JP2003017768A - 積層型圧電素子及び噴射装置 - Google Patents

積層型圧電素子及び噴射装置

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JP2003017768A
JP2003017768A JP2001197116A JP2001197116A JP2003017768A JP 2003017768 A JP2003017768 A JP 2003017768A JP 2001197116 A JP2001197116 A JP 2001197116A JP 2001197116 A JP2001197116 A JP 2001197116A JP 2003017768 A JP2003017768 A JP 2003017768A
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alkaline earth
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electrode
laminated piezoelectric
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JP2001197116A
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Susumu Ono
進 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温、高湿の環境下で、高電圧、高周波で駆動
しても、内部電極材のショートによる破損を抑制するこ
とができる積層型圧電素子及び噴射装置を提供する。 【解決手段】複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交
互に積層してなり、内部電極2が交互に接続された素子
本体3の外周面を、アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属の含有合量が800ppm以下の外装樹脂10で
被覆してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用燃料噴射
弁、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動
素子等に用いられる積層型圧電素子及び噴射装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来より、電歪効果を利用して大きな変位
量を得るために、圧電体と内部電極層を交互に積層した
積層型圧電素子が提案されている。積層型圧電素子に
は、同時焼成タイプと圧電磁器と内部電極板を交互に積
層したスタックタイプの2種類に分類されており、低電
圧化、製造コスト低減の面から考慮すると、同時焼成タ
イプの積層型圧電素子が薄層化に対して有利であるため
に、その優位性を示しつつある。
【0003】同時焼成タイプの積層型圧電素子として、
例えば、特開平4−237172号公報には、素子本体
の側面に露出した内部電極の端部に一層おきにガラスか
らなる絶縁層を被覆し、外部電極には、絶縁層と同じピ
ッチで、かつ絶縁層の断面よりやや大きい凹部を形成
し、この凹部内に絶縁層を収容するようにして、かつ、
凹部間の凸部に、絶縁層が形成されていない内部電極の
端部を導電性接着剤で接着することにより、外部電極と
一方の内部電極との電気的接続を確保し、他方の内部電
極との絶縁性を確保した積層型圧電素子が開示されてい
る。
【0004】一方、近年における積層型圧電素子では、
大きな変位量を確保した状態で、積層型圧電素子の特徴
である高応答性を利用するため、高電界を印加し高周波
数で駆動することが行なわれている。
【0005】このため、圧電体間に埋設された正極の内
部電極と、負極の内部電極との間で積層型圧電素子の表
面を介しての沿面放電を起こしたり、更に、湿度の高い
環境下で駆動させた場合、内部電極材のマイグレーショ
ンが発生し、ショートによる破損が発生し易いという問
題があった。
【0006】これらの問題を解決する手段として、特開
平5−160458号公報、及び特開平5−21851
6号公報に開示された積層型圧電素子では、シリコーン
樹脂を被覆し、内部電極材のマイグレーションを抑制し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シリコーン樹脂では、積層型圧電素子を高温、高湿の環
境下で、高電圧、高周波で駆動させた場合、内部電極間
のショートによる破損が発生し易いという問題があっ
た。
【0008】本発明者は、内部電極間のショートによる
破損について鋭意検討した結果、従来のシリコーン樹脂
では、不純物としてアルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属を多く含有しており、シリコーン樹脂中のアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属が高電界により遊離
してアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンと
なり、これらのイオンが負極側の内部電極端に集中し、
該アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンによ
り磁器表面における正極と負極の内部電極端の絶縁距離
が短縮され、漏れ電流を生じさせショートに至ることを
見出し、本発明に至った。
【0009】本発明は、高温、高湿の環境下で、高電
圧、高周波で駆動しても、内部電極間のショートによる
破損を抑制することができる積層型圧電素子及び噴射装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電素子
は、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層して
なり、前記内部電極が交互に接続された素子本体の外周
面を、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有
合量が800ppm以下の外装樹脂で被覆してなるもの
である。
【0011】本発明の積層型圧電素子では、外装樹脂中
のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の合量が8
00ppm以下であるため、高温、高湿の環境下におい
て、高電界、高周波数で駆動させた場合においても、ア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属がイオンとなる
量を減少でき、正極と負極の内部電極端間の絶縁距離の
短縮を抑制することができ、内部電極間のショートによ
る破損を抑制できる。
【0012】また、本発明では、圧電体側面の表面粗さ
Raが0.01〜1μmであることが望ましい。即ち、
圧電体側面の表面粗さRaが0.01〜1μmであるた
め、正極と負極の内部電極端間の圧電体側面の電流経路
が延長され、素子本体の側面における正極と負極の内部
電極端部間の絶縁距離を確保することができるととも
に、圧電体強度を高く維持することができる。 止でき
るる及び/またはアルカリ土類金属イオンンであること
を特徴
【請求項5】図1(a)は本発明の積層型圧電アクチュ
エータからなる積層型圧電素子の一実施例を示す斜視図
であり、(b)は(a)のA−A’に沿った縦断面図で
ある。
【0013】本発明の積層型圧電アクチュエータは、図
1に示すように複数の圧電体1と複数の内部電極2とを
交互に積層して、四角柱状の素子本体3を形成し、この
素子本体3の対向する2つの側面に、それぞれ外部電極
4を設けて構成されている。外部電極4には、内部電極
2の端部が交互に電気的に接続されている。
【0014】この素子本体3の外周面には外装樹脂10
が被覆されている。即ち、素子本体3と外部電極4との
間、および外部電極4が形成されていない素子本体3の
側面に外装樹脂10が被覆されている。言い換えれば、
正極及び負極の内部電極の端部が露出した、素子本体3
の外部電極が形成されない側面、正極及び負極の内部電
極の端部が交互に露出し、露出した内部電極の端部が外
部電極に接続された素子本体3の側面、並びに、外部電
極4の表面に外装樹脂10が形成されている。
【0015】外装樹脂10の厚みは、沿面放電の防止、
水蒸気透過の防止、小型化という点から、0.01〜2
mm、特に0.1〜1mmであることが望ましい。
【0016】また、本発明では、外装樹脂10のアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有合量が800
ppm以下とされている。外装樹脂10中に含有するア
ルカリ金属とアルカリ土類金属の合量を800ppm以
下としたのは、800ppmより多い場合には、高電
界、高周波数にて遊離するアルカリ金属及び/又はアル
カリ土類金属イオンが多く、負極の内部電極端に集中
し、負極と正極の内部電極端が近づき、絶縁距離が短縮
され、ショートを起こしやすいからである。
【0017】外装樹脂10のアルカリ金属及び/又はア
ルカリ土類金属は、不純物として含有するため、一般的
に外装樹脂10中に必然的に含有されるが、アルカリ金
属及び/又はアルカリ土類金属の含有合量を低減するに
は、無機イオン交換樹脂にて前処理する。
【0018】即ち、例えば、外装樹脂10中に無機イオ
ン交換樹脂を添加し、攪拌してアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属を沈殿させ、これらのアルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属の含有量が少ない上層部の樹
脂を外装樹脂10として用いることが効果的である。特
に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の中で
も、イオン化傾向の高い金属の含有合量を少なくするこ
とが金属のイオン化を防ぐという点から望ましい。
【0019】外装樹脂10中のアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属含有量は、特には200ppm以下が
望ましい。外装樹脂10中のアルカリ金属及び/又はア
ルカリ土類金属の含有合量は、イオンクロマト分析によ
って測定することができる。
【0020】外装樹脂10は、高耐熱性、低ヤング率、
低水蒸気透過性の点から、フッ素樹脂、シリコーン樹脂
からなることが望ましく、特には、低水蒸気透過性とい
う点からシリコーン樹脂を用いることが望ましい。
【0021】さらに本発明では、外装樹脂10中に無機
イオン交換樹脂を含有することが望ましい。この無機イ
オン交換樹脂を含有せしめることにより、遊離したアル
カリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンを効果的に
捕捉し、負極の内部電極端への集中を抑制できる。無機
イオン交換樹脂は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属の含有合量が800ppm以下の主成分100重
量部に対して、無機イオン交換樹脂を1〜30重量部添
加含有することが望ましい。この場合における主成分と
は、上記したフッ素樹脂、シリコーン樹脂である。
【0022】無機イオン交換樹脂を、主成分100重量
部に対して1〜30重量部添加したのは、無機イオン交
換樹脂が1重量部より少ない場合には、遊離したアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンを捕捉する量
が少ないからであり、30重量部より多い場合には、無
機イオン交換樹脂の量が多いため、アルカリ金属及び/
又はアルカリ土類金属イオンを捕捉するには十分である
が、コストが高くなるからである。
【0023】無機イオン交換樹脂は、遊離したアルカリ
金属及び/又はアルカリ土類金属イオンを効果的に捕捉
し、低コスト化を促進するためには、主成分100重量
部に対して1〜10重量部添加含有することが望まし
い。
【0024】また、本発明では、圧電体1の側面の表面
粗さRaが0.01〜1μmであることが望ましい。圧
電体1の側面の表面粗さRaは、素子本体3の側面の砥
石による研磨時に、砥石の粒度を変化させることにより
変更できる。
【0025】圧電体1の側面の表面粗さRaを0.01
〜1μmとしたのは、表面粗さRaが0.01μmより
小さい場合には、側面が平滑化されるため、圧電体側面
の電流伝達経路が短く、絶縁距離が短くなり、圧電体側
面の絶縁距離を確保することが困難となるからであり、
1μmより大きい場合には、圧電体1自体の磁器強度が
低くなるため、素子駆動時に破壊の起点となる恐れがあ
るからである。圧電体側面の表面粗さRaは、絶縁距離
の確保と、磁器強度の低下を防止するという点から、
0.05〜0.4μmとすることが望ましい。
【0026】圧電体1は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)或い
は、チタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電
セラミック材料などが使用されるが、これらに限定され
るものではなく、圧電性を有するセラミックスであれば
何れでも良い。なお、この圧電体材料としては、圧電歪
み定数d33が高いものが望ましい。また、圧電体1の厚
み、つまり内部電極2間の距離は、小型化及び高い電界
を印加するという点から0.05〜0.25mmである
ことが望ましい。
【0027】内部電極2は、素子本体の全ての側面に露
出しているが、そのうち対向する2つの側面において、
内部電極2端部を含む圧電体1の側面に溝が形成され、
この溝内に絶縁体が充填されている。溝が形成されてい
ない内部電極2の他方の端面は、予め塗布しておいた熱
硬化性導電性接着剤に板状の導電性部材からなる外部電
極を密着させた状態で、熱硬化性導電性接着剤を加熱硬
化させることにより、外部電極4を内部電極2に交互に
接続されている。尚、内部電極と外部電極は電気的に接
続されるが、外部電極と素子本体3の間には空隙が形成
されており、この空隙に溝が開口し、開口している溝内
に絶縁体が充填されている。さらに、外部電極4端部に
はリード線13が取り付けられている。
【0028】また、素子本体3の積層方向の両端面に
は、素子本体3を機械的に保持し、発生する力を外部へ
伝達するための不活性体21が積層一体化されている。
更に、素子本体3の外周面を本発明の外装樹脂10によ
って被覆すると同時に、素子本体3に設けられた溝内、
及び、外部電極4と素子本体3の間の空隙中に外装樹脂
材料が充填され、内部電極2の端部に1層おきに絶縁体
が設けられ、これにより、内部電極間のショートを防止
し高信頼性の積層型圧電アクチュエータを提供できる。
【0029】以上のように構成された積層型圧電素子
は、以下のプロセスにより製造される。先ず、チタン酸
ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3などの圧電体セラ
ミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバインダー
と、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、スリップキ
ャステイング法により、厚み50〜250μmのセラミ
ックグリーンシートを作製する。
【0030】このグリーンシートの片面に内部電極2と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により1〜10μmの厚みに印刷する。
この導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが
塗布された複数のグリーンシートを所定の枚数だけ積層
し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペースト
が塗布されていないグリーンシートを積層する。
【0031】次に、この積層体を50〜200℃で加熱
を行いながら加圧を行い、積層体を一体化する。一体化
された積層体は所定の大きさに切断された後、300〜
800℃で5〜40時間、脱バインダが行われ、900
〜1200℃で2〜5時間で本焼成が行われ、素子本体
となる積層焼結体を得る。この積層焼結体の側面には、
全内部電極2の端部が露出している。
【0032】その後、該積層焼結体の対向する側面にお
いて、内部電極2端部を含む圧電体1の側面に該2側面
において互い違いになるように、1層おきに深さ50〜
500μm、積層方向の幅50〜300μmの溝を形成
する。溝が形成されていない内部電極の他方の端面は、
予め塗布しておいた熱硬化性導電性接着剤に板状の導電
性部材からなる外部電極を密着させた状態で、熱硬化性
導電性接着剤を加熱硬化させることにより、外部電極4
を形成することができる。このようにして、内部電極2
は交互に同一の外部電極4に接続される。
【0033】この後、正極用外部電極、負極用外部電極
にリード線13を接続し、真空脱泡によるディッピング
等の方法により、素子本体3の外周面及び外部電極4の
表面に、外装樹脂10を被覆し、この後、0.1〜3k
Vの分極電圧を印加し、素子全体を分極処理すること
で、最終的な積層型圧電素子を得る。
【0034】なお、本発明の積層型圧電素子は、四角
柱、六角柱、円柱等、どのような柱体であっても構わな
いが、切断の容易性から四角柱状が望ましい。また、上
記例では、対向する側面に外部電極を形成した例につい
て説明したが、本発明では、例えば隣設する側面に外部
電極を形成しても良い。
【0035】以上のように構成された積層型圧電素子で
は、外装樹脂10のアルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属の含有合量が800ppm以下であるため、高
温、高湿の環境下において、高電界、高周波数で駆動さ
せた場合においても、遊離するアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属イオン量を減少させ、該イオンの負極
の内部電極端への集中を抑制でき、異なる極性の内部電
極端間における絶縁距離の短縮を抑制して、ショートの
発生を抑制でき、高耐久性を備えた積層型圧電素子を提
供できる。
【0036】図2は、本発明の噴射装置を示すもので、
図において符号31は収納容器を示している。この収納
容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容
器31内には、噴射孔33を開閉することができるニー
ドルバルブ35が収容されている。
【0037】噴射孔33には燃料通路37が連通可能に
設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結
され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給され
ている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開
放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の
高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるよう
に形成されている。
【0038】また、ニードルバルブ35の上端部は直径
が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリン
ダ39と摺動可能なピストン41となっている。そし
て、収納容器31内には、上記した圧電アクチュエータ
43が収納されている。
【0039】このような噴射装置では、圧電アクチュエ
ータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41
が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞
し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止
されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45
がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37
と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
【0040】
【実施例】実施例1 チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3を主成分
とする圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子か
らなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを作
製し、スリップキャステイング法により、厚み150μ
mのセラミックグリーンシートを作製した。
【0041】このグリーンシートの片面に内部電極2と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により5μmの厚みに印刷し、導電性ペ
ーストを乾燥させた後、導電性ペーストが塗布された複
数のグリーンシートを100枚積層し、この積層体の積
層方向の両端面に、導電性ペーストが塗布されていない
グリーンシートを10枚積層した。
【0042】次に、この積層体を100℃で加熱を行い
ながら加圧を行い、積層体を一体し、10mm×10m
mの大きさに切断した後、800℃で10時間の脱バイ
ンダを行い、1130℃で2時間の本焼成を行ない、素
子本体となる積層焼結体を得た。
【0043】この後、素子本体を砥石で研磨して、圧電
体側面の表面粗さRaを0.05μmとした。
【0044】その後、該積層焼結体の対向する側面にお
いて、内部電極2端部を含む圧電体1の端部に該2側面
において互い違いになるように、1層おきに深さ100
μm、積層方向の幅50μmの溝を形成した。内部電極
2の他方の端面は、予め塗布しておいた熱硬化性導電性
接着剤に厚み0.5mmの銀箔を密着させた状態で20
0℃に加熱し、硬化させることにより、外部電極4を形
成し、素子本体3を作製した。
【0045】この後、正極用外部電極、負極用外部電極
にリード線13を接続し、素子の外周面に真空脱泡によ
るデイッピング法により、アルカリ金属及びアルカリ土
類金属の合量が、表1に示すような含有量のシリコーン
樹脂を被覆し、1kVの分極電圧を印加し、素子全体を
分極処理して、図1に示すような本発明の積層型圧電素
子を得た。
【0046】得られた積層型圧電素子の耐久性を比較す
るために、雰囲気温度90℃、湿度90%で、200V
の直流電界を1000時間印加する耐久試験を行い、シ
ョート発生までの時間を計測した。この結果を表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】この表1から、外装樹脂のアルカリ金属及
びアルカリ土類金属の含有合量が本発明の範囲外の試料
No.4では短時間でショートが発生した。この試料N
o.4の積層型圧電素子の負極の内部電極端を走査型電
子顕微鏡にて観察したところ、アルカリ金属及びアルカ
リ土類金属が集中していることを確認した。一方、本発
明の範囲内の試料No.1〜3では1000時間までシ
ョートが発生することは無かった。
【0049】実施例2 また、外装樹脂の耐久評価試験を行うために、外装樹脂
を1mmの厚さで硬化させ、両面に電極を形成し、これ
らの電極間に20kVの電圧を1500時間印加し、絶
縁抵抗が初期より10%の値に低下するまでの時間を測
定した。アルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有合量
による、絶縁抵抗10%低下時間を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】この表2から、外装樹脂のアルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属の含有合量が本発明の範囲外
の試料No.10に比べ、本発明の範囲内の試料No.
5〜9では絶縁抵抗10%低下時間が2倍以上も向上し
ている。この試料No.10の負極の電極端を走査型電
子顕微鏡にて観察したところ、アルカリ金属及びアルカ
リ土類金属が集中していた。この表2より外装樹脂のア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有合量は4
00ppm以下が望ましく、さらには200ppm以下
が望ましいことが判る。
【0052】実施例3 次に、外装樹脂のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の
含有合量を800ppmとし、圧電体側面の表面粗さR
aを、素子本体の側面を研磨する砥石の粒度を変化さ
せ、表3に示す値に変更する以外は、上記実施例1と同
様にして積層型圧電アクチュエータを作製した。
【0053】得られた積層型圧電アクチュエータの耐久
性を比較するために、雰囲気温度90℃、湿度90%
で、200Vの直流電界を1500時間印加する耐久試
験を行った。この結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】この表3から、表面粗さRaを0.01〜
1μmとした場合には、耐久試験後も1×108Ω以上
の高い絶縁抵抗が得られ、クラックの発生もなく、外見
も異常なかったが、圧電体側面の表面粗さRaが0.0
1μmの場合には0.1μmの場合よりも絶縁抵抗が少
々低下し、絶縁抵抗の低下傾向が見られた。
【0056】実施例4 アルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有合量が800
ppmのシリコーン樹脂からなる外装樹脂を用い、この
シリコーン樹脂100重量部に対して、表1に示す量だ
け無機イオン交換樹脂を添加する以外は、上記実施例2
と同様にして外装樹脂の耐久評価試験を行った。その結
果を表4に記載した。
【0057】
【表4】
【0058】この表4から、無機イオン交換樹脂を添加
することにより、絶縁抵抗10%低下時間を延長できる
ことが判る。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層型圧電
素子では、素子本体の外周面に、アルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属を合量で800ppm以下の外装樹
脂を被覆したため、高温、高湿の環境下において、高電
界、高周波数で駆動させた場合においても、遊離するア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオン量を減少
させることができ、該イオンの負極の内部電極端への集
合を抑制でき、負極と正極の内部電極端の絶縁距離の短
縮を抑制でき、ショートを抑制し、高耐久性を備えた積
層型圧電素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)
は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿った縦断面図
である。
【図2】本発明の噴射装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・圧電体 2・・・内部電極 3・・・素子本体 10・・・外装樹脂 31・・・収納容器 33・・・噴射孔 35・・・バルブ 43・・・圧電アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層してなり、前記内部電極が交互に接続された素子本
    体の外周面を、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
    属の含有合量が800ppm以下の外装樹脂で被覆して
    なることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 【請求項2】圧電体側面の表面粗さRaが0.01〜1
    μmであることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電
    素子。
  3. 【請求項3】外装樹脂は無機イオン交換樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の積層型圧電素
    子。
  4. 【請求項4】噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内
    に収容された請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積
    層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴
    射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなること
    を特徴とする噴射装置。
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