JPWO2009063715A1 - エアバッグ用クリップ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は、エアバッグ装置を収納した状態で車体にガーニッシュを取り付けるためのエアバッグ用クリップ(保持具)を開示している。このエアバッグ用クリップ(保持具)は、同文献1の図2および図3に示されるように、ピン部材(11)とグロメット部材(12)からなり、ピン部材(11)の頭部がガーニッシュ(4)に装着されている。そして、ピン部材(11)の脚部(14)がグロメット部材(12)の筒部(22)内に挿入され、脚部(14)の第1係止爪(16)が筒部(22)の第1係合部(25)に係合した状態で、ガーニッシュ(4)をインナパネル(5)に取り付ける構成となっている。また、エアバッグ(31)が膨脹すると、第1係止爪(16)と第1係合部(25)の係合が解除されるとともに、第2係止爪(17)が第2係合部(26)に係合し、これによりガーニッシュ(4)とインナパネル(5)との間に隙間ができ、その隙間からエアバッグ(31)が展開する。なお、カッコ内の符号は、特許文献1に付されている符号である。
グロメットおよびピン部材を含み、前記ガーニッシュまたは車体のいずれか一方に当該ピン部材の頭部が取り付けられるとともに、他方に当該グロメットが取り付けられ、
前記グロメットは、前記ピン部材が表面側から裏面側に向かって差し込まれる支持孔と、前記ピン部材の前記支持孔からの抜けを規制する係合部とを有し、
前記ピン部材は、前記頭部から軸方向へ延出し、前記グロメットの支持孔に差し込まれて、当該グロメットに対し軸方向に相対移動自在な一対の対向する側壁を有し、
前記各側壁には、前記グロメットの係合部に係止して前記エアバッグ収納位置で前記ガーニッシュを保持するための第1係止部が頭部寄りに形成されるとともに、同じく前記グロメットの係合部に係止して前記エアバッグ展開位置で前記ガーニッシュを保持するための第2係止部が先端部寄りに形成されており、
さらに、各側壁は、前記第1係止部よりも先端部側の任意領域が内側へ弾性的に撓ませ可能な可撓領域を形成しており、前記第2係止部が前記グロメットの係合部に係止された状態において、前記支持孔からグロメットの表面側に露出した前記可撓領域を内側へ撓ませたとき、当該可撓領域の撓み変形に伴い前記第2係止部が変位して前記グロメットの係合部に対する係止状態が解除される構成であることを特徴とする。
さらに前記可撓領域と前記第1係止部との間にくびれ部を形成した構成とすることができる。
10:グロメット、11:フランジ部、12:支持孔、13:脚部、14:取付孔用係合部、15:係合部、
20:ピン部材、21:頭部、22:側壁、23:第1係止部、24:くびれ部、25:可撓領域、26:第2係止部、27:先端横柱、28:上側中間横柱、29:下側中間横柱、30:リブ、
100:フロントガラス、101:サイドガラス、102:フロントピラー、103:ルーフサイド、104:車体、105:ガーニッシュ、106インストルメントパネル、
200:ペンチ
図1A乃至図13Cは、本発明の実施形態に係るエアバッグ用クリップの構成を説明するための図であり、図1A、図1Bは本実施形態に係るサイドエアバッグ装置の構成を示す概略図である。
本実施形態のエアバッグ用クリップ1は、自動車の車室においてサイドエアバッグ(またはカーテンエアバッグ)装置2を機能させるために用いられる。図1Aに示すように、サイドエアバッグ装置2は、自動車のフロントガラス100とサイドガラス101の間にあるフロントピラー102からルーフサイド103に沿って備えられる。またフロントピラー102やルーフサイド103(以下、単に車体104とも略する)には、車室の内装としてエアバッグ4を覆うガーニッシュ105(内装材、カバー材、トリム材等とも呼ばれる)が取り付けられる。
図1A〜図2Bに示すように、このエアバッグ用クリップ1は、車体104に本体が取り付けられるグロメット10と、ガーニッシュ105に頭部21が取り付けられるピン部材20とを含む構成である。これらグロメット10及びピン部材20は、剛性を有した合成樹脂材によって一体成形される。
図2A〜図3Dに示すように、エアバッグ用クリップ1のグロメット10は、車体104の取付孔(図示せず)の周縁に当接するフランジ部11が形成してある。そして、このフランジ部11の中央位置には、ピン部材20が表面側から裏面側に向かって差し込まれる支持孔12が穿設されている。
図2A、図2B、図4A、図4Bに示すように、エアバッグ用クリップ1のピン部材20は、ガーニッシュ105の取付座(図示せず)に取り付ける頭部21と、この頭部21の裏面側から軸方向に延出する一対の対向する側壁22と、を備えている。ピン部材20の頭部21は、略コ字状にフランジが形成されている。そして、このコ字状の開口部分にガーニッシュ105の取付座が挿入されることで、該ガーニッシュ105を保持することが可能となる。
サイドエアバッグ装置2を備える自動車にエアバッグ用クリップ1を適用する場合は、まずグロメット10の支持孔12にピン部材20の側壁22を差し込み、側壁22の第1係止部23まで軸方向に相対移動させる。さらに図5乃至図7に示すように、第1係止部23を係合部15に係止させることで、ピン部材20をグロメット10に保持した係止状態とする。その後、ピン部材20の頭部21をガーニッシュ105の取付座に取り付ける。そして、この状態にてガーニッシュ105を動かし、露出しているグロメット10を車体104の取付孔に取り付ける。これによりガーニッシュ105をエアバッグ収納位置に配設する。
自動車が側突した場合は、エアバッグ4が膨張することによりガーニッシュ105が押し上げられる。このため、ガーニッシュ105をエアバッグ収納位置で保持していたエアバッグ用クリップ1は、第1係止部23と係合部15の係止状態に所定荷重以上がかかって係止状態が解除される。これにより側壁22は、グロメット10の支持孔12に案内されつつ相対移動し、図8A〜図10Bに示すように、新たに第2係止部26が係合部15と係止する状態となる。
、図12Bは、図11のエアバッグ用クリップの断面図である。
メンテナンス等によりガーニッシュ105を車体104から取り外す場合は、図11、図12A、図12Bに示すように、エアバッグ展開位置においてエアバッグ用クリップ1のピン部材20の可撓領域25を撓ませることで取り外すことができる。
図13Aに示すように、一対の側壁22を間隔D’だけ開けて平行に形成したのみで、中間部にリブを形成しなかった場合、ペンチ200で可撓領域25を撓ませたとき、一方の側壁22に撓みが偏ってしまうことがある。このような側壁22の撓みの偏りは、例えば、厚さのバラツキ、樹脂の冷却速度差による硬度のバラツキ、ペンチ200からの力の加え方等が影響している。このように側壁22の一方が偏って撓むと、撓みの少ない他方の側壁22に形成された第2係止部26の係止爪26aが、係合部15から解除されないおそれがある。
図13Cに示すように、リブ30に当接した状態にあっては、各側壁22の撓み量はともにDであり、左右均等に撓んでいる。よって、各側壁22に形成された第2係止部26の係止爪26aも均等に撓んで、ともに係合部15から解除される。これにより、ピン部材20とグロメット10の係止状態の解除を速やかに実施させることが可能となり、さらにピン部材20の破損を防止することもできる。
図15A、図15Bは上述した実施形態に係るエアバッグ用クリップの変形例を示す斜視図であり、図15Aはピン部材、図15Bはグロメットである。
上述した実施形態では、グロメット10の一つの係合部15に、ピン部材20に形成した第1,第2係止部23、26をともに係合する構成であったが、これに限定されず各係止部23、26をそれぞれ別個の係合部へ係止させる構成であってもよい。
例えば、図15A,図15Bに示すように、ピン部材20の第1係止部23と第2係止部26をそれぞれ別の側面に形成する。そして、グロメット10には、ピン部材20の第1係止部23と対向する位置に第1係合部15aを、ピン部材20の第2係止部26と対向する位置に第2係合部15bをそれぞれ形成するようにしてもよい。
Claims (6)
- 車体にガーニッシュが接触又は近接しそれらの間にエアバッグを収納するエアバッグ収納位置、および前記車体から前記ガーニッシュが離間して前記エアバッグを車室内へ展開させるエアバッグ展開位置、の各位置で前記ガーニッシュを保持可能なエアバッグ用クリップであって、
グロメットおよびピン部材を含み、前記ガーニッシュまたは車体のいずれか一方に当該ピン部材の頭部が取り付けられるとともに、他方に当該グロメットが取り付けられ、
前記グロメットは、前記ピン部材が表面側から裏面側に向かって差し込まれる支持孔と、前記ピン部材の前記支持孔からの抜けを規制する係合部とを有し、
前記ピン部材は、前記頭部から軸方向へ延出し、前記グロメットの支持孔に差し込まれて、当該グロメットに対し軸方向に相対移動自在な一対の対向する側壁を有し、
前記各側壁には、前記グロメットの係合部に係止して前記エアバッグ収納位置で前記ガーニッシュを保持するための第1係止部が頭部寄りに形成されるとともに、同じく前記グロメットの係合部に係止して前記エアバッグ展開位置で前記ガーニッシュを保持するための第2係止部が先端部寄りに形成されており、
さらに、各側壁は、前記第1係止部よりも先端部側の任意領域が内側へ弾性的に撓ませ可能な可撓領域を形成しており、前記第2係止部が前記グロメットの係合部に係止された状態において、前記支持孔からグロメットの表面側に露出した前記可撓領域を内側へ撓ませたとき、当該可撓領域の撓み変形に伴い前記第2係止部が変位して前記グロメットの係合部に対する係止状態が解除される構成であることを特徴とするエアバッグ用クリップ。 - 前記ピン部材は、前記一対の側壁を一定の間隔を空けて対向配置してあり、且つ、当該各側壁間の中央位置に軸方向へリブが延出していることを特徴とする請求項1のエアバッグ用クリップ。
- 前記一対の側壁は、先端部が先端横柱で連結されており、前記第2係止部は当該先端部からテーパ状に延出する係止爪であることを特徴とする請求項1のエアバッグ用クリップ。
- 前記グロメットは、前記支持孔の裏面側開口縁から軸方向に対向する一対の脚部が延出しており、当該脚部が前記ガーニッシュまたは車体のいずれか一方に係合する構成であり、さらにこれら脚部に挟まれた中間部を前記側壁が軸方向へ移動自在となっており、且つ前記脚部の根本付近に前記係合部が形成してあることを特徴とする請求項1のエアバッグ用クリップ。
- 前記各側壁に形成した可撓領域は、前記支持孔の内側面との間隔を狭小に保つよう平行に延びており、
さらに前記可撓領域と前記第1係止部との間にくびれ部を形成したことを特徴とする請求項1のエアバッグ用クリップ。 - 前記一対の側壁は、くびれ部で中間横柱により連結されていることを特徴とする請求項5のエアバッグ用クリップ。
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