制御装置24に送信される。
シャフト移動かご制御装置24では、受信された移動指令に基づいた経路でシャフト移動かご21を移動させるように、動作制御部244により制御される。
シャフト移動かご21の移動について、図6〜図8の具体例を参照して説明する。
図6の例においては、シャフト移動かご21が第1シャフト2−1の2階で乗客を乗せ終えて戸閉を完了し、次の目的階である9階に向けて出発しようとしており、第1シャフト固定かご11−1は第1シャフト2−1の7階にて乗客を乗降車中であり、第2シャフト固定かご11−2は第2シャフト2−2の1階にて乗客を乗降車中である。また、第1シャフト固定かご11−1には、次の目的階として1階が登録されている。
この場合に、それぞれの乗りかごが現在のシャフトで目的階まで移動しようとすると、第1シャフト2−1内で、シャフト移動かご21の2階から9階への移動による占有区間と、第1シャフト固定かご11−1の7階から1階への移動による占有区間が重複するため、シャフト移動かご21の移動指令が生成される。
そして、シャフト移動かご21と第1シャフト固定かご11−1との間には所定以上の距離があり、シャフト移動かご21を第2シャフト2−2に水平移動させながら9階へ昇降させる経路での移動が可能であると判定され、当該移動経路が選択される。
この移動経路が選択されることにより、シャフト移動かご21は、第1シャフト固定かご11−1の横をすり抜けるように、第2シャフト2−2に移動しつつ2階から9階へ移動することが可能になる。また、第1シャフト固定かご11−1は、7階で乗客を乗せ終えて戸閉を完了したときにはシャフト移動かご21が既に第2シャフト2−2への移動を終えているため、第1シャフト2−1内で1階へ向けて移動することが可能になる。
また図7の例においては、シャフト移動かご21が第1シャフト2−1の2階で乗客を乗せ終えて戸閉を完了し、次の目的階である9階に向けて出発しようとしており、第1シャフト固定かご11−1は第1シャフト2−1の7階にて乗客を乗降車中であり、第2シャフト固定かご11−2は第2シャフト2−2の3階にて乗客を乗降車中である。また、第1シャフト固定かご11−1には、次の目的階として1階が登録されている。
この場合に、それぞれの乗りかごが現在のシャフトで目的階まで移動しようとすると、第1シャフト2−1内で、シャフト移動かご21の2階から9階への移動による占有区間と、第1シャフト固定かご11−1の7階から1階への移動による占有区間が重複するため、シャフト移動かご21の移動指令が生成される。
そして、第2シャフト固定かご11−2がシャフト移動かご21の停止階(2階)に近い3階に停止しているため、シャフト移動かご21を第2シャフト2−2に水平移動させながら9階へ昇降させる経路での移動は可能ではないが、シャフト移動かご21を第2シャフト2−2に水平移動させる経路での移動のみであれば可能であると判定され、当該移動経路が選択される。
この移動経路が選択されることにより、第1シャフト固定かご11−1は進路が開かれ、1階に向けて移動することが可能になる。
またシャフト移動かご21は、進行方向に第2シャフト固定かご11−2があるため第2シャフト2−2内で移動を開始することができないが、再度第1シャフト2−1に水平移動してから9階に向けて移動をするかまたは、第2シャフト固定かご11−2が上方向に移動した場合には、第1シャフト2−1に移動しつつ上方向へ移動することで、9階に移動することが可能になる。
また図8の例においては、シャフト移動かご21が第1シャフト2−1の3階で乗客を乗せ終えて戸閉を完了し、次の目的階である9階に向けて出発しようとしており、第1シャフト固定かご11−1は第1シャフト2−1の7階にて乗客を乗降車中であり、第2シャフト固定かご11−2は第2シャフト2−2の3階にて乗客を乗降車中である。また、第1シャフト固定かご11−1には、次の目的階として1階が登録されている。
この場合に、それぞれの乗りかごが現在のシャフトで目的階まで移動しようとすると、第1シャフト2−1内で、シャフト移動かご21の3階から9階への移動による占有区間と、第1シャフト固定かご11−1の7階から1階への移動による占有区間が重複するため、シャフト移動かご21の移動指令が生成される。
そして、第2シャフト固定かご11−2が第1シャフト2−1内のシャフト移動かご21と同じ3階に停止しており、シャフト移動かご21を水平移動させながら目的階へ昇降させる経路での移動も、水平移動による経路での移動もできないが、シャフト移動かご21を第1シャフト2−1内で上方向に移動させた後、第2シャフト2−2に水平移動させる経路での移動は可能であると判定され、当該移動経路が選択される。
この移動経路が選択されることにより、シャフト移動かご21は水平移動可能となる5階まで移動した後、第2シャフト2−2に水平移動をすることで進路が開かれ、目的階である9階に向けて移動することが可能になる。
また第1シャフト固定かご21は、シャフト移動かご21が第2シャフト2−2に水平移動した後に、1階に向けて移動することが可能になる。
このようにシャフト移動かご21のシャフト移動が行われると、集中管理装置40において、送信した移動指令によるシャフト移動かご21の移動動作が完了したか否かが集中管理部40で監視される。移動動作が完了したと判定されたときには(S12のYES))ステップS4に戻り、シャフト移動かご21が移動したことにより、次のフロアへの出発リクエストを出している乗りかごの予測占有区間と、他の乗りかごの設定占有区間とが重複しない状況になったか否かが判定される(S4)。
呼びに応答させる乗りかごの予測占有区間と、他の乗りかごの設定占有区間とが重複しないと判定されるまでステップS8〜S12の処理は繰り返される。
また図5のフローチャートにおいて、ステップS27において、シャフト移動かご21を当該シャフト内で上方向または下方向に移動させた後、異なるシャフトに水平移動させる経路での移動も可能ではない(シャフト移動かご21の予測占有区間と他の乗りかごの設定占有区間とが重複する)と判定されたとき(S27の「NO」)、または、ステップS21においてシャフト移動かご21が走行中であると判定されたとき(S21の「YES」)には、シャフト移動かご21の移動経路なしとして判定され(S30)、図4のフローチャートに戻ってステップS10からS4に移り、各エレベータの運転状況が変化するかシャフト移動が行われることにより占有区間の重複がなくなるまで、S8〜S12の処理が繰り返される。
占有区間が重複しなくなったと判定されたとき(S4の「NO」)は、出発待機の解除指令が生成されて該当するかご制御装置に送信され、呼びへの応答が開始される(S5)。
出発待機の解除指令を受信したかご制御装置では、呼び登録部に登録された呼びに応答して、目的階に向けて乗りかごの走行を開始するよう、運転制御部により制御される。
走行が開始された乗りかごが目的階に着床し、呼びへの応答が完了すると(S6の「YES」)、設定占有区間情報記憶部42に記憶されている当該乗りかごの設定占有区間情報が、停止中の設定占有区間情報に更新される(S7)。
[乗りかごの占有区間の設定ルール]
乗りかごの占有区間の設定ルールの例について、図9〜12を参照して説明する。各図において、占有区間として設定するシャフト内の区間を斜線で示している。
(1) 停止中の乗りかごに対する占有区間の設定ルールの例
図9(a)は、乗りかごの存在するシャフトの停止階の範囲のみを占有区間とするシンプルな例である。本例のように占有区間を設定することにより、他の乗りかごは直近の階床まで侵入することができる。本例は、当該エレベータシステム1A内で停止中の乗りかごに対して用いる可能性が最も高い設定ルールである。
図9(b)は、乗りかごの存在するシャフトの停止階の上下に、1階床の1/2程度のバッファ区間を追加した範囲を占有区間とする例である。本例のように占有区間を設定することにより、停止中の乗りかごに隣接する階床に他の乗りかごが停止できない等の運行上の制約が大きくなる場合があるが、万が一故障の際に、乗りかごどうしの衝突を防止して安全性を高めることができるという利点がある。例えば、システムの故障等により、停止している乗りかごに他の乗りかごが接近してきてしまった場合に、非常停止システムによってバッファ区間でかごを滑らかに停止させることができる。
(2) 同一シャフト内で走行中の乗りかごに対する占有区間の設定ルールの例
図10(a)は、乗りかごの現在位置に基づいて、当該乗りかごが一部でも存在していると認められる階床から目的階までの範囲を占有区間とする例である。本例では、他の乗りかごの侵入を禁止すべき最低限の区間を占有区間として設定しており、当該エレベータシステム1A内で走行中の乗りかごに対して用いる可能性が最も高い設定ルールである。
図10(b)は、乗りかごの現在位置に基づいて、目的階の進行方向前方に、1階床の1/2程度のバッファ区間を追加した範囲を占有区間とする例である。本例のように占有区間を設定することにより、運行上の制約が大きくなる場合があるが、万が一乗りかごが目的階に停止しきれなかった場合にバッファ区間で緊急停止させることができ、安全性を高めることができるという利点がある。
(3) シャフト移動を伴って走行中のシャフト移動乗りかごに対する占有区間の設定ルールの例
図11は、シャフト移動かご21を異なるシャフトに水平移動させながら目的階へ走行させるときの占有区間の設定ルールの例である。
この場合、移動前の第1シャフト2−1と移動後の第2シャフト2−2との双方の、乗りかごの水平移動の開始階から水平移動が完了する階(図11では2階から5階)までの範囲を占有区間とする。
また、乗りかごの水平移動が完了した階から目的階までの上下移動のみを行う範囲は、移動後の第2シャフト2−2を占有区間とする。
本例のように占有区間を設定することにより、他の乗りかごと接触せずに、乗りかごを異なるシャフトに水平移動させながら目的階へ昇降させることができる。
図12は、シャフト移動かご21をシャフト内で上下方向に移動させた後、異なるシャフトに水平移動させ、さらに目的階まで上下方向に移動させて目的階まで走行させるときの占有区間の設定ルールの例でさる。
この場合、各シャフトについて、乗りかごを上下方向に移動させる範囲を占有区間とする。図12では、第1シャフト2−1の2階〜5階と、第2シャフト2−2の5階〜10階とが占有区間として設定されており、水平移動を行う5階の占有区間は、第1シャフト2−1と第2シャフト2−2との双方に跨って設定されている。
上述した占有区間の設定ルールは、予測占有区間情報を生成する際にも適用される。
以上の第1実施形態によれば、2本のシャフト内を3台の乗りかごが走行するエレベータシステムにおいて、乗りかご同士の占有区間が重ならないときには通常の3シャフトシングルカーエレベータと同じようにそれぞれの乗りかごがシャフト内を自由に走行することができ、また、同一シャフトの乗りかご同士の占有区間が重なる状況が発生した場合には、シャフト移動かごが走行可能な最良の経路によって速やかにシャフト移動を実施して、占有区間が重ならなくなるように制御することができる。
このように制御することにより、システム内にDCS等の新たなハード機器を追加することなく、シャフト移動乗りかごのシャフト間の移動機能を有効に利用してなるべく少ないロスで、高い輸送能力を発揮させることが可能になる。その際、乗客は一般のシングルカーエレベータを利用する場合と何ら変わらずに利用することができる。
なお、本実施形態においては説明を簡略化するためにシャフト本数、乗りかご数ともに最小の構成としたが、これに限定されるものではなく、さらに多くのシャフト本数、乗りかご数を備えたエレベータシステムとしてもよい。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態によるエレベータシステム1Bの構成は、第1実施形態によるエレベータシステム1Aの構成と同様であり、図4のステップS9において集中管理装置40の移動経路選択部45で実行される移動経路の選択処理を除いては同様の動作が行われるため、同一部分の詳細な説明は省略する。
本実施形態によるエレベータシステム1Bの移動経路選択部45において実行される、シャフト移動かご21の最適な移動経路の選択処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、群管理制御部41で取得された各乗りかごの動作状態情報に基づいて、シャフト移動かご21が走行中であるか、いずれかの階床に停止中であるかが判定される(S41)。
シャフト移動かご21が停止中であると判定されたとき(S41の「NO」)には、シャフト移動かご21の予測占有区間と他の乗りかごの設定占有区間とが重複しない複数の走行経路が選択される(S42)。このときに、合わせてシャフト移動かご21のシャフト移動をすぐに実施せず、しばらく待機した後に移動を開始させる場合の移動経路についても選択される。
次に、選択された各移動経路に関し、各乗りかごで必要な待機時間が算出される(S43)。
次に、群管理制御部41で取得された各乗りかごの動作状態情報に基づいて、算出された各乗りかごの待機時間から乗客の乗降車時間を差し引いた「純粋な待機時間」を算出し、これに基づいて各移動経路に関する、各乗りかごの待機予測時間の最大値もしくは合計値、または、システム全体でのホール待ち時間の増加度合いを示す評価値が算出される(S44)。
次に、算出された評価値が最小の移動経路、つまりシステム全体での乗客のホール待ち時間の増加が最も少ない経路が、移動経路として選択される(S45)。
ステップS45において移動経路が選択されると、図4のフローチャートに戻ってステップS10からステップS11に移り、選択された経路にてシャフト移動かご21を移動させるための移動指令がシャフト移動かご制御装置24に送信される。
またステップS41においてシャフト移動かご21が走行中であると判定されたとき(S41の「YES」)には、シャフト移動かご21の移動経路なしとして判定され(S47)、図4のフローチャートに戻ってステップS10からS4に移り、各エレベータの運転状況が変化するかシャフト移動が行われることにより占有区間の重複がなくなるまで、S8〜S12の処理が繰り返される。
以上の第2実施形態によれば、2本のシャフト内を3台の乗りかごが走行するエレベータシステムにおいて、乗りかご同士の占有区間が重ならないときには通常の3シャフトシングルカーエレベータと同じようにそれぞれの乗りかごがシャフト内を自由に走行することができ、また、同一シャフトの乗りかご同士の占有区間が重なる状況が発生した場合には、シャフト移動かごが走行可能な最良の経路によって速やかにシャフト移動を実施して、占有区間が重ならなくなるようにすることができる。
特にシャフト移動かごの移動経路を選択する際に、第1実施形態のエレベータシステムではシャフト移動かごが目的階に到着するまでシャフト固定かごが出発できず、シャフト固定かごの待機時間が長くなる場合があるが、第2実施形態のエレベータシステムでは、エレベータシステム全体のロス時間を評価した値に基づいて移動経路を選択するため、一方の乗りかごの待ち時間が長くなる事態を防ぐことができ、より効率よく運転することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A、1B エレベータシステム
2−1 第1シャフト
2−2 第2シャフト
11−1 第1シャフト固定かご
11−2 第2シャフト固定かご
12−1 第1垂直位置検出装置
12−2 第2垂直位置検出装置
13−1 第1シャフト固定かご制御装置
13−2 第2シャフト固定かご制御装置
21 シャフト移動かご
22 第3垂直位置検出装置
23 水平位置検出装置
24 シャフト移動かご制御装置
25 水平駆動装置
30−1〜30−n ホール呼びボタン
40 集中管理装置(エレベータ群管理装置)
41 群管理制御部
42 設定占有区間情報記憶部
43 予測占有区間情報生成部
44 重複判定部
45 移動経路選択部
46 通信部
111−1、111−2、211 かご呼びボタン
131−1、131−2、241 通信部
132−1、132−2、242 動作状態取得部
133−1、133−2、243 呼び登録部
134−1、134−2、244 動作制御部

Claims (3)

  1. 建物内のエレベータの複数のシャフトにそれぞれ設置された複数のシャフト固定かごと、前記複数のシャフトのうち異なるシャフト間を水平移動可能であるとともに上下走行可能な状態で設置されたシャフト移動かごとに接続されたエレベータ群管理装置において、
    前記複数のシャフト固定かごおよび前記シャフト移動かごについてそれぞれ設定された、他のかごの侵入を禁止して自かごが占有するシャフト内の区間を示す設定占有区間情報を記憶する設定占有区間情報記憶部と、
    前記複数のシャフト固定かごおよび前記シャフト移動かごのいずれかを、停止状態から目的階に向けて出発させる際に、当該目的階までの走行により占有すると予測されるシャフト内の区間を示す予測占有区間情報を生成する予測占有区間情報生成部と、
    前記予測占有区間情報生成部で予測占有区間情報が生成されたときに、生成された予測占有区間情報と前記設定占有区間情報記憶部に記憶されている他のかごの設定占有区間情報とが重複するか否かを判定する重複判定部と、
    前記重複判定部で生成された予測占有区間情報と他のかごの設定占有区間情報とが重複すると判定されたときに、前記シャフト移動かごをシャフト移動させるための移動経路として、前記シャフト移動かごを異なるシャフトに水平移動させながら前記目的階へ昇降させる第1経路、前記シャフト移動かごを現在の階床にて異なるシャフトに水平移動させる第2経路、または前記シャフト移動かごを現在のシャフト内で上方向または下方向に移動させた後、異なるシャフトに水平移動させる第3経路のうち、
    前記シャフト移動かごに次の目的階があり、前記第1経路での移動が可能であるときには前記第1経路を選択し、
    前記シャフト移動かごに次の目的階がなく前記第2経路での移動が可能であるとき、または、前記シャフト移動かごに次の目的があるが前記第1経路での移動が可能ではなく前記第2経路での移動が可能であるときには前記第2経路を選択し、
    前記シャフト移動かごに次の目的階がなく前記第2経路での移動が可能ではないが前記第3経路での移動が可能であるとき、または、前記シャフト移動かごに次の目的階があるが前記第1経路での移動も前記第2経路での移動も可能ではなく前記第3経路での移動が可能であるときには前記第3経路を選択する移動経路選択部と
    を備えることを特徴とするエレベータ群管理装置。
  2. 前記設定占有区間情報および前記予測占有区間情報は、
    停止中のかごについては、当該かごの存在するシャフトの停止階の範囲のみを占有区間とするかまたは、当該かごの存在するシャフトの停止階の上下に所定のバッファ区間を追加した範囲を占有区間とし、
    同一シャフト内で走行中のかごについては、当該シャフト内の、当該かごの現在位置に対応する階床から目的階までの範囲を占有区間とするかまたは、当該かごの現在位置に対応する階床から目的階の進行方向前方に所定のバッファ区間を追加した範囲を占有区間とし、
    シャフト移動を伴って走行中のかごについては、移動前のシャフトおよび移動後のシャフトの、シャフト移動の開始階から完了する階までの範囲を占有区間として生成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ群管理装置。
  3. 建物内のエレベータの複数のシャフトにそれぞれ設置された複数のシャフト固定かごと、前記複数のシャフトのうち異なるシャフト間を水平移動可能であるとともに上下走行可能な状態で設置されたシャフト移動かごとに接続されたエレベータ群管理装置が、
    前記複数のシャフト固定かごおよび前記シャフト移動かごについてそれぞれ設定された、他のかごの侵入を禁止して自かごが占有するシャフト内の区間を示す設定占有区間情報を記憶するステップと、
    前記複数のシャフト固定かごおよび前記シャフト移動かごのいずれかを、停止状態から目的階に向けて出発させる際に、当該目的階までの走行により占有すると予測されるシャフト内の区間を示す予測占有区間情報を生成するステップと、
    前記予測占有区間情報が生成されたときに、生成された予測占有区間情報と、前記記憶されている他のかごの設定占有区間情報とが重複するか否かを判定するステップと、
    前記生成された予測占有区間情報と他のかごの設定占有区間情報とが重複すると判定されたときに、前記シャフト移動かごをシャフト移動させるための移動経路として、前記シャフト移動かごを異なるシャフトに水平移動させながら前記目的階へ昇降させる第1経路、前記シャフト移動かごを現在の階床にて異なるシャフトに水平移動させる第2経路、または前記シャフト移動かごを現在のシャフト内で上方向または下方向に移動させた後、異なるシャフトに水平移動させる第3経路のうち、
    前記シャフト移動かごに次の目的階があり、前記第1経路での移動が可能であるときには前記第1経路を選択し、
    前記シャフト移動かごに次の目的階がなく前記第2経路での移動が可能であるとき、または、前記シャフト移動かごに次の目的があるが前記第1経路での移動が可能ではなく前記第2経路での移動が可能であるときには前記第2経路を選択し、
    前記シャフト移動かごに次の目的階がなく前記第2経路での移動が可能ではないが前記第3経路での移動が可能であるとき、または、前記シャフト移動かごに次の目的階があるが前記第1経路での移動も前記第2経路での移動も可能ではなく前記第3経路での移動が可能であるときには前記第3経路を選択するステップと
    を有することを特徴とするエレベータ群管理方法。
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