JPWO2011037158A1 - 抗体定常領域改変体 - Google Patents

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Abstract

本発明者らは、アミノ酸配列の改変によって、抗体のアゴニスト活性を増強させることが可能な定常領域の提供に成功した。具体的には、抗体重鎖定常領域のアミノ酸が置換や欠損された定常領域を有する抗体、又はヒンジ領域のアミノ酸が置換された定常領域を有する抗体は、アゴニスト活性が増強することが見出された。このような抗体を医薬品製剤として使用することにより、より性能の優れた医薬品製剤を提供することが出来る。

Description

本発明は、アミノ酸配列が改変された抗体定常領域、該定常領域を含む抗体、該抗体を含む医薬組成物、並びにそれらの製造方法に関する。
抗体は血中での安定性が高く、抗原性も少ないことから医薬品として注目されている。その中でも、受容体などの細胞表面に発現するタンパク質を認識し、特異的反応を細胞に生じさせることが可能なアゴニスト抗体は医薬品として有用であると考えられている。エリスロポエチン受容体に対するアゴニスト抗体、トロンボポエチン受容体に対するアゴニスト抗体(J. Biol. Chem., (1996), 271(40), 24691-24697:非特許文献1)など、既に幾つかのアゴニスト抗体が報告されている。
又、近年、ヒトに対する抗原性、血中半減期などの観点から、抗体中のアミノ酸配列に対して置換などの何らかの改変が行われた改変抗体が医薬品として開発されている。例えば、ヒトに対する抗原性を減少させる為にヒト化やキメラ化等が行われたキメラ抗体やヒト化抗体が多数報告されている。これらのヒト化抗体やキメラ化抗体は医薬品として優れた性質を有していると考えられている。さらに、抗体の血中半減期などを改善する為に、ヒト由来の抗体定常領域にアミノ酸の改変が行われた抗体定常領域も報告されている(WO2009/041613:特許文献1)。
しかしながら、抗体のアゴニスト活性を増強する為に抗体の定常領域のアミノ酸を改変した報告はない。
J. Biol. Chem., (1996), 271(40), 24691-24697
WO2009/041613
本発明はこのような状況に鑑みて為されたものである。本発明は抗体のアゴニスト活性を増強させることが出来る抗体重鎖定常領域、並びに当該定常領域と可変領域とを含む抗体を提供することを課題とする。
本発明者らは、アゴニスト活性が増強した抗体定常領域の創製に向けて鋭意研究を行った。その結果本発明者らは、抗体重鎖の定常領域、特にヒンジ領域のアミノ酸配列を改変し、抗体の定常領域のフレキシビリティを小さくすることで、抗体のアゴニスト活性を増強させることが可能であることを見出した。
本発明は、アミノ酸配列が改変された抗体重鎖定常領域であって、抗体のアゴニスト活性を増強させることが可能な定常領域、該抗体定常領域を含む抗体、該抗体を含む医薬組成物、並びに、それらの製造方法に関する。より具体的には、以下〔1〕〜〔43〕を提供する。
〔1〕配列番号:32(IgG1定常領域)のアミノ酸配列において、アッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔2〕EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含む〔1〕に記載の抗体定常領域。
〔3〕EUナンバリング223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含む〔1〕に記載の抗体定常領域。
〔4〕EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損を含むことを特徴とする〔1〕に記載の抗体定常領域。
〔5〕EUナンバリング222番目のLysの欠損をさらに含むことを特徴とする〔4〕に記載の抗体定常領域。
〔6〕EUナンバリング221番目のAspおよび222番目のLysの欠損をさらに含むことを特徴とする〔4〕に記載の抗体定常領域。
〔7〕EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAspおよび222番目のLysの欠損をさらに含むことを特徴とする〔4〕に記載の抗体定常領域。
〔8〕EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAsp、222番目のLysから選択される少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換をさらに含むことを特徴とする〔1〕〜〔7〕いずれかに記載の抗体定常領域。
〔9〕EUナンバリング219番目のSerおよび220番目のCysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔10〕219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔11〕EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔12〕EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔13〕EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔14〕EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔15〕EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCysの他のアミノ酸置換を含むことを特徴とする〔8〕に記載の抗体定常領域。
〔16〕配列番号:20(M97)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔17〕配列番号:22(M98)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔18〕配列番号:24(M101)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔19〕配列番号:26(M132)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔20〕配列番号:45(M146)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔21〕配列番号:33(M148)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔22〕配列番号:34(M152)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔23〕配列番号:39(M167)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔24〕配列番号:40(M168)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔25〕配列番号:37(M169)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔26〕配列番号:38(M154)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
〔27〕〔1〕から〔26〕のいずれかに記載の抗体定常領域を有する抗体。
〔28〕ヒトIgG1の重鎖アッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸が欠損され又は他のアミノ酸に置換された抗体定常領域を含むアゴニスト抗体であって、かつ当該欠損又は置換を導入する前と比較してアゴニスト活性が増強している抗体。
〔29〕〔27〕または〔28〕に記載の抗体を含む医薬組成物。
〔30〕ヒトIgG1において重鎖のアッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸を欠損または他のアミノ酸に置換する工程を含む、抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
〔31〕配列番号:32(IgG1定常領域)のアミノ酸配列において、EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸を欠損する工程を含む、抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
〔32〕EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程を含むことを特徴とする〔31〕に記載の方法。
〔33〕EUナンバリング222番目のLysを欠損する工程をさらに含む〔32〕に記載の方法。
〔34〕EUナンバリング221番目のAspを欠損する工程をさらに含む〔33〕に記載の方法。
〔35〕EUナンバリング218番目のLysおよび219番目のSerを欠損する工程をさらに含む〔34〕に記載の方法。
〔36〕EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAsp、222番目のLysから選択される少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換する工程をさらに含む〔31〕〜〔35〕いずれかに記載の方法。
〔37〕219番目のSerおよび220番目のCysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
〔38〕219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
〔39〕EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
〔40〕EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
〔41〕EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
〔42〕EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
〔43〕EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする〔36〕に記載の方法。
本発明によって、抗体のアゴニスト活性を増強させることが可能な定常領域が提供された。本発明の定常領域を有する抗体は、アゴニスト活性が増強している。本発明の定常領域を有する抗体を医薬品製剤として使用することにより、より性能の優れた医薬品製剤を提供することが出来る。
IM9細胞において、濃度依存的に細胞増殖を抑制するグラフである。 IgG1のEUナンバリング223-225のアミノ酸残基Thr-His-Thrを欠損させることにより細胞死活性が大幅に向上することを示すグラフである。 定常領域M97、M167、M168、M169の細胞死活性を示すグラフである。 Cysの位置により細胞死活性が向上するグラフである。 M101、M132、M146、M148、M152の細胞死活性を示すグラフである。M152、M148、M132、M146、M101の順に強い細胞死活性を示した。 定常領域M133、M134の細胞死活性を示すグラフである。IgG1のLower HingeをIgG2のそれと置換することにより、細胞死活性が減少する傾向が見られた。 定常領域M132、M154の細胞死活性を示すグラフである。
本発明は、アミノ酸配列が改変された抗体重鎖定常領域(ポリペプチド)であって、抗体のアゴニスト活性を増強させることが可能な定常領域(ポリペプチド)、該定常領域(ポリペプチド)を含む抗体、該抗体を含む医薬組成物、ならびにそれらの製造方法を提供する。
抗体の重鎖定常領域にはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4タイプの定常領域が存在する。本発明は、特に限定されないが、アミノ酸配列が改変されたIgG1定常領域に関する。より具体的には本発明は、アミノ酸配列が改変されたヒトIgG1定常領域に関する。ヒトIgG1定常領域のアミノ酸配列は公知である(配列番号:32)。
本発明のヒトIgG1定常領域としては、遺伝子多型による複数のアロタイプ配列がSequences of proteins of immunological interest, NIH Publication No.91-3242に記載されているが、本発明においてはそのいずれであっても良い。
本発明において改変とは、置換、欠損、付加、挿入のいずれか、又はそれらの組み合わせを意味する。
また本発明の抗体重鎖定常領域は、本発明に基づいて導入されたアミノ酸配列の改変に加え、更に付加的な改変を含むことができる。付加的な改変は、たとえば、アミノ酸の置換、欠損、あるいは修飾のいずれか、あるいはそれらの組み合わせから選択することができる。具体的には、そのアミノ酸配列に次のような改変を含む定常領域は、いずれも本発明に含まれる。
*配列番号:32(ヒトIgG1定常領域)のアミノ酸配列に対して本発明に基づく改変を導入する。
*改変された配列番号:32(ヒトIgG1定常領域)のアミノ酸配列に対して本発明に基づく改変を導入する。
*配列番号:32(ヒトIgG1定常領域)のアミノ酸配列に対して本発明に基づく改変を導入し、更に付加的な改変も導入する。
本発明のヒンジ領域にはUpperヒンジ領域、Middleヒンジ領域、Lowerヒンジ領域が含まれる。本発明の抗体重鎖定常領域は、アッパーヒンジ領域において少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含む。通常、アッパーヒンジ領域はEUナンバリング216-225の領域である。
本発明のアミノ酸の修飾には、翻訳後修飾が含まれる。具体的な翻訳後修飾として、糖鎖の付加あるいは欠損を示すことができる。たとえば、配列番号:32に記載のアミノ酸配列をからなるIgG1定常領域において、EUナンバリングの297番目のアミノ酸残基は、糖鎖で修飾されたものであることができる。修飾される糖鎖構造は限定されない。一般的に、真核細胞で発現される抗体は、定常領域に糖鎖修飾を含む。したがって、以下のような細胞で発現される抗体は、通常、何らかの糖鎖で修飾される。
・哺乳動物の抗体産生細胞
・抗体をコードするDNAを含む発現ベクターで形質転換された真核細胞
ここに示した真核細胞には、酵母や動物細胞が含まれる。たとえばCHO細胞やHEK293H細胞は、抗体をコードするDNAを含む発現ベクターで形質転換するための代表的な動物細胞である。他方、当該位置に糖鎖修飾が無いものも本発明の定常領域に含まれる。定常領域が糖鎖で修飾されていない抗体は、抗体をコードする遺伝子を大腸菌などの原核細胞で発現させて得ることができる。
<アミノ酸改変IgG1定常領域>
本発明は、アミノ酸配列が改変された抗体重鎖定常領域を提供する。好ましくは、本発明は抗体に増強したアゴニスト活性を付与することが可能な抗体定常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:32(IgG1定常領域)のアミノ酸配列において、アッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域を提供する。
アミノ酸が欠損する部位は特に限定されず、アッパーヒンジ領域の如何なるアミノ酸が欠損してもよい。
本発明は、配列番号:32に記載のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域(ヒトIgG1定常領域)において、以下からなる群より選択される選択される少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域を提供する。
・EUナンバリング218番目のLys(配列番号:32のアミノ酸配列において101番目のLys)
・EUナンバリング219番目のSer(配列番号:32のアミノ酸配列において102番目のSer)
・EUナンバリング221番目のAsp(配列番号:32のアミノ酸配列において104番目のAsp)
・EUナンバリング222番目のLys(配列番号:32のアミノ酸配列において105番目のLys)
・EUナンバリング223番目のThr(配列番号:32のアミノ酸配列において106番目のThr)
・EUナンバリング224番目のHis(配列番号:32のアミノ酸配列において107番目のHis)
・EUナンバリング225番目のThr(配列番号:32のアミノ酸配列において108番目のThr)
本発明において、上述のアミノ酸から選択された少なくとも1つのアミノ酸が欠損する場合、欠損するアミノ酸の数は特に限定されず、上述のアミノ酸の中から1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ若しくは7つのアミノ酸を選択して欠損することができる。
欠損(i)
本発明の好ましい態様としては、配列番号:32に記載のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域(ヒトIgG1定常領域)において、EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。そのような抗体定常領域の具体的な例としては、例えば、配列番号:20(M97)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域などを挙げることができる。配列番号:20に記載のアミノ酸配列ではIgG1のC末端に存在するGly(EUナンバリング446)およびLys(EUナンバリング447)が欠損しているが、これらのGlyおよびLysが配列番号:20に記載のアミノ酸配列のC末端に付加されていてもよい。従って、上述の抗体定常領域の具体的な他の例として、配列番号20のアミノ酸配列において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。
欠損(ii)
本発明の好ましい他の態様としては、配列番号:32に記載のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域(ヒトIgG1定常領域)において、EUナンバリング222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。そのような抗体定常領域の具体的な例としては、例えば、配列番号:39(M167)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域などを挙げることができる。配列番号:39に記載のアミノ酸配列ではIgG1のC末端に存在するGly(EUナンバリング446)およびLys(EUナンバリング447)が欠損しているが、これらのGlyおよびLysが配列番号:39に記載のアミノ酸配列のC末端に付加されていてもよい。従って、上述の抗体定常領域の具体的な他の例として、配列番号:39のアミノ酸配列において325番目にGly、326番目にLysが付加したアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。
欠損(iii)
本発明の好ましい他の態様としては、配列番号:32に記載のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域(ヒトIgG1定常領域)において、EUナンバリング221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。そのような抗体定常領域の具体的な例としては、例えば、配列番号:40(M168)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域などを挙げることができる。配列番号:40に記載のアミノ酸配列ではIgG1のC末端に存在するGly(EUナンバリング446)およびLys(EUナンバリング447)が欠損しているが、これらのGlyおよびLysが配列番号:40に記載のアミノ酸配列のC末端に付加されていてもよい。従って、上述の抗体定常領域の具体的な他の例として、配列番号:40のアミノ酸配列において324番目にGly、325番目にLysが付加したアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。
欠損(iv)
本発明の好ましい他の態様としては、配列番号:32に記載のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域(ヒトIgG1定常領域)において、EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。そのような抗体定常領域の具体的な例としては、例えば、配列番号:37(M169)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域などを挙げることができる。配列番号:37に記載のアミノ酸配列ではIgG1のC末端に存在するGly(EUナンバリング446)およびLys(EUナンバリング447)が欠損しているが、これらのGlyおよびLysが配列番号:37に記載のアミノ酸配列のC末端に付加されていてもよい。従って、上述の抗体定常領域の具体的な他の例として、配列番号:37のアミノ酸配列において322番目にGly、323番目にLysが付加したアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。
特に限定されるものではないが、抗体重鎖定常領域にこれらの改変(欠損)を導入することにより、抗体のアゴニスト活性を増強させることが可能である。
本発明により提供される重鎖定常領域は、少なくとも上述のアミノ酸の改変(欠損)が導入されていればよく、同時に他のアミノ酸の改変(置換、欠損、付加および/または挿入など)や修飾が導入されてもよい。
さらに本発明は、上述の欠損が導入された抗体重鎖定常領域に対してさらなるアミノ酸の改変が導入された抗体重鎖定常領域を提供する。
より具体的には本発明は、上述のEUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含む抗体重鎖定常領域において、更に以下からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸へ置換された抗体重鎖定常領域を提供する。
・EUナンバリング192番目のSer(配列番号:32のアミノ酸配列において75番目のSer)
・EUナンバリング193番目のLeu(配列番号:32のアミノ酸配列において76番目のLeu)
・EUナンバリング199番目のIle(配列番号:32のアミノ酸配列において82番目のIle)
・EUナンバリング214番目のLys(配列番号:32のアミノ酸配列において97番目のLys)
・EUナンバリング217番目のPro(配列番号:32のアミノ酸配列において100番目のPro)
・EUナンバリング219番目のSer(配列番号:32のアミノ酸配列において102番目のSer)
・EUナンバリング220番目のCys(配列番号:32のアミノ酸配列において103番目のCys)
・EUナンバリング221番目のAsp(配列番号:32のアミノ酸配列において104番目のAsp)
・EUナンバリング222番目のLys(配列番号:32のアミノ酸配列において105番目のLys)
本発明において、上述のアミノ酸から選択された少なくとも1つのアミノ酸を置換する場合、置換するアミノ酸の数は特に限定されず、上述のアミノ酸の中から1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ若しくは9つのアミノ酸を選択して置換することができる。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、
・EUナンバリング192番目のSerはAsnに、
・EUナンバリング193番目のLeuはPheに、
・EUナンバリング199番目のIleはThrに、
・EUナンバリング214番目のLysはThrに、
・EUナンバリング217番目のProはArgに、
・EUナンバリング219番目のSerはCysに、
・EUナンバリング220番目のCysはSerに、
・EUナンバリング221番目のAspはValに、
・EUナンバリング222番目のLysはGluに、
置換されることが好ましい。
複数のアミノ酸が置換される場合、置換されるアミノ酸の組み合わせの好ましい態様として以下(1)〜(7)の組み合わせが挙げられる。
(1) EUナンバリング219番目のSerおよび220番目のCysの他のアミノ酸への置換
(2) EUナンバリング219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換
(3) EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換
(4) EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換
(5) EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換
(6) EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換
(7) EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSerおよび220番目のCysの他のアミノ酸への置換
上述のアミノ酸の欠損(i)〜(iv)と上述のアミノ酸の置換(1)〜(7)は適宜組み合わせることが可能であり、本発明においては如何なる組み合わせでもよい。
アミノ酸の欠損とアミノ酸の置換の好ましい組み合わせの例としては、以下の組み合わせを挙げることができる。
・EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング219番目のSerおよび220番目のCysの他のアミノ酸への置換(欠損(i)と置換(1)の組み合わせ)
・EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換(欠損(i)と置換(2)の組み合わせ)
・EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換(欠損(i)と置換(3)の組み合わせ)
・EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換(欠損(i)と置換(4)の組み合わせ)
・EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換(欠損(i)と置換(5)の組み合わせ)
・EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換(欠損(i)と置換(6)の組み合わせ)
・EUナンバリング221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損とEUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSerおよび220番目のCysの他のアミノ酸への置換(欠損(iii)と置換(7)の組み合わせ)
このような抗体定常領域の好ましい態様として以下の抗体定常領域が挙げられる。
・配列番号:22(M98)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
・配列番号:24(M101)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
・配列番号:26(M132)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
・配列番号:45(M146)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
・配列番号:33(M148)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
・配列番号:34(M152)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
・配列番号:38(M154)に記載のアミノ酸配列を有する抗体定常領域
さらに、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:45、配列番号:33、配列番号:34または配列番号:38に記載のアミノ酸配列ではIgG1のC末端に存在するGly(EUナンバリング446)およびLys(EUナンバリング447)が欠損しているが、これらのGlyおよびLysが配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:45、配列番号:33、配列番号:34または配列番号:38に記載のアミノ酸配列のC末端に付加されていてもよい。従って、上述の抗体定常領域の具体的な他の例として、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:45(M146)、配列番号:33(M148)または配列番号:34(M152)のアミノ酸配列においてEUナンバリング326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列を有する抗体定常領域または配列番号:38(M154)のアミノ酸配列においてEUナンバリング324番目にGly、325番目にLysが付加したアミノ酸配列を有する抗体定常領域を挙げることができる。
特に限定されるものではないが、抗体重鎖定常領域にこれらの置換を導入することにより、抗体のアゴニスト活性を増強することが可能となる。
本発明により提供される抗体重鎖定常領域は、少なくとも上述のアミノ酸置換が導入されている限り、同時に他のアミノ酸の改変(置換、欠損、付加および/または挿入など)や修飾が導入されていてもよい。
さらに、本発明は本発明の抗体定常領域をコードする遺伝子、該遺伝子を含むベクター、該ベクターを含む細胞(宿主細胞など)、該細胞を培養して本発明の抗体定常領域を製造する方法を提供する。遺伝子、ベクター、細胞、製造方法については後述の通りである。
<抗体>
さらに、本発明は上述のいずれかに記載のアミノ酸配列が改変された重鎖定常領域を含む抗体を提供する。
さらに、本発明は、ヒトIgG1の重鎖アッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸が欠損され又は他のアミノ酸に置換された抗体定常領域を含むアゴニスト抗体であって、かつ当該欠損又は置換前と比較してアゴニスト活性が増強している抗体を提供する。
本発明の抗体を構成する可変領域は、任意の抗原を認識する可変領域であることが出来る。本発明における好ましい可変領域の例として、アゴニスト活性を有する抗体の可変領域を示すことが出来る。たとえば、アゴニスト活性を有する抗HLA-A抗体の可変領域を、本発明の抗体を構成する可変領域とすることが出来る。重鎖可変領域を構成するアミノ酸配列は、その抗原結合活性が維持される限り、1または複数のアミノ酸残基の改変が許容される。
可変領域のアミノ酸配列を改変する場合、改変される部位や改変されるアミノ酸の数は特に限定されない。例えば、CDRおよび/またはFRに存在するアミノ酸を適宜、改変することができる。可変領域のアミノ酸を改変する場合、特に限定されないが、結合活性が維持されていることが好ましく、例えば、改変前と比較して50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%以上の結合活性を有していることが好ましい。又、アミノ酸改変により結合活性が上昇していてもよく、例えば結合活性が改変前と比較して2倍、5倍、10倍等になっていてもよい。本発明の抗体において、アミノ酸配列の改変とは、アミノ酸残基の置換、付加、欠損、および修飾の少なくとも1つであることができる。
例えば、可変領域のN末端のグルタミンのピログルタミル化によるピログルタミン酸への修飾は当業者によく知られた修飾である。したがって、本発明の抗体は、その重鎖のN末端がグルタミンの場合には、それがピログルタミン酸に修飾された可変領域を含む。
本発明の抗体を構成する軽鎖もまた任意の可変領域を含むことができる。好ましい軽鎖の可変領域は、重鎖の可変領域が由来する抗体の軽鎖可変領域である。したがって、重鎖可変領域にH2(配列番号:4)のアミノ酸配列に含まれる可変領域を用いる場合には、たとえばL1(配列番号:5)のアミノ酸配列からなる軽鎖を組み合わせることができる。
なお、抗体の軽鎖定常領域にはκ鎖とλ鎖タイプの定常領域が存在しているが、いずれの軽鎖定常領域であってもよい。さらに、本発明において軽鎖定常領域は、アミノ酸の置換、欠損、付加および/または挿入などの改変が行われた軽鎖定常領域であってもよい。
本発明の抗体は上述の抗体定常領域を有する限り、抗原の種類、抗体の由来などは限定されず、いかなる抗体でもよい。抗体の由来としては、特に限定されないが、ヒト抗体、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体などを挙げることができる。又、本発明の抗体はキメラ抗体、ヒト化抗体等であってもよい。本発明の抗体の好ましい態様として、ヒト化抗体やヒト抗体を挙げることができる。
また、本発明の抗体定常領域および/または本発明の抗体定常領域を含む抗体分子は、抗体様結合分子(scaffold分子)、生理活性ペプチド、結合ペプチド等をFc融合分子として結合させることも可能である。
また本発明の抗体分子には、本発明の抗体定常領域を含む限り、抗体の修飾物も含まれる。
抗体の修飾物の例としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や細胞障害性物質等の各種分子と結合させた抗体を挙げることができる。このような抗体修飾物は、本発明の抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。
さらに、本発明の抗体は二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体とは、異なるエピトープを認識する可変領域を同一の抗体分子内に有する抗体をいうが、当該エピトープは異なる分子中に存在していてもよいし、同一の分子中に存在していてもよい。
本発明の抗体定常領域は任意の抗原に対する抗体の定常領域として使用することが可能であり、抗原は特に限定されない。
本発明の抗体は、例えば以下のようにして取得することが可能である。まず、当業者に周知な方法によって、目的の抗原に結合する抗体を得る。取得された抗体が非ヒト抗体である場合には、キメラ化やヒト化することもできる。次いで、抗体の定常領域において、1又は複数のアミノ酸残基を、目的の他のアミノ酸に改変し、又は欠損する。1又は複数のアミノ酸残基を目的の他のアミノ酸に改変する方法としては、例えば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T, Mizuno, T, Ogasahara, Y, and Nakagawa, M. (1995) An oligodeoxyribonucleotide-directed dual amber method for site-directed mutagenesis. Gene 152, 271-275、Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors.Methods Enzymol. 100, 468-500、Kramer,W, Drutsa,V, Jansen,HW, Kramer,B, Pflugfelder,M, and Fritz,HJ(1984) The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction. Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456、Kramer W, and Fritz HJ(1987) Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA Methods. Enzymol. 154, 350-367、Kunkel,TA(1985) Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection.Proc Natl Acad Sci U S A. 82, 488-492)が挙げられる。該方法を用いて、抗体の定常領域の所望のアミノ酸を目的の他のアミノ酸に改変することができる。
さらに、本発明は以下の(a)及び(b)の工程を含む、重鎖定常領域のアミノ酸が改変された抗体の製造方法に関する。
(a)定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換または欠損された重鎖をコードするDNA、及び軽鎖をコードするDNAを発現させる工程
(b)工程(a)の発現産物を回収する工程
より具体的には、以下の工程を含む、本発明のアミノ酸改変を有する重鎖定常領域を含む抗体の製造方法を提供する。
(a)本発明のアミノ酸の改変を有する重鎖定常領域を含む抗体重鎖をコードするポリヌクレオチドが導入されたベクターを含む宿主細胞を培養する工程、
(b)当該遺伝子によりコードされる抗体重鎖及び/又は抗体軽鎖を取得する工程。
本発明の抗体の製造方法においては、まず、抗体の重鎖をコードするDNAであって、定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換または欠損された重鎖をコードするDNA、および抗体の軽鎖をコードするDNAを発現させる。定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換または欠損された重鎖をコードするDNAは、例えば、野生型の重鎖をコードするDNAの定常領域部分を取得し、該定常領域中の特定のアミノ酸をコードするコドンが目的の他のアミノ酸をコードするよう、適宜置換を導入することによって得ることが出来る。
また、あらかじめ、野生型重鎖の定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換または欠損されたタンパク質をコードするDNAを設計し、該DNAを化学的に合成することによって、定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換または欠損された重鎖をコードするDNAを得ることも可能である。
アミノ酸の置換や欠損の部位、置換の種類としては、これに限定されるものではないが、本明細書に記載の置換、欠損が挙げられる。
また、定常領域中において1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換または欠損された重鎖をコードするDNAは、部分DNAに分けて製造することができる。部分DNAの組み合わせとしては、例えば、可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNA、あるいはFab領域をコードするDNAとFc領域をコードするDNAなどが挙げられるが、これら組み合わせに限定されるものではない。軽鎖をコードするDNAもまた、同様に部分DNAに分けて製造することができる。
上記DNAを発現させる方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、重鎖可変領域をコードするDNAを、重鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込み重鎖発現ベクターを構築する。同様に、軽鎖可変領域をコードするDNAを、軽鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込み軽鎖発現ベクターを構築する。これらの重鎖、軽鎖の遺伝子を単一のベクターに組み込むことも出来る。発現ベクターとしては例えばSV40 virus basedベクター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマウイルス)basedベクターなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
以上の方法で作製された抗体発現ベクターにより宿主細胞を共形質転換する。宿主細胞としてはCHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣)等上述の細胞の他にも大腸菌、酵母や枯草菌などの微生物や動植物の個体が用いられる(Nature Biotechnology 25, 563 - 565 (2007)、Nature Biotechnology 16, 773 - 777 (1998)、Biochemical and Biophysical Research Communications 255, 444-450 (1999)、Nature Biotechnology 23, 1159 - 1169 (2005)、Journal of Virology 75, 2803-2809 (2001)、Biochemical and Biophysical Research Communications 308, 94-100 (2003))。また、形質転換にはリポフェクチン法(R.W.Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P.L.Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413 (1987)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456-467(1973))、DEAE-Dextran法等が好適に用いられる。
抗体の製造においては、次に、工程(a)で得られた発現産物を回収する。発現産物の回収は、例えば、形質転換体を培養した後、形質転換体の細胞内又は培養液より分離することによって行うことが出来る。抗体の分離、精製には、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、1q、FcRn、プロテインA、プロテインGカラム、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて行うことができる。
本発明は上記のようにして製造された抗体を提供する。すなわち本発明は、次の工程によって製造することができるアゴニスト活性が増強した抗体に関する。
(a)抗体可変領域及び、本発明のアミノ酸の改変を有する抗体定常領域を含む抗体の重鎖と、抗体の軽鎖をコードするDNAを宿主細胞で発現させる工程、および
(b)(a)において発現された抗体を回収する工程
上記方法において重鎖の定常領域のアミノ酸配列は、本発明によって提供された定常領域であることを特徴とする。本発明の好ましい態様において定常領域は、たとえば以下のアミノ酸配列を有する。
・配列番号:20(M97)
・配列番号:22(M98)
・配列番号:24(M101)
・配列番号:26(M132)
・配列番号:45(M146)
・配列番号:33(M148)
・配列番号:34(M152)
・配列番号:39(M167)
・配列番号:40(M168)
・配列番号:37(M169)
・配列番号:38(M154)
又、本発明の定常領域の好ましい他の態様として、例えば以下のアミノ酸配列を有する定常領域を挙げることができる。
・配列番号:20(M97)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:22(M98)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:24(M101)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:26(M132)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:45(M146)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:33(M148)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:34(M152)において326番目にGly、327番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:39(M167)において325番目にGly、326番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:40(M168)において324番目にGly、325番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:37(M169)において322番目にGly、323番目にLysが付加したアミノ酸配列
・配列番号:38(M154)において324番目にGly、325番目にLysが付加したアミノ酸配列
これらのアミノ酸配列をコードするDNAを重鎖可変領域をコードするDNAと連結すれば、抗体の重鎖をコードするDNAとすることができる。たとえば配列番号:21、23、25、27、29、31に示されるアミノ酸配列は、HLA-Aを認識するヒト化抗体の重鎖の全長配列である。
配列番号:21のアミノ酸配列における定常領域(129−453)は、配列番号:20のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:21における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:23のアミノ酸配列における定常領域(129−453)は、配列番号:22のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:23における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:25のアミノ酸配列における定常領域(129−453)は、配列番号:24のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:25における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:27のアミノ酸配列における定常領域(129−453)は、配列番号:26のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:27における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:46のアミノ酸配列における定常領域(129−452)は、配列番号:45のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:46における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:35のアミノ酸配列における定常領域(129−452)は、配列番号:33のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:35における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:36のアミノ酸配列における定常領域(129−452)は、配列番号:34のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:36における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:43のアミノ酸配列における定常領域(129−452)は、配列番号:39のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:43における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:44のアミノ酸配列における定常領域(129−451)は、配列番号:40のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:44における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:41のアミノ酸配列における定常領域(129−449)は、配列番号:37のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:41における1−128は可変領域に相当する。
配列番号:42のアミノ酸配列における定常領域(129−451)は、配列番号:38のアミノ酸配列で構成されている。一方、配列番号:42における1−128は可変領域に相当する。
本発明の抗体を構成する軽鎖としては、たとえばλ鎖定常領域、κ鎖定常領域、またはこれらの定常領域において1または複数のアミノ酸が置換、欠損、付加および/または挿入された定常領域を含む軽鎖を組み合わせることができる。本発明の抗体を得るための、重鎖と軽鎖をコードするDNAは、たとえばこれらのアミノ酸配列をコードするDNAを合成することによって得ることができる。重鎖と軽鎖をコードするDNAは、必要に応じて、更にシグナル配列などの付加的な配列を加え、適当な発現ベクターに込みこむことができる。ベクターは、適切な宿主において組み込まれた抗体をコードするDNAを発現するための、プロモーターやエンハンサーを含むことができる。
さらに本発明は、本発明のアミノ酸改変を有する抗体の定常領域をコードする核酸を提供する。本発明の定常領域をコードする核酸はDNA、RNAなど、如何なる形態でもよい。
さらに本発明は、当該核酸を含むベクターを提供する。ベクターの種類はベクターが導入される宿主細胞に応じて当業者が適宜選択することができ、例えば上述のベクターを用いることができる。
さらに本発明は、当該ベクターにより形質転換された宿主細胞に関する。宿主細胞は当業者が適宜選択することができ、例えば上述の宿主細胞を用いることができる。
さらに本発明は、当該宿主細胞を培養し、発現した定常領域を回収する工程を含む、本発明の定常領域の製造方法に関する。
<アゴニスト活性の増強方法>
本発明は、ヒトIgG1において重鎖のアッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸を欠損または他のアミノ酸に置換することによりアゴニスト活性を増強する方法に関する。
また本発明は、ヒトIgG1定常領域において以下に記載のアミノ酸を欠損させる工程を含む、アゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法に関する。
(a) EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸を欠損させる工程。
上述の方法において、選択するアミノ酸の数は特に限定されず、上述のアミノ酸の中から1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ若しくは7つのアミノ酸を選択することができる。
本発明のアゴニスト活性増強方法の好ましい態様としては、以下(i)〜(iv)のいずれかに記載の工程を含む、アゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法を挙げることができる。
(i)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損させる工程。
(ii)EUナンバリング222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損させる工程。
(iii)EUナンバリング221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損させる工程。
(iv)EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損させる工程。
さらに、本発明は上述の(a)又は(i)〜(iv)のいずれかに記載の工程を含むアゴニスト活性増強方法において、さらに以下(1)〜(8)のいずれかに記載の工程を含むアゴニスト活性の増強方法に関する。
(1)EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAsp、222番目のLysから選択される少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換する工程。
(2)219番目のSerおよび220番目のCysを他のアミノ酸に置換する工程。
(3)219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程。
(4)EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程。
(5)EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程。
(6)EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程。
(7)EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程。
(8)EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCysを他のアミノ酸に置換する工程。
さらに本発明は、以下(a)に記載のアミノ酸を欠損させる工程、及び以下(b)に記載のアミノ酸を置換する工程を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法に関する。
(a) EUナンバリング223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸を欠損させる工程、及び
(b) EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAsp、222番目のLysから選択される少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換する工程。
本発明のアゴニスト活性増強方法の具体的な例としては、上述の(i)〜(iv)のいずれかに記載のアミノ酸を欠損させる工程、及び、上述の(1)〜(8)のいずれかに記載のアミノ酸を置換する工程を任意に組み合わせた発明を例示できる。より具体的には以下のような方法を挙げることができる。
(1) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング219番目のSerおよび220番目のCysを他のアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
(2) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
(3) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
(4) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他をアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
(5) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
(6) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
(7) ヒトIgG1定常領域において、
(a)EUナンバリング221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程、及び
(b)EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSerおよび220番目のCysを他のアミノ酸へ置換する工程、
を含むアゴニスト抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、
・EUナンバリング192番目のSerはAsnに、
・EUナンバリング193番目のLeuはPheに、
・EUナンバリング199番目のIleはThrに、
・EUナンバリング214番目のLysはThrに、
・EUナンバリング217番目のProはArgに、
・EUナンバリング219番目のSerはCysに、
・EUナンバリング220番目のCysはSerに、
・EUナンバリング221番目のAspはValに、
・EUナンバリング222番目のLysはGluに、
置換されることが好ましい。
本発明の方法は、上記工程を含む限り、他のアミノ酸の改変(置換、欠損、付加および/または挿入)や修飾、その他の工程を含むものであってもよい。他のアミノ酸の改変の具体的な例としては、例えばEUナンバリング446のGlyおよび/またはEUナンバリング447のLysの欠損を挙げることができるが、これらに限定されない。アミノ酸の改変や修飾の方法は特に限定されるものではないが、例えば上述の部位特異的変異誘発法や実施例の記載の方法によって行うことが出来る。なお、工程(a)及び(b)の順序は問わない。
さらに本発明は、ヒトIgG1において定常領域のフレキシビリティを小さくすることによりアゴニスト活性を増強する方法を提供する。本発明においてヒトIgG1定常領域のフレキシビリティを小さくするとは、抗体に含まれる2つのFabの距離が短くなること、および/または抗体に含まれる2つのFabの動きの自由度が少なくなることをいう。
本発明においてアゴニスト活性とは、受容体などの細胞膜上のタンパク質等にリガンドが結合することにより、細胞内にシグナルが伝達される等して、何らかの生理的活性の変化を誘導する活性を意味する。生理的活性としては、例えば、増殖活性、生存活性、分化活性、転写活性、膜輸送活性、結合活性、タンパク質分解活性、リン酸化/脱リン酸化活性、酸化還元活性、転移活性、核酸分解活性、脱水活性、細胞死誘導活性、アポトーシス誘導活性、などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
本発明において細胞膜上のタンパク質は特に限定されず、どのようなタンパク質でもよい。細胞膜上のタンパク質の例としては、例えば、受容体、癌抗原、MHC抗原、分化抗原などを挙げることができる。受容体の例としては、例えば、造血因子受容体ファミリー、サイトカイン受容体ファミリー、チロシンキナーゼ型受容体ファミリー、セリン/スレオニンキナーゼ型受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、Gタンパク質共役型受容体ファミリー、GPIアンカー型受容体ファミリー、チロシンホスファターゼ型受容体ファミリー、接着因子ファミリー、ホルモン受容体ファミリー等の受容体ファミリーに属する受容体などを挙げることができる。これら受容体ファミリーに属する受容体、及びその特徴に関しては多数の文献が存在し、例えば、Cooke BA., King RJB., van der Molen HJ. ed. New Comprehesive Biochemistry Vol.18B "Hormones and their Actions Part II"pp.1-46 (1988) Elsevier Science Publishers BV., New York, USA、Patthy L. (1990) Cell, 61: 13-14.、Ullrich A., et al. (1990) Cell, 61: 203-212.、Massagul J. (1992) Cell, 69: 1067-1070.、Miyajima A., et al. (1992) Annu. Rev. Immunol., 10: 295-331.、Taga T. and Kishimoto T. (1992) FASEB J., 7: 3387-3396.、Fantl WI., et al. (1993) Annu. Rev. Biochem., 62: 453-481.、Smith CA., et al. (1994) Cell, 76: 959-962.、Flower DR. (1999) Biochim. Biophys. Acta, 1422: 207-234.、宮坂昌之監修, 細胞工学別冊ハンドブックシリーズ「接着因子ハンドブック」(1994) (秀潤社, 東京, 日本)等が挙げられる。
上記受容体ファミリーに属する具体的な受容体としては、例えば、ヒト又はマウスエリスロポエチン(EPO)受容体、ヒト又はマウス顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)受容体、ヒト又はマウストロンボポイエチン(TPO)受容体、ヒト又はマウスインスリン受容体、ヒト又はマウスFlt-3リガンド受容体、ヒト又はマウス血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、ヒト又はマウスインターフェロン(IFN)-α、β受容体、ヒト又はマウスレプチン受容体、ヒト又はマウス成長ホルモン(GH)受容体、ヒト又はマウスインターロイキン(IL)-10受容体、ヒト又はマウスインスリン様増殖因子(IGF)-I受容体、ヒト又はマウス白血病抑制因子(LIF)受容体、ヒト又はマウス毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体等を例示することができる(hEPOR: Simon, S. et al. (1990) Blood 76, 31-35.; mEPOR: D'Andrea, AD. Et al. (1989) Cell 57, 277-285.; hG-CSFR: Fukunaga, R. et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 87, 8702-8706.; mG-CSFR: Fukunaga, R. et al. (1990) Cell 61, 341-350.; hTPOR: Vigon, I. et al. (1992) 89, 5640-5644.; mTPOR: Skoda, RC. Et al. (1993) 12, 2645-2653.; hInsR: Ullrich, A. et al. (1985) Nature 313, 756-761.; hFlt-3: Small, D. et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 91, 459-463.; hPDGFR: Gronwald, RGK. Et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 85, 3435-3439.; hIFNα/βR: Uze, G. et al. (1990) Cell 60, 225-234.及びNovick, D. et al. (1994) Cell 77, 391-400.)。
癌抗原は細胞の悪性化に伴って発現する抗原であり、腫瘍特異性抗原とも呼ばれる。又、細胞が癌化した際に細胞表面やタンパク質分子上に現れる異常な糖鎖も癌抗原となり、特に癌糖鎖抗原と呼ばれる。癌抗原の例としては、例えば、CA19-9、CA15-3、シリアルSSEA-1(SLX)などを挙げることができる。
MHC抗原には、MHC class I抗原とMHC class II抗原に大別され、MHC class I抗原には、HLA-A,-B,-C,-E,-F,-G,-Hが含まれ、MHC class II抗原には、HLA-DR,-DQ,-DPが含まれる。
分化抗原には、CD1,CD2,CD3,CD4,CD5,CD6,CD7,CD8,CD10,CD11a,CD11b,CD11c,CD13,CD14,CD15s,CD16,CD18,CD19,CD20,CD21,CD23,CD25,CD28,CD29,CD30,CD32,CD33,CD34,CD35,CD38,CD40,CD41a,CD41b,CD42a,CD42b,CD43,CD44,CD45,CD45RO,CD48,CD49a,CD49b,CD49c,CD49d,CD49e,CD49f,CD51,CD54,CD55,CD56,CD57,CD58,CD61,CD62E,CD62L,CD62P,CD64,CD69,CD71,CD73,CD95,CD102,CD106,CD122,CD126,CDw130などが含まれる。
活性の変化を測定する為に用いる検出指標としては、量的及び/又は質的な変化が測定可能である限り使用することができる。例えば、無細胞系(cell free assay)の指標、細胞系(cell-based assay)の指標、組織系の指標、生体系の指標を用いることができる。
無細胞系の指標としては、酵素反応やタンパク質、DNA、RNAの量的及び/又は質的な変化を用いることができる。酵素反応としては、例えば、アミノ酸転移反応、糖転移反応、脱水反応、脱水素反応、基質切断反応等を用いることができる。また、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化、二量化、多量化、分解、乖離等や、DNA、RNAの増幅、切断、伸長を用いることができる。例えばシグナル伝達経路の下流に存在するタンパク質のリン酸化を検出指標とすることができる。
細胞系の指標としては、細胞の表現型の変化、例えば、産生物質の量的及び/又は質的変化、増殖活性の変化、細胞数の変化、形態の変化、特性の変化等を用いることができる。産生物質としては、分泌タンパク質、表面抗原、細胞内タンパク質、mRNA等を用いることができる。形態の変化としては、突起形成及び/又は突起の数の変化、偏平度の変化、伸長度/縦横比の変化、細胞の大きさの変化、内部構造の変化、細胞集団としての異形性/均一性、細胞密度の変化等を用いることができる。これらの形態の変化は検鏡下での観察で確認することができる。特性の変化としては、足場依存性、サイトカイン依存応答性、ホルモン依存性、薬剤耐性、細胞運動性、細胞遊走活性、拍動性、細胞内物質の変化等を用いることができる。細胞運動性としては、細胞浸潤活性、細胞遊走活性がある。また、細胞内物質の変化としては例えば、酵素活性、mRNA量、Ca2+やcAMP等の細胞内情報伝達物質量、細胞内タンパク質量等を用いることができる。また、細胞膜受容体の場合には、受容体の刺激によって誘導される細胞の増殖活性の変化を指標とすることができる。
組織系の指標としては、使用する組織に応じた機能変化を検出指標とすることができる。生体系の指標としては組織重量変化、血液系の変化、例えば血球細胞数の変化、タンパク質量や、酵素活性、電解質量の変化、また、循環器系の変化、例えば、血圧、心拍数の変化等を用いることができる。
これらの検出指標を測定する方法としては、特に制限はなく、吸光、発光、発色、蛍光、放射活性、蛍光偏光度、表面プラズモン共鳴シグナル、時間分解蛍光度、質量、吸収スペクトル、光散乱、蛍光共鳴エネルギー移動等を用いることができる。これらの測定方法は当業者にとっては周知であり、目的に応じて、適宜選択することができる。
例えば、吸収スペクトルは一般的に用いられるフォトメータやプレートリーダ等、発光はルミノメータ等、蛍光はフルオロメータ等で測定することができる。質量は質量分析計を用いて測定することができる。放射活性は、放射線の種類に応じてガンマカウンターなどの測定機器を用いて、蛍光偏光度はBEACON(宝酒造)、表面プラズモン共鳴シグナルはBIACORE、時間分解蛍光、蛍光共鳴エネルギー移動などはARVOなどにより測定できる。さらに、フローサイトメータなども測定に用いることができる。これらの測定方法は、一つの測定方法で2種以上の検出指標を測定しても良く、簡便であれば、2種以上の測定を同時及び/又は連続して測定することによりさらに多数の検出指標を測定することも可能である。例えば、蛍光と蛍光共鳴エネルギー移動を同時にフルオロメータで測定することができる。
本発明において、アゴニスト活性の測定は当業者に公知の方法により行うことが可能である。例えば、実施例に記載のように細胞増殖を指標にアゴニスト活性を測定する方法により判定することが可能である。より具体的には、アゴニスト依存性増殖を示す細胞に、アゴニスト活性を測定したい物質を添加し、培養する。その後、生細胞数に応じて特定の波長において発色反応を呈する試薬を添加して吸光度を測定し、得られた吸光度を指標にアゴニスト活性を測定することが可能である。
アゴニスト依存性増殖を示す細胞も当業者に公知の方法により作製することが可能であり、例えば、細胞膜上のタンパク質が細胞増殖シグナルを発する受容体である場合には、該受容体を発現している細胞を用いればよい。又、細胞膜上のタンパク質が細胞増殖シグナルを出さない受容体である場合には、細胞増殖シグナルを発する受容体の細胞内領域と、細胞増殖シグナルを出さない受容体の細胞外領域からなるキメラ受容体を作製し、該キメラ受容体を細胞で発現させればよい。細胞増殖シグナルを発する受容体の例としては、例えば、G-CSF受容体、mpl、neu、GM-CSF受容体、EPO受容体、c-kit、FLT-3等を挙げることができる。受容体を発現させる細胞としては、例えば、BaF3、NFS60、FDCP-1、FDCP-2、CTLL-2、DA-1、KT-3等を挙げることができる。
<抗体を含む医薬組成物>
本発明は、本発明の抗体を含む、医薬組成物を提供する。
本発明の医薬組成物は、抗体に加えて医薬的に許容し得る担体を導入し、公知の方法で製剤化することが可能である。例えば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO-50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油が挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
投与は好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる。
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。抗体または抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する医薬組成物の投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001から100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
本明細書で用いられているアミノ酸の3文字表記と1文字表記の対応は以下の通りである。
アラニン:Ala:A
アルギニン:Arg:R
アスパラギン:Asn:N
アスパラギン酸:Asp:D
システイン:Cys:C
グルタミン:Gln:Q
グルタミン酸:Glu:E
グリシン:Gly:G
ヒスチジン:His:H
イソロイシン:Ile:I
ロイシン:Leu:L
リジン:Lys:K
メチオニン:Met:M
フェニルアラニン:Phe:F
プロリン:Pro:P
セリン:Ser:S
スレオニン:Thr:T
トリプトファン:Trp:W
チロシン:Tyr:Y
バリン:Val:V
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
[実施例1] マウス抗HLA-A抗体の取得
ハイブリドーマ作製
1.1. 免疫用可溶型HLA-A-flag(sHLA-A-flag)の調製
1.1.1. sHLA-A発現ベクターの構築とHLA産生CHO株の作製
HLA-A6802(GenBank No. AM235885)の細胞外ドメインのC末に、flagタグを付与したHLA-A-flag(配列番号:1、307〜314はflagタグ)を動物細胞発現用のベクターに導入した。塩基配列の確認は、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)を用い、DNAシークエンサーABI PRISM 3700 DNA Sequencer(Applied Biosystems)にて、添付説明書記載の方法に従い決定した。作製した発現ベクターをCHO細胞に導入し、HLA産生CHO株を構築した。
1.1.2. sHLA-A-flagの精製
1.1.1で作製したCHO細胞の培養上清から、Q-Sepharose FF (GE Healthcare)、ANTI-FLAG M2 Affinity Gel (SIGMA)およびHiLoad 16/60 Superdex 200 pg (GE Healthcare) を用いて、可溶型HLA-Flagタンパク質を精製した。ゲルろ過溶出画分は、Centriprep YM-10 (Millipore) にて濃縮後、Dc Protein Assay Kit (BIO-RAD) にてウシガンマグロブリンに換算し、タンパク質濃度を算出した。
1.2. マウス抗HLA-A抗体産生ハイブリドーマの作製
1.2.1. HLA-A免疫マウスを用いたハイブリドーマの作製
MRL/lpr、雄、4週齢マウス(日本チャールズリバー)を免疫に用いた。
初回免疫では、精製した可溶型HLA-A-FLAG (sHLA-flag)蛋白をcompleteアジュバンドH37Ra(DIFCO #231131)で100μg / headになるようにマウス匹数分調整し、エマルジョンを作成した後、100μlずつを皮下に免疫した。二回目以降の免疫では、incomplete アジュバンド (DIFCO #263910)を用いてエマルジョンを作成し、50μg / headの免疫を行った。免疫は1週間おきに行い、血清抗体価の上昇を確認後、最終免疫(免疫6回目)で、sHLA-flagを50μg/200μlになるようにPBSで調整し、200μl/headでマウスにi.v.投与した。
最終免疫の4日後、マウスの脾臓細胞とマウスミエローマ細胞P3X63Ag8U.1(P3U1と称す、ATCC CRL-1597)をPEG1500(Roche Diagnostics)を用いた常法に従い細胞融合した。融合細胞、すなわちハイブリドーマは、HAT培地 [RPMI1640 + PS, 10% FCS, HAT (Sigma, H0262), 5% BM condimed H1 (Roche: #1088947)] にて培養した。
1.2.2. ハイブリドーマ細胞の選抜
一次スクリーニングは、フュージョンから約1週間後に、細胞凝集誘導活性を指標に行った。細胞凝集誘導活性は、ARH77細胞を2 x 104 cells/well・40μlで96 well plateに撒き、各ハイブリドーマの培養上清80μlを加え37℃で4時間培養した。各ウェルを顕微鏡で1つ1つ観察し、細胞凝集を起こしているウェルを目視で判断した。細胞凝集を起こしているウェルのハイブリドーマ細胞を陽性クローンとして選択した。細胞凝集誘導活性が陽性であったウェルのハイブリドーマ細胞を2.5 cells/wellとなるように96 well plateにまきなおし、約10日間培養した後に、再び細胞凝集誘導活性を調べた。二次スクリーニングは、抗体の細胞死誘導活性を指標に実施した。ARH77細胞を、1〜8 x 105 cells /well で24 well plateに撒き、これに各抗体を加え、200μl培地中で37℃4〜5時間以上培養した。これをエッペンに回収後、100〜200μl propidium iodide (PI) 溶液 (5μg/ml in FACS buffer)に懸濁し、室温で15分インキュベートした。その後、遠心により細胞を沈殿させた後、500μl FACS bufferに懸濁し、FACS(Beckman Coulter, ELITE)を行ってPI陽性細胞(死細胞)の割合を測定し、各クローンの細胞死誘導活性を比較した。この結果、最も細胞死誘導活性の強かったクローンF17B1を選抜した。
[実施例2]マウス抗HLA-A抗体F17B1の可変領域の決定
ハイブリドーマ細胞から、RNeasy Mini Kits(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出し、SMART RACE cDNA Amplification Kit(BD Biosciences)によりcDNAを合成した。作製したcDNAを用いて、PCRにより、抗体の可変領域遺伝子をクローニングベクターに挿入した。各DNA断片の塩基配列は、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)を用い、DNAシークエンサーABI PRISM 3700 DNA Sequencer(Applied Biosystems)にて、添付説明書記載の方法に従い決定した。決定したF17マウス抗体のH鎖可変領域を配列番号:2に、L鎖可変領域を配列番号:3に示した。CDR,FRの決定はKabat numberingに従って行った。
[実施例3]ヒト化抗ヒトMHC classI抗体の取得
マウスF17B1抗体の可変領域をヒトのgermline配列、またはヒト抗体配列と比較し、抗体のヒト化に用いるFR配列を決定した。使用したFR配列を表1にまとめた。
ヒト化H鎖可変領域H2(配列番号:4)は表1に記載されるFR1、FR2、FR3、FR4から構成される。作製したH2と定常領域G1d(配列番号:6)を結合したH2_G1d(配列番号:8)を動物細胞発現ベクターに導入した。
ヒト化L鎖可変領域(配列番号:5)は表1に記載されるFR1、FR2、FR3、FR4から構成される。FR3は2種類のgermline配列 hVk2_28; GVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYC(配列番号:18)とVk6_21; GVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEAEDAATYYC(配列番号:19)から構成される。作製したL1と定常領域k0(配列番号:7)を結合したL1_k0(配列番号:9)を動物細胞発現ベクターに導入した。
作製した発現ベクターを用いて、H鎖としてH2_G1d(配列番号:8)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_G1d/L1_k0を作製した。抗体の発現と精製は参考例1に記した方法で実施した。
Figure 2011037158
[実施例4] 抗ヒトMHC classI抗体H2-G1d_L1-k0による細胞死誘導
ヒトMHC classIを発現しているヒトリンパ芽球腫細胞株IM-9(ATCC,CCL-159)を用いて、以下に示す通り抗ヒトMHC classI抗体H2-G1d_L1-k0による細胞死誘導活性を測定した。
精製したH2-G1d_L1-k0を培地にて20 μg/mLに調整し、96well U bottom plate(BM Equipment)を用いて希釈公比3、合計9系列の希釈液を調製した(final conc.;10-0.0015 μg/mL)。IM-9細胞を10% FBS (BOVOGEN)、2 mM L-glutamine、1.5 g/l sodium bicarbonate、4.5 g/L glucose、10 mM HEPES、1 mM sodium pyruvateを含むRPMI1640倍地 (SIGMA) で1.2x105 cells/mLとなるように調製した。H2-G1d_L1-k0希釈溶液50μLに細胞懸濁液50μLを播種し、37℃、5% CO2インキュベーターにて3日間培養した。培養終了後、各wellにCell Counting Kit-8(Dojindo)を10μL添加し、37℃、5% CO2インキュベーターにて4時間反応させた。その後、吸光度(450 nm)を測定した(Molecular Devices, Emax)。H2-G1d_L1-k0の細胞死誘導活性は、培地のみ(細胞及び抗体非添加)のwellの値を0%, 細胞のみ(抗体非添加)のwellの値を100%として、阻害率(%)を算出した。測定はn=5で行い、その平均値を用いた。その結果、図1に示すように、H2-G1d_L1-k0はIM9細胞株において、濃度依存的に細胞増殖を抑制することが明らかとなった。
[実施例5]新規定常領域M97による細胞死活性の増強効果
HLA class I に結合し、細胞死活性を誘導する抗体は幾つか知られている(Rolf et al, The journal of immunology, 1996, 156:1415-1424)。これらの抗体はHLA classIを活性化させることによって、細胞死を誘導する。マウスF17B1抗体もこれらと同様にHLAを活性化させることにより細胞死を誘導するAgonist抗体だと予想される。多くのAgonist抗体がFab断片のみでは活性を示さないことから、2価で結合し2量体を形成することが重要であると考えられる。また、全長抗体では十分な活性を示さない抗体でもsc(Fv)2等の形態に低分子化することでAgonist活性が上昇することが報告されている。これらのことより、本発明者らはAgonist活性を示すには2つのFabの距離が重要であると予想した。2つのFabの距離や動きやすさは抗体のサブクラス間によって異なる。2つのFabの距離あるいは動きやすさに大きな影響を与えるのがHinge領域である(EMBO J. 1988 Jul;7(7):1989-94, Schneider WP et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 1988 Apr;85(8):2509-13)。そこで、Hinge領域を改変することによって、Agonist活性を増強することを考えた。
IgG1においてEUナンバリング(Sequences of proteins of immunological interest, NIH Publication No.91-3242 を参照)221-225のHinge領域はopen-turn helixを形成している (Marquart M et al. J Mol Biol. 1980 Aug 25;141(4):369-91, Ito W et al ,Biochemistry. 1985 Nov 5;24(23):6467-74.)。IgG1の221-225のアミノ酸配列のうちThr-His-Thrの配列はIgG2,4には存在しない(表2)。そこで、この配列に注目し、G1d(配列番号:6)に対して、223-225のThr-His-Thrを欠損させた新規定常領域M97(配列番号:20)を作製することを考えた。M97の細胞死活性に対する影響を検討するために、H2_M97(配列番号:21)の発現ベクターを参考例1の方法に従って行った。H鎖としてH2_M97(配列番号:21)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M97/L1_k0を作製した。抗体の発現と精製は参考例1に記した方法で実施した。作製した各抗体の細胞死活性を実施例4に記載した方法で実施した。
図2に示すように、Thr-His-Thrを欠損させることによって、細胞死活性が向上することが確認された。
[実施例6]Hinge部位の欠損による活性の増強効果
天然型のIgG1において、226と229番目に存在するCysはもう一方のH鎖とジスルフィド結合を形成する。また、H鎖EUナンバリング220番目のCysとL鎖EUナンバリング214番目のCysがジスルフィド結合をしている。ジスルフィド結合をしている220番目と226番目のCysの間にAsp-Lys-Thr-His-Thrの5アミノ酸が存在する。その5残基のうち3残基のThr-His-Thr配列を欠損させることにより細胞死活性が向上したことから、残りの2残基のAsp-Lys配列を欠損させることにより、さらに細胞死活性が向上することを考えた。また、Hinge領域を短くすることにより細胞死活性が向上することから、218番目のLys、219番目のSerを欠損させることにより、さらに細胞死活性が向上することを考えた。
M97(配列番号:20)に対して、H鎖222番目のLysを欠損させた定常領域をM167(配列番号:39)、H鎖221番目のAspと222番目のLysを欠損させた定常領域M168(配列番号:40)、H鎖218番目のLysと219番目のSerと221番目のAspと222番目のLysを欠損させた定常領域M169(配列番号:37)を作製することを考えた。作製した各定常領域の配列を表2にまとめた。
H2_M167(配列番号:43)、H2_M168(配列番号:44)、 H2_M169(配列番号:41)、H2_M154(配列番号:42)の発現ベクターを参考例1の方法に従って行った。H鎖としてH2_M167(配列番号:43)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M167/L1_k0、H鎖としてH2_M168(配列番号:44)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M168/L1_k0、H鎖としてH2_M169(配列番号:41)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M169/L1_k0を作製した。抗体の発現と精製は参考例1に記した方法で実施した。作製した各抗体との細胞死活性を実施例4に記載した方法で実施した。
以上の抗体の重鎖と軽鎖の組み合わせを以下にまとめた。
抗体 重鎖 軽鎖
H2_M167/L1_k0 H2_M167 配列番号:43 /L1-k0 配列番号:9
H2_M168/L1_k0 H2_M168 配列番号:44 /L1-k0 配列番号:9
H2_M169/L1_k0 H2_M169 配列番号:41 /L1-k0 配列番号:9
図3に示すように、Hinge regionの配列を短くすることにより、細胞死活性が向上する傾向が見られた。
Figure 2011037158
[実施例7]Cysの位置の置換による細胞死活性の増強効果
天然型のIgG1においては、L鎖EUナンバリング214番目のCysとH鎖EUナンバリング220番目のCysとがジスルフィド結合をしている(Saphire EO, et al. Science. 293, 1155-9 (2001).)。Agonist活性において、2つのFabの距離や構造が重要であると考え、L鎖の214番目のCysとH鎖とのジスルフィド結合を変えることによって、活性が向上する可能性を検討した。
そこで、実施例5で作製したM97(配列番号:20)に対して、H鎖EUナンバリング220番目のCysをSerに、219番目のSerをCysに置換した、新規定常領域M98(配列番号:22)を作製することを考えた。M98の細胞死活性に対する影響を検討するために、H2_M98(配列番号:23)の発現ベクターを参考例1の方法に従って行った。H鎖としてH2_M98(配列番号:23)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M98/L1_k0を作製した。抗体の発現と精製は参考例1に記した方法で実施した。作製した各抗体の細胞死活性を実施例4に記載した方法で実施した。
図4に示すように、Cysの位置を変えることによって細胞死活性が向上したことが確認された。
[実施例8]新規定常領域M101、M132、M146、148、M152による細胞死活性の増強効果
実施例5,6,7よりHinge領域を改変することにより、細胞死活性が上昇することが明らかとなった。各サブクラスのHinge領域の配列を比較すると、サブクラスにより配列が異なっていることがわかる。そこで、Hinge領域の配列、およびその周辺の配列を改変することによって細胞死活性を上昇させることを考えた。
Hinge領域のUpper Hingeのうち、実施例5,6,7で改変したアミノ酸以外の配列では、217、221、221のPro,Asp,Lysのアミノ酸配列が異なる。また、IgG1のCH1 domainに存在するアミノ酸のうち、192,193,199,214のSer,Leu,IIe,Lysは、他のサブクラスのアミノ酸配列と異なり、かつHinge領域周辺に存在しているため、Hingeの構造に影響を与える可能性が考えられた。
そこで、IgG1のアミノ酸配列を置換したM101(配列番号:24)、M132(配列番号:26) 、M146(配列番号:45)、M148(配列番号:33) 、M152(配列番号:34)を作製することを考えた。作製した各定常領域のHinge領域周辺の配列を表3にまとめた。H2_M101(配列番号:25)、H2_M132(配列番号:27)、H2_M146(配列番号:46)、H2_M148(配列番号:35)、 H2_M152(配列番号:36)の発現ベクターを参考例1の方法に従って行った。H鎖としてH2_M101(配列番号:25)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M101/L1_k0、H鎖としてH2_M132(配列番号:27)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M132/L1_k0、H鎖としてH2_M146(配列番号:46)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M146/L1_k0、H鎖としてH2_M148(配列番号:35)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M148/L1_k0、H鎖としてH2_M152(配列番号:36)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M152/L1_k0を作製した。抗体の発現と精製は参考例1に記した方法で実施した。作製した各抗体と実施例5で作製したH2_M97/L1_k0の細胞死活性を実施例4に記載した方法で実施した。
以上の抗体の重鎖と軽鎖の組み合わせを以下にまとめた。
抗体 重鎖 軽鎖
H2_M101/L1_k0 H2_M101 配列番号:25 L1-k0 配列番号:9
H2_M132/L1_k0 H2_M132 配列番号:27 L1-k0 配列番号:9
H2_M146/L1_k0 H2_M146 配列番号:46 L1_k0 配列番号:9
H2_M148/L1_k0 H2_M148 配列番号:35 L1-k0 配列番号:9
H2_M152/L1_k0 H2_M152 配列番号:36 L1-k0 配列番号:9
図5に示すように、M152,M148,M132,M146,M101の順に強い活性を示した。
Figure 2011037158
[実施例9]新規定常領域M133,M134による細胞死活性の増強効果
EU numbering 216-225から構成されるUpper Hingeだけでなく231-238で構成されるLower Hingeも定常領域の構造に影響を与えることがマウス定常領域を用いて明らかになっている(Kim H et al. J Mol Biol. 1994 Feb 11;236(1):300-9)。そこで、M101(配列番号:24)、M132(配列番号:26)のLower HingeをIgG2のそれと置換したM133(配列番号:28)、M134(配列番号:30)を作製することを考えた。
H2_M133(配列番号:29)、H2_M134(配列番号:31)の発現ベクターを参考例1の方法に従って行った。H鎖としてH2_M133(配列番号:29)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M133/L1_k0、H鎖としてH2_M134(配列番号:31)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M134/L1_k0を作製した。抗体の発現と精製は参考例1に記した方法で実施した。作製した各抗体と実施例5で作製したH2_M97/L1_k0の細胞死活性を実施例4に記載した方法で実施した。
以上の抗体の重鎖と軽鎖の組み合わせを以下にまとめた。
抗体 重鎖 軽鎖
H2_M133/L1_k0 H2_M133 配列番号:29 L1-k0 配列番号:9
H2_M134/L1_k0 H2_M134 配列番号:31 L1-k0 配列番号:9
図6に示すように、IgG1のLower HingeをIgG2のそれと置換すると、細胞死活性が減少する傾向が見られた。細胞死活性にはLower Hingeではなく、Upper Hingeが重要であることが示された。
[実施例10]新規定常領域M132に対するHinge部位の欠損による活性の増強効果
実施例8で作製したH2-M132/L1-k0におけるHingeの欠損による、活性の増強効果を確認検証するために、M132(配列番号:26)に対して、H鎖221番目のAspと222番目のLysを欠損させた定常領域をM154(配列番号:38)を作製することを考えた。H鎖としてH2_M154(配列番号:42)、L鎖としてL1_k0(配列番号:9)からなるH2_M154/L1_k0を作製した。
H2_M132/L1_k0 H2_M132 配列番号:27 L1-k0 配列番号:9
H2_M154/L1_k0 H2_M154 配列番号:42 /L1-k0 配列番号:9
図7に示すように、Hinge regionの配列を短くすることにより、細胞死活性が向上する傾向が見られた。このことから、Hinge部位の欠損は、IgG1だけでなく、IgG1を改変した定常領域においても、活性を向上させることが明らかとなった。
Figure 2011037158
参考文献:Saphire,E.O. et al.Science 293(5532),1155-1159
[参考例1] 抗体の発現ベクターの作製および抗体の発現と精製
目的の抗体のH鎖およびL鎖の塩基配列をコードする遺伝子は、Assemble PCR等を用いて当業者公知の方法で行った。アミノ酸置換の導入はQuikChange Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)あるいはPCR等を用いて当業者公知の方法で行った。得られたプラスミド断片を動物細胞発現ベクターに挿入し、目的のH鎖発現ベクターおよびL鎖発現ベクターを作製した。得られた発現ベクターの塩基配列は当業者公知の方法で決定した。抗体の発現は以下の方法を用いて行った。ヒト胎児腎癌細胞由来HEK293H株(Invitrogen)を10 % Fetal Bovine Serum (Invitrogen)を含むDMEM培地(Invitrogen)へ懸濁し、5〜6 × 105個/mLの細胞密度で接着細胞用ディッシュ(直径10 cm, CORNING)の各ディッシュへ10 mLずつ蒔きこみCO2インキュベーター(37℃、5% CO2)内で一昼夜培養した後に、培地を吸引除去し、CHO-S-SFM-II(Invitrogen)培地6.9 mLを添加した。調製したプラスミドをlipofection法により細胞へ導入した。得られた培養上清を回収した後、遠心分離(約2000 g、5分間、室温)して細胞を除去し、さらに0.22μmフィルターMILLEX(R)-GV(Millipore)を通して滅菌して培養上清を得た。得られた培養上清からrProtein A SepharoseTM Fast Flow(Amersham Biosciences)を用いて当業者公知の方法で抗体を精製した。精製抗体濃度は、分光光度計を用いて280 nmでの吸光度を測定した。得られた値からPACE法により算出された吸光係数を用いて抗体濃度を算出した(Protein Science 1995 ; 4 : 2411-2423)
本発明の抗体定常領域は、医薬品として生体に投与される抗体の定常領域として有用である。本発明の定常領域を含む抗体はアゴニスト活性が増強されている。従って本発明の定常領域を含む抗体は医薬品の性能の向上に寄与することが出来る。

Claims (43)

  1. 配列番号:32(IgG1定常領域)のアミノ酸配列において、アッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含むアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  2. EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含む請求項1に記載の抗体定常領域。
  3. EUナンバリング223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸の欠損を含む請求項1に記載の抗体定常領域。
  4. EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrの欠損を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗体定常領域。
  5. EUナンバリング222番目のLysの欠損をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の抗体定常領域。
  6. EUナンバリング221番目のAspおよび222番目のLysの欠損をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の抗体定常領域。
  7. EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAspおよび222番目のLysの欠損をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の抗体定常領域。
  8. EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAsp、222番目のLysから選択される少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の抗体定常領域。
  9. EUナンバリング219番目のSerおよび220番目のCysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  10. 219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  11. EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  12. EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  13. EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  14. EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysの他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  15. EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCysの他のアミノ酸置換を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗体定常領域。
  16. 配列番号:20(M97)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  17. 配列番号:22(M98)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  18. 配列番号:24(M101)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  19. 配列番号:26(M132)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  20. 配列番号:45(M146)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  21. 配列番号:33(M148)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  22. 配列番号:34(M152)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  23. 配列番号:39(M167)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  24. 配列番号:40(M168)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  25. 配列番号:37(M169)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  26. 配列番号:38(M154)のアミノ酸配列を有する抗体定常領域。
  27. 請求項1から26のいずれかに記載の抗体定常領域を有する抗体。
  28. ヒトIgG1の重鎖アッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸が欠損され又は他のアミノ酸に置換された抗体定常領域を含むアゴニスト抗体であって、かつ当該欠損又は置換を導入する前と比較してアゴニスト活性が増強している抗体。
  29. 請求項27または28に記載の抗体を含む医薬組成物。
  30. ヒトIgG1において重鎖のアッパーヒンジ領域の少なくとも1つのアミノ酸を欠損または他のアミノ酸に置換する工程を含む、抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
  31. 配列番号:32(IgG1定常領域)のアミノ酸配列において、EUナンバリング218番目のLys、219番目のSer、221番目のAsp、222番目のLys、223番目のThr、224番目のHis、225番目のThrから選択される少なくとも1つのアミノ酸を欠損する工程を含む、抗体のアゴニスト活性を増強する方法。
  32. EUナンバリング223番目のThr、224番目のHisおよび225番目のThrを欠損する工程を含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. EUナンバリング222番目のLysを欠損する工程をさらに含む請求項32に記載の方法。
  34. EUナンバリング221番目のAspを欠損する工程をさらに含む請求項33に記載の方法。
  35. EUナンバリング218番目のLysおよび219番目のSerを欠損する工程をさらに含む請求項34に記載の方法。
  36. EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAsp、222番目のLysから選択される少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換する工程をさらに含む請求項31〜35いずれかに記載の方法。
  37. 219番目のSerおよび220番目のCysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  39. EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  40. EUナンバリング214番目のLys、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  41. EUナンバリング199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  42. EUナンバリング192番目のSer、193番目のLeu、199番目のIle、214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCys、221番目のAspおよび222番目のLysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  43. EUナンバリング214番目のLys、217番目のPro、219番目のSer、220番目のCysを他のアミノ酸に置換する工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
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