JPWO2009145207A1 - 銅箔の粗化処理方法及びその粗化処理方法で得られるプリント配線板用銅箔 - Google Patents

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Abstract

低誘電率を備える絶縁樹脂基材に適用可能で、ファインピッチの配線回路が形成可能な銅箔の粗化処理面の形成技術を提供することを目的とする。この目的達成のため、銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面を粗化する方法であって、4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液を用い、やけ銅めっき条件で電解し、銅箔表面に微細銅粒子を析出形成することを特徴とする銅箔の粗化処理方法を採用する。そして、当該4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液を液温20℃〜40℃とし、平均陽極電流密度5A/dm2〜40A/dm2で5秒間〜20秒間電解することが好ましい。

Description

本件発明は、銅箔の粗化処理方法及びその粗化処理方法で得られるプリント配線板用銅箔に関する。より詳しくは、銅箔の粗化処理方法、その粗化処理方法で得られるプリント配線板用銅箔、そのプリント配線板用銅箔を用いて得られる銅張積層板、その銅張積層板を用いて得られるプリント配線板に関する。特に、ファインピッチの配線回路の形成に適したプリント配線板用銅箔の粗化処理方法に関する。
電子機器の小型化、軽量化等の所謂軽薄短小化に対する要求に応じて、近年のプリント配線板にも同様の要求が行われる。そして、これら電子機器が搭載する情報処理ツールの高性能化により、取り扱う信号のクロック周波数が10GHzを超えることも一般化してきている。即ち、プリント配線板の製造に用いる銅張積層板には、低誘電率の絶縁樹脂基材の採用が求められることになる。このような小型軽量化に対応した電子機器には、ファインピッチの配線回路を形成したフレキシブルプリント配線板を採用する例が多く見受けられる。また、ICやLSIを実装するパッケージ基板にも、フレキシブルプリント配線板であるTCPが多く採用されている。
そして、低誘電率の絶縁樹脂材料では、熱可塑性樹脂のPPE(ポリフェニレンエーテル)、PPO(ポリフェニレンオキサイド)、フッ素樹脂や、液晶ポリマーが代表的な樹脂である。ところが、これらの樹脂は、プリント配線板用銅箔との良好な接着力を安定して発揮することが困難であると言われてきた。中でも、熱可塑性樹脂を基材として用いた場合には、このような接着力が不安定化する傾向が、特に顕著に現れている。
ここで、銅箔と樹脂との接着力が発揮されるメカニズムを端的に言えば、化学的な接着力と物理的接着力との総合力で接着力のレベルが決定されると言える。このメカニズムからすると、銅箔を張り合わせる絶縁樹脂層に熱硬化性樹脂を用いる場合には、銅箔表面にシランカップリング剤層を形成し、樹脂の硬化反応とのマッチングを図ることにより化学的接着力を安定化させることが容易である。しかし、銅箔を張り合わせる絶縁樹脂層に熱可塑性樹脂を用いると、上述の化学的接着力の安定化を大きく期待出来ないため、銅箔との安定した接着力を得るためには、銅箔に粗化処理を施し、アンカー効果により接着力を引き出す物理的接着力が重要である。
そこで、特許文献1をみると、高周波用途のプリント配線板を構成する際に用いられる低誘電性基材との接着強度を十分に確保でき、伝送損失を極力抑制することが出来る表面処理銅箔を提供することを目的として、低誘電性基材に接着して用いる低誘電性基材用表面処理銅箔が開示されている。より具体的には、銅箔表面にコブ状銅粒からなる粗化処理層を形成し、該粗化処理層の表面全体に極微細銅粒子を析出付着させ、当該表面粗度値Rzが1.0〜6.5μmであり、また、当該表面処理銅箔表面色は、Lが50以下、aが20以下、bが15以下の表面処理銅箔である。そして、該粗化処理層のコブ状銅粒表面全体に微細銅粒子を形成させた表面に、亜鉛、ニッケルの少なくとも一種を含む防錆処理層を備えたものが開示されている。そして、実施例によれば、熱硬化型PPOに対して、公称厚さ12μm(表面粗度Rz3.5μm)、及び35μm(表面粗度Rz4.6μm)の電解銅箔を張り合わせて用い、12μm厚の銅箔で0.72kN/m、35μm厚の銅箔で1.00kN/mの引き剥がし強さが得られたとされている。
また、特許文献2には、吸湿性が低く、銅箔と優れた耐熱性を有する液晶ポリマーフィルムとラミネートして、絶縁樹脂基材との接着強さが大きく、ファインピッチの配線回路化が可能な基板用複合材とすることのできる表面処理銅箔を提供することが開示されている。ここで言う表面処理銅箔は、銅箔に粗化粒子を付着して粗化面とした銅箔であって、その表面粗さRzが1.5〜4.0μmであり、明度値が30以下である粗化処理面を備える表面処理銅箔であり、粗化粒子から形成される突起物は、その高さが1μm〜5μmであり、観察断面25μmの範囲に6〜35個の個数で略均等に分布しているものが好ましく、また、各突起物の最大幅が0.01μm以上であり、25μm範囲に存在する突起物の個数で25μmを割った長さの2倍以下であるものが好ましいと記載されている。そして、特許文献2の実施例によれば、表面粗さRzが2.5μm〜3.7μm、明度値が16〜23の12μm電解銅箔を液晶ポリマーフィルムと張り合わせ、0.55kN/m〜1.31kN/mの引き剥がし強さが得られたとされている。
WO2003/102277号公報 特開2005−248323号公報
しかしながら、上記特許文献2の中に記載があるように、絶縁樹脂基材と銅箔との密着性を向上させようとして、絶縁樹脂基材と接着する銅箔の粗化処理面の粗さを大きくすると、接着強さが大きくなる傾向はあるが、一方でファインピッチの配線回路の形成が困難になるという欠点が生じるのが通常である。例えば、特許文献2の比較例7をみると、そこで使用する銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面の表面粗さRzは3.65μmであり、大きな粗さを備えているため銅箔と絶縁樹脂基材との接着強さ(ピール強度)は大きい。ところが、サブトラクティブ法で形成した配線回路は、ライン/スペースが55μm/55μm(110μmピッチ)とするのが限界となっている。同様に、特許文献2の実施例2をみても、比較例7と同レベルの表面粗さを備える銅箔を用いると、50μm/50μm(100μmピッチ)の配線回路形成が限界となっていることが理解できる。そして、25μm/25μm(50μmピッチ)の配線回路を形成しようとすると、表面粗さRzが2.5μm以下の銅箔を用いなければならないことが理解できる。
ここで、上記特許文献1及び特許文献2の開示内容からみて製造可能と言える銅箔の粗化処理面の表面粗さをみると、特許文献1では表面粗度値Rzが1.0〜6.5μm、特許文献2では表面粗さRz:1.5〜4.0μmである。即ち、特許文献1の銅箔のプロファイルはIPC規格のType−V〜Type−L、特許文献2の銅箔のプロファイルはIPC規格のType−Vに分類される銅箔であり、一般的なプリント配線板用銅箔ではなく、ロープロファイル銅箔の範疇に含まれるものである。
ところが、液晶ポリマーを絶縁層に用いたプリント配線板を、LSI等を実装するTCP、COF等として用いる場合の配線回路には、一般的に50μm以下の回路ピッチが要求される。係る場合には、上記特許文献1又は特許文献2に開示の技術では安定した作り込みの出来ない回路ピッチであるため、50μm以下の回路ピッチのファインピッチ配線回路の形成可能な粗化処理面を備える銅箔が要求されてきた。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下に示すファインピッチの配線回路の形成を可能とするプリント配線板用銅箔の粗化処理方法、その粗化処理方法を用いて得られるプリント配線板用銅箔、そのプリント配線板用銅箔を用いた銅張積層板及びその銅張積層板を用いたプリント配線板に想到したのである。
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法: 本件発明に係る銅箔の粗化処理方法は、銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面を粗化する方法であって、4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液を用いて銅箔表面に微細銅粒子を析出形成することを特徴とする。
本件発明に係るプリント配線板用銅箔: 上述の粗化処理方法を用いて粗化処理面を形成した銅箔は、粗化処理が均一且つ緻密であるため、プリント配線板用銅箔として好適である。
本件発明に係る銅張積層板: 本件発明に係る銅張積層板は、上述の粗化処理方法を用いて粗化処理面を形成した銅箔を用いて、絶縁樹脂基材と張り合わせて得られることを特徴とするものである。
本件発明に係るプリント配線板: 本件発明に係るプリント配線板は、上述の銅張積層板に対して、エッチング等の二次的加工を施して得られることを特徴とするものである。
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法は、銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面を粗化する方法であって、所定の硫酸系銅めっき液を用いて、銅箔表面に微細銅粒子を析出形成するものである。この粗化処理方法を用いることで、銅箔の表面に緻密且つ均一な粗化処理を施すことが可能になる。このような粗化処理面を備える銅箔は、プリント配線板用銅箔として好適である。即ち、本件発明に係る粗化処理方法で粗化した粗化処理面を備える銅箔は、その粗化処理面を絶縁樹脂基材との接着面に用いることで、低誘電損失特性を備える熱可塑性樹脂で構成した絶縁樹脂基材とも良好な密着性を示し、ファインピッチの配線回路の形成に好適な粗化処理面を備えるプリント配線板製造に好適である。
試料1の粗化処理面のSEM観察像である。
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法の理解を容易にするために、プリント配線板用電解銅箔の一般的な製造方法について確認しておく。なお、本件発明で、単に「銅箔」と称する場合には、電解銅箔、圧延銅箔、キャリア付銅箔の全ての概念を含んだものとして記載している。
最初に電解銅箔の製造プロセスを簡潔に述べる。電解銅箔の場合、回転陰極に銅を電着させ、電着した銅が箔状となり、これを巻き取って採取することに始まる。この段階では、何ら表面処理が施されていないため「未処理電解銅箔」と称する場合もある。その後、当該電解銅箔は、その表面に粗化処理や防錆処理等の要求品質に応じた表面処理が施され、製品としての電解銅箔となる。従って、市場で「電解銅箔」と称されているのは、厳密に言えば表面処理された「表面処理電解銅箔」である。
また、圧延銅箔の場合には、最終的な用途を考慮して成分調整した銅インゴットを調製し、この銅インゴットから圧延加工と熱処理とを繰り返し行って、所定の厚さの銅箔として得られるものである。かかる圧延銅箔の場合も、何ら表面処理が施されていないため「未処理圧延銅箔」と称する場合もある。その後、当該圧延銅箔は、電解銅箔の場合と同様に、その表面に粗化処理や防錆処理等の要求品質に応じた表面処理が施され、製品としての圧延銅箔となる。従って、市場で「圧延銅箔」と称されているのは、厳密に言えば表面処理された「表面処理圧延銅箔」である。
[本件発明に係る銅箔の粗化処理方法]
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法は、銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面を粗化する方法である。そして、以下に、この粗化処理方法を詳細に説明する。
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法は、4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液を用い、やけ銅めっき条件で電解し、銅箔表面に微細銅粒子を析出形成することを基本とする。特許文献2に開示された如き、一般的方法では、電解銅箔の凹凸の有る析出面側に銅粗化粒子を析出形成する方法が採用される。凹凸の頂上部に電流集中を起こさせやけ銅めっきが容易に出来るためである。これに対し、本件発明の粗化処理は、4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液を用いることで、凹凸の無い平坦な表面を備える電解銅箔、圧延銅箔の表面へも均一且つ微細な銅粒子の析出を可能にする。即ち、所定の硫酸系銅めっき液を用いて、液温と電流密度とを最適に設定することにより、やけ銅めっき状態の微細銅粒子を、平坦な表面であっても均一且つ微細に析出させることが出来る。
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法で用いる硫酸系銅めっき液に関して述べる。本件発明で用いる硫酸系銅めっき液は、4級アンモニウム塩重合体を含むものである。この4級アンモニウム塩重合体を用いることで、陰極である未処理銅箔の表面がμmオーダーの凹凸しか備えず電流集中箇所がない場合であっても、その表面に微細銅粒子を均一に析出させることが可能になり、同一面内における微細銅粒子の析出が偏在することが無くなる。即ち、やけ銅めっき条件で析出形成する微細銅粒子の形状、銅粒子サイズのバラツキが小さくなり、好ましい微細銅粒子を安定して析出形成出来る。また、上述の4級アンモニウム塩重合体は、硫酸系銅めっき液への添加量が少なくて済むため、銅に吸着する成分ではあるが、析出した微細銅粒子への不純物混入が少ないため、得られる銅箔の導電性能に悪影響を与えない。
しかも、添加剤としての4級アンモニウム塩重合体は、排水処理負荷軽減の観点からも、好適なものである。例えば、特許文献1では、添加剤として金属塩を用いて、粗化銅粒子の析出状態を安定化させる効果が認められるAsを添加して硬い銅合金粒子を析出させる等が提案されている。しかし、このAsを使用すると排水処理の負荷も大きくなり製造管理コストの増大を招き、人体への直接的悪影響が起こりうる可能性があることからAsの使用は忌避される。よって、排水負荷が少なく、人体への影響も少なく、安定したやけ銅めっきが可能な添加剤として、4級アンモニウム塩重合体を選択的に用いたのである。
この4級アンモニウム塩重合体には、重合体が備える直鎖部分が炭化水素で構成されている化学構造を備えているものが、より安定した効果を発揮する。ここで言う4級アンモニウム塩重合体は、環状構造又は直鎖構造のいずれの構造を備えたものであっても使用可能である。直鎖構造の4級アンモニウム塩重合体の場合には、主鎖に4級アンモニウム塩構造が含まれることが好ましい。また、環状構造を有する4級アンモニウム塩重合体の場合には、2量体以上の環状構造を有するジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体を用いることが好ましい。ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体は、重合体構造をとる際に環状構造を成し、この環状構造の一部は、4級アンモニウムの窒素原子で構成される。ところで、環状構造を有するジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体には、前記環状構造が5員環や6員環のものなど複数の形態が存在し、実際の重合体は、合成条件により、それらのいずれか又は混合物で構成されていると考えられている。そこで、以下に、これら重合体の内、5員環構造をとっている化合物を代表例とし、塩素イオンを対イオンとして備えるものを化1として示す。
Figure 2009145207
そして、本件発明に係る銅箔の粗化処理方法で用いる「4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液」においては、ハロゲンイオンを一定の範囲に制御することも好ましい。ハロゲンイオンは、前述のように、銅に吸着する性質を備えており、条件を共通とすれば、ヨウ素イオン、臭素イオン、塩素イオン、フッ素イオンの順に多く吸着する。しかし、取り扱いの容易さと、硫酸根を多く含むめっき液を対象としていることのバランスを考えると、塩素イオンを用いることが、最も安定した吸着状態となると考えられる。以下、塩素イオンに限定して述べる。
ここで言う硫酸系銅めっき液中の塩素イオンは、銅めっき工程で、析出した金属銅の表面に吸着し、表面状態の均一性を向上させる効果があるため、有機系の添加剤と併用することが好ましい。そして、4級アンモニウム塩重合体を塩素イオンと併用することにより、塩素イオンが銅に吸着し、銅表面への銅電着を適度に抑制する効果を発揮する。そのため、表面が平滑な銅めっき層を得る場合に、塩素イオンの制御を試みることが多い。このように4級アンモニウム塩重合体と塩素イオンとが溶液中に併存することで、銅箔表面に対し吸着した塩素イオンが、銅粒子の析出に伴う表面電位の変化に伴って、析出表面上に移動する。そのため、最表層には、常に吸着した塩素イオンが存在するが故に、4級アンモニウム塩重合体が析出銅面に吸着しても、4級アンモニウム塩重合体自体が析出銅に取り込まれる可能性が低くなるため、析出銅純度を低下させないように機能するため好ましい。
以上に述べた4級アンモニウム塩重合体と塩素イオンとが併存した硫酸系銅めっき液(やけ銅めっき液)を用いることで、陰極である未処理銅箔の表面がμmオーダーの凹凸しか備えず電流集中箇所がない場合であっても、その表面に微細銅粒子を均一に析出させることが、より安定的に可能になり、同一面内における微細銅粒子の析出が偏在することが無くなる。即ち、やけ銅めっき条件で析出形成する微細銅粒子の形状、銅粒子サイズのバラツキが小さくなり、より好ましい微細銅粒子を安定して析出形成出来る。また、上述の4級アンモニウム塩重合体は、銅に吸着するが、添加量が0.1mg/L〜50mg/Lと、少なくて良いため、析出した微細銅粒子中への不純物の混入が少なく、得られる銅箔の導電性能に悪影響を与えないようになる。
更に、以上に述べた4級アンモニウム塩重合体と塩素イオンとが併存した硫酸系銅めっき液の組成を具体的に述べることとする。本件発明に係る銅箔の粗化処理方法においては、銅濃度が5g/L〜20g/L、硫酸濃度が50g/L〜150g/L、4級アンモニウム塩重合体濃度が0.1mg/L〜50mg/L、塩素イオン濃度が1mg/L〜100mg/Lの硫酸系銅めっき液を用いることが好ましい。
ここで、銅濃度は、5g/L〜20g/Lの範囲が好ましい。銅濃度が5g/Lを下まわっても、銅箔の表面に微細銅粒子を析出形成することは可能である。しかし、電解電流密度を小さくしないと、後の第2銅めっき工程で良好な粒子形状が出来なくなり、生産性が劣ることになるため好ましくない。また、当該銅濃度が低いと、陰極電流効率が低下し、析出形成される微細銅粒子の大きさや分布にバラツキが見られる傾向がある。一方、銅濃度が20g/Lを超える銅めっき液では、電解電流密度を大きくしないと、未処理銅箔の表面に微細銅粒子の析出形成が困難になるため好ましくない。
そして、硫酸濃度は50g/L〜150g/Lの範囲が好ましい。この硫酸濃度を上記範囲としておけば、電解電圧が安定するため、電解電流の変動をきたすことがなく好ましい。一方、この硫酸濃度が150g/Lを超えても、電解電圧に対する効果が少なくなり、管理コストも上昇するため好ましくない。
また、4級アンモニウム塩重合体濃度は、0.1mg/L〜50mg/Lの範囲が好ましい。この4級アンモニウム塩重合体濃度が0.1mg/L未満になると、4級アンモニウム塩重合体の含有量が低いため、4級アンモニウム塩重合体が銅箔表面に必要十分な状態で吸着することが出来ないため、微細銅粒子の均一析出効果が得られなくなるため好ましくない。一方、4級アンモニウム塩重合体濃度が50mg/Lを超えても、4級アンモニウム塩重合体の含有量が過剰となり、4級アンモニウム塩重合体が銅箔表面の一部で過剰に吸着する被覆状態となり、微細銅粒子の均一析出効果が得られなくなると同時に、析出した微細銅粒子中への不純物の混入量が増加し、得られる銅箔の導電性能に悪影響を与えるようになる。
更に、塩素イオン濃度は、1mg/L〜100mg/Lの範囲であることが好ましい。この塩素イオン濃度が1mg/L未満の場合には、塩素イオンが銅箔表面に均一に吸着した状態を得ることが困難になる。その結果、上述の4級アンモニウム塩重合体濃度が最適範囲にあっても、4級アンモニウム塩重合体を添加剤として用いた際の、微細銅粒子の均一析出効果が得られ難くなるため好ましくない。一方、この塩素イオンを濃度100mg/Lを超えるようにしても、塩素イオンを添加する効果が飽和して、むしろ設備の腐食等の悪影響が見られるようになるため好ましくない。
次に、本件発明に係る銅箔の粗化処理方法の電解条件に関して述べる。この工程では、上記銅めっき液を用いて、未処理銅箔の表面に、微細銅粒子を均一に析出形成する。以下、この粗化処理工程及び後述する被せ銅めっき工程においては、銅箔を陰極として対極に不溶性陽極を配して用いる場合の電解条件を説明する。
まず、粗化処理を行うための電解は、液温20℃〜40℃の前記銅めっき液を用い、平均陽極電流密度5A/dm〜40A/dmの条件を採用することが好ましい。最初に、液温に関して述べる。銅めっき液の液温が20℃未満となると、析出速度が低下する傾向があり、析出銅粒子の形状が小さくなり過ぎるため好ましくない。一方、銅めっき液の液温が40℃を超えると、上述の銅濃度範囲におけるやけ銅めっき条件を得ることが困難となるため好ましくない。即ち、液温20℃〜40℃の範囲を採用することが工業生産上有利な範囲となる。
次に、粗化処理を行うための平均陽極電流密度は、5A/dm〜40A/dmの条件を採用することが好ましい。このとき陰極電流密度が5A/dm未満の場合には、微細な銅粒子を安定的且つ均一に析出形成することが出来ない傾向が現れる。一方、この陰極電流密度が40A/dmを超えた場合には、析出した銅粒子の大きさにバラツキが大きくなり好ましくない。
そして、粗化処理を行うためのやけ銅めっき電解を、2回以上の複数回に分けて実施することも好ましい。やけ銅めっきを行う際に発生しやすい、電流の集中箇所の発生を少なくすることが可能だからである。この2回目以降のやけ銅めっき電解条件として、液温20℃〜40℃の前記銅めっき液を用い、平均陽極電流密度5A/dm〜40A/dmの条件を採用することが好ましい。但し、このとき、最初のやけ銅めっきの後の2回目以降のやけ銅めっきは、電流密度を最初のやけ銅めっきを行った電流密度と比べ、小さい電流密度とすることが好ましい。2回目以降の電流密度を、最初のやけ銅めっき条件以下の低電流密度とすれば、上述の添加剤が平滑銅めっき効果を発揮する。その結果、最初に析出形成した微細銅粒子の内、小さめの銅粒子に優先的に銅が析出し、銅粒子サイズの平準化効果が得られるからである。
以上に述べた粗化処理を行うためのやけ銅めっきは、1回又は2回以上の電解の合計電解時間が5秒間〜20秒間の範囲とすることが好ましい。この合計電解時間が5秒未満の場合には、銅箔表面に析出形成した微細銅粒子が小さ過ぎて、粗化処理を施さない平滑面と同レベルとなる場合があり、樹脂に対するアンカー効果を発揮しないものとなるため好ましくない。一方、合計電解時間が20秒を超えると、銅箔表面に析出形成した銅粒子が粗大化して、同一面内における場所的な粗化処理レベルのバラツキが大きくなり、ファインピッチの配線回路形成が困難な粗化処理となるため好ましくない。
以上に述べた粗化処理に加えて、硫酸系銅めっき液を用い、微細銅粒子を析出形成した銅箔表面に対し、平滑銅めっき条件で「被せ銅めっき層」を形成することも好ましい。前記粗化処理により銅箔表面に析出形成した微細銅粒子の付着状態を安定化させるため、微細銅粒子と銅箔との表面を連続する銅層で被覆して微細銅粒子の形状を整え、同時に微細銅粒子の脱落を防止することが出来るからである。
この「被せ銅めっき層」を形成する場合は、硫酸系銅めっき液(銅濃度:45g/l〜100g/l、硫酸濃度:50g/l〜150g/l)を液温20℃〜60℃とし、平均陽極電流密度5A/dm〜30A/dmで行う電解を少なくとも1回行い、合計の電解時間を5秒間〜60秒間とする条件を採用することが好ましい。ここで用いる硫酸系銅めっき液は、上記電流密度条件を採用することを前提として、前記粗化処理で析出形成した微細銅粒子上にやけ銅めっきを生じない組成範囲であれば良く、特段の限定を必要とするものではない。そして、被せ銅めっきに用いる硫酸系銅めっき液は、特段に添加剤を用いる必要はないが、塩素イオンなどのハロゲンイオンを含んでいれば、より均一な被せ銅めっき層を得ることが出来る場合がある。また、この被せ銅めっきは、平滑銅めっき条件で行われるものであり、複数回に分けて電解して行うものであっても構わない。
この被せ銅めっきで用いる銅めっき液の温度は、20℃〜60℃として用いることが好ましい。この銅めっき液の液温が20℃未満となると、上述の銅めっき液組成を用いるとすると、硫酸濃度と銅濃度とを共に高めに設定している硫酸系銅めっき液であるから、硫酸銅の結晶が析出する場合があり好ましくない。一方、めっき液の液温が60℃を超えると、蒸発水分量が多くなるため、濃度組成の変動が短時間で起こるため好ましくない。このようにして濃度変動が起こっても、被せめっき皮膜の状態に悪影響を与えることは少ないが、硫酸と銅との濃度上昇が起こり硫酸銅結晶の析出が起きやすくなるため好ましくない。
以上に述べてきた粗化処理により形成される微細銅粒の表面に、更に微細な極微細銅粒子を析出形成させることも好ましい。この工程は、張り合わせる対象である絶縁樹脂基材との接着性を考慮した上で実施すれば良い工程であり、任意の工程である。しかし、平滑銅めっきが施された被せ銅めっき層上に微細銅粒子を析出形成すれば、絶縁樹脂基材との接触面積が大きくなる。即ち、化学的な接着力を大きく期待できない熱可塑性樹脂に対しては、更に接着力を安定させる効果が得られる。
そして、粗化処理により形成される微細銅粒の表面に、更に微細な極微細銅粒子を析出形成させる方法としては、いくつかの手法が考えられる。その手法の中で、微細銅粒の表面に対して、極微細銅粒子の析出形成を行う際にも、4級アンモニウム塩重合体を含有する銅めっき液を用いて極微細銅粒子を析出形成させることも好ましい。このように極微細銅粒の形成に、4級アンモニウム塩重合体を含有する銅めっき液を用いると、極微細銅粒の粒径が揃い、良好な粗化処理形態が得られるからである。
本件発明に係るプリント配線板用銅箔: 本件発明に係るプリント配線板用銅箔は、前記銅箔の粗化処理方法を用いて得られる表面処理銅箔をプリント配線板用銅箔として用いたものである。上述の粗化処理方法を用いて得られた表面処理銅箔の粗化処理面には、微細でありながら粒子サイズの揃った微細銅粒子が均一に付着している。即ち、銅張積層板又はプリント配線板を構成する絶縁樹脂基材と張り合わせたときには、絶縁樹脂基材と表面処理銅箔との接着界面の表面積が広くなり、密着性が向上する。従って、プリント配線板の製造工程で薬品処理などを施しても、配線回路端面からの薬品による浸食を受けにくい。また、銅粒子が微細であることにより、ファインピッチの配線回路の形成が容易である。
なお、ここで言うプリント配線板用銅箔は、各種プリント配線板の用途に応じて、粗化処理面の上に、適宜、防錆処理層や、シランカップリング剤処理等を施したものを含む概念として記載している。
本件発明に係る銅張積層板: 本件発明に係る銅張積層板は、前記プリント配線板用銅箔を絶縁樹脂基材と張り合わせた銅張積層板である。上述のように、当該プリント配線板用銅箔を用いた銅張積層板は、絶縁樹脂基材の種類によらず、ファインピッチの配線回路の形成が容易であり、且つ、耐薬品性や耐表層マイグレーション性に優れた銅張積層板である。そして、ガラスクロスなどの補強材を含む絶縁樹脂基材と張り合わせたものは、形成した配線回路と補強材との接触箇所が少ないため、耐CAF性に優れたプリント配線板を製造可能な銅張積層板の提供が可能になる。
また、本件発明に係る銅張積層板においては、前記絶縁樹脂基材に液晶ポリマーを用いることも好ましい。前述のように、高周波対応のフレキシブルプリント配線板には、耐屈曲性が良好で、吸水率が小さいという利点を併せ持つ液晶ポリマーが多用される。即ち、本件発明に係るプリント配線板用銅箔を張り合わせた液晶ポリマー基材は、高周波特性が良好で、吸水率も小さいため、長期信頼性が向上したフレキシブルプリント配線板やTCPの製造に適したものである。
本件発明に係るプリント配線板: 本件発明に係るプリント配線板は、前記銅張積層板をエッチング加工する等して得られるプリント配線板である。前述のように、当該プリント配線板は、ファインピッチの配線回路を形成しても、実用上十分な接着強さを備え、耐薬品性、耐表層マイグレーション性、耐CAF性に優れたものである。即ち、長期間の使用に対して、良好な信頼性を備えるプリント配線板の提供が可能になる。
この実施例では、厚さ12μmの未処理電解銅箔の析出面(表面粗さ:Rzjis=0.6μm)に、粗化処理、防錆処理及びシランカップリング剤処理を施して3種類の表面処理銅箔(試料1〜試料3)を作成した。ここでは、微細銅粒の形成を行うやけ銅めっき電解を行った。そして、その後、被せ銅めっきを行った。このやけ銅めっき及び被せ銅めっきの各電解液組成を表1に示し、電解条件を表2に示す。
そして、得られた表面処理銅箔は、「表面粗さ(Rzjis)」、「2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmを測定して2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値を計算した表面積比(B)」をもって評価した。なお、以下に評価項目に対応した評価方法を記載する。
表面粗さ(Rzjis): 表面処理銅箔の表面粗さ(Rzjis)は、先端の曲率半径rが2μmのダイヤモンドスタイラスを備える触針式の表面粗さ計、株式会社小坂研究所製SE3500を用い、JIS B 0601に準拠して測定した。その評価結果を、後の表3に示す。
表面積比: 表面処理銅箔の3次元表面積は、超深度カラー3D形状測定顕微鏡、株式会社キーエンス製VK−9500(使用レーザー:可視光限界波長408nmのバイオレットレーザー)を用いて、2次元表面積が6550μmの領域について測定し、表面積比を計算した。この評価結果を、後の表3に示す。
粗化処理面外観: 本件発明に係る粗化処理方法を用いて表面を粗化した電解銅箔(試料1)の走査型電子顕微鏡像を図1に示す。
引き剥がし強さ: この実施例で得られた試料1〜試料3の粗化処理面に、防錆処理、シランカップリング剤処理を施した表面処理銅箔を製造した。そして、この表面処理銅箔を、市販の液晶ポリマー基材に重ね、真空プレス機を用い、加熱加圧成形して片面銅張積層板を作成した。その後、当該片面銅張積層板の銅箔面を整面後、全面にドライフィルムをラミネートした。このドライフィルム上に評価用の配線回路形状を形成するためのマスクフィルムを載せて露光、現像して、露光されていない部分のドライフィルムを除去し、エッチングレジストを形成した。次に、塩化第二銅エッチング液を用いて、エッチングレジストで被覆されていない部分の銅箔をエッチングした。更に、エッチングレジストを剥離し、密着性評価用の幅10mmの直線状の引き剥がし強さ測定用回路を備える試験クーポンを得た。上記試験クーポンの引き剥がし強さは、万能試験機を用い、JIS C 6481に準拠して測定した。この評価結果を、後の表3に示す。
Figure 2009145207
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実施例で得られた表面処理銅箔の微細銅粒子は、やけ銅めっき条件で電解しているにもかかわらず、図1から理解できるように、異常析出の無い平坦な粗化処理表面が形成できている。また、表3から理解できるように、表面処理銅箔としての表面粗さをみても、ファインピッチ回路の形成が可能なレベルの低プロファイル化が出来ており、微細且つ均一な粗化処理表面が形成できていることが裏付けられる。
更に、表3から理解できるのは、本件発明に係る表面処理銅箔の粗化処理が、低プロファイルでも、その表面積比が高いため、0.8kgf/cm以上の良好な引き剥がし強さが得られることである。
本件発明に係る銅箔の粗化処理方法は、プリント配線板用銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面の粗化に適した方法である。この方法で粗化処理した銅箔は、低誘電率の絶縁樹脂基材との良好な密着性を示し、ファインピッチの配線回路の形成に好適な粗化処理面となる。特に、この微細銅粒子と防錆処理とを適宜組み合わせれば、銅箔との密着性に乏しい熱可塑性樹脂との密着も良好になるため、低誘電損失特性を備える絶縁樹脂基材を用いた銅張積層板の製造が容易になる。しかも、銅箔の粗化処理が微細且つ均一な微細銅粒子で行われているため、ファインピッチの配線回路を備える高周波対応のプリント配線板の提供が容易になる。

Claims (7)

  1. 銅箔の絶縁樹脂基材との張り合わせ面を粗化する方法であって、
    4級アンモニウム塩重合体を含む硫酸系銅めっき液を用いて銅箔表面に微細銅粒子を析出形成することを特徴とする銅箔の粗化処理方法。
  2. 前記4級アンモニウム塩重合体には、環状構造を有するジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体を用いる請求項1に記載の銅箔の粗化処理方法。
  3. 前記硫酸系銅めっき液は、ハロゲンイオンを含むものである請求項1又は請求項2に記載の銅箔の粗化処理方法。
  4. 前記硫酸系銅めっき液を液温20℃〜40℃とし、平均陽極電流密度5A/dm〜40A/dmで5秒間〜20秒間電解する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の銅箔の粗化処理方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の銅箔の粗化処理方法を用いて得られたことを特徴とするプリント配線板用銅箔。
  6. 請求項5に記載のプリント配線板用銅箔を絶縁樹脂基材と張り合わせて得られたことを特徴とする銅張積層板。
  7. 請求項6に記載の銅張積層板を用いて得られたことを特徴とするプリント配線板。
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