JP5414798B2 - 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム Download PDF

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Description

本発明は、圧電体層と内部電極層とが交互に積層された積層体を用いた積層型圧電素子、およびこの積層型圧電素子を備えた噴射装置ならびに燃料噴射システムに関するものである。
積層型圧電素子は、複数の圧電体層およびそれら圧電体層間に配設された複数の内部電極層が交互に積層された積層体と、内部電極層が引き出された積層体の側面に形成された外部電極とを備えている。
この積層型圧電素子の製造方法は、焼成後に圧電体層となるセラミックグリーンシートに内部電極層となる導電性ペーストを印刷し、この導電性ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを複数層積層して積層成形体を作製し、これを焼成して積層体を作製して、この積層体の側面を積層方向に平行に、または任意の方向に研削加工して外形を整えた後、ブラスト等で研削傷を消して製品形状を精度よく仕上げ、その積層体の側面に引き出された内部電極層と接続するように外部電極を形成するというものである。そのため、研削加工を施された積層型圧電素子の積層体の側面の面粗さは揃っているものであった。
特開2007−251150号公報
近年、悪条件下、具体的には高電圧下および高圧力下で長期間連続駆動できることが積層型圧電素子に要求されており、さらなる耐久性の向上が望まれている。これに対して、従来の積層型圧電素子のように積層体の側面の面粗さが均一に揃っているだけでは、積層体の中央部は活性領域であるために不活性領域である端部よりも駆動時に伸びやすいことから、駆動時における積層体の側面の変形度合いも中央部が端部より大きくなり、中央部に応力が集中しやすかった。そして、積層体の側面の中央部に一旦傷ができると、その傷が起点になってクラックが進展してしまうため、積層型圧電素子を長期間にわたって安定して連続駆動することが難しいという問題点があった。
本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、積層型圧電素子の積層体の側面の面粗さを制御することによって積層体におけるクラックの進展を効果的に抑制して、耐久性を向上させた積層型圧電素子を提供することにある。また、その積層型圧電素子を備えて耐久性を向上させた噴射装置および燃料噴射システムを提供することにある。
本発明の積層型圧電素子は、圧電体層および内部電極層が交互に複数積層された柱状積
層体と、該柱状積層体の側面に接合されて、それぞれ前記内部電極層に接続された一対の外部電極とを含む積層型圧電素子において、前記柱状積層体の側面は、算術平均粗さRaが前記積層体の積層方向の端部よりも中央部で粗くなっていることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記構成において、前記柱状積層体は、積層方向の前記中央部に位置して前記圧電体層が前記内部電極層で挟まれている活性領域と、前記端部に位置して前記圧電体層が前記内部電極層で挟まれていない不活性領域とを有しており、前記柱状積層体の側面は、算術平均粗さRaが前記不活性領域よりも前記活性領域で粗くなっていることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記構成において、前記柱状積層体の前記中央部の側面に、前記圧電体層および前記内部電極層と平行な方向の筋状の加工痕が存在することを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記構成において、前記柱状積層体の側面が、前記中央部から前記端部まで樹脂で被覆されていることを特徴とするものである。
本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、上記いずれかの本発明の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とするものである。
本発明の燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する上記本発明の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
本発明の積層型圧電素子によれば、圧電体層および内部電極層が交互に複数積層された柱状積層体と、該柱状積層体の側面に接合されて、それぞれ前記内部電極層に接続された一対の外部電極とを含む積層型圧電体素子において、前記柱状積層体の側面は、算術平均粗さRaが前記柱状積層体の積層方向の端部よりも中央部で粗くなっていることから、柱状積層体の側面が中央部は粗く、端部は細かく研磨加工されており、柱状積層体の側面は、表面における凹凸部は圧電粒子がクランプされていないため応力で変形しやすく、積層型圧電素子の駆動時に伸びやすい特長があるので、柱状積層体の側面における応力が緩和され、積層型圧電素子の耐久性を向上させることができる。
また、本発明の積層型圧電素子によれば、積層方向の中央部に位置して圧電体層が内部電極層で挟まれている活性領域と、端部に位置して圧電体層が内部電極層で挟まれていない不活性領域とを有しており、柱状積層体の側面の算術平均粗さRaが、不活性領域よりも、活性領域で粗くなっているときには、駆動時に変形する活性領域の側面における凹凸の大きさを不活性領域の側面における凹凸の大きさよりも大きくしているので、駆動に伴う積層体の側面の積層方向の中央部に位置する活性領域における応力を緩和させることができ、耐久性を向上させることができる。
また、本発明の積層型圧電素子によれば、柱状積層体の中央部の側面に、圧電体層および内部電極層と平行な方向の筋状の加工痕が存在するときには、加工痕による凹凸が存在することによって隣接する内部電極層同士が短絡することを効果的に抑制することができ、極性の異なる内部電極層間でショートしにくく、積層型圧電素子の耐久性を向上させることができる。
また、本発明の積層型圧電素子によれば、柱状積層体の側面が、中央部から端部まで樹脂で被覆されているときには、面粗さが細かい端部における樹脂の密着性が良くなっているので、水分が浸入することによる内部電極層間の短絡を効果的に防ぐことができ、積層型圧電素子の寿命を向上させることができる。
本発明の噴射装置によれば、噴出孔を有する容器と、上記本発明の積層型圧電素子とを備え、容器内に充填された液体が積層型圧電素子の駆動により噴射孔から吐出されることから、耐久性に優れた本発明の積層型圧電素子を用いているため、耐久性に優れた噴射装置となる。
本発明の燃料噴射システムによれば、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴射する上記本発明の噴射装置と、コモンレールに高圧燃料を供給する圧力ポンプと、噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことから、耐久性に優れた本発明の積層型圧電素子を用いた本発明の噴射装置を用いているため、耐久性に優れた燃料噴射システムとなる。
本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す側面図である。 本発明の積層型圧電素子の製造方法の実施の形態の一例についての研磨工程を示す、(a)は概略的な側面図であり、(b)は概略的な斜視図である。 本発明の積層型圧電素子の製造方法の実施の形態の他の例についての研磨工程を示す、(a)は概略的な平面図であり、(b)〜(d)はそれぞれ概略的な縦断面図である。 本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略的な断面図である。 本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略的なブロック図である。
以下、本発明の積層型圧電素子の実施の形態の例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す側面図である。
本例の積層型圧電素子1は、圧電体層11と内部電極層13とが交互に積層された柱状積層体15と、柱状積層体15の側面に接合されて、それぞれ内部電極層13に接続された一対の外部電極17(17a,17b)とを含む積層型圧電体素子1において、柱状積層体15の側面が、面粗さが柱状積層体15の積層方向の端部よりも中央部で粗くなっていることを特徴とするものである。
このような積層型圧電素子1によれば、角柱状の柱状積層体15の側面の面粗さが、中央部で端部よりも粗くなっており、端部で細かくなっているため、中央部は駆動時に発生する応力で変形しやすくなり、駆動時に伸び縮みに対応して変形しやすいものとなる。そのため、駆動時に変形する中央部(好適には、後述する活性領域19に対応する。)において応力を緩和させることができる。また、活性領域19に対応する中央部と、駆動時に変形しない端部に位置する不活性領域21との境での応力を緩和させることができる。なお、角柱状の柱状積層体15の側面の面粗さが、端部に位置する不活性領域21で細かくなっていることで、駆動時に変形しない不活性領域21の強度が高くなり、耐久性を良好なものとしている。
積層型圧電素子1において、積層体15の側面のうち内部電極層13がそれぞれ引き出された一対の側面には、一対の外部電極17(負極の外部電極17aおよび正極の外部電極17b)が形成されて、それぞれに対応する内部電極層13が接続されている。ここで、積層体15は、内部電極層13同士が圧電体層11を挟んで対向する活性領域19と、この活性領域19に対して積層方向の両端部側に位置する、圧電体層11間に内部電極層13が形成されていない不活性領域21とを備えている。活性領域19は駆動時に圧電体層11が積層方向に伸長または収縮する活性部であり、不活性領域21は駆動時に圧電体層11が積層方向に伸長または収縮しない不活性部である。すなわち、不活性領域21は、駆動電圧の印加時に駆動に寄与する内部電極層13同士が対向していない部位であり、自らは駆動しない部位(不活性部)である。この不活性領域21には、内部電極層13としては機能しない金属層等が含まれていてもよい。
圧電体層11は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO:PZT)を主成分とする圧電セラミックス等から成り、厚みは30〜200μm程度である。また、内部電極層13は、例えば銀−パラジウム(Ag−Pd)等の金属粉末の焼成体等から成り、厚みは1〜5μm程度である。
外部電極17は、例えば銀粉末およびガラス粉末の焼成体等から成り、活性領域19において内部電極層13が引き出された領域を覆うように形成されて内部電極層13が接続されており、厚みは10〜50μm程度である。
この柱状積層体15の側面は、面粗さが積層方向の端部よりも中央部が粗くなるように、粗さの異なる砥石を組み合わせて、例えば端部に対応する積層方向の長さの1/6に対する研磨砥石の番手を細かくし、中央部に対応する積層方向の長さの2/3に対する研磨砥石の番手を粗くして、側面を研磨加工することによって所望の粗さ条件に設定される。また、同じ番手の研磨砥石を用いて加工条件を変えることによっても、あるいは圧電体層11の材料組成を変更することによっても、面粗さを異ならせることができる。このとき、砥石によって付けられる筋状の研磨加工痕が、積層体15の側面において内部電極層13に沿った方向に延びるように研磨加工する。
本発明の積層型圧電素子1において、柱状積層体15の側面の面粗さは、柱状積層体15の側面を研磨加工する砥石の番手あるいは研磨加工の際の柱状積層体15および研磨砥石の回転速度、研磨砥石の研磨圧力、さらに柱状積層体15および研磨砥石の材質等の研磨条件にもよるが、算術平均粗さRaで、不活性領域21に対応する端部は0.4μm以下とし、活性領域19に対応する中央部は0.45μm以上とすることが好ましく、端部と中央部とで0.05μm以上の差とすることが好ましい。さらに好ましくは、端部の面粗さは算術平均粗さRaで0.3μm以下である。このように面粗さを設定することにより、駆動時に変形する活性領域19における応力を緩和することができる。また、端部に向かって徐々に面粗さを細かくすることによって、応力集中の箇所をなくして、より効果的に応力を緩和することができる。そして、このような面粗さとされた柱状積層体15の側面を中央部から端部まで樹脂(図示せず)で被覆した場合は、端部の面粗さが中央部よりも細かいため、樹脂の密着性が良好となり、柱状積層体15と樹脂との界面に水分が浸入することを効果的に抑制することができ、水分の浸入による内部電極層13間の短絡を防ぐことができ、積層型圧電素子1の寿命を向上させることができる。なお、ここで柱状積層体1の側面の端部とは、不活性領域21に対応する部分をいうが、活性領域19の一部を含んでいてもよい。この端部は、柱状積層体15の上下の端面からそれぞれ全長の1/6程度の部分をいい、その他の全長の2/3程度の部分を中央部という。
柱状積層体15の側面を中央部から端部まで被覆する樹脂は、少なくとも一対の外部電極17が接合されている側面に形成されているものであるが、柱状積層体15の側面の全面に被覆されていると、水分が圧電体層11の層間を通って内部電極層13に達することによって内部電極層13の変質を引き起こしたりすることを効果的に抑制することができるので好ましい。
このとき、駆動時の変形度合いの大きい柱状積層体15の中央部の凹凸を大きくして中央部における応力緩和効果を向上させ、柱状積層体15の端部に向かって徐々に面粗さを細かくすることで、駆動時に応力が集中する箇所を無くすことができる。
さらに、柱状積層体15の側面において活性領域19と不活性領域21とをまたぐ部分で不活性領域21に向かって徐々に面粗さを細かくしておくと、駆動時に変形する活性領域19と変形しない不活性領域21との境での応力を緩和させることができるので、耐久性をさらに向上させることができる。
また、内部電極層13が柱状積層体15の側面に露出していることより、内部電極層13と圧電体層11との際の部分において柱状積層体15の側面に凹凸を設けることができるので、応力緩和効果を向上させることができるとともに、柱状積層体15の側面の凹凸によって極性の異なる内部電極層13間で沿面放電しにくいものとすることができる。
また、柱状積層体15の側面の面粗さを研磨加工によって設定した場合には、その研磨加工によって側面に形成された筋状の研磨の加工痕は、柱状積層体15の側面において内部電極層13に沿った方向に平行に延びて存在していることが好ましい。この場合は、柱状積層体15の側面において、隣接する内部電極層13同士を繋ぐようなクラックの発生を実質的に発生しないように抑えることができる。
このような側面の粗さを有する柱状積層体15は、その製造の際に、柱状積層体15の側面の全周を研磨するように回転する、柱状積層体15の側面に対して進退可能に設置されている研磨具を用いる方法によって柱状積層体15を研磨する際に、柱状積層体15の形状に沿って研磨具を前後に進退させるという研磨条件によって作製することができる。
このとき、研磨具について柱状積層体15の側面の中央部に対する研磨砥石の粒度に比較して端部に対応する研磨砥石の粒度を下げるとよい。または、研磨加工条件や圧電体層11あるいは研磨砥石の材料組成等を異ならせることによって、柱状積層体15の側面の面粗さを異ならせる。
本例の積層型圧電素子1の製造においては、圧電体層11と内部電極層13とが交互に積層された角柱状の柱状積層体15に対して、柱状積層体15の両端部を保持して柱状積層体15を長手方向の軸周りに回転させながら、柱状積層体15の側面を研磨砥石を備えた研磨具によって研磨するとよい。
そのような積層型圧電素子1の製造時において好ましくは、研磨具は、柱状積層体15の側面の全周を研磨するように、回転する柱状積層体15の側面に対して進退可能に設置されているものである。
それにより、柱状積層体15の側面の全周のどの部分においても、内部電極層13に平行な方向に延びる筋状の研磨加工痕を、同程度の深さでもって形成することができる。その結果、柱状積層体15の側面において隣接する内部電極層13同士が短絡することが効果的に抑制され、耐久性がより向上した積層型圧電素子1を得ることができる。
次に、本発明の積層型圧電素子1の製造方法の実施の形態の例について具体的に説明する。
まず、圧電体層11となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末とアクリル系あるいはブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと可塑剤とを混合してスラリーを作製する。そして、このスラリーから、周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、セラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えばPbZrO−PbTiO(PZT)等からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。また、可塑剤としては、DBP(フタル酸ジブチル)またはDOP(フタル酸ジオクチル)等を用いることができる。
次に、内部電極層13となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム(Ag−Pd)等の金属粉末にバインダーおよび可塑剤等を添加混合することで、導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法等を用いて所定のパターンに印刷する。さらに、この導電性ペーストによるパターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数層積層する。そして、この積層成形体を焼成することで、交互に積層された圧電体層11および内部電極層13からなる活性領域19を備えた柱状積層体15を形成することができる。
このとき、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数層積層して乾燥させることで、未焼成の積層成形体を得る。この未焼成の積層成形体の積層方向の両端側に、導電性ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシートを複数層積層することにより、この部分が焼成後の柱状積層体15における不活性領域21となる。この未焼成の積層成形体は、必要に応じて裁断して所望の形状にすることができる。
次いで、積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、例えば900〜1150℃で焼成することにより、柱状積層体15を得る。
なお、柱状積層体15は、一部の内部電極層13に代えて複数の予定破断層が形成されていてもよい。この場合は、隣接する予定破断層同士の間には、複数の圧電体層11および内部電極層13が挟まれたものとなる。予定破断層としては、例えば多数の独立した金属粒子を含む多孔質の層を形成する。この多孔質の層を形成するには、例えば、導電性ペースト中にカーボン粉末を含有させて、焼成中にそのカーボン粉末を消失させたり、導電性ペーストの印刷時にドットパターンとなるようにパターンを印刷したり、導電性ペーストを印刷乾燥した後にドライアイスブラスト等を行なって印刷面を荒らしたりする方法がある。
また、多孔質の層である予定破断層となる導電性ペーストと、内部電極層13となる導電性ペーストとの金属成分比率を変えて、焼成中に金属成分の濃度差を利用して予定破断層から内部電極層13に向けて金属成分を拡散させることによって、予定破断層を多孔質の層とする方法も採用できる。特に、主に銀−パラジウムからなる導電性ペーストを用いて、多孔質の層となる予定破断層の銀濃度を内部電極層13の銀濃度よりも高くしておくと、焼成時に銀が液相を形成するとともに圧電体層11の圧電体粒子間を容易に移動することができるので、極めて均一な多孔質の層である予定破断層を形成できることから好ましい。
次に、柱状積層体15の側面を研磨加工する。図2は、本発明の積層型圧電素子の製造方法の実施の形態の一例についての研磨工程を示す、(a)は概略的な側面図であり、(b)は概略的な斜視図である。図2(a)に示すように、柱状積層体15は、その両端面15aおよび15bが保持具61aおよび61bによってそれぞれ押圧されて保持されている。このとき、柱状積層体15の両端面15a,15bは、柱状積層体15の中央部側に向かって加圧されている。これにより、柱状積層体15を長手方向の軸周りに回転させながら、柱状積層体15の側面を研磨具(研磨砥石63)によって研磨する。
ここで、研磨具(研磨砥石63)は、図2(b)に示すように、中央部に粗い番手の砥石を使い、端部に細かい番手の砥石を使って組み合わせる。また、加工条件によって柱状積層体15の側面の面粗さを中央部と端部とで異ならせる場合は、例えば研磨具(研磨砥石63)による切り込み量を増大させることによって、研磨砥石63から逃げる方向に変形することができる柱状積層体15の中央部と、変形しない柱状積層体15の両端部との間で、中央部は当たりをきつくして面粗さを粗くすることができ、端部は変形しないため当たりを緩やかにして面粗さを細かくすることができるので、面粗さで差を生じさせることができる。
また、柱状積層体15を回転させるのに代えて研磨砥石63を回転させて柱状積層体15の側面を研磨加工してもよい。このときには、柱状積層体15の複数の側面のうちの1つに研磨砥石63を接触させつつ研磨し、1つの側面の研磨が終了したら柱状積層体15の回転角を徐々に変え、その側面と次の側面との間の稜部をC面またはR面に加工して、さらに次の側面の研磨加工を行なう。同様にして、この作業を全ての側面および稜部について行なう。これにより、柱状積層体15の全ての側面において、研磨加工による筋状の加工痕を内部電極層13に平行な方向に延びるように形成して、中央部の面粗さを端部の面粗さよりも粗くすることができる。
研磨砥石63の形状は、図2に示す例においては柱状積層体15と同程度の長さの角柱状であるが、角柱状に限られるものではなく、円板状あるいは柱状積層体15よりも短い円柱状あるいは球状等の形状であってもよい。
なお、柱状積層体15の形状については、角柱状であることが基本であるが、円柱状となっていても構わない。円柱状である場合には、この研磨加工を行なう時に円柱状に加工すればよい。
柱状積層体15の両端面15a,15bが、例えばビッカース硬度Hvが20以上100以下の保持具61a,61bを用いて10MPa以上100MPa以下の押圧力Fで押圧されて保持されるときには、保持具61a,61bのビッカース硬度Hvが高過ぎないことから、保持具61a,61bが柱状積層体15を保持する際に保持具61a,61bの柱状積層体15の両端面15a,15bとの接触面が、柱状積層体15に対して押圧されることによって柱状積層体15の両端面15a,15bにフィットするように変形するので、良好に確実に柱状積層体15を保持することができる。
研磨砥石63の材質は、好適にはダイヤモンド等から成るものである。また、その回転速度は2000〜8000rpm程度とされる。さらに、柱状積層体15も研磨砥石63と同じ回転方向に回転させるとよく、その場合の柱状積層体15の回転速度は80〜150rpm程度とされる。
次に、図3は本発明の積層型圧電素子の製造方法の実施の形態の他の例における各研磨工程を示すものであり、(a)は概略的な平面図であり、(b)〜(d)はそれぞれ概略的な縦断面図である。この例では、研磨具である研磨砥石63は、柱状積層体15の側面の全周を研磨するように、回転する柱状積層体15の側面に対して進退可能に設置されている。すなわち、円柱状の研磨砥石63の回転軸が、回転する柱状積層体15の側面に対して前後に進退可能とされている。このような円柱状の研磨砥石63の回転軸が進退可能な機構は、回転軸に繋がったモーター等を回転軸に直交する方向に移動可能に設置する等の手段によって実現できる。また、柱状積層体15から柱状積層体15の回転軸に加わる力(研磨圧力)をモーターに取り付けた圧力センサまたはトルク計等によって検知し、その研磨圧力をコンピュータプログラムによって制御することによって、研磨圧力がほぼ一定となるように、あるいは研磨圧力が所定の変化曲線に従うようにして、回転軸に繋がったモーター等を回転軸に直交する方向に移動可能とすることができる。
また、柱状積層体15の側面の全周に一定の深さの研磨加工による加工痕を形成するには、以下のようにしてもよい。
柱状積層体15は回転させずに静止させた状態で、研磨砥石63のみを回転させて、柱状積層体15の側面を研磨する。また、研磨砥石63の回転軸は、柱状積層体15の長辺方向の軸の周りに亘って移動可能なものとする。そのようにすれば、柱状積層体15の長辺方向の軸の周りを移動しつつ、研磨砥石63自体が回転しているようにできるため、柱状積層体15の側面の全周を研磨することができる。なお、研磨砥石63の回転軸を柱状積層体15の長辺方向の軸の周りに亘って移動させる場合は、研磨砥石63の半径を考慮して、研磨砥石63の回転軸を柱状積層体15の断面形状に対応して移動させるように、予めコンピュータプログラムで制御しておくとよい。例えば、研磨砥石63の回転軸に、柱状積層体15の断面形状の数倍の大きさの四角形状の周縁部に沿った動きをさせた場合には、一定の深さの研磨加工痕を柱状積層体15の側面の全周に亘って形成することができるので好ましい。
また、研磨圧力を一定にすることによって、前述したように、柱状積層体15の側面のどの部分においても、内部電極層13に沿って平行な方向に延びる筋状の研磨加工痕を同程度の深さで形成することができる。その結果、柱状積層体15の側面において隣接する内部電極層13同士が短絡することが効果的に抑制される。
また、研磨砥石63によって、柱状積層体15の側面のどの部分においても一定の圧力で研磨を行なうためには、研磨砥石63の回転速度は2000〜8000rpm程度であり、柱状積層体15の回転速度は80〜150rpm程度であることが好ましい。また、研磨砥石63の直径は、200〜400mm程度であることが好ましい。
図3(a)に平面図で示すように、柱状積層体15は、その両端面15a,15bが保持具61a,61bによってそれぞれ保持されている。
図3(b)は、柱状積層体15が保持具61a,61bによって押圧されている状態で、研磨砥石63によって柱状積層体15の側面間の稜部をC面加工している状態を示す縦断面図である。ここでは、柱状積層体15の側面間の稜部の研磨砥石63側への飛び出しに合わせて、研磨砥石63が後退してC面加工を行なう。
図3(c)は、柱状積層体15の側面である平坦面を研磨加工している状態を示す縦断面図である。ここでは、柱状積層体15の平坦面における研磨砥石63と反対側への引っ込みに合わせて、研磨砥石63が前進して研磨加工を行なう。
図3(d)は、柱状積層体15が保持具61a,61bによって押圧されている状態で、研磨砥石63によって柱状積層体15の側面間の稜部をR面加工している状態を示す縦断面図である。ここでは、柱状積層体15の側面間の稜部の研磨砥石63側への飛び出しに合わせて、研磨砥石63が後退してR面加工を行なう。
これら図3(b),(c)または(c),(d)に示す動作を繰り返すことによって、所定の形状で側面が所望の面粗さとされた柱状積層体15が作製される。そして、柱状積層体15の側面の全面において、内部電極層13に沿って平行な方向に延びる筋状の研磨加工痕が形成される。
その後、積層型圧電素子1の柱状積層体15の側面に、端部が露出した内部電極層13との導通が得られるように一対の外部電極17を形成する。この外部電極17は、銀粉末およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これを柱状積層体15の側面に印刷して、乾燥接着あるいは600〜800℃で焼き付けることによって形成することができる。
さらに、外部電極17の外表面に、金属のメッシュもしくはメッシュ状の金属板が埋設された導電性接着剤からなる導電性補助部材(図示せず)を形成してもよい。ここで、金属のメッシュとは金属線を編み込んだものをいい、メッシュ状の金属板とは金属板に孔を形成してメッシュ状にしたものをいう。
次に、ウレタン樹脂,アクリル樹脂,エポキシ樹脂,フッソ樹脂,セラミックスまたはシリコーンゴムからなる外装樹脂を含む樹脂溶液に外部電極17を形成した柱状積層体15を浸漬することによって、または柱状積層体15の側面にスクリーン印刷することによって、柱状積層体15の中央部から端部まで樹脂をコートする。そして、コートした樹脂を真空脱気することにより、柱状積層体15の側面の凹凸部に樹脂を密着させる。これにより、柱状積層体15の側面に中央部から端部まで樹脂がコーティングされる。そして、外部電極17に通電部としてのリード線(図示せず)を導電性接着剤(図示せず)等で接続する。
次に、リード線を介して一対の外部電極17から内部電極層13によって圧電体層11に0.1〜3kV/mmの直流電界を印加し、柱状積層体15の圧電体層11を分極することによって、積層型圧電素子1が完成する。
そして、リード線を外部の電圧供給部(図示せず)に接続し、リード線および外部電極17を介して内部電極層13によって圧電体層11に電圧を印加することによって、各圧電体層11を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。これにより、例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁機構(噴射装置)として機能させることが可能となる。
図4は、本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略的な断面図である。図4に示すように、本例の噴射装置25は、一端に噴射孔27を有する容器(収納容器)29の内部に上記の例の積層型圧電素子1が収納されている。容器29内には、噴射孔27を開閉することができるニードルバルブ31が配設されている。噴射孔27には、燃料通路33がニードルバルブ31の動きに応じて連通可能に配設されている。この燃料通路33は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路33に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ31が噴射孔27を開放すると、燃料通路33に供給されていた燃料が一定の高圧で図示しない内燃機関の燃料室内に噴出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ31の上端部は、他の部位よりも内径の大きなピストン37であり、このピストン37はシリンダ状の容器29の内壁35と摺動可能に配置されている。そして、容器29内には、上記の例の積層型圧電素子1からなる圧電アクチュエータが収納されている。
このような噴射装置25では、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子1)が電圧を印加されて伸長すると、ピストン37が押圧され、ニードルバルブ31が噴射孔27を閉塞し、燃料の供給が停止される。一方、電圧の印加が停止されると、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子1)が収縮し、皿バネ39がピストン37を押し返し、噴射孔27が燃料通路33と連通して燃料の噴射が行なわれる。
また、本例の噴射装置25は、噴射孔27を有する容器29と、上記の例の積層型圧電素子1とを備え、容器29内に充填された液体が積層型圧電素子1の駆動により噴射孔27から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器29の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器29の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、液体には、燃料またはインク等の他、種々の液状流体(導電性ペースト等)が含まれる。
図5は、本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略的なブロック図である。図5に示すように、本例の燃料噴射システム41は、高圧燃料を蓄えるコモンレール43と、このコモンレール43に蓄えられた燃料を噴射する複数の上記の例の噴射装置25と、コモンレール43に高圧燃料を供給する圧力ポンプ45と、噴射装置25に駆動信号を与える噴射制御ユニット47とを備えている。
噴射制御ユニット47は、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御するものである。圧力ポンプ45は、燃料タンク49から燃料を1000〜2000気圧(約101MPa〜約203MPa)程度、好ましくは1500〜1700気圧(約152MPa〜約172MPa)程度にしてコモンレール43に送り込む役割を果たす。コモンレール43では、圧力ポンプ45から送られてきた燃料を蓄えて、適宜噴射装置25に送り込む。噴射装置25は、上述したように噴射孔27から少量の燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何ら差し支えない。例えば、本発明の積層型圧電素子は、インクジェットプリンタの印字装置、あるいは圧力センサ等に適用でき、圧電特性を利用した積層型の圧電素子であれば、同様の構成で実施可能である。
本発明の積層型圧電素子の実施例を以下に説明する。
本発明の積層型圧電素子1からなる圧電アクチュエータを以下のように作製した。まず、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してスラリーを作製した。そして、このスラリーから、周知のドクターブレード法を用いることにより、セラミックグリーンシートを作製した。可塑剤としては、DBP(フタル酸ジブチル)を用いた。
次に、銀−パラジウム(Ag−Pd)の金属粉末にバインダーを添加混合することで、内部電極層13となる導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて所定のパターンに印刷した。さらに、この導電性ペーストがスクリーン印刷されたセラミックグリーンシートを複数層積層し、その両端部にはセラミックグリーンシートを複数層積層して、積層成形体を作製した。そして、この積層成形体を焼成することで、交互に積層された圧電体層11および内部電極層13を備えた柱状積層体15を作製した。
このとき、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを積層して乾燥させることで、未焼成の積層成形体を得た。この未焼成の積層成形体の積層方向の両端側に、導電性ペーストを印刷していないセラミックグリーンシートを複数層積層することによって、それらが不活性領域21となった。この未焼成の積層成形体は、必要に応じて裁断して所望の形状にすることができた。
次いで、この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、1000℃で焼成することにより柱状積層体15を得た。
次に、柱状積層体15の側面を研磨した。ここで、試料1として柱状積層体15の側面の中央部と端部とに砥粒の平均粒径が40μmの砥石を使用したものを作製し、試料2,3として柱状積層体15の側面の中央部に砥粒の平均粒径が40μmの砥石を使用し、端部に砥粒の平均粒径が30μmおよび25μmの砥石を使用したものを作製した。また、試料4,5として同一番手(砥粒の平均粒径が30μm)の砥石で切り込み量を変えたものを、試料6として同じく同一番手(砥粒の平均粒径が25μm)の砥石を用いたものを作製した。その後、同様に前述の図3(b)〜(d)に示す動作を繰り返すことによって、所定の形状で側面の面粗さが所定の状態にされた柱状積層体15を作製した。そして、柱状積層体15の側面の全面において、内部電極層13に沿って平行な方向に延びる筋状の研磨加工痕が形成されたものを得た。
その後、銀粉末およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これを柱状積層体15の側面に印刷して、乾燥接着あるいは600〜800℃で焼き付けることによって、一対の外部電極17を形成した。
次に、エポキシ樹脂からなる外装樹脂を含む樹脂溶液に、外部電極17を形成した柱状積層体15を浸漬し、または樹脂溶液をスクリーン印刷等で塗布することによって、樹脂溶液をコートした。その後、そのエポキシ樹脂溶液を真空脱気することによって柱状積層体15の側面の凹凸部にエポキシ樹脂を密着させた。これにより、柱状積層体15の側面に中央部から端部まで樹脂で被覆されたものを得た。そして、一対の外部電極17にそれぞれ通電部としてのリード線を導電性接着剤で接続した。
次に、リード線を介して一対の外部電極17から内部電極層13によって圧電体層11に0.1〜3kV/mmの直流電界を印加し、柱状積層体15の圧電体層11を分極することによって、積層型圧電素子1を完成した。
そのようにして作製した試料1〜6に対して、被覆した樹脂の付着性確認のため、クロスカット法(JIS K5400−8.5)に従って比較試験を実施した。ここでは、被覆した樹脂にカッターナイフで碁盤目状に傷を付け、テープを使って剥がして、その樹脂の剥がれ状態を見てランク分けした。ランク分けの結果の「8点」は98%以上剥離無しのもの、「6点」は95%以上剥離無しのもの、「4点」は85%以上剥離無しのもの、「2点」は65%以上剥離無しのものとして表記した。このとき、樹脂を被覆した面が粗い方が、樹脂の食い込みがよく、樹脂の剥離が少なくて付着性がよかった。
さらに、被覆した樹脂に対する水浸入の状況を確認するために、温度35℃,湿度90RH%で内部電極層13間にDC6Vを24時間印加した後、常温で24時間放置した後の洩れ電流を測定した。そして、洩れ電流で不良になった試料を除き、さらに、内部電極層13間に室温で0V〜+160Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した耐久試験を行なった。それにより得られた結果を表1に示す。
Figure 0005414798
表1に示す結果より、柱状積層体15の側面の面粗さが中央部において端部よりも粗くなっている本発明の実施例である試料2〜4においては、被覆した樹脂について良好な付着性を示し、耐久試験後の漏れ電流の発生も認められなかった。
具体的には、試料2〜4においては、柱状積層体15の側面の面粗さは、中央部で算術平均粗さRaが0.45μm以上であり、クロスカット法で8点の良好な付着性を示した。また、洩れ電流試験においても耐久試験後の洩れ電流無しの結果が得られた。
これに対して、柱状積層体15の側面の中央部における面粗さが端部と同じ粗さであり、中央部および端部の算術平均粗さRaが0.5μmの試料1においては、端部における樹脂の密着性が悪く、水分の侵入により耐久試験前に漏れ電流が発生した。
また、柱状積層体15の側面の中央部における面粗さが端部と同じ粗さであり、中央部および端部の算術平均粗さRaが0.4μm以下の試料5,6においては、耐久試験中に樹脂について柱状積層体15の中央部が剥離し、スパークによって漏れ電流が発生した。
1:積層型圧電素子
11:圧電体層
13:内部電極層
15:柱状積層体
15a,15b:両端面
17:外部電極
61a,61b:保持具
63:研磨砥石(研磨具)

Claims (6)

  1. 圧電体層および内部電極層が交互に複数積層された柱状積層体と、該柱状積層体の側面に接合されて、それぞれ前記内部電極層に接続された一対の外部電極とを含む積層型圧電素子において、前記柱状積層体の側面は、算術平均粗さRaが前記柱状積層体の積層方向の端部よりも中央部で粗くなっていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記柱状積層体は、積層方向の前記中央部に位置して前記圧電体層が前記内部電極層で挟まれている活性領域と、前記端部に位置して前記圧電体層が前記内部電極層で挟まれていない不活性領域とを有しており、前記柱状積層体の側面は、算術平均粗さRaが前記不活性領域よりも前記活性領域で粗くなっていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記柱状積層体の前記中央部の側面に、前記圧電体層および前記内部電極層と平行な方向の筋状の加工痕が存在することを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  4. 前記柱状積層体の側面が、前記中央部から前記端部まで樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  5. 噴出孔を有する容器と、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とする噴射装置。
  6. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する請求項5に記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とする燃料噴射システム。
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