JP5730955B2 - ピラーガーニッシュ - Google Patents

Description

本発明は、ボディパネルとの間に、折りたたまれた状態のカーテンエアバッグを収納したピラーガーニッシュに関する。

従来、側面衝突時やロールオーバー時に、ルーフヘッドライニングの車両幅方向外側の端部からカーテンエアバッグをサイドウインドに沿って膨張展開させることにより、着座乗員の頭部を保護する車両用カーテンエアバッグ装置が知られている（例えば、特許文献１、２参照）。

このうち、特許文献１では、ピラーガーニッシュと一体で形成されたクリップ座の縦壁部に複数の貫通穴を形成し、エアバッグの展開時に当該縦壁部を破断させることにより、エアバッグの展開を円滑に行っている。また、引用文献２では、クリップ座においてインナーパネルとピラーガーニッシュを連結するクリップにアーム部を延出形成し、アーム部の先端を、さらにピラーガーニッシュと連結させている。

特開２０１１−１１１００１号公報 特開２００８−２３０３６３号公報

しかしながら、上記特許文献１、２に開示された先行技術による場合、エアバッグの展開時に、クリップ座を中心としてピラーガーニッシュが回転して開口する。したがって、ロールオーバー対策仕様のようにエアバッグが大型化した場合、展開開口をより大きくすると、より展開性能を向上させることができる。

本発明は上記事実を考慮し、カーテンエアバッグの展開時に展開開口を大きくすることができる、ピラーガーニッシュを得ることが目的である。

請求項１記載の本発明に係るピラーガーニッシュは、ボディーパネルとの間に、折り畳まれた状態のカーテンエアバッグが収納可能な収納空間を形成するピラーガーニッシュ本体と、前記ピラーガーニッシュ本体の前記カーテンエアバッグの展開側端部と反対側の端部から前記収納空間側へ折り返して延出された延出部と、前記延出部を前記ボディーパネルに留め付ける留付部と、前記ピラーガーニッシュ本体の裏側に設けられた取付部と、前記取付部と前記ボディーパネルとを、係合解除可能に係合させて、前記取付部を前記ボディーパネルに取り付ける係合部と、を備え、前記留付部及び前記係合部は、前記延出部と一体的に形成されている。

請求項１の発明に係るピラーガーニッシュは、ピラーガーニッシュ本体のカーテンエアバッグの展開側端部と反対側の端部から収納空間側へ折り返された延出部を有している。この延出部はボディーパネルに、留付部によって留め付けられている。また、ピラーガーニッシュ本体の裏側には取付部が形成されており、この取付部とボディーパネルは、係合部によって係合解除可能に係合されている。その結果、ピラーガーニッシュがボディーパネルに取り付けられている。

カーテンエアバッグが膨張展開されると、カーテンエアバッグの展開圧によって、ピラーガーニッシュの展開側の端部が開き、取付部とボディーパネルとの係合が解除される。そして、ピラーガーニッシュは、延出部を介してボディーパネルと連結されつつ、カーテンエアバッグの展開側端部と逆側の端部を中心に回動する。したがって、カーテンエアバッグの展開のための開口を大きくすることができる。
また、請求項１に係るピラーガーニッシュによれば、留付部及び係合部が延出部と一体的に形成されていて部品点数が増加しないので、製造コストを安く抑えることができる。

請求項２記載の本発明に係るピラーガーニッシュは、前記延出部は、前記取付部と前記ボディーパネルとの間に挟持された状態で、前記取付部と共に前記留付部によって前記ボディーパネルに固定されている、ことを特徴とする。

請求項２の発明に係るピラーガーニッシュによれば、取付部とボディーパネルとの間に延出部が挟持されており、この状態の延出部が取付部と共にボディーパネルに留め付けられる。したがって、延出部の固定と取付部の固定とを別個独立に設定する場合に比し、構造が簡素になると共に部品点数が削減される。

請求項３記載の本発明に係るピラーガーニッシュは、前記ピラーガーニッシュ本体の展開側端部と逆側の端部の裏側には、インテグラルヒンジが形成されている、ことを特徴とする。

請求項３に係るピラーガーニッシュによれば、取付部とクリップの突出部との係合が解除された後、インテグラルヒンジを中心にピラーガーニッシュが回動する。したがって、カーテンエアバッグの展開時に、ピラーガーニッシュをより円滑に回動させることができ、展開性能を向上させることができる。

請求項４記載の本発明に係るピラーガーニッシュは、前記取付部に、前記収納空間内に配設される配設物用の配設物保持部が形成されている、ことを特徴とする。

請求項４に係るピラーガーニッシュによれば、前記収納空間内に配設されるドレーンホースなどの配設物を配設物保持部で支持することができる。したがって、部品点数が増加せず、製造コストを安く抑えることができる。

請求項５記載の本発明に係るピラーガーニッシュは、前記ガーニッシュ本体の前記カーテンエアバッグの展開側端部に対応する位置に形成された保持部と、前記延出部から前記保持部側へ延出されると共に、その先端部が前記保持部に保持された緩衝部と、を有している。

請求項５に係るピラーガーニッシュによれば、例えばＦＭＨの衝突時に、緩衝部が変形して衝撃が吸収されるので、衝撃吸収機能を向上させることができる。また、カーテンエアバッグの展開時に、緩衝部がガイドとなり、より安定して展開させることができる。

以上説明したように、請求項１に係るピラーガーニッシュは、カーテンエアバッグの展開側端部と逆側の端部を中心に回動するので、カーテンエアバッグの展開時に開口を大きくすることができる。

請求項２に係るピラーガーニッシュによれば、ピラーガーニッシュの構造を簡素にすることができると共に部品点数を削減することができる。

請求項３に係るピラーガーニッシュによれば、インテグラルヒンジが形成されているので、カーテンエアバッグの展開時に、ピラーガーニッシュをより円滑に回動させることができ、展開性能を向上させることができる。

請求項１に係るピラーガーニッシュによれば、留付部及び係合部を延出部と一体的に形成することにより、部品点数を削減して製造コストを低く抑えることができる。

請求項４に係るピラーガーニッシュによれば、取付部に配設物保持部を形成して配設物を保持することにより、部品点数を削減して製造コストを低く抑えることができる。

請求項５に係るピラーガーニッシュによれば、緩衝部が変形して衝撃が吸収されるので、衝撃吸収機能を向上させることができる。また、カーテンエアバッグの展開時に、緩衝部がガイドとなり、より安定して展開させることができる。

第１実施形態に係るピラーガーニッシュの組付状態の平断面図である。 図１に示される状態からカーテンエアバッグが膨張展開したときの状態を示す平断面図である。 第１実施形態に係るピラーガーニッシュの上側を示す裏面側から見た斜視図である。 第１実施形態に係るフロントピラーガーニッシュの全体構成を示す裏面側から見た斜視図である。 第１実施形態の変形例に係るピラーガーニッシュの組付状態の平断面図である。 第２実施形態に係るピラーガーニッシュの組付状態の平断面図である。

［第１実施形態］
以下、図１〜図４を用いて、本発明に係るピラーガーニッシュの第１実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印ＦＲは車両前方側を示しており、矢印ＵＰは車両上方側を示しており、矢印ＩＮは車両幅方向内側を示している。

図１に示されるように、フロントピラー１０は、車体側部に形成されたドア開口部１２の車両前後方向の前縁部に略車両上下方向に沿って立設された金属製の車体骨格部材である。構造的には、フロントピラー１０は、車両幅方向内側に配置されたピラーインナパネル１４と、このピラーインナパネル１４の車両幅方向外側に配置されてピラーインナパネル１４との間に閉断面部１６を形成するピラーリインフォースメント１８と、このピラーリインフォースメント１８の車両幅方向外側に配置されてフロントピラー１０の外板を構成するピラーアウタパネル２０と、によって構成されている。

上記ピラーインナパネル１４、ピラーリインフォースメント１８及びピラーアウタパネル２０の各前側フランジ及び各後側フランジはそれぞれ三枚重ねられた状態とされ、前側フランジ部２２及び後側フランジ部２４とされている。前側フランジ部２２は平断面視で車両幅方向内側へ向けて延出されており、その車両前後方向の前面側にウインドシールドガラス２６の車両幅方向外側の端部２６Ａが図示しない接着剤を介して取り付けられるようになっている。また、後側フランジ部２４は平断面視で略車両後方側へ延出されており、当該後側フランジ部２４には弾性材料（ゴム）によって構成されたドアオープニングウェザストリップ２８が嵌着されている。

上述したフロントピラー１０におけるピラーインナパネル１４の車両幅方向内側には、樹脂製のフロントピラーガーニッシュ３０が内張りされている。図３及び図４にも示されるように、フロントピラーガーニッシュ３０は、平断面形状が略Ｃ字状に形成されたピラーガーニッシュ本体３２（以下、単に「ガーニッシュ本体３２」と略す。）を備えている。ガーニッシュ本体３２の下端部には、組付状態で車両下方側へ延出する差込み部３４が一体に形成されている。差込み部３４は図示しないインストルメントパネルの車両幅方向外側の端部に差し込まれるようになっている。ガーニッシュ本体３２とピラーインナパネル１４の間には、後述するカーテンエアバッグ７８を収納する収納空間７２が形成されている。ガーニッシュ本体３２は、カーテンエアバッグ７８が膨張展開するとき、車両後方側の端部（以下「後端部３３Ｂ」という）側から矢印Ａ方向に展開する。

図４に示されるように、ガーニッシュ本体３２の長手方向の中間部の裏面には、中空の略四角柱状に形成されたクリップ座３６が一体に形成されている。クリップ座３６には、樹脂製のクリップ３８が取り付けられている。このクリップ３８がピラーインナパネル１４に形成された図示しない取付孔に挿入されて弾性的に係止されることにより、フロントピラーガーニッシュ３０の長手方向の中間部がピラーインナパネル１４に留め付けられている。

さらに、クリップ座３６よりも上側において、ガーニッシュ本体３２の上端部の裏面には、中空の略四角柱形状に形成されたクリップ座４０が一体に形成されている。クリップ座４０は、ガーニッシュ本体３２の裏面に対して略平行に配置された頂壁部４０Ａと、この頂壁部４０Ａとガーニッシュ本体３２の裏面とを繋ぐ縦壁部としての前壁部４０Ｂ、後壁部４０Ｃ、クリップ座４０の下面を形成する下壁部４０Ｄと、によって構成されている。頂壁部４０Ａ及び後壁部４０Ｃの板厚は前壁部４０Ｂの板厚よりも厚く設定されている。

前壁部４０Ｂはガーニッシュ本体３２の裏面に対して略垂直に立設されているのに対し、後壁部４０Ｃはガーニッシュ本体３２の裏面に対して所定角度傾斜した状態で立設されている。なお、後壁部４０Ｃの傾斜方向は、車両幅方向の外側部分が車両幅方向の内側部分に対して車両前方側に位置するような傾斜方向とされている。また、前壁部４０Ｂの根元には平断面視で略Ｌ字状とされたリブ４２が一体に形成されている。さらに、後壁部４０Ｃの根元には、クリップ座４０の内側から切り欠かれることにより薄肉部４２が形成されている。頂壁部４０Ａには、挿通孔４６が形成されている。

前壁部４０Ｂには、配設物保持部７６が形成されている。図３に示されるように、配設物保持部７６は、前壁部４０Ｂと平行に配置されたリブ板７６Ａと、前壁部４０Ｂ及びリブ板７６Ａの間に板面が両者と略直交するように配置された保持板７６Ｂで構成されている。保持板７６Ｂには、ドレーンホースなどの配設物を保持するために、配設物の外周に沿った形状の凹部７６Ｃが形成されている。

ガーニッシュ本体３２のクリップ座４０とほぼ同じ高さ位置には、延出部５０が形成されている。延出部５０は、車両前方側の端部（以下「前端部３３Ａという」）から収納空間７２側へ折り返し、クリップ座４０へ向けて延出されている。延出部５０は、前端部３３Ａから連続された基端部５２、基端部５２から車幅方向外側へ屈曲された中間部５４、及び、中間部５４からクリップ座４０の頂壁部４０Ａと略平行になるように屈曲して延出された接合部５６を有している。延出部５０は、ガーニッシュ本体３２と一体的に形成されている。ガーニッシュ本体３２と延出部５０の境界部分には、内側から切り欠かれることによりインテグラルヒンジ３５が形成されている。

延出部５０の接合部５６は、先端部分がクリップ座４０の頂壁部４０Ａと重ね合わせて配置されている。接合部５６には、挿通孔４６に対応する位置に、クリップ６０が形成されている。クリップ６０は、延出部５０と一体的に形成され、留付部６２及び係合部６４を備えている。

留付部６２は、ピラーインナパネル１４側へ突出するように立設され、上方からみて略Ｕ字状に形成され、一対のピンチ部６４Ａを有している。各々のピンチ部６４ＡのＵ字外側には、爪部６２Ｂが形成されている。ピンチ部６４Ａは、ピラーインナパネル１４に形成された取付孔１４Ａに挿入されている。取付孔１４Ａは、ピンチ部６２Ａが挿通可能で爪部６２Ｂが干渉する大きさに設定されている。一対のピンチ部６２Ａを外側から挟み込んで互いに接近させて取付孔１４Ａに挿入すると、爪部６２Ｂが互いに接近する方向へ弾性変形して取付孔１４Ａを通り抜け、弾性復帰した爪部６２Ｂが取付孔１４Ａの周囲部に係止されている。一旦挿入された留付部６２は、取付孔１４Ａから抜け出ない構成とされている。

一方、係合部６４は、クリップ座４０側に突出形成され、クリップ座４０の挿通孔４６に取り付けられている。係合部６４の車両前後方向両側部には、車両前後方向に張り出す一対の係止部６４Ａが形成されている。各係止部６４Ａは車両前後方向に凸となる略Ｖ字状に形成されており、一対の係止部６４Ａの頂部間の距離はクリップ座４０の挿通孔４６の前後幅よりも長く設定されている。従って、係合部６４をクリップ座４０の挿通孔４６に挿通させると、挿通孔４６の周囲部に一対の係止部６４Ａの根元が位置して係止されるようになっている。また、係合部６４は、一対の係止部６４Ａが互いに接近する方向へ押圧されると、当該押圧方向へ圧縮されて弾性変形するようになっている。係合部６４が弾性変形することにより、一対の係止部６４Ａの頂部間の距離が挿通孔４６の前後幅以下になり、挿通孔４６から抜け出すことが可能となっている。

留付部６２がピラーインナパネル１４に取り付けられることにより、延出部５０がピラーインナパネル１４に連結され、係合部６４がクリップ座４０に係合されることにより、ガーニッシュ本体３２の車両前後方向の中央部分が、ピラーインナパネル１４に連結される。延出部５０の接合部５６は、その先端部分が、ピラーインナパネル１４と頂壁部４０Ａとの間に挟持されている。

ガーニッシュ本体３２の前後方向の前部３２Ａは、前後方向の中間部３２Ｂに対して車両幅方向外側かつ斜め前方へ向けて延出されている。前部３２Ａとピラーインナパネル１４との間に形成された収納空間７２の前後方向の前側スペース７２Ａには、ワイヤハーネスやドレーンホース等の配設物７４が配設されている。配設物７４は、保持板７６Ｂの凹部７６Ｃに保持されている。また、ガーニッシュ本体３２の前後方向の後部３２Ｃは、前後方向の中間部３２Ｂに対して車両幅方向外側へ延出されている。後部３２Ｃとピラーインナパネル１４との間に形成された収納空間７２の後側スペース７２Ｂには、長尺状に折り畳まれた状態のカーテンエアバッグ７８が収納されている。

（本実施形態の作用・効果）
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
ピラーインナパネル１４へフロントピラーガーニッシュ３０を取り付ける際には、まず、ガーニッシュ本体３２の上端部の裏面に形成されたクリップ座４０と延出部５０を連結する。連結は、クリップ座４０の頂壁部４０Ａに形成された挿通孔４６に、クリップ６０の係合部６４を挿入して行う。係合部６４に形成された一対の係止部６４Ａは、弾性変形により互いの距離も縮めて挿通孔４６を通過し、弾性復帰により互いの頂部間の距離を挿通孔４６よりも広げることにより、挿通孔４６の周囲部に係止される。

次に、ピラーインナパネル１４と延出部５０を連結する。連結は、ピラーインナパネル１４に形成された取付孔１４Ａに、クリップ６０の留付部６２を挿入することにより行う。留付部６２に形成された一対のピンチ部６２Ａは、弾性変形により互いの距離も縮めて取付孔１４Ａを通過し、弾性復帰により互いの頂部間の距離を取付孔１４Ａよりも広げることにより、取付孔１４Ａの周囲部に係止される。

なお、ガーニッシュ本体３２の車両上下方向中間部は別のクリップ３８でピラーインナパネル１４に留め付けられ、ガーニッシュ本体３２の下端部は差込み部３４をインストルメントパネルの車両幅方向の両端部に形成された差込み孔に差し込むことで、それぞれ固定される。フロントピラーガーニッシュ３０がピラーインナパネル１４に組付けられた状態では、ガーニッシュ本体３２の後部３２Ｃとピラーインナパネル１４との間の後側スペース７２Ｂに、折り畳まれた状態のカーテンエアバッグ７８が収納される。

側面衝突時又はロールオーバー時になると、カーテンエアバッグ７８が車室内側方向（図１の矢印Ａ方向）へ膨張展開される。このとき、ガーニッシュ本体３２のクリップ座４０は、車室内側方向（図１の矢印Ａ方向）へ引っ張られ、クリップ６０の係合部６４が挿通孔４６から抜け出る。そして、ガーニッシュ本体３２の後端部３３Ｂがドアオープニングウェザストリップ２８から外れ、図２に示されるように、収納空間７２が開口される。

本実施形態に係るフロントピラーガーニッシュ３０は、カーテンエアバッグ７８の膨張展開時に、インテグラルヒンジ３５を中心に車室内側へ回動するので、カーテンエアバッグ７８の展開のための開口を大きくすることができる。また、回動中心にインテグラルヒンジ３５が形成されているので、フロントピラーガーニッシュ３０を円滑に回動させることができる。

また、フロントピラーガーニッシュ３０は、カーテンエアバッグ７８の展開後も、延出部５０でピラーインナパネル１４と連結されているので、フロントピラーガーニッシュ３０の車両内側への脱落を防止することができる。

なお、本実施形態では、延出部５０がクリップ座４０の頂壁部４０Ａとピラーインナパネル１４の間に挟持されている例について説明したが、延出部５０は、必ずしも頂壁部４０Ａとピラーインナパネル１４の間に挟持されていなくてもよい。例えば、クリップ６０の留付部６２と係合部６４を別部材で形成し、留付部６２で延出部５０をピラーインナパネル１４に連結すると共に、他の位置（例えば、留付部６２よりも車両前後方向の後ろ側）で係合部６４を用いてクリップ座４０の頂壁部４０Ａとピラーインナパネル１４を係合させてもよい。本実施形態のように、延出部５０がクリップ座４０の頂壁部４０Ａとピラーインナパネル１４の間に挟持させることにより、延出部５０を安定して支持することができる。また、延出部５０がクリップ座４０と共に留付部６２によってピラーインナパネル１４に固定されているので、延出部５０の固定とクリップ座４０の固定とを別個独立に設定する場合に比し、構造を簡素することができると共に部品点数を削減することができる。

また、本実施形態では、延出部５０とクリップ６０とを一体的に形成したが、別体であってもよい。本実施形態のように、一体的に形成することにより、部品点数の増加がなく、製造コストを安く抑えることができる。

なお、延出部５０とクリップ６０とを別体とする場合には、図５に示されるように、留付部６２と係合部６４とが一体的に形成された別体クリップ６１を用いる。また、延出部５０の接合部５６には、別体クリップ６１を取り付けるための取付孔５６Ａを形成する。別体クリップ６１は、留付部６２と係合部６４の間にフランジ部６３を有している。ピラーインナパネル１４へのフロントピラーガーニッシュ３０の取り付けは、クリップ座４０の挿通孔４６に、別体クリップ６１の係合部６４を挿入し、延出部５０の取付孔５６Ａ及びピラーインナパネル１４の取付孔１４Ａに、留付部６２を挿入することにより行う。

また、本実施形態では、ガーニッシュ本体３２の前端部３３Ａにインテグラルヒンジ３５を形成したが、インテグラルヒンジ３５は必ずしも必要ではない。また、インテグラルヒンジ３５の位置は、前端部３３Ａからガーニッシュ本体３２のクリップ座４０側へずれた位置に形成されていてもよい。

また、本実施形態では、クリップ座４０に配設物保持部７６が形成されているが、配設物保持部７６は必ずしも必要ではない。本実施形態のように、配設物保持部７６を形成することにより、配設物７４を保持することができ、配設物のばたつきを抑えることができる。また、配設物を保持するための別部材を必要としないので、部品点数が増加せず、製造コストを安く抑えることができる。

［第２実施形態］
次に、本発明に係るピラーガーニッシュの第２実施形態について説明する。本実施形態では、第１実施形態と同様の部分については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。

図６に示されるように、本実施形態のフロントピラーガーニッシュ９０では、ガーニッシュ本体３２の裏側のクリップ座４０よりも車両後方側に、保持部８０が形成されている。保持部８０の形成位置は、頭部衝撃保護試験におけるＦＭＨ（Ｆｒｅｅ Ｍｏｔｉｏｎ Ｈｅａｄｆｏｒｍ：ダミーの頭部）の衝突位置に対応した位置に設定されている。保持部８０は、ガーニッシュ本体３２の裏側へ凸状とされている。

延出部５０の先端側には、延出部５０が更に延出されて、緩衝部５８が形成されている。緩衝部５８は、クリップ座４０の頂壁部４０Ａから後壁部４０Ｃに沿って延出されたベース部５８Ａ、及び、ベース部５８Ａと連続され、後壁部４０Ｃの中間部から保持部８０へ向かって屈曲されている先端部５８Ｂを有している。先端部５８Ｂは、保持部８０の車幅方向内側に隣接して配置され、保持部８０によって保持されている。先端部５８Ｂの配置方向は、ＦＭＨの衝突方向Ｄに対して、角度θを有している。

ＦＭＨがフロントピラーガーニッシュ９０に衝突すると、緩衝部５８の先端部５８Ｂは、カーテンエアバッグ７８側（矢印Ｂ方向）に倒れ、ＦＭＨからの衝撃が吸収される。

本実施形態のフロントピラーガーニッシュ９０によれば、カーテンエアバッグ７８の展開時には、第１実施形態と同様の効果を得ることができる。また、頭部衝撃保護試験におけるＦＭＨに対して、衝撃吸収機能を向上させることができる。さらに、カーテンエアバッグ７８の展開が先端部５８Ｂに沿って行われるので、緩衝部５８がガイドとなり、カーテンエアバッグ７８をより安定して展開させることができる。

なお、本実施形態では、先端部５８Ｂの配置方向が、ＦＭＨの衝突方向Ｄに対して角度θを有している例について説明したが、先端部５８Ｂが比較的容易に変形する厚みであれば、角度θは必ずしも必要ではない。先端部５８Ｂは、ＦＭＨの衝突により撓み変形し、衝撃を吸収することができる。

本実施形態でも、第１実施形態で説明したバリエーションを適用することができる（別体クリップ６１等）。

また、上述した第１、第２実施形態では、フロントピラーガーニッシュ３０、９０に対して本発明を適用したが、これに限らず、リヤピラーガーニッシュに対して本発明を適用してもよい。

１０ フロントピラー（ボディーパネル）
３０ フロントピラーガーニッシュ（ピラーガーニッシュ）
３２ ガーニッシュ本体
３２ ピラーガーニッシュ本体
３３Ａ 前端部（展開側端部）
３５ インテグラルヒンジ
４０ クリップ座（取付部）
５０ 延出部
５８ 緩衝部
６２ 留付部（留付部）
６４ 係合部（係合部）
７２ 収納空間
７４ 配設物
７６ 配設物保持部（保持部）
７８ カーテンエアバッグ
８０ 保持部
９０ フロントピラーガーニッシュ（ピラーガーニッシュ）

Claims (5)

1. ボディーパネルとの間に、折り畳まれた状態のカーテンエアバッグが収納可能な収納空間を形成するピラーガーニッシュ本体と、
   前記ピラーガーニッシュ本体の前記カーテンエアバッグの展開側端部と反対側の端部から前記収納空間側へ折り返して延出された延出部と、
   前記延出部を前記ボディーパネルに留め付ける留付部と、
   前記ピラーガーニッシュ本体の裏側に設けられた取付部と、
   前記取付部と前記ボディーパネルとを、係合解除可能に係合させて、前記取付部を前記ボディーパネルに取り付ける係合部と、
   を備え、
   前記留付部及び前記係合部は、前記延出部と一体的に形成されている、
   ピラーガーニッシュ。
2. 前記延出部は、前記取付部と前記ボディーパネルとの間に挟持された状態で、前記取付部と共に前記留付部によって前記ボディーパネルに固定されている、ことを特徴とする請求項１に記載のピラーガーニッシュ。
3. 前記ピラーガーニッシュ本体の展開側端部と逆側の端部の裏側には、インテグラルヒンジが形成されている、ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載のピラーガーニッシュ。
4. 前記取付部には、前記収納空間内に配設される配設物用の配設物保持部が形成されている、ことを特徴とする、請求項１〜請求項３のいずれが１項に記載のピラーガーニッシュ。
5. 前記ガーニッシュ本体の前記カーテンエアバッグの展開側端部に対応する位置に形成された保持部と、
   前記延出部から前記保持部側へ延出されると共に、その先端部が前記保持部に保持された緩衝部と、を有している、請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載のピラーガーニッシュ。

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