JP4529725B2 - 車両用歩行者保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントガラスの前面側で展開するように構成されたエアバッグを有する車両用歩行者保護装置に関し、車両の安全技術の分野に属する。
従来より、フロントガラスの前面側で展開するように構成されたエアバッグを有する歩行者保護装置が知られているが、これらの装置においては、エアバッグの良好な展開性を確保する必要があるため、その収納ケースは、例えば、特許文献1に開示されているように、ボンネットフードの後端部に近接して設けられたり、特許文献2に開示されているように、ボンネットフードに設けたエアバッグ展開用扉部の下面に近接して設けられたりする。
特開2003−95044号公報 特開2003−252142号公報
ところで、車両と歩行者との衝突の仕方は様々であるため、通常考え得る種々の手段を設けたとしても、車両と歩行者との衝突の仕方によっては、エアバッグが展開しない虞があり、その場合、前記特許文献1のような構成においては、この衝突により跳ね上げられた歩行者が比較的剛性の高いエアバッグケースに直接衝突する虞がある。また、直接衝突しない場合でも、ボンネットフードを介して衝突する虞がある。特許文献2のような構成においては、直接衝突する虞はないが、ボンネットフードを介して衝突する虞がある。
そこで、本発明は、歩行者保護をより一層確実なものとすることを目的とするもので、フロントガラスの前面側で展開可能なエアバッグを収納するケースがボンネットフード下面に近接して配置された車両において、エアバッグが展開しないことに起因して歩行者がエアバッグケースに衝突した際の衝撃を吸収可能な構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、フロントガラスの前面側で展開可能なエアバッグを収納するケースがボンネットフードの後端部の下面に近接して配置された車両用歩行者保護装置であって、前記ケースが、車幅方向に延びて前記フロントガラスの下辺部を支持する車体構成部材の前面に、上方から所定以上の衝撃力が印加されたときに前記車体構成部材に対して摺動しながら下方へ変位可能に取り付けられていると共に、前記エアバッグの展開時に、前記ケースが下方へ変位しないように、該ケースを前記車体構成部材に係止する係止手段が備えられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記ケースまたは前記車体構成部材の一方には上下方向に延びる長孔が設けられていると共に、前記ケースまたは前記車体構成部材の他方にはボルト部材が固着されて前記長孔に挿通されており、前記ケースは、前記ボルト部材にナット部材を螺合することにより、上方から所定以上の衝撃力が印加されたときに下方へ変位可能に車体構成部材に取り付けられていることを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記長孔が前記車体構成部材に設けられている場合に、前記係止手段は、車体構成部材の前記長孔と、前記エアバッグの展開時に前記ケース側から突出して前記長孔の下端部に突入するピン部材とを有することを特徴とする。
さらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記ピン部材は、前記エアバッグの展開時にガス発生器から噴出するガス圧によりケース側から突出することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記ピン部材は、前記エアバッグの展開時にソレノイドによりケース側から突出することを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、エアバッグケースが上方から所定以上の衝撃力が印加されたときに下方へ変位することとなる。したがって、例えば衝突時にエアバッグが展開しなかった場合でも、ボンネット上に跳ね上げられた歩行者に与えられる衝撃が効果的に吸収され、歩行者が保護されることとなる。
その場合に、前記ケースは、上方から所定以上の衝撃力が印加されたときのみ下方へ変位するから、例えば車両の通常運転時の車体の上下振動程度の衝撃で不要に該ケースが下方へ変位することがない。
ところで、前記のようにエアバッグの展開時にエアバッグケースが下方へ変位すると、例えばフロントピラーやフロントガラス等を十分に覆うことができなくなる虞がある。
しかし、請求項1に記載の発明によれば、前記エアバッグの展開時に、前記ケースが下方へ変位しないように、該ケースを前記車体構成部材に係止する係止手段が備えられているから、エアバッグの展開時に生じる下方への反力によっては、エアバッグケースが下方へ変位することがない。したがって、エアバッグがボンネットフードに近接して展開するため、フロントピラーやフロントガラス等を十分に覆うことができる。
そして、請求項2に記載の発明によれば、前記ケースを下方へ変位可能に車体構成部材に取り付ける請求項1の構成を簡易な構造で実現することができる。
また、請求項3から請求項5に記載の発明によれば、簡易な構造で請求項1の係止手段を構成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係る車両用歩行者保護装置は、図1に示す車両1に適用されている。該車両1には、図2に示すように、フロントガラス2の前面側で左右のフロントピラー3,3間にわたって展開可能なU字状のエアバッグ4が設けられている。また、この車両1には、図3に示すように、前記エアバッグ4の展開を制御するためのコントローラ10が設けられていると共に、車体前端部には、車体への歩行者等の衝突を検出するための衝突センサ11(例えばGセンサ)が設けられている。また、エアバッグ4を収容する後述するケース30の内部には該エアバッグ4展開用のガスを発生するインフレータ12,12が収容されており(図4参照)、前記コントローラ10は、衝突センサ11から入力された信号が所定の条件に一致すると、インフレータ12,12に通電してガスを発生させ、エアバッグ4を展開させる。なお、前記衝突センサ11に代えてレーダや赤外線センサ等のセンサを衝突予知用のセンサとしてバンパ等に設けてもよく、この場合、該センサからの信号により衝突が予測される場合にインフレータ12,12に通電するようにすればよい。
次に、前記エアバッグ4が収納される車体前部の構造について説明する。すなわち、図4に示すように、該車両1の前部には、ボンネットフード21により開閉されるエンジンルーム22が設けられていると共に、該エンジンルーム22の後端には該エンジンルーム22と車室23とを仕切るダッシュパネル24が配設されている。ダッシュパネル24上部におけるエンジンルーム22側の面には、車幅方向に延び、フロントガラス2の下辺部を支持するカウルメンバ25が設けられていると共に、該カウルメンバ25の上方には、車幅方向に延びる例えば樹脂材からなるカウルトップパネル26が配設されている。なお、本実施の形態においては、エアバッグ4の展開時に、該エアバッグ4の前方膨出部4aの展開圧により、ボンネットフード21の後端側が前端側を中心として持上げ可能に図示しないヒンジ機構により支持されている(図7参照)。
また、ボンネットフード21の後端部近傍下方には、前記エアバッグ4収納用のケース30が配設されている。このケース30は、カウルメンバ25の前部の傾斜面25aに沿って車幅方向に延びて上面が開口し、エアバッグ4が収納される収納部31と、該収納部31の開口を覆う蓋部32とからなり、蓋部32の前端壁と収納部31の前壁とが複数のリベット34…34で圧着されると共に、蓋部32の後壁下端と収納部31の後壁上端とが固着されている。蓋部32の車幅方向に延びる折曲部32a,32bの内面(図1参照)には、それぞれV字状溝が形成されており、その溝の深さは、エアバッグの展開時に、折曲部32bは破断し、折曲部32aは破断はしないが該折曲部32aと折曲部32aとの間の部分が該折曲部32aを中心として回転可能な深さとされている。つまり、折曲部32bの溝の方が折曲部32aの溝よりも深くされている。
またケース30の収納部31の底面に、前記インフレータ12,12がボルト35,ナット36を用いて固定されている。
次に、このケース30のカウルメンバ25への取付について説明する。
すなわち、図4、図5、図6に示すように、このカウルメンバ25の車幅方向中間部の傾斜面25aの左右両端側には、上下方向に延びる長孔25b,25bが設けられていると共に、収納部31の後壁外面左右両端側にはスタットボルト41,41が固着されている。そして、該スタットボルト41…41が前記長孔25b,25bの上端側に挿通されて、ナット42…42に螺合されている。その場合に、これらのナット42…42は、上方からケース30に所定以上の衝撃力が加わったときに、該ケース30がカウルメンバ25の傾斜面25aに対して摺動しながらずり落ち可能なように(図8参照)、例えばトルクレンチ等を用いて所定のトルクで螺合されている。
また、前記ケース30の収納部31の内部におけるインフレータ12,12の車両後方側には、エアバッグ4の展開時にその反力によりケース30が下方にずり下がるのを防止するための係止機構50が設けられている。この係止機構50は、収納部31の後壁に固定されたフレーム51と、前記カウルメンバ25の傾斜面25aに対して垂直な方向に進退可能に前記フレーム51に支持されたピン部材52と、該ピン部材52の長手方向略中間に設けられた拡径部52aと収納部32の後壁内面との間に設けられて、該ピン部材52をインフレータ12,12側に付勢するバネ部材53とを有している。また、各インフレータ12には、起爆時に該インフレータ12から発生するガスの一部を前記ピン部材52に向けて噴出させる側方噴出口12aが、前記ピン部材52のインフレータ12側の端面に対向して設けられており、インフレータ12の起爆時、すなわちエアバッグ4の展開時に前記側方噴出口12aから噴出されるガスの圧力圧により、前記バネ部材53の付勢力に抗して、前記ピン部材52が、収納部31の後壁の孔部31aから突出して前記カウルメンバ25の長孔25bの下端部に突入するようになっている。
次に、本実施の形態による作用について説明する。
まず、車両1の走行中に衝突センサ11により該車両1への歩行者の衝突が検知されると、前記インフレータ12,12に通電され、該インフレータ12,12からガスが瞬間的に発生してエアバッグ4が膨張、展開し始めると共に、図7に矢印アで示すように、インフレータ12,12で発生したガスの一部が側方噴出口12a,12aからピン部材52に向けて噴出されることにより、前記係止機構50,50のピン部材52,52が、収納部31の後壁の孔部31aから突出してカウルメンバ25の傾斜面25aの長孔25b,25bの下端部に突入する。ここで、前記側方噴出口12a,12aはそれぞれピン部材52,52の直近に配設されているので、エアバッグ4の展開開始とほほ同時に、つまり、ケース30にエアバッグ4の展開に伴う大きな反力が作用する前に、ピン部材52,52がケース30側から突出して前記長孔25b,25b内に突入することとなる。つまり、エアバッグ4の展開時に、ケース30をカウルメンバ25に対して係止させることができ、その結果、エアバッグ4の展開時に、前記エアバッグ4の展開時に生じる下方への反力によっては、ケース30が下方へ変位することがない。したがって、エアバッグ4がボンネットフード21に近接して展開可能となり、フロントガラス2やフロントピラー3,3等を十分に覆うことができる。
そして、エアバッグ4の膨張により、該エアバッグ4からケース30の蓋部31内面に加わる圧力が所定圧以上となると蓋部32の折曲部32bが破断すると共に折曲部32aが折曲して蓋部32が開き、エアバッグ4が上方に展開する。また、このとき、該エアバッグ4の前方膨出部4aによってボンネットフード21が前端側を中心として持上げられることとなり、これによれば、ボンネットフード21上に歩行者が落下した場合でも、該エアバッグ4により衝撃が吸収されると共に、ケース30への衝突が防止されることとなる。
ところで、背景技術で説明したように、車両と歩行者との衝突の仕方によっては、エアバッグ4が展開せず、歩行者が、剛性の高いケース30に、直接あるいはボンネットフード21を介して衝突する虞がある。
しかし、本実施の形態においては、ケース30が下方へ変位可能にカウルメンバ25に取り付けられているから、図8に示すように、歩行者がボンネット21を介して上方から衝突すると、ケース30が下方にずり下がる(変位する)こととなるので、衝突時の衝撃が効果的に吸収されることとなる。なお、直接ケース30に上方から衝突した場合でも、ケース30が下方にずり下がることとなる。
ところで、例えば車両の通常運転時の車体の上下振動程度の衝撃で不要にケース30が下方へ変位するのは好ましくないが、本実施の形態によれば、ケース30は、上方から所定以上の衝撃力が印加されたときにのみ、下方へ変位するようにカウルメンバ25に取り付けられているので、例えば車体の上下振動程度の衝撃で不要にケース30が下方へ変位することがない。
加えて、本実施の形態によれば、ボルト41…41,ナット42…42、長孔25b,25b等の簡易な構成で、ケース30を下方に変位可能とすることができる。
ここで、特許請求の範囲に記載の構成要素と本実施の形態の構成要素との対応について説明しておく。なお、後掲の符号の説明等により対応が明らかであるものについては適宜省略する。すなわち、特許請求の範囲の請求項1における「ケース」はケース25に対応し、「車体構成部材」はカウルメンバ25に対応する。また、請求項4における「長孔」は長孔25b,25bに対応し、「ボルト部材」はスタットボルト41…41に対応し、「ナット部材」はナット42…42に対応する。また、請求項5における「係止手段」は係止機構50に対応する。また、請求項6の「ピン部材」はピン部材52に対応する。また、請求項7における「ガス発生器」はインフレータ12,12に対応する。
次に、前記実施の形態の係止機構50の構成を変更した変形例について説明する。すなわち、図9、図10に示すように、この変形例に係る係止機構50′においては、前述の例のバネ部材53等に代えて、電磁ソレノイド55が用いられており、コントローラ10は、衝突センサ11で衝突が検知されたときに、インフレータ12,12を起爆させると共に、ソレノイド55,55を作動させるように構成されており、これによれば、衝突センサ11で衝突が検知されると、仮想線で示すようにピン部材56,56がケース30側から突出して前記長孔25b,25b内に突入することとなり、前述したのと同様の効果が得られることとなる。ここで、上記ソレノイド55,55は、請求項8におけるソレノイドに対応する。
なお、前記実施の形態及びソレノイド55,55を用いた変形例においては、カウルメンバ25に長孔25b,25bを設けると共に、ケース30の収納部31の後壁にスタットボルト41,41を立設したが、これとは逆に、ケース30の収納部31の後壁に長孔を設けると共に、カウルメンバ25にスタットボルトを立設してもよい。なお、この場合、スタットボルトは長孔の下端部に挿通してナットに螺合し、係止機構のピン部材は、長孔の上端部に突入するように構成することとなる。
次に、本発明に関連する車両用歩行者保護装置の参考例を説明する。なお、車両の基本構造は前記の実施の形態と同様であり、以下、変更点を中心に説明する。また、同構成及びほぼ同構成のものについては、同一の符号を用いる。
まず、第1の参考例について説明すると、この参考例においては、図11、図12に示すように、カウルメンバ60の車幅方向中間部の傾斜面60aの左右両端側にそれぞれ上下2つずつの取付孔60b,60bが設けられていると共に、ケース61の収納部62の後壁外面左右両端側にはスタットボルト63,63が固着されており、該スタットボルト63…63が前記カウルメンバ60の傾斜面60aの取付孔60b…60bに挿通されてナット64…64に螺合されている。
また、前記カウルメンバ60の傾斜面60aには、図12に示すように、裏面にV字状溝が形成された四角枠状の薄肉部70が形成されている。
その場合に、この薄肉部70の上辺部70a,左辺部70b,右辺部70c,下辺部70dのV字状溝の深さは、全ての辺部70a,70b,70c,70dについて、上方から所定以上の衝撃力が加わると破断可能な深さとされている。これによれば、歩行者の上方からの衝突等に起因して、ボンネットフード21を介してあるいは直接上方からケース61に衝撃力が作用すると、薄肉部70の全ての辺部70a,70b,70c,70dが破断し、この結果、図11に仮想線で示すように、該ケース61がカウルメンバ60の内部空間に落下することとなり、この結果、簡易な構造で歩行者に加わる衝撃を吸収することができる。
なお、薄肉部70の各辺部70a,70b,70c,70dのV字状溝の深さを変更することにより、他に次の2つのパターンを構成することができる。すなわち、他のパターンの第1は、図13に示すように、薄肉部70の各辺部70a,70b,70c,70dのV字状溝の深さを、左辺部70b、右辺部70c、及び下辺部70dについては、上方から所定以上の衝撃力が加わると破断可能な深さとし、上辺部70aについては、上方から所定以上の衝撃力が加わっても破断はしないが折れ曲がりは可能な深さとするものである。これによれば、ボンネット21を介してあるいは直接、上方からケース61に衝撃力が作用すると、薄肉部70のうち左辺部70b、右辺部70c、及び下辺部70dが破断すると共に、上辺部70aが折れ曲がり、この結果、ケース61が、仮想線で示すように該上辺部70aを中心として回転しながら、カウルメンバ60の内部空間に侵入することとなり、これにより、簡易な構造で歩行者に加わる衝撃を吸収することができる。
次に、他のパターンの第2は、図14に示すように、薄肉部70の溝の深さを、薄肉部70の各辺部70a,70b,70c,70dのV字状溝の深さを、上辺部70a、左辺部70b、及び右辺部70cについては、上方から所定以上の衝撃力が加わると破断可能な深さとし、下辺部70dについては、上方から所定以上の衝撃力が加わっても破断はしないが折れ曲がりは可能な深さとするものである。これによれば、ボンネット21を介してあるいは直接、ケース61に上方から衝撃力が作用すると、薄肉部70のうち上辺部70a、左辺部70b、及び右辺部70cが破断すると共に、下辺部70dが折れ曲がり、この結果、ケース61が、仮想線で示すように該下辺部70dを中心として回転しながら、カウルメンバ60の内部空間に侵入することとなり、これにより、簡易な構造で歩行者に加わる衝撃を吸収することができる。
なお、前記第1の参考例の各パターンにおいては、カウルメンバ60の傾斜面60aに薄肉部70を設けることにより該傾斜面60aを脆弱としたが、該傾斜面60aの、図15に格子状ハッチングで示す上方の面60c及び下方の面60d、60eのうちの上方または下方の少なくとも一方の面に、前記のような、破断可能な薄肉部や折曲可能な薄肉部を設けて該面を脆弱とすると共に、前記傾斜面60aの車幅方向中間部の両端の折曲部60f,60gを破断可能としてもよく、これによれば、ボンネット21を介してあるいは直接、ケース61に上方から所定以上の衝撃力が作用すると、これらの面のうちの脆弱な面が折曲または破断することにより、図11、図13、図14に類似の態様で、ケース61が下方へ変位することとなる。
次に、第2の参考例について説明する。この参考例においては、図16,17に示すように、ケース80は、例えばマジックテープ(登録商標)等の摺接抵抗材91…91a,91b…91bを用いて取り付けられている。具体的には、カウルメンバ90の傾斜面90aに、一方の摺接抵抗材91…91aが固着されていると共に、ケース80の収納部81の後壁外面には、前記摺接抵抗材91…91aに対応する他方の摺接抵抗材91b…91bが固着され、両摺接抵抗材91…91a,91b…91bが貼り合わされている。これによれば、前記実施の形態や第1の参考例と同様、ボンネット21を介してあるいは直接、ケース80に対して上方から所定以上の衝撃力が作用すると、仮想線で示すようにケース80が下方へ変位することとなり、簡易な構造で歩行者に加わる衝撃を吸収することができる。なお、この場合、前記所定の衝撃力は、前記摺接抵抗材91の面積を調節することにより、調整すればよい。なお、摺接抵抗材91としては、例えば、両面テープを用いてもよい。
なお、前記実施の形態は、衝突時または衝突予知時にエアバッグの展開によりボンネットが持ち上がるものについてであるがが、本発明は、エアバッグの展開時、ボンネットフードが持ち上がらないものに対しても適用可能である。
本発明は、フロントガラスの前面側で展開可能なエアバッグを収納するケースがボンネットフード下面に近接して配置された車両に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る車両用歩行者保護装置を有する車両の前部構造を示す概略平面図である。 同車両においてエアバッグが展開した状態を示す概略平面図である。 実施の形態に係る車両用歩行者保護装置の制御構成図である。 図1のA−A断面図である。 カウルメンバの単品斜視図である。 図4の矢印Bによる矢視図である。 図2のC−C断面図である。 エアバッグが展開しない状態で上方からケースに衝撃が加わったときの作用の説明図である。 本実施の形態の変形例についての図4相当の図である。 変形例についての制御構成図である。 第1の参考例についての図4相当の図である。 同参考例に係るカウルメンバの単品斜視図である。 同参考例の第1の他の例についての図4相当の図である。 同参考例の第2の他の例についての図4相当の図である。 同参考例の変形例についてのカウルメンバの単品斜視図である。 第2の参考例についての図4相当の図である。 同参考例についてのカウルメンバの単品斜視図である。
符号の説明
1 車両
2 フロントガラス
4 エアバッグ
12,12 インフレータ
21 ボンネットフード
25,60,90 カウルメンバ(車体構成部材)
25b,25b 長孔
30,61,80 ケース
41…41 スタットボルト(ボルト部材)
42…42 ナット(ナット部材)
50,50,50′,50′ 係止機構(係止手段)
52,52 ピン部材
55,55 ソレノイド
56,56 ピン部材
91…91 摺接抵抗材

Claims (5)

  1. フロントガラスの前面側で展開可能なエアバッグを収納するケースがボンネットフードの後端部の下面に近接して配置された車両用歩行者保護装置であって、
    前記ケースが、車幅方向に延びて前記フロントガラスの下辺部を支持する車体構成部材の前面に、上方から所定以上の衝撃力が印加されたときに前記車体構成部材に対して摺動しながら下方へ変位可能に取り付けられていると共に、
    前記エアバッグの展開時に、前記ケースが下方へ変位しないように、該ケースを前記車体構成部材に係止する係止手段が備えられていることを特徴とする車両用歩行者保護装置。
  2. 請求項1に記載の車両用歩行者保護装置であって、
    前記ケースまたは前記車体構成部材の一方には上下方向に延びる長孔が設けられていると共に、
    前記ケースまたは前記車体構成部材の他方にはボルト部材が固着されて前記長孔に挿通されており、
    前記ケースは、前記ボルト部材にナット部材を螺合することにより、上方から所定以上の衝撃力が印加されたときに下方へ変位可能に車体構成部材に取り付けられていることを特徴とする車両用歩行者保護装置。
  3. 請求項2に記載の車両用歩行者保護装置であって、
    前記長孔が前記車体構成部材に設けられている場合において、
    前記係止手段は、車体構成部材の前記長孔と、前記エアバッグの展開時に前記ケース側から突出して前記長孔の下端部に突入するピン部材とを有することを特徴とする車両用歩行者保護装置。
  4. 請求項3に記載の車両用歩行者保護装置であって、
    前記ピン部材は、前記エアバッグの展開時にガス発生器から噴出するガス圧によりケース側から突出することを特徴とする車両用歩行者保護装置。
  5. 請求項3に記載の車両用歩行者保護装置であって、
    前記ピン部材は、前記エアバッグの展開時にソレノイドによりケース側から突出することを特徴とする車両用歩行者保護装置。
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