JP5705509B2 - 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム Download PDF

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本発明は、例えば圧電駆動素子(圧電アクチュエータ),圧力センサ素子および圧電回路素子等として用いられる積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システムに関する。
従来の積層型圧電素子は、例えば、圧電体層および内部電極層が交互に積層された積層体と、その積層体の側面に接合されて内部電極層に電気的に接続された、導電性粒子およびガラスの焼結体から成る外部電極とを含む構成を有している。そして、この外部電極の表面に、外部電極へ電圧を印加するためのリードを、半田,導電性接着剤等を用いて接続し固定している。
特開2005−35843号公報
しかしながら、特許文献1に記載された積層型圧電素子においては、自動車の内燃機関等の燃料噴射装置(インジェクタ)に用いられる場合、すなわち、高電界および高圧力が長時間加わった状態で連続駆動されるような過酷な条件下での使用の場合、駆動時に積層体からリード゛に振動が伝わり、リードが共振する。その結果、半田と外部電極との界面に応力が加わり、外部電極から半田が外れるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、高電界かつ高圧力下で長期間連続駆動させた場合でも、半田が外れることなく安定して駆動する積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システムを提供することである。
本発明の積層型圧電素子は、圧電体層および内部電極層が積層された積層体と、該積層体の側面に接合されて前記内部電極層と電気的に接続された外部電極と、前記外部電極と半田を介して電気的に接続されたリードとを含む積層型圧電素子であって、前記半田の内部に複数のボイドが設けられていることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記半田の内部において、前記複数のボイドが前記積層体と近い側に偏って設けられていることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記半田の内部において、前記複数のボイドが前記外部電極と前記リードとの間に偏って設けられていることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記ボイドが略球形であることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記半田が略球形であることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記リードが前記外部電極と平行に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の噴射装置は、噴射孔を有する容器と、上記本発明の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に蓄えられた流体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とするものである。
本発明の燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する上記本発明の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
本発明の積層型圧電素子は、半田の内部に複数のボイドが設けられていることにより、積層体が振動してもボイドが振動を吸収してリードが共振しなくなるので、駆動時に外部電極から半田が外れるのを抑制することができる。また、半田は、外部電極とリードとの間における外部電極との接着面に平行な断面の断面積が接着面の面積よりも大きくなっていることから、他の形状に比べて半田の表面積を大きくすることができるため、放熱性が良くなり、熱膨張率の差で外部電極から半田が外れるのを防ぐことができる。さらに、放熱性が良くなるので、高温時に拡散しやすくなる外部電極中の金属イオン(例えばAg)
が、半田に拡散するのを防止することができるから、外部電極がはがれにくくなる。
本発明の噴射装置によれば、噴射孔を有する容器と、上記本発明の積層型圧電素子とを備え、容器内に蓄えられた流体が積層型圧電素子の駆動により噴射孔から吐出されることから、積層型圧電素子における積層体の側面から外部電極が剥離することを抑えることができるので、流体の所望の噴射を長期にわたって安定して行なうことができる。
本発明の燃料噴射システムによれば、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、コモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴射する上記本発明の噴射装置と、コモンレールに高圧燃料を供給する圧力ポンプと、噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことから、高圧燃料の所望の噴射を長期にわたって安定して行なうことができる。
本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 図1に示す積層型圧電素子の概略斜視図である。 本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略的なブロック図である。
以下、本発明の積層型圧電素子の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す概略断面図であり、図2は図1に示す積層型圧電素子の概略斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態の積層型圧電素子1は、圧電体層3と内部電極層5とが積層された積層体7と、この積層体7の側面に接合されて内部電極層5に電気的に接続された外部電極8と、外部電極8と半田10を介して電気的に接続されたリード9とを含む積層型圧電素子であって、半田10の内部に複数のボイド11が設けられている。
積層型圧電素子1を構成する積層体7は、圧電体層3と内部電極層5とが積層されたもので、例えば縦0.5〜10mm、横0.5〜10mm、高さ1〜100mm程度の直方体状に形成さ
れている。
積層体7を構成する圧電体層3は、圧電特性を有する圧電セラミックスからなり、例えばPbZrO−PbTiO(PZT:チタン酸ジルコン酸鉛)等のペロブスカイト型酸化物を用いることができる。この圧電体層3の厚みは、例えば3μm〜250μm程度と
される。
積層体7を構成する内部電極層5は、圧電体層3と交互に積層されて圧電体層3を上下から挟んでおり、例えば積層順に正極および負極が配置されることにより、それらの間に挟まれた圧電体層3に駆動電圧を印加するものである。内部電極層5は、例えば銀パラジウム(Ag−Pd)等の金属からなるものであり、本例では正極および負極(もしくはグランド極)がそれぞれ積層体7の対向する側面に互い違いに導出されて、積層体7の側面に接合された一対の外部電極8に電気的に接続されている。この内部電極層3の厚みは、例えば0.1μm〜5μm程度とされる。
この積層体7の側面に設けられて内部電極層5と電気的に接続された外部電極8は、例えば銀とガラスとからなるペーストを塗布して焼き付けて形成されたもので、積層体7の対向する側面にそれぞれ接合されて、積層体7の対向する側面に互い違いに導出された内部電極層5とそれぞれ電気的に接続されている。この一対の外部電極8の厚みは、例えば数μm〜数百μm程度とされる。
外部電極8と半田10を介して電気的に接続されたリード9は、外部電極8と外部回路とを電気的に接続するためのもので、リード9を介して一対の外部電極8に電圧が印加されるようになっている。リード9は、例えば銅、コバルト、ニッケルなどの金属からなり、半田10としては、例えば銀−銅−スズはんだが用いられる。
なお、積層体7の圧電体層3間の一部には、内部電極層5に代えて応力緩和層(図示せず)が配置されていることが好ましい。この応力緩和層は、内部電極層5よりも強度が低く、応力によって内部にクラックが発生しやすいことから、駆動に伴って積層体7に発生する応力によって内部電極層5よりも先にクラック等による破壊が生じるものであり、それによって積層体7内において応力を緩和する層として機能するものである。
また、積層体7の側面には樹脂またはセラミックスからなる被覆層13が被着されていてもよい。内部電極層5の正極および負極(もしくはグランド極)の端部がともに露出した側面に被覆層13が被着されていることで、高温、高湿化で連続駆動した場合でも、湿気の侵入によりマイグレーションが生じるのを防ぐことができる。被覆層13は、この側面のみならず、外部電極8の表面を含む側面に被着されていてもよく、例えば図2に示すようにすべての側面に被着されていてもよい。
そして、半田10の内部には、複数のボイド11が設けられている。
複数のボイド11としては、例えば平均ボイド径が1μm〜100μm程度、半田10の全断面積に対するボイド11の断面積の比率(面積比)が1%〜25%程度である。これらは、例えば積層体7の側面に垂直な半田10の断面をカットして、走査型電子顕微鏡(SEM)によるSEM像から求めることができる。
このように、半田10の内部に複数のボイド11があることで、積層体7が振動してもボイド11が振動を吸収してリード9が共振しなくなるので、駆動時に外部電極8から半田10が外れるのを抑制することができる。
ここで、積層型圧電素子1は、半田10の内部において複数のボイド11が積層体7と近い側に偏って設けられているのが好ましく、これにより、積層体7の振動がリード9に伝わりにくいから、駆動時に外部電極8から半田10が外れなくなるという効果に加え、外部電極8中の金属イオン(例えばAg)が半田10に拡散するのを遮断して、外部電極8の食われを防止できるから、積層体7から外部電極8がはがれるのを防止することができる。なお、面積比で全ボイドの2/3以上が積層体7と近い側に偏って設けられているのが好ま
しい。
また、積層型圧電素子1は、半田10の内部において複数のボイド11が外部電極8とリード9との間に偏って設けられているのが好ましく、これにより、リード9と積層体7との間で確実に振動を吸収でき、駆動時に外部電極8から半田10が外れるのを抑制することができる。なお、外部電極8とリード9との間におけるボイドの占める面積比率が、他の部分の1.3倍以上であるのが好ましい。
また、積層型圧電素子1は、図1および図2に示すように、ボイド11が略球形であるのが好ましく、これにより、どの方向からの応力も緩和することができる形状なので、最も振動を吸収しやすくなる。
また、積層型圧電素子1は、図1および図2に示すように、半田10は、外部電極8とリード9との間における外部電極8との接着面に平行な断面の断面積が接着面の面積よりも大きくなっていることから、他の形状に比べて半田10の表面積を大きくすることができるため、放熱性が良くなり、熱膨張率の差で外部電極8から半田10が外れるのを防ぐことができる。さらに、放熱性が良くなるので、高温時に拡散しやすくなる外部電極8中の金属イオン(例えばAg)が、半田10に拡散するのを防止することができるから、外部電極8
がはがれにくくなる。
特に、積層型圧電素子1は、半田10が略球形であるのが好ましく、これにより、リード9の中心と積層体7との間に半田10のくびれができ、共振を抑制することができる。さらに、半田10の表面積を大きくすることができ、放熱性が良くなるので、熱膨張率の差で外部電極8から半田10が外れることを防ぐことができる。
さらに、積層型圧電素子1は、リード9が外部電極8と平行に取り付けられているのが好ましく、これにより、平行に取り付けられていない場合に比してリード9と外部電極8とが半田10を介してより広い面積で接触することとなり、電流の経路が増えて(抵抗が下がり)、大電流で駆動しても発熱しにくくなるから駆動時に外部電極8から半田10が外れるのをより抑制することができる。また、リード9と外部電極8との間のスペースを広くとれるため、外部電極8とリード9との間にボイド11を多く形成することができ、リード9と積層体7との間で確実に振動を吸収でき、駆動時に外部電極8から半田10が外れるのを抑制することができる。
次に、本実施の形態の積層型圧電素子1の製造方法について説明する。
まず、圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、ドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーを用いてセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)等を用いることができる。
次に、内部電極層5となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法を用いて内部電極層5のパターンで塗布する。さらに、この導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、900〜1200℃の温度で焼成することによって、例えば交互に積層された圧電体層3およ
び内部電極層5を備えた積層体7を作製する。
なお、積層体7は、上記の製造方法によって作製されるものに限定されるものではなく、圧電体層3と内部電極層5とを交互に複数積層してなる積層体7を作製できれば、どのような製造方法によって作製されてもよい。
次に、焼成して得られた積層体7に、平面研削盤等を用いて所定の形状になるよう研削処理を施す。
その後、銀を主成分とする導電性粒子11と、ガラスとを混合したものに、バインダー,可塑剤および溶剤を加えて作製した銀ガラス含有導電性ペーストを、外部電極8のパターンで積層体7の側面にスクリーン印刷法等によって印刷後、乾燥させた後、650〜750℃の温度で焼き付け処理を行ない、外部電極8を形成する。
なお、積層体7の側面にシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の外装樹脂(被覆層13)でコートしてもよい。
次に、半田10を介してリード9を外部電極8の表面に接続して固定する。ここで、リード9が外部電極8と平行になるように配置して、リード9と外部電極8とを半田10にて接続するのがよい。
なお、半田10の内部にボイド11を設けるには、次のような方法を用いることができる。
半田10塗布部以外の外部電極8の表面を予め、外装樹脂でコートするとき、一部を露出させ、好ましくは外部電極8の露出する一部の角を丸くして、その部分に、球形になる量の半田ペーストを塗布し、レーザー等で溶融させると半田10の形状として略球形のものができる。
ここで、例えば加熱温度を半田10の融点近傍に設定することで、半田10は溶融するが流動することができないので、半田ペースト中の半田粒子間に含有された気体成分は、半田10内部にボイド11として残存する。半田10を流動させないことで、フラックスの揮発した気体は、半田10の表面へ移動することができず、半田10内部に取り残されるため、半田10の内部に複数のボイド11を設けることができる。
また、レーザーの出力や照射時間を制御して加熱温度を調整し、半田10における積層体7と遠い側を流動させ、積層体7と近い側を流動させないようにすることで、複数のボイド11を積層体7と近い側に偏って設けることができる。
さらに、レーザーの出力や照射時間を制御して加熱温度を調整し、直接レーザーが照射されるリード9の外側の領域では、半田粒子間に含有された気体成分を半田10の外部に揮発させ、レーザーの影となる部分である、リード9と外部電極8との間にある領域では、ボイド11が半田10の表面へ移動することができないようにして、この領域にボイド11を偏って分散させることができる。
その後、一対の外部電極8にそれぞれ接続したリード9に0.1〜3kV/mmの直流電
界を印加し、積層体7を構成する圧電体層3を分極することによって、積層型圧電素子1が完成する。この積層型圧電素子1は、リード9を介して外部電極8と外部の電源とを接続して、圧電体層3に電圧を印加することにより、各圧電体層3を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。これにより、例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能させることが可能となる。
次に、本発明の噴射装置の実施の形態の例について説明する。図3は、本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
図3に示すように、本実施の形態の噴射装置19は、一端に噴射孔21を有する収納容器(容器)23の内部に上記の本実施の形態の積層型圧電素子1が収納されている。
収納容器23内には、噴射孔21を開閉することができるニードルバルブ25が配設されている。噴射孔21には流体通路27がニードルバルブ25の動きに応じて連通可能になるように配設されている。この流体通路27は外部の流体供給源に連結され、流体通路27に常時高圧で流体が供給されている。従って、ニードルバルブ25が噴射孔21を開放すると、流体通路27に供給されていた流体が外部または隣接する容器、例えば内燃機関の燃料室(不図示)に、噴射孔21から吐出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ25の上端部は内径が大きくなっており、収納容器23に形成されたシリンダ29と摺動可能なピストン31になっている。そして、収納容器23内には、上述した本実施の形態の積層型圧電素子1がピストン31に接して収納されている。
このような噴射装置19では、積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン31が押圧され、ニードルバルブ25が噴射孔21に通じる流体通路27を閉塞し、流体の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ33がピストン31を押し返し、流体通路27が開放され噴射孔21が流体通路27と連通して、噴射孔21から流体の噴射が行なわれるようになっている。
なお、積層型圧電素子1に電圧を印加することによって流体通路27を開放し、電圧の印加を停止することによって流体通路27を閉鎖するように構成してもよい。
また、本実施の形態の噴射装置19は、噴射孔を有する容器23と、本実施の形態の積層型圧電素子1とを備え、容器23内に充填された流体を積層型圧電素子1の駆動により噴射孔21から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器23の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器23の内部に流体の噴射を制御するための圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本実施の形態の噴射装置19において、流体とは、燃料,インク等の他、導電性ペースト等の種々の液体および気体が含まれる。本実施の形態の噴射装置19を用いることによって、流体の流量および噴出タイミングを長期にわたって安定して制御することができる。
本実施の形態の積層型圧電素子1を採用した本実施の形態の噴射装置19を内燃機関に用いれば、従来の噴射装置に比べてエンジン等の内燃機関の燃焼室に燃料をより長い期間にわたって精度よく噴射させることができる。
次に、本発明の燃料噴射システムの実施の形態の例について説明する。図4は、本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略的なブロック図である。
図4に示すように、本実施の形態の燃料噴射システム35は、高圧流体としての高圧燃料を蓄えるコモンレール37と、このコモンレール37に蓄えられた高圧流体を噴射する複数の本実施の形態の噴射装置19と、コモンレール37に高圧流体を供給する圧力ポンプ39と、噴射装置19に駆動信号を与える噴射制御ユニット41とを備えている。
噴射制御ユニット41は、外部情報または外部からの信号に基づいて高圧流体の噴射の量およびタイミングを制御する。例えば、エンジンの燃料噴射に噴射制御ユニット41を用いた場合であれば、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量およびタイミングを制御することができる。圧力ポンプ39は、燃料タンク43から流体燃料を高圧でコモンレール37に供給する役割を果たす。例えばエンジンの燃料噴射システム35の場合には1000〜2000気圧(約101MPa〜約203MPa)程度、好ましくは1500〜1700気圧(約152MPa〜約172MPa)程度の高圧にしてコモンレール37に流体燃料を送り込む。コモンレール37では、圧力ポンプ39から送られてきた高圧燃料を蓄え、噴射装置19に適宜送り込む。噴射装置19は、前述したように噴射孔21から一定の流体を外部または隣接する容器に噴射する。例えば、燃料を噴射供給する対象がエンジンの場合には、高圧燃料を噴射孔21からエンジンの燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何ら差し支えない。例えば、外部電極8は、上記の例では積層体7の対向する2つの側面に1つずつ形成したが、2つの外部電極8を積層体7の隣り合う側面に形成してもよいし、積層体7の同一の側面に形成してもよい。また、積層体7の積層方向に直交する方向における断面の形状は、上記の実施の形態の例である四角形状以外に、六角形状や八角形状等の多角形状、円形状、あるいは直線と円弧とを組み合わせた形状であっても構わない。
本実施の形態の積層型圧電素子1は、例えば、圧電駆動素子(圧電アクチュエータ),圧力センサ素子および圧電回路素子等に用いられる。駆動素子としては、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置,インクジェットのような液体噴射装置,光学装置のような精密位置決め装置,振動防止装置が挙げられる。センサ素子としては、例えば、燃焼圧センサ,ノックセンサ,加速度センサ,荷重センサ,超音波センサ,感圧センサおよびヨーレートセンサが挙げられる。また、回路素子としては、例えば、圧電ジャイロ,圧電スイッチ,圧電トランスおよび圧電ブレーカーが挙げられる。
本発明の積層型圧電素子の実施例について、以下に説明する。
本発明の積層型圧電素子を以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチ
タン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダーおよび可塑剤を混合したセラミックスラリーを作製した。このセラミックスラリーを用いてドクターブレード法により厚み50μmの圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製した。また、銀−パラジウム合金にバインダーを加えて、内部電極層5となる導電性ペーストを作製した。
次に、セラミックグリーンシートの片面に、内部電極層5となる導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを200枚積層した。そして、980〜1100℃で焼成することにより積層体7を得た。得られた積層体7を、平面研削盤を用いて所定の形状に研削した。
次に、積層体7の側面の外部電極8の形成部に、銀とガラスにバインダーを混合した導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、700℃で焼き付け処理を行なった。
次に、積層体7の側面にエポキシ樹脂をスクリーン印刷法により印刷し140℃で硬化さ
せて被覆層13を設けた。
次に、外部電極8に、半田10を介してリード9を積層体7表面と平行になるように接続して固定した。ここで、半田10の内部にボイド11を設けるには、次の様な方法を用いた。
半田10が溶融したときに球形になるように、半田10塗布部以外の外部電極8表面を樹脂で被覆してパッド面積を小さくしてから半田ペーストを塗布し、レーザー等で溶融させて、略球形とした。このとき、半田10の融点近傍の温度に制御することで、半田10が流動しない温度で半田付けして半田10内部にボイド11を残存させた。
このようにして、本発明の実施例の積層型圧電素子(試料1)を作った。比較として、パッドの面積を2倍に大きくして、半田ペーストを同量塗布した後、半田ペーストが流動できるようにリフロー炉で半田付けして、ボイド11を残存させない比較例の積層型圧電素子(試料2)を作った。
そして、試料1、2の各積層型圧電素子について、リード9を介して外部電極に3kV/mmの直流電界を15分間印加して、分極処理を行なった。これらの積層型圧電素子に160Vの直流電圧を印加したところ、積層体7の積層方向に30μmの変位量が得られた。さ
らに、室温で0V〜+50Vの交流電圧を10kHzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した耐久性試験を行なった。
その結果、本発明の実施例の積層型圧電素子(試料1)は、1×10回連続駆動しても、リード9が外れず異常は見られなかった。これは積層体7が振動してもボイド11が振動を吸収したからである。
これに対し、比較例の積層型圧電素子(試料2)はボイド11がないので、積層体7が振動した際にリード9が共振してリード9の接続部にマイクロクラックが発生し、接続部にスパークが生じて駆動が停止した。
以上のことから、本発明の積層型圧電素子は、駆動時に外部電極から半田が外れるのを抑制することができることがわかる。
1・・・積層型圧電素子
3・・・圧電体層
5・・・内部電極層
7・・・積層体
8・・・外部電極
9・・・リード
10・・・半田
11・・・ボイド
13・・・被覆層
19・・・噴射装置
21・・・噴射孔
23・・・収納容器
25・・・ニードルバルブ
27・・・流体通路
29・・・シリンダ
31・・・ピストン
33・・・皿バネ
35・・・燃料噴射システム
37・・・コモンレール
39・・・圧力ポンプ
41・・・噴射制御ユニット
43・・・燃料タンク

Claims (8)

  1. 圧電体層および内部電極層が積層された積層体と、該積層体の側面に接合されて前記内部電極層と電気的に接続された外部電極と、前記外部電極と半田を介して電気的に接続されたリードとを含む積層型圧電素子であって、
    前記半田の内部に複数のボイドが設けられており、
    前記半田は、前記外部電極と前記リードとの間における前記外部電極との接着面に平行な断面の断面積が前記接着面の面積よりも大きくなっていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記半田の内部において、前記複数のボイドが前記積層体と近い側に偏って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記半田の内部において、前記複数のボイドが前記外部電極と前記リードとの間に偏って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記ボイドが略球形であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 前記半田が略球形であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  6. 前記リードが前記外部電極と平行に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 噴射孔を有する容器と、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に蓄えられた流体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とする噴射装置。
  8. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する請求項に記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とする燃料噴射システム。
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