JP2019089868A - 低燃費タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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幸弘 城
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Ryota Fukitani
涼太 蕗谷
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Toyoji Otaka
豊史 大高
横山 勝敏
Katsutoshi Yokoyama
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Abstract

【課題】本発明は、高い低燃費性能タイヤを与えるための低燃費タイヤ用ゴム組成物、及びゴム組成物を用いてなるタイヤを提供する。【解決手段】特定の構造を持つ有機珪素化合物とビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含む低燃費タイヤ用ゴム組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、有機珪素化合物を含む低燃費タイヤ用ゴム組成物に関する。
近年、低燃費性、制動性に優れたシリカ配合タイヤを始めとし、防振ゴムや各種ゴムロールなど様々なシリカ配合ゴム製品が普及しつつある。しかしながらシリカ配合ゴム組成物はコンパウンド粘度が著しく上昇するため、シランカップリング剤を配合することにより粘度の上昇を緩和する手法が一般的に取られている。またシランカップリング剤は、シリカ表面のシラノールと反応することによりシリカ同士の相互作用を低減し、ゴムの損失正接や動的弾性率を下げることが知られている。現在、特に低燃費タイヤ用途ではポリスルフィド系カップリング剤が多用されているが、近年の低燃費性能の要求を満たすには性能が不十分であり、より一層の低燃費性能の向上が求められている。またタイヤ以外では半導体封止材などでも含硫黄シランカップリング剤の検討がなされている。
上記の問題を解決すべく、新たな構造を持つ有機珪素化合物が提案されている。特許文献1ではメルカプトシランの保護化が提案されているが、実質的にはチオカルボキレート基を有する有機珪素化合物が開示されているにすぎず、実用的には経済性や耐磨耗性などの観点から問題が多い。特許文献2では加水分解基にカルボキシル基を持つ有機珪素化合物が提案されているが、この構造は加水分解を受けやすく、製品の保管中に加水分解を起こす事によりゲル化し、製品の特性を悪化させる可能性がある。特許文献3では脂環式チオエーテル基を持つ有機珪素化合物が提案されているが、チオエーテル構造、つまりモノスルフィド構造であるためにメルカプト基やポリスルフィド基と比較して反応性に乏しく、目標とする性能が得られがたいといった問題がある。
特開2008−110997 特開2008−150345 特表2003−519237
本発明は上記の点に鑑み、高い低燃費性能タイヤを与えるための低燃費タイヤ用ゴム組成物、及びゴム組成物を用いてなるタイヤを提供する。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討の結果、特定の構造を持つ有機珪素化合物とビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含む低燃費タイヤ用ゴム組成物により、上記課題を解決できることを見出した。
また、本発明は以下のように記載することができる。
項1. ゴム、シリカ系充填材、下記一般式[1]で表される有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有する低燃費タイヤ用ゴム組成物。
a1 (Rb13−n−Si−Rc1−S−C(=O)−Rd1・・・・[1]
[式中、Ra1は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、Rb1は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、Rc1は、2価の炭化水素基であり、Rd1は、炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。]
項2. 式[1]中、Ra1は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Rb1は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルコキシ基であり、Rc1は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rd1は、炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とする項1に記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
項3. ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種がメルカプト系有機珪素化合物であることを特徴とする項1又は2に記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
項4. ゴムが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)から選択される1種である、又は2種以上であることを特徴とする項1〜3いずれかに記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
項5. シリカ系充填材がBET比表面積20〜300m/gの湿式シリカであることを特徴とする項1〜4いずれかに記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
項6. 項1〜5いずれかに記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
項7. 下記一般式[1]で表される有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有するシランカップリング剤。
a1 (Rb13−n−Si−Rc1−S−C(=O)−Rd1・・・・[1]
[式中、Ra1は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、Rb1は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、Rc1は、2価の炭化水素基であり、Rd1は、炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。]
項8. ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種がメルカプト系有機珪素化合物であることを特徴とする項7に記載のシランカップリング剤。
本発明による有機珪素化合物を用いた低燃費タイヤ用ゴム組成物は、低転がり抵抗性を向上させることが期待できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ゴム、シリカ系充填材、下記一般式[1]で表される有機珪素化合物、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含む低燃費タイヤ用ゴム組成物である。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物に用いるゴムとしては特に限定はされないが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、各種アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、各種エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、ジエン系ゴムであることが好ましい。ゴムは単独、又は任意にブレンドして使用することができる。特に、NR、IR、SBRが好ましく、ブレンドする場合においてはNR、IR、SBRから選択されるゴムがゴム成分として10〜90重量%含有することが特に好ましい。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物に用いるシリカ系充填材としては、BET比表面積が10〜400m/gである湿式シリカ、乾式シリカであり、BET比表面積が20〜300m/gである湿式シリカ、BET比表面積が50〜300m/gである乾式シリカが好ましく、BET比表面積が30〜250m/gである湿式シリカがより好ましい。なお、BET比表面積は、島津製作所社製のトライスターII3020測定装置を用い、当該装置に添付されるプロトコールにしたがって測定することができる。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物に用いるシリカ系充填材は、ゴム100重量部に対して、シリカ系充填材は10〜150重量部を含有することが好ましく、20〜150重量部を含有することがより好ましく、20〜120重量部を含有することが特に好ましい。
本発明において、一般式[1]で表される有機珪素化合物は以下で示される。
a1 (Rb13−n−Si−Rc1−S−C(=O)−Rd1・・・・[1]
[式中、Ra1は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、Rb1は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、Rc1は、2価の炭化水素基であり、Rd1は、炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。]
一般式[1]においては、Ra1は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。Rb1は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。Rc1は、2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜18の2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rd1は、炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、nは、0、1または2である。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物においては、シリカ系充填材100重量部に対して、本発明の一般式[1]で表される有機珪素化合物を1〜30重量部を含有することが好ましく、1〜25重量部を含有することがより好ましく、1〜20重量部を含有することが特に好ましい。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物では、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から少なくとも一種を含有することが好ましく、アミノ系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物から少なくとも一種を含有することが好ましく、メルカプト系有機珪素化合物を含有することが特に好ましい。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物では、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種はシリカ系充填材100重量部に対して0.1〜20重量部を配合することが好ましく、0.5〜15重量部を配合することがより好ましい。
本発明のビニル系有機珪素化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン等が例示される。
本発明のアミノ系有機珪素化合物としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
本発明のアルキル系有機珪素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトシキシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が例示される。
本発明のエポキシ系有機珪素化合物としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
本発明のメタクリル系有機珪素化合物としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
本発明のメルカプト系有機珪素化合物としては、式[2]で表される化合物であることが好ましく、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランであることが特に好ましい。
a2 (Rb23−n−Si−R−SH・・・・[2]
[式中、Ra2は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、Rb2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、Rc2は、2価の炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。]
a2は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。Rb2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。Rc2は、2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜18の2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基である。
nは、0、1または2である。
本発明の(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物としては、一般式[3]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤が例示され、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが特に好ましい。
(Ra3−O)3−m(Ra3)−Si−Rb3−S−Rb3−Si−(Ra3)(O−Ra3)3−m・・・[3]
(式[3]中、Ra3は独立して炭素数1〜18のアルキル基、C2a+1O−((CHO)で表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基から選択され、Rb3は炭素数1〜9のアルキレン基又は二価のフェニル基、lは1〜9、mは0、1、又は2の整数である。)
併用される他の有機珪素化合物を具体的に例示すると、株式会社大阪ソーダ製のカブラス2、カブラス4、JNC社製のS330、デグサ社製のSi−75、Si−69、Si−363、モメンティブ社製のA−1289、A−189、信越化学社製のKBE−846などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独又は混合して使用することもできる。また本発明の一般式[1]で表される有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から少なくとも一種は、それらの合計重量がシリカ系充填材100重量部に対し30重量部を超えないことが好ましい。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物の製造には、80〜250℃で混練することが好ましく、80〜200℃で混練することがより好ましい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
本発明においては、更に、架橋剤を含むことが好ましく、架橋剤は硫黄、セレン、有機過酸化物、モルホリンジスルフィド、チウラム系化合物、オキシム系化合物から選択される少なくとも一種であることが特に好ましいが、これらに限定されるものではない。
上記架橋剤の含有量は、ゴム100重量部に対して、0.1〜20重量部含有することが好ましく、0.2〜15重量部含有することがより好ましく、0.5〜10重量部含有することが特に好ましい。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物に架橋剤を添加後の組成物(架橋用ゴム組成物)の混練は、100℃以下で混練することが好ましい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の他に、通常ゴム工業で用いられる配合剤を使用できる。例えば、グアニジン系架橋促進剤、スルフェンアミド系架橋促進剤、亜鉛華などの架橋促進(助)剤、ステアリン酸などの加工助剤、チタネート系などのカップリング剤、フェニル-α-ナフチルアミンなどの老化防止剤、カーボンブラック、炭酸カルシウムなどの充填剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、スコーチ防止剤等を使用できる。
本発明の低燃費タイヤ用ゴム組成物(架橋用ゴム組成物)の混練は、通常ゴム工業にて使用されるロール、加圧ニーダー、インターミキサー、バンバリーミキサーなどの各種混合機械を用いることが可能である。
このように調製された架橋用ゴム組成物は押出成形機、カレンダーロール、又はプレスにより意図する形状に成形し、好ましくは120〜230℃で、1分〜3時間加熱して架橋物を得る。また、架橋の際には金型を用いても良い。
本発明のゴム組成物を用い、架橋してなる架橋物はタイヤ(特にトレッド部分)、ベルト、防振ゴムなどの動的に使用されるゴム部品で好適に使用することができる。
本願においては、一般式[1]で表される有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有するシランカップリング剤が有用であることを開示するものである。
一般式[1]で表される有機珪素化合物については、段落「0013」〜「0014」に開示されたものを用いることができる。
ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種については、アミノ系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物であることが好ましく、メルカプト系有機珪素化合物であることが特に好ましい。これら他の有機珪素化合物については、段落「0018」〜「0025」に開示されたものを用いることができる。
シランカップリング剤として、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種の含有量は一般式[1]で表される有機珪素化合物100重量部に対して、5〜200重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることが好ましく、15〜50重量部であることが特に好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
ゴム組成物の製造
250ccバンバリーミキサータイプのアタッチメントBR−250を備えたラボプラストミル10C100(東洋精機株式会社製)にて混練試験を行った。装置温度は90℃のオイル循環加熱とし、ミキサーのローター回転速度は60rpm一定とした。配合はゴム100gベースにて試験を行った。手順はゴム成分を30秒間素練りした後、表1の配合(I)に示される薬剤を添加し、30秒間混練した。次いで表1の配合(I I)に示される薬剤を添加して3分間混練後、混練物を排出した。尚、実施例・比較例の有機珪素化合物の量は、実施例・比較例における有機珪素化合物中の硫黄量が同じになるように調整した。排出した混練物は室温の6インチロールにて冷却後、表1の配合(I I I)に示される架橋剤成分を添加し6分間混練して、約2mmの厚みのシート(未架橋シート)を得た。翌日、残りのコンパウンドを160℃で20分間熱プレス架橋し、試験用サンプル(架橋シート)を得た。耐摩耗試験用テストピースは160℃で30分熱プレス架橋し、試験用サンプルを得た。
加工性試験
未架橋シートを上島製作所製加硫試験機FDRにセットし、160℃にて30分間の粘度挙動を測定した。架橋反応におけるトルクの上昇が全体の10%に達した時間(T10)、全体の90%に達した時間(T90)、その差(T90−T10)として記載する。
加工性試験2
未架橋シートを東洋精機製作所製ムーニー粘度計AM−3にセットし、JIS K6300に従い125℃にてL型ロータを用い、ML1+4とスコーチ時間(t5)を測定した。
引張試験
架橋シートから3号形ダンベル試験片を打ち抜き、ミネベア社製テクノグラフTG−2kNを用いて、JIS K6301に準拠して引張試験を行った。
動的粘弾性試験1
架橋シートから幅4×長さ40×厚み2mmの試験片を打ち抜き、セイコーインスツル株式会社製DMS6100にて、チャック間距離20mm、初期荷重1000mN、引張歪10μm、10Hzの加振条件下で測定した。なお測定温度範囲は−20℃〜20℃とし、2℃/分の速度で昇温した。
動的粘弾性試験2
架橋シートから幅4×長さ25×厚み2mmの試験片を打ち抜き、株式会社ユービーエム製Rheogel−4000にて、チャック間距離20mm、初期歪5%、動振幅2%、10Hzの加振条件下で測定した。なお測定温度範囲は60℃一定とした。
磨耗性試験
JIS K6264に準拠した試験片(架橋シート)を作成し、アクロン磨耗試験機にて15°および35°の傾斜角にて測定を行った。また負荷荷重は44.1N、試験片の回転速度は1分間に250回転とした。15°の測定においては、磨耗輪の回転数で500回転運転し、その時の重量減少とコンパウンドの比重から磨耗容量を測定し、それを2倍とする事で1000回あたりの磨耗量とした。35°の測定においては、磨耗輪の回転数で125回転運転し、その時の重量減少とコンパウンドの比重から磨耗容量を測定し、それを8倍とする事で1000回あたりの磨耗量とした。
以下に実施例及び比較例で用いた配合剤を示す。
*1 JSR株式会社製 SL552
*2 東ソーシリカ株式会社製 Nipsil AQ(BET比表面積215m/g)
*3 日本石油株式会社製 Sunthene415
*4 日油株式会社製 ステアリン酸さくら
*5 大内新興化学工業株式会社製 ノクラック6C
*6 株式会社大阪ソーダ製 CABRUS−2
*7 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 NXTシラン(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)
*8 Jingzhou Jianghan Fine Chemical Co.Ltd.製 JH−S1891(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)
*9 堺化学工業株式会社製 酸化亜鉛2種
*10 大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーD
*11 大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーCZ
*12 細井化学工業株式会社製 コロイド硫黄
上記試験方法より得られた実施例及び比較例の試験結果を表2〜7に示す。
表5〜6に示されている通り、実施例では比較例と比較して、低燃費性の指標である60℃のtanδが小さく燃費性に優れることが示唆され、また濡れた路面のグリップ性の指標である0℃のtanδは比較例より大きくグリップ性も優れることが示唆された。
また、0℃のtanδにおいては、比較例1((ポリ)スルフィド系有機珪素化合物含有)に対して、比較例2((ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物を含有)は0.021上昇させる(比較例1より約15%向上)ことに対して、比較例3(一般式[1]で表される有機珪素化合物含有)に対して、実施例1(一般式[1]で表される有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物を含有)は0.028上昇させる(比較例1より約19%向上)。
一方、60℃のtanδにおいては、比較例1((ポリ)スルフィド系有機珪素化合物含有)に対して、比較例2((ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物を含有)は0.013減少させる(比較例1より約8%向上)ことに対して、比較例3(一般式[1]で表される有機珪素化合物含有)に対して、実施例1(一般式[1]で表される有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物を含有)は0.026減少させる(比較例1より約16%向上)。
従って、0℃のtanδ、60℃のtanδにおいて、一般式[1]で表される有機珪素化合物とメルカプト系有機珪素化合物を併用することによる高い改善効果が示された。
本発明にある有機珪素化合物を使用する事により、動的特性、耐磨耗性、加工性に優れたゴム組成物および架橋物を提供することが出来る。従って、特にタイヤのトレッドや防振ゴム、ベルトなどの動的に使用されるゴム部品の製造には好適である。

Claims (8)

  1. ゴム、シリカ系充填材、下記一般式[1]で表される有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有する低燃費タイヤ用ゴム組成物。
    a1 (Rb13−n−Si−Rc1−S−C(=O)−Rd1・・・・[1]
    [式中、Ra1は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、Rb1は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、Rc1は、2価の炭化水素基であり、Rd1は、炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。]
  2. 式[1]中、Ra1は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Rb1は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルコキシ基であり、Rc1は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rd1は、炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
  3. ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種がメルカプト系有機珪素化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
  4. ゴムが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)から選択される1種である、又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
  5. シリカ系充填材がBET比表面積20〜300m/gの湿式シリカであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の低燃費タイヤ用ゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
  7. 下記一般式[1]で表される有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有するシランカップリング剤。
    a1 (Rb13−n−Si−Rc1−S−C(=O)−Rd1・・・・[1]
    [式中、Ra1は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、Rb1は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、Rc1は、2価の炭化水素基であり、Rd1は、炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。]
  8. ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種がメルカプト系有機珪素化合物であることを特徴とする請求項7に記載のシランカップリング剤。
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