JP5319196B2 - 積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、圧電効果を利用した駆動素子(圧電アクチュエータ)、センサ素子及び回路素子等として用いられる積層型圧電素子に関するものである。
従来、圧電効果を利用した駆動素子(圧電アクチュエータ)としては、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット装置のような液体噴射装置、半導体素子の製造に用いられる露光装置等の光学装置に適用される精密位置決め装置、振動防止装置等が挙げられる。
また、圧電効果を利用したセンサ素子としては、例えば、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ及びヨーレートセンサ等が挙げられる。
また、圧電効果を利用した回路素子としては、例えば、圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス及び圧電ブレーカーが挙げられる。
特許文献1には、三層以上の圧電セラミック層それぞれに内部電極層を挟んで積層される積層体と、この積層体の両側面それぞれに内部電極層を一層おきに対向電極となるように形成する絶縁体層と、この絶縁体層それぞれの上部を覆って内部電極層を一層置きに電気的に接続する一対の外部電極とにより形成される積層型圧電セラミックが、外部電極上の少なくとも二か所を接続する内部接続導電体および全面導電体のいずれか一方を備える積層型圧電セラミック単体である積層型圧電セラミックが記載されている。
特許文献1における外部電極上の少なくとも二か所を接続する内部接続導電体は、リード線等の金属導線および金属剛体の少なくとも一方から成る。
上記の構成により、内部接続導電体が接続される外部電極上で、例えば二か所が外部電極の端部にある場合には外部電極の中間部の切断は特性に影響を与えることがなく、また、多数の内部接続導電体による多数の接続箇所を設ける場合、または外部電極の全面を導電体で覆う場合には外部電極の強化ともなり、外部電極の損傷発生を抑制できるという効果が得られる。
特開2000-269562号公報
しかしながら、圧電体層と内部電極層が交互に積層されるとともに駆動時に内部電極層よりも優先的に破断されることによって応力を緩和する予定破断層を含む積層体を用いた積層型圧電体素子においては、その駆動時に予定破断層が破断した際に積層型圧電素子がばらばらになるおそれがあるため、特許文献1に記載されたようなリード線等の金属導線から成る補助部材を用いて、積層体の積層構造を保持する必要がある。しかしながら、補助部材を用いることにより、かえって積層型圧電素子の駆動時の望ましい変位挙動が阻害されるおそれがある。
従って、本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、積層型圧電素子の駆動時の変位性能を損なうことがなく、また、たとえ予定破断層が破断されても電気的接触および物理的接続が維持され、その結果長寿命な積層型圧電素子を得ることである。
本発明の積層型圧電素子は、圧電体層と内部電極層が交互に積層されるとともに駆動時に前記内部電極層よりも優先的に破断されることによって応力を緩和する予定破断層を含む積層体と、該積層体の側面に接合されて前記内部電極層に電気的に接続された一対の外部電極とを含む積層型圧電体素子であって、前記外部電極は、表面に前記予定破断層の部位を斜めに通過する線状導体が形成されており、該線状導体は、前記外部電極上に銀を導電性成分とする導電性接着剤で、前記線状導体の全体が固定されていることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は好ましくは、前記線状導体と第1の予定破断層とのなす傾斜角度をθとしたとき、前記線状導体と前記第1の予定破断層に隣接する第2の予定破断層とのなす傾斜角度が180°−θであることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は好ましくは、一対の前記外部電極は、一方に第1の線状導体、他方に第2の線状導体が形成されており、前記第1の線状導体と一の前記予定破断層とのなす傾斜角度をθとしたとき、前記第2の線状導体と一の前記予定破断層とのなす傾斜角度が180°−θであることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は好ましくは、前記線状導体は、前記外部電極の表面における隣接する前記予定破断層同士の間の部位に、複数の屈曲部を有していることを特徴とするものである。
本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とするものである。
本発明の燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する請求項5に記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
本発明の積層型圧電素子は、圧電体層と内部電極層が交互に積層されるとともに駆動時に内部電極層よりも優先的に破断されることによって応力を緩和する予定破断層を含む積層体と、積層体の側面に接合されて内部電極層に電気的に接続された一対の外部電極とを含む積層型圧電体素子であって、外部電極は、表面に予定破断層の部位を斜めに通過する線状導体が形成されており、該線状導体は、外部電極上に銀を導電性成分とする導電性接着剤で、線状導体の全体が固定されていることから、積層体の長手方向の伸縮、圧縮の変位に対して線状導体があたかもばねのように作用し、また予定破断層に対して線状導体が破壊の起点となりくいために、駆動時に予定破断層が線状導体の部位から一挙に破断されることを抑制することができる。従って、線状導体は、予定破断層の破断が徐々に進行するように作用する結果、積層型圧電素子の耐久性が向上する。また、ばねのように作用する線状導体によって、積層型圧電素子の変位性能が損なわれにくくなり、たとえ予定破断層が破断されても電気的接触および物理的接続が維持されるため、長寿命となる。
また、本発明の積層型圧電素子は好ましくは、線状導体と第1の予定破断層とのなす傾斜角度をθとしたとき、線状導体と第1の予定破断層に隣接する第2の予定破断層とのなす傾斜角度が180°−θであることから、隣接する予定破断層において、破断の起点が上下方向で重ならないようにすることができる。その結果、予定破断層の全体の破断の進行をより遅らせることができ、積層型圧電素子の耐久性がより向上する。
また、本発明の積層型圧電素子は好ましくは、一対の外部電極は、一方に第1の線状導体、他方に第2の線状導体が形成されており、第1の線状導体と一の予定破断層とのなす傾斜角度をθとしたとき、第2の線状導体と一の予定破断層とのなす傾斜角度が180°−θであることから、一の予定破断層に対して第1の線状導体の通過部と第2の線状導体の通過部とが、第1の線状導体の側の側面または第2の線状導体の側の側面からみて重ならないようにすることができる。その結果、一の予定破断層において、第1および第2の線状導体の通過部に起因する破断の起点が、側面からみて重ならないようにすることができる。従って、予定破断層の全体の破断の進行をより遅らせることができ、積層型圧電素子の耐久性がより向上する。
また、本発明の積層型圧電素子は好ましくは、線状導体は、外部電極の表面における隣接する予定破断層同士の間の部位に、複数の屈曲部を有していることから、ばねのように作用する線状導体のばね性が向上する。その結果、積層型圧電素子の変位性能がより損なわれにくくなる。
本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、上記本発明の積層型圧電素子とを備え、容器内に充填された液体が積層型圧電素子の駆動により噴射孔から吐出されることから、変位特性および耐久性に優れた積層型圧電素子を用いているため、液体の噴射の制御性に優れた高い耐久性を有するものとなる。
本発明の燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴射する上記本発明の噴射装置と、コモンレールに高圧燃料を供給する圧力ポンプと、噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことから、液体の噴射の制御性に優れた高い耐久性を有するものとなる。
以下、本実施の形態の積層型圧電素子(以下、素子ともいう)の一例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の積層型圧電素子を示す斜視図である。図1において、1は積層型圧電素子、2は圧電体層、3は予定破断層、4は外部電極、5は線状導体、6は内部電極層、7は積層体である。
本実施の形態の積層型圧電素子1は、圧電体層2と内部電極層6が交互に積層されるとともに駆動時に内部電極層6よりも優先的に破断されることによって応力を緩和する予定破断層3を含む積層体7と、積層体7の側面に接合されて内部電極層6に電気的に接続された一対の外部電極4とを含む積層型圧電体素子1であって、外部電極4は、表面に予定破断層3の部位を斜めに通過する線状導体5が形成されている。
上記の構成により、積層体7の長手方向の伸縮、圧縮の変位に対して線状導体5があたかもばねのように作用し、また予定破断層3に対して線状導体5が破壊の起点となりくいために、駆動時に予定破断層3が線状導体5の部位から一挙に破断されることを抑制することができる。従って、線状導体5は、予定破断層3の破断が徐々に進行するように作用する結果、積層型圧電素子1の耐久性が向上する。また、ばねのように作用する線状導体5によって、積層型圧電素子1の変位性能が損なわれにくくなり、たとえ予定破断層3が破断されても電気的接触および物理的接続が維持されるため、長寿命となる。
予定破断層3は、複数形成されており、隣接する予定破断層3同士の間には複数の内部電極層6および圧電体層2が存在するように、隣接する予定破断層3同士が互いに離隔して形成されている。
圧電体層2は、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックス等から成り、厚みは50〜100μm程度である。また、内部電極層6は、銀−パラジウム等の金属粉末の焼成体等から成り、厚みは1〜10μm程度である。
予定破断層3は、圧電体層2と同様の圧電セラミックス等を含むもの、あるいは金属等から成り、厚みは50〜100μm程度である。また、予定破断層3は、例えば、以下の方法によって形成される。
即ち、予定破断層3として多数の独立した金属粒子を含む多孔質の層を形成する。例えば、導電性ペースト中にカーボン粉末を含有させて、焼成中にそのカーボン粉末を消失させたり、導電性ペーストの印刷時にドットパターンとなるようにパターン印刷したり、導電性ペーストを印刷乾燥した後にドライアイスブラストを行なって印刷面を荒らしたりする方法がある。
また、多孔質の層となる予定破断層3の導電性ペーストと、内部電極層6の導電性ペーストとの金属成分比率を変えて、焼成中に濃度差を利用して、予定破断層3から金属を拡散させることによって多孔質とする方法が好ましい。特に、主に銀−パラジウムからなる導電性ペーストを用いて、多孔質の層となる予定破断層3の銀濃度を内部電極層6の銀濃度よりも高くすると、焼成時に銀が液相を形成するとともに圧電体層2の圧電体粒子間を容易に移動することができるので、極めて均一な多孔質の層ができあがることから好ましい。
外部電極4は、銀粉末およびガラス粉末の焼成体等から成り、厚みは5〜100μm程度である。
線状導体5は、導電性の高い銅,銀,金,それらの一種以上を含む合金等の金属から成り、外部電極4上に導電性接着剤等によって固定される。線状導体5の厚みは10〜100μm程度がよく、この範囲内とすることにより、線状導体5が薄くなりすぎて抵抗が増大することを抑え、また線状導体5が厚くなりすぎて強度が大きくなり、ばね性が低下することを抑えることができる。
線状導体5の幅は10〜100μm程度がよく、この範囲内とすることにより、線状導体5が細くなりすぎて抵抗が増大することおよび断線し易くなることを抑え、また線状導体5が幅広くなりすぎて強度が大きくなり、ばね性が低下することを抑えることができる。
線状導体5は、縦断面形状が円形状のリード線等の金属線であってもよい。また、線状導体5は、縦断面形状が四角形、五角形以上の多角形の金属線、金属帯であってもよい。
また、本実施の形態の積層型圧電素子1は好ましくは、図1に示すように、線状導体5と第1の予定破断層3とのなす傾斜角度をθとしたとき、線状導体5と第1の予定破断層3に隣接する第2の予定破断層3とのなす傾斜角度が180°−θである。即ち、線状導体5の第1の予定破断層3に対する傾斜方向が、隣接する第2の予定破断層3において交互に反対方向になっている。この場合、隣接する予定破断層3において、破断の起点が上下方向で重ならないようにすることができる。その結果、予定破断層3の全体の破断の進行をより遅らせることができ、積層型圧電素子1の耐久性がより向上する。
線状導体5と予定破断層3とのなす傾斜角度θは、20°〜80°程度がよい。この範囲内とすることにより、線状導体5が長くなりすぎて抵抗が増大することを抑え、また線状導体5の良好なばね性を保持することができる。
また、本実施の形態の積層型圧電素子1は好ましくは、一対の外部電極4は、一方に第1の線状導体5、他方に第2の線状導体5が形成されており、第1の線状導体5と一の予定破断層3とのなす傾斜角度をθとしたとき、第2の線状導体5と一の予定破断層3とのなす傾斜角度が180°−θである。この場合、一の予定破断層3に対して第1の線状導体5の通過部と第2の線状導体5の通過部とが、第1の線状導体5の側の側面または第2の線状導体5の側の側面からみて重ならないようにすることができる。その結果、一の予定破断層3において、第1および第2の線状導体5の通過部に起因する破断の起点が、側面からみて重ならないようにすることができる。従って、予定破断層3の全体の破断の進行をより遅らせることができ、積層型圧電素子1の耐久性がより向上する。
また、一対の外部電極4は、一方に第1の線状導体5、他方に第2の線状導体5が形成されており、第1の線状導体5が予定破断層3の部位を斜めに通過するような形状であり、第2の線状導体5が直線状に形成されていてもよい。
また、本実施の形態の積層型圧電素子1は好ましくは、線状導体5は、外部電極4の表面における隣接する予定破断層3同士の間の部位に、複数の屈曲部を有している。この場合、ばねのように作用する線状導体のばね性が向上する。その結果、積層型圧電素子1の変位性能がより損なわれにくくなる。
本実施の形態の積層型圧電素子1において、線状導体5は、屈曲部が曲線状になっていてもよい。この場合、屈曲部で線状導体5が破損することが抑制され、また線状導体5のばね性が向上する。
また、線状導体5は、予定破断層3を通過する部位が、他の部分よりも幅広に形成されていてもよい。この場合、線状導体5における予定破断層3の通過部が、予定破断層3の破断の起点になることをより抑制することができる。
また、線状導体5は、積層体7の変位部である活性部に相当する部位の幅および/または厚みが、積層体7の非変位部である不活性部に相当する部位の幅および/または厚みよりも大きくなっていることが良い。この場合、線状導体5の破損、断線等の発生を有効に抑えることができる。
次に、本実施の形態にかかる積層型圧電素子1の製法について説明する。
まず、圧電体層2となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系あるいはブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してスラリーを作製する。そして、このスラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、セラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、PbZrO−PbTiO等からなるペロブスカイト型酸化物などを用いることができる。また、可塑剤としては、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)などを用いることができる。
次に、内部電極層6となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム等の金属粉末にバインダーおよび可塑剤等を添加混合することで、導電性ペーストを作製することができる。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて所定のパターンに印刷する。さらに、この導電性ペーストがスクリーン印刷されたセラミックグリーンシートを複数積層する。そして、焼成することで、交互に積層された圧電体層2および内部電極層6を備えた積層体7を形成することができる。
なお、予定破断層3は上述した方法によって形成される。
その後、積層型圧電素子1の積層体7の外表面に、端部が露出する内部電極層6と導通が得られるように外部電極4を形成する。この外部電極4は、銀粉末およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これを積層体7の側面に印刷して、乾燥接着あるいは焼き付けることによって得ることができる。
次に、シリコーンゴムからなる外装樹脂を含む樹脂溶液に、外部電極4を形成した積層体7を浸漬する。そして、シリコーン樹脂溶液を真空脱気することにより、積層体7の外周側面の凹凸部にシリコーン樹脂を密着させ、その後、シリコーン樹脂溶液から積層体7を引き上げる。これにより、積層体7の側面にシリコーン樹脂(不図示)がコーティングされる。そして、外部電極4に通電部としての線状導体5を導電性接着剤(不図示)等で接続する。
次に、線状導体5を介して一対の外部電極4から内部電極層6によって圧電体層2に0.1〜3kV/mmの直流電界を印加し、積層体7の圧電体層2を分極することによって、積層型圧電素子1が完成する。
そして、線状導体5を外部の電圧供給部(不図示)に接続し、線状導体5および外部電極4を介して内部電極層6によって圧電体層2に電圧を印加することにより、各圧電体層2を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。これにより、例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁機構として機能させることが可能となる。
次に、本発明の噴射装置としての流体の噴射装置について説明する。図2は、本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
図2に示すように、本例の噴射装置19は、一端に噴射孔21を有する収納容器(容器)23の内部に上記の実施の形態の例に代表される積層型圧電素子1が収納されている。
収納容器23内には、噴射孔21を開閉することができるニードルバルブ25が配設されている。噴射孔21には流体通路27がニードルバルブ25の動きに応じて連通可能になるように配設されている。この流体通路27は、外部の流体供給源に連結され、常時高圧で流体が供給されている。従って、積層型圧電素子1の駆動によってニードルバルブ25が噴射孔21を開放すると、流体通路27に供給されていた流体が、噴射孔21の外部または噴射孔21に隣接する容器、例えば内燃機関の燃料室(不図示)に噴出される。
また、ニードルバルブ25の上端部は内径が大きくなっており、その部分に収納容器23に形成されたシリンダ29と摺動可能なピストン31が配置されている。そして、収納容器23内には、本実施の形態の積層型圧電素子1が収納されている。
このような噴射装置19では、圧電アクチュエータとして機能する積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン31が押圧され、ニードルバルブ25が噴射孔21を閉塞し、流体の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ33がピストン31を押し返すことによって、噴射孔21が流体通路27と連通して噴射穴21から流体の噴射が行なわれる。
なお、流体噴射の動作としては、積層型圧電素子1に電圧を印加することによって流体通路27を開放して噴射孔21から流体を吐出し、電圧の印加を停止することによって流体通路27を閉鎖して流体の吐出を停止するように構成してもよい。
また、本発明の噴射装置19は、噴射孔21を有する容器(収納容器)23と、本実施の形態の積層型圧電素子1とを備え、容器23内に充填された流体を積層型圧電素子1の駆動により噴射孔21から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1は必ずしも容器23の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器23の内部に噴射孔21への流体の供給および停止を行なうための圧力が加わるように構成されていればよい。また、流体は、流体通路27を通して噴射孔21に供給されるだけでなく、容器23内の適当な箇所に流体を一時的に溜めておく部分を設けて、容器23内に充填された流体を噴射孔21から吐出させてもよい。
なお、本実施の形態において、流体とは、燃料あるいはインクなどの他、種々の液状体(導電性ペースト等)および気体が含まれる。これら流体に対して噴射装置19を用いることによって、流体の流量および噴射タイミングを制御することができる。
本実施の形態の積層型圧電素子1を採用した本実施の形態の噴射装置19を内燃機関に用いれば、従来の噴射装置に比べて、エンジン等の内燃機関の燃焼室に燃料をより長期間にわたって精度よく噴射させることができる。
次に、本実施の形態の燃料噴射システムについて説明する。図3は、本実施の形態の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す断面図である。
図3に示すように、燃料噴射システム35は、高圧燃料を蓄えるコモンレール37と、このコモンレール37に蓄えられた高圧燃料を噴射する複数の噴射装置19と、コモンレール37に高圧燃料を供給する圧力ポンプ39と、噴射装置19に駆動信号を与える噴射制御ユニット41とを備えている。
噴射制御ユニット41は、外部情報または外部からの信号に基づいて流体噴射の量やタイミングを制御する。例えば、エンジンの燃料噴射に用いる噴射制御ユニット41の場合には、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御する。
圧力ポンプ39は、燃料タンク43から流体燃料を高圧でコモンレール37に送り込む役割を果たす。例えばエンジンの燃料噴射システムの場合には、1000〜2000気圧程度、好ましくは1500〜1700気圧程度の圧力でコモンレール37に流体を送り込む。
コモンレール37では、圧力ポンプ39から送られてきた流体燃料を蓄え、積層型圧電素子1の駆動に応じて適宜噴射装置19に送り込む。噴射装置19は、上述したように噴射孔21から所定量の流体を噴射孔21の外部または噴射孔21に隣接する容器に高圧で吐出(噴射)する。例えば、エンジンの場合には、流体である燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何ら差し支えない。また、本発明は、積層型圧電素子、噴射装置および燃料噴射システムに関するものであるが、上記の実施の形態の例に限定されるものでなく、例えば、インクジェットプリンタの印字装置、圧力センサ等、圧電特性を利用した積層型の圧電素子であれば、同様の構成で実施可能である。
積層型圧電素子を備えた圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックの仮焼粉末、バインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製した。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚み150μmの圧電体層2となるセラミックグリーンシートを作製した。
また、銀−パラジウム合金にバインダーを加えて、内部電極層6となる導電性ペーストを作製した。
上記セラミックグリーンシートの片面に、上記導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、これらの導電性ペーストが印刷されたシートを100枚積層した。そして、11100℃程度で焼成することにより積層体7を得た。
また、予定破断層3は、上記の導電性ペーストにバインダーや樹脂が飛散する成分であるアクリルビーズを混入させた導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて配設するという方法によって形成した。
次に、得られた積層体7を平面研削盤を用いて所定の四角柱状体の形状に研削した後、外部電極4を形成する積層体7の側面に、外部電極4となる銀−ガラス導電性ペーストを印刷し、700℃で焼き付けを行なった。なお、このときの銀−ガラスペーストに含まれるガラスの軟化点は730℃であった。
次に、外部電極4上に、線状導体5としてのφ(直径)0.2mmの太さの金属線をのせ、Agを導電性成分とする導電性接着剤で固定した。金属線は予定破断層3の部位に対し45°の傾斜角度で通過するように、屈曲部がくの字状となるように折り曲げて配置した。
その後、線状導体5にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極4にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行なった。このようにして積層型圧電素子1を作製した。得られた積層型圧電素子1に90Vの直流電圧を印加したところ、積層方向に変位量10μmが得られた。これは線状導体5のない場合の変位量と同等であった。
その後、積層型圧電素子1に室温で0〜+20Vの交流電圧を30kHzの周波数で印加して、1×108回まで連続駆動した試験を行なった結果、予定破断層3にクラックが入って破断していたものの正常に駆動し続けた。外部電極4上に、線状導体5のないものは、1×108回まで連続駆動した試験を行なった結果、予定破断層3の破断に伴い圧電体層2がばらばらになり、使用不能となった。
本実施の形態の積層型圧電素子の一例を示す斜視図である。 本実施の形態の噴射装置の一例を示す断面図である。 本実施の形態の燃料噴射システム一例を示すブロック図である。
符号の説明
1:積層型圧電素子
2:圧電体層
3:予定破断層
4:外部電極
5:線状導体
6:内部電極層
7:積層体

Claims (6)

  1. 圧電体層と内部電極層が交互に積層されるとともに駆動時に前記内部電極層よりも優先的に破断されることによって応力を緩和する予定破断層を含む積層体と、該積層体の側面に接合されて前記内部電極層に電気的に接続された一対の外部電極とを含む積層型圧電体素子であって、
    前記外部電極は、表面に前記予定破断層の部位を斜めに通過する線状導体が形成されており、
    該線状導体は、前記外部電極上に銀を導電性成分とする導電性接着剤で、前記線状導体の全体が固定されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記線状導体と第1の予定破断層とのなす傾斜角度をθとしたとき、前記線状導体と前記第1の予定破断層に隣接する第2の予定破断層とのなす傾斜角度が180°−θであることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 一対の前記外部電極は、一方に第1の線状導体、他方に第2の線状導体が形成されており、前記第1の線状導体と一の前記予定破断層とのなす傾斜角度をθとしたとき、前記第2の線状導体と一の前記予定破断層とのなす傾斜角度が180°−θであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記線状導体は、前記外部電極の表面における隣接する前記予定破断層同士の間の部位に、複数の屈曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 噴出孔を有する容器と、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とする噴射装置。
  6. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する請求項5に記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とする燃料噴射システム。
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