JPH1171479A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH1171479A
JPH1171479A JP9250086A JP25008697A JPH1171479A JP H1171479 A JPH1171479 A JP H1171479A JP 9250086 A JP9250086 A JP 9250086A JP 25008697 A JP25008697 A JP 25008697A JP H1171479 A JPH1171479 A JP H1171479A
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rubber
weight
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rubber composition
salt
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JP9250086A
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Shiyuuichi Mizada
修一 見座田
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤等を必須の配合剤とし
て使用することなく、優れた練り特性、加工性等を有す
るゴム組成物を提供する。 【解決手段】 天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム及びスチレン・ブタジエンゴムのうちの少なくとも
一種からなるゴム成分100重量部に対して、10〜8
0重量部のシリカ、並びに0.5〜10重量部の12−
ヒドロキシステアリン酸及びその塩を配合する。ゴム成
分としては、(1)天然ゴム、イソプレンゴムと(2)ブタジ
エンゴム、スチレン・ブタジエンゴムとを併用すること
が好ましい。12−ヒドロキシステアリン酸の塩として
は、アルミニウム塩、亜鉛塩等を用いることができる。
このゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤等の
他、200重量部以下のカーボンブラックを配合するこ
ともできるが、カーボンブラックが配合されていなくて
も得られる加硫ゴムは優れた耐摩耗性等を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた練り特性及
び加工性を有し、配合剤のブリーデイング或いはブルー
ミングが抑えられ、加硫、接着等が損なわれることのな
いゴム組成物に関する。本発明のゴム組成物を用いて得
られる加硫ゴムは、優れた耐摩耗性等の物性及び耐久性
などを有する。本発明のゴム組成物は、各種の用途にお
いて使用することができるが、特に、自動車、自転車等
の空気入りタイヤのトレッド、サイドなどとして用いる
ことができる。また、カーボンブラックを必須の配合剤
としていないため、黒色以外の所望の色調を有するゴム
成形品とすることができる。
【0002】
【従来の技術】一般に、ゴムの配合においては、適量の
シリカとカーボンブラックとを組み合わせることによっ
て、耐摩耗性、耐久性及び低発熱性等を併せ有する加硫
ゴムを得るための試みがなされている。しかし、シリカ
はゴム組成物の他の成分との分散性及び相溶性が必ずし
も十分ではなく、単にシリカを併用するだけでは十分な
効果は得られていない。そのため、シランカップリング
剤及びアルキレングリコール等の活性剤などを配合し、
改良する試みもなされている。
【0003】しかしながら、 1)シリカの粒子表面は酸性であって加硫促進剤である
塩基性物質を吸着する。そのため、加硫が阻害され、加
硫ゴムの耐摩耗性、引裂強度等が低下する。 2)シラノール基の水素結合によってシランカップリン
グ剤の粒子が凝集するため、配合、分散のための混練時
間を長くする必要がある。 3)凝集による分散不良のためゴム組成物の粘度が上昇
し、加工性に劣る。 等の問題があり、未だ十分な性能のゴム組成物は得られ
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題を解決するものであり、ゴム成分に、シリカとと
もに特定のステアリン酸の誘導体を少量配合することに
より、優れた練り特性及び加工性等を有するゴム組成物
を提供することを課題とする。また、本発明は、カーボ
ンブラック或いはシランカップリング剤を必須の配合剤
として使用することなく、優れた耐摩耗性及び耐久性等
を有する加硫ゴムを得ることができるゴム組成物を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明のゴム組成物
は、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びス
チレン・ブタジエンゴムのうちの少なくとも一種からな
るゴム成分100重量部に対して、10〜80重量部の
シリカ、並びに0.5〜10重量部の12−ヒドロキシ
ステアリン酸及びその塩のうちの少なくとも一方を配合
したことを特徴とする。
【0006】また、第2発明のゴム組成物は、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びスチレン・ブ
タジエンゴムのうちの少なくとも一種からなるゴム成分
100重量部に対して、10〜80重量部のシリカ、2
00重量部以下のカーボンブラック、並びに0.5〜1
0重量部の12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩の
うちの少なくとも一方を配合したことを特徴とする。
【0007】上記「ゴム成分」は「天然ゴム(N
R)」、「イソプレンゴム(IR)」、「ブタジエンゴ
ム(BR)」及び「スチレン・ブタジエンゴム(SB
R)」のうちの少なくとも一種からなる。これらのゴム
としては、従来よりタイヤトレッド等に用いられている
ゴム組成物の配合において一般に使用されているものを
特に制限されることなく使用することができる。これら
のゴムは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。このゴム成分としては、特に、NR及びIR
のうちの少なくとも一方と、BR及びSBRのうちの少
なくとも一方とを併用することが好ましく、このような
併用によって優れた耐摩耗性等を有するタイヤなどのゴ
ム成形品を得ることができる。
【0008】NR、IRとBR、SBRとの量比は特に
限定されないが、これらのゴムの合計量を100重量部
とした場合に、NR及びIRを20〜60重量部、BR
及びSBRを80〜40重量部とすることが好ましい。
この量比は、NR及びIRを25〜55重量部、特に3
5〜45重量部、BR及びSBRを75〜45重量部、
特に65〜55重量部とすることがより好ましい。この
ようなゴム成分を使用すれば、特にタイヤトレッド等と
して用いた場合に、優れた耐摩耗性、耐久性等を有する
成形品とすることができる。尚、このゴム成分には、ゴ
ム組成物の練り特性、加工性等、及び加硫ゴムの耐摩耗
性等を損なうことのない量比で他のゴムを併用すること
もできる。
【0009】上記「シリカ」としては、タイヤトレッド
用ゴム組成物等に一般に使用されているものを用いるこ
とができる。このシリカの配合量が10重量部未満で
は、特に12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩の配
合量が少ない場合に、加硫ゴムの耐摩耗性が低下する傾
向にある。また、ゴム組成物のムーニー粘度がそれほど
上昇せず、練り特性も十分に向上しない。一方、この配
合量が80重量部を越える場合は、加硫ゴムの耐摩耗性
が低下する。シリカの配合量は、特に第3発明のように
「30〜80重量部」とすることが好ましい。この範囲
の配合量であれば、より優れた練り特性及び加工性を有
するゴム組成物が得られ、加硫ゴムの耐摩耗性等も十分
に向上する。
【0010】上記「12−ヒドロキシステアリン酸及び
その塩」は、特にNR、IR、BR及びSBRの加工助
剤として有用である。12−ヒドロキシステアリン酸及
びその塩は、予めゴム成分に配合しておいてもよいし、
シリカ等、他の配合剤に添加しておいて、それらととも
にゴム成分に配合してもよい。この12−ヒドロキシス
テアリン酸及びその塩によって、シリカ或いは軟化剤
等、配合剤のゴム成分への混入及び分散が容易となり、
シリカ等が迅速、且つ均一にゴム成分中に分散する。そ
のため、ゴム組成物の混練、分散に要する時間が短縮さ
れ、長時間の混練による物性の低下が抑えられる。ま
た、シリカの分散が良好であるため、その補強効果が高
くなり、加硫ゴムの耐摩耗性、耐久性等が大きく向上す
る。尚、シリカ並びに12−ヒドロキシステアリン酸及
びその塩を、それぞれ特定の好ましい量比とすることに
より、第5発明のように、摩耗容積が「0.08c
3」の優れた耐摩耗性を有する加硫ゴムを得ることが
できる。
【0011】12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩
としては、12−ヒドロキシステアリン酸或いはその塩
をそれぞれ単独で使用してもよいし、酸と塩とを併用し
てもよい。また、酸と2種以上の塩とを使用することも
でき、酸を使用せず、2種以上の塩を併用することもで
きる。この塩としては、所謂金属石ケンとして使用され
るものである、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
との塩、或いはマグネシウム、カルシウム、バリウム等
のアルカリ土類金属との塩を使用することができる。ま
た、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム等、各種の金属
との塩の他、12−ヒドロキシステアリン酸アミドなど
を用いることもできる。これらの塩としては、特にアル
ミニウム塩及び亜鉛塩が好ましい。尚、酸と塩との併用
において、その量比は特に限定はされない。
【0012】12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩
の配合量が0.5重量部未満では、練り特性の向上が不
十分となり、ゴム組成物の混練、分散に長時間を要す
る。また、加硫ゴムの耐摩耗性等が低下する。一方、こ
の配合量が10重量部を越える場合は、モジュラスの低
下が著しく、また、硬さも低下する傾向にある。12−
ヒドロキシステアリン酸及びその塩の配合量は、0.5
〜8重量部、特に第4発明のように1〜8重量部とする
ことが好ましい。この範囲の配合量とすれば、混練に要
する時間も十分に短縮することができ、より優れた性能
のゴム組成物とすることができる。更に、加硫ゴムの耐
摩耗性等も十分に向上する。
【0013】NR、IR、BR及びSBRをゴム成分と
するゴム組成物では、練り特性及び加工性などを改良
し、また、加硫ゴムの耐摩耗性等の物性を向上させるた
め、通常、カーボンブラック及びシランカップリング剤
が配合される。本発明のゴム組成物では、これらを必須
の成分として配合する必要がないことは前記の通りであ
るが、必要に応じて適量を配合することもできる。
【0014】カーボンブラックは、第2発明のように、
「200重量部以下」の配合量とすることができる。こ
の配合量は、特に100重量部以下、更には50重量部
以下とすることが好ましい。カーボンブラックが200
重量部を越える場合は、ゴム組成物の練り特性及び加工
性が低下し、且つ破断伸びの低下等、加硫ゴムが硬く、
脆くなる傾向にある。また、シランカップリング剤は1
〜10重量部、特に3〜7重量部程度を配合することが
できる。このシランカップリング剤の配合によって破断
強度及び特に弾性率、引裂強度等が大きく向上するが、
破断伸びは低下する傾向にある。このようにシランカッ
プリング剤の使用及びその量比は、所要の物性等によっ
て適宜設定する必要がある。
【0015】更に、本発明のゴム組成物では、この種の
ゴム組成物において一般に使用されている配合剤を適宜
用いることができる。そのような配合剤としては、イオ
ウ等の加硫剤、アルデヒド−アミン類、グアニジン類等
の加硫促進剤、亜鉛華、ステアリン酸等の加硫促進助剤
などを使用することができる。また、アミン類、フェノ
ール類等の老化防止剤、プロセス油等の軟化剤などの
他、粘着付与剤、可塑剤などを用いることができる。こ
れらの配合剤の使用量は通常用いられている程度とすれ
ばよい。
【0016】尚、12−ヒドロキシステアリン酸及びそ
の塩は、ゴム組成物の調製時に三量体を形成し、その分
子内にシリカ及びオイル等を取り込んでゴム成分中に均
一に分散する。そのため、ゴム組成物のムーニー粘度が
適度に上昇し、混練時の練り効果が大きくなり、均質な
ゴム組成物が得られ、加硫ゴムの耐摩耗性及び耐久性等
が向上する。一方、12−ヒドロキシステアリン酸及び
その塩を使用しない場合は、シリカ、オイル等、ゴム成
分或いは他の成分との相溶性に劣る配合剤によってゴム
組成物の流動性が高くなる。そのため、混練による練り
効果が十分に得られず、分散不良となって加硫ゴムの耐
摩耗性等が低下する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳しく説明する。 1)使用したゴム成分及び配合剤 a)NR:RSS 3号 b)SBR:旭化成株式会社製、商品名「JT−46」 c)シリカ:デグサ社製、商品名「ウルトラジルVN
3」 d)カーボンブラック:新日鐡化学株式会社製、商品名
「ニテロン#200」
【0018】e)オイル:サンオイル株式会社製、商品
名「サンセン450」 f)シランカップリング剤:デグサ社製、商品名「Si
69」 g)ポリエチレングリコール:旭電化株式会社製、商品
名「PEG#4000」 h)ワックス:日本製蝋株式会社製、商品名「オゾエー
ス0355」 i)ステアリン酸:新日本理化株式会社製、商品名「5
0S」
【0019】j)12−ヒドロキシステアリン酸:豊国
製油株式会社製、商品名「HOCTOL−A」、中和価
(KOHmg/g);175〜185、ケン化価(KO
Hmg/g);184〜194、ヨウ素価(12g/1
00g);5.0以下、水酸基価(KOHmg/g);
150以上 k)12ヒドロキシステアリン酸アルミニウム;豊国製
油株式会社製 l)12ヒドロキシステアリン酸亜鉛;豊国製油株式会
社製
【0020】m)亜鉛華;バイエル社製、活性亜鉛華 n)加硫促進剤(a);大内新興化学工業株式会社製;
商品名「ノクセラーCZ−G」、N−シクロヘキシル−
2−ベンゾチアロリルスルフェンアミド o)加硫促進剤(b);大内新興化学工業株式会社製;
商品名「ノクセラーD」、1,3−ジフェニルグアニジ
ン p)イオウ;鶴見化学株式会社製、商品名「サルファク
ス200S」
【0021】2)ゴム組成物の調製方法 NRとSBRとからなるゴム成分に、所定量のシリカ或
いはカーボンブラック及び加硫剤、加硫促進剤、軟化剤
等を配合してゴム配合物を準備した。その後、この配合
物を二軸混練機によって所定時間混練し、ゴム組成物を
調製した。次いで、このゴム組成物を下記のそれぞれの
試験方法に適した形状に成形、加工した後、160℃で
10分加硫し、加硫ゴムとした。混練時のムーニー粘度
及び加硫ゴムの各物性を以下の試験方法によって評価し
た。
【0022】3)試験方法 a)摩耗容積;請求項4に記載の通り b)ムーニー粘度;JIS K 6300(ローターの
形別;L、予熱時間;1分、ローターの作動時間;4
分、試験温度;125℃) c)比重;JIS K 6350 d)破断強度、破断伸び及び300%モジュラス;JI
S K 6251 e)引裂強度;JIS K 6252 f)硬さ;JIS K 6301、スプリング式硬さ試
験(A形)
【0023】(1)シリカの配合量の検討 表1のようにシリカの配合量を5〜90重量部の範囲で
変量し、その物性等に及ぼす影響を検討した。尚、カー
ボンブラックは使用せず、シランカップリング剤も実施
例3以外では用いなかった。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果によれば、シリカの配合量が1
0〜80重量部の範囲であれば、摩耗容積が0.08〜
0.10cm3の優れた耐摩耗性を有する加硫ゴムが得
られることが分かる。シリカの配合量が第1発明の下限
値未満である比較例1では、耐摩耗性が低下しており、
この配合量が第1発明の上限値を越える比較例2では、
耐摩耗性の低下は小さいものの混練にやや長時間を要す
る。また、実施例2と実施例3とを比較してみると、シ
ランカップリング剤は加硫ゴムの物性にそれほど大きな
影響は及ぼしていないいことが分かる。
【0026】(2)12−ヒドロキシステアリン酸及び
その塩の配合量の検討 表2のように12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩
の配合量を0.3〜12重量部の範囲で変量し、その物
性等に及ぼす影響を検討した。尚、シランカップリング
剤は使用せず、カーボンブラックも実施例8以外では用
いなかった。
【0027】
【表2】
【0028】表2の結果によれば、12−ヒドロキシス
テアリン酸及びそのアルミニウム塩の配合量が0.7〜
8重量部の範囲であれば、摩耗容積が0.08cm3
優れた耐摩耗性を有する加硫ゴムが得られることが分か
る。尚、12−ヒドロキシステアリン酸の配合量が0.
7重量部と第1発明の下限値近傍である実施例5では、
耐摩耗性は他の実施例と同等であるが、混練にやや長時
間を要する。また、12−ヒドロキシステアリン酸の配
合量が0.3重量部と第1発明の下限値未満である比較
例3では、耐摩耗性が低下しており、且つ混練に長時間
を要する。この配合量が第1発明の上限値を越える比較
例4では、硬さが低下し、伸びが大きくなるため、モジ
ュラスが低下する。更に、カーボンブラックを100重
量部併用した実施例8では、耐摩耗性は良好ではある
が、破断伸びが低下し、硬くなっており、この点に留意
して配合する必要がある。
【0029】(3)12−ヒドロキシステアリン酸の配
合量及びシランカップリング剤の効果の検討 表3及び表4のように12−ヒドロキシステアリン酸の
配合量を0〜5重量部の範囲で変量し、その物性等に及
ぼす影響を検討した。また、これらにシランカップリン
グ剤を併用した場合の効果を検討した。尚、補強剤とし
てはシリカを50重量部使用し、カーボンブラックは使
用しなかった。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表3の結果によれば、12−ヒドロキシス
テアリン酸を用いていない比較例5では、耐摩耗性が低
下し、破断強度、破断伸び、引裂強度などもやや低いこ
とが分かる。また、12−ヒドロキシステアリン酸を
0.5〜5重量部配合した実施例9〜12では、摩耗容
積が0.08cm3の優れた耐摩耗性を有する加硫ゴム
が得られる。更に、破断強度等は12−ヒドロキシステ
アリン酸の配合量によって大きな影響は受けていないこ
とが分かる。
【0033】一方、表4の結果によれば、シランカップ
リング剤の配合は耐摩耗性にはほとんど影響を及ぼさな
いが、破断強度、モジュラス及び引裂強度は大きく向上
していることが分かる。また、これらの物性は表3の場
合とは異なり、12−ヒドロキシステアリン酸の配合量
によって相当に変化している。即ち、破断強度、破断伸
び及び引裂強度は12−ヒドロキシステアリン酸の配合
量とともに向上しており、弾性率は低下している。この
ように各配合剤の物性等に及ぼす影響は組成によって必
ずしも同じではないことが分かる。
【0034】(4)シリカとカーボンブラックとの量比
及び12−ヒドロキシステアリン酸の効果の検討 表5及び表6のようにシリカとカーボンブラックとを4
5/5〜0/50重量部の範囲で変量し、その物性等に
及ぼす影響を検討した。また、これらの量比とともに1
2−ヒドロキシステアリン酸を使用した場合の効果を検
討した。尚、シランカップリング剤は使用しなかった。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】表5の結果によれば、カーボンブラックの
量比が高くなるとともに、耐摩耗性が低下する傾向にあ
る。但し、カーボンブラックのみを50重量部用いた比
較例8では耐摩耗性に優れた加硫ゴムが得られている。
また、カーボンブラックの量比が高くなるとともに、破
断強度、引裂強度等も向上している。しかし、カーボン
ブラックが増加するとともに、破断伸びは低下してお
り、また、ムーニー粘度も低下しており、練り特性の悪
化が予想される。
【0038】一方、12−ヒドロキシステアリン酸を使
用していない表6の結果によれば、カーボンブラックの
量比が高くなるとともに、耐摩耗性が向上する傾向には
あるが、12−ヒドロキシステアリン酸を使用した場合
に比べて全般に耐摩耗性に劣ることが分かる。また、表
5の場合と同様に、カーボンブラックの量比が高くなる
とともに、破断強度、引裂強度等も向上しているが、破
断伸びは低下している。また、ムーニー粘度も低下する
傾向にあり、練り特性の悪化が予想される。
【0039】
【発明の効果】第1発明のゴム組成物によれば、カーボ
ンブラック及びシランカップリング剤を必須の成分とす
ることなく、優れた練り特性及び加工性等を有するゴム
組成物を得ることができる。このゴム組成物では、混
練、分散に要する時間を短縮することができ、物性等の
低下が抑えられる。また、このゴム組成物からなる加硫
ゴムは優れた耐摩耗性及び耐久性等を有する。更に、カ
ーボンブラックを使用する必要がないため、黒色以外の
所望の色調のゴム成形品を得ることができる。また、第
2発明のゴム組成物によれば、任意の色調の成形品とす
ることができない点を除き、同様に練り特性、加工性等
に優れたゴム組成物を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 9/00 C08L 9/00 //(C08K 13/02 3:36 5:09)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
    ゴム及びスチレン・ブタジエンゴムのうちの少なくとも
    一種からなるゴム成分100重量部に対して、10〜8
    0重量部のシリカ、並びに0.5〜10重量部の12−
    ヒドロキシステアリン酸及びその塩のうちの少なくとも
    一方を配合したことを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
    ゴム及びスチレン・ブタジエンゴムのうちの少なくとも
    一種からなるゴム成分100重量部に対して、10〜8
    0重量部のシリカ、200重量部以下のカーボンブラッ
    ク、並びに0.5〜10重量部の12−ヒドロキシステ
    アリン酸及びその塩のうちの少なくとも一方を配合した
    ことを特徴とするゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記シリカが30〜80重量部である請
    求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 上記12−ヒドロキシステアリン酸及び
    その塩が1〜8重量部である請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 加硫後のJIS K 6264のアクロ
    ン摩耗試験によって測定した摩耗輪1000回転当たり
    の摩耗容積が0.08cm3以下である請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載のゴム組成物。 (試験方法;試験片と摩耗輪との傾角;10°、摩耗輪
    に掛けた荷重;27.0N、試験片の回転速度;毎分7
    5±5回)
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