JP4278261B2 - カーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両の乗員を衝突時の衝撃から安全に保護するために、車室内の正面や側面にエアバッグが設けられている。この内、自動車側面からの衝撃に対し乗員頭部がサイドガラス等と衝突するのを防ぐために設けられるカーテンエアバッグは、フロントピラーガーニッシュの裏側及びルーフサイドの内装部材の裏側に収納され、インストルメントパネル付近に設けられているインフレータ等のエアバッグ装置から発生するガスによって、当該カーテンエアバッグが膨張し車室内に展開するようになっていた。また、前記エアバッグ装置は高速衝突時にしか作動しないため、低速での衝突時の衝撃を吸収するためにピラーガーニッシュ裏側等に樹脂製のリブ状エネルギー吸収体が設けられることがあった。
【0003】
しかし、前記したようにインフレータ等のエアバッグ装置がインストルメントパネル付近に設けられていると、フロントピラーガーニッシュに多大な応力がかかるため、それに耐えるために軟らかい材質等で前記ガーニッシュを構成する必要があるが、その場合、当該ガーニッシュの建付剛性がなくなってしまい、品質上の問題があった。さらに、事故によってカーテンエアバッグが展開した後におけるフロントピラーガーニッシュのリペア(交換)を考慮した場合、エアバッグ装置がインストルメントパネル付近に設けられていると、リペア時にインストルメントパネルを外す必要があり、リペア作業が煩雑になる問題もあった。
【0004】
そこで、近年、図7及び図8に示すように、エアバッグ装置(インフレータ)Iを、車室後部のルーフサイドインナー100、あるいはハッチバックタイプ(ワゴン系)等のクォータウィンドガラスWqを有する車両においては該クォータウィンドガラスWqを包囲するクォータウィンドガーニッシュ120の裏側に配置するようになってきた。これにより、フロントピラーガーニッシュFに収納されたカーテンエアバッグAがエアバッグ装置Iからみて最奥部に位置することになるため、フロントピラーガーニッシュFにかかる応力が小さくなり、該フロントピラーガーニッシュFに比較的硬い材料を選定しても、カーテンエアバッグAの膨張時に当該ガーニッシュFが破損、飛散し難くなった。加えて、リペア時にインストルメントパネルNを外す必要がないため、リペアの作業効率が上がった。なお、前記ルーフサイドインナー100は、車種によってはリアピラーガーニッシュと称される場合もある。
【0005】
なお、このようにカーテンエアバッグAを膨張させるエアバッグ装置Iを車室後部に設ける場合、図示の鎖線のように天井部材Rから下方に向かってカーテンエアバッグAが展開するようになっている。また、前記カーテンエアバッグAの膨張時には、フロントピラーガーニッシュF,天井部材R,ルーフサイドインナー100またはクォータウィンドガーニッシュ120の一部が押されて車室内側へ曲げられ、カーテンエアバッグの車室内側への展開が可能となっている。さらに、従来では前記クォータウィンドガーニッシュ120は、そのルーフサイド部(上部)121,下部122,前部123,後部124が一の樹脂で一連に成形されている。
【0006】
ところで、前記エアバッグ装置Iを車室後部に設ける場合、図7のように車両がセダンタイプでは比較的容易に、かつ不具合なく前記エアバッグ装置I及びカーテンエアバッグAをルーフサイドインナー100または天井部材R裏側に配設できることが分かっているが、それに対して、図8のように車両がハッチバックタイプ(ワゴン系)等のクォータウィンドガラスWqを有する車両では次のような不具合が生じている。
【0007】
すなわち、クォータウィンドガーニッシュ120の裏側にエアバッグ装置Iを配設し、該エアバッグ装置Iに接続されたカーテンエアバッグAを天井部材R裏側(一般的にはクォータウィンドガーニッシュ120との境界付近)に配設した場合、カーテンエアバッグAが膨張する際に、図8の9−9断面を示す図9のように、カーテンエアバッグAに下方のテンションが作用し、該エアバッグAがクォータインナーパネルPiとクォータウィンドガーニッシュ120(ルーフサイド部121)間に侵入してしまい、当該エアバッグAが車室内側へ正しく展開しないおそれがある。図9中の符号130は折り畳まれたカーテンエアバッグを収容するためにクォータインナーパネルPi表面に設けられたブラケット、131は前記ブラケット130をクォータインナーパネルPiに固定するための係止部材、132はリブ状エネルギー吸収体、Mは乗員である。
【0008】
そこで、上記カーテンエアバッグの展開不良を防ぐために、図10のように、カーテンエアバッグAの配設位置を天井部材方向(車室内側方向)へ移動すると、エアバッグ展開時に車室内へ曲げられた天井部材Rが乗員Mの頭部Maを叩くおそれがある。また、図11のように、天井部材Rとクォータウィンドガーニッシュ120の割線(境界線)Lを下げ、前記クォータウィンドガーニッシュ120のルーフサイド部121を小さくした場合には、クォータウィンドガーニッシュ120の窓枠としての見栄えが悪くなる欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、カーテンエアバッグが車室内側へ確実に展開し、しかも、そのエアバッグ展開時に車室内へ曲げられた部材で乗員の頭部を叩く等の不具合が生じることなく、さらには意匠性が良好なカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、車両のクォータウィンドガラスを包囲し、かつカーテンエアバッグを覆うようにしてクォータインナーパネルに取り付けられるクォータウィンドガーニッシュが、前記クォータウィンドガラスの上辺部を覆うように天井部材側端側に配設されるルーフサイド部と、前記クォータウィンドガラスの上辺部以外の他の三辺部を覆うように配設される一般部とに分割され、前記一般部の後部とクォータインナーパネルの間にエアバッグ装置が配設されるとともに、前記ルーフサイド部とクォータインナーパネルの間に前記エアバッグ装置に接続されたカーテンエアバッグが折り畳まれた状態で配設され、かつ前記折り畳まれたカーテンエアバッグはルーフサイド部裏側と対向するクォータインナーパネルの部分に設けられた車室内側方向に開口したブラケット内に収容されるとともに、前記ルーフサイド部の裏面の天井部材側には固定用壁部が立設され、該固定用壁部を介してルーフサイド部が前記ブラケットに固定され、該カーテンエアバッグの膨張により前記ルーフサイド部が押されて車室内側へ曲げられ、カーテンエアバッグが車室内側へ展開するように構成されていることを特徴とするカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造に係る。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、ブラケットの天井部材側に外側に屈曲した固定用爪部が形成され、該固定用爪部をルーフサイド部の固定用壁部に形成された開口部に差し込み引っ掛けるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2において、ブラケットの天井部材側開口端の外壁面には穴部を有する位置決め用ボスが形成されているとともに、ルーフサイド部裏面の天井部材側には前記固定用壁部の他に前記位置決め用ボスの穴部に挿入可能な位置決め用爪部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3の何れかにおいて、クォータウィンドガーニッシュの一般部裏面にはルーフサイド部との境界付近に固定用リブが立設され、該固定用リブを介して一般部がクォータインナーパネルに係止固定されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は参考例に係るクォータウィンドガーニッシュ部を有する車室内の様子を示す概略図、図2は図1の2−2断面図、図3は図1の3−3断面図、図4は実施例に係るクォータウィンドガーニッシュ部の要部を示す断面図、図5は同実施例のクォータウィンドガーニッシュのルーフサイド部及びエアバッグ収容用ブラケットを示す斜視図、図6は図5のクォータウィンドガーニッシュのルーフサイド部とエアバッグ収容用ブラケットの固定時における要部の状態を拡大して示す断面図である。
【0015】
図1ないし図3に示すハッチバックタイプ(ワゴン系)等の、クォータウィンドガラスWqを有する車両Cの車室後部の側面には、参考例に係るクォータウィンドガーニッシュ部10が配備されている。前記クォータウィンドガーニッシュ部10では、クォータウィンドガーニッシュ11が前記クォータウィンドガラスWqを包囲し、かつカーテンエアバッグAを覆うようにしてクォータインナーパネルPiに取り付けられている。なお、図中の符号Rは天井部材、Poはクォータアウターパネルである。
【0016】
前記クォータウィンドガーニッシュ11は、前記クォータウィンドガラスWqの上辺部Wq1を覆うように天井部材Rの側端側に配設されるルーフサイド部12と、前記クォータウィンドガラスWqの上辺部Wq1以外の他の三辺部Wq2,Wq3,Wq4を覆うように配設される一般部21とに分割されている。
【0017】
前記ルーフサイド部12とクォータインナーパネルPiの間には、後述のエアバッグ装置Iに接続されたカーテンエアバッグAが折り畳まれた状態で配設されている。この参考例では、ルーフサイド部12裏側と対向するクォータインナーパネルPiの部分には、車室内側方向に開口した断面略コ字形状のブラケットBが設けられ、該ブラケットB内に折り畳まれたカーテンエアバッグAが収容されている。ここで、前記ブラケットBの一般部側開口端Baと一般部21間の隙間Sを極力小さくするのが好ましい。そうすれば、後述のカーテンエアバッグAの膨張時に一般部21裏側にカーテンエアバッグAがより侵入し難くなる。なお、参考例におけるブラケットBは、ルーフサイド部12裏側のみならず、天井部材R裏側のフロントピラーガーニッシュFの上端位置まで車両前方方向に延設されており、その天井部材R裏側に位置するカーテンエアバッグAも当該ブラケットBに収容されるようになっている。また、参考例では、前記カーテンエアバッグAの前方端A1はフロントピラ−ガーニッシュFの略中間位置で固定されている。図中の符号k1は前記ブラケットBをクォータインナーパネルPiに固定するためのボルトやクリップ等の係止部材である。
【0018】
さらに、この参考例においては、前記ルーフサイド部12の天井部材側端部12aが、天井部材Rの裏側に窪んだ側端Raに重ね合わされ、該天井部材Rの側端Raにクリップやボルト等の係止部材(図示の例ではクリップ)k2により固定されている。ここで、前記ルーフサイド部12は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の耐衝撃性に優れた樹脂で構成されるのが好ましい。そうすれば、カーテンエアバッグAの膨張による衝撃で当該ルーフサイド部12が破損するのを防ぎ、飛散を防止できる。
【0019】
前記一般部21は、クォータウィンドガラスWqの前辺部Wq2を覆う前部22とクォータウィンドガラスWqの下辺部Wq3を覆う下部23とクォータウィンドガラスWqの後辺部Wq4を覆う後部24とで構成されている。参考例では、前記各部22,23,24は同一樹脂からなっており、一連に形成されている。また、この一般部21は、前記ルーフサイド部12よりも剛性の高い樹脂、例えばポリプロピレン等の硬質な樹脂で構成されることが好ましい。そうすれば、車室側からの押圧による変形を生じ難くすることができるとともに、当該一般部21の取付作業性が良くなる。そして、前記一般部21の後部24とクォータインナーパネルPiの間には、インフレータ等のエアバッグ装置Iと該エアバッグ装置Iに接続されたカーテンエアバッグAの基部A2が斜め前方に傾斜した状態で配設されている。
【0020】
さらに、この参考例の一般部21は、クリップやボルト等(図示ではクリップ)の係止部材k3により車体のクォータインナーパネルPiに固定される。参考例では、一般部21の前部22裏面及び後部24裏面のルーフサイド部12との境界付近に固定用リブ25が立設され、その固定用リブ25に係止部材k3が装着され、該係止部材k3をクォータインナーパネルPiに形成された係止孔(図示せず)に嵌合させることによって、一般部21をクォータインナーパネルPiに固定している。このようにルーフサイド部12との境界付近で一般部21をクォータインナーパネルPiに係止固定すれば、該境界付近におけるクォータインナーパネルPiに対する結合力が強固となり、エアバッグ膨張の際に一般部21が前記ルーフサイド部12との境界付近でクォータインナーパネルPiから外れるのを防ぐことができ、ひいてはルーフサイド部12の車室内側への屈曲開放がスムーズになる。勿論、前記一般部21は、さらに他の位置でもクリップ等の係止部材によりクォータインナーパネルPiに固定されても良い。
【0021】
またさらに、この参考例においては、一般部21裏側と天井部材R裏側の両方あるいは何れか一方、図示の例では両方に、低速での衝突時の衝撃を吸収するため、エネルギー吸収体26が設けられている。前記エネルギー吸収体26としては、樹脂製のリブ状または格子状のエネルギー吸収体や発泡体等が挙げられる。
【0022】
上記構造のクォータウィンドガーニッシュ部10は、車両衝突時に、クォータウィンドガーニッシュ11の一般部21の後部24に配設したエアバッグ装置(インフレータ)Iの作動によりガスがカーテンエアバッグA内に圧入され、それによって前記一般部21後部側から順次エアバッグAが膨張する。そして、前記ルーフサイド部12裏側に収容されたカーテンエアバッグAの膨張により、図3の鎖線で示すように、前記ルーフサイド部12が押されて車室内側へ曲げられ、その曲げられたルーフサイド部12と一般部21あるいはクォータウィンドガラスWqとの隙間からカーテンエアバッグAが車室内側へ展開するとともに、前記エアバッグAの天井部材R裏側及びフロントピラーガーニッシュF裏側に収容された部分の膨張により、天井部材R及びフロントピラーガーニッシュFが車室内側へ押し曲げられ、その押し曲げられた天井部材R及びフロントピラーガーニッシュFとインナーパネル(図示せず)との隙間からカーテンエアバッグAが車室内側へ展開して、主に乗員Mの頭部Maを保護する。
【0023】
このように、ここで開示するクォータウィンドガーニッシュ部10においては、クォータウィンドガーニッシュ11がルーフサイド部12と一般部21とに分かれ、カーテンエアバッグAの膨張の際、該エアバッグAが前記ルーフサイド部12を押し曲げ、該ルーフサイド部12と一般部21あるいはクォータウィンドガラスWqとの隙間から当該エアバッグAが確実に車室内に展開するようになるので、従来技術の欄で図9を用いて述べたような、エアバッグAの展開不良の問題を解消できる。また、前記ルーフサイド部12の屈曲開放時における支点は、天井部材側端部12a(厳密に言えば天井部材Rと固定される部位)となるので、屈曲開放する部分の範囲が従来に比し小さくなり、エアバッグAは下方向に正しく展開する。その結果、エアバッグ展開時に屈曲開放されたルーフサイド部12で乗員Mの頭部Maを叩く等の不具合の発生を避けることができる。さらに、上記構造においては、天井部材Rとクォータウィンドガーニッシュ11の割線(境界線)を下げずに済むので、クォータウィンドガーニッシュ11の窓枠としての見栄えは良好である。
【0024】
図4には、この発明の実施例に係るクォータウィンドガーニッシュ部10Aの構造が示されている。なお、このクォータウィンドガーニッシュ部10Aの構成は、概ね上記参考例のクォータウィンドガーニッシュ部10の構成と同じであり、図示において前記クォータウィンドガーニッシュ部10と同一部材については同一符号を付し、その説明を省略する。以下、上記参考例と異なる部分について説明する。
【0025】
この実施例のクォータウィンドガーニッシュ部10Aにおいては、クォータウィンドガーニッシュ11のルーフサイド部12裏面の天井部材R側(上側)に固定用壁部13が適宜数(図示の例では3つ)立設され、該固定用壁部13を介してルーフサイド部12が、カーテンエアバッグA収容用ブラケットBに固定されている。なお、図示の例では、前記固定用壁部13はルーフサイド部12の裏面から一体に形成されている。
【0026】
前記ルーフサイド部12のブラケットBへの固定構造について具体的に説明すると、図5からよりよく理解されるように、前記ブラケットBの天井部材R側(上側)に、図示では天井部材側開口端Bbに外側に屈曲した固定用爪部B1が前記ルーフサイド部12の固定用壁部13の位置および数に合わせて形成されているとともに、前記固定用壁部13には爪部用開口部14が形成され、図6の(A)のように、前記固定用壁部13の爪部用開口部14に前記ブラケットBの固定用爪部B1を差し込み引っ掛けることによって、ルーフサイド部12がブラケットBに固定されている。このようにすれば、ルーフサイド部12のブラケットBへの固定作業性が極めて簡単になり、しかも、ルーフサイド部12とブラケットBの結合性は十分なものとなる。勿論、ルーフサイド部12の固定用壁部13のブラケットBへの固定は、上記の例に限られず、例えば、ルーフサイド部12の固定用壁部13をボルトやクリップ等の係止部材によりブラケットBの外壁に固定することもできる。
【0027】
上記の如くルーフサイド部12の裏面側に立設された固定用壁部13を介して、当該ルーフサイド部12をブラケット部Bに固定すれば、カーテンエアバッグAの膨張によりルーフサイド部12の天井部材側端部12bに作用する多大な応力に対する強度が十分なものとなり、該カーテンエアバッグAの膨張時にルーフサイド部12が飛散するのを防止することができる。加えて、ルーフサイド部12の意匠側には、クリップ等の係止部材が存在しないので美観的にも優れるといった利点がある。
【0028】
また、この実施例では、図5に示すように、前記ブラケットBの天井部材側開口端Bbの外壁面には、穴部B3を有する位置決め用ボスB2が適宜数(図では前記各固定用爪部B1の間に位置するように合計2つ)形成されているとともに、ルーフサイド部12裏面には、前記固定用壁部13の他に前記位置決め用ボスB2の穴部B3に挿入可能な位置決め用爪部15が形成されている。このため、ルーフサイド部12の取付時に、図6の(B)の如く、前記位置決め用爪部15をブラケットBの位置決め用ボスB2の穴部B3に挿入するようにすれば、至って簡単にクォータウィンドガーニッシュ11のルーフサイド部12を正しい位置に取り付けることができる。なお、図示の例では、前記位置決め用爪部15の先端16は拡大形状となっている。このようにすれば、位置決め用爪部15を位置決め用ボスB2の穴部B3に挿入した後に、当該位置決め用爪部15に抜け方向の力が作用しても前記拡大形状の先端16が、位置決め用ボスB2のクォータインナーパネル側面の穴部B3周縁に引っ掛かかり、より一層エアバッグA膨張時にルーフサイド部12が飛散し難い。
【0029】
さらに、この実施例においては、図4に示すように、ルーフサイド部12の一般部側端部12bが、一般部21の上端21aを挟むように二股形状となっており、前記一般部側端部12bが一般部21の上端21aに係止されている。これによって、車両の振動時における異音の発生やがたつき等を防ぐことができる。なお、前記ルーフサイド部12の一般部側端部12bにおける二股形状は、エアバッグ膨張時にルーフサイド部12の屈曲開放を阻害しないように設定する必要がある。
【0030】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明におけるカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造においては、クォータウィンドガーニッシュがクォータウィンドガラスの上辺部を覆うルーフサイド部とクォータウィンドガラスの他の三辺部を覆う一般部とに分割され、車両衝突時に前記ルーフサイド部とクォータウィンドインナーパネルの間に折り畳まれた状態で配設されたカーテンエアバッグの膨張により前記ルーフサイド部が車室内側へ押し曲げられるので、カーテンエアバッグを確実に車室内側へ展開させることができる。しかも、前記ルーフサイド部の屈曲開放する部分の範囲は従来に比し小さくなっているので、カーテンエアバッグは下方向に正しく展開し、該エアバッグ展開時に車室内へ曲げられる部材で乗員の頭部を叩く等の不具合が生じ難い。さらに、当該クォータウィンドガーニッシュ部の構造においては、天井部材とクォータウィンドガーニッシュの割線を下方に移動する必要がなく、クォータウィンドガーニッシュの窓枠としての見栄えが良い。
【0031】
加えて、この発明においては、前記クォータウィンドガーニッシュは、ルーフサイド部のみポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等の耐衝撃性に優れた柔らかい樹脂で構成すれば良く、他の一般部についてはポリプロピレン等の剛性の高い硬い樹脂で構成することができる。その結果、クォータウィンドガーニッシュ全体としての剛性は十分なものとなり、該クォータウィンドガーニッシュの組付作業性を悪化させず、しかもカーテンエアバッグ及びエアバッグ装置も簡単に組み付けることができる。
【0032】
また、請求項1の発明のように、折り畳まれたカーテンエアバッグを、ルーフサイド部裏側と対向するクォータインナーパネルの部分に設けられたブラケット内に収容し、該ブラケットに前記ルーフサイド部を、その裏面の天井部材側に立設した固定用壁部を介して固定するようにすれば、ルーフサイド部のカーテンエアバッグから受ける応力に対する強度が十分なものとなり、エアバッグの展開時にルーフサイド部が飛散するのを防止することができる。のみならず、ルーフサイド部の意匠側には、クリップ等の係止部材が存在しないので美観的にも優れたものとなる。特に、請求項2の発明の如く、ブラケットの天井部材側に外側に屈曲した固定用爪部を形成し、該固定用爪部をルーフサイド部の固定用壁部に形成された開口部に差し込み引っ掛けるようにすれば、前記ルーフサイド部のカーテンエアバッグから受ける応力に対する強度をより高めることができるとともに、ルーフサイド部のブラケットへの固定を極めて簡単に行うことができる。さらに、請求項3の発明のように前記ルーフサイド部とブラケットに位置決め手段を形成すれば、至って簡単にルーフサイド部を正しい位置に取り付けることができる。
【0033】
加えて、請求項4の発明のように、クォータウィンドガーニッシュの一般部を、そのルーフサイド部との境界付近でクォータインナーパネルに固定するようにすれば、エアバッグ膨張の際に一般部が前記ルーフサイド部との境界付近から外れるのを防ぐことができ、ひいてはルーフサイド部の車室内側への屈曲開放がスムーズになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係るクォータウィンドガーニッシュ部を有する車室内の様子を示す概略図である。
【図2】 図1の2−2断面図である。
【図3】 図1の3−3断面図である。
【図4】 実施例に係るクォータウィンドガーニッシュ部の要部を示す断面図である。
【図5】 同実施例のクォータウィンドガーニッシュのルーフサイド部及びエアバッグ収容用ブラケットを示す斜視図である。
【図6】 図5のクォータウィンドガーニッシュのルーフサイド部とエアバッグ収容用ブラケットの固定時における要部の状態を拡大して示す断面図である。
【図7】 従来のセダンタイプ車両における車室内の様子の一例を示す概略図である。
【図8】 従来のクォータウィンドガーニッシュ部を有するハッチバックタイプ車両における車室内の様子の一例を示す概略図である。
【図9】 図8の9−9断面図である。
【図10】 従来における他の例のクォータウィンドガーニッシュ部の要部を示す断面図である。
【図11】 従来におけるさらに他の例のクォータウィンドガーニッシュ部の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A クォータウィンドガーニッシュ部
11 クォータウィンドガーニッシュ
12 ルーフサイド部
13 ルーフサイド部の固定用壁部
14 ルーフサイド部の固定用壁部の爪部用開口部
15 ルーフサイド部の位置決め用爪部
21 一般部
24 一般部の後部
25 固定用リブ
C 車両
A カーテンエアバッグ
I エアバッグ装置
Wq クォータウィンドガラス
Pi クォータインナーパネル
B ブラケット
B1 ブラケットの固定用爪部
B2 ブラケットの位置決め用ボス
B3 ブラケットの位置決め用ボスの穴部
Claims (4)
- 車両のクォータウィンドガラスを包囲し、かつカーテンエアバッグを覆うようにしてクォータインナーパネルに取り付けられるクォータウィンドガーニッシュが、前記クォータウィンドガラスの上辺部を覆うように天井部材側端側に配設されるルーフサイド部と、前記クォータウィンドガラスの上辺部以外の他の三辺部を覆うように配設される一般部とに分割され、
前記一般部の後部とクォータインナーパネルの間にエアバッグ装置が配設されるとともに、前記ルーフサイド部とクォータインナーパネルの間に前記エアバッグ装置に接続されたカーテンエアバッグが折り畳まれた状態で配設され、かつ前記折り畳まれたカーテンエアバッグはルーフサイド部裏側と対向するクォータインナーパネルの部分に設けられた車室内側方向に開口したブラケット内に収容されるとともに、前記ルーフサイド部の裏面の天井部材側には固定用壁部が立設され、該固定用壁部を介してルーフサイド部が前記ブラケットに固定され、該カーテンエアバッグの膨張により前記ルーフサイド部が押されて車室内側へ曲げられ、カーテンエアバッグが車室内側へ展開するように構成されていることを特徴とするカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造。 - ブラケットの天井部材側に外側に屈曲した固定用爪部が形成され、該固定用爪部をルーフサイド部の固定用壁部に形成された開口部に差し込み引っ掛けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造。
- ブラケットの天井部材側開口端の外壁面には穴部を有する位置決め用ボスが形成されているとともに、ルーフサイド部裏面の天井部材側には前記固定用壁部の他に前記位置決め用ボスの穴部に挿入可能な位置決め用爪部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造。
- クォータウィンドガーニッシュの一般部裏面にはルーフサイド部との境界付近に固定用リブが立設され、該固定用リブを介して一般部がクォータインナーパネルに係止固定されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のカーテンエアバッグ付き車両のクォータウィンドガーニッシュ部の構造。
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