JPWO2009128359A1 - ガラス積層体、支持体付き表示装置用パネルおよびこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この課題に対応するために、表示装置に用いるガラス基板の板厚をさらに薄くすることが望まれている。板厚を薄くする方法としては、一般に、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する前または形成した後に、フッ酸等を用いてガラス基板をエッチング処理し、必要に応じてさらに物理研磨して薄くする方法が行われる。
また、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成した後にエッチング処理等をしてガラス基板を薄くすると、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する過程においてガラス基板の表面に形成された微細な傷が顕在化する問題、すなわちエッチピットの発生という問題が生じる。
例えば特許文献2には、液晶表示装置の基板と支持体との端部をガラスフリット系の接着剤を用いて接着して、その後、電極パターン等を形成する液晶表示装置の製造方法が記載されている。
例えば特許文献3には、2枚のガラス基板の少なくとも周縁部の端面近傍にレーザ光を照射して前記2枚のガラス基板を融合させる工程を有する表示装置用基板の製造方法が記載されている。
例えば特許文献5には、液晶表示素子用電極基板を紫外線硬化型粘着剤が支持体上に設けられた治具を用いて、液晶表示素子用電極基板に所定の加工を施した後、紫外線硬化型粘着剤に紫外線を照射することにより、前記紫外線硬化型粘着剤の粘着力を低下させ、前記液晶表示素子用電極基板を前記治具から剥離することを特徴とする液晶表示素子の製造方法が記載されている。
例えば特許文献6には、粘着材によって薄板を支持板に仮固定し、前記粘着材の周縁部をシール材によって封止し、薄板を仮固定した支持板を搬送する搬送方法が記載されている。
しかし、両ガラス基板の分離は、より容易に、より短時間で行うことが望まれる。特にガラス基板が大型の場合は、工業的に利用する上で重要な点となる。
また、熱処理温度がより高く、例えば400℃程度を超えると、シリコーン樹脂層の端部であって外気と接している部分が酸化して劣化する場合がある。そうすると、薄板ガラス基板との易剥離性が失われ、さらに支持ガラス基板と剥離するおそれもある。また、シリコーン樹脂層が酸化により白化し、粉状のSiO2を発生させ、熱処理工程設備等を汚染するおそれがある。さらに、このように樹脂層が劣化してしまうと、薄板ガラス基板と分離した樹脂層付きの支持ガラス基板を、支持体として別の薄板ガラス基板と付けて再利用することは困難となる。
また、高真空下における熱処理時におけるガスの発生を極微量に抑えるガラス積層体を提供することを目的とする。
また、熱処理温度が比較的高温(400℃超程度)であっても薄板ガラス基板と支持ガラス基板との間の樹脂層が酸化し難く劣化し難いガラス積層体を提供することを目的とする。
また、このようなガラス積層体を含む支持体付き表示装置用パネルを提供することを目的とする。また、このような支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネルおよび表示装置を提供することを目的とする。さらに、前記ガラス積層体または前記支持体付き表示装置用パネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の(1)〜(14)に関する。
(1)第1主面と第2主面とを有する薄板ガラス基板、
第1主面と第2主面とを有する支持ガラス基板、および
前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との間に配置された樹脂層および外枠層を有するガラス積層体であって、
前記樹脂層が、前記支持ガラス基板の第1主面に固定されており、前記薄板ガラス基板の第1主面に対する易剥離性を備え、前記薄板ガラス基板の第1主面と密着しており、
前記外枠層が、前記支持ガラス基板の第1主面上において、前記樹脂層が外気と接しないように前記樹脂層を囲んでいる、ガラス積層体。
(2)前記樹脂層の端面と、前記外枠層の端面の少なくとも一部とが接している、上記(1)に記載のガラス積層体。
(3)前記薄板ガラス基板が、TFTアレイ用ガラス基板である、上記(1)または(2)に記載のガラス積層体。
(4)前記外枠層が、5%加熱質量減温度が400℃以上の材料からなる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のガラス積層体。
(5)前記外枠層が、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂および無機材料からなる群から選ばれる少なくとも一つからなる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のガラス積層体。
(6)前記樹脂層が、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つからなる、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のガラス積層体。
(7)前記外枠層の幅が0.5〜10mmである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のガラス積層体。
(8)上記(3)〜(7)のいずれかに記載のガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面上に、さらにTFTアレイを有する支持体付き表示装置用パネル。
(9)上記(8)に記載の支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネル。
(10)上記(9)に記載の表示装置用パネルを有する表示装置。
(11)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法であって、前記支持ガラス基板の第1主面上の内側領域に前記樹脂層を形成し固定する樹脂層形成工程と、前記支持ガラス基板の第1主面上の外側領域に前記外枠層を形成し固定する外枠層形成工程と、前記薄板ガラス基板の第1主面と、前記樹脂層および前記外枠層とを密着する密着工程とを含む、ガラス積層体の製造方法。
(12)上記(11)に記載のガラス積層体の製造方法が、さらに、得られたガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に表示装置用部材を形成する工程を含む、支持体付き表示装置用パネルの製造方法。
(13)上記(12)に記載の製造方法が、さらに、得られた支持体付き表示装置用パネルにおける前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを分離する分離工程を含む、表示装置用パネルの製造方法。
(14)前記分離工程が、前記外枠層にレーザ光を照射して前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを分離する工程である、上記(13)に記載の表示装置用パネルの製造方法。
また、高真空下における熱処理時におけるガスの発生を極微量に抑えるガラス積層体を提供することができる。
また、好ましい態様とすることで、熱処理温度が比較的高温(400℃程度超)であっても薄板ガラス基板と支持ガラス基板との間の樹脂層が酸化し難く劣化し難いガラス積層体を提供することができる。
また、このようなガラス積層体を含む支持体付き表示装置用パネルを提供することができる。また、このような支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置を提供することができる。さらに、前記ガラス積層体または前記支持体付き表示装置用パネルの製造方法を提供することができる。
本発明は、第1主面と第2主面とを有する薄板ガラス基板、第1主面と第2主面とを有する支持ガラス基板、および前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との間に配置された樹脂層および外枠層を有するガラス積層体であって、前記樹脂層が、前記支持ガラス基板の第1主面に固定されており、前記薄板ガラス基板の第1主面に対する易剥離性を備え、前記薄板ガラス基板の第1主面と密着しており、前記外枠層が、前記支持ガラス基板の第1主面上において、前記樹脂層が外気と接しないように前記樹脂層を囲んでいる、ガラス積層体である。
このようなガラス積層体を、以下では「本発明の積層体」ともいう。
図1は、本発明の積層体の一態様を示す概略正面図であり、図2はそのA−A’断面図(概略断面図)である。
以下ではこの態様を「態様1」ともいう。
この態様1において本発明の積層体10は、薄板ガラス基板12、樹脂層14、外枠層16および支持ガラス基板18を有している。そして、図2に示すように、薄板ガラス基板12と支持ガラス基板18とが樹脂層14および外枠層16を挟んで積層している。
また、図1に示すように、正面から見ると、薄板ガラス基板12、樹脂層14および支持ガラス基板18は各々矩形であり、薄板ガラス基板12の主面面積は樹脂層14の主面面積よりも大きいが、支持ガラス基板18の主面面積よりもやや小さい。そして、正面から見ると、薄板ガラス基板12は支持ガラス基板18の内側に含まれるように位置しており、樹脂層14および外枠層16は薄板ガラス基板12の内側に含まれるように位置している。
薄板ガラス基板の厚さ、形状、大きさ、物性(熱収縮率、表面形状、耐薬品性等)、組成等は特に限定されず、例えば従来のLCD、OLED等の表示装置用のガラス基板と同様であってよい。
前記薄板ガラス基板は、TFTアレイ用ガラス基板であることが好ましい。
また、前記薄板ガラス基板の熱収縮率は小さいことが好ましい。具体的には熱収縮率の指標である線膨張係数が500×10−7/℃以下であるものを用いることが好ましい。
前記線膨張係数は、300×10−7/℃以下であることがより好ましく、200×10−7/℃以下であることがより好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、45×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。その理由は熱収縮率が大きいと高精細な表示装置を作ることができないためである。
なお、本発明において線膨張係数はJIS R3102(1995年)に規定のものを意味する。
支持ガラス基板は樹脂層を介して薄板ガラス基板を支持し、薄板ガラス基板の強度を補強する。
支持ガラス基板の厚さは特に限定されないが、現行の製造ラインで処理できるような厚さであることが好ましい。
例えば0.1〜1.1mmの厚さであることが好ましく、0.3〜0.8mmであることがより好ましく、0.4〜0.7mmであることがさらに好ましい。
例えば、現行の製造ラインが厚さ0.5mmの基板を処理するように設計されたものであって、薄板ガラス基板の厚さが0.1mmである場合、支持ガラス基板の厚さと樹脂層の厚さとの和を0.4mmとする。また、現行の製造ラインは厚さが0.7mmのガラス基板を処理するように設計されているものが最も一般的であるが、例えば薄板ガラス基板の厚さが0.4mmならば、支持ガラス基板の厚さと樹脂層の厚さとの和を0.3mmとする。
支持ガラス基板の厚さは、前記薄板ガラス基板よりも厚いことが好ましい。
薄板ガラス基板と支持ガラス基板との線膨張係数の差は300×10−7/℃以下であることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、50×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の積層体において、樹脂層は前記支持ガラス基板の第1主面に固定されている。
そして、樹脂層は、前記薄板ガラス基板の第1主面と密着しているが、容易に剥離することができる。すなわち樹脂層は、前記薄板ガラス基板に対して易剥離性を有する。
本発明の積層体において、樹脂層と薄板ガラス基板とは粘着剤が有するような粘着力によっては付いていないと考えられ、固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって付いていると考えられる。
また、気泡や異物が介在しても、薄板ガラス基板のゆがみ欠陥の発生を抑制することができるからである。また、樹脂層の厚さが厚すぎると、形成するのに時間および材料を要するため経済的ではない。
また、樹脂層が2層以上からなる場合は、各々の層を形成する樹脂の種類が異なってもよい。
後述する外枠層についても同様である。
また、樹脂層は、ガラス転移点が室温(25℃程度)よりも低い材料またはガラス転移点を有しない材料からなることが好ましい。非粘着性の樹脂層となり、より易剥離性を有し、より容易に薄板ガラス基板と剥離することができ、同時に薄板ガラス基板との密着も十分になるからである。
また、樹脂層が耐熱性を有していることが好ましい。本発明のパネル製造方法では、例えば前記薄板ガラス基板の第2主面上に表示装置用部材を形成する場合に、樹脂層を有するガラス積層体を熱処理に供するからである。
また、樹脂層の弾性率が高すぎると薄板ガラス基板との密着性が低くなるので好ましくない。また弾性率が低すぎると易剥離性が低くなるので好ましくない。
なお、KNS−320A、KS−847およびTPR6700は、あらかじめ主剤と架橋剤とを含有しているシリコーンである。
外枠層は帯状であって、前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との間に、両ガラス基板に挟まれて存在する。また、前記支持ガラス基板上において、前記樹脂層の外側を囲う枠のように存在している。また、薄板ガラス基板および支持ガラス基板に固定されている。したがって前記樹脂層は外気と接し難い。前記樹脂層が外気と全く接しないように形成することが好ましい。
なお、態様1の本発明の積層体10においては、樹脂層14の端面14αと、外枠層16の内側の端面16αとが接しているが、接しておらず樹脂層の端面と外枠層の内側の端面との間に空隙があってもよい。ただし、空隙が少ないか、またはほぼないほうが好ましい。本発明の積層体を比較的高温(400℃超)で熱処理した場合により樹脂層が酸化し難いからである。
前記樹脂層の厚さが5〜100μmの場合に、外枠層の厚さが5〜120μmであることが好ましく、さらに外枠層の方が5〜20μm厚いことがより好ましい。
5%加熱質量減温度とは、混合エアー気流下1分間に10℃ずつ昇温し、試料の質量が初期試料質量の95%に達したときの温度を意味する。
また、置換基としてアルキル基やアリール基を有するシリコーン樹脂であってもよく、耐熱性が高いことから、ケイ素原子がアリール基を有するシリコーン樹脂が好ましい。
シートを有する態様の本発明の積層体について図3、図4を用いて説明する。
以下ではこの態様を「態様2」ともいう。
なお、この態様2の本発明の積層体は、前述の態様1と比較するとシートを有することが異なり、その他については同様である。よって以下の説明では異なる点について主に説明する。
この態様2において本発明の積層体20は、薄板ガラス基板22、樹脂層24、外枠層26、シート27および支持ガラス基板28を有している。そして、薄板ガラス基板22と支持ガラス基板28とは樹脂層24、外枠層26およびシート27を挟んで積層している。
また、シート26と樹脂層24とは重なっておらず、樹脂層24の端面の一部24αとシート27の端面27αとが接するように配置されている。
シートは前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との間に存在し、その一部が両ガラス基板に挟まれている。そして、挟まれていない部分(残部)の少なくとも一部は、前記薄板ガラス基板にも前記支持ガラス基板にも接していない。
シートの大きさ、表面積(2つの主面のうちの一方の主面面積)も特に限定されない。
例えば矩形の場合は1枚のシートの大きさが1〜4000cm2であってよく、2〜2000cm2であることが好ましく、4〜1000cm2であることがより好ましい。
なお、ここでいうシートの「挟まれている部分の大きさ」とは、例えば上記の態様2であれば、27aの部分が有する2つの主面のうち、支持ガラス基板28と対向する側の主面の面積を意味するものとする。
また、面積としては0.5〜2000cm2であってよく、1〜1000cm2であることが好ましく、2〜500cm2であることがより好ましい。このような範囲であると、薄板ガラス基板の第2主面上に表示装置用部材を形成する際に、障害にならないという点で好ましい。
なお、ここでいうシートの「挟まれていない部分(残部)の一部であって、前記薄板ガラス基板にも前記支持ガラス基板にも接していない部分」とは、例えば上記の態様2の場合であれば、27bの部分が有する2つの主面のうち、支持ガラス基板28の第1主面と端部において接している方の主面の面積を意味するものとする。
なお、ここでいうシートの「挟まれていない部分であって、前記薄板ガラス基板または前記支持ガラス基板に接している部分」とは、例えば上記の態様2の場合であれば、27cの部分が有する2つの主面のうち、支持ガラス基板28の第1主面と接している方の主面の面積を意味するものとする。
シートを前記支持ガラス基板の第1主面に固定する方法は限定されない。容易に剥がれない方法であればよい。例えば接着剤、貼着剤を用いて固定することができる。接着剤としてはウレタン系、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系の接着剤が挙げられる。また、無機系の接着剤であってもよい。このような中でもエポキシ系、アクリル系、シリコーン系の接着剤または無機系の接着剤であることが好ましい。耐熱性が高いからである。
前記樹脂層の厚さが5〜100μmの場合に、シートの厚さが5〜120μmであることが好ましく、さらにシートの方が5〜20μm厚いことがより好ましい。
また、有機樹脂の中でも、5%加熱質量減温度が200℃以上の有機樹脂であることが好ましい。この温度は250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることがさらに好ましい。本発明の積層体を加熱工程に供しても、溶融等の形態変化が生じにくいからである。
シートは、5%加熱質量減温度が200℃以上の有機樹脂製のフィルムであることが好ましい。
本発明の支持体付き表示装置用パネルは、本発明の積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に、さらに表示装置用部材を有するものである。
この支持体付き表示装置用パネルは、本発明の積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に、表示装置用部材を形成することで得ることができる。
本発明の支持体付き表示装置用パネルは、本発明の積層体の薄板ガラス基板の第2主面上にTFTアレイ(以下、単に「アレイ」という。)が形成されたものであることが好ましい。
本発明の支持体付き表示装置用パネルには、例えば、アレイが薄板ガラス基板の第2主面に形成された本発明の支持体付き表示装置用パネルに、さらにカラーフィルタが形成された他のガラス基板(例えば0.3mm以上の厚さのガラス基板)が貼り合わされたものも含まれる。
本発明の積層体の製造方法は特に限定されないが、前記支持ガラス基板の第1主面上の内側領域に前記樹脂層を形成し固定する樹脂層形成工程と、前記支持ガラス基板の第1主面上の外側領域に前記外枠層を形成し固定する外枠層形成工程と、前記薄板ガラス基板の第1主面と、前記樹脂層および前記外枠層とを密着する密着工程とを具備する、ガラス積層体の製造方法であることが好ましい。このような製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
初めに薄板ガラス基板および支持ガラス基板を用意する。
薄板ガラス基板および支持ガラス基板の製造方法は特に限定されない。例えば従来公知の方法で製造することができる。例えば従来公知のガラス原料を溶解し溶融ガラスとした後、フロート法、フュージョン法、ダウンドロー法、スロットダウン法、リドロー法等によって板状に成形して得ることができる。
例えばフィルム状の樹脂を支持ガラス基板の表面に接着する方法が挙げられる。具体的にはフィルムの表面に高い接着力を付与するために表面改質処理(プライミング処理)を行い、支持ガラス基板の第1主面に接着する方法が挙げられる。例えば、シランカップリング剤のような化学的に密着力を向上させる化学的方法(プライマー処理)や、フレーム(火炎)処理のように表面活性基を増加させる物理的方法、サンドブラスト処理のように表面の粗度を増加させることにより引っかかりを増加させる機械的処理方法などが例示される。
例えば、無溶剤型の剥離紙用シリコーンを樹脂組成物として用いた場合、ダイコート法、スピンコート法またはスクリーン印刷法が好ましい。
上記のような樹脂層形成工程によって支持ガラス基板の第1主面上に樹脂層を形成した後、または形成する前に、または形成しながら、支持ガラス基板の第1主面上の外側領域に外枠層を形成し固定する。
(a)前記樹脂層の外周部に沿うようにディスペンサーを移動させながら材料を吐出して外枠層を形成する方法。
(b)ディスペンサーを固定した上で、前記樹脂層の外周部に沿うように支持ガラス基板を移動させながら前記ディスペンサーから材料を吐出して外枠層を形成する方法。
(c)前記樹脂層の外周部の形状と同形の透過部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷することにより外枠層を形成する方法。
(d)前記樹脂層を介して薄板ガラス基板と支持ガラス基板とを密着させてガラス積層体とした後、常圧または真空下にて毛細管現象により前記ガラス積層体の外周部から材料を注入して外枠層を形成する方法。
(e)前記樹脂層を介して薄板ガラス基板と支持ガラス基板とを密着させてガラス積層体とした後、蒸着、スパッタリングまたは化学気相成長等によって前記樹脂層の露出部を覆うように外枠層を形成する方法。
(f)支持ガラス基板上に樹脂層を形成した後、蒸着、スパッタリングまたは化学気相成長等によって前記樹脂層の端部に外枠層を形成する方法。
上記のような方法で支持ガラス基板の第1主面上に樹脂層を形成し、樹脂層の表面に薄板ガラス基板を積層する。
薄板ガラス基板と樹脂層とは、非常に近接した、相対する固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって樹脂層と密着する。この場合、支持ガラス基板と薄板ガラス基板とを積層させた状態に保持することができる。
真空ラミネート法や真空プレス法により圧着すると気泡の混入の抑制や良好な密着の確保がより好ましく行われるのでより好ましい。真空下で圧着することにより、微少な気泡が残存した場合でも加熱により気泡が成長することがなく、薄板ガラス基板のゆがみ欠陥につながりにくいという利点もある。
薄板ガラス基板の第1主面と外枠層との密着がより強固になり、外枠層を薄板ガラス基板の第1主面により強固に固定することができるからである。
また、例えば外枠層を形成した後、当該外枠層における薄板ガラス基板の第1主面と密着する面に例えば接着剤等を塗布し、その後、薄板ガラス基板を密着させて、外枠層を固定してもよい。
シートを付ける方法としては、例えばシートを支持ガラス基板の表面に接着する方法が挙げられる。具体的にはシートの表面に高い接着力を付与するために表面改質処理し、支持ガラス基板の第1主面に接着する方法が挙げられる。
本発明の支持体付き表示装置用パネルの製造方法は、本発明の積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に、表示装置用部材を形成する工程を具備する。
具体的には、例えば上記のようにして製造した本発明の積層体における薄板ガラス基板の第2主面上に表示装置用部材を形成する。
表示装置用部材は特に限定されない。例えばLCDが有するアレイやカラーフィルタが挙げられる。また、例えばOLEDが有する透明電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層が挙げられる。
例えば表示装置としてTFT−LCDを製造する場合、従来公知のガラス基板上にアレイを形成する工程、カラーフィルタを形成する工程、アレイが形成されたガラス基板とカラーフィルタが形成されたガラス基板とを貼り合わせる工程(アレイ・カラーフィルタ貼り合わせ工程)等の各種工程と同様であってよい。より具体的には、これらの工程で実施される処理として、例えば純水洗浄、乾燥、成膜、レジスト塗布、露光、現像、エッチングおよびレジスト除去が挙げられる。さらに、アレイ・カラーフィルタ貼り合わせ工程を実施した後に行われる工程として、液晶注入工程および該処理の実施後に行われる注入口の封止工程があり、これらの工程で実施される処理が挙げられる。
本発明の表示装置用パネルは、上記のような製造方法によって得られる支持体付き表示装置用パネルにおける前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを分離する分離工程を具備する。
例えば、前記薄板ガラス基板を前記支持ガラス基板から垂直方向に引き離す力を与えればよく、剃刀の刃等で端部に剥離のきっかけを入れたり、本発明の積層体の端面へのエアー等の流体を吹き付けて剥離することができる。また、前記外縁部にレーザ光を照射して剥離することも好ましい。また、本発明の積層体が前述のシートを有する態様2の場合であれば、シートを引張ることで容易に剥離することができる。
レーザ光を照射する剥離方法およびシートを引張る剥離方法について、以下に説明する。
前記薄板ガラス基板および/または前記支持ガラス基板越しに(好ましくは支持ガラス基板越しに)前記外枠層へレーザ光を照射することで、前記外枠層を溶融または酸化分解すると、前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との接着力が弱まるので、両ガラス基板を容易に剥離することができる。レーザ光を照射した後に、上記の剃刀を用いた方法や流体を吹き付ける方法を適用すると、より容易に剥離できるので好ましい。
レーザ光としては薄板ガラス基板または支持ガラス基板における透過性が高く、前記外枠層に吸収され易いものが好ましい。例えばYAGまたはYVO4レーザの基本波(1064nm)またはその2倍波(532nm)のレーザ光や、半導体ダイオードレーザ(AlGaAsで650〜905nmなど)、Tiドープサファイアレーザ(660〜986nm)、He−Neレーザ(543〜633nm)および各種エキシマレーザ等が挙げられる。
この場合、剥離後に有機溶剤や酸・アルカリ等の薬液処理またはスクラブ洗浄処理により除去することができる。
図5は、水平な定盤51上に、薄板ガラス基板52が下、支持ガラス基板58が上になるように載置し、薄板ガラス基板52の第2主面を平らな状態で定盤51に真空吸着し、シート57を図7に示すように上方に引張り、支持ガラス基板58を持ち上げる。すると、薄板ガラス基板52と樹脂層54との界面に隙間ができ、ここを起点として空気層が界面に入り込むことで剥離が進む。ここで、この隙間に向かって空気を吹き込むと当該界面における剥離現象がより進行し易くなるのでより好ましい。
以下のような方法で、前述の図1、図2を用いて説明した態様1のガラス積層体と、概ね同様のガラス積層体を製造した。態様1と異なるところは薄板ガラス基板および支持ガラス基板の大きさのみである。態様1のガラス積層体においては、薄板ガラス基板12が支持ガラス基板18よりも主面面積が小さいが、実施例1で製造するガラス積層体では、両ガラス基板の大きさが同じである。
次に、無溶剤付加反応型剥離紙用シリコーン(信越シリコーン社製、KNS−320A(粘度:0.40Pa・s))100質量部と、白金系触媒(信越シリコーン社製、CAT−PL−56)2質量部との混合物を、支持ガラス基板上の内側領域に、縦710mm、横590mmの大きさでスクリーン印刷機にて塗工した(塗工量30g/m2)。ここで内側領域は、外側全周において均等に幅5mmの外側領域が得られる領域とした。
そして、180℃にて30分間大気中で加熱硬化して厚さ20μmのシリコーン樹脂層を得た。
次に、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液(「U−ワニス−S」宇部興産社製、18質量%、N−メチル−2−ピロリドン溶液)を、前述の幅5mmの外側領域の全てにスクリーン印刷により印刷した。ここで内側領域に形成したシリコーン樹脂層の端部と接するようにポリアミック酸溶液を印刷した。また、ポリアミック酸溶液のWET厚みは160μmであった。次に、300℃にて60分間大気中で加熱し、ポリイミドからなる外枠層を形成した。外枠層の厚さは20μmであった。なお、この加熱により、内側領域に形成したシリコーン樹脂層は何ら変化していなかった。
次に、縦720mm、横600mm、板厚0.3mm、線膨張係数38×10−7/℃の薄板ガラス基板(旭硝子株式会社製、AN100)の第1主面(後にシリコーン樹脂層と接触させる側の面)を純水洗浄、UV洗浄して清浄化した。そして、支持ガラス基板のシリコーン樹脂層の表面と薄板ガラス基板とを、室温下、真空プレスにて貼り合わせガラス積層体を得た。
このようにして、本発明の積層体の一実施態様である「ガラス積層体A」を2つ製造した。
ガラス積層体を、支持ガラス基板が上側、薄板ガラス基板が下側となるように定盤上に設置し、薄板ガラス基板を定盤上に真空吸着した。
次に、この状態で、上側から外枠層へ支持ガラス基板越しにYVO4レーザ光を照射した。そして、外枠層の全てを炭化して破壊した。ここでレーザ光の照射にはLASERTEC社製QスイッチYVO4レーザ装置を用いた。また、レーザ光の照射条件は、波長:1064nm、出力:1W、スポット径30μm、周波数:50kHz、スキャン速度:250mm/s、スキャン:3回とした。すなわち、外枠層の幅方向にレーザ光をスポット照射しながら移動させ、幅方向の同一箇所を1.5往復させた後、幅方向と垂直方向(すなわち外枠層の長手方向)へ1回の照射スポット径分(30μm)、レーザ光照射位置を移動させ、再度、幅方向の同一箇所を1.5往復させる。そしてこれを繰り返すことで、外枠層の全てにレーザ光を照射した。
次に、ガラス積層体の薄板ガラス基板を定盤上で真空吸引した状態を保持したまま、外枠層を破壊して形成された支持ガラス基板と薄板ガラス基板との間の隙間を手がかりとして、支持ガラス基板を垂直上側へ引張った。
熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学社製、AURUM PLC 450C(5質量%加熱質量減温度=570℃))を用い、溶融した後、押出ディスペンス法によって外枠層を形成したこと以外は全て実施例1と同様とした操作を行い、2つのガラス積層体を製造した。そして実施例1の場合と同様にして、加熱処理していない「ガラス積層体B−1」と、加熱処理した「ガラス積層体B−2」とを得た。なお、別途、高真空下(1.0×10−5Pa)において室温から450℃へガラス積層体Bを昇温したが、ガラス積層体Bからガスが発生することはなかった。得られたガラス積層体B−1およびガラス積層体B−2において薄板ガラス基板は、シリコーン樹脂層と気泡を有することなく密着しており、凸状欠点もなく平滑性も良好であった。
また、ガラス積層体B−1およびガラス積層体B−2の各々について上記の剥離試験1を行ったところ、実施例1の場合と同様に、容易に剥離することができ、シリコーン樹脂層の端面も健全であった。同様のスクラブ洗浄によって、残渣を除去することもできた。
実施例3は実施例1と同様であるが、支持ガラス基板、樹脂層、外枠層および薄板ガラス基板の種類、大きさ、厚さ等が異なるものを用いた。
支持ガラス基板として、縦720mm、横600mm、板厚0.6mm、線膨張係数38×10−7/℃のガラス基板(旭硝子株式会社製、AN100)を用いた。
また、樹脂層を形成するための樹脂として、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサン(荒川化学工業株式会社製、商品名「8500」)と、分子内にハイドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(荒川化学工業株式会社製、商品名「12031」)とを用いた。そして、これを白金系触媒(荒川化学工業株式会社製、商品名「CAT12070」)と混合して混合物を調製し、縦700mm、横580mmの大きさで、スクリーン印刷機にて塗工し(塗工量20g/m2)、180℃にて30分間大気中で加熱硬化して厚さ20μmのシリコーン樹脂層を形成した。ここで、ハイドロシリル基とビニル基のモル比は1/1となるように、直鎖状ポリオルガノシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとの混合比を調整した。白金系触媒は、直鎖状ポリオルガノシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとの合計100質量部に対して5質量部添加した。
また、薄板ガラス基板として、縦720mm、横600mm、厚さ0.1mm、線膨張係数50×10−7/℃のガラス基板(旭硝子株式会社製AN100)を用いた。
この薄板ガラス基板の第1主面を純水洗浄、UV洗浄して清浄化した後、支持ガラス基板のシリコーン樹脂層の表面と薄板ガラス基板とを、室温下、真空プレスにて貼り合わせた。すると、ペーストは両ガラス基板に押し潰されて延び、厚さは20μmとなった。その後、100℃にて120分間大気中で加熱したところ、ペーストは硬化し、厚さ20μm、幅20mmの外枠層が形成された。
また、ガラス積層体C−1およびガラス積層体C−2の各々について上記の剥離試験1を行った。ただしレーザ光の照射出力は1Wではなく7Wとした。その結果、実施例1の場合と同様に、容易に剥離することができ、シリコーン樹脂層の端面も健全であった。同様のスクラブ洗浄によって、残渣を除去することもできた。さらに、ガラス積層体C−2の場合の硬化後の外枠層の熱膨張係数は支持ガラス基板とほぼ同じであった。そのため、450℃処理後に支持ガラス基板の反りや外枠層の剥離は生じなかった。
本例では、実施例3で得たガラス積層体C−1を用いてLCDを製造する。
2枚のガラス積層体C−1を準備して、1枚はアレイ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面上にアレイを形成する。残りの1枚はカラーフィルタ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面上にカラーフィルタを形成する。アレイが形成されたガラス積層体と、カラーフィルタが形成されたガラス積層体とを貼り合わせた後、片面ずつ外枠層へレーザ光を照射して破壊することによって、各々の支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板の表面には、強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、ガラス基板を切断し、縦51mm×横38mmの168個のセルに分断した後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施して液晶セルを形成する。形成された液晶セルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは特性上問題は生じない。
本例では、実施例1で得たガラス積層体A−1を用いてLCDを製造する。
2枚のガラス積層体A−1を準備して、1枚はアレイ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面にアレイを形成する。残りの1枚はカラーフィルタ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面にカラーフィルタを形成する。アレイが形成されたガラス積層体と、カラーフィルタが形成されたガラス積層体とを貼り合わせた後、片面ずつ外枠層へレーザ光を照射して破壊することによって、各々支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板の表面には強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、ケミカルエッチング処理によりそれぞれの薄板ガラス基板の厚さを0.15mmとする。ケミカルエッチング処理後の薄板ガラス基板の表面には光学的に問題となるようなエッチピットの発生はみられない。
その後、薄板ガラス基板を切断し、縦51mm×横38mmの168個のセルに分断した後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施して液晶セルを形成する。形成された液晶セルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは特性上問題は生じない。
本例では、実施例2で得たガラス積層体B−1と、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(旭硝子製AN−100)とを用いてLCDを製造する。
ガラス積層体を準備して、カラーフィルタ形成工程に供してガラス積層体の薄板ガラス基板の第2主面にカラーフィルタを形成する。一方、無アルカリガラス基板はアレイ形成工程に供して一方の主面上にアレイを形成する。
カラーフィルタが形成されたガラス積層体と、アレイが形成された無アルカリガラス基板とを貼り合わせた後、片面ずつ外枠層へレーザ光を照射して破壊することによって、ガラス積層体から支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板表面には強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、支持ガラス基板を分離したものを縦51mm×横38mmの168個のセルにレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて分断する。その後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施して液晶セルを形成する。形成された液晶セルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは特性上問題は生じない。
実施例7では、実施例3で得たガラス積層体C−1を用いてOLEDを製造する。
透明電極を形成する工程、補助電極を形成する工程、ホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する工程、これらを封止する工程に供して、ガラス積層体の薄板ガラス基板上に有機EL構造体を形成する。次に片面ずつ外枠層へレーザ光を照射して破壊することによって、支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板の表面には強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、薄板ガラス基板をレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて切断し、縦41mm×横30mmの288個のセルに分断した後、有機EL構造体が形成されたガラス基板と対向基板とを組み立てて、モジュール形成工程を実施してOLEDを作成する。こうして得られるOLEDは特性上問題は生じない。
外枠層を形成せず、縦710mm、横590mmの樹脂層の大きさを縦715mm、横595mmとしたこと以外は、実施例1と同様とした試験を行った。得られた比較例1に係る加熱処理していない「ガラス積層体X−1」および加熱処理した「ガラス積層体X−2」は、シリコーン樹脂層と気泡を発生することなくガラス基板が密着しており、凸状欠点もなく平滑性も良好であった。
また、ガラス積層体X−1およびガラス積層体X−2を、以下に示す剥離試験2に供した。
ガラス積層体を、支持ガラス基板が上側、薄板ガラス基板が下側となるように定盤上に設置し、薄板ガラス基板を定盤上に真空吸着した。そして、薄板ガラス基板と樹脂層との間に鋭利な剃刀をあてがい、界面の端をこじ開け、徐々に端から剥離した。その結果、シリコーン樹脂層と薄板ガラス基板との界面に端から空気層が形成され、その空気層が広がって、シリコーン樹脂層が付いた支持ガラス基板と薄板ガラス基板とを容易に剥離することができた。
本出願は、2008年4月17日出願の日本特許出願2008−108169に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
12、22、52 薄板ガラス基板
14、24、54 樹脂層
14α、24α 樹脂層の端面
16、26、56 外枠層
16α 外枠層の端面
27 シート
27α シートの端面
18、28、58 支持ガラス基板
51 定盤
Claims (14)
- 第1主面と第2主面とを有する薄板ガラス基板、
第1主面と第2主面とを有する支持ガラス基板、および
前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との間に配置された樹脂層および外枠層
を有するガラス積層体であって、
前記樹脂層が、前記支持ガラス基板の第1主面に固定されており、前記薄板ガラス基板の第1主面に対する易剥離性を備え、前記薄板ガラス基板の第1主面と密着しており、
前記外枠層が、前記支持ガラス基板の第1主面上において、前記樹脂層が外気と接しないように前記樹脂層を囲んでいる、ガラス積層体。 - 前記樹脂層の端面と、前記外枠層の端面の少なくとも一部とが接している、請求項1に記載のガラス積層体。
- 前記薄板ガラス基板が、TFTアレイ用ガラス基板である、請求項1または2に記載のガラス積層体。
- 前記外枠層が、5%加熱質量減温度が400℃以上の材料からなる、請求項1〜3のいずれかに記載のガラス積層体。
- 前記外枠層が、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂および無機材料からなる群から選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス積層体。
- 前記樹脂層が、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス積層体。
- 前記外枠層の幅が0.5〜10mmである、請求項1〜6のいずれかに記載のガラス積層体。
- 請求項3〜7のいずれかに記載のガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面上に、さらにTFTアレイを有する支持体付き表示装置用パネル。
- 請求項8に記載の支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネル。
- 請求項9に記載の表示装置用パネルを有する表示装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法であって、
前記支持ガラス基板の第1主面上の内側領域に前記樹脂層を形成し固定する樹脂層形成工程と、
前記支持ガラス基板の第1主面上の外側領域に前記外枠層を形成し固定する外枠層形成工程と、
前記薄板ガラス基板の第1主面と、前記樹脂層および前記外枠層とを密着する密着工程を含む、ガラス積層体の製造方法。 - 請求項11に記載のガラス積層体の製造方法が、さらに、得られたガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に表示装置用部材を形成する工程を含む、支持体付き表示装置用パネルの製造方法。
- 請求項12に記載の製造方法が、さらに、得られた支持体付き表示装置用パネルにおける前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを分離する分離工程を含む、表示装置用パネルの製造方法。
- 前記分離工程が、前記外枠層にレーザ光を照射して前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを分離する工程である、請求項13に記載の表示装置用パネルの製造方法。
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