JPWO2009041476A1 - 積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム Download PDF

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Abstract

容易に製造することができ、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても耐久性に優れた積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システムを提供する。その積層型圧電素子は、複数の圧電体層と複数の金属層とが交互に積層された積層構造体を備え、隣接して対向する金属層間に電圧を印加することによって駆動する積層型圧電素子であって、積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きくなっている。

Description

本発明は、積層型圧電素子、噴射装置、および燃料噴射システムに関し、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置、振動防止装置等に搭載される駆動素子(圧電アクチュエータ)、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、及び圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子等に用いられる積層型圧電素子、これを備えた噴射装置並びに燃料噴射システムに関するものである。
従来から、積層型圧電素子は、小型化が進められると同時に、大きな圧力下において大きな変位量を確保するように求められている。そのため、より高い電界が印加され、長時間連続駆動させる過酷な条件下で使用できる構造が提案されている(例えば特許文献1)。この特許文献1に開示された構造は、内部電極と積層体の側面の間にそれぞれ応力緩和層を設けるというものである。
特開2001−156348号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成は、内部電極と積層体の側面の間にそれぞれ応力緩和層を設けるというものであるために、構造が複雑になるという問題がった。
そこで、本発明は、容易に製造することができ、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても耐久性に優れた積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システムを提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る積層型圧電素子は、複数の圧電体層と複数の金属層とが交互に積層された積層構造体を備え、隣接して対向する金属層間に電圧を印加することによって駆動する積層型圧電素子であって、前記積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明に係る噴射装置は、上記積層型圧電素子と噴射孔とを備え、前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を吐出させるように構成されたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する請求項10に記載の噴射装置と、前記コモンレールに高圧の燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットと、を備えている。
以上のように構成された本発明に係る積層型圧電素子では、積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径を前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きくするという比較的簡単な構成により積層構造体の側面における応力緩和効果を得ている。
したがって、本発明によれば、容易に製造することができ、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても耐久性に優れた積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システムを提供することが可能になる。
本発明の実施形態1にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 図1AのX−X線断面図である。 図1AのY−Y線断面図である。 図1Bにおける領域T1および図1Cにおける領域T2を拡大して模式的に示した断面図である。 図1Cにおける領域T3bを拡大して模式的に示した断面図である。 図1Bにおける領域T3aを拡大して模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態2にかかる積層型圧電素子を示す断面図である。 図3Aにおける領域T4を拡大して模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態3にかかる積層型圧電素子を示す断面図である。 図4Aにおける領域T5を拡大して模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システムを示す概略図である。
符号の説明
1 積層型圧電素子、
3 圧電体層、
5 内部電極層、
5B 低剛性金属層、
7 積層構造体、
9外部電極、
11,11a,11b 圧電体結晶粒子、
51 金属部、
52 空隙。
以下、本発明の一実施形態にかかる積層型圧電素子について、図面を用いて詳細に説明する。
実施形態1.
図1Aは本実施形態1にかかる積層型圧電素子を示す斜視図であり、図1Bは図1AのX−X線断面図であり、図1Cは図1AのY−Y線断面図である。
図1A〜図1Cに示すように、本実施形態1の積層型圧電素子1(以下、素子1ともいう。)は、複数の圧電体層3と複数の内部電極層5とが交互に積層された積層構造体7と、積層構造体7の側面に形成された外部電極9と、を有している。
本実施形態1では、外部電極9が形成された側面において内部電極層5が1つ置きに外部電極9に接続されるようになっており、当該側面において外部電極9に接続されていない内部電極5の端部はその側面からは離れている(図1A及び図1B)。
図2Aは図1Bにおける領域T1および図1Cにおける領域T2を拡大して模式的に示した断面図であり、図2Bは図1Cにおける領域T3bを拡大して模式的に示した断面図である。また、図2Cは図1Bにおける領域T3aを拡大して模式的に示した断面図である。
図2A,図2B及び図2Cに示すように、各々の圧電体層3は、複数の圧電体結晶粒子11(11a,11b)により構成されている。本実施形態における素子1は、積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaが、積層方向に隣接して対向する内部電極層5に挟まれた部分(電圧印加時に駆動する部分:駆動領域)における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きい。このように、応力集中しやすい積層構造体7の側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置することで、側面7a近傍における応力緩和効果を高めている。
また、本実施形態1では、図2A,図2B及び図2Cに示すように、積層構造体7の4つの側面7aにおいて平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置している。これにより、駆動領域を取り囲む4つの側面近傍がそれぞれ応力緩和機能を有しているので、駆動領域の伸縮に追従して4つの側面が変形して、効果的に応力を吸収できる。
すなわち、素子1に電圧を印加して駆動すると、積層方向に隣接して対向する内部電極層5に挟まれた圧電体層は伸縮する。一方、隣接する内部電極層5が積層方向に対向していない部分、すなわち素子1の側面に近い部分は自ら駆動することはない。したがって、素子に電圧が印加されると、素子の側面近傍には応力が集中しやすい。本実施形態1の積層型圧電素子では、この応力集中しやすい素子の側面に平均粒径の大きな圧電体粒子を配置することで、側面近傍における応力緩和効果が高められている。このような応力緩和効果が得られる理由の一つは、圧電体粒子は粒径が大きいほど変形しやすいという特性を有しているからである。
したがって、本実施形態1の積層型圧電素子によれば、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても破損の発生を抑えることができる耐久性に優れた積層型圧電素子を提供できる。
以上の実施形態1では、より好ましい形態として、4つの側面7aにそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明では、対向する2つの側面又は隣接する2つの側面にそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良いし、1つの側面のみに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良い。
圧電体結晶粒子11aの平均粒径Ga,Gbは、次のようにして測定すればよい。積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaは、側面7aの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)または金属顕微鏡で観察して得られた観察像に、任意の5本の直線を引き、その直線を横切った粒界距離200個分の平均値から平均粒径を求める。積層方向に対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbは、平均粒径を測定したい断面(積層構造体の積層方向に平行な断面)を研磨処理等により露出させ、上記と同様の方法を用いて求めることができる。また、上記のようなコード法の代わりに、ニレコ社製画像解析装置LUZEX−FSにて、平均粒径を求めることもできる。
積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaは、内部電極層5が積層方向に対向している部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbの1.1〜3倍程度、好ましくは1.2〜2倍程度の範囲にあるのが好ましい。平均粒径Gaが3倍よりも大きくなると、より大きな応力に対しても効果的に応力を吸収出来るようになる反面、粒子自体が応力で変形した際に結晶粒子を分割する粒内亀裂が生じて、積層構造体に亀裂が伸展しやすくなることがあるからである。平均粒径Gaが1.1倍よりも小さい場合は、素子の側面7a近傍における応力緩和効果が十分に得られないことがある。圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbは、電界印加時の優れた駆動変形能力と、電界印加で駆動変形したときに粒子内に応力が生じても結晶粒子に亀裂が生じない程度の強度とを兼ね備える点で、好ましくは0.5〜5μm程度であるのがよい。
積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの粒界に存在する金属の含有量は、積層方向に対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの粒界に存在する金属の含有量よりも大きいことが好ましい。
このように圧電体結晶粒子同士の粒界に存在する金属は自らが変形することで応力を吸収することができるので、その含有量が大きいほど応力緩和効果が高くなる。したがって、応力が集中しやすい素子の側面7a近傍における粒界に存在する金属の含有量が他の部位よりも大きいことで、素子の耐久性をさらに向上させることができる。粒界に含有させる金属としては銀、金、Pd、Ptなどの金属やその合金などが挙げられる。
粒界に存在する金属の含有量は、次のようにして測定すればよい。すなわち、電子線マイクロアナリシス(EPMA)で元素分析を行うことで金属の種類、場所、大きさ等が検出できる。さらに、得られた画像を画像解析することで、金属の含有量を算出できる。
<製造方法>
上記実施形態にかかる積層型圧電素子の製造方法について説明する。PbZrO−PbTiO等からなるペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製する。ついで、このスラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体層3用のセラミックグリーンシートを作製する。
ついで、銀−パラジウム等の金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合して内部電極層5用の導電性ペーストを作製する。ついで、これを上記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μm程度の厚みに印刷する。
ついで、導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを所望の配置で複数積層して積層体を得る。この積層体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって積層構造体が得られる。
本実施形態にかかる積層型圧電素子のように積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaを、内部電極層5が積層方向に対向している部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きくするには、例えば次のようにすればよい。まず、グリーンシートを複数積層して積層体を得た後、脱バインダー処理する前に、積層体の側面のうち、圧電体結晶粒子11の粒径を大きくしたい面の全体または一部に、例えば銀粉末や銀合金粉末などの金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合したペーストを薄く印刷する。そして、その積層体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって、側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置された実施形態1の積層構造体が得られる。
あるいは、グリーンシートを複数積層して、積層体を所望の大きさにカットする際、のこぎり刃形状のブレードで切断するという比較的簡単な方法によっても実施形態1の積層構造体は作製できる。これは、カッターで切断した場合や、円盤状のダイシングブレードで切断する場合に比べ、高速で切断できるだけでなく、積層構造体7の側面7aに相当する切断面をのこぎり刃で荒らすことができるので、積層構造体7の側面7aの金属層5端部にある導電性ペーストを、圧電体層3端部に塗布することができるからである。
すなわち、積層体を所望の大きさにカットする際、従来から広く用いられているカッターによる切断や、円盤状のダイシングブレードによる切断は、いずれも切断面を極力荒らすことなく平坦になるように切断する技術であり、切断面(側面7a)において金属層5と圧電体層3は明確に区別でき、その境界ははっきりしている。
また、この従来の切断方法は、電極の削りくずが実質的に発生しない(カッターによる切断)か、又は発生した電極の削りくずが切断面に付着しないように取り除きながら(円盤状のダイシングブレードでは切断面がブレードの側面により研磨されて電極の削りくずが切断面に付着しない)切断するものである。
これに対して、例えば、のこぎり刃形状のブレードで切断することにより、切断時に生じる電極の削りくずを、切断面から除去することなく切断面に露出した圧電体層3の表面に分散して付着させることが可能となる。
そして、切断面の圧電体層3表面に電極の削りくずが付着した積層体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって、側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置された実施形態1の積層構造体が得られる。
のこぎり刃の刃先形状には、一方向に整列した刃先、互い違いにチドリ状に刃先が両方向に整列した刃先、同一方向に整列しながらも、刃先の高さと幅が交互に変化した刃先、などがあるが、互い違いにチドリ状に刃先が両方向に整列した刃先や、同一方向に整列しながらも、刃先の高さと幅が交互に変化した刃先のように、複数の種類の刃先を用いる事で、積層体切断面の平滑性を保ちながら、積層構造体7の側面7aの金属層5端部にある導電性ペーストを、圧電体層3端部に塗布することができる。
それに対して、一方向に整列した刃先を用いることで、切断面を荒らしながら、高速で一直線に切削を行うことができるので、量産性が優れている。
なお、切断面が荒れたままの積層体を焼成した場合でも、導電性ペーストを塗布した効果で、積層体表面の焼結が積極的に進行して、表面が平滑になる。さらに、素子形状を均一寸法にする目的で、焼成後の素子を切削や研磨する場合、素子表面に大きな粒子があることで、切削や研磨による応力を緩和することができるので、加工による残留応力や、加工面のクラックが発生せず、耐久性の優れた素子とすることができる。
すなわち、PbZrO−PbTiO等からなるペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスは、例えば銀などの金属が近傍に存在することで、焼成時に焼結が進みやすくなる。これにより、圧電体結晶粒子が粒成長しやすくなる。また、積層構造体の側面を構成する圧電体結晶粒子は、内部に存在する圧電体結晶粒子と比べて、側面に露出した部分が拘束されていない点で異なる。したがって、上記した金属粉末を含有するペーストを印刷することによって積層構造体の側面において他の部位よりも焼結を促進させるとともに粒径を大きくすることができる。
このように、本実施形態1では、側面の全体または一部に、金属粉末を含むペーストを薄く印刷して焼成するという比較的簡単な方法により、側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置された積層構造体が得られるので、容易に製造することができる。
なお、積層体の焼成前に側面に印刷したペースト中の銀などの金属成分は、圧電体を焼結させるときに、AgOなどの酸化物成分に変化することで、圧電体の液相成分となり、圧電体結晶粒子の粒成長に寄与した後、内部電極に近い部分では内部電極に吸収され、積層体の表面部分では、圧電体結晶粒子間の粒界に酸化物ガラスの成分として析出する。そのため、積層体表面に金属粒子が析出しないので、焼成後に外部電極を形成しても、異なる極性の電極同士を短絡させることがない。しかも、外部電極を印刷して焼成した場合、外部電極ペースト中のガラスにより、外部電極と積層体とは強固に結合する。その際、外部電極中の金属成分は、焼成時の高温条件では、溶融、軟化したガラス内を自在に拡散できるので、内部電極と容易に結合し、焼成後の冷却過程では、ガラスが固化する前に、内部電極端部を起点に金属粒子が焼結するので、積層体表面に粒子が巨大化した圧電体があっても、内部電極と外部電極とは通電できる。なお、外部電極ペーストに圧電体を構成する元素をガラス成分として含有させると、積層体表面の圧電体粒子はさらに大きくなるので、応力緩和効果はより優れたものとなる。
側面に印刷するペーストの印刷厚みは印刷後の乾燥厚みにおいて1〜30μm程度であるのがよい。印刷厚みが1μm以上であることで圧電セラミックスの焼結促進効果が十分に得られる。一方、印刷厚みが30μm以下であることで積層構造体の側面に露出した異極の内部電極層同士の絶縁性が低下するのを抑制できる。すなわち、側面に印刷されたペースト中の金属の一部または全部が焼成により積層構造体の内部に拡散するので、印刷厚みが30μm以下であることで異極の内部電極層同士の絶縁性を維持できる程度に積層構造体の側面に残存する金属の量を制御できる。なお、積層構造体の側面に内部電極層が露出していない場合には、印刷厚みが30μmを越えてもよい。
次に、銀粉末とガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これを積層体の外部電極形成面(対向する2つの側面7a)に印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付けを行う。これにより、銀ガラス導電性ペーストを用いて外部電極15を形成することができる。
最後に、外部電極15にリード線を接続し、該リード線を介して一対の外部電極15に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、積層体13を分極処理することによって積層型圧電素子が得られる。リード線を外部の電圧供給部に接続し、リード線及び外部電極15を介して金属層12に電圧を印加させると、各圧電体層11は逆圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
なお、積層型圧電素子の表面をさらにシリコーン樹脂等の樹脂で被覆することで、素子表面にスリットが開放された分離電極部16のスリット内に樹脂を充填することができる。
実施形態2.
図3Aは、本発明の他の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す断面図であり、図3Bは図3Aにおける領域T4を拡大して模式的に示した断面図である。
すなわち、先の実施形態1の積層型圧電素子では、側面7a全体にわたって圧電体結晶粒子11aの粒径が大きくなるようにしたが、本実施形態2の積層型圧電素子では、側面7aにおいて部分的に圧電体結晶粒子11aの粒径が大きくなるようにしている。具体的には、本実施形態2の積層型圧電素子では、図3A,図3Bに示すように、内部電極層5が積層方向に隣接して対向している部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも、積層構造体7の側面のうち内部電極層5の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaを選択的に大きくしている。積層構造体7の側面7aのうち内部電極層5の側方に位置する部分は、駆動時に特に応力が集中しやすい傾向にあるので、上記のような構成にすることで選択的に応力緩和効果を付与できる。図3A,図3Bのように選択的に粒径を大きくするには、実施形態1で説明した製造方法において、積層体の側面のうち内部電極層5の側方に位置する部分に圧電体の焼結を促進する金属を含むペーストを印刷した後、焼成すればよい。
実施形態3.
図4Aは、本発明の実施形態3にかかる積層型圧電素子を示す断面図であり、図4Bは図4Aにおける領域T5を拡大して模式的に示した断面図である。図4A,図4Bに示すように、本実施形態3では、複数の金属層の少なくとも1つとして、圧電体層3及び内部電極層5と比較して剛性が低い低剛性金属層5Bを含んでいる。すなわち、実施形態3では、複数の金属層が、外部電極に電気的に接続された内部電極層5と、空隙52を介して互いに離隔した複数の金属部51を有し圧電体層3及び内部電極層5と比較して剛性が低い低剛性金属層5Bと、を備えている。積層構造体7の側面7aのうち、低剛性金属層5Bの側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11cの平均粒径Gcは、積層方向に対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きい(Gc>Gb)。さらに、本実施形態3の素子における圧電体結晶粒子11cの平均粒径Gcは、内部電極層5の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaよりも大きい(Gc>Ga)。
図4A,図4Bのような構造にすることで、後述する低剛性金属層5Bによる応力緩和効果と積層構造体7の側面7aにおける応力緩和効果との相乗効果により、優れた耐久性を付与することができる。
低剛性金属層5Bを形成する部分は、銀−パラジウム等の金属層12を構成する金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合して作製した導電性ペーストに、さらにアクリルビーズ等の樹脂ビーズを添加混合したペーストを所定の厚みに印刷すればよい。アクリルビーズ等の樹脂ビーズを含有させたペーストを印刷した部分は、焼成によりアクリルビーズが焼失する。これにより、上記した低剛性金属層を形成できる。この低剛性金属層は他の金属層よりも剛性が低いので、駆動時に低剛性金属層自身が破壊されることにより応力を吸収する機能を有している。これにより、内部電極層5Aや圧電体層3にクラックが生じることをより確実に抑制することができる。
図4A,図4Bのように選択的に粒径を大きくするには、上記したようにアクリルビーズ等の樹脂ビーズを用いるとともに、素子の側面7aに実施形態1で説明したように金属を含むペーストを印刷して圧電体を焼成すればよい。これにより、素子1の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaを、積層方向に隣接して対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きくできる。さらに、低剛性金属層5Bは空隙52が多く存在するので、低剛性金属層5Bの側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11cは、ペーストに含まれる銀などの金属の作用と空隙52の作用とが相まって、圧電体結晶粒子11aよりも平均粒径が大きくなる。
低剛性金属層5B、圧電体層3及び内部電極層5Aの剛性は、例えば素子に対して、積層方向に垂直な方向に荷重を加えることで容易に比較できる。具体的には、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)などにより、素子に対して積層方向に垂直な方向から荷重を加えることで判断できる。上記の試験を行ったときに、どの部分で素子1が破断するかを確認すればよいからである。その破断箇所が素子の中で最も剛性が低い箇所である。
本実施形態3の積層型圧電素子1は低剛性金属層5Bを備えているので、JIS3点曲げ試験を行うと、圧電体層3や内部電極層5Aよりも、この低剛性金属層5Bや低剛性金属層5Bと圧電体層3との界面で優先的に破断が起きる。このように、破断した箇所が圧電体層3や内部電極層5Aであるか、或いは、低剛性金属層5Bや低剛性金属層5Bと圧電体層3との界面であるかにより評価することができる。
なお、どの部分で素子が破断するかを確認すればよいことから、試験片が小さく、上記JIS3点曲げ試験を用いることができない場合には、このJIS3点曲げ試験に準拠して、素子を長方形の角柱となるように加工して試験片を作製し、この試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加えて評価すればよい。
また、剛性が低いとは、ヤング率が小さいと言い換えることができる。ヤング率の測定方法としては、例えば、ナノインデンテーション法を用いることができる。測定装置としては、例えば、ナノインスツルメント社製の「ナノインデンターII」を用いることができる。積層構造体7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性金属層5B、圧電体層3又は内部電極層5Aを露出させ、上記の測定装置を用いてヤング率を測定すれば良い。
以上の実施形態2及び3では、外部電極が形成されていない側面における圧電体結晶粒子の様子を図示して説明したが、本発明では、4つの側面7aにそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置することが好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、対向する2つの側面又は隣接する2つの側面にそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良いし、1つの側面のみに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良い。
次に、本発明の一実施形態にかかる噴射装置25について説明する。図5は、本発明の一実施形態にかかる噴射装置25を示す概略断面図である。図5に示すように、本実施形態にかかる噴射装置25は、一端に噴射孔27を有する収納容器29の内部に上記実施形態に代表される積層型圧電素子1が収納されている。収納容器29内には、噴射孔27を開閉することができるニードルバルブ31が配設されている。噴射孔27には燃料通路33がニードルバルブ31の動きに応じて連通可能に配設されている。この燃料通路33は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路33に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ31が噴射孔27を開放すると、燃料通路33に供給されていた燃料が一定の高圧で図示しない内燃機関の燃料室内に噴出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ31の上端部は内径が大きくなっており、収納容器29に形成されたシリンダ35と摺動可能なピストン37が配置されている。そして、収納容器29内には、上記した積層型圧電素子1が収納されている。
このような噴射装置25では、積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン37が押圧され、ニードルバルブ31が噴射孔27を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ39がピストン37を押し返し、噴射孔27が燃料通路33と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
また、本実施形態の噴射装置25は、噴射孔27を有する容器と、積層型圧電素子1と、を備え、容器内に充填された液体が積層型圧電素子1の駆動により噴射孔27から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本実施形態において、液体とは、燃料、インクなどの他、導電性ペースト等の種々の液状流体が含まれる。
次に、本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システム41について説明する。
図6は、本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システム41を示す概略図である。図6に示すように、本実施形態にかかる燃料噴射システム41は、高圧燃料を蓄えるコモンレール43と、このコモンレール43に蓄えられた燃料を噴射する複数の上記噴射装置25と、コモンレール43に高圧の燃料を供給する圧力ポンプ45と、噴射装置25に駆動信号を与える噴射制御ユニット47と、を備えている。
噴射制御ユニット47は、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御するものである。圧力ポンプ45は、燃料タンク49から燃料を1000〜2000気圧程度、好ましくは、1500〜1700気圧程度にしてコモンレール43に送り込む役割を果たす。コモンレール43では、圧力ポンプ45から送られてきた燃料を蓄え、適宜噴射装置25に送り込む。噴射装置25は、上述したように噴射孔27から少量の燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何ら差し支えない。
本発明の積層型圧電素子1からなる圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックの仮焼粉末,バインダーおよび可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み150μmの圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金(銀95質量%−パラジウム5質量%)にバインダーを加えた内部電極5Aなどの金属層5となる導電性ペーストをスクリーン印刷法により形成したシートを300枚積層した。
次に、ダイシングソーマシンの円盤状ディスクの代わりに、のこぎり刃状のブレードを取り付けて、積層体を所望の素子1寸法となるように切断した。切断後の断面部には導電性ペーストで印刷した内部電極層5Aなどの金属層5を露出させた。
このとき、試料番号1は、一方向に整列した刃先、試料番号2は、互い違いにチドリ状に刃先が両方向に整列した刃先、試料番号3は、同一方向に整列しながらも、刃先の高さと幅が交互に変化した刃先のブレードを用いて、切断した。試料番号4は、ダイヤモンド粒子の集合体からなる円盤状ディスクで切断の後、銀粉末にバインダーを添加混合したペーストを10μm印刷したものである。
その後、切断後の積層体を乾燥し、焼成した。焼成は、800℃で90分間保持した後に、1000℃で200分間焼成した。
次に、平均粒径2μmのフレーク状の銀粉末と、残部が平均粒径2μmのケイ素を主成分とする軟化点が640℃の非晶質のガラス粉末との混合物に、バインダーを銀粉末とガラス粉末の合計質量100質量部に対して8質量部添加し、十分に混合して銀ガラス導電性ペーストを作製し、このようにして作製した銀ガラス導電性ペーストを離型フィルム上にスクリーン印刷によって形成し、乾燥後、離型フィルムより剥がして、銀ガラス導電性ペーストのシートを得た。
そして、前記銀ガラスペーストのシートを積層体の外部電極形成面に転写して積層し、700℃で30分焼き付けを行い、外部電極を形成した。
その後、外部電極にリード線を接続し、正極および負極の外部電極にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータを作製した。
得られた積層型圧電素子に170Vの直流電圧を印加したところ、すべての圧電アクチュエータにおいて、積層方向に変位量が得られた。
さらに、この圧電アクチュエータを室温で0〜+170Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した試験を行なった。
結果は表1に示すとおりである。
(表1)
Figure 2009041476
表1からわかるとおり、本発明の実施例である試料番号1〜4は、所定の1×10サイクルの連続駆動試験を満たすことはもちろんながら、層間剥離やクラックも形成せず、初期の変位量から極端な劣化を見せることは無く、積層型圧電素子として必要な有効変位量を有しており、誤作動が生じない耐久性に優れた積層型圧電素子であることが実証できた。
中でも、試料番号の3、4は、有効な変位量を初期から確保しながら、連続駆動後も素子性能を変化させることがなく、極めて耐久性に優れていたことから、素子変位量が安定した積層型圧電素子であることがわかった。
本発明は、積層型圧電素子、噴射装置、および燃料噴射システムに関し、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置、振動防止装置等に搭載される駆動素子(圧電アクチュエータ)、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、及び圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子等に用いられる積層型圧電素子、これを備えた噴射装置並びに燃料噴射システムに関するものである。
従来から、積層型圧電素子は、小型化が進められると同時に、大きな圧力下において大きな変位量を確保するように求められている。そのため、より高い電界が印加され、長時間連続駆動させる過酷な条件下で使用できる構造が提案されている(例えば特許文献1)。この特許文献1に開示された構造は、内部電極と積層体の側面の間にそれぞれ応力緩和層を設けるというものである。
特開2001−156348号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成は、内部電極と積層体の側面の間にそれぞれ応力緩和層を設けるというものであるために、構造が複雑になるという問題がった。
そこで、本発明は、容易に製造することができ、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても耐久性に優れた積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システムを提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る積層型圧電素子は、複数の圧電体層と複数の金属層とが交互に積層された積層構造体を備え、隣接して対向する金属層間に電圧を印加することによって駆動する積層型圧電素子であって、前記圧電体層は、複数の圧電体結晶粒子を含んでおり、前記圧電体層において、前記積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた領域における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明に係る噴射装置は、上記積層型圧電素子と噴射孔を備えた収納容器とを備え、前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を吐出させるように構成されたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する上記噴射装置と、前記コモンレールに高圧の燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットと、を備えている。
以上のように構成された本発明に係る積層型圧電素子では、前記圧電体層は、複数の圧電体結晶粒子を含んでおり、前記圧電体層において、前記積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径を前記隣接して対向する金属層に挟まれた領域における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きくするという比較的簡単な構成により積層構造体の側面における応力緩和効果を得ている。
したがって、本発明によれば、容易に製造することができ、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても耐久性に優れた積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システムを提供することが可能になる。
本発明の実施形態1にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 図1AのX−X線断面図である。 図1AのY−Y線断面図である。 図1Bにおける領域T1および図1Cにおける領域T2を拡大して模式的に示した断面図である。 図1Cにおける領域T3bを拡大して模式的に示した断面図である。 図1Bにおける領域T3aを拡大して模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態2にかかる積層型圧電素子を示す断面図である。 図3Aにおける領域T4を拡大して模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態3にかかる積層型圧電素子を示す断面図である。 図4Aにおける領域T5を拡大して模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システムを示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる積層型圧電素子について、図面を用いて詳細に説明する。
実施形態1.
図1Aは本実施形態1にかかる積層型圧電素子を示す斜視図であり、図1Bは図1AのX−X線断面図であり、図1Cは図1AのY−Y線断面図である。
図1A〜図1Cに示すように、本実施形態1の積層型圧電素子1(以下、素子1ともいう。)は、複数の圧電体層3と複数の内部電極層5とが交互に積層された積層構造体7と、積層構造体7の側面に形成された外部電極9と、を有している。
本実施形態1では、外部電極9が形成された側面において内部電極層5が1つ置きに外部電極9に接続されるようになっており、当該側面において外部電極9に接続されていない内部電極5の端部はその側面からは離れている(図1A及び図1B)。
図2Aは図1Bにおける領域T1および図1Cにおける領域T2を拡大して模式的に示した断面図であり、図2Bは図1Cにおける領域T3bを拡大して模式的に示した断面図である。また、図2Cは図1Bにおける領域T3aを拡大して模式的に示した断面図である。
図2A,図2B及び図2Cに示すように、各々の圧電体層3は、複数の圧電体結晶粒子11(11a,11b)により構成されている。本実施形態における素子1は、積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaが、積層方向に隣接して対向する内部電極層5に挟まれた部分(電圧印加時に駆動する部分:駆動領域)における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きい。このように、応力集中しやすい積層構造体7の側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置することで、側面7a近傍における応力緩和効果を高めている。
また、本実施形態1では、図2A,図2B及び図2Cに示すように、積層構造体7の4つの側面7aにおいて平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置している。これにより、駆動領域を取り囲む4つの全ての側面近傍がそれぞれ応力緩和機能を有しているので、駆動領域の伸縮に追従して4つの側面が変形して、効果的に応力を吸収できる。
すなわち、素子1に電圧を印加して駆動すると、積層方向に隣接して対向する内部電極層5に挟まれた圧電体層は伸縮する。一方、隣接する内部電極層5が積層方向に対向していない部分、すなわち素子1の側面に近い部分は自ら駆動することはない。したがって、素子に電圧が印加されると、素子の側面近傍には応力が集中しやすい。本実施形態1の積層型圧電素子では、この応力集中しやすい素子の側面に平均粒径の大きな圧電体粒子を配置することで、側面近傍における応力緩和効果が高められている。このような応力緩和効果が得られる理由の一つは、圧電体粒子は粒径が大きいほど変形しやすいという特性を有しているからである。
したがって、本実施形態1の積層型圧電素子によれば、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても破損の発生を抑えることができる耐久性に優れた積層型圧電素子を提供できる。
以上の実施形態1では、より好ましい形態として、4つの側面7aにそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明では、対向する2つの側面又は隣接する2つの側面にそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良いし、1つの側面のみに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良い。
圧電体結晶粒子11aの平均粒径Ga,Gbは、次のようにして測定すればよい。積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaは、側面7aの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)または金属顕微鏡で観察して得られた観察像に、任意の5本の直線を引き、その直線を横切った粒界距離200個分の平均値から平均粒径を求める。積層方向に対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbは、平均粒径を測定したい断面(積層構造体の積層方向に平行な断面)を研磨処理等により露出させ、上記と同様の方法を用いて求めることができる。また、上記のようなコード法の代わりに、ニレコ社製画像解析装置LUZEX−FSにて、平均粒径を求めることもできる。
積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaは、内部電極層5が積層方向に対向している部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbの1.1〜3倍程度、好ましくは1.2〜2倍程度の範囲にあるのが好ましい。平均粒径Gaが3倍よりも大きくなると、より大きな応力に対しても効果的に応力を吸収出来るようになる反面、粒子自体が応力で変形した際に結晶粒子を分割する粒内亀裂が生じて、積層構造体に亀裂が伸展しやすくなることがあるからである。平均粒径Gaが1.1倍よりも小さい場合は、素子の側面7a近傍における応力緩和効果が十分に得られないことがある。圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbは、電界印加時の優れた駆動変形能力と、電界印加で駆動変形したときに粒子内に応力が生じても結晶粒子に亀裂が生じない程度の強度とを兼ね備える点で、好ましくは0.5〜5μm程度であるのがよい。
積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの粒界に存在する金属の含有量は、積層方向に対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの粒界に存在する金属の含有量よりも大きいことが好ましい。
このように圧電体結晶粒子同士の粒界に存在する金属は自らが変形することで応力を吸収することができるので、その含有量が大きいほど応力緩和効果が高くなる。したがって、応力が集中しやすい素子の側面7a近傍における粒界に存在する金属の含有量が他の部位よりも大きいことで、素子の耐久性をさらに向上させることができる。粒界に含有させる金属としては銀、金、Pd、Ptなどの金属やその合金などが挙げられる。
粒界に存在する金属の含有量は、次のようにして測定すればよい。すなわち、電子線マイクロアナリシス(EPMA)で元素分析を行うことで金属の種類、場所、大きさ等が検出できる。さらに、得られた画像を画像解析することで、金属の含有量を算出できる。
<製造方法>
上記実施形態にかかる積層型圧電素子の製造方法について説明する。PbZrO−PbTiO等からなるペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製する。ついで、このスラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体層3用のセラミックグリーンシートを作製する。
ついで、銀−パラジウム等の金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合して内部電極層5用の導電性ペーストを作製する。ついで、これを上記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μm程度の厚みに印刷する。
ついで、導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを所望の配置で複数積層して積層体を得る。この積層体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって積層構造体が得られる。
本実施形態にかかる積層型圧電素子のように積層構造体7の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaを、内部電極層5が積層方向に対向している部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きくするには、例えば次のようにすればよい。まず、グリーンシートを複数積層して積層体を得た後、脱バインダー処理する前に、積層体の側面のうち、圧電体結晶粒子11の粒径を大きくしたい面の全体または一部に、例えば銀粉末や銀合金粉末などの金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合したペーストを薄く印刷する。そして、その積層体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって、側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置された実施形態1の積層構造体が得られる。
あるいは、グリーンシートを複数積層して、積層体を所望の大きさにカットする際、のこぎり刃形状のブレードで切断するという比較的簡単な方法によっても実施形態1の積層構造体は作製できる。これは、カッターで切断した場合や、円盤状のダイシングブレードで切断する場合に比べ、高速で切断できるだけでなく、積層構造体7の側面7aに相当する切断面をのこぎり刃で荒らすことができるので、積層構造体7の側面7aの金属層5端部にある導電性ペーストを、圧電体層3端部に塗布することができるからである。
すなわち、積層体を所望の大きさにカットする際、従来から広く用いられているカッターによる切断や、円盤状のダイシングブレードによる切断は、いずれも切断面を極力荒らすことなく平坦になるように切断する技術であり、切断面(側面7a)において金属層5と圧電体層3は明確に区別でき、その境界ははっきりしている。
また、この従来の切断方法は、電極の削りくずが実質的に発生しない(カッターによる切断)か、又は発生した電極の削りくずが切断面に付着しないように取り除きながら(円盤状のダイシングブレードでは切断面がブレードの側面により研磨されて電極の削りくずが切断面に付着しない)切断するものである。
これに対して、例えば、のこぎり刃形状のブレードで切断することにより、切断時に生じる電極の削りくずを、切断面から除去することなく切断面に露出した圧電体層3の表面に分散して付着させることが可能となる。
そして、切断面の圧電体層3表面に電極の削りくずが付着した積層体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって、側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置された実施形態1の積層構造体が得られる。
のこぎり刃の刃先形状には、一方向に整列した刃先、互い違いにチドリ状に刃先が両方向に整列した刃先、同一方向に整列しながらも、刃先の高さと幅が交互に変化した刃先、などがあるが、互い違いにチドリ状に刃先が両方向に整列した刃先や、同一方向に整列しながらも、刃先の高さと幅が交互に変化した刃先のように、複数の種類の刃先を用いる事で、積層体切断面の平滑性を保ちながら、積層構造体7の側面7aの金属層5端部にある導電性ペーストを、圧電体層3端部に塗布することができる。
それに対して、一方向に整列した刃先を用いることで、切断面を荒らしながら、高速で一直線に切削を行うことができるので、量産性が優れている。
なお、切断面が荒れたままの積層体を焼成した場合でも、導電性ペーストを塗布した効果で、積層体表面の焼結が積極的に進行して、表面が平滑になる。さらに、素子形状を均一寸法にする目的で、焼成後の素子を切削や研磨する場合、素子表面に大きな粒子があることで、切削や研磨による応力を緩和することができるので、加工による残留応力や、加工面のクラックが発生せず、耐久性の優れた素子とすることができる。
すなわち、PbZrO−PbTiO等からなるペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスは、例えば銀などの金属が近傍に存在することで、焼成時に焼結が進みやすくなる。これにより、圧電体結晶粒子が粒成長しやすくなる。また、積層構造体の側面を構成する圧電体結晶粒子は、内部に存在する圧電体結晶粒子と比べて、側面に露出した部分が拘束されていない点で異なる。したがって、上記した金属粉末を含有するペーストを印刷することによって積層構造体の側面において他の部位よりも焼結を促進させるとともに粒径を大きくすることができる。
このように、本実施形態1では、側面の全体または一部に、金属粉末を含むペーストを薄く印刷して焼成するという比較的簡単な方法により、側面7aに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置された積層構造体が得られるので、容易に製造することができる。
なお、積層体の焼成前に側面に印刷したペースト中の銀などの金属成分は、圧電体を焼結させるときに、AgOなどの酸化物成分に変化することで、圧電体の液相成分となり、圧電体結晶粒子の粒成長に寄与した後、内部電極に近い部分では内部電極に吸収され、積層体の表面部分では、圧電体結晶粒子間の粒界に酸化物ガラスの成分として析出する。そのため、積層体表面に金属粒子が析出しないので、焼成後に外部電極を形成しても、異なる極性の電極同士を短絡させることがない。しかも、外部電極を印刷して焼成した場合、外部電極ペースト中のガラスにより、外部電極と積層体とは強固に結合する。その際、外部電極中の金属成分は、焼成時の高温条件では、溶融、軟化したガラス内を自在に拡散できるので、内部電極と容易に結合し、焼成後の冷却過程では、ガラスが固化する前に、内部電極端部を起点に金属粒子が焼結するので、積層体表面に粒子が巨大化した圧電体があっても、内部電極と外部電極とは通電できる。なお、外部電極ペーストに圧電体を構成する元素をガラス成分として含有させると、積層体表面の圧電体粒子はさらに大きくなるので、応力緩和効果はより優れたものとなる。
側面に印刷するペーストの印刷厚みは印刷後の乾燥厚みにおいて1〜30μm程度であるのがよい。印刷厚みが1μm以上であることで圧電セラミックスの焼結促進効果が十分に得られる。一方、印刷厚みが30μm以下であることで積層構造体の側面に露出した異極の内部電極層同士の絶縁性が低下するのを抑制できる。すなわち、側面に印刷されたペースト中の金属の一部または全部が焼成により積層構造体の内部に拡散するので、印刷厚みが30μm以下であることで異極の内部電極層同士の絶縁性を維持できる程度に積層構造体の側面に残存する金属の量を制御できる。なお、積層構造体の側面に内部電極層が露出していない場合には、印刷厚みが30μmを越えてもよい。
次に、銀粉末とガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これを積層体の外部電極形成面(対向する2つの側面7a)に印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付けを行う。これにより、銀ガラス導電性ペーストを用いて外部電極15を形成することができる。
最後に、外部電極15にリード線を接続し、該リード線を介して一対の外部電極15に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、積層体13を分極処理することによって積層型圧電素子が得られる。リード線を外部の電圧供給部に接続し、リード線及び外部電極15を介して金属層12に電圧を印加させると、各圧電体層11は逆圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
なお、積層型圧電素子の表面をさらにシリコーン樹脂等の樹脂で被覆することで、素子表面にスリットが開放された分離電極部16のスリット内に樹脂を充填することができる。
実施形態2.
図3Aは、本発明の他の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す断面図であり、図3Bは図3Aにおける領域T4を拡大して模式的に示した断面図である。
すなわち、先の実施形態1の積層型圧電素子では、側面7a全体にわたって圧電体結晶粒子11aの粒径が大きくなるようにしたが、本実施形態2の積層型圧電素子では、側面7aにおいて部分的に圧電体結晶粒子11aの粒径が大きくなるようにしている。具体的には、本実施形態2の積層型圧電素子では、図3A,図3Bに示すように、内部電極層5が積層方向に隣接して対向している部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも、積層構造体7の側面のうち内部電極層5の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaを選択的に大きくしている。積層構造体7の側面7aのうち内部電極層5の側方に位置する部分は、駆動時に特に応力が集中しやすい傾向にあるので、上記のような構成にすることで選択的に応力緩和効果を付与できる。図3A,図3Bのように選択的に粒径を大きくするには、実施形態1で説明した製造方法において、積層体の側面のうち内部電極層5の側方に位置する部分に圧電体の焼結を促進する金属を含むペーストを印刷した後、焼成すればよい。
実施形態3.
図4Aは、本発明の実施形態3にかかる積層型圧電素子を示す断面図であり、図4Bは図4Aにおける領域T5を拡大して模式的に示した断面図である。図4A,図4Bに示すように、本実施形態3では、複数の金属層の少なくとも1つとして、圧電体層3及び内部電極層5と比較して剛性が低い低剛性金属層5Bを含んでいる。すなわち、実施形態3では、複数の金属層が、外部電極に電気的に接続された内部電極層5と、空隙52を介して互いに離隔した複数の金属部51を有し圧電体層3及び内部電極層5と比較して剛性が低い低剛性金属層5Bと、を備えている。積層構造体7の側面7aのうち、低剛性金属層5Bの側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11cの平均粒径Gcは、積層方向に対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きい(Gc>Gb)。さらに、本実施形態3の素子における圧電体結晶粒子11cの平均粒径Gcは、内部電極層5の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaよりも大きい(Gc>Ga)。
図4A,図4Bのような構造にすることで、後述する低剛性金属層5Bによる応力緩和効果と積層構造体7の側面7aにおける応力緩和効果との相乗効果により、優れた耐久性を付与することができる。
低剛性金属層5Bを形成する部分は、銀−パラジウム等の金属層12を構成する金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合して作製した導電性ペーストに、さらにアクリルビーズ等の樹脂ビーズを添加混合したペーストを所定の厚みに印刷すればよい。アクリルビーズ等の樹脂ビーズを含有させたペーストを印刷した部分は、焼成によりアクリルビーズが焼失する。これにより、上記した低剛性金属層を形成できる。この低剛性金属層は他の金属層よりも剛性が低いので、駆動時に低剛性金属層自身が破壊されることにより応力を吸収する機能を有している。これにより、内部電極層5Aや圧電体層3にクラックが生じることをより確実に抑制することができる。
図4A,図4Bのように選択的に粒径を大きくするには、上記したようにアクリルビーズ等の樹脂ビーズを用いるとともに、素子の側面7aに実施形態1で説明したように金属を含むペーストを印刷して圧電体を焼成すればよい。これにより、素子1の側面7aにおける圧電体結晶粒子11aの平均粒径Gaを、積層方向に隣接して対向する内部電極層5に挟まれた部分における圧電体結晶粒子11bの平均粒径Gbよりも大きくできる。さらに、低剛性金属層5Bは空隙52が多く存在するので、低剛性金属層5Bの側方に位置する部分における圧電体結晶粒子11cは、ペーストに含まれる銀などの金属の作用と空隙52の作用とが相まって、圧電体結晶粒子11aよりも平均粒径が大きくなる。
低剛性金属層5B、圧電体層3及び内部電極層5Aの剛性は、例えば素子に対して、積層方向に垂直な方向に荷重を加えることで容易に比較できる。具体的には、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)などにより、素子に対して積層方向に垂直な方向から荷重を加えることで判断できる。上記の試験を行ったときに、どの部分で素子1が破断するかを確認すればよいからである。その破断箇所が素子の中で最も剛性が低い箇所である。
本実施形態3の積層型圧電素子1は低剛性金属層5Bを備えているので、JIS3点曲げ試験を行うと、圧電体層3や内部電極層5Aよりも、この低剛性金属層5Bや低剛性金属層5Bと圧電体層3との界面で優先的に破断が起きる。このように、破断した箇所が圧電体層3や内部電極層5Aであるか、或いは、低剛性金属層5Bや低剛性金属層5Bと圧電体層3との界面であるかにより評価することができる。
なお、どの部分で素子が破断するかを確認すればよいことから、試験片が小さく、上記JIS3点曲げ試験を用いることができない場合には、このJIS3点曲げ試験に準拠して、素子を長方形の角柱となるように加工して試験片を作製し、この試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加えて評価すればよい。
また、剛性が低いとは、ヤング率が小さいと言い換えることができる。ヤング率の測定方法としては、例えば、ナノインデンテーション法を用いることができる。測定装置としては、例えば、ナノインスツルメント社製の「ナノインデンターII」を用いることができる。積層構造体7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性金属層5B、圧電体層3又は内部電極層5Aを露出させ、上記の測定装置を用いてヤング率を測定すれば良い。
以上の実施形態2及び3では、外部電極が形成されていない側面における圧電体結晶粒子の様子を図示して説明したが、本発明では、4つの側面7aにそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置することが好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、対向する2つの側面又は隣接する2つの側面にそれぞれ平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良いし、1つの側面のみに平均粒径の大きな圧電体結晶粒子11aを配置するようにしても良い。
次に、本発明の一実施形態にかかる噴射装置25について説明する。図5は、本発明の一実施形態にかかる噴射装置25を示す概略断面図である。図5に示すように、本実施形態にかかる噴射装置25は、一端に噴射孔27を有する収納容器29の内部に上記実施形態に代表される積層型圧電素子1が収納されている。収納容器29内には、噴射孔27を開閉することができるニードルバルブ31が配設されている。噴射孔27には燃料通路33がニードルバルブ31の動きに応じて連通可能に配設されている。この燃料通路33は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路33に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ31が噴射孔27を開放すると、燃料通路33に供給されていた燃料が一定の高圧で図示しない内燃機関の燃料室内に噴出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ31の上端部は内径が大きくなっており、収納容器29に形成されたシリンダ35と摺動可能なピストン37が配置されている。そして、収納容器29内には、上記した積層型圧電素子1が収納されている。
このような噴射装置25では、積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン37が押圧され、ニードルバルブ31が噴射孔27を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ39がピストン37を押し返し、噴射孔27が燃料通路33と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
また、本実施形態の噴射装置25は、噴射孔27を有する容器と、積層型圧電素子1と、を備え、容器内に充填された液体が積層型圧電素子1の駆動により噴射孔27から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本実施形態において、液体とは、燃料、インクなどの他、導電性ペースト等の種々の液状流体が含まれる。
次に、本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システム41について説明する。
図6は、本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システム41を示す概略図である。図6に示すように、本実施形態にかかる燃料噴射システム41は、高圧燃料を蓄えるコモンレール43と、このコモンレール43に蓄えられた燃料を噴射する複数の上記噴射装置25と、コモンレール43に高圧の燃料を供給する圧力ポンプ45と、噴射装置25に駆動信号を与える噴射制御ユニット47と、を備えている。
噴射制御ユニット47は、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御するものである。圧力ポンプ45は、燃料タンク49から燃料を1000〜2000気圧程度、好ましくは、1500〜1700気圧程度にしてコモンレール43に送り込む役割を果たす。コモンレール43では、圧力ポンプ45から送られてきた燃料を蓄え、適宜噴射装置25に送り込む。噴射装置25は、上述したように噴射孔27から少量の燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何ら差し支えない。
本発明の積層型圧電素子1からなる圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックの仮焼粉末,バインダーおよび可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み150μmの圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金(銀95質量%−パラジウム5質量%)にバインダーを加えた内部電極5Aなどの金属層5となる導電性ペーストをスクリーン印刷法により形成したシートを300枚積層した。
次に、ダイシングソーマシンの円盤状ディスクの代わりに、のこぎり刃状のブレードを取り付けて、積層体を所望の素子1寸法となるように切断した。切断後の断面部には導電性ペーストで印刷した内部電極層5Aなどの金属層5を露出させた。
このとき、試料番号1は、一方向に整列した刃先、試料番号2は、互い違いにチドリ状に刃先が両方向に整列した刃先、試料番号3は、同一方向に整列しながらも、刃先の高さと幅が交互に変化した刃先のブレードを用いて、切断した。試料番号4は、ダイヤモンド粒子の集合体からなる円盤状ディスクで切断の後、銀粉末にバインダーを添加混合したペーストを10μm印刷したものである。
その後、切断後の積層体を乾燥し、焼成した。焼成は、800℃で90分間保持した後に、1000℃で200分間焼成した。
次に、平均粒径2μmのフレーク状の銀粉末と、残部が平均粒径2μmのケイ素を主成分とする軟化点が640℃の非晶質のガラス粉末との混合物に、バインダーを銀粉末とガラス粉末の合計質量100質量部に対して8質量部添加し、十分に混合して銀ガラス導電性ペーストを作製し、このようにして作製した銀ガラス導電性ペーストを離型フィルム上にスクリーン印刷によって形成し、乾燥後、離型フィルムより剥がして、銀ガラス導電性ペーストのシートを得た。
そして、前記銀ガラスペーストのシートを積層体の外部電極形成面に転写して積層し、700℃で30分焼き付けを行い、外部電極を形成した。
その後、外部電極にリード線を接続し、正極および負極の外部電極にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータを作製した。
得られた積層型圧電素子に170Vの直流電圧を印加したところ、すべての圧電アクチュエータにおいて、積層方向に変位量が得られた。
さらに、この圧電アクチュエータを室温で0〜+170Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した試験を行なった。
結果は表1に示すとおりである。
(表1)
Figure 2009041476
表1からわかるとおり、本発明の実施例である試料番号1〜4は、所定の1×10サイクルの連続駆動試験を満たすことはもちろんながら、層間剥離やクラックも形成せず、初期の変位量から極端な劣化を見せることは無く、積層型圧電素子として必要な有効変位量を有しており、誤作動が生じない耐久性に優れた積層型圧電素子であることが実証できた。
中でも、試料番号の3、4は、有効な変位量を初期から確保しながら、連続駆動後も素子性能を変化させることがなく、極めて耐久性に優れていたことから、素子変位量が安定した積層型圧電素子であることがわかった。
1 積層型圧電素子、
3 圧電体層、
5 内部電極層、
5B 低剛性金属層、
7 積層構造体、
9外部電極、
11,11a,11b 圧電体結晶粒子、
51 金属部、
52 空隙。

Claims (13)

  1. 複数の圧電体層と複数の金属層とが交互に積層された積層構造体を備え、隣接して対向する金属層間に電圧を印加することによって駆動する積層型圧電素子であって、前記積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記積層構造体の少なくとも対向する一対の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きい請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 前記積層構造体の4つの側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きい請求項1記載の積層型圧電素子。
  4. 前記積層構造体の側面における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径の1.1〜3倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  6. 前記側面において前記金属層の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きい請求項1〜5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 前記複数の金属層は、
    外部電極に電気的に接続された内部電極層と、
    互いに離隔した複数の金属部を有し、前記圧電体層及び前記内部電極層と比較して剛性が低い低剛性金属層と、を備え、
    前記側面において、前記低剛性金属層の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子の平均粒径が、前記内部電極層の側方に位置する部分における圧電体結晶粒子の平均粒径よりも大きい請求項1〜5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  8. 前記側面における圧電体結晶粒子の粒界に存在する金属の含有量が、前記隣接して対向する金属層に挟まれた圧電体層における圧電体結晶粒子の粒界に存在する金属の含有量よりも大きい請求項1〜7のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  9. 前記圧電体結晶粒子の粒界に存在する金属は、銀,金,Pd,Ptまたはそれらの合金から成ることを特徴とする請求項8に記載の積層型圧電素子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の積層型圧電素子と噴射孔とを備え、前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を吐出させるように構成されたことを特徴とする噴射装置。
  11. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、
    このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する請求項10に記載の噴射装置と、
    前記コモンレールに高圧の燃料を供給する圧力ポンプと、
    前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットと、
    を備えた燃料噴射システム。
  12. 導電性ペースト層と圧電セラミック粉末を含むセラミックグリーンシートが交互に積層されてなる積層体を切断して、その切断面に露出したセラミックグリーンシートの表面に導電性ペースト層の切断くずを付着させることと、
    その切断された積層体を所定の温度で焼成することと、
    を含むことを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  13. 導電性ペースト層と圧電セラミック粉末を含むセラミックグリーンシートが交互に積層されてなる積層体をのこぎり刃形状のブレードで切断したことと、
    その切断された積層体を所定の温度で焼成することと、
    を含むことを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
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