JP7428121B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置に関する。
従来、乗員保護装置としては、シートベルトにおいて装着時に乗員の腰部を拘束するラップベルトの領域に、折り畳まれたエアバッグを配置させ、エアバッグを、インフレーターからの膨張用ガスを内部に流入させて、乗員の前方を覆うように膨張させる構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。この従来の乗員保護装置では、エアバッグの膨張完了形状を、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱形状としており、このエアバッグの膨張完了時の下面を乗員の大腿部と当接させることにより、乗員の大腿部に支持された状態で、乗員の上半身と対向して配置される後面から構成される上半身拘束面により、乗員の胸部から頭部にかけて拘束させる構成であった。
特開2020-66425公報
しかし、従来の乗員保護装置では、エアバッグの上半身拘束面は、略平面状とされていることから、上半身拘束面によって乗員の上半身を受け止める際に、胸部が上半身拘束面と直ちに接触することとなって、乗員の上半身をソフトに保護する点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、乗員の上半身を、ソフトで、かつ、的確に拘束可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乗員保護装置は、シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
可撓性を有したシート体から構成される袋状として、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
折り畳まれたエアバッグを収納させて保持するとともに、シートに着座した乗員の腰部の前方に配置される保持体と、
エアバッグに膨張用ガスを供給可能なインフレーターと、
を備える構成とされて、
エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて保持体から突出し、乗員の前方を覆うように膨張する構成とされるとともに、
膨張完了時に乗員の左右の肩の前方に配置されて、肩を拘束可能に構成される肩拘束部と、
膨張完了時の下端側において肩拘束部を支持するとともに膨張完了時に前記乗員の左右の大腿部の上面を覆うように配置されて、膨張完了時の下面側に、乗員受止時に乗員の左右の大腿部により支持される被支持面を、配設させて構成される支持膨張部と、
を備えていることを特徴とする。
本発明の乗員保護装置では、エアバッグの膨張完了時において、乗員が上半身を下半身に近づけるように移動する際に、まず、左右の肩の前方に配置される肩拘束部が、乗員の左右の肩を拘束して、上半身の前方移動を抑制することとなる。すなわち、本発明の乗員保護装置では、肩拘束部によって左右の肩を受け止めることにより、上半身の前方移動する運動エネルギーを吸収できることから、膨張を完了させたエアバッグにより、乗員の上半身の前傾移動を規制することができる。そして、本発明の乗員保護装置では、膨張完了時のエアバッグの下端側に、肩拘束部を支持して、乗員の左右の大腿部の上面を覆う支持膨張部が、配設される構成であり、この支持膨張部は、下面側に配設される被支持面により、広い面積で左右の大腿部に支持されることとなる。そのため、乗員が、肩拘束部によって左右の肩を拘束されつつ上半身をさらに下半身に近づけるように移動することとなっても、支持膨張部によって肩拘束部の下方を安定して支持させることができて、肩拘束部による左右の肩の拘束を安定させることができ、乗員の上半身をソフトで、かつ、的確に拘束することができる。
したがって、本発明の乗員保護装置では、乗員の上半身を、ソフトで、かつ、的確に拘束することができる。
また、本発明の乗員保護装置において、エアバッグを、膨張完了時に乗員の左右の大腿部の上面側において前後方向に略沿って延びるような略板状として構成される支持膨張部と、膨張完了時に支持膨張部の前端側から後上側に向かって延びるような略板状として形成される前側膨張部と、を備える構成として、前側膨張部の後端側の領域を、乗員の左右の肩を拘束可能な肩拘束部とする構成としてもよく、このような構成とすれば、前側膨張部の後端側の領域から構成される肩拘束部が、シートに着座した乗員の左右の肩の前方において左右方向に略沿って配置されることから、エアバッグが、乗員に対して多少左右でずれた位置で膨張することとなっても、肩拘束部によって、左右の肩を安定して拘束することが可能となって、好ましい。
そして、上記構成の乗員保護装置において、エアバッグに、膨張完了時の前側膨張部の後端を支持膨張部側から離隔させるような拡開を抑制可能な拡開抑制手段を、配設させる構成とすれば、前側膨張部の支持膨張部に対する位置を安定させることができ、換言すれば、肩拘束部の乗員に対する配置位置を、上方へずらすことなく、安定させることが可能となって、好ましい。
さらに、本発明の乗員保護装置において、支持膨張部を、エアバッグの膨張完了時に、乗員の左右の大腿部の上面側において前後方向に略沿って延びるような略板状として構成し、
肩拘束部を、エアバッグの膨張完了時に、支持膨張部の左右両端近傍においてそれぞれ上方に延びるように形成するとともに、前後方向に略沿った略板状として、後面側によって、乗員の左右の肩を、それぞれ、拘束可能に構成してもよい。
乗員保護装置を上記構成とすれば、エアバッグの膨張完了時に、乗員の左右の肩をそれぞれ拘束する肩拘束部が、乗員の前方において上下方向に略沿って配置されることから、体格が異なっていても(シートに対する肩の上下の位置が異なっていても)、乗員を、安定して保護することができる。
そして、上記構成の乗員保護装置において、肩拘束部を、相互の離隔を規制可能に、テザーによって相互に連結させる構成とすれば、肩拘束部によって乗員の左右の肩を受け止めた際に、肩拘束部が相互に離隔することを抑制でき、乗員の肩を、的確に拘束することができて、好ましい。
また、上記構成の乗員保護装置において、各肩拘束部を、相互の離隔を規制可能に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張する連通膨張部により、相互に連通させる構成としてもよく、このような構成とする場合、膨張した連通膨張部は、テザーと比較して剛性が高いことから、エアバッグの膨張完了時の形状保持性を向上させることができて、肩を受け止めた際の肩拘束部の大きな変形、換言すれば、肩拘束部の相互の離隔や接近を、抑制でき、乗員の肩を、一層的確に拘束することができる。
さらにまた、本発明の乗員保護装置において、エアバッグを、膨張完了形状を軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱状として、下端側の領域を支持膨張部とし、膨張完了時の上端側における左右両端側の部位を、肩拘束部とするとともに、肩拘束部間となる上端側における左右の中央側の領域の後面側を、相対的に前方に凹ませるように、構成してもよく、このような構成とすれば、支持膨張部と肩拘束部とが、間に凹んだ領域を配置させず、連なるように一体的に構成されていることから、左右の肩を受け止めた際の肩拘束部を、一層安定して支持膨張部により支持させることが可能となり、乗員を安定して保護することができる。また、肩拘束部の間の領域は、相対的に前方に凹むように構成されていることから、乗員の胸部が、肩を拘束される前に、エアバッグと接触することも、的確に抑制できる。
さらにまた、本発明の乗員保護装置において、エアバッグを、支持膨張部の上方となる領域に、膨張完了時の後端側において上下方向に略沿って延びるように形成されて、肩拘束部に肩を拘束された状態の乗員の胸部を受け止め可能とされる胸部受止面を配設させる構成とするとともに、
胸部受止面の上方となる膨張完了時の上端側に、乗員の頭部を保護可能とされる頭部保護部を、配設させる構成としてもよい。
乗員保護装置を上記構成とすれば、乗員は、肩拘束部によって左右の肩を拘束された状態で、膨張完了時の上端側に形成される頭部保護部によって頭部を受け止められ、その後、胸部受止面によって、胸部を受け止められることから、左右の肩だけではなく、乗員の頭部と胸部も、エアバッグにより、直接受け止めて保護することができる。
さらに、上記構成の乗員保護装置において、胸部受止面を、エアバッグの内部に配設されるテザーによって、エアバッグの膨張完了時に、後方への突出を規制させる構成とすれば、膨張完了時に胸部受止面が過度に後方に突出して配置されることを抑制でき、換言すれば、実際に乗員の肩と接触する肩拘束部の後端と、胸部受止面と、の前後方向側での離隔距離を安定して維持させることができて、肩拘束部による肩拘束後に、胸部受止面によって、安定して乗員の胸部をソフトに保護することが可能となって、好ましい。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、支持膨張部に、被支持面から下方に突出しつつ、乗員の左右の前記大腿部間に進入するように膨張する突出部を、配設させる構成とすれば、この突出部を、大腿部間に進入させるように膨張させることにより、エアバッグを、左右方向側の中央を、乗員の左右方向側の中央と略一致させるように、位置決めして膨張させることが可能となって、好ましい。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、保持体を、シートベルトにおいて装着時に乗員の腰部を拘束するラップベルトから、構成すれば、エアバッグを保持するための保持体を別途設けなくともよく、構成部品の増大を抑制できて、好ましい。
本発明の一実施形態である乗員保護装置を搭載させたシートの斜視図である。 図1のシートの側面図である。 図1のシートの正面図であり、シートベルトが装着された状態を示す。 実施形態の乗員保護装置において使用されるエアバッグを、単体で膨張させた状態を示す後方側から見た概略斜視図である。 図4のエアバッグの背面図である。 図4のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図である。 図4のエアバッグの前後方向に沿った概略横断面図である。 図4のエアバッグを構成する基材を並べた平面図である。 実施形態の乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの正面図である。 実施形態の乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの側面図である。 実施形態の乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの平面図である。 実施形態の乗員保護装置において、膨張を完了させたエアバッグにより乗員を拘束する状態を示す側面図である。 本発明の他の実施形態である乗員保護装置を搭載させたシートの正面図である。 図13の乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの側面図である。 本発明の他の実施形態であるエアバッグを、単体で膨張させた状態を示す後方側から見た概略斜視図である。 図15のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図である。 図15のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの正面図である。 図15のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの側面図である。 図15のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの平面図である。 変形例のエアバッグを示す概略縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを、単体で膨張させた状態を示す後方側から見た概略斜視図である。 図21のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図である。 図21のエアバッグの左右方向に沿った概略縦断面図である。 図21のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの正面図である。 図21のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの側面図である。 図21のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの平面図である。 他の変形例のエアバッグを示す前後方向に沿った概略縦断面図である。 図27のエアバッグの左右方向に沿った概略縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを、単体で膨張させた状態を示す後方側から見た概略斜視図である。 図29のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図である。 図29のエアバッグの前後方向に沿った概略横断面図である。 図29のエアバッグの左右方向に沿った概略縦断面図である。 図29のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの正面図である。 図29のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの側面図である。 図29のエアバッグを使用した乗員保護装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態のシートの平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の乗員保護装置Sは、図1~3に示すように、車両のシート1に搭載されるもので、エアバッグ25を保持する保持体を構成するシートベルト7と、エアバッグ25と、インフレーター17と、を備える構成とされている。シート1は、背もたれ部2と座部3とを備えている。なお、実施形態では、前後上下左右の方向は、特に断らない限り、シート1の前後上下左右の方向と一致している。
シートベルト7は、実施形態の場合、シート1に搭載されるもので、シート1に着座した乗員MPを拘束するためのベルト本体8と、ベルト本体8に取り付けられるタングプレート12と、タングプレート12を連結させるためのバックル13と、を備える構成とされている。ベルト本体8は、背もたれ部2内に配置される図示しないリトラクタの巻取軸に一端を係止され、他端側を、シート1における座部3の後端3b左方に配置されるアンカ部材14(図1,2参照)に係止されている。詳細には、ベルト本体8は、背もたれ部2の上端左縁側から外部に露出されるように配置されるもので、実施形態の場合、乗員MPの非着座状態においては、図1,2に示すように、エアバッグ25を保持させている保持体としてのラップベルト10を、背もたれ部2の前面に露出させるように、構成されている。詳細には、ラップベルト10は、乗員MPの非着座状態において、図1に示すように、背もたれ部2の左縁2a側において、上下方向に略沿うようにして、背もたれ部2の前面に露出されている。ベルト本体8は、ラップベルト10と、背もたれ部2内に収納されるショルダーベルト9と、を有し、乗員着座時においてタングプレート12をバックル13に連結させた状態で、アンカ部材14とバックル13との間において左右方向に略沿うように配置されるラップベルト10によって乗員MPの下半身MD(腰部MW)を拘束し、背もたれ部2の上端左縁側から延びつつバックル13にかけて斜めに配置されるショルダーベルト9によって乗員MPの上半身MU(肩MSから胸部MBにかけて)を拘束する構成とされている(図3参照)。そして、実施形態の場合、乗員着座時に、シート1に着座した乗員MPの腰部MWの前方に配置されるラップベルト10と、後述するカバー22と、が、折り畳まれたエアバッグ25を収納させて保持する保持体を、構成している。
インフレーター17は、シート1に搭載されるもので、詳細には、実施形態の場合、シート1における座面3aよりも下方となる位置に、配設されている。具体的には、インフレーター17は、図2に示すように、座部3より下方のシート1の背面側において軸方向を左右方向に略沿わせて配置される略円柱状のインフレーター本体18(詳細な図示省略)と、インフレーター本体18から延びてエアバッグ25に膨張用ガスを供給するパイプ部19と、を備えている。パイプ部19は、金属製として、インフレーター本体18から延びて、先端を、シート1の左方において、座部3と背もたれ部2との境界部位付近に位置させるように、配設されるもので、この先端を、クランプ20を利用して、エアバッグ25における後述する導管部55と接続させる構成とされている。
エアバッグ25は、シートベルト7のラップベルト10とカバー22とを保持体として、長尺状に折り畳まれて、周囲をカバー22に覆われつつラップベルト10に保持されるもので、具体的には、シートベルト7の装着時におけるラップベルト10の上面側に重ねられるようにして、周囲をカバー22に覆われて、ラップベルト10の領域に配置されている(図3参照)。換言すれば、実施形態では、エアバッグ25は、ラップベルト10とカバー22との間の隙間に、折り畳まれて収納される構成である。また、図1に示すような非装着状態においては、エアバッグ25は、背もたれ部2の前面に露出しているラップベルト10の背面側(背もたれ部2側)に、配置されている。カバー22は、エアバッグ25の展開膨張時に破断可能に構成されている。
エアバッグ25は、図4~7に示すように、バッグ本体26と、インフレーター17と接続されてバッグ本体26に膨張用ガスを流入させる導管部55と、バッグ本体26をラップベルト10に取り付けるための取付部58と、を備えている。
バッグ本体26は、実施形態の場合、膨張完了時に乗員MPの上半身MUの前方を覆うように膨張する本体膨張部28と、膨張完了時に乗員MPの左右の肩MSL,MSRを拘束する肩拘束部50L,50Rと、を備えている。
本体膨張部28は、膨張完了時の外形形状を、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱形状とされており、前後方向側から見た状態での膨張完了形状を、上下に幅広とした略長方形状とするように、構成されている。そして、実施形態の場合、本体膨張部28において、膨張完了時の下端28b側の領域が、膨張完了時に乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRの上面を覆う支持膨張部38を構成し、膨張完了時の上端28a側の領域が、乗員MPの頭部MHを保護可能とされる頭部保護部41を構成し、支持膨張部38の上方の領域であって支持膨張部38と頭部保護部41との間の領域が、乗員MPの胸部MBを保護可能とされる胸部保護領域42を構成している。
また、本体膨張部28の外周壁は、膨張完了時に乗員MPから離れた前側に配置される前壁部29と、乗員MP側に配置される後上壁部30及び後下壁部31と、膨張完了時に左右方向側で対向して配置される左壁部32及び右壁部33と、から構成されている。
後上壁部30は、エアバッグ25の膨張完了時に、乗員MPの上半身MUの前方を、腹部MAから頭部MHの下方にかけて覆うように、配置される構成である。この後上壁部30は、膨張完了時の本体膨張部28における後端側において、上下方向に略沿って延びるように形成されるもので、腹部MAの前方に配置される下端側を除いた領域(支持膨張部38の領域であって、胸部保護領域42の後面42a)が、肩拘束部50L,50Rによって肩MSL,MSRを拘束された状態の乗員MPの胸部MBを受止可能な胸部受止面43を構成している。すなわち、胸部受止面43は、上下方向に略沿って延びるとともに左右の肩拘束部50L,50Rの前部側と連なって形成されている。
実施形態のエアバッグ25では、本体膨張部28の内部に、後上壁部30における上下左右の中央付近の領域と、前壁部29における上下左右の中央付近の領域と、を連結して、後上壁部30と前壁部29との離隔距離を規制するように、前後方向に沿って規制テザー45が配設される構成である(図6,7参照)。そして、実施形態の場合、後上壁部30は、この規制テザー45により、エアバッグ25の膨張完了時に、規制テザー45の後端45aを連結させている連結部位46R付近となる上下左右の中央付近を、前方に向かって凹ませる構成とされている。この規制テザー45は、帯状として、幅方向を上下方向に略沿わせて配置される構成であり、後端45aを後上壁部30に連結させている連結部位46Rは、規制テザー45の後端45aを、後上壁部30に、上下方向側で幅広の略長円状の縫合部位を形成するように縫着させて、構成されている。同様に、規制テザー45の前端45bは、上下方向で幅広の略長円上の縫合部位を形成するようにして、連結部位46Fによって、前壁部29に連結されている。なお、実施形態では、規制テザー45を本体膨張部28に連結させる連結部位46F,46Rの形成部位には、補強布73が、介在されている(図6~8参照)。連結部位46F,46Rは、実際には、補強布73の外周縁を全周にわたって縫着させている縫合部位と、規制テザー45の前端45b若しくは後端45a自体を前壁部29,後上壁部30に縫着させている縫合部位と、の二重円状に、形成されている(図4,5,8,9参照)。実施形態の場合、規制テザー45は、2枚のテザー用基材47,47から構成されている。
この規制テザー45は、実施形態の場合、膨張完了時のエアバッグ25を左右方向側から見た状態で、上半分程度を肩拘束部50L,50Rの配置領域と左右方向側で重ならせるように、配設されている(図6参照)。規制テザー45の後端45aを後上壁部30に連結させている連結部位46Rは、胸部受止面43の上下左右の略中央となる位置であって、エアバッグ25の膨張完了時に、AM50ダミー相当の乗員MPの胸部MBの左右の中央付近となる位置に、配置されることとなる(図9,10参照)。換言すれば、胸部受止面43(後上壁部30)は、胸部MBの左右の中央付近に対応する上下左右の略中央に、前方に向かって凹む凹部43aを有する構成とされている。
後下壁部31は、エアバッグ25の膨張完了時に、乗員MPの大腿部MTL,MTRに略沿うように、前後方向に略沿って配設される構成とされている。後下壁部31は、支持膨張部38の下面38aを構成するもので、換言すれば、後下壁部31は、乗員受止時に乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRにより支持される被支持面39を、構成している。詳細には、実施形態の場合、本体膨張部28における後下壁部31の後端31aの下面側に、導管部55と連通される連通孔35が、配設される構成であり(図6,7参照)、被支持面39は、実際には、後下壁部31において導管部55よりも前側に配置される領域から、構成されている。
実施形態では、本体膨張部28は、膨張完了時の上下方向側の幅寸法及び左右方向側の幅寸法を、後上壁部30により、乗員MPの上半身MUを、頭部MHを除いて略全面にわたって覆い可能な寸法に、設定され、膨張完了時の前後方向側の幅寸法を、後下壁部31(被支持面39)により、大腿部MTL,MTRの上面を、膝の近傍まで前後に広く覆い可能な寸法に、設定されている(図9~11参照)。詳細には、実施形態では、本体膨張部28は、膨張完了時における上端28aを、乗員MP(AM50ダミー相当)の頭部MHよりもわずかに下方に位置させるように、構成されている(図10参照)。すなわち、実施形態の乗員保護装置Sでは、乗員MPの頭部MHを保護する頭部保護部41は、エアバッグ25の膨張完了状態では、頭部MHの前下方となる位置に配置される構成である。
乗員MPの左右の肩MSL,MSRを拘束する各肩拘束部50L,50Rは、実施形態の場合、左右に2つ配設されている。各肩拘束部50L,50Rは、外形形状を同一として、エアバッグ25の膨張完了時に、本体膨張部28の上端28a側における左右両縁側において、それぞれ、本体膨張部28よりも後方に突出するように形成されて、膨張完了時の後端50bを、シート1に着座している乗員MPの左右の肩MSL,MSRの前側近傍に位置させるように、構成されている(図10,11参照)。各肩拘束部50L,50Rは、図7に示すように、それぞれ、本体膨張部28側に配置される内壁部51L,51Rと、本体膨張部28から離れた側に配置される外壁部52L,52Rと、を有して、膨張完了形状を、上下方向に略沿って配置される略長方形板状として(図6参照)、上下で広く肩MSL,MSRを拘束可能に構成されている。また、実施形態の場合、各肩拘束部50L,50Rは、膨張完了時の前端50c近傍となる位置で、連通孔36L,36Rを介して、本体膨張部28と連通されるもので、この連通孔36L,36Rの周縁を相互に結合させることにより、本体膨張部28と連結されるとともに、本体膨張部28(すなわち、支持膨張部38)により支持される構成とされている。各肩拘束部50L,50Rと本体膨張部28とを連通させる連通孔36L,36Rは、図6に示すように、開口形状を、上下方向に略沿った長尺状とされるとともに、上下両端側を、それぞれ、後方に延ばすような略コ字形として、構成されている。また、各肩拘束部50L,50Rは、乗員MPの肩MSL,MSRと当接する後端50b側にかけて上下に僅かに幅広とするように、構成されている。具体的には、各肩拘束部50L,50Rは、膨張完了時における上端50aの位置を、本体膨張部28における上端28aと略一致させ、上下方向側の幅寸法を、本体膨張部28の上下方向側の幅寸法の半分程度として、膨張完了時における後半分程度の領域を、本体膨張部28における後上壁部30(胸部受止面43)よりも後方に突出させるように、構成されている(図6参照)。実際には、各肩拘束部50L,50Rは、エアバッグ25の膨張完了時に、後端50bを、乗員MPの左右の肩MSL,MSRに近接させ、かつ、乗員MPの左右の肩MSL,MSRから上腕AL,ARにかけての前面側を、上下の略全域にわたって覆うように、配置される構成である(図9~11参照)。
導管部55は、インフレーター17のパイプ部19と接続されるもので、バッグ本体26に連結される元部55a側を閉塞させ、先端55b側を、パイプ部19と接続可能に開口させて構成されるもので、エアバッグ25の膨張完了時に、ラップベルト10に略沿うように左右方向に略沿って配置される構成である(図9参照)。この導管部55は、図5,7に示すように、元部55a側の領域を、膨張完了時のバッグ本体26における本体膨張部28の下面側に配置させており、この元部55a側において、連通孔35により、本体膨張部28と連通されている。
バッグ本体26をラップベルト10に取り付ける取付部58は、導管部55の元部55a側の部位の下面側に配設されるもので、ラップベルト10に略沿うように左右方向に略沿って配設される筒状として、導管部55の元部55a側の下面側に縫着されて、ラップベルト10を挿通可能に構成されている(図5,6参照)。この取付部58にラップベルト10を挿通させることにより、エアバッグ25は、ラップベルト10に保持される構成である。
実施形態のエアバッグ25は、所定形状の基布の周縁相互を結合させて形成されるもので、実施形態の場合、図8に示すように、本体膨張部28を構成する乗員側パネル62,前側パネル65と、各肩拘束部50L,50Rを構成する肩拘束部用パネル67L,67Rと、導管部55を構成する2枚の導管部用パネル69,70と、取付部58を構成する取付部用パネル72と、規制テザー45を構成するテザー用基材47,47と、規制テザー45の連結部位46F,46Rを補強する補強布73,73と、から構成されている。これらの乗員側パネル62,前側パネル65,肩拘束部用パネル67L,67R,導管部用パネル69,70,取付部用パネル72,テザー用基材47,補強布73は、それぞれ、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。
乗員側パネル62は、膨張完了時に乗員MP側に配置されて、本体膨張部28における後下壁部31から後上壁部30にかけての部位を、主に構成している。具体的には、乗員側パネル62は、主に後下壁部31を構成する下側部位64と、主に後上壁部30を構成する上側部位63と、を備えている。詳細には、下側部位64は、後下壁部31と、左壁部32及び右壁部33における後下側の領域と、を構成し、上側部位63は、後上壁部30と、左壁部32及び右壁部33における後上側の領域と、を構成するもので、それぞれ、外形形状を略六角形状とされている。そして、乗員側パネル62は、この下側部位64と上側部位63とを一辺で連結させたような外形形状とされている(図8参照)。
前側パネル65は、膨張完了時の本体膨張部28における前壁部29を主に構成するもので、詳細には、前壁部29と、左壁部32及び右壁部33における前側の領域と、を構成している。この前側パネル65は、外形形状を略六角形状とされている。具体的には、前側パネル65の外形形状は、乗員側パネル62において下側部位64と上側部位63とを連結させている連結部位62aの左右に配置される後左縁63a,64a相互、後右縁63b,64b相互を、それぞれ結合させた残りの縁部(前縁63c,64c)相互を離隔させるように開いた状態の下側部位64及び上側部位63と、略一致させた六角形状とされている。本体膨張部28は、前側パネル65の外周縁65aと、後左縁63a,64a相互、後右縁63b,64b相互をそれぞれ結合させた状態の乗員側パネル62における下側部位64及び上側部位63の前縁63c,64cと、を結合させることにより、袋状とされる。
各肩拘束部50L,50Rを構成する肩拘束部用パネル67L,67Rは、外形形状を、内壁部51L,51R及び外壁部52L,52Rを後縁相互で連結させたような略長方形状とされており、二つ折りして周縁相互を結合させることにより、肩拘束部50L,50Rを構成することとなる。導管部55を構成する導管部用パネル69,70は、外形形状を同一とした2枚から、構成されている。取付部58を構成する取付部用パネル72は、外形形状を略長方形状とされて、二つ折りされて短手方向側の縁部相互を結合させることにより、取付部58を構成することとなる。
実施形態の乗員保護装置Sでは、車両に搭載されたシート1にシートベルト7を装着しつつ乗員MPが着座した状態で、インフレーター17が作動すれば、インフレーター17から吐出される膨張用ガスが、導管部55を経てバッグ本体26内に流入することとなり、バッグ本体26が、カバー22を破断させるようにして、ラップベルト10から前上方に突出しつつ、図3の二点鎖線及び図9~11に示すように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ25の膨張完了時において、乗員MPが上半身MUを下半身MDに近づけるように移動する際に、まず、左右の肩MSL,MSRの前方に配置される2つの肩拘束部50L,50Rが、乗員MPの左右の肩MSL,MSRを拘束して、上半身MUの前方移動を抑制することとなる。すなわち、実施形態の乗員保護装置Sでは、肩拘束部50L,50Rによって、胸部MBに比べて高い反力で拘束可能な左右の肩MSL,MSRを受け止めることにより、上半身MUの前方移動する運動エネルギーを吸収できることから、膨張を完了させたエアバッグ25により、乗員MPの上半身MUの前傾移動を規制することができる。そして、実施形態の乗員保護装置Sでは、膨張完了時のエアバッグ25の下端28b側に、肩拘束部50L,50Rを支持して、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRの上面を覆う支持膨張部38が、配設される構成であり、この支持膨張部38は、下面38a側に配設される被支持面39により、広い面積で左右の大腿部MTL,MTRに支持されることとなる。そのため、乗員MPが、肩拘束部50L,50Rによって左右の肩MSL,MSRを拘束されつつ上半身MUをさらに下半身MDに近づけるように移動することとなっても、支持膨張部38によって肩拘束部50L,50Rの下方を安定して支持させることができて、肩拘束部50L,50Rによる左右の肩MSL、MSRの拘束を安定させることができ、乗員MPの上半身MUをソフトで、かつ、的確に拘束することができる。
したがって、実施形態の乗員保護装置Sでは、乗員MPの上半身MUを、ソフトで、かつ、的確に拘束することができる。
また、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ25が、支持膨張部38の上方となる領域に、膨張完了時の後端側において上下方向に略沿って延びる胸部受止面43を配設させるとともに、胸部受止面43の上方となる膨張完了時の上端28a側に頭部保護部41を配設させる構成とされている。そのため、実施形態の乗員保護装置Sでは、乗員MPは、肩拘束部50L,50Rによって左右の肩MSL、MSRを拘束された状態で、膨張完了時の上端28a側に形成される頭部保護部41によって頭部MHを受け止められ、その後、胸部受止面43によって、胸部MBを受け止められることから、左右の肩MSL,MSRだけではなく、乗員MPの頭部MHと胸部MBも、エアバッグ25により、直接受け止めて保護することができる。具体的には、実施形態の乗員保護装置Sでは、肩拘束部50L,50Rは、膨張完了時に、本体膨張部28の後上壁部30(胸部受止面43)から大きく後方に張り出して、後端50bを乗員MPの左右の肩MSL,MSRの前側に近接して配置させるように形成されており、本体膨張部28は、上端28a側に配置される頭部保護部41を、シート1に着座している乗員MPの頭部MHの前下方に位置させるように、構成されている。また、肩拘束部50L,50Rは、上下に幅広の板状として、肩MSL,MSRから連なる上腕AL,ARの前側を覆い可能に、配置される構成である。そのため、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ25の膨張初期に、まず、肩拘束部50L,50Rが、上下に広い範囲で、肩MSL,MSRを迅速に受け止めることができ、肩MSL,MSRの前側を上下に広い範囲で押えることができることから、乗員MPのシート1に対する前方移動を、的確に規制することができる。そして、上半身MUを下半身MDに近づけるように前傾移動する際には、上半身MUが、この肩拘束部50L,50Rを圧縮変形させるような態様となって、肩拘束部50L,50Rによって、前傾移動しようとする乗員MPの上半身MUの運動エネルギーを、的確にエネルギー吸収することができる。そして、運動エネルギーを吸収されつつ、前傾移動する上半身MUに伴って、前下方に移動する頭部MHを、頭部保護部41によって受け止めることができ、その後、胸部MBが、胸部受止面43に受け止められることとなる。
さらに、実施形態の乗員保護装置Sでは、胸部受止面43(後上壁部30)が、エアバッグ25の内部に配設される規制テザー45によって、エアバッグ25の膨張完了時に、後方への突出を規制される構成であることから、膨張完了時に胸部受止面43が過度に後方に突出して配置されることを抑制でき、換言すれば、実際に乗員MPの肩MSL,MSRと接触する肩拘束部50L,50Rの後端50bと、胸部受止面43と、の前後方向側での離隔距離を安定して維持させることができて、肩拘束部50L,50Rによる肩拘束後に、胸部受止面43によって、安定して乗員MPの胸部MBをソフトに保護することができる。特に、実施形態では、エアバッグ25の膨張完了時に、胸部受止面43(後上壁部30)が、規制テザー45との連結部位46R周囲の部位(胸部受止面43における上下左右の中央付近の領域)に、前方に向かって凹む凹部43aを有する構成であることから、この凹部43aの周縁を構成する略長円形の曲面状の周縁領域43bによって、胸部MBを広く受け止めることができて、上下左右の中央付近を前方に向かって凹ませている胸部受止面43により、乗員MPの胸部MBを一層ソフトに保護することができる。
さらにまた、実施形態の乗員保護装置Sでは、エアバッグ25を保持する保持体が、シートベルト7において装着時に乗員MPの腰部MWを拘束するラップベルト10から、構成されていることから、エアバッグを保持するための保持体を別途設けなくともよく、構成部品の増大を抑制できる。なお、このような点を考慮しなければ、図13,14に示すごとく、シートベルトとは別体として、装着時に乗員MPの腰部MWの前方に配置される保持体75に、エアバッグ25を保持させる構成としてもよい。図13,14に示す保持体75は、形状保持性を有した材料からなってエアバッグ25を保持する保持体本体76と、保持体本体76と折り畳まれたエアバッグ25との周囲を覆うカバー体77と、を備えるもので、シート1に対して回動可能に、座部3の左端側でシート1に連結され、右端をバックル(図符号省略)を利用して連結させることにより、シート1に着座した乗員MPの腰部MWの周囲を囲むように装着される構成である。また、この保持体75は、装着時に、乗員MPの腰部MWとの間に、隙間を設けるように構成され、エアバッグ25は、保持体75と腰部MWとの間の隙間を埋めつつ、乗員MPの上半身MUの前方を覆うように膨張する構成とされている(図14参照)。
また、エアバッグ80としては、図15~19に示す構成のものを使用してもよい。エアバッグ80は、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されるもので、バッグ本体81と、バッグ本体81の膨張完了形状を規制する拡開抑制手段としてのテザー92L,92Rと、インフレーター17と接続される導管部55と、バッグ本体81をラップベルト10に取り付けるための取付部58と、を備えている。導管部55及び取付部58は、前述のエアバッグ25における導管部55及び取付部58と同一の構成であることから、同一の図符号を付して詳細な説明を省略する。
バッグ本体81は、図15,16に示すように、支持膨張部83と、支持膨張部83の前端83b側から延びる前側膨張部87と、を備えている。
支持膨張部83は、膨張完了時に、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRの上面側を覆うように前後方向に略沿って延びるような略板状として構成されている。支持膨張部83は、膨張完了形状を略長方形板状として、後端83cを、シート1に着座した乗員MPの腹部MAの前方に位置させるように、構成されている(図18参照)。詳細には、支持膨張部83は、膨張完了時における左右方向側の幅寸法を、大腿部MTL,MTRよりも左右に幅広として、大腿部MTL,MTRの上面を左右の全域にわたって略全面にわたって覆い可能な寸法に、設定され、前後方向側の幅寸法を、大腿部MTL,MTRの上面を、膝の近傍まで前後に広く覆い可能な寸法に、設定されている。支持膨張部83の下面83aを構成している下壁部84は、乗員受止時に、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRにより支持される被支持面85を、構成している。また、支持膨張部83の後端83c側の下面側には、図16に示すように、導管部55が連通される構成であり、下壁部84の後端近傍には、導管部55と連通される連通孔(図符号省略)が、形成されている。
前側膨張部87は、膨張完了時に、支持膨張部83の前端83b側から後上側に向かって延びるような略板状として、左右方向側から見た状態で後上がりに傾斜して配置されている。前側膨張部87は、支持膨張部83から連なるように形成されて、膨張完了形状を略長方形板状とされるもので、左右方向側の幅寸法を、支持膨張部83の左右方向の幅寸法と略同一として構成されている。前側膨張部87は、膨張完了時の後端側部位88を、シート1に着座した乗員MPの左右の肩MS(MSL,MSR)の前方に配置させるように、構成されている(図18参照)。また、前側膨張部87は、後端側部位88を、支持膨張部83の後端83cの略直上に位置させるように、構成されている。そして、実施形態のエアバッグ80では、この前側膨張部87の後端側部位88が、乗員MPの左右の肩MSL,MSRを拘束可能な肩拘束部89を、構成している。すなわち、このエアバッグ80では、肩拘束部89は、前側膨張部87の前端87a側を介して、支持膨張部83により支持される構成である。後端側部位88(肩拘束部89)は、エアバッグ80の膨張完了時に、乗員MPの左右の肩MSL,MSRよりもわずかに左右の外方に突出するように配置されている。また、肩拘束部89を構成する後端側部位88は、肩MSL,MSRを受け止める後面88aを、上下に略沿わせて、肩MSL,MSRを上下で広く覆うように、構成されている。実施形態のバッグ本体81では、支持膨張部83と前側膨張部87とは、膨張完了時の厚さを同程度として、構成されている。
バッグ本体81の膨張完了形状を規制する拡開抑制手段としてのテザー92L,92Rは、図15に示すように、バッグ本体81の左縁81a側と右縁81b側とにおいて、それぞれ、支持膨張部83と前側膨張部87とを連結するように、配置されている。各テザー92L,92Rは、前側膨張部87の後端側部位88付近と支持膨張部83の後端83c付近を含めて、前後に広く支持膨張部83と前側膨張部87とを連結するような帯状として、上下方向に略沿うように配設されるもので、膨張完了時の前側膨張部87の後端側部位88を、支持膨張部83側から離隔させるような拡開を抑制する構成とされている。
このような構成のエアバッグ80では、前側膨張部87の後端側の領域(後端側部位88)から構成される肩拘束部89が、図17,19に示すように、シート1に着座した乗員MPの左右の肩MSL,MSRの前方において左右方向に略沿って配置されることから、エアバッグ80が、乗員MPに対して多少左右でずれた位置で膨張することとなっても、肩拘束部89によって、左右の肩MSL,MSRを安定して拘束することができる。
また、上記構成のエアバッグ80では、膨張完了時の前側膨張部87の後端側部位88を支持膨張部83側から離隔させるような拡開を抑制可能な拡開抑制手段としてのテザー92L,92Rが、配設される構成であることから、前側膨張部87の支持膨張部83に対する位置を安定させることができ、換言すれば、肩拘束部89の乗員MPに対する配置位置を、上方へずらすことなく、安定させることができる。実施形態のエアバッグ80では、拡開抑制手段として、バッグ本体81と別体のテザー92L,92Rを、バッグ本体81の左縁81a側と右縁81b側とに配設させているが、テザーを配設させず、例えば、図20に示すエアバッグ80Aのごとく、前側膨張部87Aにおける支持膨張部83Aと連結される前端87a側を、厚肉として、この厚肉膨張部位95を拡開抑制手段とし、前側膨張部87Aの位置を規制(後端側部位88Aの支持膨張部83A側からの離隔を抑制)するように、構成してもよい。なお、製造が容易であり、かつ、的確に拡開を規制できる見地からは、拡開抑制手段として、実施形態のエアバッグ80のごとく、バッグ本体81と別体のテザー92L,92Rを配設させる構成とすることが好ましい。
さらに、エアバッグ100として、図21~26に示すような構成のものを使用してもよい。エアバッグ100は、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されるもので、バッグ本体101と、バッグ本体101の膨張完了形状を規制するテザー111と、インフレーター17と接続される導管部55と、バッグ本体101をラップベルト10に取り付けるための取付部58と、を備えている。導管部55及び取付部58は、前述のエアバッグ25における導管部55及び取付部58と同一の構成であることから、同一の図符号を付して詳細な説明を省略する。
バッグ本体101は、図21~23に示すように、支持膨張部103と、支持膨張部103の左端103a,右端103b近傍においてそれぞれ上方に延びるように形成される2つの肩拘束部108L,108Rと、を備えている。
支持膨張部103は、前述のエアバッグ80における支持膨張部83と同様に、膨張完了時に、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRの上面側を覆うように前後方向に略沿って延びるような略板状として構成されている。支持膨張部103は、膨張完了形状を略長方形板状として、後端103cを、シート1に着座した乗員MPの腹部MAの前方に位置させるように、構成されている(図25参照)。詳細には、支持膨張部103は、膨張完了時における左右方向側の幅寸法を、大腿部MTL,MTRよりも左右に幅広として、大腿部MTL,MTRの上面を左右の全域にわたって略全面にわたって覆い可能な寸法に、設定され、前後方向側の幅寸法を、大腿部MTL,MTRの上面を、膝の近傍まで前後に広く覆い可能な寸法に、設定されている。支持膨張部103の下面103eを構成している下壁部105は、乗員受止時に、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRにより支持される被支持面106を、構成している。また、支持膨張部103の後端103c側の下面側には、図22に示すように、導管部55が連通される構成であり、下壁部105の後端近傍には、導管部55と連通される連通孔(図符号省略)が、形成されている。
各肩拘束部108L,108Rは、図21,23に示すように、支持膨張部103の左端103a側と右端103b側とにおいて、それぞれ、支持膨張部103の上面103dから上方に延びるように、上下方向に略沿って形成されるもので、下端108b側を支持膨張部103と連通されている。各肩拘束部108L,108Rは、膨張完了形状を、前後方向に略沿うとともに、左右方向側から見て略三角形状の略板状とされている。具体的には、各肩拘束部108L,108Rは、下端108b側の前後方向側の幅寸法を、支持膨張部103の前後方向の幅寸法と略一致させるとともに、膨張完了時の後面108cを構成する後側壁部109を、支持膨張部103の上面103d(上壁部104)に対して略直交させるように、左右方向側から見た外形形状を、略直角三角形状とされている。そして、各肩拘束部108L,108Rは、後面108c側(後側壁部109)により、乗員MPの各肩MSL,MSRを拘束する構成である。また、各肩拘束部108L,108Rは、上下方向側の幅寸法を、膨張完了時における上端108aの位置を、頭部MHより下方であって、乗員MPの各肩MSL,MSRよりも上側に位置させるように、構成されている(図25参照)。実施形態のバッグ本体101では、支持膨張部103と各肩拘束部108L,108Rとは、膨張完了時の厚さを同程度として、構成されている。
テザー111は、各肩拘束部108L,108Rの相互の離隔を規制するためのものであり、実施形態では、肩拘束部108L,108Rの後端(後面108c)側を相互に連結するように、配設されている(図21,22参照)。具体的には、テザー111は、肩拘束部108L,108Rの上下方向の中間部位において、左右方向に略沿うように配設されるとともに、端部111a,111b側を、それぞれ、肩拘束部108L,108Rの後端側(後側壁部109近傍となる位置)に連結させている。実施形態では、テザー111は、幅寸法を、肩拘束部108L,108Rの上下方向側の幅寸法の1/3程度に、設定されている。
このような構成のエアバッグ100では、図24~26に示すように、エアバッグ100の膨張完了時に、乗員MPの左右の肩MSL,MSRをそれぞれ拘束する肩拘束部108L,108Rが、乗員MPの前方において上下方向に略沿って配置されることから、体格が異なっていても(シート1に対する肩MSL,MSRの上下の位置が異なっていても)、乗員MPを、安定して保護することができる。
また、上記構成のエアバッグ100では、肩拘束部108L,108Rを、相互の離隔を規制可能に、テザー111によって相互に連結させていることから、肩拘束部108L,108Rによって乗員MPの左右の肩MSL,MSRを受け止めた際に、肩拘束部108L,108Rが相互に離隔することを抑制できて、乗員MPの肩MSL,MSRを、的確に拘束することができる。
また、エアバッグ100Aとして、図27,28に示すように、テザーの代わりに、肩拘束部108AL,108ARを、連通膨張部113により連通させて、肩拘束部108AL,108AR間の相互の離隔を規制する構成としてもよい。このエアバッグ100Aでは、テザーの代わりに連通膨張部113を配設させる以外は、上述のエアバッグと同一の構成であることから、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して、詳細な説明を省略する。
連通膨張部113は、実施形態の場合、肩拘束部108AL,108ARにおける前後の略中央で、上下の中央よりやや上方となる位置において、膨張完了形状を略円柱状として軸方向を左右方向に略沿わせるように配設されるもので、端部113a,113bを、それぞれ、各肩拘束部108AL,108ARにおいて、左右の内方に配置される内壁部110に、連結させるようにして、肩拘束部108AL,108ARを相互に連通させている。実施形態では、連通膨張部113は、外径寸法を、肩拘束部108AL,108ARの厚さ寸法の2/3程度として、構成されている。
エアバッグ100Aをこのような構成とする場合、膨張した連通膨張部113は、所定長さの略円柱状の外形形状を維持しようとして、前述のエアバッグ100において使用されるテザー111と比較して剛性が高いことから、エアバッグ100Aの膨張完了時の形状保持性を向上させることができて、肩を受け止めた際の肩拘束部108AL,108ARの大きな変形、換言すれば、肩拘束部108AL,108ARの相互の離隔や接近を、抑制でき、乗員の肩を、一層的確に拘束することができる。
さらに、エアバッグ120として、図29~35に示すような構成のものを使用してもよい。エアバッグ120は、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されるもので、バッグ本体121と、インフレーター17と接続される導管部55と、バッグ本体81をラップベルト10に取り付けるための取付部58と、を備えている。導管部55及び取付部58は、前述のエアバッグ25における導管部55及び取付部58と同一の構成であることから、同一の図符号を付して詳細な説明を省略する。
バッグ本体121は、膨張完了形状を、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱状とされている(図29,30参照)。また、バッグ本体121は、前後方向側から見た状態での膨張完了形状を、左右に僅かに幅広とした略長方形状とするように、構成されている。そして、このバッグ本体121において、膨張完了時の下端121b側の領域が、膨張完了時に乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRの上面を覆う支持膨張部130を、構成している。また、バッグ本体121において、膨張完了時の上端121a側における左右両端側の部位が、乗員MPの左右の肩MSL,MSRを拘束する肩拘束部133L,133Rを、構成している。詳細には、バッグ本体121は、膨張完了時に乗員MPから離れた前側に配置される前壁部122と、乗員MP側に配置される後上壁部123及び後下壁部124と、膨張完了時に左右方向側で対向して配置される左壁部125及び右壁部126と、を備える構成として、後上壁部123と後下壁部124とを略直交させるように、構成されている。後下壁部124は、エアバッグ120の膨張完了時に、乗員MPの大腿部MTL,MTRに略沿うように、前後方向に略沿って配設される構成である(図34参照)。後下壁部124は、支持膨張部130の下面を構成するもので、換言すれば、後下壁部124は、乗員受止時に乗員MPの左右の大腿部MTL,MTRにより支持される被支持面131を、構成している。バッグ本体121における後下壁部124の後端の下面側には、図30,31に示すように、導管部55が連通される構成であり、後下壁部124の後端近傍には、導管部55と連通される連通孔(図符号省略)が、形成されている。
実施形態のバッグ本体121において、肩拘束部133L,133R間となる上端121a側の領域の左右の中央側には、図29,30に示すように、この上端121a側の左右の中央側の領域の後面側を、相対的に前方に凹ませるような凹部135が、形成されている。凹部135は、実施形態の場合、バッグ本体121の上端121aから、上下の中央よりやや下方となる領域まで形成されるもので、上端側の凹み量を最も大きくして、下側にかけて凹みを収束させるように、構成されている。すなわち、凹部135の凹みの底を形成している中央側部136は、上側を前方に位置させるように、後上壁部123に対して傾斜するように構成されている(図30参照)。そして、実施形態のバッグ本体121では、凹部135の左右両側において、凹部135に対して相対的に後方に突出するように配設されている部位が、肩拘束部133L,133Rを構成しており、すなわち、肩拘束部133L,133Rは、上下方向に略沿って配置されることとなる。このエアバッグ120では、バッグ本体121の上端121a側の領域(すなわち、肩拘束部133L,133Rの上端側の領域)によって、乗員MPの左右の肩MSL,MSRを拘束する構成であり、この肩拘束部133L,133Rによって肩MSL,MSRを拘束された状態で、凹部135の領域には、乗員MPの胸部MBが位置することとなる(図35参照)。そして、凹部135は、肩拘束部133L,133Rに対して相対的に前方に凹んでいることから、肩拘束部133L,133Rによって肩MSL,MSRを拘束された状態では、胸部MBは、バッグ本体121との接触を抑制されることとなる。
また、バッグ本体121において、支持膨張部130を構成する下端121b側の領域には、被支持面131を構成する後下壁部124から下方に突出する突出部140が、配設されている。この突出部140は、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTR間に進入するように膨張して、エアバッグ120の膨張完了時に、左右の大腿部MTL,MTR間に配設される構成である(図30,31参照)。詳細には、突出部140は、実施形態の場合、略三角錐形状として、後下壁部124の左右の略中央となる位置において、断面略V字形状に突出するように形成されるもので、下方への突出量と左右の幅寸法とを、前端140a側でもっとも大きくして、後端140b側にかけて収束するように構成されている(図30,31参照)。詳細には、突出部140は、前端140a側における上下方向側の幅寸法を、大腿部MTL,MTRの上下の中央付近まで進入可能な寸法としている(図33,34参照)。また、突出部140は、前端140a側において、元部側(上端側)の左右方向側の幅寸法を、上下方向側の幅寸法よりもわずかに幅広として、構成されている。
バッグ本体121は、膨張完了時の上下方向側の幅寸法及び左右方向側の幅寸法を、後上壁部123により、乗員MPの上半身MUを、頭部MHを除いて略全面にわたって覆い可能であり、かつ、膨張完了時における上端121aの位置を乗員MPの各肩MSL,MSRよりも上側に位置させるような寸法に、設定されている(図34参照)。また、バッグ本体121は、膨張完了時の前後方向側の幅寸法を、後下壁部124(被支持面131)により、大腿部MTL,MTRの上面を、膝の近傍まで前後に広く覆い可能な寸法に、設定されている(図34参照)。
このような構成のエアバッグ120では、支持膨張部130と肩拘束部133L,133Rとが、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱状のバッグ本体121の一部から構成されており、換言すれば、支持膨張部130と肩拘束部133L,133Rとが、間に凹んだ領域を配置させず、連なるように一体的に構成されていることから、左右の肩MSL,MSRを受け止めた際の肩拘束部133L,133Rを、一層安定して支持膨張部130により支持させることが可能となり、乗員MPを安定して保護することができる。また、肩拘束部133L,133Rの間の領域には、凹部135が形成されて、相対的に前方に凹むように構成されていることから、乗員MPの胸部MBが、肩MSL,MSRを拘束される前に、エアバッグ120と接触することも、的確に抑制できる。
また、上記構成のエアバッグ120では、支持膨張部130に、被支持面131から下方に突出しつつ、乗員MPの左右の大腿部MTL,MTR間に進入するように膨張する突出部140が、形成されている。そのため、この突出部140を、大腿部MTL,MTR間に進入させるように膨張させることにより、エアバッグ120を、左右方向側の中央を、乗員MPの左右方向側の中央と略一致させるように、位置決めして膨張させることができる。なお、このような突出部140は、エアバッグ120に配置させて説明しているが、勿論、本発明の他の形態のエアバッグ25,80,80A,100,100Aに配設させる構成としてもよい。
実施形態において、エアバッグ80,80A,100,100Aでは、膨張完了時に、乗員MPの胸部MBの前方に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張する膨張領域が形成されていないことから、胸部MBが、エアバッグ80,80A,100,100Aと接触することを確実に抑制できる。なお、エアバッグ25,120では、胸部MBを膨張したエアバッグ25,120(胸部保護領域42や凹部135周縁の部位)と接触させる構成であるが、いずれも、肩拘束部50L,50R,133L,133Rによる肩MSL,MSRの拘束後であることから、胸部MBを必要以上に押圧せず、胸部MBを含めた上半身MUを、的確に拘束することができる。
実施形態の乗員保護装置Sでは、シートベルト7とインフレーター17とが、シート1に搭載される構成とされている。そのため、シート1を前後で大きくスライドさせたり回転させたりして、車両に対して移動させた状態で使用する場合にも、シート1に着座した乗員MPを、エアバッグ25によって的確に保護することができる。勿論、本発明の乗員保護装置は、このような構成のシートに限定されるものではなく、リトラクタを車体側に設けたシートベルトにより乗員を拘束するタイプのシートに搭載することもできる。また、インフレーターも、車両のボディ側に取り付ける構成としてもよい。
1…シート、7…シートベルト、10…ラップベルト(保持体)、17…インフレーター、25…エアバッグ、26…バッグ本体、28a…上端、28b…下端、38…支持膨張部、38a…下面、39…被支持面、41…頭部保護部、42…胸部保護領域、43…胸部受止面、45…規制テザー、50L,50R…肩拘束部、75…保持体、80,80A…エアバッグ、81…バッグ本体、83,83A…支持膨張部、85…被支持面、87,87A…前側膨張部、88,88A…後端側部位、89…肩拘束部、92L,92R…テザー(拡開抑制手段)、95…厚肉膨張部位(拡開抑制手段)、100,100A…エアバッグ、101…バッグ本体、103…支持膨張部、106…被支持面、108L,108R,108AL,108AR…肩拘束部、111…テザー、113…連通膨張部、120…エアバッグ、121…バッグ本体、130…支持膨張部、131…被支持面、133L,133R…肩拘束部、135…凹部、140…突出部、MP…乗員、MU…上半身、MH…頭部、MSL,MSR…肩、MB…胸部、MD…下半身、MW…腰部、MTL,MTR…大腿部、S…乗員保護装置。

Claims (7)

  1. シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
    可撓性を有したシート体から構成される袋状として、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納させて保持するとともに、前記シートに着座した乗員の腰部の前方に配置される保持体と、
    前記エアバッグに膨張用ガスを供給可能なインフレーターと、
    を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前記保持体から突出し、前記乗員の前方を覆うように膨張する構成とされて、前記乗員の左右の大腿部の上面側において前後方向に略沿って延びるような略板状に膨張する支持膨張部と、前記支持膨張部の前端側から後上側に向かって延びるような略板状に膨張する前側膨張部と、を備えて、
    該前側膨張部の後端側の領域が、膨張完了時に前記乗員の左右の肩の前方に配置されて、該肩を拘束可能な肩拘束部として、構成され、
    前記支持膨張部が、左右の前記大腿部の上面を覆うように配置されて、膨張完了時に前記肩拘束部を支持するとともに、膨張完了時の下面側に、前記乗員受止時に前記乗員の左右の大腿部により支持される被支持面を、配設させる構成とされ、
    前記前側膨張部と前記支持膨張部とが、膨張完了時の左端側と右端側とにおいて、それぞれ、テザーにより連結されて、前記前側膨張部の後端を前記支持膨張部側から離隔させるような拡開を抑制可能な構成とされていることを特徴とする乗員保護装置。
  2. シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
    可撓性を有したシート体から構成される袋状として、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納させて保持するとともに、前記シートに着座した乗員の腰部の前方に配置される保持体と、
    前記エアバッグに膨張用ガスを供給可能なインフレーターと、
    を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前記保持体から突出し、前記乗員の前方を覆うように膨張する構成とされるとともに、
    膨張完了時に前記乗員の左右の肩の前方に配置されて、該肩を拘束可能に構成される肩拘束部と、
    膨張完了時の下端側において前記肩拘束部を支持するとともに膨張完了時に前記乗員の左右の大腿部の上面を覆うように配置されて、膨張完了時の下面側に、前記乗員受止時に前記乗員の左右の大腿部により支持される被支持面を、配設させて構成される支持膨張部と、
    を備え
    前記支持膨張部が、前記エアバッグの膨張完了時に、前記乗員の左右の大腿部の上面側において前後方向に略沿って延びるような略板状として構成され、
    前記肩拘束部が、前記エアバッグの膨張完了時に、前記支持膨張部の左右両端近傍においてそれぞれ上方に延びるように形成されるとともに、前後方向に略沿った略板状として、後面側によって、前記乗員の左右の肩を、それぞれ、拘束可能に構成され、
    前記各肩拘束部が、相互の離隔を規制可能に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張する連通膨張部により、相互に連通されていることを特徴とする乗員保護装置。
  3. シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
    可撓性を有したシート体から構成される袋状として、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納させて保持するとともに、前記シートに着座した乗員の腰部の前方に配置される保持体と、
    前記エアバッグに膨張用ガスを供給可能なインフレーターと、
    を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前記保持体から突出し、前記乗員の前方を覆うように膨張する構成とされるとともに、
    膨張完了時に前記乗員の左右の肩の前方に配置されて、該肩を拘束可能に構成される肩拘束部と、
    膨張完了時の下端側において前記肩拘束部を支持するとともに膨張完了時に前記乗員の左右の大腿部の上面を覆うように配置されて、膨張完了時の下面側に、前記乗員受止時に前記乗員の左右の大腿部により支持される被支持面を、配設させて構成される支持膨張部と、
    を備え
    前記保持体が、シートベルトにおいて装着時に前記乗員の腰部を拘束するラップベルトから、構成され、
    前記エアバッグが、膨張完了形状を、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱状として、下端側の領域を前記支持膨張部とし、膨張完了時の上端側における左右両端側の部位を、前記肩拘束部とするとともに、前記肩拘束部間となる上端側における左右の中央側の領域の後面側を、相対的に前方に凹ませるように、構成されていることを特徴とする乗員保護装置。
  4. シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
    可撓性を有したシート体から構成される袋状として、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納させて保持するとともに、前記シートに着座した乗員の腰部の前方に配置される保持体と、
    前記エアバッグに膨張用ガスを供給可能なインフレーターと、
    を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前記保持体から突出し、前記乗員の前方を覆うように膨張する構成とされるとともに、
    膨張完了時に前記乗員の左右の肩の前方に配置されて、該肩を拘束可能に構成される肩拘束部と、
    膨張完了時の下端側において前記肩拘束部を支持するとともに膨張完了時に前記乗員の左右の大腿部の上面を覆うように配置されて、膨張完了時の下面側に、前記乗員受止時に前記乗員の左右の大腿部により支持される被支持面を、配設させて構成される支持膨張部と、
    を備え
    前記保持体が、シートベルトにおいて装着時に前記乗員の腰部を拘束するラップベルトから、構成され、
    前記エアバッグが、
    膨張完了形状を、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱状として、下端側の領域を前記支持膨張部とされる本体膨張部と、
    該本体膨張部の上端側における左右両縁側において、それぞれ、前記本体膨張部よりも後方に突出するように形成される前記肩拘束部と、
    を備えるとともに、
    前記本体膨張部における前記支持膨張部の上方となる領域に、膨張完了時の後端側において上下方向に略沿って延びるとともに左右の前記肩拘束部の前部側と連なって形成されて、前記肩拘束部に前記肩を拘束された状態の前記乗員の胸部を受け止め可能とされる胸部受止面を配設させ、
    該胸部受止面の上方となる膨張完了時の上端側に、前記乗員の頭部を保護可能とされる頭部保護部を、配設させる構成とされていることを特徴とする乗員保護装置。
  5. 前記胸部受止面が、前記エアバッグの内部に配設されるテザーによって、前記エアバッグの膨張完了時に、後方への突出を規制されていることを特徴とする請求項4に記載の乗員保護装置。
  6. シートに着座した乗員を保護するための乗員保護装置であって、
    可撓性を有したシート体から構成される袋状として、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納させて保持するとともに、前記シートに着座した乗員の腰部の前方に配置される保持体と、
    前記エアバッグに膨張用ガスを供給可能なインフレーターと、
    を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、内部に膨張用ガスを流入させて前記保持体から突出し、前記乗員の前方を覆うように膨張する構成とされるとともに、
    膨張完了時に前記乗員の左右の肩の前方に配置されて、該肩を拘束可能に構成される肩拘束部と、
    膨張完了時の下端側において前記肩拘束部を支持するとともに膨張完了時に前記乗員の左右の大腿部の上面を覆うように配置されて、膨張完了時の下面側に、前記乗員受止時に前記乗員の左右の大腿部により支持される被支持面を、配設させて構成される支持膨張部と、
    を備え
    前記支持膨張部が、前記被支持面から下方に突出しつつ、前記乗員の左右の前記大腿部間に進入するように膨張する突出部を、有する構成とされていることを特徴とする乗員保護装置。
  7. 前記保持体が、シートベルトにおいて装着時に前記乗員の腰部を拘束するラップベルトから、構成されていることを特徴とする請求項1、2または6のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
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