JP5049083B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、車両の車室の側部の窓部に沿ってエアバッグを展開するエアバッグ装置に関する。
従来、ガスを導入して膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置について、自動車の車室の側部のドアの窓部などに沿って展開するいわゆるカーテンエアバッグ装置が知られている。このようなエアバッグ装置のエアバッグは、通常時は、細長く折り畳まれ、車室側面の窓部の上縁部に沿って配置されている。そして、側面衝突や横転などの衝撃を受けた際に、インフレータからガスが供給されてエアバッグが展開し、側部の窓部などに沿って下方に展開するようになっている。
このようなエアバッグ装置について、折り畳んだエアバッグを、自動車の内装材であるピラーガーニッシュで覆った構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このピラーガーニッシュは、プラスチックで形成され、エアバッグの展開時に弾性的に変形して、エアバッグの展開を阻害しないように構成されている。さらに、このピラーガーニッシュの裏面には、抜止め金具、クリップ、ボルトなどが取り付けられ、この抜止め金具を金具係止穴に係止するなどして、ピラーガーニッシュが車体に取り付けられている。また、フロントピラーに取り付けられたドアウェザストリップのトリム部により、ピラーガーニッシュとフロントピラーとの間の隙間が埋められている。
しかしながら、内装材であるプラスチック製のピラーガーニッシュを弾性的に変形させる構成では、例えば、極めて高温の環境下では、プラスチックが軟化して特性が変化し易く、単にゴムなどで形成されたドアウェザストリップのトリム部では、細長く折り畳まれたエアバッグを覆う長尺なピラーガーニッシュを安定して支持しにくい問題を有している。また、エアバッグ装置を自動車に取り付ける以前は、ピラーガーニッシュの先端側を支持する部材はなく、エアバッグ装置の輸送時などにピラーガーニッシュが変形するおそれがある問題を有している。
特開平11−321477号公報(第4頁、図3)
上記従来のように、細長く折り畳まれた長尺なエアバッグをカバー体で覆う構成については、エアバッグの展開時に円滑に展開できるとともに、展開前の通常時あるいは車体への取付前に、カバー体の変形を抑制して良好な外観を維持できる構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグを保護するカバー体を備え、このカバー体の外観を良好に維持できるとともに、エアバッグの展開時にはカバー体を円滑に開くことができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置は、細長く折り畳まれた状態からガスが導入されて膨張展開するエアバッグと、被取付部材に取り付けられる支持体と、折り畳まれた状態の前記エアバッグを長手方向に沿って覆う本体部、この本体部の長手方向に沿った一側に設けられた取付部、及び前記本体部の長手方向に沿った他側に設けられた係合部を備えたカバー体と、前記支持体に設けられ、前記カバー体の前記取付部を支持するとともに、前記エアバッグの展開時に変形して前記カバー体の移動を許容するヒンジと、前記支持体に設けられ、前記係合部に係脱可能に係合し、前記エアバッグの非展開時に前記係合部を介して本体部を支持し、前記エアバッグの展開時に前記係合部の係合を解除して本体部の移動を許容する係合受部と、前記支持体に設けられ、前記ヒンジと前記エアバッグとの間にこのエアバッグの長手方向に沿って配置される板状の基板部とを具備するものである。
そして、この構成では、エアバッグが細長く折り畳まれた通常時は、エアバッグ装置を被取付部材に取り付ける前後において、カバー体は、本体部の長手方向に沿った一側に設けられた取付部がヒンジにより支持体に支持されるとともに、本体部の長手方向に沿った他側に設けられた係合部が支持体の係合受部に係合し、カバー体によりエアバッグが外観良く安定して覆われる。エアバッグの展開時には、エアバッグがカバー体を押動すると、係合部が係合受部から外れるとともにヒンジが変形してカバー体の移動を許容し、エアバッグが円滑に展開する。支持体に係合受部を設けたため、エアバッグ装置がモジュール化され、エアバッグ装置を被取付部材に取り付ける前においても、カバー体が支持される。
請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、支持体は、ヒンジが取り付けられるとともに、被取付部材に取り付けられるブラケットと、このブラケットに取り付けられ、折り畳まれた状態のエアバッグの長手方向に沿って配置される案内部、基板部、及び係合受部を備えたプロテクタとを備えたものである。
そして、この構成では、プロテクタの案内部により、エアバッグが細長く折り畳まれた通常時及び展開時にエアバッグが保護される。プロテクタに係合受部を設けたため、構成が簡略化され、製造コストが低減される。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置において、係合部は、エアバッグの膨張展開時にこのエアバッグに押圧されるエアバッグ受部を備えたものである。
そして、この構成では、エアバッグ受部を設けたため、エアバッグが膨張展開する力を係合部が確実に受け、エアバッグの膨張展開時に、係合部が係合受部から円滑迅速にはずれることが可能になる。
請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項1ないし3いずれか一記載のエアバッグ装置において、カバー体は、車両の内装材であり、ブラケットは、車両の車室の側部に位置して車体に固定され、エアバッグは、前記車室の側部に沿って展開するものである。
そして、この構成では、細長く折り畳まれるエアバッグを備えるとともに、このエアバッグを覆うカバー体が車両の内装材となる、車室の側部用のエアバッグ装置に適した構成が提供される。
本発明のエアバッグ装置によれば、エアバッグが細長く折り畳まれた通常時は、エアバッグ装置を被取付部材に取り付ける前後において、カバー体は、本体部の長手方向に沿った一側に設けられた取付部がヒンジにより支持体に支持されるとともに、本体部の長手方向に沿った他側に設けられた係合部が支持体の係合受部に係合し、カバー体によりエアバッグを外観良く安定して覆うことができる。エアバッグの展開時には、エアバッグがカバー体を押動すると、係合部が係合受部から外れるとともにヒンジが変形して、カバー体の移動を許容し、エアバッグを円滑に展開できる。支持体に係合受部を設けたため、エアバッグ装置がモジュール化され、エアバッグ装置を被取付部材に取り付ける前においても、カバー体を支持できる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図3において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、カーテンエアバッグあるいは側突用エアバッグなどとも呼ばれるエアバッグ2を備え、図1に示すように、通常時には、車両である自動車の車体3の車室4の収納位置としてのルーフサイド部5に配置され、側面衝突の衝撃を受けた際や横転の際などに、図2に示すように、乗員の側方に面状に展開し、被保護物である乗員を保護するようになっている。なお、以下の記載において、上下方向、前後方向などの方向は、車両の直進方向を基準とし、内側及び外側は、車室4から両側の外方に向かう方向を外側として説明する。
そして、この自動車の車体3は、車室4内に乗員が着座可能な前席及び後席を備え、これら前席及び後席に対応して、それぞれ窓部を備えた図示しないドアが設けられている。また、車室4の両側には、前側から順に、Aピラーとも呼ばれるフロントピラー、Bピラーとも呼ばれるセンターピラー、Cピラーとも呼ばれるリアピラーが設けられている。そして、これら窓部、ドア及び各ピラーにより、車室4の両側部に図2に2点鎖線Sで示す側部としての所定面が構成されている。また、これらピラーの上側、すなわち窓部の一縁部である上縁部に、ルーフサイドレールなどとも呼ばれる被取付部材を構成する被取付面部としての車体パネル15が設けられ、この車体パネル15を介して天井部としての天井パネルが支持されている。また、両側のフロントピラーの前側にはフロントガラス(フロントウインドシールド)が設けられ、両側のリアピラーの後側にはリアガラスが設けられている。そして、収納位置としてのルーフサイド部5は、天井パネルの両側の縁部の部分から、この縁部といわば交差する方向に伸びるフロントピラーの一部あるいは全長、及び、必要に応じてリアピラーの一部あるいは全長にかかる部分に設定されている。
また、車体パネル15及び天井パネルの車室4側の一部は、各ピラーの一部とともに、軟質すなわち変形可能な天井板であり室内装飾パネルであるヘッドライニング(ルーフライニング)16により覆われている。そして、各ピラーの全長あるいは一部の車室4側には、それぞれ内装材である第1ないし第3のピラーガーニッシュが取り付けられ、これらピラーが覆われている。さらに、本実施の形態では、フロントピラーからルーフサイド部5を介してリアピラーに係る部分に、エアバッグ装置1を構成するカバー体である内装材としての樹脂製のガーニッシュ18が備えられている。
すなわち、エアバッグ装置1は、カーテンエアバッグモジュールとも呼び得るもので、エアバッグ2及びガーニッシュ18に加え、エアバッグ2にガスを供給するガス発生器である図示しないインフレータ、エアバッグ装置1を車体パネル15に取り付ける単数あるいは複数のブラケット26、これらブラケット26に取り付けられる単数あるいは複数のヒンジ27、折り畳んだエアバッグ2の長手方向に沿って配置された案内体であるプロテクタ28、及び補強板29などを備えてモジュールが構成され、このモジュールが車体パネル15に沿ってルーフサイド部5に配置されている。また、これらブラケット26、ヒンジ27、プロテクタ28、及び必要に応じて備えられる補強板29により、支持体30が構成されている。
そして、エアバッグ2は、各図においては模式的に示しているが、単数あるいは複数の基布を組み合わせ、例えば1枚の基布を折り返し、あるいは2枚の基布を重ねて接合して、扁平な袋状に形成されたエアバッグ本体部31と、このエアバッグ本体部31の複数カ所から延設された取付片部32となどを備え、所定の折り畳み方法で細長く折り畳まれ、図示しない筒状あるいはひも状などの形状保持部材により形状を保持されている。そして、このエアバッグ2は、前後の座席の乗員を保護可能な、長尺ないわゆる前後席用エアバッグであり、エアバッグ本体部31には、ガスが流入して膨張展開する袋状の膨張部と、エアバッグ本体部31の後端上部あるいは長手方向の中央上部などに位置して膨張部を外部に連通するガス導入口となどが設けられている。また、エアバッグ2の取付片部32は、エアバッグ本体部31の上縁部に連続して複数形成されている。そして、各取付片部32は、エアバッグ本体部31を構成する基布部と一体に形成され、エアバッグ本体部31から舌片状に突設されているとともに、それぞれ円孔状をなす取付孔32aが形成されている。また、図示しないが、エアバッグ2の前端部には、エアバッグ2とフロントピラーの前端部近傍とを連結するテザーベルトが連結されている。
また、インフレータは、後席の後方あるいは上方に位置して収納された円柱状の本体部を備え、接続管を介してエアバッグ2のガス導入口に接続されている。
そして、ガーニッシュ18は、ルーフサイドガーニッシュ、あるいはルーフサイドトリムなどとも呼び得るもので、弾性的に変形可能な合成樹脂にて一体に形成され、折り畳まれたエアバッグ2を覆うとともに車室4内に露出する本体部としてのガーニッシュ本体部41と、このガーニッシュ本体部41の一側である上縁部に一体に連結する取付部としてのガーニッシュ側取付部42と、ガーニッシュ本体部41の他側であり先端部である下端部近傍あるいは下端部から外側すなわち裏面側に一体に突設された単数あるいは複数の係合部43とを備えている。そして、ガーニッシュ本体部41は、外側下方に向かって滑らかに湾曲し、折り畳まれたエアバッグ2や車体パネル15などが車室4内に露出しないように覆っている。また、ガーニッシュ側取付部42は、ガーニッシュ本体部41から略外側に向かって延設された平板状のカバー第1取付片部44と、このカバー第1取付片部44の外側の縁部から上側に向かって延設された平板状のカバー第2取付片部45とを備え、断面略L字状に形成されている。さらに、カバー第2取付片部45には、所定の間隔で円孔状の取付孔46が形成されている。
さらに、ガーニッシュ18の係合部43は、ガーニッシュ本体部41の裏面側から舌片状に突設され、先端部に、上側に突設する爪部47が形成されている。また、この係合部43の上面すなわち収納されたエアバッグ2に対向する部分は、収納されたエアバッグ2に対して所定の角度、本実施の形態では、エアバッグ2の展開方向に対して略垂直な方向を面方向とし、例えばカバー第1取付片部44と平行な平面状をなすエアバッグ受部48となっている。さらに、この係合部43の下面すなわち収納されたエアバッグ2に対して反対側の部分は、後述するブラケット26に対して所定の角度をなす係合解除部49となっている。そして、この係合解除部49は、係合部43から単数あるいは板状、例えばいわゆる三角リブ状をなして下方に突設され、この係合解除部49の下端部がなす面の面方向は、エアバッグ受部48の面方向に対して独立に設定され、例えば互いに傾斜するように設定されている。
なお、この実施の形態では、ガーニッシュ18すなわちエアバッグ装置1を車体3に取り付けた状態で、ガーニッシュ側取付部42は、ヘッドライニング16に覆われるとともに、カバー第1取付片部44は外側に向かい上方に向かって若干傾斜し、カバー第2取付片部45上側に向かい内側に若干傾斜して配置される。
また、ブラケット26は、ベースブラケットとも呼び得るもので、車両の両側のルーフサイド部5に複数配置され、例えば、車両の片側に3個ずつ同形状のブラケット26が配置されている。そして、各ブラケット26は、金属製で、例えば鉄板をプレス加工して形成され、平板状をなすブラケット本体部である取付受部51と、この取付受部51の両端部に一体に連続するブラケット側取付部52とを備えているとともに、図1及び図2に示すように、取付受部51の上端部から車内側に向かい、補強用の補強板部53が折曲して形成されている。そして、取付受部51には、図3に示すように、円孔状をなす単数あるいは複数のプロテクタ取付部55と、円孔状をなす単数あるいは複数のエアバッグ取付部56と、円孔状をなす単数あるいは複数のヒンジ取付部57が形成されている。また、ブラケット側取付部52は、平板状の固定部58と、この固定部58と取付受部51とを一体に連結するブラケット側連結部59とを備えている。そして、各固定部58には、円孔状の固定孔60が形成されている。そして、各ブラケット26は、比較的剛性が大きく形成され、エアバッグ2の展開時にも変形しないように形成されている。
そして、ヒンジ27は、単数あるいは複数用いられ、本実施の形態では各ブラケット26に対してそれぞれ2個の同形状のヒンジ27が用いられている。そして、各ヒンジ27は、樹脂製あるいは金属製で、本実施の形態では、金属製で例えば塑性変形可能な板材である鉄板をプレス加工して断面U字状に一体に形成されているとともに、補強板29に固定されて一体的に連結されている。そして、各ヒンジ27は、板状をなす第1の取付部63と、この第1の取付部63に対向する板状をなす第2の取付部64と、曲面状をなしてこれら第1の取付部63と第2の取付部64との基端側を変形可能に連結するヒンジ部65とを備えている。そして、第1の取付部63は、ブラケット26の取付受部51の内側面に重ねて配置されるもので、ヒンジ取付部57に位置合わせして、円孔状の第1の取付孔66が形成されている。そして、この第1の取付孔66には、図示しないビスあるいはリベットなどの固定具が挿入されるようになっている。また、第2の取付部64は、補強板29の外側面に溶接などして固定され、この補強板29を介してガーニッシュ18のガーニッシュ側取付部42に連結されている。
また、補強板29は、樹脂製あるいは金属製で、本実施の形態では、金属製で例えば細長矩形平板状に一体に形成されている。そして、この補強板29は、ガーニッシュ18のガーニッシュ側取付部42のカバー第2取付片部45に沿った形状で、このカバー第2取付片部45の外側面に沿って配置される。そして、この補強板29には、上記のように、ヒンジ27が固定されるとともに、円孔状をなす単数あるいは複数のガーニッシュ取付部67が形成されている。そして、このガーニッシュ取付部67には、図示しないビスあるいはリベットなどの固定具が挿入されるようになっている。
さらに、プロテクタ28は、エアバッグの傷付き防止用カバーとも呼び得るもので、折り畳んだエアバッグ2の略全長あるいは一部に沿うように、合成樹脂にて一体に断面略L字状などに形成されている。すなわち、プロテクタ28は、長尺な平板状をなすプロテクタ基板部81と、このプロテクタ基板部81の外側の縁部から下方に屈曲して延設された案内部としてのプロテクタ側板部82と、このプロテクタ基板部81の外側の縁部から上側に突設された複数のプロテクタ側取付部83と、プロテクタ側板部82の先端側すなわち下側の縁部に沿った係合受部84とが一体に形成されている。そして、プロテクタ基板部81は、折り畳まれたエアバッグ2の上側に沿う部分で、エアバッグ2の取付片部32が挿通する長手方向に沿った溝状の取付片部挿通部85が形成されている。また、プロテクタ側板部82は、折り畳まれたエアバッグ2の外側に沿う部分であり、収納されたエアバッグ2の形状に応じて湾曲あるいは屈曲などされている。さらに、係合受部84は、内側に向かって開口する凹溝を構成する断面略コの字状の基部86と、この基部86に単数あるいは複数形成された係合孔87とを備えている。そして、この係合孔87は、基部86の上側、本実施の形態では上側の角部を貫通するようにして、ガーニッシュ18の係合部43に位置を合わせて単数あるいは複数形成されている。また、略コの字状の基部86を構成する上側の片部86aと下側の片部86bとは、互いに平行に形成することもできるが、本実施の形態では、下側の片部86bの先端が下方に向かうように傾斜し、すなわち、基部86の凹溝が拡開する形状に形成されている。また、プロテクタ側取付部83は、プロテクタ側板部82にほぼ沿って、上側に垂直に板状に突設されているとともに、円孔状をなす取付孔89が形成されている。なお、プロテクタ基板部81とプロテクタ側板部82とが連続する角部は、プロテクタ側取付部83を形成した位置を除いて、折り畳んだエアバッグ2に沿うように滑らかな曲面状に形成されている。
次に、このエアバッグ装置1の組立動作及び車両への取付動作を説明する。
まず、ヒンジ27と補強板29とを溶接などして連結する。次いで、ブラケット26に、ヒンジ27を取り付ける。この作業は、ブラケット26の取付受部51にヒンジ27の第1の取付部63を重ね、取付受部51のヒンジ取付部57に外側から挿入した固定具を、各ヒンジ27の第1の取付孔66に固定などして行われる。
次いで、予め所定の形状に折り畳まれたエアバッグ2及びプロテクタ28を、ブラケット26に取り付ける。この作業は、エアバッグ2をプロテクタ28の内側かつ下側に沿わせて、エアバッグ2の各取付片部32を取付片部挿通部85から上側に引き出し、プロテクタ28のプロテクタ側取付部83及び各取付片部32をブラケット26の取付受部51の外側あるいは内側に沿わせる。そして、リベットなどの固定具を、ブラケット26のプロテクタ取付部55及びエアバッグ取付部56に挿入するとともに、エアバッグ2の取付孔32a及びプロテクタ28の取付孔89に挿入し、かしめなどして固定することにより行われる。
さらに、ガーニッシュ18を、補強板29に取り付け、すなわち、この補強板29及びヒンジ27を介して、ガーニッシュ18をブラケット26に取り付ける。この作業は、ガーニッシュ本体部41でエアバッグ2を覆うようして、ガーニッシュ18を他の部材に組み合わせ、ガーニッシュ側取付部42のカバー第2取付片部45を補強板29の内側面に沿わせたうえ、リベットなどの固定具を取付孔46に挿入し、さらにガーニッシュ取付部67に挿入し、かしめなどして固定することにより行われる。
加えて、ガーニッシュ18のガーニッシュ本体部41を外側に押し込むと、このガーニッシュ本体部41の外側に突設した係合部43が、プロテクタ28の係合受部84を弾性的に変形させながら、この係合受部84の断面略コの字状の基部86内に押し込まれ、さらに、係合部43の先端に設けた爪部47が、係合受部84の係合孔87に係合して抜け止めされる。そして、この係合部43と係合受部84との係合により、ガーニッシュ18のガーニッシュ本体部41の下側部が、ブラケット26に連結されたプロテクタ28に支持される。
このようにして、図1に示すように、エアバッグ2、ガーニッシュ18、プロテクタ28、ヒンジ27、及び補強板29がブラケット26に取り付けられたモジュールであるエアバッグ装置1、いわばサブアッセンブリーされたカーテンエアバッグモジュールが構成され、このモジュールの状態で、保管、搬送、及び車体3への取付作業が可能になる。
そして、このモジュール化されたエアバッグ装置1を車体3に取り付ける際は、ブラケット26を、図示しないビスあるいはリベットなどの固着具を固定孔60に挿入して車体パネル15に固定して車体に取り付けるとともに、このブラケット26すなわちモジュールの取付作業の前後いずれかに、インフレータの接続管をエアバッグ2に接続するとともに、インフレータを車体3側に備えた制御装置に電気的に接続することにより、エアバッグ装置1の車体3への取付作業が完了する。
そして、このエアバッグ装置1及びヘッドライニング16を車体3へ取り付けた状態では、ガーニッシュ18のガーニッシュ側取付部42は、ヘッドライニング16により覆われて車室4側に露出しないとともに、ヘッドライニング16の面とガーニッシュ本体部41の面とがほぼ面一に連続するようになっている。
また、上記のようにエアバッグ装置1が構成された状態で、ガーニッシュ18は、ガーニッシュ本体部41の上側に設けたガーニッシュ側取付部42が補強板29及びヒンジ27を介してブラケット26に支持され、かつ、ガーニッシュ本体部41の下側から突設した係合部43がプロテクタ28を介してブラケット26に支持され、いわば、エアバッグ2の上下で、ガーニッシュ18がブラケット26に安定して支持され、仮にガーニッシュ18が熱により変形したような場合にも、ガーニッシュ18のぐらつきやエアバッグ2が外部に露出することが防止される。
次に、エアバッグ2の展開動作を説明する。
車両の側面衝突あるいは横転などの際には、制御装置によりインフレータが作動し、このインフレータから噴射されるガスが接続管を介しガス導入口からエアバッグ本体部31内の膨張部に導入される。すると、エアバッグ本体部31の膨張部は、図1に示す状態から、図2に示すように、ガーニッシュ18を押しのけながら膨張展開し、所定面に沿った所定方向である略下方に迅速にカーテン状に膨張展開して、窓部及びセンターピラーなどを覆い、乗員とセンターピラーなどとの衝突の衝撃を緩和するとともに、乗員の車外放出を防止して保護する。
また、このエアバッグ2の膨張展開の初期において、膨張展開するエアバッグ2がガーニッシュ18の係合部43のエアバッグ受部48に当接して係合部43を下方のガーニッシュ18が回転する力が伝わりやすい方向に押動する。すると、係合部43の下面の係合解除部49が係合受部84の下側の片部86bを押動し、この係合受部84の断面略コの字状の基部86を押し広げるように変形させるとともに、ガーニッシュ本体部41が回転するように移動して、爪部47が係合孔87から外れる。
そして、このエアバッグ2は、樹脂製のガーニッシュ18が弾性的に変形するとともに、ヒンジ27が、いわばU字が開く方向に塑性変形して、ガーニッシュ18が開く方向に回動する移動を許容し、エアバッグ2の展開初期の大きな衝撃を吸収し、エアバッグ2の突出口を円滑に形成し、エアバッグ2を円滑に展開させる。
このように、本実施の形態によれば、ルーフサイド部5に配置されるいわばカーテンエアバッグ装置であるエアバッグ装置1について、エアバッグ2の展開時に、エアバッグ2がガーニッシュ18を押動すると、樹脂製のガーニッシュ18が弾性的に変形するとともとに、ヒンジ27が変形してガーニッシュ18の移動を許容し、エアバッグ2の突出口を形成して、エアバッグ2を円滑に展開できる。
そして、エアバッグ2が細長く折り畳んで収納された通常時は、ガーニッシュ18は、ガーニッシュ本体部41の上側に設けたガーニッシュ側取付部42が補強板29及びヒンジ27を介してブラケット26に支持されるとともに、ガーニッシュ本体部41の下側から突設した係合部43がプロテクタ28を介してブラケット26に支持され、ガーニッシュ18の下側部が確実に固定されているため、仮にガーニッシュ18が熱により軟化して変形したような場合にも、長尺なガーニッシュ18のぐらつきやエアバッグ2が外部に露出することを防止して、ガーニッシュ18によりエアバッグ2を外観良く安定して覆うことができ、良好な外観を維持できる。
さらに、このエアバッグ装置1は、エアバッグ2、ヒンジ27、及びブラケット26などに加え、係合部43を設けたガーニッシュ18、及び係合受部84を設けたプロテクタ28を含み一体的に組み合わせてモジュール化されているため、エアバッグ装置1を車体3に取り付けた後のみならず、エアバッグ装置1を車体3に取り付ける前の保管、搬送、取付作業の過程などにおいても、長尺なガーニッシュ18をぐらつくことなく安定して支持し、ガーニッシュ18などの部材を保護できる。また、車体3側へ取り付ける部品点数を削減して、取付作業を容易にでき、エアバッグ装置1の車体3への取付作業のコストを低減できる。すなわち、細長く折り畳んだ長尺なエアバッグ2を備えたカーテンエアバッグであるエアバッグ装置1は、肩より上の作業が必要であるが、本実施の形態によれば、作業効率が良く、車両への組み付け作業性を向上して設置作業を容易にでき、肩より上の作業時間を削減して、作業者への負担を小さくできる。
そして、エアバッグ2の展開時には、エアバッグ2がガーニッシュ18を押動すると、係合部43が係合受部84から外れて、ガーニッシュ18の移動を許容し、エアバッグ2を円滑に展開できる。
特に、本実施の形態では、ガーニッシュ18の係合部43の上側には、エアバッグ2の膨張展開時にこのエアバッグ2に効率良く押圧される方向に向かう面状のエアバッグ受部48を備え、さらに、係合部43の下側には、ブラケット26の係合受部84を効率良く押圧する方向に向かう係合解除部49を設けたため、エアバッグ2が膨張展開する力を係合部43が確実に受け、かつ、係合受部84に伝えることができる。そこで、通常時は係合部43を係合受部84に安定して係合保持し、エアバッグ2の膨張展開時のみに、係合部43が係合受部84から円滑迅速にはずれる構成を実現できる。
また、ガーニッシュ18の係合部43の係合解除部49は、係合部43とガーニッシュ本体部41を連結するいわゆる三角リブとして形成することにより、係合部43の剛性を高めて補強できる。
また、エアバッグ装置1は、折り畳んだエアバッグ2の長手方向に沿って配置されるプロテクタ基板部81及びプロテクタ側板部82を設けたプロテクタ28を備えたため、エアバッグ2の収納時及び展開時に、エアバッグ2が車体パネル15などの車体3側の部材に干渉することを抑制して、エアバッグ2を保護できるとともに、展開過程においてエアバッグ2の展開方向を案内できる。そして、このプロテクタ28のプロテクタ側板部82の先端部に沿って、係合受部84を形成したため、構成を簡略化して、エアバッグ装置1の製造コストを低減できる。
また、ブラケット26とガーニッシュ18とを連結し、エアバッグ2の膨張展開時に変形するヒンジ27を備えたため、エアバッグ2の展開時にエアバッグ2がガーニッシュ18を押動すると、ヒンジ27が変形してガーニッシュ18の移動を許容し、エアバッグ2を円滑に展開させることができる。
このようにして、細長く折り畳んだ長尺なエアバッグ2を備えるとともに、このエアバッグ2を内装材であるガーニッシュ18で覆ったカーテンエアバッグについて、製造コストを低減できるとともに、展開特性を容易に良好にできる。
また、上記のように、ガーニッシュ18を安定して支持できるため、ガーニッシュ18及びヒンジ27を軟質材である樹脂でそれぞれ一体に形成することも可能となり、金属で形成する場合に比べ、製造コストの低減や軽量化が容易になる。また、ガーニッシュ18を樹脂にて形成したため、鉄板などで形成する構成に比べ、内装材として適した外観や衝撃吸収特性などの特性を容易に実現できる。
なお、上記の実施の形態において、エアバッグ2、ガーニッシュ18、ヒンジ27、係合部43を設けたブラケット26、係合受部84を設けたプロテクタ28、及び補強板29などの形状は、上記の構成に限られるものではない。例えば、図4に示すように、係合部43は、ガーニッシュ本体部41の外面から外側に大きく突設し、折り畳んで収納されたエアバッグの下側の全体に対向させることもできる。また、図5に示すように、係合部43は、ガーニッシュ本体部41の先端部である下端部、すなわちガーニッシュ18の先端部である下端部から外側に向かって延設するように突設することもできる。なお、これら図4及び図5において、図1ないし図3と同一の機能を有する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
また、上記の各実施の形態では、プロテクタ28の係合受部84の係合孔87は、貫通した孔として形成したが、この構成に限られず、例えば、爪部47が挿入される凹部として形成することもできる。
また、ヒンジ27は、補強板29と一体に形成しても良く、あるいは、ブラケット26と一体に形成して、部品点数を削減し、製造コストを削減することもできる。
また、エアバッグ2の取付片部32は、ブラケット26の取付受部51の外側面に沿って取り付ける他、取付片部32を取付受部51に巻き付けるなどして、ブラケット26の取付受部51の内側面に沿って取り付けることもできる。
また、ガーニッシュ18は、エアバッグ2の全長にわたり一体に形成する他、長手方向などに分割して形成することもできる。
また、エアバッグ2は、上側から下側に向かって展開して自動車の側方の窓部を覆う構成に限られず、所定面に沿って面状すなわちカーテン状に膨張展開する適宜のエアバッグ装置に適用できる。
本発明は、例えば、自動車の側部の窓部に沿って展開するカーテンエアバッグ装置と呼ばれるエアバッグ装置に適用できる。
本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す通常時の断面図である。 同上エアバッグ装置の展開過程を示す断面図である。 同上エアバッグ装置を模式的に示す分解斜視図である。 本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態を示す断面図である。 本発明のエアバッグ装置のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
1 エアバッグ装置
2 エアバッグ
3 車体
4 車室
15 被取付部材を構成する車体パネル
18 カバー体としてのガーニッシュ
26 ブラケット
27 ヒンジ
28 プロテクタ
30 支持体
41 本体部としてのガーニッシュ本体部
42 取付部としてのガーニッシュ側取付部
43 係合部
48 エアバッグ受部
81 プロテクタ基板部
84 係合受部

Claims (4)

  1. 細長く折り畳まれた状態からガスが導入されて膨張展開するエアバッグと、
    被取付部材に取り付けられる支持体と、
    折り畳まれた状態の前記エアバッグを長手方向に沿って覆う本体部、この本体部の長手方向に沿った一側に設けられた取付部、及び前記本体部の長手方向に沿った他側に設けられた係合部を備えたカバー体と、
    前記支持体に設けられ、前記カバー体の前記取付部を支持するとともに、前記エアバッグの展開時に変形して前記カバー体の移動を許容するヒンジと、
    前記支持体に設けられ、前記係合部に係脱可能に係合し、前記エアバッグの非展開時に前記係合部を介して本体部を支持し、前記エアバッグの展開時に前記係合部の係合を解除して本体部の移動を許容する係合受部と
    前記支持体に設けられ、前記ヒンジと前記エアバッグとの間にこのエアバッグの長手方向に沿って配置される板状の基板部と
    を具備することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 支持体は、
    ヒンジが取り付けられるとともに、被取付部材に取り付けられるブラケットと、
    このブラケットに取り付けられ、折り畳まれた状態のエアバッグの長手方向に沿って配置される案内部、基板部、及び係合受部を備えたプロテクタと
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 係合部は、エアバッグの膨張展開時にこのエアバッグに押圧されるエアバッグ受部を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置。
  4. カバー体は、車両の内装材であり、ブラケットは、車両の車室の側部に位置して車体に固定され、エアバッグは、前記車室の側部に沿って展開する
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のエアバッグ装置。
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