JPWO2010122835A1 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

ポケットを備えたエアバッグが開示される。エアバッグ(21)は、主袋体(31)と、該主袋体(31)に形成された開口部(32)と、該開口部(32)から主袋体内へ向けて延びる小袋体(33)と、該小袋体の一部を主袋体に接合した接合部(34)と、からなる。接合部(34)は、エアバッグが展開したとき、エアバッグの両側面或いはエアバッグの上面(72)から乗員に接触し保持する後面(73)にわたって設けられている。

Description

本発明は、車両に用いられるエアバッグ装置の改良に関する。
エアバッグと、このエアバッグを膨張させるためのガスを発生するインフレータと、を備えたエアバッグ装置が、例えば、特許文献1および2で開示されているように知られている。
特許文献1に開示されているエアバッグは、該エアバッグの展開時に、助手席に後ろ向きに取り付けられたチャイルドシートなどの障害物を避けるための凹部状のポケットを有している。該ポケットは、エアバッグの展開時に下向きに開口するように形成されている。ポケットを構成する袋部の上部には、ストラップの一端が縫合されている。該ストラップの他端は、前記エアバッグの上部内面に縫合されている。該ストラップは、エアバッグの展開時にポケットの袋部の形状を維持する。
特許文献1に開示されているエアバッグによれば、エアバッグが展開する際、上記チャイルドシート等の障害物が助手席に取り付けられていると、該チャイルドシートの頂部がエアバッグのポケット内に入り込むことにより、エアバッグは円滑に展開することができ、幼児を十分に保護する。
しかし、ポケットを構成するエアバッグの袋部は、ストラップを介在してエアバッグの内面に縫合されている。このため、ストラップの部品が多くなること、ストラップを介在して袋部をエアバッグに接合するためには、2箇所の縫合が必要である。
特許文献2に開示されているエアバッグは、バッグ左半体と、バッグ右半体と、これらの左右の半体と連通する基端室とを有する。
特許文献2のエアバッグは、内側基布、左外側基布、右外側基布および基端側基布の合計4枚の基布から構成されている。これらの4枚の基布を相互に縫合することで形成された凹部で乗員を拘束する。上記エアバッグは、エアバッグと乗員との接触面積を増大し、前後方向への乗員の移動可能量を増やすことで拘束力が適切になるよう構成されている。
しかし、エアバッグを構成する4枚の基布は、所定の形状に切断した部材である。縫合時には、これらの4枚の基布を複雑に折り曲げ、組み合わせて相互に縫合する必要があり、複雑な構造にならざるを得なかった。さらに、全体形状により拘束力を調整するため、障害物等が座席上に存在する場合や、一般的な体型とは異なる小柄な乗員または大柄な乗員等に対しての対応に改善の余地があった。
そこで、構造が簡便であり、且つ、エアバッグが膨張展開したときに、身体の大きさが異なる種々の乗員あるいは着座物に対して適応可能なエアバッグ装置が望まれている。
特許第3746193号公報 特開2004−314933公報
本発明の課題は、構造が簡便であり、且つ、種々の乗員あるいは着座物に対して適応可能で、小さい負荷で拘束力を発揮させることができる車両用エアバッグ装置を提供することにある。
エアバッグ装置であって、エアバッグと、前記エアバッグを展開させるためにガスを発生するインフレータと、を具備しており、前記エアバッグは、主袋体と、前記主袋体の下面に形成された開口部と、前記開口部から前記主袋体内へ延びている小袋体と、前記小袋体の一部を前記主袋体の内側から所定長さにわたって接合する接合部と、からなり、前記接合部は、前記エアバッグが展開したとき、前記エアバッグの上面、後面、または左右側面に設けられており、前記上面、後面、または左右側面が前記小袋体側に引き込まれて溝部を形成する、エアバッグ装置が提供される。
好ましくは、前記小袋体は、前記エアバッグの下面から前記接合部まで連続して形成されている。
好ましくは、前記接合部は、前記主袋体の複数箇所に形成されている。
好ましくは、前記接合部は、前記エアバッグの展開方向に沿って形成されている。
好ましくは、前記開口部は、前記接合部において前記エアバッグの外方に連通している。
好ましくは、前記小袋体は、前記開口部から上方に向けて延び、且つ前記接合部の1つを構成する分岐部から左右方向に延びる水平規制布を有している。
本発明によるエアバッグは、主袋体と、小袋体とを備えている。小袋体は主袋体の下面に向く開口部を有しており、障害物等が存在する場合にこの開口部を通して主袋体の内側に対象物が入り込むことで対象物へのエアバッグからの荷重入力が低減される。上記エアバッグは、2つの部材で構成されるため、エアバッグを簡便な構造にすることができる。
加えて、小袋体の一部を所定長さにわたって主袋体に接合した接合部を備えているので、エアバッグが展開するとき、小袋体とこの接合部とによってエアバッグの一部の伸びが規制され、接合部を内側に凹ませて溝部を形成することが可能となる。溝部によって乗員とエアバッグとの接触面積が増加するとともに、摩擦力をエアバッグの展開方向に対し交差する方向に作用させることで拘束力を効率よく作用させることができる。更に、小袋体を構成する基布間にも摩擦力が作用するため、乗員の当接部位によらず主袋体の変形が生じた際のエネルギ吸収効率が向上する。さらにまた、小袋体の大ききおよび接合部を変更することによって、簡便な構造のまま、エアバッグの形状を調整することができる。
したがって、構造が簡便であり、且つ、種々の乗員あるいは着座物に適応可能で、小さい負荷で拘束力を作用させることができるエアバッグ装置を得ることができる。すなわち、費用の大幅な上昇を伴うことなく、乗員の体を保持する保持作用および緩衝作用を高めることができ、乗員に効果的に作用するエアバッグ装置を得ることができる。
小袋体は、エアバッグの下面から接合部まで連続して形成されているので、エアバッグの展開時に、小袋体の変形がより許容されて、小袋体の基布間に作用する摩擦力をより有効に活用できるとともに、エアバッグに対する保護対象物のストローク量を大きくすることができる。
接合部は、エアバッグの複数箇所に形成されている。このような接合部であれば、エアバッグの複数箇所に形成されている各々の接合部の位置および形状を変更することで、体格の異なる乗員などに対し、保護機能がより一層向上する。
接合部は、エアバッグの展開方向に沿って形成されているので、溝部において拘束力を乗員の移動方向に沿って作用させることができる。したがって拘束時の衝撃を低減できる。
開口部は、接合部で、エアバッグの外方に連通するようにしたので、エアバッグが展開したとき、乗員の体の一部が小袋体へ入り込む。このように、乗員の体の一部が小袋体へ入ったとき、乗員の体がエアバッグに接触する接触面が大きくなるため、乗員の体にかかる圧力を減らすことができる。
エアバッグ装置が膨張展開した状態を示す助手席の断面図である。 本発明によるエアバッグの基本的な製造工程を示した図である。 本発明の実施例1によるエアバッグが展開したときの斜視図である。 図3の4−4線に沿った拡大断面図である。 図4の5−5線に沿った断面図である。 実施例1によるエアバッグの斜視図である。 図3に示した実施例1によるエアバッグの変形例を示した図である。 図7の8−8線に沿った拡大断面図である。 図8の9−9線に沿った断面図である。 図7に示した変形例によるエアバッグの斜視図である。 実施例2によるエアバッグが展開した状態の斜視図である。 図11の12−12線に沿った拡大断面図である。 図12の13−13線に沿った断面図である。 図11に示した実施例2によるエアバッグの斜視図である。 実施例3によるエアバッグの断面図である。 図15の16−16線に沿った断面図である。 実施例4によるエアバッグが展開した状態の斜視図である。 図17の18−18線に沿った断面図である。 図17に示した実施例4によるエアバッグの斜視図である。
以下、本発明の好ましい幾つかの実施例について、添付した図面に基づいて説明する。
図1に示すように、エアバッグ装置20は、助手席14に着座する乗員用のエアバッグ21と、該エアバッグ21を展開させるためのガスを発生するインフレータ22と、エアバッグ21とインフレータ22を収納するケース26とを備えている。ケース26は、エアバッグが展開する際、破断するように設けられたリッド27を有する。
助手席用のエアバッグ21を備えているエアバッグ装置20は、インストルメントパネル12内の上部に配置されている。エアバッグ21とインフレータ22とは、該インフレータ22で発生したガスによってエアバッグ21が円滑に展開することができるように気密に接合されている。
図2は、実施例1によるエアバッグ21の基本的製造過程を示している。
図2(a)に示すように、エアバッグ21は、展開時に略断面円形となる主袋体31を有する。図2(b)において、エアバッグ21の主袋体31に開口部32を形成する。図2(c)において、主袋体31に形成した開口部32に主袋体31の内側に位置するように主袋体31よりも小さな小袋体33を縫合する。図2(d)において、主袋体31の内側に位置する小袋体33の一部を接合部34とし、この接合部34を主袋体31に接合することにより、エアバッグ21を製造する。
このように、エアバッグ21は、主袋体31と、この主袋体31に形成した開口部32と、該開口部32から主袋体31の内側に位置する小袋体33とを備えている。
図3〜図5を参照するに、エアバッグ21の主袋体31は、上部基布41と、該上部基布41の左右に設けられる左側基布42および右側基布43と、左側基布42および右側基布43の下端部間に延びる下部基布44とからなる。左側基布42および右側基布43の各々には、展開したエアバッグ21に外力がかかったとき、緩衝するためにエアを抜くベントホール46L、46Rが設けられている。
上部基布41の幅方向中央部に、一部を下方に向けて凹ませたV字状溝部51が形成されている。下部基布44の一部には開口部32が形成されている。該開口部32から前記V字状溝部51まで延びる左右の規制布52、62が設けられている。該規制布52,62は、エアバッグ21の過剰な膨張を規制する。
規制布52,62の各下辺部53、63は、開口部32を形成するよう下部基布44に設けられたフランジ58、59に接合される。規制布52,62の各上辺部54、64は、上部基布41に形成されたV字状溝部51に接合される。規制布52、62の前辺部55、65は、左右の規制布52、62同士で接合される。規制布52、62の後辺部56、66は、左右の規制布同士で接合される。従って、小袋体33は、開口部32からV字状溝部51まで延びている左右の規制布52、62を袋状に接合することによって形成される。
すなわち、エアバッグ21の内部に、エアバッグ21の膨張を規制する規制布52、62を互いに接合してなる小袋体33が設けられ、エアバッグ21が膨張したときに、小袋体33の開口部32が下方に向くように配置した。
小袋体33は、下部基布44の開口部32から上部基布41の接合部34まで連続して形成されているので、小袋体33が下部基布44の開口部32から上部基布41の接合部34まで連続して形成されていない場合に較べると、エアバッグ21の展開時に、小袋体33の変形がより許容されて、小袋体33の基布(規制布52、62)間に作用する摩擦力をより有効に活用できるとともに、エアバッグ21に対する保護対象物のストローク量を大きくすることができる。
左右の規制布52、62が上部基布41に形成されたV字状溝部51で接合される接合部34は、エアバッグ21が展開したときに、エアバッグの上面72から、乗員に接触し該乗員を保持する保持面73にわたって設けられ、エアバッグ21が展開する方向に沿って形成されている。ガスはエアバッグ21が展開する方向に向けて流れるので、エアバッグ21を円滑に展開することができる。
図4中、参照番号68a、68bは開口部32の開口接合部であり、69a〜69dは主袋体31を構成する基布同士の基布接合部である。なお、基布接合部69a〜69dの全部または一部を省略することは差し支えない。
次に、上述したエアバッグ装置の作用について説明する。
図6において、エアバッグ21の下面71に、該エアバッグ21の膨張を局部的に規制する規制布52,62(図4)によって形成される小袋体33が設けられ、エアバッグ21の上面72から乗員の体と接触し乗員の体を保持する保持面73にわたって、小袋体33の一部を所定長さをもって接合する接合部34(V字状溝部51)が設けられている。
エアバッグ21は、主袋体31と、小袋体33とを備えている。小袋体33は下方に向く開口部32を有しており、障害物等が存在する場合に、該開口部32を通って主袋体31の内部に対象物が入り込むことで対象物へのエアバッグ21からの荷重入力を低減することができる。
さらに、エアバッグ21は、主袋体31と小袋体33の2つの部材で構成されるため、該エアバッグ21を簡単な構造にすることができる。
さらにまた、小袋体33の一部を所定長さにわたって主袋体31に接合した接合部34を備えているので、エアバッグ21が展開するときに、小袋体33と接合部34とによってエアバッグ21の一部の伸びが規制され、接合部34を内側に凹ませて溝部51(V字状溝部51)を形成することが可能となる。該溝部51によって乗員とエアバッグ21との接触面積が増加するとともに、摩擦力をエアバッグ21の展開方向に対し交差する方向に作用させることで拘束力を効率よく作用させることができる。
さらに、小袋体33を構成する基布(規制布52、62)間にも摩擦力が作用するため、乗員の当接部位によらず主袋体31の変形が生じた際のエネルギ吸収効率が一層向上する。また、小袋体33の大ききおよび接合部34を変更することによって、簡単な構成で、エアバッグ21の形状を調整することができる。
したがって、構成が簡単であり、且つ種々の乗員あるいは着座物に適応可能で、小さい負荷で拘束力を作用させることができるエアバッグ装置20を得ることができる。すなわち、費用の大幅な上昇を伴うことなく、乗員の体を保持する保持作用および緩衝作用を高めることができ、乗員に効果的に作用するエアバッグ装置20を得ることができる。
エアバッグ21が展開するときに、小袋体33と該小袋体33の一部を主袋体31に接合した接合部34とによってエアバッグ21の一部の伸びが規制され、接合部34を内側に凹ませることが可能となる。小袋体33の大ききおよび接合部34を変更することによって、簡便な構造のまま、エアバッグ21の形状を調整することができる。
エアバッグ21は、主袋体31と、小袋体33とからなり、小袋体33の一部を接合部34にて主袋体31に取り付けることで、V溝部51を設けた。仮に、従来構造のエアバッグに、このようなV溝部51を設ける場合、異なる形状の基布を準備し、これらの基布を立体的に組み合わせて接合(または縫合)する必要があり、エアバッグ21が複雑な構造をとらざるを得なかった。そうすると、製造費用も嵩む。
この点、実施例1では、エアバッグ21は、主袋体31と、小袋体33とからなり、この小袋体33の一部を接合部34により主袋体31に接合したので、エアバッグ21を簡便な構造にすることが可能になる。つまり、基布の個数増加や立体的な縫合などの複雑化を伴うことなく凹凸を有する展開形状を得ることが可能になる。
具体的には、V字状溝部51を設けるとともに、その位置を変更することによって、エアバッグの凹凸形状や規制部位を変化させることができる。エアバッグの凹凸形状や規制部位が変化させることにより、エアバッグの特性を変化させることができる。更に、接合部34を内側に凹ませるV字状溝部51を設けたので、エアバッグ21の容積を減らすことができる。エアバッグ21の容積が減るので、エアバッグ21の展開時間を短縮することができる。
したがって、構造が簡便であり、且つ種々の乗員あるいは着座物に適応可能で、小さい負荷で拘束力を作用させることができるエアバッグ装置20を得ることができる。すなわち、費用の大幅な上昇を伴うことなく、乗員の体を保持する保持作用および緩衝作用を高めることができ、乗員に効果的に作用するエアバッグ装置20を得ることができる。
次に、本発明による実施例1の変形例について、図7〜図10に基づいて説明する。
図7〜図10に示した変形例において、図3〜図6に示した実施例1と大きく異なる点は、エアバッグ21が展開したときに、接合部34が、乗員を保持する保持面73からエアバッグの後面74を構成する上部基布の後部75にわたって設けられていることであり、その他は、大きく変わるところはない。このように、規制布の形状および配置位置を変更することで、接合部34の位置を容易に変更することができる。
図10を参照すると、上述したように、接合部34は、エアバッグ21が展開したときに、乗員を保持する保持面73からエアバッグの後面74にわたって設けられている。
エアバッグ21が展開するときに、小袋体33と該小袋体33の一部を主袋体31に接合した接合部34とによってエアバッグ21の一部の伸びが規制され、接合部34を内側に凹ませることが可能となる。小袋体33の大ききおよび接合部34を変更することによって、簡便な構造のまま、エアバッグ21の形状を調整することができる。したがって、簡便な構造のままで、乗員の体を保持する保持作用および緩衝作用を高めることができ、乗員に効果的に作用するエアバッグ21を得ることができる。
次に、本発明の実施例2によるエアバッグについて、図11〜図13に基づいて説明する。実施例2では、左側基布42Bおよび右側基布43Bに、各々、接合部としての横V字状溝部83、84が設けられている。
図11〜図13において、エアバッグ21Bの主袋体31Bは、上部基布41Bと、該上部基布41Bの左右に設けられた左側基布42Bおよび右側基布43Bと、左側基布42Bおよび右側基布43Bの下端部間に延びる下部基布44Bとからなる。左側基布42Bおよび右側基布43Bの各々に、エアを抜くベントホール46BL、46BRが形成されている。
左側基布42Bの上下方向及び前後方向の略中央部81並びに右側基布43Bの上下方向及び前後方向の略中央部82に、一部をエアバッグ21Bの内方に凹ませた横接合部としての左右の横V字状溝部83、84が形成されている。
左右の規制布52B、62Bは、下部基布44Bに形成された開口部32Bから上記左右の横V字状溝部83、84へ延びている。規制布52B、62Bの下辺部53B、63Bは、開口部32Bを形成するよう下部基布44Bに形成されたフランジ58B、59Bに接合される。
規制布52B、62Bの上辺部54B、64Bの各々は、横V字状溝部83、84に接合されている。左右の規制布52B、62Bの前辺部55B、65B(図13)は、左右の規制布52B、62B同士で接合されている。
左右の規制布52B、62Bの後辺部56B、66Bは、左右の規制布52B、62B同士で接合されている。
開口部32Bから横V字状溝部83、84まで延びている左右の規制布52B、62Bによって小袋体33Bが形成される。
すなわち、エアバッグ21Bの内部に、エアバッグ21Bが局部的に膨張するのを規制する規制布52Bとしての小袋体33Bが備えられ、エアバッグ21Bが展開したときに、小袋体33Bの開口部32Bは、下方に向く。
左右の規制布52B、62Bの構成について補足する。左右の規制布52B、62Bは、上方に向けて延設され、接合部の1つを構成する分岐部85から、左の規制布52Bは左方向に延び、右の規制布62Bは右方向に延びている。つまり、左右の規制布52B、62Bは、エアバッグ21Bの横V字状溝部83,84間に延びる水平規制布86,87を形成している。
エアバッグ21Bは、主袋体31Bと、小袋体33Bと、接合部34としての横V字状溝部83、84とを備えている。左右の規制布52B,62Bの上辺部54B,64Bである水平規制布86,87の各端部は、横V字状溝部83,84に接合されている。このため、エアバッグ21Bを比較的簡便な構造にすることが可能になる。加えて、エアバッグ21Bが展開するときに、小袋体33Bとこの小袋体33Bの一部を水平規制布86を介して主袋体31Bに接合した接合部とによってエアバッグ21Bの一部の伸びが規制され、接合部としての横V溝部83、84を内側に凹ませることが可能となる。小袋体33Bの大ききおよび接合部を変更することによって、比較的簡便な構造のまま、エアバッグ21Bの形状を調整することができる。
したがって、本発明によれば、簡便な構造のままで、乗員の体を保持する保持作用および緩衝作用を高めることができ、乗員に効果的に作用するエアバッグ21Bを得ることができる。更に、接合部を内側に凹ませるV字状溝部51を設けたので、エアバッグ21Bの容積を減らすことができる。エアバッグ21Bの容積が減るので、エアバッグ21Bの膨張時間を短縮することができる。
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。実施例3では、実施例1の接合部が連通され、小袋体33Cが主袋体31Cを貫通するように設けられている。
図15〜図16において、図4〜図5に示した実施例1と大きく異なる点は、小袋体33Cは、接合部34Cで、外方に連通するようにした点にあり、その他大きく異なる点はない。つまり、エアバッグ21C内のポケットは外部に通じている。かかる構成によれば、エアバッグ21Cが展開したときに、乗員の体の一部を小袋体33C内へ入るように設定することも可能となる。このように、乗員の体の一部が小袋体33Cへ入ったとき、乗員の体がエアバッグ21Cに接触する接触面が大きくなるため、乗員の体にかかる圧力を減らすことができる。
次に、本発明の実施例4を図17〜図19に基づいて説明する。実施例4では、上部基布41Dに接合部としての2つのV字状溝部91、92が設けられている。
図17〜図19に示されるように、エアバッグ21Dの主袋体31Dは、上部基布41Dと、該上部基布41Dの左右に設けられる左側基布42Dおよび右側基布43Dと、左側基布42Dおよび右側基布43Dの下端部間に延びる下部基布44Dとからなる。左側基布42Dおよび右側基布43Dの各々には、エアを抜くベントホール46DL、46DRが開けられている。
上部基布41Dの幅方向中央部の長手方向前後に、該上部基布41Dの一部をエアバッグ21Dの内方に凹ませた前V字状溝部91および後V字状溝部92の2つが形成されている。
下部基布44Dの一部に開口部32Dが形成されている。該開口部32Dから左右の規制布52D,62Dが上方に向けて延びている。左右の規制布52D,62Dは、前V字状溝部91および後V字状溝部92まで延びている。
左右の規制布52D,の下辺部53D、63Dは、開口部32Dに形成されたフランジ58D、59Dに接合されている。左右の規制布52D,62Dの左右の上辺部54D,64Dは、前V字状溝部91に接合されている。規制布52D,62Dの後辺部154D,164Dは、後V字状溝部92に接合されている。規制布の前辺部55D、65Dは、左右の規制布52D,62D同士で接合されている。
前V字状溝部91および後V字状溝部92の間には、側面視略V字状にV辺部93、94が形成されている。左右の規制布の後辺部56D、66Dは、左右の規制布52D,62D同士で接合されている。開口部32から前V字状溝部91および後V字状溝部92まで延びている左右の規制布52D,62Dによって小袋体33Dが形成される。
すなわち、エアバッグ21Dは、その内部に、該エアバッグ21Dの過剰な膨張を規制する規制布からなる小袋体33Dを備え、該小袋体33Dは、エアバッグ21が展開したときに、小袋体33Dの開口部32Dが下方に向くよう配置されている。小袋体33Dは、エアバッグの下面71Dを構成する下部基布44Dから、上部基布41Dに形成された前V字状溝部91および後V字状溝部92までの間に形成されている。
接合部は、前部接合部である前V字状溝部91と後部接合部である後V字状溝部92とから形成されている。このような接合部であれば、体格の異なる乗員に対するエアバッグ21Dの保護性能がより一層高まる。実施例4では、接合部の数は2つの例を示しているが、2つに限定されず、3つ、4つ、5つであっても差し支えない。
このように、エアバッグ21Dの複数箇所に形成されている各々の接合部の位置および形状を変更することで、体格の異なる乗員に対応し、エアバッグ21Dの保護性能がより一層好ましくなる。
本実施例では、四輪車に適用した例を示したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
本発明の車両用エアバッグ装置は、四輪車に好適である。
12…インストルメントパネル、20…エアバッグ装置、21…エアバッグ、22…インフレータ、31…主袋体、32…開口部、33…小袋体、34…接合部、71…エアバッグの下面、72…エアバッグの上面、73…保持面、74…エアバッグの後面。

Claims (6)

  1. エアバッグ装置であって、
    エアバッグと、
    前記エアバッグを展開させるためにガスを発生するインフレータと、
    を具備しており、
    前記エアバッグは、
    主袋体と、
    前記主袋体の下面に形成された開口部と、
    前記開口部から前記主袋体内へ延びている小袋体と、
    前記小袋体の一部を前記主袋体の内側から所定長さにわたって接合する接合部と、からなり、
    前記接合部は、前記エアバッグが展開したとき、前記エアバッグの上面、後面、または左右側面に設けられており、前記上面、後面、または左右側面が前記小袋体側に引き込まれて溝部を形成する、エアバッグ装置。
  2. 前記小袋体は、前記エアバッグの下面から前記接合部まで連続して形成されている、請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 前記接合部は、前記主袋体の複数箇所に形成されている、請求項1に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記接合部は、前記エアバッグの展開方向に沿って形成されている、請求項1に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記開口部は、前記接合部において前記エアバッグの外方に連通している、請求項1に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記小袋体は、前記開口部から上方に向けて延び、且つ前記接合部の1つを構成する分岐部から左右方向に延びる水平規制布を有している、請求項1に記載のエアバッグ。
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