JPWO2011013513A1 - ゴム用充填材およびゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

近年、省燃費タイヤ用にシリカ配合が多用されるようになり、シリカとシランカップリング剤の反応が緩慢であるため、多段練などが成されている。本発明では、練工程の簡素化のための加工性・動特性に優れるゴム組成物およびゴム用充填材を提供する。本発明はシリカ系充填材、シランカップリング剤、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む充填材組成物、充填材組成物を反応させて得られる充填材、当該充填材を含むゴム組成物及びその架橋物、又はジエン系ゴム、シリカ、シランカップリング剤、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む組成物及びその架橋物である。

Description

本発明は、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を配合して得られるゴム用充填材およびゴム組成物に関する。
近年、省燃費、制動性に優れたシリカ配合タイヤが急速に普及しつつある。しかし、シリカを配合するとゴム組成物としての粘度が非常に上昇するために、シランカップリング剤を添加することにより粘度の上昇を緩和させる。またシランカップリング剤は、シリカ表面のシラノールと反応することによりシリカ同士の相互作用を低減し、ゴムの損失正接や動的弾性率を下げることが知られている。しかし、シリカとシランカップリング剤の反応速度は非常に遅く、これらを十分に反応させるためには、高温での練り工程、又は複数の練り工程が必要となる。高温での練り工程はゴムのゲル化が起こり、加工が不可能になるため好ましくなく、複数の練り工程で行う場合には、ゴムのゲル化の問題は起こらないが工程が煩雑となる。
上記の問題を解決すべく、シリカとの反応性が高く、また加工性が良いとされるカップリング剤なども提案されているが、実用的には経済性などの観点から問題が多い。
シリカとシランカップリング剤の反応を促進させる技術としては有機シラン、ホウ酸を添加するなど様々な手法が試みられている。ただ、これらの添加物は高価な原料シランが必要となる、または毒性の強いホウ酸を使用するなどの問題があった(特許文献1、2参照)。
特許文献3には、架橋特性に優れたゴム組成物を得るためにシランカップリング剤と湿式シリカを直接前処理する試みがなされている。この方法は一定の成果をあげているが、使用する触媒に水に対して反応性の高いアルコキシチタンを用いるなど経済性やハンドリングの観点でやや問題がある。
特開2005−2065号公報 特開2007−77322号公報 特開2006−249387号公報
本発明は上記の点に鑑み、ゴムに優れた動的特性を付与せしめる充填材組成物、充填材組成物を反応させて得られる充填材、当該充填材を含むゴム組成物、及びその架橋物、又はシリカ系充填材とカップリング剤の反応を促進させることが可能なシリカ配合ゴム組成物及びその架橋物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討の結果、シリカ系充填材とシランカップリング剤の反応において、一分子内にヒドロキシル基とカルボキシル基をそれぞれ少なくとも1つ以上有する、いわゆるヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩が特に反応を促進させることを見出し、シリカ系充填材、シランカップリング剤、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む充填材組成物、充填材組成物を反応させて得られる充填材、当該充填材を含むゴム組成物、及びその架橋物、又はジエン系ゴム、シリカ系充填材、シランカップリング剤、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む組成物及びその架橋物により、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のゴム用充填材組成物は、シリカ系充填材100重量部に対し、シランカップリング剤を2〜25重量部、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を0.1〜10重量部含有することを特徴とする。
本発明のゴム用充填材組成物は、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩が、炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜18の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩であることが好ましい。またカルボキシル基とヒドロキシル基が同一又は隣り合った炭素に結合しているヒドロキシ酸が特に好ましい。
本発明のゴム用充填材組成物は、シランカップリング剤が下記式[I]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤であることが好ましい。
Figure 2011013513
(式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Rは炭素数1〜9の二価の炭化水素基、は2〜6、は0、1、または2の整数である。)
本発明のゴム用充填材組成物は、ヒドロキシ酸中のカルボキシル基に対して0.5〜2.0モル等量の塩基性物質を含有することが好ましい。
本発明のゴム用充填材組成物は、シリカ系充填材が、BET比表面積20〜250m/gの湿式シリカであることが好ましく、該湿式シリカの見かけ粒子径は100μm以下であることが好ましい。また、シリカ系充填材の水分含有量は4重量%以下あることが好ましく、シリカ系充填材は予め加熱処理済みのものであってよい。
本発明のゴム用充填材組成物は、前記ゴム用充填材組成物のシリカ系充填材とカップリング剤とを反応して得られることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、前記充填材をジエン系ゴム100重量部に対し5〜120重量部を含むことが好ましい。
本発明のシリカ配合ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ系充填材を10〜120重量部、シランカップリング剤を0.5〜20重量部、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を0.1〜10重量部を含有することを特徴とする。
本発明のシリカ配合ゴム組成物は、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩が、炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜18の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩であるが好ましい。
本発明のシリカ配合ゴム組成物は、シランカップリング剤が下記式[I]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤であることが好ましい。
Figure 2011013513
(式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Rは炭素数1〜9の二価の炭化水素基、は2〜6、は0、1、または2の整数である。)
本発明の架橋用ゴム組成物は、前記ゴム組成物と架橋剤を含むことが好ましい。
本発明の架橋物は、前記架橋用ゴム組成物を架橋してなることが好ましい。
本発明のタイヤは、前記架橋物を用いてなることが好ましい。
本発明の防振ゴムは、前記架橋物を用いてなることが好ましい。
シリカ系充填材、シランカップリング剤及びヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む組成物は、シリカ系充填材とカップリング剤の効率的に反応し、シリカ系充填材表面をカップリング剤で処理する時間を短縮させることが可能であり、容易にゴム用充填材を得ることができる。
また、ジエン系ゴム、シリカ系充填材、シランカップリング剤及びヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む組成物は、混練りすることにより、ジエン系ゴム混合物中のシリカ系充填材とシランカップリング剤を効率的に反応し、一度の混練り工程のみで十分なカップリング効果が得られる。
シリカ系充填材とシランカップリング剤が効率的に反応しているので、本発明で得られる架橋物は動的特性、即ち低損失正接(tanδ)を示す。
第一に、ゴム用充填材組成物、ゴム用充填材組成物より得られる充填材、充填材を含むゴム組成物ついて詳細に説明する。
ゴム用充填材組成物
本発明のゴム用充填材組成物は、シリカ系充填材とシランカップリング剤が未反応の組成物を指し、少なくともシリカ系充填材、シランカップリング剤、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含有する。
シリカ系充填材
本発明で用いるシリカ系充填材としては、クレー、マイカ、乾式シリカなどが挙げられるが、BET比表面積が20〜250m/gの湿式シリカが好ましく、BET比表面積が50〜200m/gの湿式シリカがより好ましい。比表面積が20m/g〜250m/gの範囲であれば、ゴムに対する十分な補強性が得られ、シランカップリング剤との反応性も良好であるので好ましい。本発明に使用されるシリカとしては、東ソーシリカ社製、ニプシルVN−3、AQ、ER、E743、トクヤマ社製トクシル255、UR、GU、233、デグサ社製ウルトラジルVN3、VN2など市販のシリカが用いられる。
また、シリカ系充填材の見掛け粒子径は、平均粒子径であって、測定には篩い又はパーチクルカウンター(パーチクルデータ社製、EL・ZONE280PC)などが用いられる。平均粒子径が10μm程度の小さなものの場合は、パーチクルカウンターを用いることができ、100μm前後の大きなものの場合は、篩いが好適に用いられる。シリカ系充填材の見掛け粒子径は、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。見掛け粒子径が100μm以下であれば、シリカ系充填材同士の凝集することなくシリカ系充填材表面のシラノール基を十分に、処理することができるため好ましい。
またシリカ系充填材の含水量(水分含有量:重量%)は、本発明の効果であるシリカとシランカップリング剤の反応を促進する効果を損なわなければ特に限定されることは無い。しかし、本発明(第一のゴム用充填材組成物)の意義の一つであるシリカとカップリング剤が既に反応済みであることから、混練時に加熱せずとも、所期の物性を示す事を鑑みると、水分含有量が多過ぎる場合にあって、混練時に加熱しない場合には、後述するゴム用充填材を含有するゴム組成物の加硫時に、水分が蒸発する事でブリスター(ゴム中の気泡)の原因となる恐れがある。この場合、加硫物の品質を損ねる可能性があるため、水分含有量は4重量%以下であることが好ましく、2重量%以下がより好ましい。また4重量%以下とするために加熱処理を施しても良い。
前記シリカ系充填材の含水量(水分含有量:重量%)は、加熱前後の重量減少から測定することができる。例えば市販の水分計(例:ザルトリウス株式会社製モデルMA45電子水分計)などを用いても良く、JIS−K 6218−1:2005に記載のA法を準用しても良い。
シランカップリング剤
本発明で用いられるシランカップリング剤とは特に限定はされないがビニルシラン類、アミノシラン類、エポキシシラン類、メタクリロキシシラン類が例示され、特に(ポリ)スルフィド系シラン類とメルカプトシラン類が好ましい。
具体的には、ダイソー社製、カブラス2A、カブラス2B、カブラス4、デグサ社製、Si−75、Si−69、Si−363、モメンティブ社製、A−1289、NXT、NXT−LowV、A−189、信越化学社製、KBE−846などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または混合して使用することもできる。また一般式[I]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤がより好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(略称TESPD)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(略称TESPT)が特に好ましい。
Figure 2011013513
(式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Rは炭素数1〜9の二価の炭化水素基、xは2〜6、は0、1、または2の整数である。)
上記シランカップリング剤の配合量は、シリカ系充填材100重量部に対して、2〜25重量部であり、5〜20重量部であることが好ましい。2〜25重量部の範囲であれば、圧縮永久歪み性などの特性が悪化することなく、十分にシランカップリング剤の効果が得られるため好ましい。
ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩
本発明に使用されるヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩は、シリカ充填材とシランカップリング剤との反応を促進するものであれば、特に限定されることなく使用できる。より詳細には、1分子内にカルボキシル基とヒドロキシル基をそれぞれ少なくとも1つ以上持つ化合物及び/又はその塩(ナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩などが例示される)であり、その主鎖は脂肪族でも芳香族でも良い。好ましくは炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜18の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩である。より好ましくは炭素数2〜12の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜12の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩である。またカルボキシル基とヒドロキシル基が同一又は隣り合った炭素に結合しているヒドロキシ酸及び/又はその塩が特に好ましい。
具体的には、乳酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸などの飽和脂肪族ヒドロキシ酸又は不飽和脂肪族ヒドロキシ酸、サリチル酸、マンデル酸、クレオソート酸、クマル酸などの芳香族ヒドロキシ酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。またこれらの塩であってもよく、具体的には、乳酸ナトリウム、乳酸亜鉛、乳酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸、酒石酸カリウムなどの飽和脂肪族ヒドロキシ酸又は不飽和脂肪族ヒドロキシ酸の塩、サリチル酸ナトリウムなどの芳香族ヒドロキシ酸の塩などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明で用いられるヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩は乳酸、サリチル酸及び/又はこれらの塩が好ましく、物性および経済性の観点からラセミ体の乳酸及び/又は乳酸塩であることがより好ましい。
上記ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩の配合量は、シリカ系充填材100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、0.1〜5重量部であることが好ましい。0.1〜10重量部の範囲であれば、シリカ系充填材とシランカップリング剤との反応を促進する効果が得られるため好ましい。
また本発明において、ゴム組成物を架橋する際の架橋速度がpHで変化する場合や、配合系(原料)のpHが、酸性側となる事が好ましくない場合、原料である充填材のpHを変化させたくない場合などにおいて、充填材中のヒドロキシ酸を中和するために塩基性成分を添加しても良い。たとえば、塩基成分として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
上記塩基性成分の配合量は、ヒドロキシ酸中のカルボキシル基に対して0.5〜2.0モル等量の範囲で用いることが好ましく、0.8〜1.2モル等量であることがより好ましい。
ゴム用充填材
本発明のゴム用充填材は、上記のシリカ系充填材、シランカップリング剤、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩、場合によってはアルカリ性成分を含むゴム用充填材組成物中のシリカ系充填材とシランカップリング剤を反応させて得ることができる。
ゴム用充填材の製造方法
本発明のゴム用充填材の製造方法としては、シリカとカップリング剤の反応をより促進するために加熱処理を施してもよく、加熱方法や時間、温度など特に制限はない。具体的には、ナウターミキサーやリボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなどを用いて加熱攪拌し、その後、組成物を加熱オーブンなどで加熱する等を例示することができる。加熱撹拌温度及び時間は、一般的には40〜200℃で、1分〜24時間である。
本発明の充填材の製造に関して、シリカ充填材にカップリング剤および各種添加剤を添加する際の手順を問うものではないが、シリカ充填材にヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩とシランカップリング剤と、必要であれば塩基性物質を独立して添加する工程を経ることが好ましい。シリカ充填材にヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩とシランカップリング剤を独立して添加した後に塩基性物質を添加する工程を経ることがより好ましい。
またヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を添加する工程において、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩が固体である場合は分散性を向上させるために溶媒に溶解させてから添加することが好ましい。溶媒としてエタノールなどのアルコール類、アセトン、トルエン、水など例示できるが、これらに限定されるものではない。
ゴム用充填材を含有するゴム組成物
ゴム用充填材とゴム成分を含有したゴム組成物について、以下に説明する。
本発明で用いるゴム成分としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系ゴムが挙げられ、これらジエン系ゴムは1種または2種以上のブレンドで使用しても良い。
上記ゴム用充填材の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、5〜120重量部含有することが好ましく、10〜110重量部含有することがより好ましく、特に好ましくは20〜100重量部が特に好ましい。5重量部を下回ると十分な補強性を示さず、120重量部を上回ると高粘度となり加工性が悪化する。
本発明のゴム用充填材を含有するゴム組成物に用いられる架橋剤は、硫黄、パーオキサイド、チウラム類、オキシム類等の加硫剤を例示することができるが、これらに限定されるものではない。上記架橋剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部含有することが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。
本発明のゴム用充填材を含有するゴム組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の他に、通常ゴム工業で用いられる配合剤を使用できる。例えば、加硫促進剤、加工助剤、老化防止剤、充填材、補強剤、軟化剤、可塑剤等を使用できる。
第二のゴム組成物として、シリカ配合ゴム組成物について詳細に説明する。尚、シリカ配合ゴム組成物はシリカとシランカップリング剤が未反応のままでジエン系ゴムと配合される点で、上述のゴム用充填材を含有するゴム組成物とは異なる。
シリカ配合ゴム組成物
本発明のシリカ配合ゴム組成物は、少なくともジエン系ゴム、シリカ系充填材、シランカップリング剤及びヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を含む。
ジエン系ゴム
本発明のシリカ配合ゴム組成物で用いるジエン系ゴムは天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられ、これらジエン系ゴムは1種または2種以上のブレンドで使用しても良い。
シリカ系充填材
本発明のシリカ配合ゴム組成物で用いるシリカ系充填材は、BET比表面積が20〜250m/gの湿式シリカが好ましく、BET比表面積が50〜200m/gの湿式シリカがより好ましい。比表面積が20m/g〜250m/gの範囲であれば、ゴムに対する十分な補強性が得られ、シランカップリング剤との反応性も良好であるので好ましい。このようなシリカとしては、東ソーシリカ社製、ニプシルVN−3、AQ、ER、E743、トクヤマ社製トクシル255、UR、GU、233、デグサ社製ウルトラジルVN3、VN2など市販のシリカが用いられる。
上記シリカ系充填材の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、10〜120重量部含有することが好ましく、10〜110重量部含有することがより好ましく、20〜100重量部が特に好ましい。10重量部を下回ると十分な補強性を示さず、120重量部を上回ると高粘度となり加工性が悪化する。なお、前記配合量の最低値が、前記第一のゴム用充填材組成物の時と異なるのは、第一のゴム用充填材組成物と比較して、通常のシリカは補強性に劣るためである。具体的には、通常のシリカは、表面に存在するシラノールにより、ゴムとの相溶性が悪く(ゴムとのなじみが悪く)、補強性が劣ることになるためである。なお、シランカップリング剤とシリカを反応させて得られるシリカ(表面処理シリカ)は、シラノールが減少しているため、ゴムとの相溶性が高まった結果、補強性が高くなるものと推測される。
シランカップリング剤
本発明のシリカ配合ゴム組成物で用いられるシランカップリング剤とは特に限定はされないがビニルシラン類、アミノシラン類、エポキシシラン類、メタクリロキシシラン類が例示され、特に(ポリ)スルフィド系シラン類とメルカプトシラン類が好ましい。
具体的には、ダイソー社製のカブラス2A、カブラス2B、カブラス4、デグサ社製、Si−75、Si−69、Si−363、モメンティブ社製のA−1289、NXT、NXT−LowV、A−189、信越化学社製のKBE−846などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または混合して使用することもできる。また一般式[I]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤が特に好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(略称TESPD)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(略称TESPT)が特に好ましい。
Figure 2011013513
(式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Rは炭素数1〜9の二価の炭化水素基、xは2〜6、は0、1、または2の整数である。)
上記シランカップリング剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.5〜20重量部であり、1〜12重量部であることが好ましい。0.5重量部〜20重量部の範囲では圧縮永久歪み性などの特性が悪化することなく、十分にシランカップリング剤の効果が得られるため好ましい。
ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩
本発明のシリカ配合ゴム組成物に使用されるヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩は、シリカ系充填材とシランカップリング剤との反応を促進するものであれば、特に限定されることなく使用できる。より詳細には、1分子内にカルボキシル基とヒドロキシル基をそれぞれ少なくとも1つ以上持つ化合物及び/又はその塩(ナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩などが例示される)であり、その主鎖は脂肪族でも芳香族でも良い。好ましくは炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜18の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩である。より好ましくは炭素数2〜12の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜12の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩である。またカルボキシル基とヒドロキシル基が同一又は隣り合った炭素に結合しているヒドロキシ酸が特に好ましい。
具体的には、乳酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸などの飽和脂肪族ヒドロキシ酸又は不飽和脂肪族ヒドロキシ酸、サリチル酸、マンデル酸、クレオソート酸、クマル酸などの芳香族ヒドロキシ酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。またこれらの塩であってもよく、具体的には、乳酸ナトリウム、乳酸亜鉛、乳酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸、酒石酸カリウムなどの飽和脂肪族ヒドロキシ酸又は不飽和脂肪族ヒドロキシ酸の塩、サリチル酸ナトリウムなどの芳香族ヒドロキシ酸の塩などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明で用いられるヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩においては乳酸、サリチル酸及び/又はこれらの塩が好ましく、物性および経済性の観点からラセミ体の乳酸及び/又は乳酸塩であることがより好ましい。
上記ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、0.1〜5重量部であることが好ましい。0.1〜10重量部の範囲であれば、シリカ系充填材とシランカップリング剤との反応を促進する効果が得られるため好ましい。
また本発明において、シリカ配合ゴム組成物を架橋する際の架橋速度がpHで変化する場合や、配合系(原料)のpHが、酸性側となる事が好ましくない場合、原料である充填材のpHを変化させたくない場合などにおいて、充填材中のヒドロキシ酸を中和するために塩基性成分を添加しても良い。たとえば、塩基成分として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
上記塩基性成分の配合量は、ヒドロキシ酸中のカルボキシル基に対して0.5〜2.0モル等量の範囲で用いることが好ましく、0.8〜1.2モル等量であることがより好ましい。
本発明のシリカ配合ゴム組成物に用いられる架橋剤は、硫黄、パーオキサイド、チウラム類、オキシム類等の加硫剤を例示することができるが、これらに限定されるものではない。上記架橋剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部含有することが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。
本発明のシリカ配合ゴム組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の他に、通常ゴム工業で用いられる配合剤を使用できる。例えば、加硫促進剤、加工助剤、老化防止剤、充填材、補強剤、軟化剤、可塑剤等を使用できる。
ゴム用充填材を含有するゴム組成物の製造方法
本発明のゴム用充填材を含有するゴム組成物の製造方法としては、10〜250℃で混練することが好ましく、30〜180℃で混練することがより好ましい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
シリカ配合ゴム組成物の製造方法
本発明のシリカ配合ゴム組成物の製造方法としては、80〜200℃で混練することが好ましく、100〜180℃で混練することがより好ましい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
架橋用ゴム組成物の製造方法
本発明の架橋用ゴム組成物の製造は、前述のゴム用充填材を含有するゴム組成物、シリカ配合ゴム組成物に架橋剤を加え、100℃以下で混練することが好ましい。
本発明のゴム組成物の混練は、通常ゴム工業にて使用されるロール、加圧ニーダー、インターミキサー、バンバリーミキサーなどの各種混合機械を用いることが可能であり、タイヤのトレッド、防振ゴム、靴底などの動的に使用されるゴム部品の製造には好適である。
架橋物の製造方法
本発明の架橋用ゴム組成物を架橋してなる架橋物は、上述の架橋用ゴム組成物を押出成形機、カレンダーロール、またはプレスにより意図する形状に成形し、好ましくは130〜230℃で、1分〜3時間加熱して得ることができる。また、架橋の際には金型を用いても良い。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
ゴム用充填材の製造
130℃で24時間乾燥させ揮発分を0重量%としたシリカ100重量部に対し、表1〜4に示される水分量と添加剤量になるように蒸留水および各種添加剤を混合し、2Lヘンシェルミキサー(株式会社カワタ製、スーパーミキサーピッコロ)を用い室温にて600rpmで15分攪拌した。その後、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPT)を添加、600rpmで45分攪拌して充填材とした。また当該充填材に表2に示される量の亜鉛華を中和剤として添加し、中和された充填材とした。
なお表1〜3に用いたシリカはBET比表面積が109m/g、見掛け平均粒子径は10μmであり、表4に用いたシリカは比表面積が214m/g、見掛け平均粒子径は25μmである。BET比表面積は、購入したシリカの試験成績表に記載の値である。見かけ平均粒子径は、パーチクルカウンター(パーチクルデータ社製、EL・ZONE280PC)を用いて測定した。また添加したTESPT量は、表1〜3ではシリカに対して15重量%、表4では表中に記載の通りである。
充填材の処理性評価
上記で作製した各種充填材のカップリング性の指標として、抽出量(溶剤抽出量:重量%)による評価を行った。なお、これら充填材は、作成後、アルミ蒸着された袋に入れて密封し、23℃の恒温槽内で保管し、1週間経過時点で評価を行った。各種充填材(10g)をメチルエチルケトン(50g)に入れて10分間激しく攪拌し、このスラリーを減圧濾過および残渣をメチルエチルケトンにてリンス(5ml×5回)を行い、得られた溶液をロータリーエバポレーターにて、50mmHgまで減圧し、70℃で20分間減圧濃縮する事によって、抽出量を測定した。抽出量が多ければ未反応のTESPTが残存している事を意味し、少なければ少ないほど好ましい。
Figure 2011013513
Figure 2011013513
Figure 2011013513
Figure 2011013513
結果は表1〜4に示される通りであり、実施例1〜14に示されるヒドロキシ酸を配合した充填材の抽出量は、添加剤を含まないもの(比較例1)、ステアリン酸(比較例2,3)、オレイン酸(比較例5)、ヘキサン酸(比較例7)といったヒドロキシ基を持たない脂肪酸、塩酸(比較例4)、メラミンスルホン酸ソーダのホルマリン縮合物(比較例6)と比較して、抽出量が明らかに少なく、シリカとカップリング剤が良好に反応していることが分かり、実施例1〜14に示される充填剤を添加することで、ゴムに優れた動的特性を付与することができるものと推測される。この点については、後述する粘弾性特性試験の結果からも、明らかである。
なお、脂肪酸(脂肪族カルボン酸)は、炭素数が少ない場合(酢酸、酪酸、ヘキサン酸といった炭素数1〜8の脂肪族カルボン酸、特に炭素数1〜6の脂肪族カルボン酸の場合)には、悪臭や特異臭のために実用的ではないが、ヒドロキシ酸の場合、炭素数が少ない乳酸などでも、特異臭などは無く、この点においても好ましい。
また、塩酸や硫酸のような無機酸では、濃度によって、シリカとカップリング剤が反応せずに、カップリング剤同士が反応して、ゲル化するおそれがあり、好ましくない。また、カップリング剤とシリカが反応していない場合、シリカ表面のシラノール相互作用に起因するペイン効果が減少せず、tanδが増加すること、即ち、燃費特性が悪化することになり、好ましくない。
ゴム組成物の製造1
表5(I)の配合に示される配合物を40〜50℃の6インチロールにてゴム分200gベースで30分混練し、次いで表5の配合(II)に示されるに示される架橋剤成分を添加し10分間混練後、約2mmの厚みのシートを得た。それを160℃で20分間熱プレス架橋し、試験用サンプルを得た。尚、充填材は先述の充填材の処理性評価と同様に、作成後1週間経過時点のものを使用した。
Figure 2011013513

*1 JSR社製 SL552
*2 JSR社製 BR01
*3 日本サンオイル社製 Sunthene415
*4 大内新興社製 ジフェニルグアニジン
*5 大内新興社製 N−シクロヘキシル−2−ベンジルスルフェンアミド
粘弾性特性試験
加硫シートから幅4mm×長さ40mm×厚み2mmの試験片を打ち抜き、セイコーインスツル株式会社製DMS6100にて、初期荷重1000mN、引張歪10μm、10Hzの加振条件下で動的特性(損失正接:tanδ)を測定した。なお測定温度範囲は−20℃〜80℃とし、2℃/分の速度で昇温した。前記測定方法で求めた損失正接の60℃における値(tanδ)が、タイヤの転がり抵抗の指標であり、小さいほど好ましい。
上記製造方法より得られた実施例及び比較例の試験結果を表6に示した。なお、表7は、比較例8を基準(基準値:100)として、実施例15〜19を相対評価した結果である。
Figure 2011013513
Figure 2011013513
60℃のtanδはタイヤの転がり抵抗の指標を示し、この数値が小さいほどタイヤとしての燃費が優れる。比較例8より実施例15〜19は、より小さな値を示しており、ヒドロキシ酸によりシリカとカップリング剤の反応がより促進されている事が確認された。
ゴム組成物の製造2
表8の配合(I)に示される配合物を1.7Lバンバリーミキサーにてゴム分650gベースで、150℃で6分間混練し、ダンプ後12インチロールにて冷却した。次いで表8の配合(II)に示されるに示される架橋剤成分を添加し10分間混練後、約2mmの厚みのシートを得た。それを160℃で20分間熱プレス架橋し、試験用サンプルを得た。
Figure 2011013513

*6 JSR社製 SL552
*7 JSR社製 BR01
*8 東ソーシリカ製 Nipsil AQ
*9 日本サンオイル社製 Sunthene415
*10 ダイソー社製 CABRUS−4
*11 大内新興社製 ジフェニルグアニジン
*12 大内新興社製 N−シクロヘキシル−2−ベンジルスルフェンアミド
上記製造方法より得られた実施例及び比較例の試験結果を表9に示す。なお、表10は、比較例9を基準(基準値:100)として、比較例10、及び、実施例20〜27を相対評価した結果である。
Figure 2011013513
Figure 2011013513
表9から明らかなように、ヒドロキシ酸を配合しなかった場合(比較例9)と、ヒドロキシ酸の代わりに脂肪酸であるヘキサン酸(比較例10)を使用した場合に対して、ヒドロキシ酸を配合した実施例20〜27を比較すると、実施例20〜27においては、より小さな60℃のtanδ値の指標を示しており、優れた動的特性を有していることが分かった。これはシリカとシランカップリング剤を予め反応させた充填材をゴムに配合させる場合(実施例15〜19)だけではなく、ゴム組成物として充填材及びカップリング剤を添加する、いわゆるインテグラルブレンドをさせた場合(実施例20〜27)でも、ヒドロキシ酸によりシリカとカップリング剤の反応がより促進されている事が推測される。
本発明により、ヒドロキシ酸を配合したゴム用充填材やゴム組成物は充分にカップリング剤の効果が発揮できるため、従来の混練方法が簡素化され、また優れた動的性質を示すことができる。従って、タイヤのトレッド、防振ゴム、靴底などの動的に使用されるゴム部品の製造に好適である。

Claims (15)

  1. シリカ系充填材100重量部に対し、シランカップリング剤を2〜25重量部、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を0.1〜10重量部を含有することを特徴とするゴム用充填材組成物。
  2. ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩が、炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜18の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩である請求項1に記載のゴム用充填材組成物。
  3. シランカップリング剤が下記式[I]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム用充填材組成物。
    Figure 2011013513
    (式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Rは炭素数1〜9の二価の炭化水素基、は2〜6、は0、1、または2の整数である。)
  4. ヒドロキシ酸中のカルボキシル基に対して0.5〜2.0モル等量の塩基性物質を含有することを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のゴム用充填材組成物。
  5. シリカ系充填材が、BET比表面積20〜250m/gの湿式シリカであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のゴム用充填材組成物。
  6. 請求項1〜5記載のゴム用充填材組成物のシリカ系充填材とカップリング剤とを反応して得られるゴム用充填材。
  7. 請求項6に記載の充填材をジエン系ゴム100重量部に対し5〜120重量部を含むことを特徴とするゴム組成物。
  8. ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ系充填材を10〜120重量部、シランカップリング剤を0.5〜20重量部、ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩を0.1〜10重量部を含有することを特徴とする、シリカ配合ゴム組成物。
  9. ヒドロキシ酸及び/又はヒドロキシ酸の塩が、炭素数2〜18の脂肪族ヒドロキシ酸及び/又は脂肪族ヒドロキシ酸の塩、炭素数7〜18の芳香族ヒドロキシ酸及び/又は芳香族ヒドロキシ酸の塩である請求項8に記載のシリカ配合ゴム組成物。
  10. シランカップリング剤が下記式[I]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤であることを特徴とする、請求項8又は9記載のシリカ配合ゴム組成物。
    Figure 2011013513
    (式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Rは炭素数1〜9の二価の炭化水素基、は2〜6、は0、1、または2の整数である。)
  11. シリカ系充填材がBET比表面積20〜250m/gの湿式シリカであることを特徴とする請求項8〜10いずれかに記載のシリカ配合ゴム組成物。
  12. 請求項7〜11に記載のゴム組成物と架橋剤を含む架橋用ゴム組成物。
  13. 請求項12記載の架橋用ゴム組成物を架橋してなる架橋物。
  14. 請求項13記載の架橋物を用いてなるタイヤ。
  15. 請求項13記載の架橋物を用いてなる防振ゴム。
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