JP4301164B2 - 助手席用エアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に配置されるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置のエアバッグに関する。
従来、助手席用エアバッグでは、膨張完了時の前端付近となる位置に、膨張用ガスを流入させる1つのガス流入口を備えるとともに、膨張完了時における後部側となる位置に、助手席に着座した乗員と干渉可能とされる乗員保護部を備えた構成とされ、乗員保護部が、左右方向に沿って並設されるとともにガス流入口近傍で相互に連通される2つの膨張部から、構成されるものがあった(例えば特許文献1参照)。そして、従来の助手席用エアバッグでは、左右2つの膨張部は、膨張完了時の後端側を、左右方向に沿って配設される連結パネルにより連結され、乗員は、連結パネルにより受け止められる構成であった。
特開2003−335203公報(図17〜図28)
しかし、従来の助手席用エアバッグでは、乗員を受け止める連結パネルが、エアバッグの展開膨張完了時、略平面状となることから、エアバッグの膨張完了時において連結パネルが乗員と干渉した際に、乗員に与える反力を抑えて、的確に保護する点に改善の余地があった。特に、乗員の頭部は、質量が小さく、干渉時の反力を抑えて保護する点に、一層、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、膨張を完了させたエアバッグに乗員の頭部が干渉した際に、反力を抑えて、乗員の頭部を的確に保護することが可能な助手席用エアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係る助手席用エアバッグは、車両の助手席前方におけるインストルメントパネルの上面側に折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時に、上方へ突出するとともに、インストルメントパネル上面とインストルメントパネル上方のウィンドシールドとの間を塞ぐように、車両の後方側へ展開膨張する構成とされて、
膨張完了時の前端付近となる位置に、膨張用ガスを流入させるガス流入口を備えるとともに、膨張完了時における後部側となる位置に、助手席に着座した乗員と干渉可能とされる乗員保護部を備える構成とされるとともに、
膨張完了時の形状を、頂部を前端側に配設させた略四角錐形状とされて、左右両側で略前後方向に沿って配設される左側壁部及び右側壁部と、上下両側で略左右方向に沿って配設される上側壁部及び下側壁部と、乗員側で上側壁部と下側壁部とを連結するように略左右方向に沿って配設される後側壁部と、を備える構成の助手席用エアバッグにおいて、
エアバッグが、所定形状の基布の周縁相互を結合させて構成されるとともに、
左側壁部及び右側壁部を構成する外側パネル部と、
上側壁部、下側壁部、及び、後側壁部、を構成する内側パネル部と、
から、構成され、
内側パネル部が、膨張完了時における内側パネル部の領域を左右方向に沿って2分割するように構成されるとともに、略同一形状とされる左右一対の内側パネル部用基布から、構成され、
各内側パネル部用基布が、略C字形状に湾曲した帯状とされて、外周側の縁部を、それぞれ、外側パネル部における左側・右側壁部を構成する部位の外周縁に沿わせる形状とされるとともに、
外周側の縁部を、外側パネル部における左側・右側壁部を構成する部位の外周縁に結合させ、内周側の縁部を相互に結合させることにより、内側パネル部を形成する構成とし、
乗員保護部が、膨張完了時における上部側から後部側にかけての部位に、左右方向に略沿って並設されるとともに、それぞれ上方側から後方側にかけて連続して突出するように配設されて、後部側における外側パネル部の左側・右側壁部を構成する部位の外周縁と各内側パネル部用基布との外周縁側結合部位を突出頂部とする肩拘束部、を備える構成とされて、
エアバッグが、予備折りした後に、横折りと縦折りとを行なって、折り畳まれて収納される構成とされ、
エアバッグの予備折り形状が、略左右対称形として、
左右の肩拘束部の突出頂部を、左右方向に重ねた状態から、左右の内側パネル部用基部の内周側の縁部に形成される内周縁側結合部位を中心として、左右両側に開きつつ、内周縁側結合部位を、ガス流入口と対向させつつ前後方向に略沿って、配設させ、かつ、
外側パネル部の左側・右側壁部を構成する部位に、前後方向に沿う折目をつけて、折り畳んだ形状とされていることを特徴とする。
本発明の助手席用エアバッグでは、膨張完了時において、乗員保護部が、肩拘束部に挟まれた左右方向の中間部分を凹ませるように、膨張を完了させることとなる。そのため、膨張完了時のエアバッグに乗員が干渉した際に、後方に突出するように配設されている左右の肩拘束部が、まず、乗員の左右の肩部付近と干渉することとなって、乗員の前進移動する運動エネルギーが低減され、その後、両肩を肩拘束部により拘束された乗員の頭部が、肩拘束部間の凹んだ部位に侵入しつつ、前方側への移動を抑えるように、拘束されることとなる。そのため、肩拘束部によって運動エネルギーが低減された後に、乗員の頭部を、エアバッグからの反力を抑えて、ソフトに受け止めることができる。
従って、本発明の助手席用エアバッグでは、膨張を完了させたエアバッグに乗員の頭部が干渉した際に、反力を抑えて、乗員の頭部を的確に保護することができる。
また、本発明の助手席用エアバッグは、予備折り時、略左右対称形に、外側パネル部の左側・右側壁部を構成する部位に、前後方向に沿う折目をつけつつ、折り畳むとともに、左右の内側パネル部用基布の内周側の縁部に形成される内周縁側結合部位を、ガス流入口と対向させつつ前後方向に略沿って、配設させ、そして、その左右両側に、平らにした左右の肩拘束部の突出頂部までの内側面相互を、配設させている。
そのため、エアバッグの展開膨張時の予備折りの解消時、ガス流入口と対向している内周縁側結合部位付近が、迅速に、乗員側に移動して、その後に、左右の肩拘束部をバランスよく膨張させることができる。すなわち、内周縁側結合部位付近が、迅速に乗員側に向かうことから、その両側の肩拘束部が、十分膨らんでいなくとも、左右の肩拘束部における突出頂部までの内側面相互が、両者の間の内周縁側結合部位を含めて、左右方向に一体的に、略鉛直方向に沿った広く平らな面を確保して、乗員側に移動することとなり、インストルメントパネルに近接した状態で着座している近接乗員が前進してきても、不必要に、部分的な押圧力を作用させ難い。
また、膨張完了時のエアバッグが、左右両側に後方側に突出する肩拘束部を備えていても、内周縁側結合部位付近が乗員側に移動してから、バランス良く、左右の肩拘束部が膨張できることから、エアバッグ毎に、左右にぐらつくことなく、安定した展開膨張状態を確保することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の助手席用エアバッグ15は、図1に示すように、インストルメントパネル(以下「インパネ」と称する)1の上面2側の内部に配置されるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置Mに使用されるものである。この助手席用エアバッグ装置Mは、折り畳まれたエアバッグ15と、エアバッグ15に膨張用ガスを供給するインフレーター8と、エアバッグ15及びインフレーター8を収納保持するケース6と、エアバッグ15をケース6に取り付けるためのリテーナ11と、折り畳まれたエアバッグ15を覆うエアバッグカバー10と、を備えて構成されている。
なお、本明細書での上下、前後、及び、左右の方向は、車両の直進状態における車両の上下、前後、及び、左右の方向に一致するものである。
エアバッグカバー10は、合成樹脂製のインパネ1と一体的に形成されて、エアバッグ15の展開膨張時に、前後2枚の扉部10a・10bをエアバッグ15に押されて開くように構成されている。また、エアバッグカバー10の扉部10a・10bの周囲には、ケース6に連結される連結壁部10cが、形成されている。
インフレーター8は、複数のガス吐出口8bを有した略円柱状の本体部8aと、インフレーター8をケース6に取り付けるためのフランジ部8cと、を備えて構成されている。
ケース6は、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体形状に形成され、インフレーター8を下方から挿入させて取り付ける略長方形板状の底壁部6aと、底壁部6aの外周縁から上方に延びてエアバッグカバー10の連結壁部10cを係止する周壁部6bと、を備えて構成されている。ケース6には、底壁部6aの部位に、車両のボディ側に連結される図示しないブラケットが、配設されている。
なお、エアバッグ15とインフレーター8とは、エアバッグ15内に配設される円環状のリテーナ11の複数のボルト11aが、エアバッグ15、インフレーター8のフランジ部8c、及び、ケース底壁部6a、を貫通して、ナット12止めされることにより、ケース6に取り付けられている。
エアバッグ15は、エアバッグ本体16と、エアバッグ本体16内に配設される整流布29と、から構成されている。エアバッグ本体16は、図2〜5に示すように、膨張完了時の形状を、前端側を頂部とした略四角錐形状とされて、上下両側で略左右方向に沿って配設される上側・下側壁部16a・16bと、左右両側で略前後方向に沿って配設される左側・右側壁部16c・16dと、乗員側で上側壁部16aと下側壁部16bとを連結するように略左右方向に沿って配設される後側壁部16eと、を備えて構成されている。そして、実施形態のエアバッグ本体16は、膨張完了時に乗員側となる後部側に配設される乗員保護部25と、膨張完了時に乗員保護部25の前方側であってインパネ1とウィンドシールド4との間に配設される前端側を閉塞された略筒形状の車体側部17と、を備えて構成されており、膨張完了時のエアバッグ本体16における下側壁部16bの前端側となる車体側部17の左右方向の中央付近となる部位に、膨張用ガスを流入させるように円形に開口されて、周縁18をケース6に取り付けるガス流入口19を、配設させて構成されている。ガス流入口19の周縁18には、リテーナ11のボルト11aを挿通させて、流入口周縁18をケース6の底壁部6aに取り付けるための複数の取付孔20が、形成されている。
乗員保護部25は、左右両側に並設されて上下方向に延びるように後方側へ突出する突出部としての肩拘束部26(26L・26R)と、左右の肩拘束部26L・26R間で上部から後部にかけて凹む凹部27と、を備えて構成されている。そして、実施形態の場合、左右の肩拘束部26L・26Rの隆起した状態と、凹部27の凹んだ状態と、は、エアバッグ本体16の後側壁部16eから上側・下側壁部16a・16bの領域内となる前方側に延びるように、車体側部17のガス流入口19近傍となる部位にかけて連続的に延設されて、後述する第1基布38の下側部位39の部位で、凹凸状態がおさまって平面状となっている(図2参照)。
整流布29は、図4・5に示すように、エアバッグ本体16内において、ガス流入口19の上方側を覆うように配設されるとともに、ガス流入口19から流入した膨張用ガスGを前後両側へ整流可能に、前後方向の両端を開口させた略筒形状とされている。すなわち、実施形態のエアバッグ15では、ガス流入口19から流入した膨張用ガスGは、整流布29の前後の開口30A・30Bから、エアバッグ本体16内に流入することとなる。また、整流布29は、図1・15・16に示すように、エアバッグ15の展開膨張時において、前後両端の開口30A・30Bの上部側を、インパネ1の上面2よりも上方に突出させるように、配設されている。実施形態の場合、整流布29は、ガス流入口19の前後左右の寸法より大きな形状として、かつ、エアバッグ本体16の展開膨張時に、ガス流入口19の中央付近と対向する前後方向の断面形状を、ガス流入口19から離れる上方へ膨らむ円弧状の曲線状としている。また、整流布29には、前後両端の開口30A・30Bの開口面積より小さく開口して、ガス流入口19から流入した膨張用ガスを逃がし可能な貫通孔31が、形成されている。実施形態の場合、貫通孔31は、ガス流入口19の中心を基準として左右対称となる2箇所に、円形に開口して、形成されている(図4・5参照)。この貫通孔31は、ガス流入口19から流入した膨張用ガスのうち少量を逃がすことにより、エアバッグ15の展開膨張時において、整流布29の前後の開口30A・30Bの方向を安定させて、エアバッグ本体16内への膨張用ガスGの流出方向を安定させるために、配設されている。
実施形態の場合、整流布29は、図6に示す整流布用素材50から、構成されている。この整流布用素材50は、略長方形状の連結部51と、連結部51の左右両側から延びる延設部52・52と、から構成されている。連結部51は、周縁をエアバッグ本体16を構成する後述する第1基布38の下側部位39に縫着されるとともに、ガス流入口19に対応した開口51aと、取付孔20に対応した開口51bと、を備える構成である。延設部52・52は、連結部51から離れた側の縁部52a・52a相互を縫着させる構成である。延設部52・52の部位には、開口51aの左右両側であって、開口51aの中心を基準とした左右対称となる位置に、貫通孔31・31が、それぞれ、形成されている。
また、エアバッグ本体16は、所定形状の基布の周縁相互を結合させて構成されるもので、左側・右側壁部16c・16d及び下側壁部16bの前部側部位を構成する外側パネル部35と、上側・後側壁部16a・16e及び下側壁部16bの後部側部位を構成する内側パネル部36と、から構成されている。実施形態の場合、エアバッグ本体16は、外側パネル部35を構成する1枚の第1基布38と、内側パネル部36を構成する同一形状の左右一対の内側パネル部用基布としての第2基布43L・43Rと、から構成されている。
第1基布38は、開いた蝶の形状に近似した左右対称形として、車体側部17におけるガス流入口19の周縁18を構成する略長方形状の下側部位39と、下側部位39から左右両側に延びるように配設される略三角板形状の左側・右側部位40・41と、を備える構成とされている。下側部位39は、膨張を完了させたエアバッグ本体16の下側壁部16bにおけるガス流入口19近傍となる前部側部位を、構成することとなる。左側・右側部位40・41は、膨張を完了させたエアバッグ本体16の左側・右側壁部16c・16dを、主に構成することとなる。また、各左側・右側部位40・41における外周縁40a・41a近傍となる部位が、それぞれ、各肩拘束部26L・26Rにおける突出頂部26aより左右方向の端部側に配設される外側壁部26bを構成することとなる。実施形態の場合、左側・右側部位40・41は、ガス流入口19の中心を通る線を中心線として線対称形に、形成されている。
各第2基布43L・43Rは、図2・3・5に示すごとく、膨張完了時における内側パネル部36の領域を左右方向に沿って2分割するように構成されるもので、実施形態の場合、各第2基布43L・43Rは、膨張完了時のエアバッグ本体16において、上側・後側壁部16a・16eと、下側壁部16bの後部側の部位と、を構成することとなる。また、各第2基布43L・43Rは、各肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aより左右方向の中央側に配設される内側部位26cを構成することとなる。各第2基布43L・43Rは、略C字形状に湾曲した帯状とされるもので、実施形態の場合、各第2基布43L・43Rは、外側縁部43d側の形状を、それぞれ、第1基布38における左側・右側部位40・41の周縁部40a・41aにおける元部側縁部40b・41bを除いた部位の形状と略同一とするように、形成されている。そして、各第2基布43L・43Rの内周側に形成される内側縁部43aが、凹部27のエアバッグ本体16内へ凹んだ先端27aを構成するとともに、エアバッグ本体16内において、左右の肩拘束部26L・26Rを連通する連通孔22の周縁を構成することとなる。
乗員保護部25における肩拘束部26L・26R及び凹部27は、第1基布38の左側・右側部位40・41と、第2基布43L・43Rと、の周縁相互を、それぞれ、縫合させて構成されている。実施形態の場合、第1基布38における左側部位40の周縁部40aと第2基布43Lの外側縁部43dとを縫着させて構成される外周縁側結合部位としての縫合部位33Lと、右側部位41の周縁部41aと第2基布43Rの外側縁部43dとを縫着させて構成される外周縁側結合部位としての縫合部位33Rと、が、各肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aを構成することとなる。そして、各第2基布43L・43Rの内側縁部43a・43a相互を縫着させて構成される内周縁側結合部位としての縫合部位34付近が、凹部27の先端27aを、構成することとなる。
そして、実施形態のエアバッグ本体16では、乗員保護部25の凹部先端27aにおけるエアバッグ本体16の内周側において、肩拘束部26L・26Rが、連通孔22により、左右方向で連通されている。この連通孔22は、周縁を、第2基布43L・43Rの内側縁部43a・43a相互を縫着させて構成される縫合部位34(凹部27の先端27a)と、第1基布38における下側部位39と、から構成されるもので、実施形態の場合、膨張完了時のエアバッグ本体16における乗員保護部25の下部側から車体側部17の下部側にかけて配設されている。そして、この連通孔22は、エアバッグ本体16の膨張完了時において、開口面を、左右方向の略中央において前後方向に沿うように配設されている。そして、実施形態のエアバッグ本体16では、図4に示すごとく、膨張完了時のエアバッグ本体16におけるガス流入口19の略中央を通る前後方向に沿った断面でのその開口面積S1と、膨張完了時の側方から見たエアバッグ本体16全体の投影面積S2と、の面積比S1/S2を1/5〜4/5の範囲内に設定することが好ましい。S1/S2が1/5未満の場合、連通孔22が小さすぎて、エアバッグ15の展開膨張時に、一方の肩拘束部26だけが偏って膨張する虞れがあるためである。逆に、S1/S2が4/5以上の場合、肩拘束部26L・26Rの突出量(凹部27の凹み量)が相対的に小さくなって、乗員の頭部をソフトに保護できない虞れがあるためである。実施形態のエアバッグ本体16では、S1/S2は略1/2に設定されている。また、エアバッグ本体16における左側・右側壁部16c・16dには、余剰の膨張用ガスを排気するベントホール23が、それぞれ配設されている。
また、エアバッグ本体16には、ガス流入口周縁18を補強する補強布45・46・46と、縫合部位34の部分を補強する補強布47L・47Rと、ガス流入口周縁18を保護する保護布48と、が、配設されている。補強布45は、第1基布38における下側部位39の内周側を略全面にわたって覆い可能な形状とされており、左右両側に突出するように形成される突出部48a・48aの先端48bを、縫合部位33L・33Rの近傍に縫着させる構成とされている。補強布46・46は、ガス流入口19の周縁18を補強可能な略円形状とされている。なお、実施形態のエアバッグ15では、補強布46が2枚配設される構成であるが、補強布46の枚数は、インフレーター8の出力に応じて、適宜変更可能である。補強布47L・47Rは、縫合部位34を補強可能なように、各第2基布43L・43Rの内側縁部43aに対応して略C字形状に湾曲した形状とされており、各第2基布43L・43Rの内側縁部43aを略全域にわたって覆い可能とされている。保護布48は、ガス流入口19の前後両側に延びるような略長方形状とされて、インフレーター8から吐出される膨張用ガスGが、ガス流入口19近傍に配設される縫合部位54・55や、第1基布38の下側部位39と第2基布43L・43Rとの縫着部位等に、直接当たるのを防止するために、エアバッグ本体16の内周側に配設されている。保護布48は、左右方向の縁部側を、複数箇所で、縫合部位33L・33Rの近傍に縫着させる構成とされている。実施形態の場合、保護布48は、前後両端48a・48b側と、ガス流入口19と前端48aとの間の部位48cと、の6箇所で、縫合部位33L・33Rの近傍に縫着されている。
なお、第1・第2基布38・43L・43R、補強布45・46・47L・47R、保護布48、及び、整流布素材50は、実施形態の場合、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されて、シリコン等のコーティング剤を塗布しないノンコート布として、構成されている。
次に、実施形態のエアバッグ15の製造について説明する。まず、平らに展開した状態の第1基布38に、補強布45、整流布素材50、及び、補強布46・46を、順に重ね、ガス流入口19の周縁18となる取付孔20の外周側となる位置と、整流布素材50における連結部51周縁となる位置と、において、それぞれ、縫合糸を利用して、第1基布38に、補強布45・46・46・整流布素材50を縫着させ、縫合部位54・55を形成する。次いで、補強布46の上に、保護布48を重ね、ガス流入口19と取付孔20との間の部位を、略円形に縫合して、縫合部位56を形成する。その後、孔明け加工により、ガス流入口19及び取付孔20を形成する。次いで、整流布素材50における延設部52・52の縁部52a・52a相互を、縫合糸を利用して円弧状に縫合し、整流布29を所定形状に形成する。なお、実施形態では、第1基布38に補強布45・46・46・保護布48・整流布素材50を縫着させた後、孔明け加工により、ガス流入口19と取付孔20とを形成しているが、勿論、各補強布45・46・46・保護布48・整流布素材50に、ガス流入口と取付孔とを構成する開口を、それぞれ、予め形成しておいてもよい。
次いで、第2基布43L・43Rを相互に重ね、さらに、補強布47L・47Rで、第2基布43L・43Rの内側縁部43a・43aの部位を挟むように、補強布47L・47Rを、第2基布43L・43Rに重ね、内側縁部43a・43aを、補強布47L・47Rとともに、縫合して、縫合部位34を形成する。次いで、内側縁部43aの縫い代を内側に配設させつつ、前側縁部43b・43bを略直線状に配置させるように、第2基布43L・43Rを開き、直線状に配置させた各第2基布43L・43Rの前側縁部43bを、第1基布38における下側部位39の前側縁部39aと、補強布45の前側縁部45cと、に、縫着させる。同様に、直線状に配置させた各第2基布43L・43Rの後側縁部43cを、第1基布38における下側部位39の後側縁部39bと、補強布45の後側縁部45dと、に、縫着させる。そして、下側部位39における前後の左側縁部39cを、左側部位40の周縁部40aにおける元部側縁部40bに縫着させ、右側縁部39dを、右側部位41の周縁部41aにおける元部側縁部41bに縫着させる。その後、左側部位40の周縁部40aと第2基布43Lの外側縁部43dとを縫着させて縫合部位33Lを形成し、右側部位41の周縁部41aと第2基布43Rの外側縁部43dとを縫着させて縫合部位33Rを形成する。次いで、補強布45の先端45b・45bと、保護布48における左右両縁側の部位の一部(48a・48b・48cの部位)と、を、縫合部位33L・33Rの近傍部位に、それぞれ、縫着させ、縁部の縫い代を外部に露出させないように、ガス流入口19を利用して反転させれば、エアバッグ15を製造することができる。なお、ガス流入口19を利用して反転させる作業が困難な場合には、整流布素材50の各延設部52・52の縁部52a・52a相互を縫合する作業を、エアバッグ本体16を反転させた後に、延設部52・52をガス流入口19から引き出して、行なうようにしてもよい。
そして、実施形態のエアバッグ15では、内側パネル部36を構成する第2基布43L・43Rが略同一形状の左右一対とされるとともに、第2基布43L・43Rが、外側縁部43dを、それぞれ、外側パネル部35を構成する第1基布38の左側・右側部位40・41の周縁部40a・41aに沿わせるように、周縁部40a・41aにおける元部側縁部40b・41bを除いた部位の形状と略同一として、形成されている。そのため、エアバッグ15の縫合作業時に、基布38・43L・43R相互を重ねるように配置させれば、縫着させる縁部相互の位置を一致させることができて、縫合作業が容易となる。
上記のようにして製造したエアバッグ15の車両への搭載を説明すると、まず、各取付孔20からボルト11aを突出させるように、内部にリテーナ11を配設させた状態で、エアバッグ15を折り畳む。具体的には、エアバッグ15は、予備折り工程を経た後、横折り工程と縦折り工程とを経て、折り畳む。
予備折り工程では、図8〜11に示すような予備折りエアバッグ58を形成することとなる。予備折りエアバッグ58は、左右の肩拘束部26L・26Rの突出頂部26a・26aを、縫合部位34を中心として、左右両側に開きつつ、この縫合部位34を、ガス流入口19と対向させつつ前後方向に配設させて、全体を略平板状とするように、形成されている。すなわち、予備折りエアバッグ58では、図8・9に示すように、縫合部位34は、ガス流入口19の周縁部位18(第1基布38における下側部位39から構成される部位)を除いた略全域にわたって、左右方向の略中央において前後方向に沿うように、配設されている。
具体的には、予備折りエアバッグ58は、図8・9に示すごとく、第2基布43L・43Rの上側部位43e・43eを平らに展開した展開部位59を、上端近傍における左右方向の中央付近の部位59aをガス流入口19と対向して配設させるように、外側パネル部34の左側・右側部位40・41に複数の前後方向に沿った谷折りの折目CL1・CL2・CR1・CR2を付けて折り畳んで、形成されることとなる。実施形態の場合、折目CL1・CR1は、図7に示すごとく、肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aを左右方向に重ねて平らに展開した状態のエアバッグ15において、縫合部位34の後端側部位34a(ガス流入口19の開口面との直交方向においてガス流入口19の開口面から最も離れた部位)を接点として、ガス流入口19の開口面における前後方向の断面と略平行となるように、形成されるもので、予備折りエアバッグ58では、図8〜10に示すように、相互に近接して配設されるとともに、ガス流入口19と対向するように、配設されている。すなわち、実施形態の予備折りエアバッグ58では、折目CL1・CR1を、展開部位59の下方の第1基布38の左側・右側部位40・41に形成される谷折りの折目として、ガス流入口19の開口面における前後方向の断面と略平行に形成することにより、展開部位59が、ガス流入口19の開口面と略平行となるように、配設されることとなる。折目CL2・CR2は、折目CL1・CR1より、図10・11に示すように、相互の離隔距離を大きく設定されるとともに、略前後方向に沿う長さ寸法を長くして、ガス流入口19に接近するように、配設されている。折目CL1・CR1、及び、折目CL2・CR2は、それぞれ、ガス流入口19を中心として略左右対称となるように、形成されている。
また、予備折りエアバッグ58における下端58b近傍の部位は、それぞれ、略左右方向に沿うようにして、左右方向に沿う折目CHL・CHRを付けて、内部側に折り込まれるようにして、折り畳まれている。この折目CHL・CHRも、ガス流入口19を中心として略左右対称となるように、形成されることとなる。また、実施形態の予備折りエアバッグ58では、図7に示すごとく、肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aを左右方向に重ねて平らに展開した状態のエアバッグ15において、縫合部位34の後端側部位34aよりもガス流入口19側であって、上部側となる部位59aが、展開部位59におけるガス流入口19と対向して配設される部位となる。そして、実施形態の予備折りエアバッグ58は、ガス流入口19を中心として略左右対称形状とされている。
この予備折りは、図2に示すごとく、エアバッグ本体16の上側壁部16aにおける左右方向の中央付近の前端近傍部位16aaと、下側壁部16bにおける前後・左右方向の中央付近となる部位16baと、を把持して、折目CL2・CR2を付けるようにして、把持箇所の部位16aa・16baを相互に離すように、前後方向に引っ張りつつ、各肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aにおける後端近傍部位26dを把持して、折目CL1・CR1を付けるようにして、縫合部位34を中心として各肩拘束部26L・26Rを左右両側に開いて平らに展開し、次いで、形を整えるように折目CHL・CHRを付ければ、行なえる。この把持箇所16aa・16baは、予備折りエアバッグ58の前後両端58a・58bを構成することとなる。
そして、このように予備折りした後には、図12に示すように、予備折りエアバッグ58におけるガス流入口19の後方側部位61と前方側部位62とについて、左右方向に沿う折目を付けて、端部61a・62aをガス流入口19に接近させるように、横折りを行なう。実施形態の場合、後方側部位61は、図12に示すごとく、後端61aを下側壁部16b側に巻いて、ガス流入口19の上に載せるように、ロール折りして折り畳まれている。そして、前方側部位62は、図12のC・13のA・Bに示すごとく、前端62aを後側壁部16e側に巻きつつ、後方側部位61を折り畳んだロール折り部位63の上に載せるように、ロール折りして、折り畳まれている。
横折りを行なった後には、横折り工程後のエアバッグ64におけるガス流入口19の左方側部位65と右方側部位66とについて、図13のB・Cに示すように、前後方向に沿う折目をつけて、端部65a・66aをガス流入口19に接近させるように、縦折りを行なう。実施形態の場合、左方側・右方側部位65・66は、端部65a・66aをガス流入口19に接近させてガス流入口19上に載せるように、蛇腹折りして、折り畳まれている。
縦折り工程を経てエアバッグ15の折り畳みが完了したならば、折り畳んだエアバッグ15の周囲を、折り崩れしないように、破断可能なラッピングシート14(図1参照)によりくるんでおく。そして、各ボルト11aをケース底壁部6aに挿通させつつ、折り畳んだエアバッグ15を、ケース6の底壁部6aに載置させる。次いで、インフレーター8の本体部8aを、底壁部6aの下方から、ケース6内に挿入させるとともに、底壁部6aから下方に突出している各ボルト11aを、インフレーター8のフランジ部8cに挿通させる。その後、インフレーター8のフランジ部8cから突出した各ボルト11aにナット12を締結させれば、ケース6の底壁部6aに対して、折り畳んだエアバッグ15とインフレーター8とを取り付けることができる。
そして、車両に搭載されたインパネ1におけるエアバッグカバー10の連結壁部10cに、ケース6の図示しない所定のブラケットを、ボディ側の部位に固定させれば、助手席用エアバッグ装置Mを車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Mの車両への搭載後、車両の前面衝突時、インフレーター8の各ガス吐出口8bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ本体16が、膨張してラッピングシート14を破断するとともに、エアバッグカバー10の扉部10a・10bを図1の二点鎖線に示すように押して開かせることとなる。そして、エアバッグ本体16は、エアバッグカバー10の扉部10a・10bが開いて形成された開口から、上方へ突出するとともに、インパネ上面2とインパネ1の上方のウィンドシールド4との間を塞ぐように、車両の後方側へ展開膨張して、図1の二点鎖線、及び、図14〜16に示すごとく、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の助手席用エアバッグ15では、乗員保護部25が、膨張完了時における上部側から後部側にかけての部位に、左右方向に略沿って並設されるとともに、それぞれ、上方側から後方側にかけて連続して突出するように配設される肩拘束部26L・26Rを備えた構成である。すなわち、実施形態のエアバッグ15では、膨張完了時において、乗員保護部25が、肩拘束部26L・26Rに挟まれた左右方向の中間部分を凹ませるように、膨張を完了させることとなる。そのため、膨張完了時のエアバッグ15に乗員MPが干渉した際に、後方に突出するように配設されている左右の肩拘束部26L・26Rが、まず、乗員MPの左右の肩部MS付近と干渉することとなって、乗員MPの前進移動する運動エネルギーが低減されることとなる(図15・16参照)。その後、両肩部MSを肩拘束部26L・26Rにより拘束されて前進移動する運動エネルギーが低減された乗員MPの頭部MHが、肩拘束部26L・26R間の凹んだ部位27に侵入しつつ、前方側への移動を抑えるように、拘束されることとなる。そのため、肩拘束部26L・26Rによって運動エネルギーが低減された後に、乗員MPの頭部MHを、エアバッグ15からの反力を抑えて、ソフトに受け止めることができる。
従って、実施形態の助手席用エアバッグ15では、膨張を完了させたエアバッグ15に乗員MPの頭部MHが干渉した際に、反力を抑えて、乗員MPの頭部MHを的確に保護することができる。
また、実施形態の助手席用エアバッグ15は、予備折り時、略左右対称形に、外側パネル部35の左側・右側壁部を構成する部位(第1基布38の左側・右側部位40・41)に、前後方向に沿う折目CL1・CL2・CR1・CR2をつけつつ、折り畳むとともに、左右の第2基布43L・43Rの内周側の縁部43aに形成される内周縁側結合部位としての縫合部位34を、ガス流入口19と対向させつつ前後方向に略沿って、配設させており、縫合部位34の左右両側に、平らに展開した左右の肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aまでの内側面相互(各第2基布43L・43Rの上側部位43a・43a)が、配設されている。すなわち、実施形態のエアバッグ15では、予備折り時に、縫合部位34を間に配設させるようにして、第2基布43L・43Rの上側部位43e・43eを平らに展開して形成される展開部位59が、縫合部位34をガス流入口19と対向させるようにして、配設されている。
そのため、エアバッグ15の展開膨張時の予備折りの解消時、ガス流入口19と対向している縫合部位34付近の部位(展開部位59における対向部位59a)が、迅速に、乗員MP側に移動して、その後に、左右の肩拘束部26L・26Rをバランスよく膨張させることができる。すなわち、対向部位59a近傍の部位が、迅速に乗員MP側に向かうことから、その両側の肩拘束部26L・26Rが、十分膨らんでいなくとも、左右の肩拘束部26L・26Rにおける突出頂部26aまでの内側面相互である展開部位59が、縫合部位34を含めて、左右方向に一体的に、略鉛直方向に沿った広く平らな面を確保して、乗員MP側に移動することとなり、インパネ1に近接した状態で着座している近接乗員が前進してきても、不必要に、部分的な押圧力を作用させ難い。特に、実施形態では、展開部位59が、ガス流入口19の開口面と略平行に配設されるように、エアバッグ15が予備折りされていることから、予備折りの解消時に、ガス流入口19から流入した膨張用ガスにより、展開部位59全体が略均等に乗員MP側に移動することとなるから、乗員MPに、一層、部分的な押圧力を作用させ難い。なお、実施形態のエアバッグ15では、展開部位59とガス流入口19との間に整流布29が介在されることとなるが、展開部位59は、エアバッグ15の膨張初期において、整流布29とともに、ガス流入口19から流入した膨張用ガスにより、乗員MP側に移動するように、車両後方側に強く押し出されることとなる。
また、膨張完了時のエアバッグ15が、左右両側に後方側に突出する肩拘束部26L・26Rを備えていても、対向部位59a付近が乗員側に移動してから、バランス良く、左右の肩拘束部26L・26Rが膨張できることから、エアバッグ毎に、左右にぐらつくことなく、安定した展開膨張状態を確保することができる。
さらに、実施形態のエアバッグ15では、膨張完了時のエアバッグ本体16において、各肩拘束部26L・26Rがそれぞれ上方側から後方側にかけて連続して突出するように配設されており、肩拘束部26L・26R間の凹んだ部位27も、乗員保護部25の上端側から、上下方向に略沿って連続して配設されることとなる。そのため、乗員MPの体格や着座姿勢により、膨張したエアバッグ本体16に干渉する乗員MPの頭部MHの位置が上下方向に移動しても、乗員MPの頭部MHを、エアバッグ15からの反力を抑えて、ソフトに受け止めることができる。
さらに、実施形態のエアバッグ15では、膨張完了時における左右方向の略中央となる位置に、内側パネル部36を構成する第2基布43L・43Rの内周側の縁部43a・43a相互を結合させた縫合部位34が、略前後方向に沿ったエアバッグ本体16の周方向の略全域に配設されることとなる。そして、実施形態のエアバッグ15では、この縫合部位34を構成する第2基布43L・43Rの内側縁部43aが、第2基布43L・43Rの外側縁部43dよりも長さ寸法を小さく設定されることから、この縫合部位34は、エアバッグ本体16の膨張完了時において、外側に突出せず、側方から見て、エアバッグ本体16を構成する外周縁(後側壁部16e)より内周側に位置することとなる(図4参照)。そのため、実施形態のエアバッグ15では、エアバッグ本体16を構成する基布全体が、第2基布43L・43Rの内側縁部43a・43a相互を縫着させて構成される縫合部位34に展開方向を規制されつつ、展開膨張するような態様となり、膨張完了時に乗員側となる後側壁部16eが乗員側に向かって大きく突出するように展開することを抑えることができて、エアバッグ本体16の膨張完了時の形状を規制することができる。その結果、エアバッグ本体16内に、後側壁部16eを乗員側と反対側の前方側へ引っ張るような膨張完了時の形状を規制するテザー等を配設させなくともよく、エアバッグ15を構成する部品点数を低減させることが可能となる。
さらにまた、実施形態のエアバッグ15では、肩拘束部26L・26R間に配設される凹部27を、肩拘束部26L・26Rの内側壁部26cを構成する第2基布43L・43Rの内側縁部43aを縫合した縫合部位34により、構成している。そのため、この縫合部位34の長さ寸法(各第2基布43L・43Rにおける内側縁部43aの長さ寸法、換言すれば、内側縁部43aの略内径寸法ともいえる)を変更することにより、左右の肩拘束部26L・26Rの間の凹部27の形状を深く、あるいは、浅くすることができ、同時に、左右の肩拘束部26L・26Rを連通させる連通孔22の開口面積も変更することができる。すなわち、実施形態のエアバッグ15では、エアバッグ本体16の外形形状を変更しなくとも、左右の肩拘束部26L・26Rの間の凹部27の形状を、容易に変更することができる。
なお、実施形態のエアバッグ15では、予備折り時において、ガス流入口19と対向するように配設される対向部位59aが、肩拘束部26L・26Rの突出頂部26aを左右方向に重ねて平らに展開した状態のエアバッグ15において、縫合部位34の後端側部位34a(折目CL1・CR1)よりもガス流入口19側となる位置に配設されているが、予備折り時にガス流入口と対向する部位はこれに限られるものではなく、実施形態のエアバッグ15では、エアバッグ15を搭載させる車両や、エアバッグ15に膨張用ガスを供給するインフレーター8の出力に応じて、ガス流入口19と対向させる縫合部位34に沿った部位を、適宜変更可能である。
また、実施形態のエアバッグ15では、外側パネル部35を、左側壁部16cを構成する左側部位40と、右側壁部16dを構成する右側部位41と、を左右方向で連結させた1枚の第1基布38から構成しているが、外側パネル部の形状はこれに限られるものではなく、例えば、外側パネル部を、左側部位と右側部位とをそれぞれ分離させた二枚の基布から、構成してもよい。また、実施形態のエアバッグ15では、縫合糸を用いて縫着させることにより、基布38・43L・43Rの周縁相互を結合させてエアバッグ本体16を形成しているが、基布の周縁相互の結合手段はこれに限られるものではなく、例えば、基布の周縁相互を、接着剤等を使用して接合させる構成としてもよい。
本発明の一実施形態である助手席用エアバッグを使用した助手席用エアバッグ装置の車両前後方向の断面図である。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の前方側から見た斜視図である。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の後方側から見た斜視図である。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の前後方向に沿った断面図である。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の断面図であり、図4のV−V部位に対応する。 実施形態のエアバッグを構成する部材を示す平面図である。 実施形態のエアバッグを、左右方向に重ねて平らに展開した状態の概略側面図である。 実施形態のエアバッグを予備折りした後を示すもので、ガス流入口側から見た図である。 実施形態のエアバッグを予備折りした後を示すもので、乗員保護部側から見た図である。 図8のX−X部位の端面図である。 図8の部位のXI−XI端面図である。 実施形態のエアバッグの予備折り後の折り畳み工程を示す図である。 実施形態のエアバッグの折り畳み工程を示す図であり、図12の後の工程を示す。 実施形態のエアバッグの使用状態を説明する図であり、膨張が完了した状態を示す車両後方側から見た図である。 実施形態のエアバッグの使用状態を説明する図であり、膨張が完了した状態を示す車両の上方から見た概略図である。 実施形態のエアバッグの使用状態を説明する図であり、膨張が完了した状態を示す車両の側方から見た概略図である。
符号の説明
1…インストルメントパネル(インパネ)、
4…ウィンドシールド、
15…エアバッグ、
17…車体側部、
19…ガス流入口、
25…乗員保護部、
26…肩拘束部、
26d…後上側部位、
27…凹部、
33…縫合部位(外周縁側結合部位)、
34…縫合部位(内周縁側結合部位)、
35…外側パネル部、
36…内側パネル部、
38…第1基布、
40…左側部位、
40a…周縁部、
41…右側部位、
41a…周縁部、
43…第2基布(内側パネル部用基布)、
43a…内側縁部、
43d…外側縁部、
58…予備折りエアバッグ、
59…展開部位、
59a…対向部位、
MP…乗員、
MH…頭部、
MS…肩、
M…助手席用エアバッグ装置。

Claims (1)

  1. 車両の助手席前方におけるインストルメントパネルの上面側に折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時に、上方へ突出するとともに、前記インストルメントパネル上面と前記インストルメントパネル上方のウィンドシールドとの間を塞ぐように、車両の後方側へ展開膨張する構成とされて、
    膨張完了時の前端付近となる位置に、膨張用ガスを流入させるガス流入口を備えるとともに、膨張完了時における後部側となる位置に、助手席に着座した乗員と干渉可能とされる乗員保護部を備える構成とされるとともに、
    膨張完了時の形状を、頂部を前端側に配設させた略四角錐形状とされて、左右両側で略前後方向に沿って配設される左側壁部及び右側壁部と、上下両側で略左右方向に沿って配設される上側壁部及び下側壁部と、乗員側で前記上側壁部と前記下側壁部とを連結するように略左右方向に沿って配設される後側壁部と、を備える構成の助手席用エアバッグにおいて、
    前記エアバッグが、所定形状の基布の周縁相互を結合させて構成されるとともに、
    前記左側壁部及び前記右側壁部を構成する外側パネル部と、
    前記上側壁部、前記下側壁部、及び、前記後側壁部、を構成する内側パネル部と、
    から、構成され、
    前記内側パネル部が、膨張完了時における前記内側パネル部の領域を左右方向に沿って2分割するように構成されるとともに、略同一形状とされる左右一対の内側パネル部用基布から、構成され、
    該各内側パネル部用基布が、略C字形状に湾曲した帯状とされて、外周側の縁部を、それぞれ、前記外側パネル部における左側・右側壁部を構成する部位の外周縁に沿わせる形状とされるとともに、
    外周側の縁部を、前記外側パネル部における左側・右側壁部を構成する部位の外周縁に結合させ、内周側の縁部を相互に結合させることにより、前記内側パネル部を形成する構成とし、
    前記乗員保護部が、膨張完了時における上部側から後部側にかけての部位に、左右方向に略沿って並設されるとともに、それぞれ上方側から後方側にかけて連続して突出するように配設されて、後部側における前記外側パネル部の左側・右側壁部を構成する部位の外周縁と前記各内側パネル部用基布との外周縁側結合部位を突出頂部とする肩拘束部、を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、予備折りした後に、横折りと縦折りとを行なって、折り畳まれて収納される構成とされ、
    前記エアバッグの予備折り形状が、略左右対称形として、
    左右の前記肩拘束部の突出頂部を、左右方向に重ねた状態から、左右の前記内側パネル部用基部の内周側の縁部に形成される内周縁側結合部位を中心として、左右両側に開きつつ、前記内周縁側結合部位を、前記ガス流入口と対向させつつ前後方向に略沿って、配設させ、かつ、
    前記外側パネル部の前記左側・右側壁部を構成する部位に、前後方向に沿う折目をつけて、折り畳んだ形状とされていることを特徴とする助手席用エアバッグ。
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