JPWO2010087344A1 - シゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法および形質転換体、ならびに異種蛋白質の製造方法 - Google Patents

シゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法および形質転換体、ならびに異種蛋白質の製造方法 Download PDF

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Abstract

継代の維持安定性により優れ、目的の異種蛋白質を安定して製造できる形質転換体を得るための、S.ポンベの形質転換方法を提供する。ならびに、前記方法で得られた形質転換体、および当該形質転換体を用いた異種蛋白質の製造方法、を提供する。シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)内で機能するプロモーターと異種蛋白質構造遺伝子とターミネーターを含む発現カセット、および前記シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同組換えを行わせる組換え部位を有するベクターを用いて、相同組換えによりシゾサッカロミセス・ポンベの染色体のトランスポゾン遺伝子Tf2部位に前記発現カセットを組み込む形質転換方法。ならびに、前記方法で得られた形質転換体、および当該形質転換体を用いた異種蛋白質の製造方法。

Description

本発明は、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の形質転換方法および形質転換体、ならびに異種蛋白質の製造方法に関する。
遺伝子組換え技術を応用し、宿主が本来生産しない異種蛋白質を、それがコードする外来遺伝子(異種蛋白質構造遺伝子)を導入した形質転換体を用いて、製造する技術が様々な産業で広く用いられている。このような異種蛋白質の製造では、特に真核生物由来の蛋白質を製造する場合、真核生物である微生物を宿主として用いる方法が良いと考えられている。特に酵母は人体に悪影響を及ぼす物質を含まないこと、単細胞であるために取扱いが容易であること、などから、宿主として用いた多くの発現系が開発されている。
なかでも、分裂酵母であるシゾサッカロミセス・ポンベ(以下、「S.ポンベ」という。)は、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)等の出芽酵母に比べて、細胞周期や染色体の構造、RNAスプライシング等が動物細胞のものにより類似しており、生産される蛋白質の翻訳後修飾も動物細胞のそれに近いより複雑なものが可能である。
S.ポンベを宿主として用いる異種蛋白質の製造では、従来S.ポンベに発現ベクター(異種蛋白質構造遺伝子、プロモーターおよびターミネーターを有するベクター)を導入し、該発現ベクターを染色体外性遺伝体(プラスミド)として存在させていた。しかし、この場合には、S.ポンベの培養中に該発現ベクターが細胞から脱落して消失してしまうことがあるため、栄養要求性相補や薬剤耐性を用いてプラスミドを積極的に保持する必要があった。そのため、より安定に異種蛋白質を生産する方法として、相同組換えにより発現ベクターをS.ポンベの染色体に組み込んだ形質転換体を用いる方法が示されている(特許文献1)。
特開2000−262284号公報
特許文献1に記載の形質転換体は、50世代継代後まで染色体に組み込まれた発現ベクターが脱落せずに存在している。しかし、工業的な異種蛋白質の製造では、より長期間での連続的な培養による安定した異種蛋白質の生産が求められていることから、形質転換体の継代における維持安定性のさらなる向上が望まれている。
そこで本発明は、継代の維持安定性により優れ、目的の異種蛋白質を安定して製造できる形質転換体が得られるS.ポンベの形質転換方法、およびその形質転換体、ならびに該形質転換体を用いた異種蛋白質の製造方法を目的とする。
本発明のS.ポンベの形質転換方法および形質転換体、ならびに該形質転換体を用いた異種蛋白質の製造方法を以下に示す。
[1]シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の染色体に、前記シゾサッカロミセス・ポンベ内で機能するプロモーターと異種蛋白質構造遺伝子とターミネーターを含む発現カセット、および前記シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同組換えを行わせる組換え部位を有するベクターを用いて、前記発現カセットを相同組換えにより組み込む形質転換方法であって、
前記組換え部位の塩基配列が、前記シゾサッカロミセス・ポンベの複数の染色体のうちの、別々の染色体の各々に存在する、および/または1つ以上の必須遺伝子が間に挟まれるように同一染色体の複数位置に存在する、実質的に同一の塩基配列を有する部位を標的部位とし、当該標的部位と相同組換えを起こし得る配列であることを特徴とするシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[2]前記標的部位がシゾサッカロミセス・ポンベ染色体中に5箇所以上存在する、前記[1]に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[3]前記標的部位がトランスポゾン遺伝子Tf2中の塩基配列である、前記[1]または[2]に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[4]シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)内で機能するプロモーターと異種蛋白質構造遺伝子とターミネーターを含む発現カセット、および前記シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同組換えを行わせる組換え部位を有するベクターを用いて、相同組換えによりシゾサッカロミセス・ポンベの染色体の標的部位に前記発現カセットを組み込む形質転換方法であって、前記シゾサッカロミセス・ポンベ染色体の標的部位をトランスポゾン遺伝子Tf2中の塩基配列としたことを特徴とするシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[5]前記標的部位の2箇所以上に前記発現カセットが組み込まれたものを選択する、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[6]前記ベクターが2個以上の発現カセットを含む、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[7]相同組換えを行わせた後、前記染色体に組み込まれた発現カセットの総数が3〜40個であるものを選択する、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[8]前記発現カセット中の異種蛋白質構造遺伝子の5’末端側にシゾサッカロミセス・ポンベ内で機能する分泌シグナル遺伝子を有する、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の形質転換方法により得られた形質転換体。
[10]前記[9]に記載の形質転換体を培養し、該形質転換体により産生された異種蛋白質を取得する、異種蛋白質の製造方法。
[11]前記[8]に記載の形質転換方法により得られる形質転換体を培養液中で培養し、該形質転換体により産生された異種蛋白質を前記培養液から取得する、異種蛋白質の製造方法。
本発明のS.ポンベの形質転換方法によれば、継代の維持安定性により優れ、目的の異種蛋白質を安定して製造できる形質転換体が得られる。
また、本発明の形質転換体は、継代の維持安定性により優れており、目的の異種蛋白質をより安定して製造することができる。
また、本発明の異種蛋白質の製造方法は、継代の維持安定性により優れる形質転換体を用いるため、目的の異種蛋白質をより安定に製造することができる。
Tf2遺伝子の染色体上の分布を示す模式図である。 Tf2組込み型ベクターの構成図である。 組み込まれたコピー数とその位置を示す電気泳動観察図である。 50世代継代後の安定性比較を示すグラフである。
[宿主]
本発明における形質転換体はS.ポンベを宿主として用い、この宿主の染色体に、該S.ポンベ内で機能するプロモーターと異種蛋白質構造遺伝子(異種蛋白質をコードする遺伝子)とターミネーターを含む発現カセットを組み込むことにより得られる。本発明に用いるS.ポンベは野生型であってもよく、用途に応じて特定の遺伝子を欠失または失活させた変異型であってもよい。特定の遺伝子を欠失または失活させる方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、Latour法(Nucreic Acids Res(2006)34:e11、国際公開第2007/063919号パンフレット等に記載)を用いることにより遺伝子を欠失させることができる。また、変異剤を用いた突然変異分離法(酵母分子遺伝学実験法、1996年、学会出版センター)や、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を利用したランダム変異法(ピーシーアール・メソッズ・アプリケーション(PCR Methods Appl.)、1992年、第2巻、p.28−33。)等により遺伝子の一部に変異を導入することにより該遺伝子を失活させることができる。特定遺伝子を欠失または失活させたS.ポンベ宿主としては、例えば、国際公開第2002/101038号パンフレット、国際公開第2007/015470号パンフレット等に記載されている。
さらに宿主として使用するS.ポンベには、形質転換体を選択するためのマーカーを有するものを用いることが好ましい。例えば、ある遺伝子が欠落していることにより特定の栄養成分が生育に必須である宿主を使用することが好ましい。ベクターにこの欠落している遺伝子(栄養要求性相補マーカー)を組み込んでおくことにより、形質転換体は宿主の栄養要求性が消失する。この宿主と形質転換体の栄養要求性の相違により、両者を区別して形質転換体を得ることができる。
例えば、オロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子(ura4遺伝子)が欠失または失活してウラシル要求性となっているS.ポンベを宿主とし、ura4遺伝子(栄養要求性相補マーカー)を有するベクターにより形質転換した後、ウラシル要求性が消失したものを選択することにより、ベクターが組み込まれた形質転換体を得ることができる。宿主において欠落により栄養要求性となる遺伝子は、形質転換体の選択に用いられるものであればura4遺伝子には限定されず、イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(leu1遺伝子)等であってもよい。
[ベクター]
本発明におけるベクターは、異種蛋白質構造遺伝子とS.ポンベ内で機能するプロモーターとターミネーターを含む発現カセット、およびS.ポンベの染色体に相同組換えを行わせる組換え部位を有する。発現カセットとは、異種蛋白質構造遺伝子がコードする異種蛋白質を発現するために必要なDNAの組み合わせであり、異種蛋白質構造遺伝子とS.ポンベ内で機能するプロモーターとターミネーターとを含む。
発現カセットには、さらに、5’−非翻訳領域、3’−非翻訳領域のいずれか1つ以上が含まれていてもよい。好ましい発現カセットは、異種蛋白質構造遺伝子、プロモーター、ターミネーター、5’−非翻訳領域、3’−非翻訳領域を全て含む発現カセットである。さらに、前記栄養要求性相補マーカー、異種蛋白質構造遺伝子の5’末端側に導入したS.ポンベ内で機能する分泌シグナル遺伝子、などの遺伝子を有していてもよい。
異種蛋白質構造遺伝子とは、異種蛋白質をコードする遺伝子である。ただし、本発明における異種蛋白質とは、S.ポンベが本来産生しない(野生型のS.ポンベがその蛋白質をコードする遺伝子を有しない)蛋白質を意味する。異種蛋白質は、特に限定されないが、産業的価値に優れる点から、ヒトや他の哺乳動物が生産する医薬品原料蛋白質、微生物が生産する産業用酵素蛋白質、植物が生産する食糧品素材蛋白質であることが好ましい。
プロモーターとターミネーターは、宿主であるS.ポンベ内で機能して異種蛋白質を発現できるものであればよい。S.ポンベ内で機能するプロモーターとしては、S.ポンベが本来有するプロモーター(転写開始活性が高いものが好ましい)やS.ポンベが本来有しないプロモーター(ウイルス由来のプロモーターなど)を使用することができる。なお、プロモーターはベクター内に2種以上存在していてもよい。
S.ポンベが本来有するプロモーターとしては、例えば、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモーター、チアミンの代謝に関与するnmt1遺伝子プロモーター、グルコースの代謝に関与するフルクトース−1、6−ビスホスファターゼ遺伝子プロモーター、カタボライト抑制に関与するインベルターゼ遺伝子のプロモーター(国際公開第99/23223号パンフレット参照)、熱ショック蛋白質遺伝子プロモーター(国際公開第2007/26617号パンフレット参照)などが挙げられる。
S.ポンベが本来有しないプロモーターとしては、例えば、特開平5−15380号公報、特開平7−163373号公報、特開平10−234375号公報に記載されている動物細胞ウイルス由来のプロモーターが挙げられ、CMVプロモーター、SV40プロモーターが好ましい。
S.ポンベ内で機能するターミネーターとしては、S.ポンベが本来有するターミネーターやS.ポンベが本来有しないターミネーターを使用することができる。なお、ターミネーターはベクター内に2種以上存在していてもよい。
ターミネーターとしては、例えば、特開平5−15380号公報、特開平7−163373号公報、特開平10−234375号公報に記載されているヒト由来のターミネーターが挙げられ、ヒトリポコルチンIのターミネーターが好ましい。
本発明におけるベクターは、選択マーカーを含むことが好ましい。例えば、宿主の栄養要求性に応じて前記栄養要求性相補マーカーを組み込んだベクターを使用することが好ましい。
S.ポンベ内で機能する分泌シグナル遺伝子は、発現した異種蛋白質を宿主細胞外に分泌させる機能を有する遺伝子である。分泌シグナル遺伝子が結合した異種蛋白質構造遺伝子からN末端側に分泌シグナルが結合した異種蛋白質が発現し、この蛋白質が宿主内の小胞体やゴルジ装置等で分泌シグナルが削除され、その後分泌シグナルが削除された異種蛋白質が細胞外に分泌される。分泌シグナル遺伝子(および分泌シグナル)はS.ポンベ内で機能することが必要である。S.ポンベ内で機能する分泌シグナル遺伝子としては、例えば、国際公開第1996/23890号パンフレットに記載のものを使用できる。
本発明におけるベクターは、環状DNA構造または線状DNA構造を有するベクターであり、S.ポンベの細胞に導入する際には線状DNA構造で導入することが好ましい。すなわち、通常用いられるプラスミドDNAのような環状DNA構造を有するベクターである場合には、制限酵素でベクターを線状に切り開いた後にS.ポンベの細胞に導入することが好ましい。この場合、環状DNA構造を有するベクターを切り開く位置は、組換え部位内とする。これにより、切り開かれたベクターの両端にそれぞれ組換え部位が部分的に存在することとなり、相同組換えによりベクター全体が染色体の標的部位に組み込まれる。
ベクターは、両端それぞれに組換え部位の一部が存在するような線状DNA構造とすることができれば、環状DNA構造を有するベクターを切り開く方法以外の方法、たとえばPCRによる酵素的な増幅法や化学合成法、で構築してもよい。
本発明におけるベクターを構築するために、例えば、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19等の大腸菌由来のプラスミドを好適に用いることができる。大腸菌由来のプラスミドを用いて構築したベクターは、通常、大腸菌内での複製のために必要な「ori」と呼ばれる複製開始領域を有する。また、上記のような大腸菌由来のプラスミドを用いない場合であっても、本発明におけるベクターを構築し増幅するために大腸菌を使用する場合は上記「ori」が利用され、「ori」を有するベクターが得られる。
この場合、相同組換えに用いる際のベクターは、大腸菌内での複製のために必要であった「ori」と呼ばれる複製開始領域が除去されていることが好ましい。これにより、上述したベクターを染色体に組み込む際に、その組み込み効率を向上させることができる(特開2000−262284号公報参照)。
複製開始領域が除去されたベクターの構築方法は特に限定されないが、特開2000−262284号公報に記載されている方法を用いることが好ましい。すなわち、組換え部位内の切断箇所に複製開始領域が挿入された前駆体ベクターを構築しておき、前述のように線状DNA構造とすると同時に複製開始領域が切り出されるようにする方法が好ましい。これにより、簡便に複製開始領域が除去されたベクターを得ることができる。
また、特開平5−15380号公報、特開平7−163373号公報、国際公開第96/23890号パンフレット、特開平10−234375号公報等に記載された発現ベクターやその構築方法を適用して、発現カセットおよび組換え部位を有する前駆体ベクターを構築し、さらに通常の遺伝子工学的手法で該前駆体ベクターから複製開始領域を除去して相同組換えに用いるベクターを得る方法であってもよい。
ベクター中の発現カセットの数は、1個のみであってもよく、2個以上であってもよい。ベクター中の発現カセットの数が1個であったとしても、S.ポンベの染色体の同一箇所に2個以上の発現カセットが組み込まれることがある。また、ベクター中の発現カセットの数が2個以上であれば、S.ポンベの染色体の同一箇所に複数の発現カセットが連続して組み込まれる。
本発明におけるベクターは、発現カセットを1〜8個有することが好ましく、特に2〜4個が好ましい。
ベクターが有する発現カセットの数が2個以上であれば、S.ポンベの染色体に組み込まれる発現カセットの数を増やし、異種蛋白質の発現量をより多くすることが容易になる。ただし、本発明においては後記標的部位の数が多い場合には1個であっても組み込まれる発現カセットの数を多くすることができる。また、ベクターが有する発現カセットの数が8個以下であれば、ベクターが大きくなりすぎることにより相同組換えによるベクターの組み込み効率が低下してしまうことを抑制しやすい。発現カセットの数が4個以下であれば、組み込み効率をより高くすることができる。
ベクターの組換え部位は、S.ポンベの染色体における相同組換えの標的部位に対して相同組換えを行わせることのできる塩基配列を有する部位である。また、標的部位は、S.ポンベの染色体内で発現カセットを組み込む標的となる部位である。標的部位は、ベクターの組換え部位を該標的部位に対して相同組換えを行わせる塩基配列とすることにより自由に設定することができる。
相同組換えを行わせるには、前記組換え部位の塩基配列と、標的部位の塩基配列との相同性を70%以上とすることが必要である。また、組換え部位の塩基配列と標的部位の塩基配列との相同性は、相同組換えが起きやすくなる点から、90%以上とすることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。このような組換え部位を有するベクターを用いることにより、発現カセットが相同組換えにより標的部位に組み込まれる。
組換え部位の長さ(塩基数)は、20〜2000bpであることが好ましい。組換え部位の長さが20bp以上であれば、相同組換えが起きやすくなる。また、組換え部位の長さが2000bp以下であれば、ベクターが長くなりすぎて相同組換えが起き難くなることを防ぎやすい。組換え部位の長さは100bp以上であることがより好ましく、200bp以上であることがさらに好ましい。また、組換え部位の長さは800bp以下であることがより好ましく、400bp以下であることがさらに好ましい。
[宿主の標的部位]
発現カセットを組み込む標的部位は、S.ポンベが有する3本の染色体のうち、(1)別々の染色体に存在する2箇所以上の標的部位であるか、(2)1つ以上の必須遺伝子が間に挟まれるように同一染色体の複数位置に存在する2箇所以上の標的部位であるか、(1)および(2)の両方を満たす複数の標的部位である。これら2箇所以上の標的部位は、実質的に同一の塩基配列を有する部位である。ただし、実質的に同一の塩基配列とは、互いの標的部位の塩基配列の相同性が90%以上であることを意味する。標的部位同士の相同性は、95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
上記の必須遺伝子とは、その遺伝子が欠失または失活すると生育できなくなる遺伝子を意味し、すなわち本発明の形質転換体の生育に不可欠な遺伝子を意味する。したがって、この必須遺伝子を挟んで導入された発現カセットは、それが脱落すると必須遺伝子も脱落して形質転換体が生育できなくなる。これにより、形質転換体の培養において、発現カセットが脱落した形質転換体が発現カセットが脱落していない形質転換体とともに生育するおそれが少なくなり、異種蛋白質の生産効率が低下するおそれが少なくなる(通常発現カセットが脱落した形質転換体の方が増殖速度が高い、という理由による)。
このように、標的部位がS.ポンベの染色体において分散して存在していることにより、染色体に発現カセットが分散して組み込まれるため、組み込まれた発現カセットが脱落し難くなり、継代における維持安定性が極めて高くなる。そのため、異種蛋白質を安定して高い生産性で製造することができる。
また、このように塩基配列が実質的に同一の標的部位とすることにより、異なる位置に複数の標的部位が存在していても、1種のベクターでそれら標的部位に簡便にベクターを組み込むことができる。
本発明の形質転換方法では、ベクターを組み込む標的部位が5箇所以上であることが好ましい。標的部位が5箇所以上であれば、染色体に組み込まれる発現カセットの数を増加させることが容易になるため、異種蛋白質の生産性がより向上する。
また、標的部位は10〜60箇所であることがより好ましい。標的部位が10箇所以上であれば、染色体に組み込まれる発現カセットの数をさらに増加させやすく、異種蛋白質の生産性がさらに向上する。標的部位が60箇所以下であれば、染色体に組み込まれる発現カセットが多くなりすぎて異種蛋白質の発現量が少なくなることを抑制しやすい。
標的部位は、1種のベクターでS.ポンベの複数の染色体に分散して存在する標的部位に一度に発現カセットを組み込める点から、トランスポゾン遺伝子Tf2(3本の染色体それぞれに合計13箇所存在する、長さ(塩基数)約4900bpのトランスポゾン遺伝子であり、互いの塩基配列相同性は99.7%である。下記文献参照)中の塩基配列とすることが好ましい。
(文献名)
Nathan J. Bowen et al, “Retrotransposons and Their Recognition of pol II Promoters: A Comprehensive Survey of the Transposable Elements From the Complete Genome Sequence of Schizosaccharomyces pombe”, Genome Res. 2003 13: 1984-1997
ただし、標的部位は上記のものには限定されない。例えば、トランスポゾン遺伝子Tf2以外に、前記組換え部位の長さ以上の長さを有する実質的に同一の塩基配列が染色体中に複数有する部位(遺伝子など)を標的部位とすることができる。また、例えば、前記組換え部位の長さ以上の長さを有する実質的に同一の塩基配列を有する遺伝子(標的部位)を染色体に新たに複数導入して標的部位を形成した後に、それら複数の標的部位にベクターを導入するようにしてもよい。
[形質転換体、形質転換方法]
本発明のS.ポンベの形質転換方法は、前記ベクターを用いて、相同組換えにより、宿主であるS.ポンベの染色体の前記標的部位に発現カセットを組み込む方法である。相同組換えによりベクターを染色体に組み込む方法自体は公知ないし周知の方法を使用できる(例えば、特開2000−262284号公報参照)。また、本発明の形質転換体はこの形質転換方法により得られた形質転換体である。
前記ベクターは、S.ポンベの染色体中に複数箇所存在する標的部位の1箇所に組み込まれてもよく、2箇所以上に組み込まれてもよい。本発明では、ベクターが2箇所以上に組み込まれたものを選択することが好ましい。
また、染色体中に複数箇所存在する標的部位のすべての箇所にベクターが組み込まれてもよく、一部の標的部位のみに組み込まれてもよい。染色体に組み込まれる発現カセットが多くなりすぎると異種蛋白質の発現量が少なくなるおそれがあり、そのためにベクターが組み込まれた標的部位の数は20箇所以下が好ましい。したがって、染色体中に存在する標的部位の数が20以下の場合はその標的部位のすべての箇所にベクターが組み込まれてもよく、染色体中に存在する標的部位の数が20箇所を超える場合はベクターが組み込まれる標的部位の数は20箇所以下が好ましい。より好ましいベクターが組み込まれる標的部位の数は2〜15箇所(ただし、標的部位の数が15箇所未満の場合はその標的部位の数)であり、さらに3〜10箇所(ただし、標的部位の数が10箇所未満の場合はその標的部位の数)が好ましい。標的部位が前記トランスポゾン遺伝子Tf2の場合(標的部位の数は13)、ベクターが組み込まれるTf2の数は2〜13箇所が好ましく、特に2〜8箇所が好ましい。
前記のように、前記ベクターは発現カセットを2個以上有していてもよい。したがって染色体に組み込まれる発現カセットの総数は、ベクター中の発現カセットの数とベクターが組み込まれた標的部位の数の積となる。本発明によって得られる形質転換体においてその染色体中の発現カセットの総数は2〜40個が好ましく、2〜20個がより好ましい。染色体に組み込まれる発現カセットが多くなりすぎると異種蛋白質の発現量が少なくなるおそれがあり、そのために染色体に組み込まれた発現カセットの総数は40以下が好ましく、20以下がより好ましい。
本発明の形質転換法では、通常、相同組換えを行った後、得られた形質転換体を選択する。選択する方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。前記栄養要求性マーカーにより形質転換体を選択できる培地によりスクリーニングし、得られたコロニーから複数を選択する。次に、それらを別々に液体培養した後、それぞれの培養液における異種蛋白質の発現量を調べ、異種蛋白質の発現量がより多い形質転換体を選択する。また、それら選択した形質転換体に対してパルスフィールドゲル電気泳動法によるゲノム解析を行うことにより、染色体に組み込まれたベクターの数や発現カセットの数を調べることができる。
染色体に組み込まれるベクターの数は組み込み条件などを調整することによりある程度は調整可能であるが、ベクターの大きさ(塩基数)や構造により組み込み効率や組み込み数も変化すると考えられる。
本発明の目的は異種蛋白質発現効率の高い形質転換体を得ることにあり、単に発現カセットの総数がより多い形質転換体を得ることを目的とするものではない。一般には発現カセットの数が多いほど発現効率が高まると予想されるが、発現カセットの数が多すぎると細胞の生存や増殖に対する負荷が増大し、ひいては異種蛋白質の発現効率が低下すると考えられる。また、ベクターが大きくなると、染色体に組み込まれる確率が低下し、組み込まれるベクター数を多くすることが困難となり、ひいては形質転換体を得ること自体が困難となると考えられる。ベクターの大きさは発現カセットの数ばかりでなく、異種蛋白質構造遺伝子の長さ(塩基数)にも影響されると考えられる。したがって、異種蛋白質構造遺伝子が短い場合に比較して、異種蛋白質構造遺伝子が長い場合には組み込まれる発現カセットの数は制約されると考えられる。また、単に異種蛋白質構造遺伝子がその長さばかりでなく、その配列の構成などの遺伝子の種類によっても変化すると思われる。
本発明の形質転換体は前記本発明の形質転換方法により得られた形質転換体である。この形質転換体は2個以上の発現カセットを有し、同じ発現カセットを1個有する形質転換体よりも発現効率が高い。異種蛋白質発現効率の高い形質転換体を得るために最適の発現カセットの総数は、前記のように異種蛋白質構造遺伝子の長さや種類などの要件によって異なると考えられる。しかし、相同組み換え法である割合以上の形質転換体が生成する限り、選択により形質転換体を得ることができるとともに、得られた形質転換体における異種蛋白質の発現効率を測定して、得られた形質転換体から異種蛋白質の発現効率の高い株を選択することができる。この選択とともに、形質転換体中の発現カセットの数を測定し、発現効率と発現カセットの数とを関係付けることができる。ある1種の異種蛋白質構造遺伝子を対象とすれば、通常、発現カセットの数がある程度多いほど発現効率は高い。しかし、異なる異種蛋白質構造遺伝子間では、発現カセットの数と発現効率の関係が一定の関係にあるとはいえない場合があると考えられる。
本発明者らの先の発明(特開2000−262284号公報記載の発明)では、染色体の1箇所に2以上の発現カセットを有する形質転換体を提供した。しかし、複数の発現カセットが染色体の1箇所のみに存在している場合に比較して、本発明の形質転換体では染色体に発現カセットが分散して組み込まれるため、継代における維持安定性が極めて高くなる。例えば、発現カセットが1箇所に集中して存在している場合に比較して増殖や発現の負荷が分散され、また、1箇所で発現カセットの脱落が起こっても他の箇所の発現カセットは残ると考えられるからである。さらに、2種以上の標的部位のそれぞれに標的部位ごとに異なるベクター(組み換え部位の塩基配列が異なるベクター)を使用して発現カセットを導入し、複数箇所に発現カセットを有する形質転換体を得ることができるとしても、本発明では同一のベクターを使用して複数の標的部位に同時に発現カセットを導入するため、形質転換体の製造が極めて容易となる。
[異種蛋白質の製造方法]
本発明の異種蛋白質の製造方法は、本発明の形質転換体を培養し、該形質転換体により産生された異種蛋白質を取得する方法である。
培養液には、公知の酵母培養培地を用いることができ、S.ポンベが資化しうる炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、S.ポンベの培養を効率良く行えるものであればよい。培養液としては、天然培地を用いてもよく、合成培地を用いてもよい。
炭素源としては、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース等の糖が挙げられる。
窒素源としては、例えば、アンモニア、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機酸または無機酸のアンモニウム塩、ペプトン、カザミノ酸等が挙げられる。
無機塩類としては、例えば、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウムが挙げられる。
培養には公知の酵母培養方法を用いることができ、例えば振盪培養、攪拌培養等により行うことができる。
また、培養温度は、23〜37℃であることが好ましい。また、培養時間は適宜決定することができる。
また、培養は、回分培養であってもよく、連続培養であってもよい。
異種蛋白質の取得は、公知の蛋白質取得方法を用いることができる。例えば、培養後菌体を培養液から分離し、分離された菌体を破壊して目的の異種蛋白質を含む成分を得て、その成分から公知の蛋白質精製方法を用いて目的の異種蛋白質を取得できる。また、分泌シグナル遺伝子を結合させた異種蛋白質構造遺伝子を有する発現ベクターを用いて得られた形質転換体からは異種蛋白質が培養液に分泌される。したがって、この場合は培養液から公知の蛋白質精製方法を用いて目的の異種蛋白質を取得できる。
異種蛋白質を培養液に分泌する形質転換体を使用し、連続培養で形質転換体を培養する方法を用いて効率良く異種蛋白質を取得することができる。例えば、一定時間培養した培養液から異種蛋白質を取得すると共に培養上清を回収し、該培養上清に再び培養液を加えて培養することを繰り返して連続的に培養する方法が挙げられる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]発現カセットを一度の形質転換で組込むことが可能な遺伝子座の特定
分裂酵母の染色体には、発現カセットを一度に多くの箇所に同時に組込むことに適すると考えられる、高度に保存された配列の重複が多数あることが、染色体の塩基配列決定より明らかになっている(Wood他、Nature 415巻、871−880頁、2002年)。そこで、サンガー研究所(the Sanger Institute)のデータベースGeneDB(http://www.genedb.org/genedb/)を用いて、網羅的な発現カセットを一度の形質転換で組込むことが可能な遺伝子座の特定を行なった。
まず、セントロメアや複製開始起点にAT−richな配列の重複が多く見られることを同定した。しかしながらこれらの配列は必ずしも一次配列上の相同性が高くなく、外来遺伝子の導入には不向きであった。
次に、LTRやTf2というトランスポゾンに由来すると思われる配列も多く存在することがわかった。前者は174個の存在が知られている(Bowen他、Genome Research誌、13巻、1984−1997頁、2003年)が、やはり相同性が必ずしも高くはなかった。しかしながらTf2は、13個の配列が99%以上の相同性で染色体全体に散在していた。その構成を図1に示す。このように、Tf2−7とTf2−8が隣接している以外は染色体上に散在しており、その間には生育に必須の遺伝子が必ず存在していた。よってこれらの配列を遺伝子組込みの座として用いるこが可能であると判断した。
さらに、染色体末端領域には4個の相同な遺伝子が重複していることも推定されている(Mandell他、Genome Biology誌、6巻、R1頁、2004年)。しかしながらサブテロメア領域は遺伝子の転写が抑えられており、外来遺伝子の発現の場としては不適切であった。テロメア自身も重複した配列より構成されているが、その長さが細胞周期によって変化する等の現象が予想されるため、異種蛋白質の生産には不向きであった。
[実施例2]Tf2組込型ベクターの作製
Tf2遺伝子座に緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現カセットを組込むことが可能なベクターpTf2−ura4−EGFP(R)(図2)を、次に示す方法で作製した。
すなわち、細胞からの全ゲノムDNA抽出キット(キアゲン社(Qiagen)製DNeasy)を用いて、S.ポンベの全ゲノムDNAを精製し、そのうちの1μgを鋳型として、5’末端側に制限酵素BsiWIの認識配列(CGTACG)を導入したプライマーペアー、5’ −AAGGCCTCGTACGTGAAAGCAAGAGCAAAACGA−3’と5’ −AAGGCCTCGTACGTGCTTTGTCCGCTTGTAGC−3’とを用いて、PCR法によって、S.ポンベのTf2−2(GeneDB収載の系統名SPAC167.08遺伝子)のDNA断片(約3950塩基対)を増幅した。増幅DNA断片の両末端を制限酵素BsiWIで処理し、アガロースゲル電気泳動によって分離・精製し、インサート断片として調製した。
次に、染色体組込み用ベクターpXL4(イディリス(Idiris et al.)他、Yeast誌23巻83−99頁、2006年)も同じ制限酵素BsiWIで消化し、アンピシリン耐性遺伝子(ApR)と大腸菌の複製起点(pBR322 ori)を含む領域(約2130塩基対)を得た。そのDNA断片をさらに脱リン酸化酵素(タカラバイオ社製CIAP)で脱リン酸化処理し、アガロースゲル電気泳動によって分離・精製し、ベクター断片として調製した。
上記インサート断片とベクター断片とを、ライゲーションキット(タカラバイオ社製DNA Ligation Kit ver.2)を用いて連結した後、大腸菌DH5(東洋紡社製)を形質転換し、組換えプラスミドpTf2−2(6071塩基対)を作製した。
上記構築ベクターpTf2−2の0.1μgを鋳型として、プライマーペアー5’−GGGGTACCAAGCTTCTAGAGTCGACTCCGGTGCTACGACACTTT−3’(5’末端に制限酵素KpnI、HindIII、XbaI、SalIの認識配列を持つ)と5’−GGGGTACCAGGCCTCTCGAGGCTAGCCATTTCCAGCGTACATCCT−3’(5’末端に制限酵素KpnI、StuI、Xho I、NheIの認識配列を持つ)を用い、PCR法によって全長を増幅し、6060塩基対の断片を得た。その両末端をKpnIで消化し、アガロースゲル電気泳動によって分離・精製したのち、ライゲーションキットを用いて自己環状化し、トランスポゾン遺伝子Tf2−2配列の内部にさらにマルチクローニングサイト(MCS)を持つ6058塩基対のベクターpTf2(MCS)を作製した。
上記構築ベクターpTf2(MCS)を制限酵素KpnIおよびNheIを用いて二重消化し、6040塩基対の断片をアガロースゲル電気泳動によって分離・精製した。さらにS.ポンベのウラシル要求性マーカーura4(GeneDB収載の系統名SPCC330.05c、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素遺伝子)の両端にPCR法を用いて制限酵素KpnIおよびNheIの認識配列を付加した断片を作成し、制限酵素KpnIおよびNheIを用いて二重消化し、2206塩基対の断片をアガロースゲル電気泳動によって分離・精製した。これら二本の断片をライゲーションキットを用いて連結し、トランスポゾン遺伝子Tf2−2配列の内部にさらにマルチクローニングサイト(MCS)を持つ8246基対のベクターpTf2(MCS)−ura4を作製した。
上記構築ベクターpTf2(MCS)−ura4を制限酵素SalIで消化し、得られた8246塩基対の断片の両末端をブランティングキット(タカラバイオ社製、DNA Blunting kit)によって平滑化し、アガロースゲル電気泳動によって分離・精製したのち脱リン酸化してベクター断片を作製した。さらにpTL2EGFP1を制限酵素SpeIとBst1107Iを用いて二重消化し、1720塩基対のGFP発現カセットを切り出し、その両末端のブランティングキットによって平滑化したのち、アガロースゲル電気泳動によって分離・精製し、インサート断片とした。上記ベクターならびにインサート断片をライゲーションキットを用いて連結し、Tf2組込型ベクターpTf2−ura4−EGFP(R)(図2)を作製した。
[実施例3]形質転換体の取得
実施例2で作製したTf2組込型ベクターpTf2−ura4−EGFP(R)の3μgを制限酵素BsiWIで消化し、その全量を用い、岡崎らの方法(Okazaki他、Nucleic Acids Research誌、18巻、6485−6489頁、1990年)によって分裂酵母ARC010株(遺伝子型:h− leu1−32 ura4−D18)を形質転換した。形質転換物をロイシン添加最少培地(MMA+leu)表面に塗抹し、32℃で4日間培養した。出現したウラシル要求性復帰コロニー約500個のなかから、蛍光観察装置(GFP Viever TR−100、池田理化社製)を用いた目視観察によって、緑色蛍光タンパク質(GFP)の蛍光を示すコロニーを96個選抜した。
各コロニーをかきとり、1mlのロイシン不含合成培地SDC−Leu(SD Medium−LEU、Qbiogene社製)に植菌し、24穴培養プレートで約24時間振盪培養した。菌体増殖液をそれぞれ0.1ml取得し、1mlのYES液体培地(酵母エキス(ベクトン・ディッキンソン社製)5g/l、グルコース(和光純薬社製)30g/l、SP Supplements(Qbiogene社製)250mg/l)に植菌し、再び24穴培養プレートで約24時間振盪培養した。その後、蛍光強度測定装置(SpectraMax Gemini XS、日本モレキュラーデバイス社製)を用いて、菌体培養液1mlあたりの蛍光強度を測り、GFPが示す蛍光強度が最も高いクローンを選抜した。
[実施例4]染色体上の組込み位置ならびにコピー数の解析
実施例3で作製した形質転換体より全DNA画分を抽出した。そのDNAを鋳型にして、ベクター側の共通プライマー5’−GGTGATGACGGTGAAAACCT−3’を表1で示した13個の各Tf2遺伝子特異的なプライマーペアーのそれぞれと合わせ、KOD Plus(東洋紡社製)を用いてPCRを行い、染色体上の発現カセットの組込み位置ならびにコピー数の解析を行なった。
その結果、図3に示すように、Tf2−1、2、6、7、8の5箇所に合計5個の発現カセットが組み込まれたことがわかった。
Figure 2010087344
[実施例5]継代における発現カセットの維持安定性の比較
実施例3で作製した形質転換体と特開2000−262284号公報記載の株との、継代における発現カセットの維持安定性比較を行なった。
評価対象の上記2株を、5mlのYES液体培地(試験管)で1回、50mlのYES液体培地(三角フラスコ)で2回培養し、そのあとYES固体培地に塗布することによってクローン単離を行った。単離クローンを株ごとに22個ずつ無作為に選抜し、再び1mlのYES液体培地に植菌し、24穴培養プレートで約24時間振盪培養した。単離する前の菌液も同時に対象として2個ずつ培養した。その後、増殖菌体をクローンごとに0.1ml取り、1mlの新しいYES液体培地に植菌し、再び24穴培養プレートで約24時間振盪培養した。最後に、蛍光強度測定装置(SpectraMax Gemini XS、日本モレキュラーデバイス社製)を用いて、菌体培養液1mlあたりの蛍光強度を測り、緑色蛍光タンパク質(GFP)の示す蛍光強度の分布を調べた。
その結果を図4に示す。すなわち、実施例3で作製した形質転換体(pTL2(ura4−EGFP))ではOD660あたりの蛍光強度が21.1、特開2000−262284号公報に記載されている株(pTL2(EGFP−8XL))では21.2とほぼ同等であった。しかし、図4に示すように、標準偏差から計算した前者のばらつきが±11%だったのに対して後者は30%であり、本発明の組込み方法の方がより高い継代における発現カセットの維持安定性を示した。
本発明の方法により得られる形質転換体を用いれば、目的の異種蛋白質を安定して高い生産性で製造することができる。そのため、様々な産業における異種蛋白質の製造に好適に用いることができる。
なお、2009年1月27日に出願された日本特許出願2009−015472号の明細書、特許請求の範囲、図面、要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として取り入れるものである。

Claims (11)

  1. シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の染色体に、前記シゾサッカロミセス・ポンベ内で機能するプロモーターと異種蛋白質構造遺伝子とターミネーターを含む発現カセット、および前記シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同組換えを行わせる組換え部位を有するベクターを用いて、前記発現カセットを相同組換えにより組み込む形質転換方法であって、
    前記組換え部位の塩基配列が、前記シゾサッカロミセス・ポンベの複数の染色体のうちの、別々の染色体の各々に存在する、および/または1つ以上の必須遺伝子が間に挟まれるように同一染色体の複数位置に存在する、実質的に同一の塩基配列を有する部位を標的部位とし、当該標的部位と相同組換えを起こし得る配列であることを特徴とするシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  2. 前記標的部位がシゾサッカロミセス・ポンベ染色体中に5箇所以上存在する、請求項1に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  3. 前記標的部位がトランスポゾン遺伝子Tf2中の塩基配列である、請求項1または2に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  4. シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)内で機能するプロモーターと異種蛋白質構造遺伝子とターミネーターを含む発現カセット、および前記シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同組換えを行わせる組換え部位を有するベクターを用いて、相同組換えによりシゾサッカロミセス・ポンベの染色体の標的部位に前記発現カセットを組み込む形質転換方法であって、前記シゾサッカロミセス・ポンベ染色体の標的部位をトランスポゾン遺伝子Tf2中の塩基配列としたことを特徴とするシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  5. 前記標的部位の2箇所以上に前記発現カセットが組み込まれたものを選択する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  6. 前記ベクターが2個以上の発現カセットを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  7. 相同組換えを行わせた後、前記染色体に組み込まれた発現カセットの総数が3〜40個であるものを選択する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  8. 前記発現カセット中の異種蛋白質構造遺伝子の5’末端側にシゾサッカロミセス・ポンベ内で機能する分泌シグナル遺伝子を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の形質転換方法により得られた形質転換体。
  10. 請求項9に記載の形質転換体を培養し、該形質転換体により産生された異種蛋白質を取得する、異種蛋白質の製造方法。
  11. 請求項8に記載の形質転換方法により得られる形質転換体を培養液中で培養し、該形質転換体により産生された異種蛋白質を前記培養液から取得する、異種蛋白質の製造方法。
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