JP5216191B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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非膨張部は、シートに着座した乗員の腕部に臨む。また、さらに、膨張部は、上端部が乗員の肩部に臨むとともに、下端部が腰部に臨む。
ここで、乗員の腕部は車体側に突出している。この突出している腕部に非膨張部を臨ませることで、乗員に沿わせた状態でサイドエアバッグを展開することが可能になる。
ここで、乗員の体形・体格は様々であり、このような体形・体格の乗員の保護性能を効果的におこなうために、乗員の身体部のうち、腰部を拘束した後、他の身体部を拘束することが考えられる。
しかし、腰部に臨む部位を、他の部位より大きく膨張させるためには、サイドエアバッグを形成する基布の一部を、例えば立体織りなどで突出させた状態に織る必要がある。
このため、サイドエアバッグの形状が複雑になり、この観点から、改良の余地が残されていた。
このため、サイドエアバッグ装置の小型化や軽量化を図ることが難しく、この観点から、改良の余地が残されていた。
そこで、請求項1において、内側壁部および外側壁部を結合部で結合することで、各壁部間のバッグ幅を、シートの前端部側で狭めるとともにシートの後端部側で拡げるように設定した。
なお、乗員の上半身は、腰部を含むものとする。
そこで、請求項2において、サイドエアバッグのうち、布幅の最も広い部位を、乗員の腰部に臨ませた。
よって、シートの後端部側のバッグ幅を、通常のサイドエアバッグのバッグ幅より拡げることで、乗員の上半身を好適に保護することができる。
これにより、乗員を好適に保護するサイドエアバッグを簡単な構成で得ることができるという利点がある。
ガスを比較的少量に抑えることで、ガスを放出するインフレータのコンパクト化が図れ、サイドエアバッグ装置の小型化や軽量化を図ることができるという利点がある。
よって、結合部でサイドエアバッグ内を仕切ることで、テーパ状の膨張室を形成することができる。
これにより、テーパ状の膨張室を迅速に展開し、展開した膨張室で、乗員を衝撃の発生当初から好適に拘束することができるという利点がある。
さらに、内側結合部と外側結合部とを縫い合わせて結合部を作ることで、サイドエアバッグを折り畳む際に、連結片の縫合部で結合布を良好に折り畳むことができる。
これにより、乗員の身体部にかかる衝撃を、それぞれの身体部に合わせて調整することができるので、乗員を好適に保護することができるという利点がある。
図1は本発明に係るサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートを示す斜視図であり、サイドエアバッグ装置を展開した状態を示す。
車両用シート10は、一例として、車両の側部に設けたサイドドア(車体)11の左側に所定間隔をおいて設けられ、乗員12が着座するシートクッション13と、シートクッション13の後部に設けたシートバック14と、シートバック14の上端部14aに設けたヘッドレスト15とを備える。
シートバック14の右側部14bには、サイドエアバッグ装置20が折り畳んだ状態で収納されている。
サイドエアバッグ装置20は、車両の側部に衝撃が作用したことを検知した際に、インフレータ21からガスを放出し、放出したガスでサイドエアバッグ22を膨張展開させて乗員を保護するものである。
インフレータ21から放出したガスをサイドエアバッグ22に充填する。充填したガスでサイドエアバッグ22を、乗員12が着座した車両用シート(シート)10の後端部10a側から前端部10b側に向けて展開する。
以下、車両用シート10の後端部10aを、シート後端部10aと略記する。また、車両用シート10の前端部10bを、シート前端部10bと略記する。
よって、サイドエアバッグ22のうち、内側壁部としての内側基布(織物)25が乗員12に臨むとともに、外側壁部としての外側基布26がサイドドア11に臨む。
サイドエアバッグ22は、図1に示す乗員12側に臨む内側基布25と、図1に示すサイドドア11に臨む外側基布26とを縫い合わせて袋体を形成し、この袋体の内部に布製の結合布(結合部)28を備え、結合布28で内側基布25および外側基布26を間隔をおいて結合し、一対の隔壁基布32,33を内側基布25および外側基布26間に介在させ、それぞれの基布32,33,25,26を縫い合わせて隔壁部31を形成したものである。
外側基布26は、インフレータ21に取り付ける取付部26aを有し、取付部26aを除いて外周に折曲片26bを有し、前端部に排気孔用の開口部26cを有する。
内側基布25の折曲片25bと外側基布26の折曲片26bとを重ね合わせ、それぞれの縫合部(すなわち、想像線で示す部位)25c,26dを縫合糸41で縫い合わせることで袋体を形成する。
この結合布28は、内側結合部35の結合片35aを内側基布25に縫い合わせ、外側結合部36の結合片36aを外側基布26に縫い合わせたものである。
なお、結合布28については、図4に基づいて詳しく説明する。
また、一対の隔壁基布32,33のうち、他方の隔壁基布33は、車体前後方向に延びるように楕円形に形成され、前端部に排気孔用の開口部33aを有する。
この排気孔38でサイドエアバッグ22の内部空間39とサイドエアバッグ22の外部とを連通する。
結合布28の内側結合部35は、略台形状に形成された基布である。この内側結合部35は、結合片35aの長さがL1、連結片35bの長さがL2、シート後端部10a側の後端部35cの幅がW1、シート前端部10b側の前端部35dの幅がW2に設定されている。
なお、シート後端部10aおよびシート前端部10bは、それぞれ図1に示す。
また、後端部35cの幅W1と、前端部35dの幅W2との関係は、W1>W2が成立する。
すなわち、外側結合部36は、略台形状に形成された基布である。この外側結合部36は、結合片36aの長さがL1、連結片36bの長さがL2、シート後端部10a側の後端部36cの幅がW1、シート前端部10b側の前端部36dの幅がW2に設定されている。
また、後端部36cの幅W1と、前端部36dの幅W2との関係は、W1>W2が成立する。
結合布28の布幅W3は、後端部28aにおいて2×W1と比較的大きな寸法であり、前端部28bにおいて2×W2と比較的小さな寸法である。
さらに、結合布28は、内側結合部35の前端部35dおよび外側結合部36の前端部36dをそれぞれテーパ状に形成することで、前端部28bを略V状の凹み部に形成する。
具体的には、内側結合部35の結合片35aと内側基布25とを重ね合わせ、それぞれの縫合部(想像線で示す部位)35f,25eを縫合糸41(図示せず)で縫い合わせる。縫合部35f,25eは、内側基布25の下部25f近傍に位置する。
このように、内側基布25および外側基布26を結合布28で結合した状態において、結合布28は、後端部28aから前端部28bに向けて上り勾配に取り付けられる。
結合布28でサイドエアバッグ22の内部空間39を仕切ることで、サイドエアバッグ22の下部22b近傍に下部膨張室(膨張室)45が形成され、下部膨張室(膨張室)45の上方に上部膨張室46が形成される。
そこで、結合布28を、後端部28aから前端部28bに向けて、布幅W3が徐々に小さくなるように形成した。
よって、内側基布25および外側基布26を結合布28で結合することで、下部膨張室45は、膨張幅が、シート後端部10a側からシート前端部10b側に向けて徐々に減少するように形成されている。
一方、図5(b)に示すように、下部膨張室45は、内側基布25および外側基布26間のバッグ幅W4が、シート前端部10b側の前側部位45bにおいて、結合布28を用いない通常のサイドエアバッグのバッグ幅と比較して小さく抑えられるように狭められる。
ガスを比較的少量に抑えることで、ガスを放出するインフレータ21(図1参照)のコンパクト化が図れ、サイドエアバッグ装置20の小型化や軽量化を図ることができる。
よって、後側部位45aのバッグ幅W4を拡げて大きくすることで、乗員12の上半身12d(特に、腰部12a)を好適に保護することができる。
なお、乗員12の上半身12dは、腰部12aを含むものとする。
この下部膨張室45の容積は、サイドエアバッグ22の上部膨張室46の容積と比較して小さく抑えられている。よって、下部膨張室45を比較的少量のガスで迅速に展開させることができる。
よって、下部膨張室45を比較的少量のガスで展開させても、シート後端部側のバッグ幅を、結合布28を用いない通常のサイドエアバッグのバッグ幅と比較して大きく拡げた状態に確保することができる。
さらに、結合布28は、前端部28bが略V状の凹み部に形成されている。よって、下部膨張室45内にガスが充填された際に、下部膨張室45内のガスを上部膨張室46に導く第2ガス流路48が所定の大きさに形成できる。
そして、展開した下部膨張室45で、乗員12(図1参照)を衝撃の発生当初から好適に拘束することができる。
これにより、乗員12を好適に保護するサイドエアバッグ22を簡単な構成で得ることができる。
すなわち、乗員12の体形・体格は様々であり、このような体形・体格の乗員12の保護性能を効果的におこなうために、乗員12の身体部のうち、腰部12aを拘束した後、他の身体部を拘束することが好ましい。
そこで、下部膨張室45の後側部位45aを腰部12aに臨ませて乗員12にかかる衝撃を良好に吸収することにした。
(a)に示すように、サイドエアバッグ22は、内側基布25の折曲片25bと外側基布26の折曲片26bとが縫合糸41で縫い合わされることで袋体が形成される。
内側基布25および外側基布26を結合布28で結合することで、サイドエアバッグ22の内部空間39を結合布28で仕切る。サイドエアバッグ22の下部22b近傍に下部膨張室45を形成する。
バッグ幅W5は、結合布28を用いない通常のサイドエアバッグ52(想像線で示す)の幅である。
この後側部位45aが、腰部12aの右側部12b(図1参照)に臨む。
結合布28は、前端部28bにおいて、布幅W3が比較的小さい。よって、下部膨張室45のうち、前側部位45bは、内側基布25および外側基布26間のバッグ幅W4が、、バッグ幅W5と比較して小さく狭められる。
バッグ幅W5は、結合布28を用いない通常のサイドエアバッグ52(想像線で示す)の幅である。
この結合布28のうち、内側結合部35の結合片35aを内側基布25に縫合糸41で縫い合わせ、外側結合部36の結合片36aを外側基布26に縫合糸41で縫い合わせる。
図6(a),(b)は本発明に係るサイドエアバッグ装置の下部膨張室を展開する状態を示す説明図である。
(a)において、インフレータ21からガスを放出する。放出したガスは、サイドエアバッグ22の下部膨張室45に第1ガス流路47を経て矢印Aの如く導かれるとともに、サイドエアバッグ22の上部膨張室46に矢印Bの如く導かれる。
これにより、下部膨張室45は、上部膨張室46と比較して迅速に展開を開始する。
これにより、下部膨張室45が十分に展開し、上部膨張室46がある程度展開する。
(a)において、上部膨張室46が十分に展開することで、サイドエアバッグ22は膨張展開を完了する。
内側基布25および外側基布26間のバッグ幅W4は、後側部位45aの膨張幅である。
この後側部位45aは、腰部12aの右側部12bに臨む。
よって、バッグ幅W4を拡げる後側部位45aで、腰部12aを好適に保護することができる。
よって、衝撃が発生した際に、発生した衝撃を腰部12aで良好に受けて、その後他の身体部を受けることができる。
これにより、乗員12の身体部にかかる衝撃を、それぞれの身体部に合わせて調整することができるので、乗員12を好適に保護することができる。
例えば、内外側の基布25,26において、シート後端部10a側を比較的長いストラップで結合するとともに、シート前端部10b側を比較的短いストラップで結合することで、各基布25,26間のバッグ幅W4をシート前端部10b側で狭め、シート後端部10a側で拡げるように形成することも可能である。
Claims (2)
- シートに着座した乗員の側方にサイドエアバッグを設け、このサイドエアバッグをシートの後端部側から前端部側に向けて展開することで乗員と車体との間に配置し、配置したサイドエアバッグの内側壁部を乗員に臨ませるとともに外側壁部を車体に臨ませるサイドエアバッグ装置において、
前記内側壁部および前記外側壁部の間に介在され、前記シートの後端部側から前端部側に向けて、布幅が徐々に小さくなるように略台形状に形成されている布製の結合部を備え、
前記結合部は、内側結合部及び外側結合部が縫い合わされて略台形状に形成されるものであり、
前記内側結合部の一端に形成された結合片が、前記内側壁部に縫い合わされ、
前記外側結合部の一端に形成された結合片が、前記外側壁部に縫い合わされ、
前記内側結合部の他端に形成された連結片と、前記外側結合部の他端に形成された連結片とが縫い合わされ、
前記結合部は、前記サイドエアバッグの中央よりも下方に位置すると共に、前記乗員の腰部に対応する部位に位置し、
前記結合部の後端部が前方に向かって凹んだ凹み部に形成されていると共に、
前記結合部の前端部が後方に向かって凹んだ凹み部に形成され、
前記結合部が縫い合わされていることにより、前記サイドバックには、前記結合部よりも上方の上部膨張室と前記結合部よりも下方の下部膨張室とが形成されており、
前記下部膨張室は、前記上部膨張室よりも容積が小さいことにより、前記上部膨張室よりも迅速に展開し、
前記結合部の後端部に形成されている凹み部は、略V状を呈し、
前記結合部の前端部に形成されている凹み部は、略V状を呈していることを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 前記サイドエアバッグは、前記布幅の最も広い部位が、前記乗員の腰部に臨むように形成されたことを特徴とする請求項1記載のサイドエアバッグ装置。
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