JP4093140B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

Description

本発明は、自動車に搭載される頭部保護エアバッグ装置に関し、詳しくは、エアバッグ、折り畳んだエアバッグを覆うルーフレールガーニッシュ、及び、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターが、一体的にエアバッグ組付体として組み付けられた状態で、車両に搭載される頭部保護エアバッグ装置に関する。

従来、この種の頭部保護エアバッグ装置としては、エアバッグ、ルーフレールガーニッシュ、及び、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、を備えて構成されるものが知られていた（例えば、特許文献１参照）。

このエアバッグ装置では、エアバッグが、車内側のサイドウインドの上縁側で、前後方向に沿うように、折り畳まれて配設される。ルーフレールガーニッシュは、折り畳まれたエアバッグの車内側を覆う一枚の板状として、ルーフヘッドライニングとサイドウインドとの間の前後方向にわたる領域に配置され、サイドウインドの車内側を覆うようにエアバッグが展開膨張する際に、エアバッグに押されて開く扉部を下縁側に備えていた。

そして、このエアバッグ装置では、エアバッグ、ルーフレールガーニッシュ、及び、インフレーターが、一体的にエアバッグ組付体として組み付けられた状態で、車両に搭載されていた。

また、エアバッグ組付体として車両に搭載される頭部保護エアバッグ装置としては、エアバッグの展開膨張時に、ルーフレールガーニッシュの全体が、エアバッグに押されて、車内側に開くものがあった（例えば、特許文献２参照）。
特開２００１−３３４９０２公報 特開平９−２４０４０９号公報（図１・２）

しかし、特許文献１の頭部保護エアバッグ装置では、折り畳んだエアバッグが、下端側や車外側の側面を露出させた状態で、エアバッグ組付体として組み付けられていることから、エアバッグ組付体として組み付けた後から、エアバッグ組付体を車両に搭載するまでの、エアバッグ組付体の保管や運搬等の取り扱い時、エアバッグ自体が傷付かないように、管理する必要が生じていた。

一方、特許文献２に記載の頭部保護エアバッグ装置では、ルーフレールガーニッシュが、車内側の面でエアバッグを保持して、折り畳まれたエアバッグの全長に沿うような長尺の固定部と、折り畳まれたエアバッグの車内側を覆うガーニッシュ本体と、を備えており、エアバッグ組付体を形成した際、折り畳まれたエアバッグは、ルーフレールガーニッシュの固定部とガーニッシュ本体とによって、エアバッグが、車内側と車外側とを含めた周囲を、囲まれる状態となることから、車両搭載までのエアバッグの傷付け防止対策を、別途、考慮しなくとも良かった。

しかし、この特許文献２に記載の頭部保護エアバッグ装置では、車両搭載後のエアバッグの展開膨張時、ガーニッシュ本体の上下方向の全体が、ガーニッシュ本体の上縁を回転中心として、車内側に開くことから、作動時におけるルーフレールガーニッシュの車内側への突出量が、大きく、室内空間の狭い車両には、搭載し難かった。

本発明は、上述の課題を解決するものであり、車両搭載時までのエアバッグの保護を図れるとともに、作動時のルーフレールガーニッシュの車内側への突出量を抑えることができる頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。

本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車内側のサイドウインドの上縁側で、前後方向に沿うように、折り畳まれて配設されるエアバッグと、
折り畳まれたエアバッグの車内側を覆って、ルーフヘッドライニングとサイドウインドとの間の前後方向にわたる領域に配置され、サイドウインドの車内側を覆うようにエアバッグが展開膨張する際に、エアバッグに押されて開く扉部を下縁側に有した一枚板状のルーフレールガーニッシュと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
を備えて構成されるとともに、
エアバッグ、ルーフレールガーニッシュ、及び、インフレーターが、一体的にエアバッグ組付体として組み付けられた状態で、車両に搭載される頭部保護エアバッグ装置であって、
エアバッグ組付体が、扉部の車外側面からエアバッグの車外側までのエアバッグの下端面を覆う底壁部と、底壁部の車外側端から上方に延びて、エアバッグの車外側の側面を覆う側壁部と、を有したカバー部を、折り畳まれたエアバッグの略全長にわたって、備えて構成され、
カバー部の側壁部の上部が、折り畳まれたエアバッグの上部側で、ルーフレールガーニッシュにおける扉部から離れた上方の車外側の部位に、連結されていることを特徴とする。

本発明に係る頭部保護エアバッグ装置のエアバッグ組付体では、折り畳まれたエアバッグの略全長にわたって配設されるカバー部が、底壁部により、扉部の車外側面からエアバッグの車外側までのエアバッグの下端面を覆い、また、側壁部により、エアバッグの車外側の側面を覆う。そして、カバー部では、側壁部の上部が、折り畳まれたエアバッグの上部側で、ルーフレールガーニッシュにおける扉部から離れた上方の車外側の部位に、連結されていることから、この連結部位により、折り畳まれたエアバッグは、カバー部の側壁部から上方に突出せず、かつ、外部からの干渉物が、折り畳まれたエアバッグに干渉することも、防止される。

すなわち、折り畳まれたエアバッグは、車内側の側面、下面、及び、車外側の側面の三方が、ルーフレールガーニッシュの扉部付近、カバー部の底壁部、及び、カバー部の側壁部、によって覆われ、さらに、側壁部の上部側におけるルーフレールガーニッシュとの連結部位によって、外部からの干渉物の干渉を防止され、かつ、エアバッグのカバー部からの飛び出しも規制されることから、運搬中等に、エアバッグが傷付くことが、防止される。

なお、カバー部の側壁部の上部側におけるルーフレールガーニッシュとの連結部位は、折り畳まれたエアバッグの上部側で、連続的に設けてもよいが、エアバッグの飛び出しを防止できれば、断続的な複数箇所に設けるだけでもよい。

また、エアバッグ組付体が車両に搭載された後、エアバッグが展開膨張しても、ルーフレールガーニッシュは、下縁側の扉部を、エアバッグに押されて開くだけで、上下方向の全幅を車内側に開かせるわけでないことから、車内側への突出量を抑えることができる。

したがって、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、車両搭載時までのエアバッグの保護を図れるとともに、作動時のルーフレールガーニッシュの車内側への突出量を抑えることができる。

そして、請求項１に記載したように、折り畳まれたエアバッグは、エアバッグの上縁側に配設された取付部と、カバー部の側壁部の上部とを、ルーフレールガーニッシュの組付部に対して共締めさせて、エアバッグ組付体を形成するように構成することが望ましい。

このような構成では、カバー部の側壁部の上部におけるルーフレールガーニッシュへの連結時に、エアバッグを共締めして、ルーフレールガーニッシュに取り付けることができることから、エアバッグ組付体の組付部品点数や組付作業の工数・コストを低減することができる。

この場合、請求項２に記載したように、折り畳まれたエアバッグは、取付部と、カバー部の側壁部の上部とを、ルーフレールガーニッシュの組付部に対して共締めさせ、ルーフレールガーニッシュだけに連結固定されて、車両に搭載される構成としてもよい。

このような構成では、エアバッグを、直接、車体に取り付ける作業を省略することができる。

また、カバー部は、底壁部の車内側端を、ルーフレールガーニッシュの扉部の車外側面に対して、エアバッグの展開膨張時に分離可能に、連結させ、側壁部の上部を、ルーフレールガーニッシュに対して、エアバッグの展開膨張時に分離不能に、連結させることが望ましい。

このように構成されていれば、エアバッグの展開膨張時以外には、カバー部の底壁部が、ルーフレールガーニッシュの扉部と連結され、底壁部と扉部との連結部位からの異物の侵入を防止することができる。そして勿論、カバー部は、エアバッグの展開膨張時、側壁部が、ルーフレールガーニッシュと分離しないように、連結されており、車内側等へ飛散する虞れがない。

この場合、カバー部は、ルーフレールガーニッシュと一体成形して形成し、底壁部の車内側端と扉部とを、破断可能な薄肉の破断予定部によって、連結させてもよい。

このような構成では、エアバッグ組付体の組付時、破断予定部を介在させて、既に、カバー部とルーフレールガーニッシュとが連結されていることから、カバー部は、側壁部の上部側におけるルーフレールガーニッシュとの連結作業だけで、エアバッグ組付体に、組み付けることができ、エアバッグ組付体自体の組付作業を、簡便に行うことができる。

但し、カバー部が、ルーフレールガーニッシュと別体として、形成されている場合には、カバー部を交換して使用することが可能となり、例えば、車内側意匠を同一とするように、ルーフレールガーニッシュの意匠面側を同一としていても、車体側の形状が異なっているような場合に、カバー部の側壁部から突出して車体側に支持させるリブを、その形状の異なった車体側に対応できるように、カバー部を交換することができる。このような車体が変更された際のリブ形状の対応は、例えば、ピラー部の上方部位で、エアバッグの展開膨張初期に、エアバッグを、車内側へ略水平方向に突出させて、ピラーガーニッシュの車内側に侵入しないように、展開膨張させる場合に、有益となる。

そして、カバー部を、ルーフレールガーニッシュと別体として、形成する場合には、底壁部の車内側端と扉部とを、外れ可能に相互に係合する係合部によって、連結させるように構成することが望ましい。

このように構成されていれば、カバー部が、ルーフレールガーニッシュと別体としていても、係合部相互の係合によって、エアバッグの展開膨張時以外には、カバー部の底壁部が、ルーフレールガーニッシュの扉部と連結され、底壁部と扉部との連結部位からの異物の侵入を防止することができる。

そして、カバー部は、ルーフレールガーニッシュの全長にわたって、断続的に配設されていてもよい。すなわち、エアバッグの保護を図れる範囲内で、カバー部の底壁部を配設させていない部位を設けてもよい。このような構成では、カバー部の非配設部位において、展開膨張時のエアバッグが、カバー部の底壁部との干渉を無くして、下方へ迅速に展開することができる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図１に示す第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ１は、車内側のサイドウインドＷ１・Ｗ２の上縁側周縁におけるフロントピラー部ＦＰから、中間ピラー部であるセンターピラー部ＣＰの上方のルーフサイドレール部ＲＲを経て、リヤピラー部ＲＰの上部付近にかけて、折り畳まれたエアバッグ４１を長く配設させて、構成されている。

なお、本明細書での上下・前後・左右の関係は、頭部保護エアバッグ装置が車両に搭載された状態を基準とするもので、搭載時の車両Ｖの上下・前後・左右の関係と一致するものである。

頭部保護エアバッグ装置Ｍ１は、エアバッグ４１、インフレーター４８、及び、ルーフレールガーニッシュ１９、を備えて構成され、予め、エアバッグ組付体Ａ１として組み付けられて、車両Ｖに搭載される。

エアバッグ４１は、ポリアミド・ポリエステル等の糸から袋織りにより形成されて、図１・７に示すように、インフレーター４８からの膨張用ガスを流入させて膨らむ略長方形板状のガス流入部４２を備えて構成され、上縁４１ａ側には、エアバッグ４１をルーフレールガーニッシュ１９に取り付けるための複数の取付部４４が、配設されている。また、ガス流入部４２の前後方向の中間部位には、上方に屈曲して延びてインフレーター４８と接続される筒形状の接続口部４３が、配設されている。

各取付部４４には、取付孔４４ａが配設されるとともに、取付ブラケット４６（図１・２参照）が取り付けられている。各取付ブラケット４６は、取付部４４の車内側Ｉと車外側Ｏとに配置される略長方形の板金製の二枚の外・内プレート４６ａ・４６ｂから構成され、各プレート４６ａ・４６ｂには、取付孔４４ａに対応した形状の貫通孔４６ｃが形成されている。これらのプレート４６ａ・４６ｂは、取付部４４を間に挟んで、車内側若しくは車外側に部分的に突出させるように塑性変形させることにより、取付部４４に固定されている。そして、各取付部４４は、取付孔４４ａと貫通孔４６ｃとに埋め込みボルト２４ｂを貫通させ、ボルト２４ｂにナット２５を締め付けることにより、ルーフレールガーニッシュ１９の組付部２４における組付座２４ａに、取り付けられている。

インフレーター４８は、図１・３・７・８に示すように、クランプ５０を利用して、エアバッグ４１の接続口部４３と接続され、板金製の二つの取付ブラケット４９を利用して、ルーフレールガーニッシュ１９に固定されている。各取付ブラケット４９は、インフレーター４８を挟持するような円環状として、上端側の取付孔４９ａに埋め込みボルト２６ｂを貫通させて、ボルト２６ｂにナット２７を締め付けることにより、ルーフレールガーニッシュ１９の組付部２６における組付座２６ａに、取り付けられている。また、インフレーター４８は、ブラケット４９を利用してルーフレールガーニッシュ１９に取り付けられる際、下部側を、ルーフレールガーニッシュ１９の支持部２８により、支持されて取り付けられている。

ルーフレールガーニッシュ１９は、図１に示すように、ルーフヘッドライニング５とサイドウインドＷ１・Ｗ２との間で、車両Ｖの前後方向に沿って配設されている。そして、実施形態の場合、車内側のサイドウインドＷ１・Ｗ２の上縁側周縁におけるフロントピラー部ＦＰから、中間ピラー部であるセンターピラー部ＣＰの上方のルーフサイドレール部ＲＲを経て、リヤピラー部ＲＰの上部と後縁とにかけて、配設されている。このガーニッシュ１９は、図１〜５・８に示すように、ＰＣ（ポリカーボネート）／ＡＢＳ、フィラー入りポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製として、若干湾曲しているものの、略上下方向に延びた断面の一枚の平板状とし、かつ、前後方向に延びた意匠パネル部２０を備え、意匠パネル部２０の下縁側の全域には、エアバッグ４１の展開膨張時にエアバッグ４１に押されて開く扉部２２が、設けられて構成されている。扉部２２の上縁側には、撓み易いように、薄肉としたヒンジ部２１が配設されている。

なお、実施形態では、意匠パネル部２０には、適宜、車内側Ｉの表面２０ａ側に、表皮を設けてもよい。また、実施形態の場合、ガーニッシュ１９の前部が、フロントピラー部ＦＰの車内側を覆うフロントピラーガーニッシュ４を構成しているが、フロントピラーガーニッシュは、ルーフレールガーニッシュ１９と、別体で、形成して、折り畳まれたエアバッグ４１の前端側の一部を覆うようにしてもよい。ちなみに、このようなフロントピラーガーニッシュをルーフレールガーニッシュ１９と別体で形成する場合には、エアバッグ４１の前端の取付部４４と取付ブラケット４６とは、直接、フロントピラー部ＦＰのボディ１側のインナパネル２にボルト止めすればよい。

そして、意匠パネル部２０の裏面側となる車外側Ｏの面２０ｂには、組付部２４・２６・支持部２８、及び、取付部３０が、車外側Ｏに突設されている。組付部２４は、エアバッグ４１の各取付部４４を取り付ける部位であり、略四角柱状に車外側Ｏに突出した組付座２４ａを備えるとともに、組付座２４ａから埋め込みボルト２４ｂを車外側Ｏへ突設させて、構成されている。組付部２６は、インフレーター４８を挟持した各取付ブラケット４９を取り付ける部位であり、略四角柱状に車外側Ｏに突出した組付座２６ａを備えるとともに、組付座２６ａから埋め込みボルト２６ｂを車外側Ｏへ突設させて、構成されている。支持部２８は、インフレーター４８の下部を支持可能な半割円筒状として、意匠パネル部２０の裏面２０ｂ側から湾曲状に突出している。

取付部３０は、図４・９に示すように、ルーフレールガーニッシュ１９を、車両Ｖの車体（ボディ）１側に取り付ける部位となり、意匠パネル部２０の裏面２０ｂ側の６箇所に配設されて、それぞれ、パネル部２０の取付座３０ｈに埋設されて車外側Ｏに突出する金属製の係止軸３０ａと、係止軸３０ａに係止させるゴム若しくは軟質合成樹脂からなる係止キャップ３０ｄと、を備えて構成されている。係止軸３０ａは、首部３０ｃの先端に半径方向に膨出した頭部３０ｂを備えて構成されている。係止キャップ３０ｄは、頭部３０ｂに係止可能な略円筒状として、先端側の厚肉の係止部３０ｅと、係止部３０ｅの元部側外周の係止溝３０ｆと、係止キャップ３０ｄの元部側外周に配置される凹溝３０ｇとを備えて構成されている。この取付部３０は、係止軸３０ａに係止キャップ３０ｄを外装させた状態で、係止溝３０ｆの位置まで、インナパネル２に設けられた取付孔２ａに挿入させて、取付孔２ａの車外側Ｏの周縁に、係止軸頭部３０ｂに係止された状態の係止キャップ係止部３０ｅを係止させて、インナパネル２に取り付けることとなる。この取付状態では、ルーフレールガーニッシュ１９が車内側Ｉに強く引っ張られても、図９のＢに示すように、係止キャップ係止部３０ｅの弾性変形分、ルーフレールガーニッシュ１９が車内側Ｉに移動するだけで、係止軸頭部３０ｂと係止キャップ係止部３０ｅとが、取付孔２ａから抜けず、強固に取付部３０をインナパネル２に取り付けることができる。

なお、メンテナンス等で、取付部３０をインナパネル２から取り外す場合には、まず、係止キャップ３０ｄの凹溝３０ｇの部位が取付孔２ａの内周面に配置されるまで、取付部３０を車外側Ｏに押し込む。すると、係止軸３０ａの頭部３０ｂを係止キャップ３０ｄから引き抜き可能に、係止キャップ３０ｄの内径寸法が形成されているため、係止キャップ３０ｄを取付孔２ａの周縁に係止させた状態で、係止キャップ３０ｄや取付孔２ａから係止軸３０ａを引き抜くことができて、ガーニッシュ１９をインナパネル２から取り外すことが可能となる。

そして、これらの組付部２４・支持部２８・取付部３０は、意匠パネル部２０の上下方向の略中央付近に配置されて、これらの組付部２４・支持部２８・取付部３０の直下に、開き時の扉部２２の回転中心となるヒンジ部２１が、形成されている。

また、意匠パネル部２０は、図１・５・６・８に示すように、前席と後席との乗員用のアシストグリップ１１を配設させるために、車外側Ｏに凹んだ取付座３２が２箇所に形成されている。各取付座３２は、車内側Ｉから見て、逆Ｕ字状に凹溝を設けたように形成されて、それぞれ、長方形に開口して表裏を貫通する貫通孔３２ａが、形成されている。

なお、アシストグリップ１１は、図１・５・６・１０に示すように、サイドウインドＷ１・Ｗ２の上縁側におけるルーフサイドレール部ＲＲの車内側Ｉ、すなわち、ルーフレールガーニッシュ１９の配置領域に配置され、乗員が把持するための逆Ｕ字状の把持部１２と、把持部１２の前後方向の両端に配置される固定部１３と、を備えて構成されている。各固定部１３は、それぞれ、ヒンジ機構１７を介在させて、把持部１２の端部と回動可能に連結されるベース１４と、係止片１５と、キャップ１６と、を備えて構成されている。ヒンジ機構１７は、一つのアシストグリップ１１における二つの固定部１３の内、一方の固定部１３に配設されるものが、ダンパ機構を内蔵し、他方の固定部１３に配設されるものが、把持部１２を回転させた後の復帰用のばね材を内蔵して、構成されている。そして、把持部１２は、使用時、図５の二点鎖線に示すように、ヒンジ機構１７の部位を回転中心として回転させて、車内側Ｉに引き出して使用する。

ベース１４は、図６・１０に示すように、合成樹脂製として、ヒンジ機構１７を下端側に配置させるとともに、長方形状に開口して、略車内外方向に沿って貫通する貫通孔１４ａを備えて、構成されている。貫通孔１４ａには、係止片１５が貫通されている。ベース１４の車内側Ｉには、キャップ１６を係止可能な複数の係止爪１４ｂが突設されている。

キャップ１６は、合成樹脂製として、把持部１２を回転させて引き出した際、車内側Ｉに露出する。そして、キャップ１６は、ベース１４の係止爪１４ｂに係止される係合部１６ａを備えるとともに、ベース１４との係合時に係止片１５の側壁部１５ｂ・１５ｂ間に挿入されるスペーサ部１６ｂ・１６ｂを備えて、構成されている。スペーサ部１６ｂは、係止片１５の側壁部１５ｂ・１５ｂ間を接近させないように規制するものであり、係止片１５のインナパネル２への固定を安定させるためのものである。

係止片１５は、板ばねを曲げて断面略Ｕ字形となるように、先端部１５ａを丸くし、かつ、先端部１５ａから二又状に分岐するように、側壁部１５ｂ・１５ｂを設けて、構成されている。そして、各側壁部１５ｂには、外側に切り起こして突出させた係止突起１５ｃと、係止突起１５ｃの車内側端と対向するように外側に切り起こして形成した押え突起１５ｄと、が形成されている。係止片１５は、ボディ１のインナパネル２に設けられた取付孔２ｂに挿入された際、係止突起１５ｃが、取付孔２ｂを撓んで通過した後に復元することにより、取付孔２ｂの周縁を係止突起１５ｃと押え突起１５ｄとの間に配置させて、インナパネル２に対し、車内側Ｉへの移動や車外側Ｏへの移動を規制されて、強固に固定されることとなる。そして、係止片１５の車内側Ｉの端部１５ｅ・１５ｅは、係止片１５を取付孔２ｂから引き抜く際に、側壁部１５ｂ・１５ｂを相互に接近させて、各係止突起１５ｃ・１５ｃを取付孔２ｂの周縁から取付孔２ｂ内に配置させるように、把持する把持部としている。

なお、インナパネル２から係止片１５を外すために側壁部１５ｂ・１５ｂ相互を接近させる際には、キャップ１６を外して、側壁部１５ｂ・１５ｂ間に配置させていたキャップ１６のスペーサ部１６ｂを、側壁部１５ｂ・１５ｂ間から引き出して行なえばよく、そして、係止片１５を外せば、アシストグリップ１１を取り外すことができ、さらに、ガーニッシュ１９をインナパネル２から取り外すことも可能となる。

そして、このルーフレールガーニッシュ１９は、図１〜５・８に示すように、扉部２２付近の車外側Ｏに、カバー部３４を、一体成形して、形成している。カバー部３４は、断面Ｌ字状となる底壁部３５と側壁部３６とを備えて、折り畳まれたエアバッグ４１の全長の下面４１ｃ側と車外側Ｏの面４１ｄとを覆い可能に、意匠パネル部２０の略全長の裏面２０ｂ側に、配設されている。底壁部３５は、扉部２２の車外側Ｏの面２２ｂから折り畳まれたエアバッグ４１の車外側Ｏまでのエアバッグ４１の下端面４１ｃを覆うように配設され、側壁部３６は、底壁部３５の車外側端３５ｂから上方に延びて、折り畳まれたエアバッグ４１の車外側Ｏの側面４１ｄを覆うように配設されている。

そして、側壁部３６の上端には、ガーニッシュ１９の各組付座２４と対向するように、連結部３７が上方に突設されている。各連結部３７には、埋め込みボルト２４ｂを挿通させる連結孔３７ａが形成されている。これらの連結部３７は、エアバッグ４１の取付部４４と取付ブラケット４６との孔４４ａ・４６ｃを貫通させたボルト２４ｂを、さらに、連結孔３７ａも貫通させて、ボルト２４ｂにナット２５を締め付けることにより、エアバッグ４１の取付部４４とともに、ガーニッシュ１９の組付部２４に対して、共締めされている。

また、側壁部３６の車外側Ｏの面には、センターピラー部ＣＰとリヤピラー部ＲＰとの上方に配置される部位に、車外側Ｏに突出する複数のリブ３６ａが、形成されている（図３・８参照）。これらのリブ３６ａは、ガーニッシュ１９の車両Ｖへの搭載時、ボディ１側のインナパネル２に当接されている。これらのリブ３６ａは、つぎのような目的のために配設されている。すなわち、エアバッグ４１の展開膨張初期には、エアバッグ４１が、ピラー部ＣＰ・ＲＰのガーニッシュ７・６の車外側Ｏに侵入せず、車内側Ｉの略水平方向から若干下方向きに突出するように、ピラー部ＣＰ・ＲＰで、捩られて収納されており、そのエアバッグ４１の展開膨張初期に、側壁部３６を変形させずに強固に支持するために、リブ３６ａが、配設されている。

そしてまた、実施形態のカバー部３４では、図２〜５に示すように、底壁部３５の車内側端３５ａが、ガーニッシュ１９の扉部２２における車外側面２２ｂに対して、破断可能な薄肉の破断予定部３９を介在させて、連結されている。

つぎに、第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ１の車両への搭載について説明すると、まず、図８に示すように、ガーニッシュ１９、カバー部３４、エアバッグ４１、取付ブラケット４６・４９、及び、インフレーター４８、を組み付けたエアバッグ組付体Ａ１を形成する。このエアバッグ組付体Ａ１の形成時には、最初に、エアバッグ４１を折り畳む。このエアバッグ４１を折り畳む際には、図７に示すように、非膨張状態の平らに展開した状態から、下縁４１ｂ側を上縁４１ａ側に接近させるように、山折り・谷折りの折目Ｃ（図２〜５参照）を付けて蛇腹折りする。エアバッグ４１を折り畳んだ後には、破断可能な折り崩れ防止用の図示しないテープ材を所定間隔でエアバッグ４１に巻き付けるとともに、各取付部４４にそれぞれ取付ブラケット４６を取り付け、さらに、クランプ５０を利用して、接続口部４３に、ブラケット４９を取付済みのインフレーター４８を、連結させる。なお、ピラー部ＣＰ・ＲＰの上方に配置されるエアバッグ４８の部位では、下縁４１ｂ側を車内側Ｉに向かせるように、捩って、その状態を、図示しないテープ材を巻き付けて維持させておく。

そして、カバー部３４の側壁部３６の上端側を車外側Ｏに開いて、折り畳んだエアバッグ４８を、カバー部３４の底壁部３５の上面側に配置するとともに、各取付部４４やブラケット４６の取付孔４４ａ・貫通孔４６ｃに、組付部２４のボルト２４ｂを挿通させ、さらに、側壁部３６を戻して、側壁部３６の上端の各連結部３７の連結孔３７ａにボルト２４ｂを挿通させ、各ボルト２４ｂにナット２５を締結する。また、インフレーター４８を支持部２８上に配置させるとともに、各ブラケット４９の取付孔４９ａに組付部２６のボルト２６ｂを挿通させ、各ボルト２６ｂにナット２７を締結する。その結果、カバー部３４を一体成形したガーニッシュ１９に対して、エアバッグ４１やインフレーター４８、を組み付けたエアバッグ組付体Ａ１を形成することができる。

そして、このエアバッグ組付体Ａ１の車両Ｖへの搭載は、係止軸３０ａに係止キャップ３０ｄを外装させた状態の各取付部３０を使用して、単に、係止溝３０ｆの位置まで、インナパネル２に設けられた取付孔２ａに挿入させて、取付孔２ａの車外側Ｏの周縁に、係止軸頭部３０ｂに係止された状態の係止キャップ係止部３０ｅを係止させて、インナパネル２に取り付ければ、エアバッグ組付体Ａ１を車両Ｖに搭載することができる。

ついで、各アシストグリップ１１のキャップ１６や係止片１５をベース１４に取付済みの固定部１３における係止片１５を、取付座３２の貫通孔３２ａを経て、インナパネル２の取付孔２ｂに挿入させて係止させれば、各固定部１３が、貫通孔３２ａ周縁の取付座３２を押えて、インナパネル２に固定され、頭部保護エアバッグ装置Ｍ１を車両Ｖに搭載することができる。

なお、エアバッグ組付体Ａ１の車両Ｖへの搭載時には、インフレーター４８に、エアバッグ制御回路から延びる図示しない作動信号入力線を結線させておく。また、エアバッグ装置Ｍ１の車両Ｖへ組付け前には、ルーフヘッドライニング５を、車両Ｖに組み付けておき、そして、エアバッグ装置Ｍ１の車両Ｖへの組付け後には、センターピラーガーニッシュ７やリヤピラーガーニッシュ６を、取り付けることとなる。

頭部保護エアバッグ装置Ｍ１の車両Ｖへの搭載後、インフレーター４８が作動されれば、インフレーター４８から膨張用ガスが吐出され、接続口部４３を経てエアバッグ４１のガス流入部４２内に膨張用ガスが流入されて、エアバッグ４１が、膨張し、図示しないテープ材を破断させるとともに、図１〜５の二点鎖線に示すように、ルーフレールガーニッシュ１９の扉部２２を押し開いて、サイドウインドＷ１・Ｗ２やピラー部ＣＰ・ＲＰの車内側Ｉを覆うように、展開膨張することとなる。なお、エアバッグ４１の展開膨張時、扉部２２は、破断予定部３９を破断させて、ヒンジ部２１を回転中心として、車内側Ｉに開き、カバー部３４の底壁部３５は、車内側端３５ａを下方に下げるように、若干、下開きの状態となる。

そして、第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ１のエアバッグ組付体Ａ１では、折り畳まれたエアバッグ４１の全長にわたって配設されるカバー部３４が、底壁部３５により、扉部２２の車外側面２２ｂからエアバッグ４１の車外側Ｏまでのエアバッグ４１の下端面４１ｃを覆い、また、側壁部３６により、エアバッグ４１の車外側Ｏの側面４１ｄを覆っている。そして、カバー部３４では、側壁部３６の上部の連結部３７が、折り畳まれたエアバッグ４１の上部側で、ルーフレールガーニッシュ１９における扉部２２から離れた上方の車外側Ｏの部位２４に、連結されていることから、この連結部位２４・３７により、折り畳まれたエアバッグ４１は、カバー部３４の側壁部３６から上方に突出せず、かつ、外部からの干渉物が、折り畳まれたエアバッグ４１に干渉することも、防止される。

すなわち、折り畳まれたエアバッグ４１は、車内側Ｉの側面４１ｅ、下面４１ｃ、及び、車外側Ｏの側面４１ｄの三方が、ルーフレールガーニッシュ１９の扉部２２付近、カバー部３４の底壁部３５、及び、側壁部３６、によって覆われ、さらに、側壁部３６の上部側におけるルーフレールガーニッシュ１９との連結部位２４・３７によって、外部からの干渉物の干渉を防止され、かつ、エアバッグ４１のカバー部３４からの飛び出しも規制されることから、運搬中等に、エアバッグ４１が傷付くことが、防止される。

また、エアバッグ組付体Ａ１が車両Ｖに搭載された後、エアバッグ４１が展開膨張しても、ルーフレールガーニッシュ１９は、下縁側の扉部２２を、エアバッグ４１に押されて開くだけで、上下方向の全幅を車内側Ｉに開かせるわけでないことから、車内側Ｉへの突出量を抑えることができる。

したがって、第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ１では、車両Ｖへの搭載時までのエアバッグ４１の保護を図れるとともに、作動時のルーフレールガーニッシュ１９の車内側Ｉへの突出量を抑えることができる。

そして、第１実施形態では、エアバッグ４１の上縁４１ａ側に配設された取付部４４が、カバー部３４の連結部３７におけるガーニッシュ１９の組付部２４への連結時に、共締めされて、エアバッグ組付体Ａ１が、形成されている。そのため、このような構成では、カバー部３４の側壁部３６における上部の連結部３７のルーフレールガーニッシュ１９への連結時に、エアバッグ４１の取付部４４を共締めして、ルーフレールガーニッシュ１９に取り付けることができることから、別々に取り付ける場合に比べて、エアバッグ組付体Ａ１の組付部品点数や組付作業の工数・コストを低減することができる。

さらに、第１実施形態では、折り畳まれたエアバッグ４１は、取付部４４を、カバー部３４の側壁部３６の上部３７におけるルーフレールガーニッシュ１９への連結時に共締めさせて、ルーフレールガーニッシュ１９だけに連結固定されて、車両Ｖに搭載されている。そのため、このような構成では、エアバッグ４１を、直接、車体１に取り付ける作業を省略することができる。

また、第１実施形態では、カバー部３４が、底壁部３５の車内側端３５ａを、ルーフレールガーニッシュ１９の扉部２２の車外側面２２ｂに対し、破断予定部３９を介在させて、エアバッグ４１の展開膨張時に分離可能に、連結させ、側壁部３６の上部３７を、ルーフレールガーニッシュ１９に対し、ボルト２４ｂとナット２５とを利用して、エアバッグ４１の展開膨張時に分離不能に、連結させている。

このように構成されていれば、エアバッグ４１の展開膨張時以外には、カバー部３４の底壁部３５が、ルーフレールガーニッシュ１９の扉部２２と連結されることから、底壁部３５と扉部２２との連結部位３９からの異物の侵入を防止することができる。そして勿論、カバー部３４は、エアバッグ４１の展開膨張時、側壁部３６が、連結部３７の組付部２４への連結により、ルーフレールガーニッシュ１９と分離しないことから、車内側Ｉ等へ飛散する虞れがない。

特に、第１実施形態では、カバー部３４が、ルーフレールガーニッシュ１９と一体成形して形成され、底壁部３５の車内側端３５ａと扉部２２とが、破断可能な薄肉の破断予定部３９によって、連結されている。そのため、エアバッグ組付体Ａ１の組付時、破断予定部３９を介在させて、既に、カバー部３４とルーフレールガーニッシュ１９とが連結されていることから、カバー部３４は、側壁部３６の上部３７側のルーフレールガーニッシュ１９との連結作業だけで、エアバッグ組付体Ａ１に、組み付けることができ、エアバッグ組付体Ａ１自体の組付作業を簡便に行うことができる。

なお、第１実施形態では、エアバッグ４１の各取付部４４を、ルーフレールガーニッシュ１９だけに取り付けて、直接、ボディ１側に固定させていないが、図１１〜１４に示す第２実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ２のように、エアバッグ４１の上縁４１ａ側に配設された取付部４４を、ルーフレールガーニッシュ１９Ａに仮止めさせて、エアバッグ組付体Ａ２の車両Ｖへの搭載時に、ルーフレールガーニッシュ１９Ａと共締めさせて、折り畳んだエアバッグ４１をボディ（車体）１側に固定させてもよい。

この第２実施形態では、図１２に示すように、第１実施形態の取付部３０と同様な構造の取付部３０Ａを利用して、エアバッグ４１の取付部４４を、ガーニッシュ１９Ａに仮止めして、ボディ１に固定している。すなわち、この取付部３０Ａは、係止軸３０ａの首部３０ｃやキャップ３０ｄの係止溝３０ｆの長さを長くし、そして、取付孔４４ａや貫通孔４６ｃを対処させて、取付部４４や取付ブラケット４６を、係止キャップ３０ｄの係止溝３０ｆの部位に、係止させる構成として、各取付部３０Ａを、係止孔２ａに挿入させて、ボディ１側のインナパネル２に取り付ける際、取付ブラケット４６を取付済みの所定の取付部４４も、インナパネル２に取り付けるように、構成している。

すなわち、このような構成では、図１２のＡに示すように、各取付部４４を、係止キャップ３０ｄの係止溝３０ｆの部位に、係止させて、ルーフレールガーニッシュ１９に仮止めさせ、エアバッグ組付体Ａ２の車両Ｖへの搭載時に、図１２のＢに示すように、ルーフレールガーニッシュ１９と共締めさせており、共締めを利用していることから、極力、固定部品点数や固定作業の工数・コストを抑えて、エアバッグ４１を、直接、ボディ１に取り付けることができて、容易に、安定したエアバッグ４１の取付状態を確保できる。

なお、この第２実施形態のエアバッグ組付体Ａ２では、取付部３０Ａで仮止めされないエアバッグ４１の取付部４４Ａは、図１４に示すように、アシストグリップ１１Ａの固定部１３を利用して、ボディ１側のインナパネル２に取り付けられている。すなわち、アシストグリップ１１Ａは、第１実施形態のアシストグリップ１１の係止片１５の変わりに、インナパネル２の雌ねじ部２ｃに締結されるボルト１５Ａを利用して、固定部１３がインナパネル２に固定されている。そして、ボルト１５Ａは、ベース１４の貫通孔１４ａ、取付座３２の貫通孔３２ａ、ブラケット４６を取り付けた取付部４４Ａの孔４４ａ・４６ｃ、を貫通して、雌ねじ部２ｃに締結され、アシストグリップ１１Ａと取付座３２とがインナパネル２に固定されるとともに、エアバッグ４１の取付部４４Ａも、インナパネル２に直接固定されている。

また、第２実施形態のエアバッグ組付体Ａ２では、図１１・１３に示すように、カバー部３４Ａの側壁部３６の上部（連結部）３７が、ボルト２４ｂ・ナット２５を利用して、エアバッグ４１の取付部４４やブラケット４６を介在させずに、組付部２４Ａに連結されている。

なお、この第２実施形態のエアバッグ組付体Ａ２では、ルーフレールガーニッシュ１９Ａの取付部３０Ａが相違し、また、エアバッグ４１の取付部４４・４４Ａが、取付部３０Ａやアシストグリップ１１Ａの固定部１３におけるボルト１５Ａによって、インナパネル２に固定され、さらに、組付部２４Ａとカバー部３４Ａの連結部３７とが、取付部４４を介在させずに連結されている点が相違する他、他の構成は、第１実施形態のエアバッグ組付体Ａ１と同様であり、同一の部材・部位には、同一の符号を付してある。

また、エアバッグ組付体Ａ２を車両Ｖに搭載する際、アシストグリップ１１Ａの固定部１３（ボルト１５Ａ）によりインナパネル２に固定するエアバッグ４１の取付部４４Ａが、雌ねじ部２ｃや貫通孔３２ａと位置決めし難い場合には、取付部４４に取り付けた取付ブラケット４６に、雌ねじ部２ｃの周囲のインナパネル２の部位に設けた係止孔等に、係止させて、取付部４４Ａの位置決めが行なえるフックを設けたり、あるいは、取付座３２に、取付ブラケット４６を係止して、孔４４ａ・４６ｃと貫通孔３２ａとを一致させるような係止片を設けてもよい。

さらに、第１実施形態では、組付部２６にインフレーター４８を組み付けて、ルーフレールガーニッシュ１９の取付部３０をインナパネル２に取り付けており、インフレーター４８が、ガーニッシュ１９を介在させて、ボディ１側に固定される場合を示したが、図１５・１６の第３実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ３のように、インフレーター４８を保持した取付ブラケット４９Ａを、直接、ボディ１側のインナパネル２に取り付けて、インフレーター４８の支持を安定させてもよい。

この第３実施形態のエアバッグ装置Ｍ３のエアバッグ組付体Ａ３では、インフレーター４８を挟持した取付ブラケット４９Ａが、一枚の板金から形成されて、アシストグリップ１１Ｂの部位まで延びる延設部４９ｂを備えて、構成されている。延設部４９ｂには、両固定部１３の係止片１５を挿入させる貫通孔４９ｃが、形成されている。このアシストグリップ１１Ｂの係止片１５は、固定部１３のベース１４における貫通孔１４ａ、ルーフレールガーニッシュ１９Ｂの取付座３２の貫通孔３２ａ、ブラケット４６を取付済みのエアバッグ４１の孔４４ａ・４６ｃ、延設部４９ｂの貫通孔４９ｃ、及び、インナパネル２の取付孔２ｂを貫通し、突起１５ｃ・１５ｄを取付孔２ｂの周縁に係止させるように、構成されている。

すなわち、このアシストグリップ１１Ｂでは、係止片１５を利用した固定部１３が、インフレーター４８を支持した取付ブラケット４９Ａとともに、エアバッグ４１の取付部４４Ｂも、直接、ボディ１側のインナパネル２に、取り付けている。

なお、この第３実施形態のエアバッグ組付体Ａ３では、インフレーター４８がブラケット４９Ａを利用してボディ１側に直接固定され、また、エアバッグ４１の取付部４４Ｂが、アシストグリップ１１Ｂの固定部１３における係止片１５によって、インナパネル２に固定され、さらに、取付部４４Ｂの配置部位に、組付部２４やカバー部３４Ｂの連結部３７が配設されていない点が相違する他、他の構成は、第１実施形態のエアバッグ組付体Ａ１と同様であり、同一の部材・部位には、同一の符号を付してある。

また、この第３実施形態のエアバッグ組付体Ａ３では、取付ブラケット４９Ａをガーニッシュ１９Ｂの組付部２６にも取り付ける構造であるため、取付ブラケット４９Ａの組付部２６への取り付けにより、ガーニッシュ１９Ｂに対して、インフレーター４８を仮止めした状態で、エアバッグ組付体Ａ３を車両Ｖに搭載し、インフレーター４８を、ボディ１側に、直接、安定させて固定できることから、取付ブラケット４９Ａの組付部２６への取付構造を簡略化することができる。

さらに、第１実施形態では、ルーフレールガーニッシュ１９とカバー部３４とが一体成形された一体物とした場合を示したが、図１７〜１９に示す第４実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ４のエアバッグ組付体Ａ４のように、カバー部３４Ｃが、ルーフレールガーニッシュ１９Ｃと別体として、形成されていてもよい。

このカバー部３４Ｃは、底壁部３５の車内側端３５ａに、下方に突出する係止鉤状の係合部３５ｃが設けられ、ガーニッシュ１９Ｃの扉部２２の裏面２２ｂ側に、係合部３５ｃと係合する係止鉤状の係合部２２ｃが、形成され、係合部２２ｃ・３５ｃ相互の係合により、扉部２２と底壁部３５とが分離しないように連結されている。なお、係合部２２ｃ・３５ｃ相互の係合力は、エアバッグ４１の展開膨張時には、係合を解除されるように設定されている。

この第４実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ４のエアバッグ組付体Ａ４は、ガーニッシュ１９Ｃの扉部２２とカバー部３４Ｃの底壁部３５とが係合部２２ｃ・３５ｃによって連結される点を除いて、第１実施形態と同様な構成であり、同一の部材・部位には、同一の符号を付して説明を省略する。また、エアバッグ組付体Ａ４の組付時においては、カバー部３４Ｃの連結部３７を先に組付部２４に連結させ、その後、係合部２２ｃ・３５ｃ相互を係合させる行程が、相違するだけで、他の組付体Ａ４の組付行程や車両Ｖへの搭載行程は、第１実施形態と同様である。

そして、この第４実施形態のエアバッグ装置Ｍ４のエアバッグ組付体Ａ４では、カバー部３４Ｃが、ガーニッシュ１９Ｃと別体としていることから、カバー部３４Ｃを交換して使用することが可能となる。すなわち、意匠パネル部２０の車内側意匠を同一とするように、ルーフレールガーニッシュ１９Ｃの意匠面２０ａ側を同一としていても、ボディ（車体）１Ａ側のインナパネル２の形状が、第１実施形態のボディ１のインナパネル２と異なっているような場合に、カバー部３４Ｃの側壁部３６から突出してボディ１Ａ側に支持させるリブ３６ａを、その形状の異なったボディ１Ａ側に対応できるように、カバー部３４Ｃを交換することができる。そして、カバー部３４Ｃにおけるピラー部ＣＰの上方部位に配置されたリブ３６ａでは、ボディ１Ａのインナパネル２に対応して、当接されることから、エアバッグ４１の展開膨張初期に、捩られたエアバッグ４１が、車内側Ｉに略水平方向に突出させて、ピラーガーニッシュ７の車外側Ｏに侵入せず、円滑に、展開膨張することができる。

なお、リブ３６ａは、図例では、カバー部３６Ｃの側壁部３６に設けた場合を示したが、図１８の二点鎖線に示すように、エアバッグ４１の膨張時、あるいは、膨張する前から、ボディ１Ａ側のインナパネル２に当接するリブ３６ｂを、底壁部３５に、設けてもよい。

さらに、この第４実施形態のエアバッグ組付体Ａ４では、カバー部３４Ｃが、ルーフレールガーニッシュ１９Ｃと別体として、形成されて、底壁部３５の車内側端３５ａと扉部２２とが、外れ可能に相互に係合する係合部３５ｃ・２２ｃによって、連結させるように、構成されている。

このように構成されていれば、カバー部３４Ｃが、ルーフレールガーニッシュ１９Ｃと別体としていても、係合部３５ｃ・２２ｃ相互の係合によって、エアバッグ４１の展開膨張時以外には、カバー部３４Ｃの底壁部３５が、ルーフレールガーニッシュ１９Ｃの扉部２２と連結され、底壁部３５と扉部２２との連結部位２２ｃ・３５ｃからの異物の侵入を防止することができる。

さらに、第１実施形態では、カバー部３４が、ルーフレールガーニッシュ１９の略全長にわたって、連続的に配設されるものを例示したが、図２０・２１に示す第５実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ５のエアバッグ組付体Ａ５のように、カバー部３４Ｄは、エアバッグ４１の保護を図ることができれば、ルーフレールガーニッシュ１９の全長にわたって、断続的に配設されていてもよい。なお、この第５実施形態の頭部保護エアバッグ装置Ｍ５のエアバッグ組付体Ａ５では、ルーフレールガーニッシュ１９の裏面２０ｂ側で、カバー部３４Ｄが断続的に配置されている点が相違するだけで、他の構成は、第１実施形態と同様であり、同一の部材・部位には、同一の符号を付して説明を省略する。

このエアバッグ組付体Ａ５では、ガーニッシュ１９が、裏面２０ｂ側の所定位置に、実施形態の場合には、サイドウインドＷ１・Ｗ２の前後方向の中央付近に、カバー部３４Ｄを配設させていない非配設部位２３を設けている。このような非配設部位２３では、底壁部３５を備えていないことから、エアバッグ４１の展開膨張時に、非配設部位２３のエアバッグ４１が、カバー部３４の底壁部３５と干渉せず、下方へ迅速に展開してサイドウインドＷ１・Ｗ２を覆うことができる。

本発明の第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す車内側から見た正面図である。 第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す縦断面図であり、図１のII−II部位に対応する。 第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す縦断面図であり、図１のIII−III部位に対応する。 第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す縦断面図であり、図１のIV−IV部位に対応する。 第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す縦断面図であり、図１のＶ−Ｖ部位に対応する。 図５の要部拡大図である。 第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す図である。 第１実施形態の頭部保護エアバッグ装置におけるエアバッグ組付体の背面図である。 第１実施形態のルーフレールガーニッシュのボディ側への取付状態を示す断面図である。 第１実施形態に使用するアシストグリップのボディ側への取り付け状態を示す断面図である。 第２実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す車内側から見た正面図である。 第２実施形態のエアバッグとルーフレールガーニッシュとの共締め状態でのボディ側への取付状態を示す断面図である。 第２実施形態のエアバッグ組付体におけるカバー部とルーフレールガーニッシュとの連結部位を示す断面図である。 第２実施形態のエアバッグの他の部位のボディ側への取付状態を示す断面図である。 第３実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す車内側から見た正面図である。 第３実施形態のインフレーターを保持したブラケットのボディ側への取付状態を示す断面図である。 第４実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す部分縦断面図であり、エアバッグの取付部位を示す。 第４実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す部分縦断面図であり、インフレーターの取付部位を示す。 第４実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す部分縦断面図であり、ルーフレールガーニッシュのボディ側への取付部位を示す。 第５実施形態の頭部保護エアバッグ装置におけるエアバッグ組付体の背面図である。 第５実施形態の頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す部分縦断面図であり、カバー部を配設させていない部位を示す。

符号の説明

１・１Ａ…車体・ボディ、
５…ルーフヘッドライニング、
１９・１９Ａ・１９Ｂ・１９Ｃ…ルーフレールガーニッシュ、
２２…扉部、
２２ｂ…（扉部の車外側の）面、
２２ｃ・３５ｃ…係合部、
３４・３４Ａ・３４Ｂ・３４Ｃ・３４Ｄ…カバー部、
３５…底壁部、
３５ａ…車内側端、
３５ｂ…車外側端、
３６…側壁部、
３７…（側壁部の上部）連結部、
３９…破断予定部、
４１…エアバッグ、
４８…インフレーター、
Ｖ…車両、
Ｉ…車内側、
Ｏ…車外側、
Ａ１・Ａ２・Ａ３・Ａ４・Ａ５…エアバッグ組付体、
Ｍ１・Ｍ２・Ｍ３・Ｍ４・Ｍ５…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (7)

1. 車内側のサイドウインドの上縁側で、前後方向に沿うように、折り畳まれて配設されるエアバッグと、
   折り畳まれた前記エアバッグの車内側を覆って、ルーフヘッドライニングと前記サイドウインドとの間の前後方向にわたる領域に配置され、前記サイドウインドの車内側を覆うように前記エアバッグが展開膨張する際に、前記エアバッグに押されて開く扉部を下縁側に有した一枚板状のルーフレールガーニッシュと、
   前記エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
   を備えて構成されるとともに、
   前記エアバッグ、ルーフレールガーニッシュ、及び、インフレーターが、一体的にエアバッグ組付体として組み付けられた状態で、車両に搭載される頭部保護エアバッグ装置であって、
   前記エアバッグ組付体が、前記扉部の車外側面から前記エアバッグの車外側までの前記エアバッグの下端面を覆う底壁部と、該底壁部の車外側端から上方に延びて、前記エアバッグの車外側の側面を覆う側壁部と、を有したカバー部を、折り畳まれた前記エアバッグの略全長にわたって、備えて構成され、
   該カバー部の側壁部の上部が、折り畳まれた前記エアバッグの上部側で、前記ルーフレールガーニッシュにおける前記扉部から離れた上方の車外側の部位に、連結され、
   折り畳まれた前記エアバッグが、エアバッグの上縁側に配設された取付部と、前記カバー部の側壁部の上部とを、前記ルーフレールガーニッシュの組付部に対して共締めさせて、エアバッグ組付体を形成していることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
2. 折り畳まれたエアバッグが、前記取付部と、前記カバー部の側壁部の上部とを、前記ルーフレールガーニッシュの組付部に対して共締めさせ、前記ルーフレールガーニッシュだけに連結固定されて、車両に搭載されていることを特徴とする請求項１に記載の頭部保護エアバッグ装置。
3. 前記カバー部が、前記底壁部の車内側端を、前記ルーフレールガーニッシュの扉部の車外側面に対して、前記エアバッグの展開膨張時に分離可能に、連結させ、前記側壁部の上部を、前記ルーフレールガーニッシュに対して、前記エアバッグの展開膨張時に分離不能に、連結させていることを特徴とする請求項１乃至請求項２のいずれかに記載の頭部保護エアバッグ装置。
4. 前記カバー部が、前記ルーフレールガーニッシュと一体成形されて形成され、前記底壁部の車内側端と前記扉部とが、破断可能な薄肉の破断予定部によって、連結されていることを特徴とする請求項３に記載の頭部保護エアバッグ装置。
5. 前記カバー部が、前記ルーフレールガーニッシュと別体として、形成されていることを特徴とする請求項３に記載の頭部保護エアバッグ装置。
6. 前記カバー部が、前記底壁部の車内側端と前記扉部とを、外れ可能に相互に係合する係合部によって、連結されていることを特徴とする請求項５に記載の頭部保護エアバッグ装置。
7. 前記カバー部が、前記ルーフレールガーニッシュの全長にわたって、断続的に配設されていることを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の頭部保護エアバッグ装置。

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