JP2003101092A - 積層型圧電素子及びその製法並びに噴射装置 - Google Patents

積層型圧電素子及びその製法並びに噴射装置

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JP2003101092A
JP2003101092A JP2001287705A JP2001287705A JP2003101092A JP 2003101092 A JP2003101092 A JP 2003101092A JP 2001287705 A JP2001287705 A JP 2001287705A JP 2001287705 A JP2001287705 A JP 2001287705A JP 2003101092 A JP2003101092 A JP 2003101092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性部と不活性部の境界及びその近傍でのデラ
ミネーションやクラックの発生を防ぎ、耐久性に優れた
積層型圧電素子を提供する。 【解決手段】複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交
互に積層してなる活性部8、及び該活性部8の積層方向
の両端部にそれぞれ設けられた不活性部9からなる柱状
積層体1aと、該柱状積層体1aの側面に設けられ、内
部電極2が一層おきに交互に電気的に接続される一対の
外部電極4とを具備してなる積層型圧電素子であって、
活性部8と不活性部9との界面近傍の密度が全域にわた
って実質的に同一である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電素子及
びその製法並びに噴射装置に関し、例えば、自動車用燃
料噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止
用の駆動素子等に用いられる積層型圧電素子及びその製
法並びに噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、積層型圧電素子として、圧電体と内
部電極を交互に積層した積層型圧電アクチュエータが知
られている。積層型圧電アクチュエータには、同時焼成
タイプと、圧電磁器と内部電極板を交互に積層したスタ
ックタイプとの2種類に分類されており、低電圧化、製
造コスト低減の面から考慮すると、同時焼成タイプの積
層型圧電アクチュエータが薄層化に対して有利であるた
めに、その優位性を示しつつある。
【0003】図5は、従来の積層型圧電アクチュエータ
を示すもので、このアクチュエータでは、圧電体51と
内部電極52が交互に積層されて活性部53が形成さ
れ、その積層方向における両端面には不活性部55が積
層され、これにより柱状積層体が構成されている。内部
電極52は、その一方の端部が左右交互に絶縁体61で
被覆され、その上から帯状外部電極70が内部電極52
と左右各々一層おきに導通するように形成されている。
帯状外部電極70上には、さらにリード線76が半田7
7により固定されている。
【0004】このような積層型圧電アクチュエータで
は、従来、セラミックグリーンシートに内部電極ペース
トを印刷し、この内部電極ペーストが塗布されたグリー
ンシートを複数積層して活性部成形体を作製し、内部電
極ペーストが塗布されていない上記セラミックグリーン
シートを複数積層して形成された不活性部成形体を、活
性部成形体の上下面に積層して、柱状積層成形体を作製
し、これを焼成して柱状積層体を作製していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記積
層型圧電アクチュエータでは、グリーンシートと内部電
極ペーストを交互に積層して作製された活性部成形体
と、グリーンシートを複数積層して作製された不活性部
成形体とを積層して、同時焼成するため、活性部成形体
と不活性部成形体の焼成収縮率が異なることに起因し
て、焼成後に活性部と不活性部との間にデラミネーショ
ンやクラック等が発生するという問題があった。
【0006】即ち、活性部成形体中のグリーンシートは
内部電極ペーストに挟まれているため、内部電極ペース
ト中の銀やパラジウム等の貴金属の触媒作用により焼結
が促進され、内部電極ペーストに挟まれていない不活性
部成形体中のグリーンシートよりも焼成時の収縮量が大
きくなり、活性部と不活性部の間にデラミネーションや
クラック等が発生するという問題があった。また、デラ
ミネーションやクラック等が発生しないまでも、活性部
と不活性部の間に残留応力が生じ、アクチュエータを駆
動させた際の破損の原因となるという問題があった。
【0007】このような問題を解決するために特開昭6
3−288074号公報には、不活性部を形成するグリ
ーンシートに銀を添加することが開示されているが、こ
の方法では、銀の分散量に対して不活性部の収縮挙動が
敏感であるため、活性部と不活性部の焼成収縮を完全に
合致させるのは困難であった。
【0008】また、銀成分の添加量が多いと不活性部の
絶縁性が低下し、不活性部まで延設されている一対の外
部電極間で導通が生じやすいといった問題があった。
【0009】さらに、この方法では2種類のグリーンシ
ートを用意しなければならず、工程が煩雑になるといっ
た問題があった。
【0010】また、特開平9−270540号公報で
は、不活性部が、圧電体と、外部電極に接続されない金
属層とを交互に積層して構成されているが、この方法で
は、金属層が不活性部の外面に露出しないようにパター
ン制御する必要があり、工程が複雑であるとともに、活
性部と不活性部の界面近傍が、中央部では焼成収縮率が
実質的に同一となるものの、外周部では金属層が形成さ
れていないため収縮率を同一にすることができず、未だ
活性部と不活性部の間に残留応力が生じ、アクチュエー
タを駆動させた際の破損の原因となるという問題があっ
た。
【0011】本発明は、活性部と不活性部の界面に生じ
る焼成時の残留応力を低減し、駆動時においても活性部
と不活性部との界面における破損を抑制できる耐久性に
優れた積層型圧電素子及びその製法並びに噴射装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電素子
は、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層して
なる活性部、及び該活性部の積層方向の両端部にそれぞ
れ設けられた不活性部からなる柱状積層体と、該柱状積
層体の側面に設けられ、前記内部電極が一層おきに交互
に電気的に接続される一対の外部電極とを具備してなる
積層型圧電素子であって、前記活性部と前記不活性部と
の界面近傍の密度が全域にわたって実質的に同一である
ことを特徴とする。
【0013】このような積層型圧電素子では、活性部と
不活性部の界面近傍の密度が、界面近傍全域にわたって
実質的に同一であるため、活性部と不活性部の焼成時の
収縮率が実質的に等しくなり、焼成時に活性部と不活性
部の界面及びその近傍でのデラミネーションやクラック
等の発生を抑制し、アクチュエータを駆動させた場合に
おいても活性部と不活性部の界面及びその近傍での破損
を抑制できる高信頼性を備えた積層型圧電素子を提供す
ることができる。
【0014】ここで、不活性部が、圧電体と、金属粒子
を含有する収縮調整層とを交互に積層してなり、収縮調
整層のうち少なくとも一層の端部が不活性部側面に露出
していることが望ましい。これにより、焼結性を向上す
る金属粒子が不活性部の外周部にまで存在するため、収
縮調整層の金属粒子が不活性部の外周部の焼結性を向上
し、活性部と不活性部の界面近傍の収縮率を全域にわた
って実質的に同一とすることができる。
【0015】本発明の他の積層型圧電素子は、複数の圧
電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる活性部、
及び該活性部の積層方向の両端部にそれぞれ設けられた
不活性部からなる柱状積層体と、該柱状積層体の側面に
設けられ、前記内部電極が一層おきに交互に電気的に接
続される一対の外部電極とを具備してなる積層型圧電素
子であって、前記不活性部が、圧電体と、金属粒子を含
有する収縮調整層とを交互に積層してなるとともに、該
収縮調整層のうち少なくとも一層の端部が前記不活性部
側面に露出していることを特徴とする。
【0016】このような積層型圧電素子では、焼結性を
向上する金属粒子が不活性部の外周部にまで存在するこ
とになり、収縮調整層の金属粒子が不活性部の外周部の
焼結性を向上し、活性部と不活性部の界面近傍の収縮率
を全域にわたって実質的に同一とすることができる。
【0017】本発明の積層型圧電素子では、収縮調整層
のシート抵抗値が106Ω/□以上であることが望まし
い。これにより、不活性部の高い絶縁性を維持できる。
【0018】また、収縮調整層が、金属粒子5〜50体
積%と圧電体粒子50〜95体積%からなることが望ま
しい。金属粒子を5〜50体積%、残部を圧電体粒子と
することにより、不活性部の高い絶縁性を維持できると
ともに、金属粒子による焼結性向上を図ることができ、
不活性部の収縮率を活性部の収縮率に合わせることがで
きる。
【0019】さらに、収縮調整層を構成する金属粒子
が、内部電極を構成する金属粒子と同一であることが望
ましい。これにより、不活性部の焼成時の収縮挙動を活
性部の収縮挙動に合わせることができ、焼成時に活性部
と不活性部の界面及びその近傍においてデラミネーショ
ンやクラックが発生することを防止できる。
【0020】また、柱状積層体の外部電極形成面に露出
している収縮調整層の端部及び内部電極の端部にそれぞ
れ突起状導電部材が設けられており、該突起状導電部材
が外部電極に接続されていることが望ましい。収縮調整
層の端部を柱状積層体の外部電極形成面に露出させてお
くことにより、柱状積層体の外部電極形成面近傍におい
ても不活性部と活性部の収縮差から生じる応力の発生を
効果的に防ぐことができ、耐久性を大きく向上させるこ
とができる。
【0021】また、柱状積層体の外部電極形成面に露出
している収縮調整層の端部及び内部電極の端部にそれぞ
れ突起状導電部材を設け、該突起状導電部材を外部電極
に接続することにより、柱状積層体の外部電極形成面に
露出している内部電極の端部のみならず、収縮調整層の
端部までもが突起状導電部材を介して外部電極に接続さ
れているため、積層型圧電素子を高電界下で連続して駆
動させた場合でも、外部電極と内部電極が断線すること
がなく、耐久性を大幅に向上できる。
【0022】本発明の積層型圧電素子の製法は、内部電
極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複
数積層してなる活性部成形体の積層方向の両端部に、金
属粉末を含有する収縮調整層用パターンが形成されたセ
ラミックグリーンシートを複数積層してなり、側面に収
縮調整層用パターンのうち少なくとも一層の端部が露出
する不活性部成形体をそれぞれ設けてなる柱状積層成形
体を作製する工程と、該柱状積層成形体を焼成して柱状
積層体を作製する工程と、該柱状積層体の側面に、内部
電極が一層おきに交互に電気的に接続される一対の外部
電極を形成する工程とを具備してなるものである。
【0023】このような製法によれば、内部電極と圧電
体を交互に複数枚積層した活性部と、収縮調整層と圧電
体を交互に複数枚積層した不活性部との焼成収縮率を近
似させることができるため、焼成時に活性部と不活性部
の界面及びその近傍にデラミネーションやクラック等の
問題が発生するのを防ぐことができる。金属粉末は銀−
パラジウムや銀−白金などの複数の金属の合金粉末であ
っても良い。
【0024】本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納
容器と、該収納容器内に収容された上記した積層型圧電
素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から
液体を噴出させるバルブとを具備するものである。
【0025】このような噴射装置では、上記したよう
に、積層型圧電素子自体において活性部と不活性部界面
に生じる焼成時の残留応力をなくし、耐久性を大幅に向
上できるため、噴射装置の耐久性をも向上できる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層型圧電アクチ
ュエータからなる積層型圧電素子の一実施例を示すもの
で、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿
った縦断面図である。
【0027】本発明の積層型圧電素子は、図1に示すよ
うに、柱状積層体1aの対向する側面にそれぞれ正極及
び負極の外部電極4を形成して構成されている。該柱状
積層体1aは、圧電体1と内部電極2とを交互に複数層
積層された活性部8と、この活性部8の積層方向両端面
に形成された不活性部9とから構成されている。
【0028】内部電極2は、その端部が柱状積層体1a
の外部電極4形成面に一層おきに露出しており、この露
出部分にそれぞれ突起状導電部材7が形成され、これら
の突起状導電部材7に金属板からなる外部電極4が接合
され、これにより、それぞれの外部電極4に、内部電極
2が一層おきに電気的に接続されている。一方、外部電
極4と接続されていない内部電極2の端部は絶縁体3で
被覆されている。さらに、外部電極4にはリード線6が
半田等で接続固定されている。
【0029】圧電体1は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)、或い
はチタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電セ
ラミック材料等で形成されている。この圧電セラミック
スは、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いもの
が望ましい。
【0030】また、活性部8中の圧電体1の厚み、つま
り内部電極2間の距離は50〜250μmが望ましい。
これは、積層型圧電アクチュエータは電圧を印加してよ
り大きな変位量を得るために、積層数を増加させる方法
がとられるが、積層数を増加させた場合に活性部8中の
圧電体1の厚みが厚すぎるとアクチュエータの小型化、
低背化ができなくなり、一方、活性部8中の圧電体1の
厚みが薄すぎると絶縁破壊しやすいからである。
【0031】活性部8中の圧電体1の間には厚み0.5
〜10μmの内部電極2が配されているが、この内部電
極2は銀−パラジウム等の金属材料で形成されており、
活性部8中の各圧電体1に所定の電圧を印加し、圧電体
1に逆圧電効果による変位を起こさせる作用をなす。
【0032】また、柱状積層体1aにおける活性部8側
面の外部電極4形成面には、一層おきに深さ50〜50
0μm積層方向の幅30〜200μmの溝が形成されて
おり、この溝内にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等が充填さ
れて絶縁体3が形成されている。このように内部電極2
の端部は一層おきに互い違いに溝内に充填された絶縁体
3によって絶縁され、内部電極2の絶縁されていない他
方の端部は突起状導電部材7を介して板状の外部電極4
と接続されている。
【0033】なお、突起状導電部材7は、アクチュエー
タの伸縮によって生じる応力を十分に吸収するという点
から、ヤング率の低い銀、若しくは銀が主成分の合金が
望ましい。また、突起状導電部材7の突出高さhは、ア
クチュエータの伸縮によって生じる応力を十分に吸収す
るという点から、活性部8中の圧電体1厚みの1/20
以上であることが望ましい。特には突出高さhは、15
〜50μmが望ましい。
【0034】さらに、外部電極4を構成する板状導電部
材の厚みtは、アクチュエータの伸縮に追従し、外部電
極4と突起状導電部材7の間、若しくは突起状導電部材
7と内部電極2の間で断線を生じないという点から、5
0μm以下であることが望ましい。
【0035】また、板状の外部電極4は、銀、ニッケ
ル、銅、金、アルミニウム等の導電性を備えた金属及び
それらの合金からなり、このうち、突起状導電部材7と
の接合強度が強く、ヤング率が低いという点から、銀、
若しくは銀が主成分の合金が望ましい。
【0036】なお、絶縁体3は、柱状積層体1aとの接
合を強固とするために、柱状積層体1aの変位に対して
追従する弾性率が低い材料、具体的にはシリコーンゴム
等からなることが好適である。
【0037】柱状積層体1aの対向する側面にはそれぞ
れ板状導電部材からなる外部電極4が突起状導電部材7
を介して接続固定されており、該外部電極4には、積層
されている内部電極2が一層おきに電気的に接続されて
いる。この板状導電部材からなる外部電極4は、接続さ
れている活性部8中の各内部電極2に圧電体1を逆圧電
効果により変位させるに必要な電圧を共通に供給する作
用をなす。
【0038】さらに、外部電極4にはリード線6が半田
により接続固定されている。このリード線6は外部電極
4を外部の電圧供給部に接続する作用をなす。
【0039】そして、本発明では、活性部8と不活性部
9の界面近傍の密度が、界面近傍全域にわたって実質的
に同一とされている。ここで、活性部9とは、圧電体1
が内部電極2に挟まれており、外部電極4に電圧を印加
することにより圧電体1が変位する部分のことで、不活
性部9とは、外部電極4に電圧を印加しても変位しない
部分のことをいう。ここで、実質的に同一とは、活性部
8と不活性部9との密度差が5%以内であることであ
る。即ち、活性部8の密度と不活性部9の密度の差を活
性部8の密度で割った商が5%以内であることである。
また、活性部8の密度とは活性部8に含まれる圧電体1
と内部電極2とを合わせた積層体の密度のことをいう。
なお、活性部8と不活性部9の密度差は、焼成時の残留
応力を減少させるという点から2%以内が好ましい。ま
た、活性部8と不活性部9の界面近傍のみならず、活性
部8全体と不活性部9全体の密度が実質的に同一である
ことが最も良い。
【0040】即ち、活性部8の密度と不活性部9の密度
を実質的に等しくすることにより、焼成時の活性部8と
不活性部9の収縮率が実質的に等しくなり、焼成時に活
性部8と不活性部9の界面若しくはその近傍でのデラミ
ネーションやクラック等の発生を防ぐことができる。ま
た、活性部8と不活性部9の収縮率を実質的に等しくで
きるため、活性部8と不活性部9の界面及びその近傍に
残留応力が発生するのを防ぐことができ、アクチュエー
タを駆動させた場合においても、活性部8と不活性部9
の界面及びその近傍で破損することがなく、高い信頼性
を得ることができる。
【0041】また、本発明では、不活性部9が、活性部
8の圧電体と同一の圧電体9aと、金属粒子を含有する
収縮調整層9bとを交互に積層して構成され、全ての収
縮調整層9bの外周端部が不活性部9側面に露出してい
る。尚、収縮調整層9bの少なくとも一層の外周端部が
不活性部9側面に露出していれば良い。また、収縮調整
層9bの外周端部の一部が不活性部9側面に露出してい
ても良く、例えば、収縮調整層9bの外周端部が、外部
電極4が形成される不活性部9側面のみに露出していて
も良い。活性部8と不活性部9の界面及びその近傍の応
力発生を低減するという点からは、図1に示したよう
に、全ての収縮調整層9bの外周端部が不活性部9の4
側面に露出していることが望ましい。尚、収縮調整層9
bの全外周部は露出しているが破線で示した。
【0042】不活性部9を構成する収縮調整層9bは、
シート抵抗値が106Ω/□以上であることが望まし
い。即ち、圧電体9aと金属粒子が分散してなる収縮調
整層9bとを複数枚交互に積層して不活性部9を形成す
ることにより、収縮調整層9b中の金属粒子の影響で不
活性部9中の圧電体9aの焼結が促進され、不活性部9
中の圧電体9aの収縮率を活性部8中の内部電極2に挟
まれた圧電体1の収縮率と実質的に等しくすることがで
きる。
【0043】収縮調整層9bの金属粒子は、銀粒子や、
銀−パラジウム及び銀−白金などの複数の金属の合金粒
子とされている。
【0044】不活性部9中の圧電体9aの厚みは、活性
部8中の圧電体1の厚みと同一であることが望ましい。
また、収縮調整層5bの厚みは0.5〜10μmが好ま
しい。
【0045】また、収縮調整層9bのシート抵抗値は1
6Ω/□以上とされている。これにより、不活性部9
の絶縁性を低下させることがなく、高い絶縁性を維持で
きる。尚、シート抵抗値とは、被測定体の抵抗値に被測
定体の幅を乗じ、長さで割ったものである。換言すれ
ば、被測定体の体積固有抵抗を被測定体の厚みで割った
ものである。
【0046】さらに、本発明では、不活性部9の絶縁性
を低下させることなく、不活性部9の収縮率を活性部8
の収縮率に合わせるために前記収縮調整層5を金属粒子
5〜50体積%と残部が圧電体粒子50〜95体積%と
で形成されていることが望ましい。これにより、収縮調
整層9bのシート抵抗値を106Ω/□以上とすること
ができる。
【0047】また、本発明では、収縮調整層9bを構成
する金属粒子が内部電極2を構成する金属粒子と同一と
されている。収縮調整層9bの金属粒子が内部電極2を
構成する金属粒子と同一であることにより、不活性部9
の焼成時の収縮挙動を活性部8の収縮挙動に合わせるこ
とができ、焼成時に活性部8と不活性部9の界面及びそ
の近傍でのデラミネーションやクラックの発生等を防止
することができる。
【0048】さらに、本発明では、柱状積層体1aの外
部電極4の形成面近傍においても不活性部9と活性部8
の焼成時の収縮差から生じる応力の発生を防ぐために、
収縮調整層9bの端部が柱状積層体1aの外部電極4形
成面に露出している。
【0049】即ち、柱状積層体1aの外部電極4形成面
に収縮調整層9bの端部を露出させておくことにより、
柱状積層体1aの外部電極4形成面近傍においても活性
部8と不活性部9との焼成収縮率を等しくすることがで
き、活性部8と不活性部9の外部電極4形成面近傍での
界面及びその近傍で焼成時に応力が発生するのを防ぐこ
とができる。
【0050】また、本発明では、柱状積層体1aの外部
電極4形成面に露出している収縮調整層9bの端部及び
内部電極2の端部がそれぞれ突起状導電部材7を介して
板状導電部材からなる外部電極4に接続されている。こ
のように、柱状積層体1aの外部電極4の形成面に露出
している活性部8の内部電極2の端部だけではなく、不
活性部9中の収縮調整層5の端部までもが突起状導電部
材7を介して板状の外部電極4に接続固定されることに
より、アクチュエータを高電界下で連続に駆動させた場
合においても、内部電極2と突起状導電部材7若しくは
突起状導電部材7と外部電極4が断線することがなく、
高信頼性を備えたアクチュエータを提供することができ
る。
【0051】本発明の積層型圧電アクチュエータの製法
について説明する。
【0052】まず、PZT等の圧電セラミックスの仮焼
粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から
成るバインダーと、DBP(フタル酸ジオチル)、DO
P(フタル酸ジブチル)等の可塑剤とを混合してスラリ
ーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法や
カレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体1と
なるセラミックグリーンシートを作製する。
【0053】次に、銀−パラジウムからなる金属粉末に
バインダー、可塑剤等を添加混合して内部電極ペースト
を作製し、これを各セラミックグリーンシートの上面に
スクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷
し、グリーンシート上に内部電極パターンを形成する。
【0054】これとは別に、銀−パラジウムからなる金
属粉末5〜50体積%と、残部が圧電体1と同一のセラ
ミック仮焼粉末50〜95体積%からなる混合物に、バ
インダー、可塑剤等を添加混合して収縮調整層ペースト
を作製し、これを前記セラミックグリーンシートの上面
にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷
し、グリーンシート上に収縮調整層パターンを形成す
る。
【0055】ここで、収縮調整層ペースト中の金属粉末
の混合比を5〜50体積%としたのは、金属粉末が5体
積%より少ない場合には、焼成時に金属粉末が不活性部
9中の圧電体9aに与える影響が少なくなり、不活性部
9中の圧電体9aの焼結促進効果が小さく活性部8中の
圧電体1との収縮率が異なってしまう傾向があり、一
方、金属粉末が50体積%より多い場合には、収縮調整
層5に含まれる金属粒子が多くなるために不活性部9の
絶縁性が低下する傾向があるからである。
【0056】即ち、収縮調整層ペースト中に含まれる金
属粒子を5〜50体積%とすることにより、不活性部9
の絶縁性を低下させることなく、不活性部9の焼成時の
収縮率を活性部8の収縮率に合わせることができる。さ
らには、焼成時の不活性部9と活性部8の収縮挙動を一
致させることにより、焼成時の残留応力をなくし、ま
た、高温における絶縁性の低下を防ぐという点から、好
ましくは収縮調整層ペーストに含まれる金属粒子は10
〜30体積%の範囲が良い。
【0057】なお、収縮調整層ペースト中に含まれる金
属粒子は、複数の金属成分からなる合金粒子であっても
良い。また、活性部8中の内部電極2に挟まれた圧電体
1と不活性部9中の収縮調整層9bに挟まれた圧電体9
aとの焼成時の収縮挙動を有効的に合わせるために、収
縮調整層ペースト中に含まれる金属粒子は、内部電極ペ
ースト中に含まれる金属粒子と同一であることが望まし
い。
【0058】そして、上面に内部電極パターンが形成さ
れたセラミックグリーンシートを複数枚積層して活性部
8となる活性部成形体を作製し、この活性部成形体の積
層方向の両端面に、収縮調整層パターンが形成されたセ
ラミックグリーンシートを複数枚それぞれ積層して形成
された不活性部成形体を積層し、活性部成形体の積層方
向両端面に不活性部成形体が積層された柱状積層成形体
を得る。この際、内部電極パターンの全外周端部、収縮
調整層パターンの全外周端部が柱状積層成形体の4側面
に露出している。
【0059】その後、この柱状積層成形体について所定
の温度で脱バインダーを行った後、900〜1200℃
で焼成することによって、図1に示したように、内部電
極の全外周端部、収縮調整層9bの全外周端部が4側面
に露出した柱状積層体1aが作製される。
【0060】その後、柱状積層体1aの外部電極4形成
側面に、ダイシング装置等により一層おきに溝を形成す
る。この溝が形成された柱状積層体1aの外部電極4形
成側面と、板状導電部材からなる外部電極4との間に銀
粉末とガラス粉末からなる銀ガラスペーストを介在さ
せ、外部電極4と柱状積層体1aを2〜80kPaの圧
力で圧接した状態で700〜900℃で熱処理すること
により、前記銀ガラスペースト中のガラスが溶融し、溶
融したガラス中に存在する銀成分が、内部電極2の端部
及び収縮調整層5の端部に集合し、柱状積層体1aの側
面から突出する突起状導電部材7が形成されるととも
に、この突起状導電部材7に、柱状積層体1aと外部電
極4との間に隙間を形成した状態で板状導電部材からな
る外部電極4が接合される。
【0061】その後、溝部に絶縁体3を充填し、リード
線6を外部電極4に接続することにより本発明の積層型
圧電アクチュエータが完成する。
【0062】そして、リード線6を介して一対の外部電
極4に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、柱状
積層体1aを分極処理することによって、製品としての
積層型圧電アクチュエータが完成し、リード線6を外部
の電圧供給部に接続し、リード線6及び外部電極4を介
して内部電極2に電圧を印加させれば、各圧電体1は逆
圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエ
ンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として
機能する。
【0063】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータは、活性部8と不活性部9の密度を実質的に等
しくすることができるため、焼成時の活性部8と不活性
部9の収縮率が実質的に等しくなり、焼成時に活性部8
と不活性部9の界面及びその近傍でのデラミネーション
やクラック等の発生といった問題が生じるのを防ぐこと
ができ、、アクチュエータを駆動させた場合においても
活性部8と不活性部9の界面及びその近傍で破損するこ
とがなく、耐久性を大きく向上させることができる。
【0064】本発明の積層型圧電素子は、上記態様に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々の変更は可能であり、例えば、板状導電部
材からなる外部電極4の外側に導電性補助部材を形成し
ても良い。この場合には、板状導電部材の外面に導電性
補助部材を設けることによりアクチュエータに大電流を
投入し、高速で駆動させる場合においても、大電流を導
電性補助部材に流すことができ、外部電極4に流れる電
流を低減でき、外部電極4が局所発熱を起こし断線する
ことを防ぐことができ、耐久性を大幅に向上させること
ができる。
【0065】なお、導電性補助部材はアクチュエータの
伸縮に追従し、駆動中に該導電性補助部材の断線を防ぐ
点から、フレキシブルな導電性接着剤や導電性コイル、
若しくは導電性波板、若しくは導電性繊維集合体(ウー
ル状)であることが望ましい。特には、抵抗値及びヤン
グ率が低く、伸縮性に富み、また、アクチュエータの断
面積を小さくできるという点から、材質が銀の導電性波
板が望ましい。
【0066】図2は、本発明の噴射装置を示すもので、
図において符号31は収納容器を示している。この収納
容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容
器31内には、噴射孔33を開閉することができるニー
ドルバルブ35が収容されている。
【0067】噴射孔33には燃料通路37が連通可能に
設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結
され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給され
ている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開
放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の
高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるよう
に形成されている。
【0068】また、ニードルバルブ35の上端部は直径
が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリン
ダ39と摺動可能なピストン41となっている。そし
て、収納容器31内には、上記した圧電アクチュエータ
43が収納されている。
【0069】このような噴射装置では、圧電アクチュエ
ータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41
が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞
し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止
されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45
がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37
と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
【0070】
【実施例】実施例1 まず、PZTの仮焼粉末を含むセラミックグリーンシー
トの上面に、銀−パラジウム合金とバインダーからなる
内部電極ペーストを印刷して内部電極パターンが形成さ
れたものを300層積層し、活性部成形体を作製した。
【0071】一方、前記セラミックグリーンシートの上
面に収縮調整層ペーストを印刷して収縮調整層パターン
が形成されたものを10層積層し、2つの不活性層成形
体を作製し、これらの不活性層成形体を、活性部成形体
の積層方向両端面にそれぞれ積層し、四角柱状の柱状積
層成形体を形成した。
【0072】不活性層成形体の4側面に10層の収縮調
整層パターンの外周端部を露出させ、活性部成形体の4
側面に300層の内部電極パターンの外周端部を露出さ
せた。
【0073】収縮調整層ペーストは、内部電極を形成す
る銀−パラジウム合金粉末20体積%と、前記セラミッ
クグリーンシートに含まれるPZT仮焼粉末と同一のも
の80体積%とからなる固形分に、バインダーを加えて
作製した。
【0074】その後、柱状積層成形体を400℃で脱バ
インダー処理を行い、大気中1050℃で焼成して柱状
積層体を得た。
【0075】なお、活性部中の圧電体の厚みは150μ
m、内部電極の厚みは3μmであった。また、不活性部
中の圧電体の厚みは150μm、収縮調整層の厚みは3
μmであった。
【0076】その後、活性部の外部電極形成側面におけ
る内部電極の露出部分に、ダイシング装置より一層おき
に幅50μm深さ200μmの溝を形成した。そして、
前記溝が形成された柱状積層体の外部電極形成側面と、
銀を主成分とする板状導電部材からなる外部電極との間
に銀粉末とガラス粉末からなる銀ガラスペーストを介在
させ、30kPaの圧力で圧接した状態で900℃で熱
処理することにより、活性部の内部電極の端部及び不活
性部の収縮調整層に端部に、柱状積層体の側面から突出
する突起状導電部材を形成するとともに、該突起状導電
部材に外部電極を接合した。
【0077】その後、活性部の溝内に絶縁体としてシリ
コーンゴムを充填し、外部電極にリード線を接続した。
【0078】その後、正極及び負極の外部電極にリード
線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して
分極処理を行い、図1に示すような積層型圧電アクチュ
エータを作製した。
【0079】得られた積層型圧電アクチュエータでは、
圧電体と内部電極からなる活性部と、圧電体と収縮調整
層からなる不活性部の密度は、実質的に同一であった。
また、収縮調整層のシート抵抗を絶縁抵抗計で測定した
ところ、8×108Ω/□であった。
【0080】得られた積層型圧電アクチュエータに15
0Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に40μmの
変位量が得られた。さらに、このアクチュエータに室温
で0〜+150Vの交流電圧を60Hzの周波数にて印
加し駆動試験を行った結果、5×1010サイクルまで駆
動したところ40μmの変位量が得られ、活性部と不活
性部の界面及びその近傍にクラック等の異常は見られな
かった。 実施例2 次に、収縮調整層を構成する銀−パラジウム合金と圧電
体の体積比率を変化させた以外は、実施例1と同様の柱
状積層体を作製した。得られた柱状積層体について、活
性部と不活性部を切り離し、それぞれの密度をアルキメ
デス法により測定し、活性部と不活性部の密度差を算出
した。また、活性部と不活性部の境界及びその近傍での
デラミネーションとクラックの発生状況について調べ
た。さらに、不活性部中の収縮調整層のシート抵抗を測
定した。
【0081】図3に活性部と不活性部の密度差と、活性
部と不活性部の境界及びその近傍でのデラミネーション
及びクラックの不良率の関係を示す。活性部と不活性部
の密度差は、活性部と不活性部の密度の差を、活性部の
密度で割った値を百分率で表したものである。活性部と
不活性部の密度差が大きくなるほど、デラミネーション
やクラックによる不良が多くなることが判る。
【0082】また、収縮調整層中の銀−パラジウム合金
の体積%と、密度差及び収縮調整層のシート抵抗の関係
を図4に示す。収縮調整層中の金属成分が5体積%より
小さい場合には、嵩密度差が5%より大きくなり、デラ
ミネーションやクラック等の不良が多発することが判
る。また、収縮調整層中の金属成分が50体積%より大
きい場合には、収縮調整層のシート抵抗値が106Ωよ
り小さくなり、不活性部の絶縁性が低下してしまうこと
が判る。
【0083】即ち、収縮調整層中の金属成分量が本発明
で規定した範囲の5〜50体積%の場合には、実質的に
活性部と不活性部の密度が等しくなり、不活性部と活性
部境界及びその近傍でのデラミネーションやクラック等
の不良が発生するのを防ぐことができ、かつ、不活性部
の絶縁性の低下がないことが判る。 実施例3 さらに、実施例2と同様な方法で得られた柱状積層体
に、実施例1と同様な方法で外部電極形成を行い、積層
型圧電アクチュエータを作製した。得られた積層型圧電
アクチュエータに室温で0〜+150Vの交流電圧を6
0Hzの周波数にて印加し駆動試験を行った。得られた
結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】この表1から、収縮調整層中の金属成分量
が5体積%より少ない試料では、駆動時に活性部と不活
性部の境界で破損が生じてしまっている。一方、収縮調
整層中の金属成分量が60体積%以上の試料では、駆動
時に絶縁破壊するか、若しくは初期状態で絶縁不良だっ
た。一方、収縮調整層中の金属成分量が5〜50体積%
の試料では、1×109まで駆動しても、破損、絶縁破
壊等の異常は見られなかった。
【0086】
【発明の効果】本発明の積層型圧電素子によれば、活性
部と不活性部の密度を実質的に同一にしているため、焼
成時の活性部と不活性部の収縮率が実質的に等しくな
り、焼成時に活性部と不活性部の界面及びその近傍での
デラミネーションやクラック等の発生をなくし、アクチ
ュエータを駆動させた場合においても活性部と不活性部
の界面及びその近傍で破損することがない高信頼性を備
えた積層型圧電素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)
は斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿った縦断面
図である。
【図2】本発明の噴射装置を示す説明図である。
【図3】活性部と不活性部の密度差と、不良率の関係を
示すグラフである。
【図4】収縮調整層中の金属成分の割合と、活性部と不
活性部の密度差及び収縮調整層のシート抵抗の関係を示
すグラフである。
【図5】従来の積層型圧電アクチュエータの縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1、9a・・・圧電体 1a・・・柱状積層体 2・・・内部電極 4・・・外部電極 9b・・・収縮調整層 8・・・活性部 9・・・不活性部 31・・・収納容器 33・・・噴射孔 35・・・バルブ 43・・・圧電アクチュエータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02N 2/00 H01L 41/22 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層してなる活性部、及び該活性部の積層方向の両端部
    にそれぞれ設けられた不活性部からなる柱状積層体と、
    該柱状積層体の側面に設けられ、前記内部電極が一層お
    きに交互に電気的に接続される一対の外部電極とを具備
    してなる積層型圧電素子であって、前記活性部と前記不
    活性部との界面近傍の密度が全域にわたって実質的に同
    一であることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 【請求項2】不活性部が、圧電体と、金属粒子を含有す
    る収縮調整層とを交互に積層してなり、前記収縮調整層
    のうち少なくとも一層の端部が前記不活性部側面に露出
    していることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素
    子。
  3. 【請求項3】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層してなる活性部、及び該活性部の積層方向の両端部
    にそれぞれ設けられた不活性部からなる柱状積層体と、
    該柱状積層体の側面に設けられ、前記内部電極が一層お
    きに交互に電気的に接続される一対の外部電極とを具備
    してなる積層型圧電素子であって、前記不活性部が、圧
    電体と、金属粒子を含有する収縮調整層とを交互に積層
    してなるとともに、該収縮調整層のうち少なくとも一層
    の端部が前記不活性部側面に露出していることを特徴と
    する積層型圧電素子。
  4. 【請求項4】収縮調整層のシート抵抗値が106Ω/□
    以上であることを特徴とする請求項2又は3記載の積層
    型圧電素子。
  5. 【請求項5】収縮調整層が、金属粒子5〜50体積%と
    圧電体粒子50〜95体積%からなることを特徴とする
    請求項2乃至4のうちいずれかに記載の積層型圧電素
    子。
  6. 【請求項6】収縮調整層を構成する金属粒子が、内部電
    極を構成する金属粒子と同一であることを特徴とする請
    求項2乃至5のうちいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 【請求項7】柱状積層体の外部電極形成面に露出してい
    る収縮調整層の端部及び内部電極の端部にそれぞれ突起
    状導電部材が設けられており、該突起状導電部材が外部
    電極に接続されていることを特徴とする請求項2乃至6
    のうちいずれかに記載の積層型圧電素子。
  8. 【請求項8】内部電極パターンが形成されたセラミック
    グリーンシートを複数積層してなる活性部成形体の積層
    方向の両端部に、金属粉末を含有する収縮調整層用パタ
    ーンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層
    してなり、側面に収縮調整層用パターンのうち少なくと
    も一層の端部が露出する不活性部成形体をそれぞれ設け
    てなる柱状積層成形体を作製する工程と、該柱状積層成
    形体を焼成して柱状積層体を作製する工程と、該柱状積
    層体の側面に、内部電極が一層おきに交互に電気的に接
    続される一対の外部電極を形成する工程とを具備してな
    ることを特徴とする積層型圧電素子の製法。
  9. 【請求項9】噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内
    に収容された請求項1乃至7のうちいずれかに記載の積
    層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴
    射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなること
    を特徴とする噴射装置。
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