JP4269981B2 - 歩行者用エアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、車両のフードパネル後端付近の下部側となる位置において、フードパネル後端に略沿って、少なくとも上方側を開口させたケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて上方に向かって展開膨張する構成のエアバッグを、備える構成の歩行者用エアバッグ装置に関する。
従来、歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグは、車両のフードパネル後端付近において、ケース内に折り畳まれて収納されており、エアバッグを収納するケースは、合成樹脂から構成されるとともに、エアバッグの展開膨張時に、一部を破断させて形成された開口からエアバッグを突出可能な構成とされていた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、昨今の車両では、歩行者用エアバッグ装置の有無にかかわらず、歩行者保護の見地から、車両のフードパネルを、歩行者等の干渉物が干渉した際に、干渉時に発生するエネルギーを吸収可能なように、塑性変形させる構成としている。
特開2003−89333公報 特開2003−306101公報
しかし、従来の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグを収納させるケース全体が、合成樹脂から形成されていることから、エアバッグの膨張初期において、エアバッグが上方に向かって突出する際に、ケースに作用する反力を受けきれず、エアバッグの突出方向を安定させる点に、問題が生じていた。また、このような問題点を解決するために、ケースの剛性を高く設定することも考慮できるが、ケースの剛性を高く設定した場合、歩行者等の干渉物が、フードパネルにおけるケース近傍となる部位と干渉して、フードパネルにおけるケース近傍となる部位に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用した際に、フードパネルの塑性変形を阻害してしまう点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアバッグの突出方向を安定させることができ、かつ、フードパネル後端付近におけるエアバッグ収納用のケース付近に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用しても、円滑にそのエネルギーを吸収可能な歩行者用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
車両のフードパネル後端付近の下部側となる位置において、フードパネル後端に略沿って、少なくとも上方側を開口させたケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて上方に向かって展開膨張する構成のエアバッグを、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
フードパネルが、板金製とされて、上面側のアウタパネルと、アウタパネルより剛性を高くした下面側のインナパネルと、を備える構成とされ、
ケースが、
上端側を開口させるとともに略上下方向に沿って配設される略筒状の周壁部と、周壁部の下端側を閉塞するように配設されて折り畳まれたエアバッグの下部側に配設される底壁部と、を備えた板金製として、インナパネルを下方に凹ませて形成される凹部内に収納され、
周壁部に塑性変形を助長する変形促進部を配設させて構成されるとともに、底壁部の下部側を、略全面にわたってインナパネルに支持されて、上方から下方に向かうような衝撃力の作用時に、フードパネルにおけるケース近傍の部位とともに、衝撃力のエネルギーを吸収しつつ、周壁部の上縁を下方へ変位させるように塑性変形可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の歩行者用エアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグを収納する周壁部と底壁部とを備えたケースが、板金製とされて、強度を確保可能としていることから、エアバッグの膨張初期において、エアバッグが上方に向かって突出する際に発生するケースに作用する反力を、ケースにより確実に受けることができて、エアバッグの突出方向を安定させることができる。また、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、ケースが、上方から下方に向かうような衝撃力の作用時に、衝撃力のエネルギーを吸収しつつ、周壁部の上縁を下方へ変位させるように塑性変形可能に構成されていることから、歩行者等の干渉物が、フードパネルにおけるケース近傍となる位置と干渉して、上方から下方に向かうような衝撃力が作用した際に、ケースが塑性変形することとなる。そのため、この衝撃力の作用時に発生するエネルギーを、ケースにより、確実に、吸収することができる。
従って、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグの突出方向を安定させることができ、かつ、フードパネル後端付近におけるエアバッグ収納用のケース付近に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用しても、円滑にそのエネルギーを吸収させることができる。
また、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、周壁部に変形促進部が、配設されていることから、上方から下方に向かうような衝撃力の作用時に、周壁部を確実に塑性変形させることができる。
具体的には、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、変形促進部を、周壁部を貫通するように配設される多数の穴部を設けた構成とすることが好ましい。
また、変形促進部を、周壁部における上縁側を略楔形に切り欠くようにして形成される多数の切欠部を設けた構成としてもよい。
さらに、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、ケースを、フードパネルを構成するアウタパネルの後端側の部位を略箱形状に凹ませるようにして、アウタパネルと一体的に、構成させることが、好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、フードパネルのアウタパネルを利用することにより、ケースを別途配設させる必要がなく、フードパネルに搭載させたエアバッグ装置の部品点数を低減させることができる。
さらにまた、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、底壁部に、少なくとも1つの貫通孔を、配設させる構成とすることが好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、仮に、ケース内に、雨水等が侵入しても、侵入した雨水を、底壁部に配設される貫通孔から外部に流出させることができて、ケース内に、雨水等が溜まるのを、防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書では、前後の方向は、車両の前後方向に沿う方向を基準とし、左右の方向は、車両の前方側から後方側を見た際の左右の方向に沿う方向を基準とする。
実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mは、図1〜4に示すように、エアバッグ35、エアバッグ35に膨張用ガスを供給するインフレーター31、折り畳まれたエアバッグ35とインフレーター31とを収納するケース17、及び、ケース17の上方側を覆うエアバッグカバー25を、備えて構成され、車両Vのフードパネル3の後端3a付近となる位置に、配設されている。
歩行者用エアバッグ装置Mは、図1〜4に示すように、フードパネル3の後端3a付近の下部側となる位置において、フードパネル後端3aに略沿うように、左右方向の略全長にわたって、配設されており、実施形態の場合、フードパネル3を構成するアウタパネル4を切り欠いて構成される開口4a内において、インナパネル5を下方に凹ませて形成される凹部5a内に収納されるように、配設されている。また、実施形態の場合、エアバッグ装置Mは、ケース17の後述する底壁部21を、インナパネル凹部5aの底壁部5bに載置されて、底壁部5bにより略全面にわたって支持されるようにして、車両Vに搭載されている。インナパネル5の底壁部5bには、雨水等が溜まった際に、外部に排出可能とする図示しない排水孔が、形成されている。
なお、フードパネル3は、板金製とし、上面側のアウタパネル4と、アウタパネル4より剛性を高くした下面側のインナパネル5と、を備えて構成されている。アウタパネル4は、干渉物が上方から干渉した際に、撓みやすく構成されている。
また、車両Vには、フロントバンパ8に、歩行者との衝突を検知若しくは予知可能なセンサ9が配設され、図示しないエアバッグ作動回路が、歩行者との衝突を検知した信号をセンサ9から入力させた際、インフレーター31を作動させて、エアバッグ35を展開膨張させるように、構成されている。
ケース17は、板金製とされて、上端側を開口させるとともに略上下方向に沿って配設される略四角筒形状の周壁部18と、周壁部18の下端側を閉塞するように配設される底壁部21と、を備えた略箱形状とされている。また、ケース17は、図5に示すごとく、カウル11に対応したフードパネル3の後縁に沿うように、上方から見て、左右方向の中央付近を前方側に突出させるように、湾曲して、形成されている。ケース周壁部18における前後で対向する壁部18b・18cの外表面側には、エアバッグカバー25をケース17に組み付けるための複数の係止爪部20が、突設されている。各係止爪部20は、前・後壁部18b・18cに、それぞれ、複数個(実施形態の場合5個ずつ)配設されるもので、先端20a側を下方に屈曲させて構成されて、この先端20a側を、エアバッグカバー25の後述する周壁部26に形成される係止穴部26a周縁に、係止可能な構成とされている。なお、実施形態の場合、各係止爪部20は、前・後壁部18b・18cに所定形状の切り込みを形成し、前・後壁部18b・18cから切り起すようにして、前・後壁部18b・18cと一体的に、構成されている(図3〜6参照)。
また、周壁部18には、図3〜6に示すごとく、略円形に開口した多数の穴部19が、貫通して、配設される。この穴部19は、周壁部18に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用した際に、この衝撃力Pの作用時に発生するエネルギーを吸収して、周壁部18が、上縁18aを下方へ変位させるように塑性変形可能なように、塑性変形を助長する変形促進部として、配設されるものである。具体的には、図8の二点鎖線に示すように、歩行者等の干渉物Bが、フードパネル3におけるケース17近傍となる部位と干渉して、フードパネル3におけるケース17(前壁部18b)近傍となる部位に、上方から下方に向かうような衝撃力Pが作用すると、底壁部21を支持しているインナパネル5の底壁部5bにより衝撃力Pを受けつつ、ケース17の周壁部18における前壁部18bの部位が、図8の二点鎖線に示すごとく、周囲のフードパネル3とともに、上縁18aを下方へ変位させるように、曲げ変形若しくは座屈変形して、この衝撃力Pの作用時に発生するエネルギーを吸収することとなる。なお、実施形態のケース17では、前壁部18bは、下端側をインナパネル5の底壁部5bに支持された状態で、図8の二点鎖線に示すごとく、穴部19周縁となる部位を屈曲させて、上縁18aを下方へ変位させつつ上下方向の高さ寸法を縮めるように、塑性変形することとなる。また、実施形態のケース17では、穴部19は、剛性の特に高くなる部位、すなわち、周壁部18を構成する前・左・右・後壁部の連結部位(コーナ部C1)や、周壁部18と底壁部21との連結部位C2にも、配設されている(図6参照)。
底壁部21は、折り畳まれたエアバッグ35の下部側に配設されており、インフレーター31をケース17に取り付けるためのボルト33を挿通させる挿通孔21aを、備えて構成されている(図4参照)。また、底壁部21には、多数の貫通孔22が、配設されている。この貫通孔22は、ケース17内に雨水等が侵入した場合に、雨水等をケース17外に排出させて、ケース17内部に雨水が溜まるのを防止するとともに、底壁部21の塑性変形を助長する変形促進部としての役割も果たすこととなる。
ケース17は、実施形態の場合、底壁部21から下方に突出するように配設される複数のボルト23(実施形態の場合2個)を、利用して、フードパネル3におけるインナパネル5に取付固定されている。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Mでは、ケース17は、取付ボルト23を使用して、底壁部21の下部側を、インナパネル5における凹部5aの底壁部5bに支持されるようにして、インナパネル5に取付固定されることとなる。
エアバッグカバー25は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製とされて、ケース17の上部側において、ケース開口17aを覆うように、配設されている。実施形態の場合、エアバッグカバー25は、フードパネル3におけるアウタパネル4に形成される開口4aを塞ぐように配設され、上面側を、周囲のアウタパネル4表面と略面一とするように、配設されている。エアバッグカバー25は、ケース周壁部18の外周側に配設されるように下方に突設される略筒状の周壁部26と、ケース開口17aを覆う扉部27と、を備えて構成されている。周壁部26には、係止爪部20を係止させるための複数の係止穴部26aが、形成されており、エアバッグカバー25は、ケース17に配設される係止爪部20を係止穴部26a周縁に係止させることにより、ケース17に組み付けられている。
扉部27は、実施形態の場合、図2〜4に示すごとく、ケース開口17aにあわせて、上方から見て、左右方向の中央付近を前方側に突出させるように、湾曲して、形成されており、左縁・右縁・後縁側に、エアバッグ35の突出時に破断する破断予定部28を配設させ、前縁側に、開き時の回転中心となるヒンジ部29を配設させた構成とされている。
インフレーター31は、実施形態の場合、ケース17の左右両端側となる2箇所に、配設されて、それぞれ、ガス吐出口(図示せず)を備えた略円柱状とされている。各インフレーター31は、エアバッグ35内に膨張用ガスを流出可能に、エアバッグ35に連結されている。また、各インフレーター31は、板金製のブラケット32により保持されており、このブラケット32をボルト33を利用してケース底壁部21に固定させることにより、ケース17に取付固定されている。
エアバッグ35は、インフレーター31から吐出される膨張用ガスを内部に流入させて展開膨張するもので、実施形態の場合、ポリエステルやポリアミド糸等を使用した織布から、形成された袋状としている。エアバッグ35は、図2の二点鎖線及び図7に示すように、膨張完了時の形状を、正面から見て、左右方向に幅広とした略U字形状に形成されるもので、左右方向に沿って配設される本体部36と、本体部36の左右両端からフロントピラー15の前面側を覆うように後方側に延びるピラーカバー部37・37と、を備えて構成されている。本体部36は、エアバッグ35の膨張完了時において、フードパネル3の後端3a付近の上面からフロントウィンドシールド14の下部前面付近にかけてを、左右方向の略全長にわたって覆うように、構成されている。フードパネル3とフロントウィンドシールド14との間には、カウルパネル13と、カウルパネル13の上方に配設されるカウルルーバ12と、から構成されるカウル11が、配設されている。すなわち、エアバッグ35の本体部36は、膨張完了時に、フードパネル3の後端3aとカウル11との上面側を略全面にわたって覆い可能な構成とされている。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置Mでは、車両搭載状態において、インフレーター31に作動信号が入力されれば、インフレーター31から膨張用ガスが吐出され、エアバッグ35が、膨張用ガスを流入させて膨張することとなる。そして、エアバッグカバー25の扉部27が、エアバッグ35に押されて、破断予定部28を破断させて、車両Vの前方側に向かって開き、エアバッグ35が、ケース17の開口17aから上方に向かって突出し、図1・2の二点鎖線及び図7に示すごとく膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、折り畳まれたエアバッグ35を収納する周壁部18と底壁部21とを備えたケース17が、板金製とされて、強度を確保可能としていることから、エアバッグ35の膨張初期において、エアバッグ35が上方に向かって突出する際に発生するケース17に作用する反力を、ケース17により確実に受けることができて、エアバッグ35の突出方向を安定させることができる。また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、ケース17が、上方から下方に向かうような衝撃力Pの作用時に、衝撃力Pにより発生するエネルギーを吸収しつつ、周壁部18の上縁18aを下方へ変位させるように塑性変形可能に構成されていることから、歩行者等の干渉物Bが、フードパネル3におけるケース17近傍となる位置と干渉して、上方から下方に向かうような衝撃力Pが作用した際に、図8の二点鎖線に示すごとく、ケース周壁部18が、上縁18aを下方へ変位させるように塑性変形することとなる。そのため、この衝撃力Pの作用時に発生するエネルギーを、フードパネル3とケース17とにより、確実に、吸収することができる。なお、実施形態のケース17では、ケース周壁部18における上縁18a近傍に、エアバッグカバー25をケース17に組み付けるための複数の係止爪部20が配設されているが、この係止爪部20は、上端を残して、下端と左右両縁との三方を切り欠いた状態として、周壁部18から切り起こして構成されている。そのため、係止爪部20により、ケース周壁部18における上縁18a近傍部位の強度は向上せず、逆に、切り欠きが、貫通孔として、変形促進部と同様な作用を奏することとなる。そのため、係止爪部20が配設されていても、ケース周壁部18は、衝撃力Pの作用時に、上縁18aを下方へ変位させるように、支障なく、塑性変形可能である。
従って、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、エアバッグ35の突出方向を安定させることができ、かつ、フードパネル後端3a付近におけるエアバッグ収納用のケース17付近に、上方から下方に向かうような衝撃力Pが作用しても、円滑にそのエネルギーを吸収させることができる。
また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、ケース周壁部18に、塑性変形を助長する変形促進部としての多数の穴部19を配設させている。そのため、衝撃力Pの作用時に、周壁部18を確実に塑性変形させることができる。特に、実施形態のケース17では、穴部19を、ケース周壁部18における剛性の特に高くなる部位、すなわち、周壁部18におけるコーナ部C1や、周壁部18と底壁部21との連結部位C2にも、配設させている構成である。そのため、歩行者等の干渉物Bが、仮に、フードパネル3におけるケース17のコーナ部C1近傍となる部位に干渉しても、周壁部18を塑性変形させることができて、衝撃力Pの作用時に発生するエネルギーを、フードパネル3とケース17とにより、支障なく、吸収させることができる。
なお、上記ケース17では、周壁部18に配設される穴部19として、略円形に開口したものが、配設されているが、穴部19の形状は、これに限られるものではなく、例えば、図9に示すケース17Aのごとく、水平方向に沿った長穴状に開口した穴部19Aを、周壁部18Aに多数配設させる構成としてもよい。このような構成のケース17Aでは、穴部19Aが水平方向に沿った長穴状とされていることから、前述のケース17における周壁部18のごとく、単に円形に開口した穴部19を配設させる場合と比較して、周壁部18Aにおける上下方向の強度が、弱くなる。そのため、上方から下方に向かうような衝撃力が作用した際に、上縁18aを下方へ大きく変位させるように、大きく塑性変形して、この衝撃力Pの作用時に生ずるエネルギーを、確実に、吸収することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、例えば、変形促進用の穴部として、上下方向に沿った長穴状のものを、ケース周壁部に、多数配設させる構成としてもよい。
また、図10に示すごとく、周壁部41に、上縁41a側を凹ませるように配設される多数の切欠部(変形促進部)42を配設させたケース40を使用してもよい。ケース40は、周壁部41に切欠部42を配設させている以外は、前述のケース17と同様の構成である。各切欠部42は、周壁部41の上縁41aを略楔形に切り欠くように、構成されている。
このような構成のケース40を使用したエアバッグ装置を車両に搭載させた場合にも、フードパネル3におけるケース40近傍となる部位に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用すると、ケース40の周壁部41が、周囲のフードパネル3とともに、上縁41aを下方へ変位させるように塑性変形して、この衝撃力の作用時に発生するエネルギーを吸収することとなる。具体的には、周壁部41は、切欠部42・42間に配設される部位を、上縁41aを水平方向側に向けるように、屈曲させて、上縁41aを下方へ変位させつつ上下方向の高さ寸法を縮めるように、塑性変形することとなる。また、ケース周壁部41は、上方から下方に向かうような衝撃力の作用時に、図10の二点鎖線に示すごとく、切欠部42の上端側における開口幅寸法を狭めて、周壁部41における衝撃力が作用した部位を、底壁部21も含めて、ケース底壁部21を支持しているインナパネル5の底壁部5bごと下方に突出させるように湾曲させて、上縁41aを下方に変位させるように、塑性変形する場合もある。
特に、ケース40の左右両端側を、後述する取付ブラケットなどを利用して、フードパネル3を開閉させるヒンジ部近傍のインナパネル5の部位に固定させた場合、ケース40の左右方向における中央付近に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用すると、ケース40は、左右両端側が高い剛性を有したヒンジ部に支持されることから、図10の一点鎖線に示すごとく、中央付近を下方に大きく突出させて、全体が前後方向から見て略U字形状となるように塑性変形することとなる。前述のごとく穴部19を多数配設させたケース17においても、左右両端側をヒンジ部に支持させて車両に搭載した場合、上方から下方に向かうような衝撃力の作用時に、このように塑性変形することとなるが、上縁41a側に多数の切欠部42を配設させたケース40の場合、容易に、このように塑性変形する。
なお、実施形態のエアバッグ装置Mでは、装置M自体を、インナパネル5に形成される凹部5a内に収納させて、ケース17の底壁部21を、ボルト23を利用して、直接、インナパネル凹部5aの底壁部5bに、取付固定している構成であるが、図11に示すごとく、ケース17Bにおける所定箇所に、底壁部21から延設されるとともにフードパネル3A側に取付固定させるための取付ブラケット43を配設させ、この取付ブラケット43を、ボルト44を使用して、周囲のインナパネル5Aに固定させて、エアバッグ装置をボディ1側に取付固定させる構成としてもよい。なお、取付ブラケット43は、左右方向に沿った複数箇所に、配設させることが望ましい。
また、取付ブラケットを使用してケースを車両のボディ1側に取付固定させる構成とする場合、取付ブラケットを、例えば、ケース周壁部に配設させ、この取付ブラケットを周囲のインナパネル等に固定させる構成としてもよい。なお、ケースを、周壁部に配設された取付ブラケットを利用して車両のボディ側に取付固定させる構成とする場合、ケース底壁部は、下部側をインナパネルに支持されないが、通常、ケースの下方には、カウルパネル13やエンジンルーム内に配設されるエンジンのシリンダヘッドカバー等の剛性を有した部材が近接して配設される構成である。すなわち、フードパネルにおけるケース近傍となる部位に、上方から下方に向かうような衝撃力が作用すると、エアバッグ装置が衝撃力を受けて下方へ少し移動するような態様となって、ケースの下部側が、カウルパネル13やエンジンルーム内の剛性を有した部材に支持されることとなる。そのため、インナパネルがケース底壁部と当接しない構成の場合にも、ケースは、衝撃力の作用時に、底壁部の下部側を、カウルパネル13やエンジンルーム内の部材に支持されることとなって、支障なく、衝撃力の作用時に発生するエネルギーを吸収しつつ、周壁部の上縁を下方へ変位させるように塑性変形することとなる。
また、図12に示すごとく、ケース45として、フードパネル3Bにおけるアウタパネル4Aの後端側の部位を、インナパネル5Bを貫通して下方に突出するように略箱形状に凹ませて、アウタパネル4Aと一体的に構成したものを使用してもよい。ケース45の周壁部46には、前述のケース17と同様に、変形促進部としての多数の穴部19が配設されており、ケース45の底壁部47には、多数の貫通孔22が、配設されている。ケース45をこのような構成とする場合、アウタパネル4Aは、開口45aを覆うように配設されるエアバッグカバー25表面を、ケース45周囲のアウタパネル4Aの表面と略面一とするように、開口45aの周囲の部位を、エアバッグカバー25を収納可能に、凹ませて、形成されている。また、ケース45における開口45a周縁となる部位には、エアバッグカバー25の周壁部26を挿通可能な挿通孔4bが、配設されている。このような構成とした場合、フードパネル3Bのアウタパネル4Aを利用することにより、ケースを別途配設させる必要がなく、フードパネル3Bに搭載されるエアバッグ装置の部品点数を低減させることができる。
なお、図12に示すエアバッグ装置では、アウタパネル4Aと一体的に構成したケース45は、インナパネル5Bを貫通して下方に突出するように形成されており、下部側をインナパネル5Bに支持されない構成であるが、衝撃力の作用時には、下部側を、カウルパネル13やエンジンルーム内の部材に支持されることとなる。勿論、ケース45をアウタパネル4Aと一体的に構成する場合にも、前述のエアバッグ装置Mにおけるケース17と同様に、ケース45を、インナパネル5Bを凹ませて形成される凹部内に配設させ、インナパネル5Bにより、ケース45の下部側を支持させる構成としてもよい。
また、図13に示すごとく、ケース50として、フードパネル3Cの後縁側を、アウタパネル4Bとインナパネル5Cとをともに下方に凹ませて、フードパネル3Cと一体的に構成されるものを使用してもよい。このケース50は、上方側と後方側とを開口させるように構成されており、ケース50の開口50aとなる上方と後方とを覆うように構成される扉部56を有したエアバッグカバー55が、配設される構成である。アウタパネル4Bから構成されるケース50の周壁部51には、前述のケース17・45と同様に、変形促進部としての多数の穴部19が配設されている。また、アウタパネル4Bとインナパネル5Cとを重ねて構成されるケース50の底壁部52には、多数の貫通孔22が、パネル4B・5Cを貫通するように、配設されている。エアバッグカバー55の扉部56は、前述のエアバッグカバー25における扉部27と同様に、前端側に、ヒンジ部29を配設させて、車両前方側に向かって開き可能な構成とされている。また、エアバッグカバー55は、前述のエアバッグカバー25と同様に、ケース50に配設される係止爪部20を利用して、ケース50に組み付けられる構成である。
実施形態のケース17・45・50では、底壁部21・47・52に、少なくとも1つの貫通孔22を、配設させる構成である。そのため、仮に、ケース17・45・50内に、雨水等が侵入しても、侵入した雨水を、底壁部21・47・52に配設される貫通孔22から外部に流出させることができて、ケース17・45・50内に、雨水等が溜まるのを、防止することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、ケースとして、底壁部に貫通孔を配設させない構成のものを使用してもよい。
本発明の一実施形態である歩行者用エアバッグ装置を搭載させた車両の正面図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置を搭載させた車両の平面図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置の車両前後方向に沿った概略断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置の車両前後方向に沿った概略断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において使用するケースの概略斜視図である。 ケースを底面側から見た状態の部分拡大斜視図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態の車両の斜視図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、ケース付近に衝撃力が作用した状態を説明する概略断面図である。 他の形態のケースを示す概略斜視図である。 さらに他の形態のケースを示す概略斜視図である。 他の形態の歩行者用エアバッグ装置の車両前後方向に沿った概略断面図である。 さらに他の形態の歩行者用エアバッグ装置の車両前後方向に沿った概略断面図である。 さらに他の形態の歩行者用エアバッグ装置の車両前後方向に沿った概略断面図である。
符号の説明
1…ボディ、
3・3A・3B・3C…フードパネル、
4・4A・4B…アウタパネル、
5・5A・5B・3C…インナパネル、
17・17A・40・45・50…ケース、
18・18A・41・46・51…周壁部、
19・19A…穴部(変形促進部)、
21・47・52…底壁部、
22…貫通孔、
25・55…エアバッグカバー、
27・56…扉部、
31…インフレーター、
35…エアバッグ、
B…干渉物、
P…衝撃力、
V…車両、
M…歩行者用エアバッグ装置。

Claims (5)

  1. 車両のフードパネル後端付近の下部側となる位置において、前記フードパネル後端に略沿って、少なくとも上方側を開口させたケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて上方に向かって展開膨張する構成のエアバッグを、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
    前記フードパネルが、板金製とされて、上面側のアウタパネルと、該アウタパネルより剛性を高くした下面側のインナパネルと、を備える構成とされ、
    前記ケースが、
    上端側を開口させるとともに略上下方向に沿って配設される略筒状の周壁部と、該周壁部の下端側を閉塞するように配設されて折り畳まれた前記エアバッグの下部側に配設される底壁部と、を備えた板金製として、前記インナパネルを下方に凹ませて形成される凹部内に収納され、
    前記周壁部に塑性変形を助長する変形促進部を配設させて構成されるとともに、前記底壁部の下部側を、略全面にわたって前記インナパネルに支持されて、上方から下方に向かうような衝撃力の作用時に、前記フードパネルにおける前記ケース近傍の部位とともに、前記衝撃力のエネルギーを吸収しつつ、前記周壁部の上縁を下方へ変位させるように塑性変形可能に構成されていることを特徴とする歩行者用エアバッグ装置。
  2. 前記変形促進部が、前記周壁部を貫通するように配設される多数の穴部を設けて、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者用エアバッグ装置。
  3. 前記変形促進部が、前記周壁部における上縁側を略楔形に切り欠くようにして形成される多数の切欠部を設けて、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者用エアバッグ装置。
  4. 前記ケースが、前記フードパネルを構成するアウタパネルの後端側の部位を略箱形状に凹ませるようにして、前記アウタパネルと一体的に、構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の歩行者用エアバッグ装置。
  5. 前記底壁部に、少なくとも1つの貫通孔が、形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の歩行者用エアバッグ装置。
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