JP5949712B2 - 車両用サイドエアバッグ装置及び車両用シート - Google Patents

車両用サイドエアバッグ装置及び車両用シート Download PDF

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Description

本発明は、車両の衝突時などに、乗員と車体側部との間にサイドエアバッグを膨張展開させる車両用サイドエアバッグ装置及び該車両用サイドエアバッグ装置が搭載された車両用シートに関する。
下記特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置では、エアバッグの内側が胸部保護部と腰部保護部とに上下に区画されると共に、更に腰部保護部が第1腰部保護部(第1分室)と第2腰部保護部(第2分室)とに左右に層状に区画されている。腰部保護部の第1分室と胸部保護部とは相互に連通されており、第1インフレータからのガスが第1分室を介して胸部保護部に供給される。これにより、エアバッグの全体を乗員の側方の胸部から腰部まで保護するように広く迅速に膨張展開させる。次いで、第2インフレータからのガスを、独立した腰部保護部の第2分室に供給することにより、耐力のある腰部を十分な内圧で安定して支持するようにしている。
このサイドエアバッグ装置では、エアバッグの膨張展開に際して、先ず腰部保護部の第1分室と胸部保護部とを膨張展開させることにより、乗員の腰部と車体側部との間の狭い隙間へエアバッグを円滑に展開させるようにしている。
特開2009−241643号公報
ところで、側面衝突時における乗員腰部と車体側部との間の隙間の広さは、側面衝突の形態によって大きく異なる。例えば、所謂ポール側突等により乗員から離れた車体側部に局所的な荷重が入力された場合には、車体側部が局所的に車室内側へ侵入してくるため、乗員腰部と車体側部と間に比較的広い隙間が確保される場合がある。一方、例えば、所謂MDBバリア側突等のように、車体側部の比較的広範な部位に衝突荷重が入力された場合、当該広範な部位が車室内側へ侵入してくるため、乗員腰部と車体側部と間の隙間が狭くなる場合がある。
そのため、上述の如きサイドエアバッグ装置において、エアバッグの腰部保護部の膨張厚(バッグ厚)を設定する際には、乗員腰部と車体側部と間の隙間が狭くなる場合を考慮する必要がある。その結果、腰部保護部の膨張厚(特に下端部分の膨張厚)が薄くなり、乗員拘束性能が低下することが考えられる。
また、上述の如きサイドエアバッグ装置においては、乗員がエアバッグの膨張展開領域である非適正位置に位置する状態でエアバッグが膨張展開した場合でも乗員に与える影響を少なくする性能(以下、OOP性能という)が求められる。このOOP性能を向上させるために、エアバッグの内圧を低下させると、乗員拘束性能が低下してしまう。
本発明は上記事実を考慮し、乗員拘束性能及びOOP性能を共に良好にすることができる車両用サイドエアバッグ装置及び車両用シートを得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、車両用シートのシートバックにおける車幅方向外側のサイド部内に収容され、内部にガスが供給されることにより前記サイド部の車両前方側へ膨張展開する袋体と、前記袋体を腰拘束用の下バッグ部と上体拘束用の上バッグ部とに仕切る上下仕切部と、前記膨張展開状態で前記下バッグ部を車幅方向に並ぶ左右のチャンバに仕切ると共に、前記左右のチャンバを相互に連通させた左右連通口が設けられ、前記膨張展開状態で伸張されることにより前記下バッグ部の上下方向の膨張を抑制する左右仕切部と、前記上バッグ部内に設けられたインフレータと、前記インフレータからのガスを前記左右のチャンバのうちの一方及び前記上バッグ部内に分配すると共に、前記一方へ突出した逆止弁部によって前記一方から前記上バッグ部内へのガスの流れを制限する整流部と、を備えている。
請求項1に記載の発明では、インフレータが起動すると、インフレータからのガスが整流部によって、袋体の下バッグ部における左右のチャンバのうちの一方と、上バッグ部内とに分配される。それにより、袋体がシートバックの車幅方向外側のサイド部から車両前方側へ膨張展開する。この際には、下バッグ部の左右のチャンバのうちの一方が他方よりも先にガスの供給を受けることにより、下バッグ部が車幅方向に薄い状態で車両前方側へ展開する。それにより、車両用シートに着座した乗員の腰部と車体側部との間の狭い隙間への下バッグ部の展開性能を良好にすることができる。
また、左右仕切部の左右連通口を通じて上記一方から上記他方へとガスが供給され、上記他方が膨張することで、下バッグ部の車幅方向の膨張幅が拡大される。しかも、下バッグ部の膨張展開によって左右仕切部が伸張されることにより、下バッグ部の上下方向の膨張が抑制される。それにより、下バッグ部の車幅方向の膨張幅が更に拡大される。そして、下バッグ部の内圧が上昇することにより、上記一方に突出した整流部の逆止弁部が閉じられると、上記一方から上方バッグ部へのガスの流れが制限される。それにより、車幅方向の膨張幅を拡大された下バッグ部の内圧が高い状態に保持されるので、乗員の身体のうちで相対的に耐性が高い腰部を下バッグ部によって効果的に拘束することができる。その結果、乗員拘束性能を良好にすることができる。
さらに、本発明では、上述したように、下バッグ部は、左右のチャンバのうちの一方が先に膨張展開し、他方が遅れて膨張する。これにより、下バッグ部の全体が一気に膨張展開する場合と比較して、OOP性能を良好にすることができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項1において、前記膨張展開状態で前記上バッグ部を車両前後方向に並ぶ前チャンバ及び後チャンバに仕切ると共に、前記前チャンバと前記後チャンバとを相互に連通させた前後連通口が設けられた前後仕切部を更に備え、前記インフレータからのガスが前記整流部によって前記後チャンバに分配されると共に、前記後チャンバの上部には、前記膨張展開状態で前記前チャンバの上方側へ延びる肩拘束用の前延部が設けられている。
請求項2に記載の発明では、インフレータが起動すると、インフレータからのガスが整流部によって、下バッグ部における左右のチャンバのうちの一方と、上バッグ部の後チャンバとに分配される。後チャンバに分配されたガスは、前後仕切部に設けられた前後連通口を通じて上バッグ部の前チャンバに供給される。それにより、前チャンバが後チャンバに遅れて膨張展開するので、非適正位置の乗員が前チャンバから受ける影響を少なくすることができる。その結果、OOP性能を一層良好にすることができる。
しかも、前チャンバよりも先にガスの供給を受ける後チャンバは、前チャンバよりも早期かつ高圧に膨張展開する。この後チャンバの上部には、袋体の膨張展開状態で前チャンバの上方側へ延びる肩拘束用の前延部が設けられている。この前延部によって乗員の肩部を早期かつ効果的に拘束することができるので、乗員拘束性能を一層良好にすることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、前記一方は、前記左右のチャンバのうちの他方に対して前記膨張展開状態で車幅方向外側に位置する。
請求項3に記載の発明では、下バッグ部の左右のチャンバのうちの一方が他方よりも先にガスの供給を受ける。それにより、上記一方のチャンバが上記他方のチャンバよりも早期かつ高圧に膨張展開する。当該一方のチャンバは、袋体の膨張展開状態で他方のチャンバに対し車幅方向外側(車体側部側)に位置する。つまり、乗員から遠い側のチャンバが早期かつ高圧に膨張展開するため、OOP性能を一層良好にすることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記上下仕切部は、前記膨張展開状態を車幅方向から見た場合に、前記シートバックの前後方向に対して前下がりに傾斜するように設定されている。
請求項4に記載の発明では、膨張展開した下バッグ部における車両上下方向の膨張厚が車両前方側へ向かうほど小さくなるように構成することができる。それにより、OOP性能を向上させることができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用シートは、シートクッション及びシートバックを有するシート本体と、前記シートバックに設けられた請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置と、を備えている。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置を備えているため、前述した如き作用効果を奏する。
以上説明したように、本発明に係る車両用サイドエアバッグ装置では、乗員拘束性能及びOOP性能を共に良好にすることができる。
本発明の実施形態に係る車両用シートにおいて、車両用サイドエアバッグ装置のサイドエアバッグが膨張展開した状態を示す側面図である。 同サイドエアバッグを拡大して示す拡大側面図である。 図2のF3−F3線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 図2のF4−F4線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 図2のF5−F5線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 図2のF6−F6線に沿った切断面を縮小して示す縮小断面図であり、(A)は、同サイドエアバッグの非膨張の展開状態を示し、(B)は同サイドエアバッグの膨張展開状態を示している。 同サイドエアバッグの変形例を示す図6(B)に対応した断面図である。
本発明の実施形態に係る車両用サイドエアバッグ装置10について、図面に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係るサイドエアバッグ装置10は、車両用シート12のシート本体13におけるシートバック14のドア側サイド部14A(車幅方向外側のサイド部:図4に示されるサイドドア64側の側部)に搭載されている。この車両用シート12は、例えば左ハンドル車の運転席とされている。この車両用シート12のシートバック14は、シートクッション16の後端部に傾倒可能に連結されており、シートバック14の上端部にはヘッドレスト18が連結されている。
なお、本実施形態では、車両用シート12の前後方向、左右方向(幅方向)及び上下方向は、車両の前後方向、左右方向(幅方向)及び上下方向と一致している。また、図1では、車両用シート12には実際の乗員の代わりに、衝突試験用のダミーPが着座している。このダミーPは、例えばWorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)である。以下、説明をわかり易くするため、ダミーPを「乗員P」と称する。
サイドエアバッグ装置10は、サイドエアバッグ20と、該サイドエアバッグ20内でガスを発生させるインフレータ22(ガス発生装置)とを主要部として構成されている。サイドエアバッグ20は、折り畳まれてインフレータ22等と共にユニット化(モジュール化)された状態でドア側サイド部14Aの内部に配設(収納)されており、インフレータ22から発生するガスの圧力で乗員Pとサイドドア64との間に膨張展開する。この膨張展開の際には、ドア側サイド部14Aに配設されたシートバックパッド及びシート表皮(共に図示省略)がサイドエアバッグ20の膨張圧を受けて破断される構成になっている。なお、以下の説明に記載するサイドエアバッグ20の前後上下の方向は、特に断りのない限り、サイドエアバッグ20が膨張展開した状態での方向を示すものであり、シートバック14の前後上下の方向と略一致している。
図1〜図6に示されるように、サイドエアバッグ20は、4つのチャンバに仕切られた4チャンバサイドエアバッグであり、袋状に形成された袋体24を備えている。袋体24は、例えばナイロン系又はポリエステル系の布材を切り出して形成された1枚の基布26が縫製されて形成されている。この基布26は、折れ線Kに沿って二つ折りにされ、折れ線Kを介した一側部分26Aと他側部分26Bとが縫製部T1において外周縁部を縫製されている。なお、図1及び図2においては、上記縫製部T1及び後述する縫製部T2〜T7の図示を省略している。
この袋体24は、図1及び図2に示される如く膨張展開状態を側面視で見た場合に、シートバック14の上下方向に沿って長尺な略長円形状を成すように形成されており、乗員Pの肩部S、胸部C、腹部B及び腰部Lを拘束可能な大きさに設定されている。この袋体24の内部には、上下仕切部としての上下分割テザー28と、左右仕切部として左右分割テザー30と、前後仕切部としての前後分割テザー32とが設けられている。
上下分割テザー28は、基布26と同様の布材を長尺状に切り出して形成されたものであり、袋体24の内部における下部側に配設されている。この上下分割テザー28は、一方の長辺縁部が縫製部T2において基布26の一側部分26Aに縫製され、他方の長辺縁部が縫製部T3において基布26の他側部分26Bに縫製されている。この上下分割テザー28によって袋体24が、腰拘束用の下バッグ部34と、上体拘束用(ここでは、肩部S、胸部C及び腹部B拘束用)の上バッグ部36とに仕切られている。
左右分割テザー30は、基布26と同様の布材を長尺状に切り出して形成されたものであり、下バッグ部34内に配設されている。この左右分割テザー30は、一方の長辺縁部が縫製部T4において上下分割テザー28の幅方向中央部に縫製され、他方の長辺縁部が縫製部T1において袋体24の下端外周部に縫製されている。この左右分割テザー30によって下バッグ部34が、左チャンバ38と右チャンバ40とに仕切られている。
前後分割テザー32は、基布26と同様の布材を長尺状に切り出して形成されたものであり、上バッグ部36内に配設されている。この前後分割テザー32は、一方の長辺縁部が縫製部T5において基布26の一側部分26Aに縫製され、他方の長辺縁部が縫製部T6において基布26の他側部分26Bに縫製されている。この前後分割テザー32によって上バッグ部36が、前チャンバ42と後チャンバ46とに仕切られている。この前後分割テザー32は、シートバック14の上下方向に沿って延びる縦仕切部32Aと、この縦仕切部32Aの上端からシートバック14の前方斜め上方へ延びる上仕切部32B(傾斜仕切部)とによって構成されている。
図1及び図2に示されるように、前チャンバ42と後チャンバ46とは、前後分割テザー32の上仕切部32Bに形成された前後連通口48(開口)を介して相互に連通されている。また、左チャンバ38と右チャンバ40とは、左右分割テザー30に形成された左右連通口50(開口)を介して相互に連通されている。なお、本実施形態では、前後連通口48が、上仕切部32Bに形成されているが、これに限らず、縦仕切部32Aに前後連通口が形成された構成にしてもよい。また、本実施形態では、左右連通口50が、左右分割テザー30の前部側に形成されているが、これに限らず、左右分割テザー30における左右連通口50の形成部位は、適宜変更可能である。
また、後チャンバ46には、整流部を構成する整流布52が設けられている。この整流布52は、基布26等と同様の布材から成る基布54(図3及び図5参照)が縫製部T7(図3参照)において縫製されることにより、筒状に形成されている。この整流布52は、軸線方向がシートバック14の上下方向に沿う状態で後チャンバ46の下部側に配置されており、上端開口が後述する前延部46Aの下方近傍に位置している。この整流布52は、膨張展開した後チャンバ46の車幅方向中央部よりも車幅方向外側寄りに配設されている。また、この整流布52は、下端部が上下分割テザー28に形成された開口56を貫通して左チャンバ38内に突出している。この突出部分は、逆止弁部58を構成している。
さらに、後チャンバ46には、インフレータ22が収容されている。インフレータ22は、所謂シリンダータイプのインフレータであり、円柱状に形成されている。このインフレータ22は、軸線方向がシートバック14の上下方向に沿う状態で後チャンバ46に配設されており、整流布52の内側に収容されている。
インフレータ22の外周部からは、車両後方側へ向けて上下一対のスタッドボルト(図示省略)が突出している。これらのスタッドボルトは、基布26、54を貫通すると共に、シートバックフレーム15のサイドフレーム15A(図1及び図2参照)に固定された図示しないブラケットを貫通しており、先端側に図示しないナットが螺合している。これにより、インフレータ22がサイドエアバッグ20と共にサイドフレーム15Aに締結固定(所謂背面締め)されている。
このインフレータ22の下端部には、ガス噴出部22Aが設けられている。このガス噴出部22Aには、インフレータ22の周方向に並んだ複数のガス噴出口が形成されており、インフレータ22が起動した際には、複数のガス噴出口から放射状にガスが噴出される。
このインフレータ22には、図1に示されるように、車両に搭載された側突ECU60が電気的に接続されている。この側突ECU60には、側面衝突を検知する側突センサ62が電気的に接続されている。側突ECU60は、側突センサ62からの信号に基づいて側面衝突(の不可避)を検知した際にインフレータ22を作動させる構成とされている。なお、側突ECU60に側面衝突を予知(予測)するプリクラッシュセンサが電気的に接続されている場合には、プリクラッシュセンサからの信号に基づいて側突ECU60が側面衝突を予知した際にインフレータ22が作動される構成にしてもよい。
上記構成のサイドエアバッグ装置10では、インフレータ22が起動されると、インフレータ22のガス噴出部22Aからガスが噴出される。ガス噴出部22Aから噴出されたガスは、整流布52の上端開口から後チャンバ46の上部に噴出(分配)される(図2の矢印G1参照)と共に、整流布52の下端開口から左チャンバ38に噴出(分配)される(図2の矢印G2参照)。後チャンバ46の上部に噴出されたガスは、前後連通口48を通って前チャンバ42の上部に供給される(図2の矢印G3参照)。また、左チャンバ38に噴出されたガスは、左右連通口50を通って右チャンバ40に供給される(図4の矢印G4参照)。
これにより、サイドエアバッグ20(袋体24)が乗員Pとサイドドア64のドアトリム66(車体側部)との間へ膨張展開する。この膨張展開状態では、下バッグ部34が上バッグ部36の下方側に位置し、前チャンバ42が後チャンバ46の車両前方側に位置し、左チャンバ38が右チャンバ40の車幅方向外側に位置する。そして、上バッグ部36の前部(前チャンバ42)によって乗員Pの胸部C及び腹部Bの前部(前半部)が拘束される。また、上バッグ部36の後部及び上部(後チャンバ46)によって乗員Pの肩部Sと胸部C及び腹部Bの後部(後半部)が拘束される。さらに、下バッグ部34によって乗員Pの腰部Lが拘束される。以下、サイドエアバッグ20の膨張展開状態について詳細に説明する。
前後分割テザー32の縦仕切部32Aは、乗員Pの胸部C及び腹部Bの前後方向中央部に沿ってシートバック上下方向に延びるように設けられている。この縦仕切部32Aの付近では、図3に示されるように、サイドエアバッグ20の車幅方向内側面が車幅方向外側へ凹んで凹部68が形成される。この凹部68は、縦仕切部32Aに沿ってシートバック上下方向に延在する。この凹部68が胸部C及び腹部Bの前後方向中央部(すなわち車幅方向外側へ最も張り出した部分)と対向するようになっている。
一方、上仕切部32Bは、縦仕切部32Aの上端からシートバック14の前方斜め上方へ延びるように設けられている。つまり、この上仕切部32Bは、シートバック14の前後方向(図2の一点鎖線Xに沿った方向)に対して、シートバック14の前方側へ向かうに従い上昇するように傾斜する。なお、シートバック14の前後方向とは、シート側面視でシートバック14の上下方向(図2の一点鎖線Yに沿った方向)と直交する方向である。また、シートバック14の上下方向とは、シートバックフレーム15の上端部の前後方向中央とリクライニングロッド70の軸心とを結ぶ方向である。また、シートバック14の前後方向に対する上仕切部32Bの傾斜角度θは、30〜60度の範囲内が好ましく、より好ましくは40〜50度の範囲内である。
この上仕切部32Bは、サイドエアバッグ20の膨張展開状態を車幅方向から見た場合に、乗員Pの肩部Sの中心Oと上腕部Aの長手方向中央部(上腕部Aの重心AGの位置又は重心AGの近傍の位置)との間の中央付近に位置するように設定されている。この上仕切部32Bが設定されることにより、後チャンバ46の上部には前チャンバ42と区画された肩拘束用の前延部46Aが形成されている。この前延部46Aは、前チャンバ42の上方側へ膨張展開し、乗員Pの肩部Sを拘束する。
また、上仕切部32Bの付近では、図4に示されるように、サイドエアバッグ20の車幅方向内側面が車幅方向外側へ凹んで凹部72が形成される。この凹部72は、上仕切部32Bに沿ってシートバック14の前方斜め上方へ延びるように延在する。また、前チャンバ42の車幅方向内側面は、上下方向中央部よりも上方側が車幅方向外側へ向かうに従い上昇するように湾曲するようになっている。以下、この湾曲面を、上腕部押上面74という。
一方、上下分割テザー28は、乗員Pの腹部Bと腰部Lとの間の高さにおいて、車両前後方向に延在するように設けられている。この上下分割テザー28によって上バッグ部36と仕切られた下バッグ部34は、乗員Pの腰部Lよりも車両前後方向の長さ寸法が長く設定されており、腰部Lを車両前後方向の広い範囲で拘束する。また、上下分割テザー28は、サイドエアバッグ20の膨張展開状態を車幅方向から見た場合に、シートバック14の前後方向(図2の一点鎖線Xに沿った方向)に対して前下がりに傾斜するように設定されている。これにより、膨張展開した下バッグ部34おける車両上下方向の膨張厚が車両前方側へ向かうほど小さくなるように構成されている。
また、本実施形態では、整流布52の上端開口から後チャンバ46の上部に噴出されたガスが、上仕切部32Bの前後連通口48を通って前チャンバ42に供給される。このため、前チャンバ42の内圧P1が後チャンバ46の内圧P2よりも低くなるようになっている(P1<P2)。なお、上バッグ部36の前端縁部などにベントホールを形成し、前チャンバ42に供給されたガスを上記ベントホールを通してサイドエアバッグ20の外部に排気する構成にしてもよい。それにより、乗員拘束時における前チャンバ42の潰れ残りを少なくすることができるので、前チャンバ42の衝撃吸収ストロークを良好に確保することができる。
さらに、本実施形態では、前述したように、整流布52の下端開口から下バッグ部34の左チャンバ38に噴出されたガスが、左右連通口50を通って右チャンバ40に供給される。それにより、左右のチャンバ38、40が膨張展開した後に、左チャンバ38の内圧が予め設定された値以上になると、整流布52の下端部によって構成された逆止弁部58が左チャンバ38の内圧によって閉じられる(図5に二点鎖線で示すように押し潰される)。これにより、左チャンバ38から後チャンバ46へのガスの流れが制限される。その結果、下バッグ部34の内圧P3が後チャンバ46の内圧P2よりも高い状態に保持されるようになっている(P2<P3)。
また、本実施形態では、下バッグ部34の膨張展開状態では、左右分割テザー30が上下方向に伸張されることにより、下バッグ部34の上下方向の膨張が抑制されるように、左右分割テザー30の上下方向寸法が設定されている。それにより、下バッグ部34の車幅方向の膨張幅が拡大されるようになっている。なお、図6(A)には、サイドエアバッグ20の非膨張の展開状態が縦断面図にて示されており、図6(B)には、サイドエアバッグ20の膨張展開状態(膨張展開完了状態)が縦断面図にて示されている。また、本実施形態では、左右のチャンバ38、40は、車幅方向の膨張幅が同等に設定されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成のサイドエアバッグ装置10では、側突ECU60が側突センサ62からの信号により側面衝突を検知すると、当該側突ECU60によってインフレータ22が起動される。すると、インフレータ22から噴出されるガスが、整流布52によって、サイドエアバッグ20の下バッグ部34の左チャンバ38と、上バッグ部36の後チャンバ46とに分配される。それにより、サイドエアバッグ20がシートバック14のドア側サイド部14Aから車両前方側へ膨張展開する。この際には、下バッグ部34の左チャンバ38が右チャンバ40よりも先にガスの供給を受けることにより、下バッグ部34が車幅方向に薄い状態(図4に三点鎖線で示されるように、右チャンバ40が膨張していない状態)で車両前方側へ展開する。それにより、車両用シート12に着座した乗員Pの腰部Lとドアトリム66との間の狭い隙間への下バッグ部34の展開性能を良好にすることができる。
また、左右分割テザー30の左右連通口50を通じて左チャンバ38から右チャンバ40へとガスが供給され、右チャンバ40が膨張することで、下バッグ部34の車幅方向の膨張幅が拡大される。しかも、下バッグ部34の膨張展開によって左右分割テザー30が上下方向に伸張されることにより、下バッグ部34の上下方向の膨張が抑制される。それにより、下バッグ部34の車幅方向の膨張幅が更に拡大される。そして、下バッグ部34の内圧が設定値以上に上昇することにより、左チャンバ38に突出した整流布52の逆止弁部58が閉じられると(図5の二点鎖線参照)、左チャンバ38から後チャンバ46へのガスの流れが制限される。それにより、車幅方向の膨張幅を拡大された下バッグ部34の内圧が高い状態に保持されるので、乗員Pの身体のうちで相対的に耐性が高い腰部Lを下バッグ部34によって効果的に拘束することができる。その結果、乗員拘束性能を良好にすることができる。
さらに、本実施形態では、下バッグ部34の全体が一気に膨張展開するのではなく、右チャンバ40が左チャンバ38に遅れて膨張する。これにより、乗員Pがサイドエアバッグ20の膨張展開領域である非適正位置に位置する状態でサイドエアバッグ20が膨張展開した場合でも乗員Pに与える影響を少なくする性能(以下、OOP性能という)を良好にすることができる。
また、本実施形態では、インフレータ22から後チャンバ46に供給されたガスが、前後分割テザー32に設けられた前後連通口48を通じて上バッグ部36の前チャンバ42に供給される。それにより、前チャンバ42が後チャンバ46に遅れて膨張展開するので、非適正位置の乗員Pが前チャンバ42から受ける影響を少なくすることができる。その結果、OOP性能を一層良好にすることができる。
しかも、前チャンバ42よりも先にガスの供給を受ける後チャンバ46は、前チャンバ42よりも早期かつ高圧に膨張展開する。この後チャンバ46の上部には、袋体24の膨張展開状態で前チャンバ42の上方側へ延びる肩拘束用の前延部46Aが設けられている。この前延部46Aによって乗員Pの肩部Sを早期かつ効果的に拘束することができるので、乗員拘束性能を一層良好にすることができる。
さらに、本実施形態では、下バッグ部34の左チャンバ38が右チャンバ40よりも先にガスの供給を受ける。それにより、左チャンバ38が右チャンバ40よりも早期かつ高圧に膨張展開する。この左チャンバ38は、サイドエアバッグ20の膨張展開状態で右チャンバ40に対し車幅方向外側(車体側部側)に位置する。つまり、乗員Pから遠い側の左チャンバ38が早期かつ高圧に膨張展開するため、OOP性能を一層良好にすることができる。
また、本実施形態では、上下分割テザー28は、サイドエアバッグ20の膨張展開状態を車幅方向から見た場合に、シートバック14の前後方向に対して前下がりに傾斜するように設定されている。それにより、膨張展開した下バッグ部34における車両上下方向の膨張厚が車両前方側へ向かうほど小さくなるように構成されているので、OOP性能を向上させることができる。つまり、仮に乗員Pや荷物等がドア側サイド部14Aの下部の前方に位置する状態でサイドエアバッグ20が膨張展開した場合でも、乗員や荷物等が下バッグ部34から受ける影響を少なくすることができる。
また、本実施形態では、早期かつ高圧に膨張展開する上バッグ部の上部及び後部(後チャンバ46)と、下バッグ部34とによって、相対的に荷重耐性が高い肩部S、胸部C及び腹部Bの後部、及び腰部Lを早期かつ効果的に拘束することができる。その一方、後チャンバ46及び下バッグ部34よりも内圧が低くなる上バッグ部36の前部(前チャンバ42)によって、相対的に荷重耐性が低い胸部C及び腹部Bの前部をソフトに拘束することができる。
また、本実施形態では、後チャンバ46の上部に設けられた前延部46Aは、縦仕切部32Aの上端からシートバック14の前方斜め上方へ延びる上仕切部32Bによって前チャンバ42と区画されており、前チャンバ42の上方側へ膨張展開する。つまり、シートバック14の前後方向に対して前上がりに延びる上仕切部32Bが設定されることにより、後チャンバ46の上部(前延部46A)が前チャンバ42の上方側へ延びて乗員Pの肩部Sを拘束する。このように上仕切部32Bが設定されることにより、後チャンバ46の容量の増加を抑制しつつ、後チャンバ46の上部(前延部46A)を乗員Pの肩部Sに良好に対向させることができる。
さらに、図4に示されるように、膨張展開した前チャンバ42の車幅方向内側面は、上下方向中央部よりも上方側が車幅方向外側へ向かうに従い上昇するように湾曲した上腕部押上面74となる。このため、サイドエアバッグ20と乗員Pとが側面衝突の衝撃によって相対的に接近することにより、上腕部押上面74と乗員Pの上腕部Aとが摺接し、上腕部Aを上方へ押し上げる力Fが発生する。その結果、上腕部Aが前チャンバ42の上方へ押し上げられ、前延部46Aによって拘束される。これにより、乗員Pの胸部Cとサイドエアバッグ20との間に上腕部Aが介在することを抑制できるので、胸部Cの負荷を低減することができる。
また、本実施形態では、上仕切部32Bは、サイドエアバッグ20の膨張展開状態を車幅方向から見た場合に、乗員Pの肩部Sの中心と上腕部Aの長手方向中央部(上腕部Aの重心AG付近)との間の中央付近に位置する。このため、上腕部Aの重心AGの付近に上仕切部32Bが設定されている場合と比較して、前チャンバ42による上腕部Aの押し上げ力Fを上腕部Aの重心AG付近に良好に作用させることができる。これにより、上腕部Aを効果的に押し上げることが可能になる。
つまり、例えば、図2のX線に沿って上仕切部32Bを設定すると、上仕切部32Bが上腕部Aの重心AG付近を通ることになる。この上仕切部32Bの付近では、図4に示されるように、サイドエアバッグ20の車幅方向内側面が車幅方向外側へ凹んで凹部(谷間)72が形成されるため、当該凹部72が上腕部Aの重心AG付近と当接する。この凹部72は、上腕部押上面74の上端部(上側の終点)に形成されるため、上腕部Aの重心AG付近が上腕部押上面74と摺接する距離及び時間が短くなり、上腕部Aの重心AG付近に十分に押し上げ力Fを作用させることができなくなる。これに対し、本実施形態では、上腕部Aが上腕部押上面74と摺接し始める際には、重心AGが凹部72(上仕切部32B)から下方側に十分に離間しているため、上腕部押上面74からの押し上げ力Fを上腕部Aの重心AG付近に良好に作用させることができる。その結果、上腕部Aを効果的に押し上げることが可能になる。
しかも、上記前延部46Aは、前述したように乗員Pの肩部Sの側方から車両前方側へ延びて前チャンバ42の上方に配置される。このため、例えば、側面衝突の形態が所謂斜め側面衝突であり、乗員Pが車両斜め前方へ慣性移動した場合でも、乗員Pの肩部Sが前延部46Aから外れないようにすることができる。これにより、側面衝突の形態によらず、乗員Pの肩部Sをサイドエアバッグ20によって良好に拘束することが可能になり、肩部Sの拘束を衝突後半まで持続させることが可能になる。
また、本実施形態では、図2において、乗員Pの肩部Sの中心Oと上腕部Aの重心AGを結ぶ線に沿ってサイドエアバッグ20を切断した場合、肩部Sの中心と上腕部Aの重心AGとの間に凹部72が形成される。この凹部72は、上仕切部32Bに沿ってシートバック14の前方斜め上方へ延びるため、前延部46Aの前端側には、シートバック14の前方斜め下方に向かうほど車幅方向外側へ向かうように湾曲した湾曲面が形成される。このため、膨張展開したサイドエアバッグ20と乗員Pとが側面衝突の衝撃によって相対的に接近する際には、既述した上腕部Aの押し上げ作用に加え、乗員Pの車幅方向外側の肩部Sが、上記湾曲面に沿って上仕切部32B側(車両前方側)へ移動する。
その結果、車幅方向外側の肩部Sが車両前方側へ移動する方向に乗員Pの上体が略垂直な軸回りに回転し、乗員Pの背中がサイドエアバッグ20側を向くことになる。これにより、相対的に荷重耐性が高い背中側をサイドエアバッグ20によって効果的に拘束することができる。また、胸部Cがサイドエアバッグ20から離れる方向へ変位(回転)するにより、胸部Cへの負荷をさらに低減することができる。しかも、車幅方向外側の肩部Sが車両前方側へ移動して凹部72に嵌り込むことで、肩部Sが肩拘束部である前延部46Aから外れ難くなるため、斜め衝突時においても肩部Sを良好に拘束し続けることができる。
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、上下分割テザー28(上下仕切部)と左右分割テザー30(左右仕切部)とが別々の布材によって形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、図7に示される変形例80のように構成してもよい。この変形例80では、重ね合わされた一対の布材82、84が縫製部T1、T8において縫製されることにより、左右仕切部86が形成されている。また、これらの布材82、84における縫製部T8よりも上端部側が二股状に分けられると共に、縫製部T2、T3において基布26の一側部分26A及び他側部分26Bに縫製されている。これにより、上下仕切部88が形成されている。その他、サイドエアバッグ20の製造方法は、上記実施形態の製造方法に限らず、適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、下バッグ部34の左右のチャンバ38、40のうち、サイドエアバッグ20の膨張展開状態で車幅方向外側に位置する左チャンバ38が、右チャンバ40よりも先にガスの供給を受ける構成にしたが、本発明はこれに限るものではない。つまり、上記実施形態において、整流布52の下端部(逆止弁部58)が右チャンバ40に突出した構成にしてもよい。その場合、乗員Pの腰部Lに近い右チャンバ40が早期に膨張展開するため、腰部Lの初期拘束性能を向上させることができ、乗員拘束性能の向上に寄与することができる。
また、上記実施形態では、左右のチャンバ38、40の車幅方向の膨張幅が同等に設定された構成にしたが、本発明はこれに限らず、左右のチャンバ38、40のうちの一方の膨張幅が他方の膨張幅よりも大きく設定された構成にしてもよい。その場合、ガスの供給を先に受けるチャンバの膨張幅を大きくすることにより、下バッグ部34の初期拘束性能を良好にすることができる。また、その場合、サイドエアバッグ20を折り畳む際に、縫製部T2、T3等が重ならないようにすることができるので、サイドエアバッグ20をコンパクトに折り畳むことが可能になる。
また、上記実施形態では、上バッグ部36が前後分割テザー32(前後仕切部)によって前チャンバ42及び後チャンバ46に仕切られると共に、後チャンバ46の上部に前延部46Aが設けられた構成にしたが、本発明はこれに限るものではない。前延部46Aが省略された構成(前延部26Aの部分が前チャンバ42とされた構成)にしてもよいし、前後分割テザー32が省略された構成にしてもよい。
さらに、上記実施形態では、整流布52(整流部)の下端部が逆止弁部58とされた構成にしたが、本発明はこれに限らず、整流部と逆止弁部が別々に設けられた構成にしてもよい。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両用サイドエアバッグ装置
12 車両用シート
13 シート本体
14 シートバック
14A ドア側サイド部(車幅方向外側のサイド部)
16 シートクッション
24 袋体
28 上下分割テザー(上下仕切部)
30 左右分割テザー(左右仕切部)
32 前後分割テザー(前後仕切部)
34 上バッグ部
36 下バッグ部
38 左チャンバ
40 右チャンバ
42 前チャンバ
46 後チャンバ
46A 前延部
48 前後連通口
50 左右連通口
52 整流布(整流部)
58 逆止弁部

Claims (5)

  1. 車両用シートのシートバックにおける車幅方向外側のサイド部内に収容され、内部にガスが供給されることにより前記サイド部の車両前方側へ膨張展開する袋体と、
    前記袋体を腰拘束用の下バッグ部と上体拘束用の上バッグ部とに仕切る上下仕切部と、
    前記膨張展開状態で前記下バッグ部を車幅方向に並ぶ左右のチャンバに仕切ると共に、前記左右のチャンバを相互に連通させた左右連通口が設けられ、前記膨張展開状態で伸張されることにより前記下バッグ部の上下方向の膨張を抑制する左右仕切部と、
    前記上バッグ部内に設けられたインフレータと、
    前記インフレータからのガスを前記左右のチャンバのうちの一方及び前記上バッグ部内に分配すると共に、前記一方へ突出した逆止弁部によって前記一方から前記上バッグ部内へのガスの流れを制限する整流部と、
    を備えた車両用サイドエアバッグ装置。
  2. 前記膨張展開状態で前記上バッグ部を車両前後方向に並ぶ前チャンバ及び後チャンバに仕切ると共に、前記前チャンバと前記後チャンバとを相互に連通させた前後連通口が設けられた前後仕切部を更に備え、前記インフレータからのガスが前記整流部によって前記後チャンバに分配されると共に、前記後チャンバの上部には、前記膨張展開状態で前記前チャンバの上方側へ延びる肩拘束用の前延部が設けられている請求項1に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  3. 前記一方は、前記左右のチャンバのうちの他方に対して前記膨張展開状態で車幅方向外側に位置する請求項1又は請求項2に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  4. 前記上下仕切部は、前記膨張展開状態を車幅方向から見た場合に、前記シートバックの前後方向に対して前下がりに傾斜するように設定されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  5. シートクッション及びシートバックを有するシート本体と、
    前記シートバックに設けられた請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置と、
    を備えた車両用シート。
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