JP2005044926A - 積層型圧電素子及びアクチュエータ並びに印刷ヘッド - Google Patents

積層型圧電素子及びアクチュエータ並びに印刷ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2005044926A
JP2005044926A JP2003201747A JP2003201747A JP2005044926A JP 2005044926 A JP2005044926 A JP 2005044926A JP 2003201747 A JP2003201747 A JP 2003201747A JP 2003201747 A JP2003201747 A JP 2003201747A JP 2005044926 A JP2005044926 A JP 2005044926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
piezoelectric ceramic
ceramic layer
actuator
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003201747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4658459B2 (ja
Inventor
Shuzo Iwashita
修三 岩下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2003201747A priority Critical patent/JP4658459B2/ja
Publication of JP2005044926A publication Critical patent/JP2005044926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4658459B2 publication Critical patent/JP4658459B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】圧電磁器の分極を容易に行うことができるとともに、圧電磁器層の特性を充分に引き出すことができる積層型圧電素子及びアクチュエータ並びに印刷ヘッドを提供する。
【解決手段】圧電材料を含有するグリーンシートと電極パターンを積層し焼成し、ペロブスカイト型結晶粒子からなる圧電磁器層2a、2bと内部電極5とを積層してなる積層型圧電素子であって、圧電磁器層2a、2bの厚さが100μm以下であるとともに、圧電磁器層2bの分極前におけるペロブスカイト型結晶粒子のc軸が、圧電磁器層2bの厚み方向に配向しており、該c軸配向度がロットゲーリング法で20〜100%であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型圧電素子及びアクチュエータ並びに印刷ヘッドに関し、例えば加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ、燃料噴射用インジェクター、インクジェットプリンタ用印刷ヘッド、圧電共振子、発振器、超音波モータ、超音波振動子、フィルタ等に適し、特に、広がり振動、伸び振動、厚みたて振動を利用した印刷ヘッドとして好適に用いられる積層型圧電素子及びアクチュエータ並びに印刷ヘッドに関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、圧電磁器を利用した製品としては、例えば圧電アクチュエータ、フィルタ、圧電共振子(発振子を含む)、超音波振動子、超音波モータ、圧電センサ等がある。
【0003】
これらの中で、例えば圧電アクチュエータは、電気信号に対する応答速度が10−6秒台と非常に高速であるため、半導体製造装置のXYステージの位置決め用圧電アクチュエータやインクジェットプリンタの印刷ヘッドに用いられる圧電アクチュエータ等に応用されている。
【0004】
従来、ゾルゲル法を用いて圧電体を成膜し、電圧を印加しつつ熱処理して結晶化させることにより比較的組成制御が容易でc軸配向組織の圧電体膜を得ることができることが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、(111)配向Pt膜もしくは(100)配向Pt膜が形成された基板上にPZT膜を形成することにより、それぞれ(111)方向、(001)方向に70%以上の配向度を持つ圧電体薄膜素子を形成できることが知られている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−85706号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平6−350154号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された圧電磁器では、ペロブスカイト型結晶粒子のc軸が、圧電磁器層の厚み方向にある程度配向しているものの、ゾルゲル法で作製した薄層磁器特有の問題である焼結後の磁器密度がバルク体と比較して低く、未だ圧電材料本来の特性を充分に引き出せず、厚み縦振動モード、厚みすべり振動モード、広がり振動モード、屈曲振動モード等といった圧電振動が未だ小さいという問題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された圧電磁器では、ペロブスカイト型結晶粒子のc軸が、圧電磁器層の厚み方向にある程度配向しているものの、圧電磁器層の形成方法がCVD法といった化学的方法により行っている。このような手法は結晶方向を配向させた圧電薄膜を作製するには有効であるが配向組織を形成するためには、成膜する目的生成物とマッチした結晶配向を有する電極材または基板が必ず必要となり、内部に電極を内蔵した多層積層体を作製することができないという問題があった。
【0010】
即ち、特許文献1に記載された圧電磁器では、成膜された圧電磁器層の磁器密度が低く、同一組成バルク体と比較して圧電特性が低い。また、特許文献2に記載された圧電磁器では、内部に電極を内蔵した多層積層体を作製することができない。
【0011】
一方、圧電材料を含有するグリーンシートと電極パターンを積層し大気中で焼成して、ペロブスカイト型結晶粒子からなる圧電磁器層と電極層とを積層した積層型圧電素子が得られるが、このバルク体である圧電磁器層のペロブスカイト型結晶粒子のc軸配向はランダムであり、c軸配向度をロットゲーリング法で測定した場合には、せいぜい0〜5%程度であり、非常に低かった。このため、焼成後に、分極を行う必要があるが、結晶方位が厚み方向に揃う訳ではなく分極反転によるドメインの移動によりc軸を厚み方向に近づけるだけであるため、c軸を圧電磁器層の厚み方向に完全に配向させることが困難であり、仮に分極したとしても、圧電磁器層の特性を充分に引き出すことは困難であった。
【0012】
本発明は、圧電磁器の分極を容易に行うことができるとともに、圧電磁器層の特性を充分に引き出すことができる積層型圧電素子及びアクチュエータ並びに印刷ヘッドを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層型圧電素子は、圧電材料を含有するグリーンシートと電極パターンを積層し焼成し、ペロブスカイト型結晶粒子からなる圧電磁器層と電極層とを積層してなる積層型圧電素子であって、前記圧電磁器層の厚さが100μm以下であるとともに、前記圧電磁器層のペロブスカイト型結晶粒子のc軸が、前記圧電磁器層の厚み方向に配向しており、該c軸配向度がロットゲーリング法で20〜100%であることを特徴とする。
【0014】
このような積層型圧電素子では、圧電磁器層のペロブスカイト型結晶粒子のc軸が厚み方向にロットゲーリング法で20〜100%の割合で配向しているため、分極処理が容易であり、しかも充分に分極することができ、これにより、圧電磁器層が本来有する圧電特性を充分に引き出すことができ、厚み縦振動モード、厚みすべり振動モード、広がり振動モード、屈曲振動モード等といった圧電振動をより大きくすることができる。
【0015】
本発明のアクチュエータは、上記積層型圧電素子の主面に複数の表面電極を設けてなることを特徴とする。このようなアクチュエータでは、上記したように、積層型圧電素子自体の圧電特性を充分に引き出すことができるので、優れた変位特性のアクチュエータを提供できる。
【0016】
本発明の印刷ヘッドは、上記アクチュエータが、支持基板の上に接着層を介して設けられ、前記支持基板の内部にはインク流路が設けられていることを特徴とする。このような印刷ヘッドでは、上記したように、アクチュエータの優れた変位特性を引き出すことができるので、優れた吐出特性の印刷ヘッドを実現でき、これをインクジェットプリンタに好適に利用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の積層型圧電素子は、図1(a)に示すように、圧電基板2と、圧電基板2の内部に設けられた内部電極5(電極層)とから構成されており、アクチュエータは、圧電基板2の主面の一部に表面電極6を設けて構成されている。圧電基板2は、圧電磁器層2a、2bから構成されている。
【0018】
圧電磁器層2aの表面に形成された圧電磁器層2b(圧電振動層ということがある)と内部電極5と表面電極6とで変位素子7が構成されている。
【0019】
圧電磁器層2a、2bはペロブスカイト型結晶粒子からなり、圧電磁器層2a、2bと内部電極5とは同時焼成されている。
【0020】
圧電磁器層2a、2bは、それぞれ厚みが100μm以下であることが望ましい。厚みを100μm以下とすることによって、変位の大きな圧電磁器層2a、2bを得ることができる。変位をより大きくするため、磁器厚みが特に80μm以下、更には65μm以下、より好適には50μm以下が好ましい。
【0021】
一方、圧電磁器層2a、2bの厚みの下限値は、十分な機械的強度を有し、取扱い及び作動中の破壊を防止するため、3μm、特に5μm、更には10μm、より好適には20μmであることが好ましい。
【0022】
本発明によれば、圧電磁器層2bの表面の平坦度が20μm以下であることが望ましい。圧電磁器層2bの表面の平坦度を20μm以下とすることによって、磁器特性のバラツキを抑制することができる。特性の均一化をより高めるため、特に15μm以下、更には10μm以下が好ましい。
【0023】
また、本発明によれば、圧電基板2の表面の凹凸の最大値が3μm以下であることが望ましい。表面の凹凸が小さいと、積層型圧電素子をアクチュエータとして金属基板等に固定する際にアクチュエータの微細な変形も防止することが容易で、残留応力の低減効果を高めることができる。また、表面凹凸を介して蒸発成分が揮発するのを抑制し、組成バラツキをより一層低減する効果がある。
【0024】
本発明における表面粗さRaのレンジは3μmである。局部的な表面の凹凸は2〜10mm四方のエリア内での高さの最大、最小の差で表した。また、平坦度は圧電磁器の反りを含む大きなうねりを測定するものであり、上記表面凹凸は表面粗さと平坦度の中間のレンジでの評価であり、このような中間レンジでの評価は、部分的なうねりの大きさを表すものであり、部分的なうねりを小さくすることによって、特性バラツキを改善することが容易となる。
【0025】
なお、具体的な測定方法は、キーエンス■製レーザーフォーカス変位計とX−Yステージを組み合わせた装置により、2〜10mm四方をスキャンし、表面の高さをマッピングし、最大と最小の高さ間の距離を凹凸の最大値とするものである。
【0026】
本発明によれば、誘電率の面内バラツキが平均誘電率の5%以下であることが望ましい。このように磁器表面内で誘電率を測定して平均値を算出し、平均値からのバラツキの最大値が平均値の5%以内にすることによって、アクチュエータの基板内圧電特性のバラツキを抑制をすることができる。
【0027】
圧電基板2の主面の表面粗さRaは、3μm以下、特に2.5μm以下、更には2μm以下であることが好ましい。表面粗さRaが小さいと、圧電体をアクチュエータとして金属基板等に固定する際にアクチュエータの微細な変形も効果的に防止することが容易となり、残留応力の低減効果を高めることができる。また、表面凹凸を介して蒸発成分が揮発するのを抑制し、組成バラツキをより一層低減する効果がある。
【0028】
本発明における表面粗さRaは、原子間力顕微鏡を用いて100μm×100μmのエリアを走査して表面の凹凸状態を測定し、最大値を算出し、面内で任意の5個所に関する測定値の平均値を算出したものである。
【0029】
圧電磁器層は、圧電性を示すセラミックスを用いることができ、具体的には、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造物質、Nb酸アルカリ化合物のペロブスカイト構造化合物、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質を例示できる。
【0030】
これらのうち、特に、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物であるのが良い。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましい。このような組成にすることで、高い圧電定数を有する圧電振動層2bが得られる。これら中でもPbを含むジルコン酸チタン酸鉛やチタン酸鉛が、より大きな変位を得る上で好適である。
【0031】
上記ペロブスカイト型結晶の一例として、Aサイト構成元素としてPbを含有し、且つ、Bサイト構成元素としてZr及びTiを含有する結晶であるPbZrTiOを好適に使用できる。また、他の酸化物を混合しても良く、さらに、副成分として、特性に悪影響がない範囲であれば、Aサイト及び/又はBサイトに他元素が置換しても良い。例えば、副成分としてZn、Sb、Ni及びTeを添加し、Pb(Zn1/3Sb2/3)O及びPb(Ni1/2Te1/2)Oの固溶体であっても良い。
【0032】
本発明によれば、上記ペロブスカイト型結晶におけるAサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有するのが望ましい。アルカリ土類元素としてはBa、Sr、Caなどが挙げられ、特にBa、Srが高い変位を得られる点で好ましい。これにより、比誘電率が向上する結果、さらに高い圧電定数を得ることが可能となる。
【0033】
具体的には、Pb1−x―ySrBa(Zn1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi+α質量%Pb1/2NbO(0≦x≦0.14、0≦y≦0.14、0.05≦a≦0.1、0.002≦b≦0.01、0.44≦c≦0.50、α=0.1〜1.0)で表される化合物を例示できる。
【0034】
圧電磁器層2a、2bは、カーボンが0.1質量%以下、特に0.07質量%以下であることが好ましい。カーボンは圧電磁器層2a、2bの絶縁性に関与し、分極時の絶縁不良の原因になるため、上記の範囲に抑制することにより、分極時に電流が流れることを抑制し、飽和分極状態まで分極できるため、分極不良による変位不良を防止することができる。
【0035】
圧電磁器層2a、2bの気孔率は5%以下、特に1%以下、更には0.5%以下であることが好ましい。気孔率を低減させることによって圧電磁器層の強度を高め、厚みが薄い場合であっても破壊するのを抑制でき、また、インクジェット用印刷ヘッドとして用いる場合、磁器へのインクの染み込みによるインク漏れを効果的に抑制することが可能となる。
【0036】
本発明のアクチュエータをインクジェットプリンタの印刷ヘッド用アクチュエータとして用いる場合、圧電歪定数として、例えばd31モードを利用することができる。インクジェットプリンタの印刷ヘッドとして十分な吐出能力を発揮し、高速で精細な印刷を実現するために、d31が150pm/V以上、特に200pm/V以上、更には250pm/V以上であることが好ましい。
【0037】
本発明のアクチュエータは、例えば図1(b)に示すように、表面電極6が等間隔で2次元的に配列され、それぞれ外部の電子制御回路に独立して接続され、それぞれの電極間に電圧が印加されると、電圧が印加された内部電極5と表面電極6に挟持された部位の圧電振動層2bが変位することができる。このように、各変位素子7を独立して制御した印刷ヘッドに応用することにより、インクジェットプリンタの高速化及び高精度化に寄与することが可能である。
【0038】
圧電基板2の表面の平坦度を20μm以下とすることで、例えば図1(c)に示したように、インク流路3aが隔壁3bによって形成されてなる支持基板3に、表面が平坦な本発明のアクチュエータを接合しても、接合に伴うアクチュエータの変形が小さく、残留応力を低減できるため、変位素子毎の特性バラツキを低減することができる。尚、符号9は接着層を示す。
【0039】
内部電極5の材質としては、導電性を有するものであればよく、例えばAu、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやこれらの合金などが用いられる。これらの中でも、Agは焼結性を高め、且つ導電性に優れ、低コストである点で好ましく、Pdは導電性と耐熱性の点で好ましい。また、圧電磁器層がPbを含有する場合には、焼成温度の低温化を促進するため、内部電極5としてAgを用いることが好ましい。
【0040】
内部電極5および表面電極6の厚さは、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、0.1〜5μm、特に内部電極5は1〜3μm程度が好ましく、表面電極6では0.2〜0.5μmが好ましい。
【0041】
本発明の印刷ヘッドは、図1(c)に示したように、上記のアクチュエータを支持基板3の表面に接合したものである。この支持基板3は内部にインク流路3aが隔壁3bによって複数形成されており、変位素子7の変位によってインクを加圧し、インクノズル8からインクを吐出することができる。
【0042】
そして、本発明の積層型圧電素子では、分極前の圧電磁器層2bを構成するペロブスカイト型結晶粒子のc軸が、圧電磁器層2bの厚み方向に配向しており、該c軸配向度がロットゲーリング法で20〜100%であることを特徴とする。
特に、圧電磁器層2bの圧電特性を最大限に引き出すためには、ロットゲーリング法で50〜100%であることが望ましい。
【0043】
ロットゲーリング法でc軸配向度を測定するには、圧電磁器層2bの厚み方向からX線回折測定(XRD)を2θ=10〜80°で測定し、同磁器を粉砕してXRDを2θ=10〜80°で測定し以下の式により算出した。
【0044】
圧電磁器(00X)=〔圧電磁器層のXRDの(00X)面の強度カウントの和〕/〔圧電磁器層のXRDの全ピークの強度カウントの和〕
磁器粉末(00X)=〔圧電磁器層のXRDの(00X)面の強度カウントの和〕/〔圧電磁器層のXRDの全ピークの強度カウントの和〕
磁器粉末のXRDは無配向の基準c軸強度カウントで、これと磁器のXRDのc軸強度カウントとの比をとることでc軸配向度を得ることができる。
【0045】
c軸配向度=圧電磁器(00X)/磁器粉末(00X)×100
尚、変位素子として機能する圧電磁器層2bのみのc軸配向度がロットゲーリング法で20〜100%であれば良く、圧電磁器層2aのc軸配向度については特に限定するものではない。
【0046】
このような圧電磁器層2bのペロブスカイト型結晶粒子のc軸が厚み方向にロットゲーリング法で20〜100%の割合で配向しているため、分極処理が容易であり、しかも充分に分極することができる。このような積層型圧電素子のペロブスカイト型結晶の多くは正方晶構造であり、c軸方向に自発分極を持つ。このため、分極方向である厚み方向にc軸を配向させることによって厚み方向の自発分極を最大にすることができ、これにより、圧電磁器が本来有する圧電特性を充分に引き出すことができ、厚み縦振動モード、厚みすべり振動モード、広がり振動モード、屈曲振動モード等といった圧電振動をより大きくすることができる。
【0047】
従って、本発明によれば、数100個の変位素子が密集した印刷ヘッドであっても、変位ばらつきが少なく、その結果インク吐出特性が均一な印刷ヘッドを提供することができる。
【0048】
次に、本発明の積層型圧電素子の製法について、印刷ヘッドに用いられるアクチュエータを例として説明する。また、圧電磁器層としてPZTを用いた場合を例として説明する。
【0049】
まず、原料に用いる圧電体粉末として、純度99%、平均粒子径1μm以下のPZT粉末を準備する。
【0050】
このPZT粉末に適当な有機バインダを添加してシート状に成形し、このグリーンシートの所望の部位に内部電極としてAg−Pdペーストを塗布して電極パターンを形成し、また所望の箇所にビアホールを形成すると共にビアホールの内部に電極を形成した。次いで、得られたグリーンシートを積層して成形体102を作成する。また、所望により、特定の形状に切断する。
【0051】
積層して得られた成形体を焼成するために、成形体を治具に搭載して焼成炉内に配置するが、その配置の一例を図2に示した。即ち、下部支持体101aの上にスペーサ105を枠状に載置し、さらにスペーサ105の上に天板106を載置して、下部支持体101a、スペーサ105及び天板106からなる焼成治具によって密封空間107を形成し、その内部に成形体102を収容して焼成する必要がある。このような密封空間107を設けることにより、揮発性成分を含む成形体であっても揮発を抑制できるため、従来のように共材を周囲に載置しなくても焼成することが可能となる。
【0052】
なお、本発明における密封空間107とは、上記の焼成治具を単に組み立てて内部に空間を設けるのではなく、研削や研磨等の機械加工、化学研磨等の方法によって支持体、スペーサ、天板による当接部の隙間を小さくし、揮発成分の飛散を抑制することができるものを言う。例えば、表面が加工されて所定の平行度及び表面粗さを有しているものを挙げることができる。
【0053】
このような密封空間に成形体102を収容して焼成する場合、特に下記の条件を満足することが好ましい。即ち、密閉空間107の容積をV、上部支持体101bの体積をV、成形体102の体積Vとするとき、
1.0001×(V+V)≦V≦4.0000×(V+V
0.02×V≦V≦50×V
の関係を満たすことが好ましい。
【0054】
上記範囲に規定する理由は、Vが1.0001×(V+V)より小さい場合、上部支持体101bとスペーサ105のクリアランスが小さくなり、焼成時の加熱、冷却で生じる膨張・収縮により噛み込みが発生し、著しく作業性が低下する傾向がある。また、Vが4.0000×(V+V)より大きい場合、成形体からの揮発成分の蒸発量が増加して組成変動を起こし、基板内の圧電特性のバラツキを拡大させる傾向がある。また、Vが0.02×Vより小さい場合、焼結体に凹凸が発生する傾向があり、50×Vより大きい場合、磁器の収縮率にバラツキが生じ、基板内の圧電特性のバラツキを拡大することがある。
【0055】
本発明は、下部支持体101aの上に成形体102を載置してあれば、成形体102の上に何が置いてあっても良く、例えば、多孔質体を載せても良いが、下部支持体101aと同様の主面を有する上部支持体101bを載せて、成形体102を一対の支持体101a、101bで挟持するように配置するのが、組成のバラツキを効果的に抑制でき、且つ20μm以下の平坦度を容易に得られる点で好ましい。
【0056】
本発明によれば、成形体102と接触する支持体101a、101bの主面104の平坦度が20μm以下であることが重要である。支持体101は成形体102と接触するため、その接触する主面104bを平坦にすることで、成形体102を焼成して得られた焼結体の表面の平坦度を低減でき、表面が平坦な圧電磁器を得ることができる。特に、より平坦度の小さな焼結体を得るため、支持体101の主面の平坦度は15μm以下、更には10μm以下が好ましい。
【0057】
また、本発明によれば、成形体102と接触する支持体101の主面104の表面部は、気孔率が5%以下、更には1%以下、更には0.5%以下であることが重要である。気孔率がこのように小さい支持体101の主面104が緻密であると、脱粒が少なく、成形体表面に付着する粒子も減少し、焼結して得られた圧電磁器の平坦度及び表面粗さを改善することができる。
【0058】
なお、表面部とは成形体102との接触面を形成する主面104における表面を意味するが、気孔率を測定するためには研磨が必要なため、実際には研磨に必要な最低限の厚み、例えば数μmの厚みが必要であり、これを実質的に表面部と言う。
【0059】
また、多孔質体からなる支持体では、焼成中に成形体102から揮発した成分が、支持体の連続した気孔を経由して外部へ飛散するのに対し、少なくとも主面104の表面部が緻密な支持体101aを用いているため、揮発成分の飛散を顕著に抑制することが出来る。このように、成形体102からの揮発成分の蒸発を抑制することで圧電特性の面内バラツキを更に改善できる。
【0060】
支持体101は全体が緻密であるのが良い。このような緻密体は、表面を加工することによって低コストでの再生が可能である。又は、表面が緻密で内部が比較的気孔率が高い焼結体を使用することもできる。例えば、焼結時に内部よりも表面部で焼結が容易に進む場合、少なくとも表面から0.1mm、特に0.3mm、更には0.5mmの表面層の気孔率が5%以下、特に1%以下、更には0.5%以下であるのが良い。
【0061】
また、所望により表面だけを緻密にすることもできる。例えば、表面の気孔率が2〜8%程度のセラミック焼結体表面を研磨加工し、セラミック層を被覆することにより、支持体101の主面104を0.1%以下の気孔率にすることができる。特に、CVD(化学気相成長法)により数10μm以上、更には50μm以上、より好適には100μm以上の厚みに形成し、鏡面研磨を行って表面の気孔率を1%以下、平坦度を20μm以下にすることができる。これは、大型支持体の全体を緻密な焼結体で作製するためのコストが高い場合、或いは緻密な焼結体を合成することが困難な場合、成形体と支持体とが反応しやすい場合に特に有効である。
【0062】
支持体101の主面104の表面粗さRaは、3μm以下、特に2.5μm以下、更には2μm以下であることが好ましい。支持体101の表面粗さRaを上記のようにすることで圧電磁器層の平坦度を更に向上させることができる。また、成形体と支持体との隙間が拡散経路となって成形体からの揮発成分が蒸発し、組成の面内バラツキを抑制することもできる。
【0063】
本発明に用いる支持体101は、アルミナ、ベリリア、ジルコニア、マグネシア、ムライト、スピネル型構造体、ビスマス層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物、Pb系ペロブスカイト構造化合物、ニオブ系ペロブスカイト構造化合物及びタンタル系ペロブスカイト構造化合物のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。これらはいずれも圧電体の同質の物質もしくは反応性に乏しい物質である。このような物質を支持体に用いることにより、圧電体の特性を安定化させることが可能となる。
【0064】
また、支持体101がジルコニアの場合、CaO、MgO、Y、希土類のいずれか1種を含むことが好ましい。これは焼成時の加熱や冷却を行う際にジルコニアの相変態を抑制し、割れ、欠け等の破損、変形、表面粗さの変化を抑制する。
【0065】
さらに、支持体101を構成する結晶の平均粒径は、加熱や冷却による変形を小さくし、また、割れ、欠けが顕著に発生することを防止するため、5〜30μm、特に10〜25μm、更には15〜20μmであることが好ましい。
【0066】
なお、複数の成形体を焼成する場合には、幅の大きな支持板101の上に複数の成形体を載置しても良いし、また、図3に示したように、支持体111aの上に、スペーサ115と、支持体及び天板を兼ねる支持天板118と、を交互に重ねて複数の密閉空間117を形成し、その密封空間の内部に成形体112を載置し、更にその上に上部支持体111bを載置することもできる。
【0067】
また、成形体112の焼成に先立ち、所望により、400℃〜900℃程度の温度で脱脂処理を行っても良い。
【0068】
そして、本発明の積層型圧電素子は、特に、図2、3の焼成治具で900〜1000℃で酸素雰囲気中で焼成することにより、ロットゲーリング法で測定した、厚さ100μm以下の圧電磁器層のペロブスカイト型結晶粒子のc軸配向度を20〜100%とすることができる。これは、例えば内部電極に使用するAg/Pdが500〜600℃で収縮を開始するのに対して圧電磁器は900℃より収縮を開始するため磁器側に圧縮応力が生じる。この圧縮応力のため、ペロブスカイト構造のc軸方向が磁器厚み方向に配向する。圧縮応力を磁器平面方向で磁器全体に均一にかけることが結晶配向には重要であり、このため図2、3の焼成治具が必要である。
【0069】
即ち、厚み100μm以下の圧電磁器層を焼成する際に反りうねりといった変形は基板面内の残留応力の不均一の原因となるため、これを防止するため図2に示すように、上部支持体101bを成形体上に配置する。また、磁器厚みが100μm以下であるため、成形体内の揮発成分が蒸発しやすく、成形体表層から蒸発し、成形体内部と組成差が発生するため収縮にバラツキが発生し、やはり基板面内で残留応力の不均一が発生してしまう。このため図2の焼成治具を用いて極小容積の密閉空間107中で酸素雰囲気中で焼成する必要がある。
【0070】
本願発明では、c軸配向度を20〜100%とするためには、図2、3で示す焼成方法で作製し、磁器表層からの揮発成分の蒸発を抑制することが必要であることから、治具の気孔率を5%以下、更には1%以下、更には0.5%以下であることが重要である。また、治具平坦度を、15μm以下、更には10μm以下が好ましい。さらに、治具表面粗さは、3μm以下、特に2.5μm以下、更には2μm以下であることが好ましい。
【0071】
このような治具で焼成し且つ、焼成する圧電磁器層は磁器内部応力の効果が有効に働くように、圧電磁器層の厚みは100μm以下であることが望ましい。
【0072】
上述のようにすることにより、作製した圧電基板は、表面粗さRaが3μm以下、平坦度が15μm以下、凹凸が3μm以下とすることができる。その結果、磁器内部の圧縮応力が基板内で均一となり結晶のc軸配向組織を形成することが可能となる。
【0073】
さらに、c軸配向度を高めるためには、内部電極厚みを圧電体層厚みの1/5以下とすることが望ましい。
【0074】
この後、得られた焼結体の表面に表面電極を形成し、分極してアクチュエータを作製することができる。
【0075】
また、上記実施形態では、圧電アクチュエータを例に挙げて説明したが、本発明の積層型圧電素子は、圧電アクチュエータの他、例えば加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ、燃料噴射用インジェクター、インクジェットプリンタ用印刷ヘッド、圧電共振子、発振器、超音波モータ、超音波振動子、フィルタ等に適用することができる。
【0076】
【実施例】
まず、原料として、純度99%以上のチタン酸ジルコン酸鉛を含有する圧電セラミックス粉末を準備した。
【0077】
グリーンシートは、ジルコン酸チタン酸鉛を主成分とする圧電用のセラミック材の粉末に、水系バインダーとしてブチルメタクリレート、分散剤にポリカルポン酸アンモニウム塩、溶剤にイソプロビルアルコールと純水を各々添加して混合し、このスラリーをドクターブレード法によりキャリアフィルム上に、厚さ30μm程度のシート形状に塗布した。
【0078】
また、内部電極ペーストを作製し、得られた内部電極ペーストを、グリーンシートの表面に厚さ4μmで印刷し、内部電極パターンを形成した。更に、内部電極パターンが印刷された面を上向きにして、このグリーンシートに内部電極ペーストを印刷していないグリーンシートを積層し、加圧プレスし、成形体を得た。
【0079】
この成形体を脱脂処理した後に、図2に示したように、成形体を一対の支持体にはさみ込むように配置し、その周囲は枠、天板を配置して密閉空間を形成した。このようにして焼成炉に配置した。上部支持体による成形体の被覆率を80%とした。
【0080】
支持体の気孔率は、鏡面研磨面の顕微鏡写真(×200)より画像解析にて測定した。また、支持体の平坦度はキーエンス製レーザーフォーカス変位計とX−Yステージを組み合わせた装置にて冶具の長軸方向とその垂直方向にスキャンし最大値−最低値の値の大きな方で評価した。
【0081】
また、V、V、Vについて、V、Vはアルキメデス法により求め、Vを成形体の外形寸法より求めたところ、Vが1326mm、Vが625mm、V/(V+V)の値が1.894、V/Vの値が17.68であった。
【0082】
支持体の表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)をもちいて100μm×100μmのエリアを走査して測定し、面内任意の5個所の測定値の平均値より求めた。
【0083】
支持体の表面にPbが含まれるかどうかをエネルギー分散型X線マイクロアナリシス(EDS/EPMA)にて定性分析で確認したところ、表面にPbが含まれていた。
【0084】
成形体を、焼成温度は1000℃で、酸素99%以上の雰囲気中で2時間保持して焼成し、圧電磁器層と内部電極とからなる圧電素子を作製した。
【0085】
なお、試料No.20は、多孔質支持体の上に厚さ600μmのスペーサを置いて、その上に他の多孔質支持体を載せ、上下の支持体の間に積層成形体を載置して焼成炉の中に配置した。
【0086】
また、試料No.21は、上記成形体を、緻密な支持体上に圧電セラミック粉末からなる敷粉を介して配置し、これを焼成炉内に収容し、大気中において1000℃で2時間焼成し、圧電素子を作製した。得られた圧電磁器を下記のように評価した。
【0087】
圧電磁器層の厚みはマイクロメータで測定し、圧電基板の表面粗さRaは触針式表面粗さ計で測定した。
【0088】
表面の凹凸はキーエンス製レーザーフォーカス変位計とX−Yステージの組み合わせ装置により、縦2mm、横2mmの範囲を走査して、最大値−最小値より算出した。
【0089】
圧電振動層の平坦度は、キーエンス製レーザーフォーカス変位計とX−Yステージの組み合わせ装置により、試料の一端から他端の間を走査して高さの変化よりもとめた。
【0090】
次に、得られた圧電磁器層の表面片側に表面電極を形成した。表面電極は、スクリーン印刷にてAuペーストを塗布し、一基板当たり600点形成した。これを600〜800℃の大気中で焼付けた。
【0091】
誘電率εの測定は、インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー製4194A)を用いて1kHzの静電容量を測定して断面から測定した磁器厚みより算出した。
【0092】
圧電定数はd31についてインピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー製4194A)を用いた共振法で10箇所測定し、その平均値を算出した。そして、d31の平均値との差を算出し、その最大値をd31バラツキとして百分率で表示した。
【0093】
変位量の測定は、インクジェットプリンタ用印刷ヘッドとしての使用を考慮し、図1(c)に示したように、インク流路3aと隔壁3bを有する支持体3に、上記作製したアクチュエータを接着し、圧電振動層2bを内部電極5と表面電極6で挟持する構造となるように変位素子7を作製した。そして、レーザードップラー変位計により支持体3側からインク流路3aを通してアクチュエータにレーザービームを照射し、支持体3のインク流路3aに当接しているアクチュエータの中心部及び周辺部7点を測定して変位を測定し、平均値を算出した。
【0094】
また、圧電磁器層を構成するペロブスカイト型結晶粒子の分極前のc軸配向度をロットゲーリング法で測定した。測定は、X線回折法を用いてCuKαを使用して2θ=10〜80°で測定を行い、c軸配向度は以下に示す算出式より求めた。
【0095】
圧電磁器(00X)=〔圧電磁器層のXRDの(00X)面の強度カウントの和〕/〔圧電磁器層のXRDの全ピークの強度カウントの和〕
この後、圧電磁器層を粉砕し、磁器粉末のc軸配向度を求めた。
【0096】
磁器粉末(00X)=〔圧電磁器層のXRDの(00X)面の強度カウントの和〕/〔圧電磁器層のXRDの全ピークの強度カウントの和〕
c軸配向度=圧電磁器(00X)/磁器粉末(00X)×100
c軸配向度を算出した後、室温で、4KV/mmの電界を印加して分極した。これらの結果を表1に記載した。
【0097】
【表1】
Figure 2005044926
【0098】
表1から、本発明の試料では、分極前の圧電磁器層のc軸配向度が20〜100%であり、分極が容易であり、しかも優れた圧電定数を有することが判る。
【0099】
これに対して、比較例の試料No.22では磁器厚みが1000μmと厚いため内部電極による圧縮応力が磁器全体に影響せず、c軸配向度は10%と低くなっている。
【0100】
また、従来の一般的な方法にて作製した試料No.21では、焼成後の磁器の平坦度、凹凸が非常に大きく、また、研磨する際に圧電基板が破損したため、印刷ヘッドを作製することが不可能であった。
【0101】
【発明の効果】
本発明の積層型圧電素子は、ペロブスカイト型結晶粒子のc軸が厚み方向にロットゲーリング法で20〜100%の割合で配向しているため、分極処理が容易であり、しかも充分に分極することができ、これにより、圧電磁器が本来有する圧電特性を充分に引き出すことができ、厚み縦振動モード、厚みすべり振動モード、広がり振動モード、屈曲振動モード等といった圧電振動をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクチュエータを示すもので、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図、(c)は支持基板を接合した印刷ヘッドを示す概略断面図である。
【図2】焼成用冶具内に成形体を収容した状態を示す概略断面図である。
【図3】複数の成形体が収容された焼成用冶具を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2・・・圧電基板
2a、2b・・・圧電磁器層
3・・・支持基板
3a・・・インク流路
5・・・内部電極(電極層)
6・・・表面電極
7・・・変位素子
9・・・接着層

Claims (3)

  1. 圧電材料を含有するグリーンシートと電極パターンを積層して焼成し、ペロブスカイト型結晶粒子からなる圧電磁器層と電極層とを積層してなる積層型圧電素子であって、前記圧電磁器層の厚さが100μm以下であるとともに、前記圧電磁器層のペロブスカイト型結晶粒子のc軸が、前記圧電磁器層の厚み方向に配向しており、該c軸配向度がロットゲーリング法で20〜100%であることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 請求項1記載の積層型圧電素子の主面に複数の表面電極を設けてなることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 請求項2記載のアクチュエータが、支持基板の上に接着層を介して設けられ、前記支持基板の内部にはインク流路が設けられていることを特徴とする印刷ヘッド。
JP2003201747A 2003-07-25 2003-07-25 積層型圧電素子、アクチュエータ、及び印刷ヘッド、並びに積層型圧電素子の製造方法 Expired - Fee Related JP4658459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003201747A JP4658459B2 (ja) 2003-07-25 2003-07-25 積層型圧電素子、アクチュエータ、及び印刷ヘッド、並びに積層型圧電素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003201747A JP4658459B2 (ja) 2003-07-25 2003-07-25 積層型圧電素子、アクチュエータ、及び印刷ヘッド、並びに積層型圧電素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005044926A true JP2005044926A (ja) 2005-02-17
JP4658459B2 JP4658459B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=34261718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003201747A Expired - Fee Related JP4658459B2 (ja) 2003-07-25 2003-07-25 積層型圧電素子、アクチュエータ、及び印刷ヘッド、並びに積層型圧電素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4658459B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315320A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置及びその製造方法
JP2006315319A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP2006324518A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Taiyo Yuden Co Ltd 圧電積層体及びその製造方法,圧電スピーカ,電子機器
JP2007123585A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Kyocera Corp 圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びにインクジェットヘッド
JPWO2007083475A1 (ja) * 2006-01-17 2009-06-11 株式会社村田製作所 共振アクチュエータ
JP2010087380A (ja) * 2008-10-01 2010-04-15 Taiyo Yuden Co Ltd 圧電駆動素子及び圧電駆動装置
JP2011093307A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Seiko Epson Corp 液滴噴射ヘッド、液滴噴射装置および圧電素子
CN112408996A (zh) * 2020-12-07 2021-02-26 广西新未来信息产业股份有限公司 一种压敏电阻瓷片的烧结方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102594202B (zh) * 2012-03-12 2014-11-26 清华大学 一种基于射流微振荡器激励的压电发电装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62172776A (ja) * 1986-01-25 1987-07-29 Matsushita Electric Works Ltd 圧電セラミツクスの製法
JPS62173209A (ja) * 1986-01-25 1987-07-30 松下電工株式会社 圧電セラミツクスの製法
JPH0888419A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Kawasaki Heavy Ind Ltd マイクロアクチュエータおよびその製造方法
JPH10245298A (ja) * 1997-02-28 1998-09-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 結晶配向セラミックス基板及びデバイス
JPH1160333A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックス
JP2001162796A (ja) * 1999-09-30 2001-06-19 Brother Ind Ltd 圧電式インクジェットプリンタヘッドの圧電アクチュエータ及びその製造方法
JP2001291908A (ja) * 2000-02-01 2001-10-19 Murata Mfg Co Ltd 圧電素子およびその製造方法
JP2003017768A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Kyocera Corp 積層型圧電素子及び噴射装置
JP2003080709A (ja) * 2001-06-26 2003-03-19 Brother Ind Ltd インクジェットプリンタヘッド

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62172776A (ja) * 1986-01-25 1987-07-29 Matsushita Electric Works Ltd 圧電セラミツクスの製法
JPS62173209A (ja) * 1986-01-25 1987-07-30 松下電工株式会社 圧電セラミツクスの製法
JPH0888419A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Kawasaki Heavy Ind Ltd マイクロアクチュエータおよびその製造方法
JPH10245298A (ja) * 1997-02-28 1998-09-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 結晶配向セラミックス基板及びデバイス
JPH1160333A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックス
JP2001162796A (ja) * 1999-09-30 2001-06-19 Brother Ind Ltd 圧電式インクジェットプリンタヘッドの圧電アクチュエータ及びその製造方法
JP2001291908A (ja) * 2000-02-01 2001-10-19 Murata Mfg Co Ltd 圧電素子およびその製造方法
JP2003080709A (ja) * 2001-06-26 2003-03-19 Brother Ind Ltd インクジェットプリンタヘッド
JP2003017768A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Kyocera Corp 積層型圧電素子及び噴射装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315320A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置及びその製造方法
JP2006315319A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP4574432B2 (ja) * 2005-05-13 2010-11-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置及びその製造方法
JP4574431B2 (ja) * 2005-05-13 2010-11-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP2006324518A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Taiyo Yuden Co Ltd 圧電積層体及びその製造方法,圧電スピーカ,電子機器
JP2007123585A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Kyocera Corp 圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びにインクジェットヘッド
JPWO2007083475A1 (ja) * 2006-01-17 2009-06-11 株式会社村田製作所 共振アクチュエータ
JP5013269B2 (ja) * 2006-01-17 2012-08-29 株式会社村田製作所 共振アクチュエータ
JP2010087380A (ja) * 2008-10-01 2010-04-15 Taiyo Yuden Co Ltd 圧電駆動素子及び圧電駆動装置
JP2011093307A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Seiko Epson Corp 液滴噴射ヘッド、液滴噴射装置および圧電素子
CN112408996A (zh) * 2020-12-07 2021-02-26 广西新未来信息产业股份有限公司 一种压敏电阻瓷片的烧结方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4658459B2 (ja) 2011-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7576477B2 (en) Piezoelectric/electrostrictive porcelain composition and method of manufacturing the same
US8022604B2 (en) (Li, Na, K)(Nb, Ta)O3 type piezoelectric/electrostrictive ceramic composition containing 30-50 mol% Ta and piezoelectric/electrorestrictive device containing the same
JP2008120665A (ja) 圧電/電歪材料、圧電/電歪体、及び圧電/電歪素子
JP4537212B2 (ja) 圧電/電歪素子の製造方法
JP4422973B2 (ja) 積層圧電体、アクチュエータ及び印刷ヘッド
JP4658459B2 (ja) 積層型圧電素子、アクチュエータ、及び印刷ヘッド、並びに積層型圧電素子の製造方法
JP5052175B2 (ja) 積層圧電アクチュエータおよび液体吐出ヘッド
JP2002217465A (ja) 圧電素子、及びその製造方法
JP4812244B2 (ja) 印刷ヘッド
US7545084B2 (en) Piezoelectric/electrostrictive ceramic composition, piezoelectric/electrostrictive device, and method of producing the same
CN100418769C (zh) 压电陶瓷、促动器及其制造方法、印刷头及喷墨打印机
JP4614636B2 (ja) PbまたはBiを含有する厚み100μm以下のインクジェットプリンタヘッド用圧電セラミックスを焼成するための焼成治具、並びにそれを用いたPbまたはBiを含有する厚み100μm以下のインクジェットプリンタヘッド用圧電セラミックス及びインクジェットプリンタヘッド用圧電アクチュエータの製造方法
JP4485140B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびその製造方法
JP5013653B2 (ja) 圧電アクチュエータの製造方法
JP2005247619A (ja) 圧電/電歪磁器組成物、圧電/電歪体、及び圧電/電歪膜型素子
JP4299578B2 (ja) 圧電磁器及びその製造方法、アクチュエータ及び印刷ヘッド
JP4766827B2 (ja) 圧電積層体の製造方法
JP4157368B2 (ja) アクチュエータの製造方法
JP4907858B2 (ja) 圧電アクチュエータ、その製造方法及び印刷ヘッド
JP5188544B2 (ja) 圧電アクチュエータ、液体吐出装置及び電子機器
JP5054149B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP5144912B2 (ja) 積層圧電アクチュエータ、および印刷ヘッド
JP4551061B2 (ja) 圧電変位素子および圧電アクチュエータ
CN101070005B (zh) 促动器及其制造方法以及打印头
JP4889197B2 (ja) アクチュエータ及びその製造方法並びに印刷ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4658459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees