JP4954897B2 - 積層型電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、光学装置などの精密位置決め装置、振動防止用の駆動素子、セラミックフィルタ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニット、超音波モータ、圧電ファン等の圧電積層型電子部品および加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサに適する積層型電子部品に関するものである。
圧電体は、外圧により起電力を発生する圧電効果と電圧を印加すると伸縮する逆圧電効果を有している。これらの効果を利用して各種の圧電素子が作られているが、圧電体からなる圧電板1枚の圧電効果および逆圧電効果は微量であることから、従来から複数層の圧電体を積層して形成した積層型電子部品が作製されている。
従来の積層型電子部品は、誘電体と内部電極が交互に積層された柱状(例えば四角柱状)の積層体を作製し、この積層体を構成する誘電体と内部電極が同時焼成されて作製される。複数の内部電極は柱状積層体の4つの側面のうち相対する側面に互い違いに露出し、内部電極が露出した2つの側面に外部電極を形成して、これらの2つの外部電極に内部電極を一層おきに交互にそれぞれ接続している。
このような従来の積層型電子部品は、セラミックグリーンシートに内部電極ペーストを印刷したグリーンシートを複数層積層した柱状の積層体をセラミックス製の匣鉢に入れて焼成することにより得られる(例えば特許文献1参照)。
特開2004−284900号公報
近年、積層型電子部品は、高周波で使用される圧電フィルターや高電圧で使用される圧電トランスに代表されるように、車載用途の需要が急増している。これらの車載用途では、耐環境特性の優れた素子が求められ、特に広い温度範囲で使用されることを前提としているため、高温での強度など耐熱性の良好なものまた耐湿度性の高いものが要求される。
本発明は、高電圧、高温下、高湿度下で繰り返し作動させることが可能な積層型電子部品を提供することを目的とする。
本発明の第1の積層型電子部品は、それぞれPbを含むペロブスカイト構造の焼結体からなる複数の誘電体層と、複数の内部電極とを備え、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された積層型電子部品であって、
前記誘電体層の結晶粒界に残留する鉛化合物のうち、粒径が0.01μm以上の粒子の数が100μm当たり平均して2個以下になるように制限されたことを特徴とする。
本発明の第2の積層型電子部品は、それぞれPbとZrを含むペロブスカイト構造の化合物を有する焼結体からなる複数の誘電体層と、複数の内部電極とを備え、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された積層型電子部品であって、
前記誘電体層の結晶粒界に残留する鉛化合物の量が、前記誘電体層を酢酸で溶解したときに、前記鉛化合物から溶け出した前記酢酸中の鉛の量が結晶粒から前記酢酸中に溶け出したZrの量に対して100倍以下となるように、制限されたことを特徴とする。
本発明の第1と第2の積層型電子部品では、前記誘電体層の表面に露出した結晶粒界に、2属元素化合物が析出していることが好ましい。
本発明の第3の積層型電子部品は、鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品であって、前記誘電体層の結晶粒界における粒径0.01μm以上の鉛化合物の存在個数が、観察領域100μm当たり2個以下であることを特徴とする。
また、本発明の第4の積層型電子部品は、鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品であって、前記積層型電子部品の表面において、誘電体層の結晶粒界には、2属元素化合物が析出していることを特徴とする。
本発明の積層型電子部品の第1の製造方法は、それぞれ鉛元素を含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含む積層型電子部品の製造方法であって、
前記誘電体層となる誘電体粉末を含むシートと前記内部電極となる金属粉末を含む金属層とを交互に積層して積層体を作製する工程と焼成工程とを含み、
該焼成工程が、焼成条件の異なる第1の焼成工程と第2の焼成工程を含み、前記第2の焼成工程は、焼成温度が前記第1の焼成工程より高く、焼成雰囲気の圧力が前記第1の焼成工程と同じ又は第1の焼成工程よりも低く、焼成雰囲気中の鉛濃度が前記第1の焼成工程と同じ又は第1の焼成工程よりも低いことを特徴とする。
本発明の第2の製造方法は、それぞれPbを含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含む積層型電子部品の製造方法であって、
前記誘電体層となる誘電体粉末を含むシートと前記内部電極となる金属粉末を含む金属層とを交互に積層して積層体を作製する工程と焼成工程とを含み、
該焼成工程が、第1の焼成工程と第2の焼成工程を含み、前記第1の焼成工程では、前記積層体が内部に配置された匣鉢を密閉した状態で焼成を行い、前記第2の焼成工程では、匣鉢の一部を開放した状態で焼成を行い、該第2の焼成工程の焼成温度が前記第1の焼成工程よりも高いことを特徴とする。
本発明の第3の製造方法は、鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品の製造方法であって、鉛元素を含む誘電体材料の粉末を含む複数の成形体と、主に金属材料からなる複数の内部電極層とを積層して焼成前積層体を成形する成形工程と、前記焼成前積層体を匣鉢内において、鉛雰囲気中で焼成を行なう第1焼成工程と、前記第1焼成工程よりも、焼成温度が高くかつ濃度が低い鉛雰囲気中で焼成を行なう第2焼成工程と、を含んでおり、前記第1焼成工程において、前記誘電体材料及び金属材料の粒界に、鉛元素を含む液相が形成されるとともに、前記第2焼成工程において、前記液相中の鉛元素を積層体の外部に排出することを特徴とする。
また、本発明の第5の積層型電子部品は、鉛を含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含み、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された活性積層部と、
前記活性積層部の積層方向の上面に設けられた上不活性部と、
前記活性積層部の積層方向の下面に設けられた下不活性部と、を備え、
前記内部電極のうち、最も上に位置する最上内部電極と、その最上内部電極の次に位置する内部電極との間に配置された第1上部誘電体層の誘電率ε1、及び前記内部電極のうち、最も下に位置する最下内部電極と該最下内部電極の次に位置する第2下部内部電極との間に配置された第1下部誘電体層の誘電率ε2が、前記活性積層部の中央部に配置された中央誘電体層の誘電率ε3より大きいことを特徴とする。
以上の本発明に係る第1〜第5の積層型電子部品は、本発明に係る第1〜第3の製造方法のいずれかにより作製することができる。
以上のように構成された本発明に係る第1〜第5の積層型電子部品及び本発明に係る第1〜第3の製造方法により作製された積層型電子部品は、粒界の耐熱性が高いため、高温雰囲気化における使用であっても高い強度を有している。さらに水分の磁器内部への浸入を阻害し、高い耐湿度性を有している。したがって、本発明によれば、車載用の部品などの高電圧、高温下、高湿度下で繰り返し使用される部品として好適な信頼性の高い積層型電子部品を提供できる。
例えば、本発明に係る第1及び第3の積層型電子部品は、鉛元素を含む誘電体層の結晶粒界における粒径0.01μm以上の鉛化合物の存在個数が、観察領域100μm当たり2個以下であるので、誘電体の相転移を防止するとともに、電極成分と鉛成分との反応を抑制することができる。
また表面に2属元素化合物を析出させている本発明に係る第4の積層型電子部品では、水分の磁器内部への浸入を防止することができる。これにより、高電圧、高温下、高湿度下における耐久性に優れた積層型電子部品を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる積層型電子部品を示す斜視図である。 図1に示す積層型電子部品の側面図である。 図1に示す積層型電子部品の側面の一部を拡大した斜視図である。 図1に示す積層型電子部品の誘電率を測定した場所の斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システムを示す概略図である。
符号の説明
1・・・誘電体層
2・・・内部電極
3・・・絶縁体
4・・・外部電極
6・・・リード線
8・・・活性部
9・・・不活性部
9a・・・上面不活性部
9b・・・下面不活性部
10・・・柱状積層体
10a・・・側面
10b・・・側面
<実施形態1>
以下、本発明に係る実施形態1の積層型電子部品について図面を参照し詳細に説明する。図1は本実施形態1にかかる積層型電子部品を示す斜視図であり、図2はこの積層型電子部品の側面図であり、図3は積層型電子部品の側面の一部を拡大した斜視図である。
図1〜3に示すように、この積層型電子部品は、複数の誘電体層1と複数の内部電極2とを含み、誘電体層1と内部電極2とが交互に積層されてなる四角柱状の積層体10と、この積層体10の対向する2つの側面10a,10bに配設された一対の外部電極4を有してなる。積層体10において、各内部電極2は、一方の端部が側面10a,10bのいずれか一方の側面で露出し、他方の端部が他方の側面において絶縁体3によって絶縁されるように形成されており、側面10a,10bではそれぞれ、内部電極2の一方の端部が一層おきに露出している。そして、側面10a,10bに露出した内部電極2の端部(絶縁体3で覆われていない端部)が外部電極4と接続されている。尚、本実施形態1では、側面10a,10bにおいて、内部電極2の他方の端部に達する溝が形成されており、その溝に絶縁体3を充填して、外部電極4との間が絶縁されている。また、各外部電極4は、リード線6に接続されている。積層体10の積層方向の両端側には誘電体で形成された不活性層9がそれぞれ積層されている。
本実施形態1において、内部電極2は、例えば銀−パラジウム等の金属材料で形成されている。誘電体1は、圧電セラミック材料等で形成されている。その中でも、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:以下PZTと略す)を主成分とする圧電セラミックスは、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高く望ましい。誘電体層1は2つの内部電極2間に配置されており、リード線6を通じて誘電体層1に所定の電圧を印加することで、誘電体層1に逆圧電効果による変位を起こさせることができる。
また、誘電体層1の厚み、つまり内部電極2間の距離は50〜250μmであるのが望ましい。圧電効果や逆圧電効果を増幅させるには、誘電体層1と内部電極2の積層数を増やす方法が簡易的である。しかし、積層数を増加させた場合に、誘電体層1の厚みが小さいと小型化及び低背化ができ、一方で、誘電体層1の厚みが大きいと絶縁破壊されにくいため、上記厚みの範囲とすることが好ましい。
ここで、特に本実施形態1の積層型電子部品では、上記のような圧電体からなる誘電体層1の結晶粒子内に鉛が存在する場合に、(1)誘電体層1の結晶粒界における所定以上の粒径の鉛化合物の粒子数を制限すること、又は(2)誘電体層1の結晶粒界における鉛化合物の量を制限することにより、高電圧、高温下、高湿度下で繰り返し作動させることを可能にしている。
具体的には、誘電体層1の結晶粒界における鉛化合物の粒径を制限する場合、粒径0.01μm以上の鉛化合物の存在個数が、観察領域100μm当たり2個以下、複数の観測領域で観測するときには、0.01μmを超える粒の数が100μm当たり平均して2個以下、好ましくはゼロになるようにしている。
粒界に鉛の化合物が存在すると、その鉛化合物の近傍に存在する誘電体のキュリー点が低温に変化し、部分的に低温で相転移を起こす。そのため、強度の低い箇所が偏在することになり、積層体全体の高温での強度特性が低下するおそれがあるからである。なお、粒径0.01μm未満の小さな鉛化合物であれば、仮に結晶粒界に存在した場合であっても近傍の誘電体のキュリー点に与える影響が極めて小さい。したがって、誘電体層1の結晶粒界に存在する粒径0.01μm以上の鉛化合物の量を上記のように制御することで本発明の効果を得ることができる。ここでいう鉛化合物としては鉛金属、酸化鉛、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛等が挙げられる。
すなわち、本発明は、本発明者が、結晶粒界における粒径0.01μm以上の鉛化合物の存在個数が、観察領域100μm当たり2個を超えると、相転移して強度の低い箇所が多くなり高温での強度が低下するおそれがあることを見出し、完成させたものである。尚、本発明者は、単層型よりも、電極成分の多い積層型電子部品では電極成分が鉛と反応しやすいため、鉛成分が粒界に残りやすくなるという知見に基づき、本発明による効果は、積層型電子部品においてより顕著に現れることを見出した。このように、積層型電子部品において鉛成分が粒界に残りやすくなる理由は、電極成分と反応した鉛は鉛単体の場合と比較して粒界に固定された状態になりやすく、誘電体材料への固溶や外部への排出が起こりにくくなるからであると推測される。さらに積層型では粒界に鉛成分が残ると積層界面の密着が弱くなるおそれがある。
本実施形態1において、誘電体層の結晶粒界における鉛化合物の存在個数を評価する際には、例えば以下のようにして行う。すなわち、まず、積層型電子部品を構成する柱状積層体から厚さ1mm程度の平板を切り出し、サンドペーパー等により100μm程度まで薄層化する。ついで、Arイオンエッチング等でさらに数十nmまで薄層化し、この薄層化されたサンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察する。このときの倍率は、100μmの観察領域が視野に入るように調整する。そして観察視野100μm内に存在する粒径0.01μm以上の鉛化合物の個数を計測する。なお、評価に用いる平板試料は、柱状の積層体の複数箇所から採取するのが好ましい。また、平板試料中の観察箇所についても複数箇所選定し、上記のような手順で鉛化合物の個数を評価するのがよい。複数箇所測定した場合は、その平均値が2個以下である必要がある。また、本発明において、鉛化合物の粒径とは、検出された各粒子の最も長くとれる長さ(最大径)のことをいう。
また、本実施形態1の積層型電子部品では、誘電体層1の結晶粒界における鉛化合物の量を制限することにより、高電圧、高温下、高湿度下で繰り返し作動させることが可能になる。
具体的には、本実施形態1の積層型電子部品において、前記誘電体層の結晶粒界に残留する鉛化合物が、前記誘電体層を酢酸で溶解したときに、前記鉛化合物から溶け出した前記酢酸中の鉛の量が結晶粒から前記酢酸中に溶け出したZrの量に対して100倍以下となるように、制限する。
すなわち、本発明の積層型電子部品において、前記誘電体層の少なくとも一部を酢酸中で溶解させたときに酢酸中に流出する鉛とジルコニアの重量比率(Pb/Zr)が100以下になるように粒界における鉛化合物の量を制限する。この鉛とジルコニアの重量比率(Pb/Zr)は、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下であるのがよい。
このようにして、誘電体層1の結晶粒界に存在する鉛化合物の量を評価できるのは、誘電体層1の結晶粒界中の鉛化合物は、弱酸にも溶解しやすく、結晶粒子中に存在する鉛よりも溶解しやすいことに基づく。すなわち、結晶粒界中に鉛化合物が多く存在すると、酢酸中に流出する鉛の溶解量が多くなり、結晶粒界中に存在する鉛化合物の量が評価できる。上記したように、誘電体層1の結晶粒界中に鉛化合物が存在すると、高温使用時における強度が低下するおそれがある。
また、ジルコニアとの比較をしたのは、鉛成分は結晶粒子中にも存在するため、酢酸中に溶解する鉛には、微量ではあるが結晶粒子中のものも含まれてしまう。そのため結晶粒子中の他の成分であるジルコニアと比較することにより、結晶粒子以外、すなわち結晶粒界から溶解した鉛量の評価が可能となる。
このように、重量比率(Pb/Zr)が100より大きいと粒界に鉛化合物が多く存在していることになり、上記したように相転移が生じて強度の低い箇所が多くなり、高温での強度が劣化するおそれがある。特に、重量比率(Pb/Zr)が50以下であれば、誘電体層1の結晶粒界の鉛化合物が少なく、良好な高温強度を示す。
本実施形態1において、鉛とジルコニアの重量比率は、例えば、以下のようにして評価することができる。まず、積層体の一部を切り取り、ダイヤモンドペーストなどで鏡面処理をした後、90℃の50%酢酸液の中に60分間浸漬する。ついで、この酢酸液の成分を誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)により分析する。これにより、重量比率(Pb/Zr)を求めることができる。なお、重量比率(Pb/Zr)を求めるための試料である上記「積層体の一部」は、少なくとも誘電体層を含んでいればよく、誘電体以外に内部電極が含まれていてもよい。また、「鏡面処理」を施す面は、誘電体における結晶粒界が露出する面であればよく、特に限定されるものではない。
誘電体層1における結晶粒子の平均粒径は、1μm以上、好ましくは1.5μm、さらに好ましくは2.0μm以上であるのがよい。結晶粒子の平均粒径を1μm以上とすることにより粒界そのものが少なくなることに加え、結晶粒子が大きくなる過程で粒界の鉛成分を含む不純物が積層体外へ排出されたり、結晶粒子内へ取り込まれることにより、粒界に鉛化合物が存在しにくくなるためである。一方、結晶粒子の平均粒径が1μmより小さいと粒界に鉛化合物が残存しやすくなり、高温での強度劣化を招くおそれがある。また、結晶粒子の平均粒径の上限は、5μm以下、好ましくは4μm以下、より好ましくは3.5μm以下であるのがよい。結晶粒子が5μmを超えると、欠陥サイズが大きくなることになり、磁器強度自体が劣化しやすくなるおそれがある。したがって、結晶粒子の平均粒径は、1μm以上5μm以下、好ましくは1.5μm以上4μm以下、より好ましくは2.0μm以上3.5μm以下であるのがよい。
誘電体層1の結晶粒子の平均粒径は、誘電体層1の断面を例えば走査型電子顕微鏡(SEM)などにより観察し、任意の線分間に含まれる粒子の数を測定し、この線分の長さを粒子数で割ることによって平均粒径を求めることができる。
さらに、本発明では、誘電体層1に含まれる銀が0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下であるのが好ましい。誘電体層1には内部電極2から成分が拡散してくるが、特に銀が0.5重量%より多く含まれていると、鉛と反応しやすくなる。銀と反応して生成する鉛化合物はキュリー点が低温にシフトする傾向にあり、高温での強度劣化を招きやすい。そのため、誘電体層1に含まれる銀は0.5重量%以下であることが好ましい。また、内部電極材料に銀を用いた場合、粒界に鉛成分があると、鉛が銀のマイグレーションを誘発して誘電体層1の絶縁性を劣化させるおそれがあるので、本発明のように結晶粒界における鉛の存在量をゼロ又は著しく少なくさせることは、電気絶縁性を向上させる効果もある。
また、本実施形態1における外部電極及び内部電極との間の接続は以下のように構成されている。
まず、焼成後の柱状積層体10の4つの側面には内部電極2が露出しているが、少なくとも1つの側面において、内部電極2の端部を含む誘電体層1の端面に一層おきに深さ50〜500μm、積層方向の幅30〜200μmの溝が形成される。そして、この溝内に絶縁体3が形成される。絶縁体3は、ガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等からなり、特に柱状積層体10との接合を強固とするために、柱状積層体10の変位に対して追従するような弾性率が低い材料、具体的にはシリコーンゴム等からなることが好適である。この絶縁体3により、柱状積層体10の対向する2つの側面10bにおいて、内部電極2の端部が互い違いで一層置きに絶縁され、内部電極2の絶縁されていない他方の端部は、外部電極4に接続される。
外部電極4は、Ag、Ni、Cu、Al、W、Mo、ステンレス鋼、Fe−Ni−Co合金等の導電性、弾性を備えた金属材料から成り、中でも、耐酸化性が良好で、導電性が良いという点から、Ag、Ni、ステンレスが望ましい。また、外部電極4を低抵抗とし、さらに、柱状積層体10の変位に対して追従するような伸縮性に富むようにするため、内部電極2と接続する部分にメッシュ部材を具備させ、かつ外部電極4の厚みを50〜500μm程度とすることが望ましい。
外部電極4は、外部からの挟持力により柱状積層体10の対向する2つの側面10bに押し当てられた状態(例えばクリップ状のもので挟んだ状態)で内部電極2と接続しても良い。また、半田等によって内部電極2と接続固定しても良い。また、内部電極2の露出した柱状積層体10の対向する2つの側面10bに、蒸着、スパッタリング、メッキ等で薄膜の低抵抗部を予め形成しておき、この低抵抗部上に外部電極4を接続しても良い。
さらに、外部電極4にはリード線6が半田等により接続固定されている。このリード線6は外部電極4を外部の電圧供給部に接続する作用を有する。そして、リード線6を介して一対の外部電極4に0.1〜3kV/mmの直流電流を印加し、柱状積層体10を分極処理することによって、積層型電子部品が完成する。該積層型電子部品に対して、リード線6を外部の電圧供給部に接続し、外部電極4を介して内部電極2に電圧を印加させれば、各誘電体1は逆圧電効果によって大きく変位する。
<実施形態2>
本発明に係る実施形態2の積層型電子部品は、鉛元素を含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含み、誘電体層と内部電極が交互に積層された活性部と、前記活性部の積層方向の上面側及び下面側にそれぞれ位置するとともに誘電体層からなる上不活性部及び下不活性部とを備える積層型電子部品において、以下のように構成されている。
すなわち、実施形態2の積層型電子部品では、前記内部電極のうち、最も上に位置する最上内部電極と、該最上内部電極の次に位置する内部電極との間に配置された誘電体層の誘電率をε1、前記内部電極のうち、最も下に位置する最下内部電極と、該最下内部電極の次に位置する内部電極との間に配置された誘電体層の誘電率をε2、前記活性部の中央付近において隣り合う2つの内部電極間に配置された誘電体層の誘電率をε3としたとき、ε1>ε3、且つ、ε2>ε3を満足するように構成されている。
このように、活性部において、不活性部近傍の誘電率を大きくすると、不活性部近傍では分極がかかりにくくなり、同じ電圧をかけたときにこの部分の伸びを小さくでき、応力を緩和することができる。電圧をかけた時伸縮する活性層と伸縮しない不活性部を含む積層型電子部品では、活性層と不活性部の界面に大きな応力が生じる。しかしながら、実施形態3の構成では、不活性部近傍の誘電率を高くすることにより、不活性部近傍の伸びを抑えているので、応力を緩和できる。
したがって、本実施形態2の積層型電子部品は、高電圧、高温下、高湿度下で繰り返し作動させたときに、より高い信頼性が得られる。
本実施形態2の積層型電子部品では、さらに前記最上内部電極と該最上内部電極の次に上面側に位置する内部電極との間に配置された誘電体層より下面側に、誘電率が前記ε1からε3に向かって順次低下する複数の誘電体層を含んでいることが好ましい。
またさらに、前記最下内部電極と該最下内部電極の次に下面側に位置する内部電極との間に配置された誘電体層より上面側に、誘電率が前記ε2からε3に向かって順次低下する複数の誘電体層を有していることが好ましい。このように誘電率が順次減少する複数の誘電体層を、中央部の上又は下、好ましくは上下に含むことにより、さらに応力を低減できる。この場合、さらに前記内部電極を銀を主成分とする材料により構成すると、焼成温度を低くでき、誘電体層において誘電率が順次低下する部分を形成しやすくなるので、好ましい。
以下、実施形態1及び2の積層型電子部品に係る製造方法について説明する。
本実施形態1及び2にかかる積層型電子部品は以下のようにして製造する。まず、例えば、PZT等の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法、カレンダーロール法、スリップキャスティング法等のテープ成形法により、誘電体1となるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、銀−パラジウム粉末に、バインダー、可塑剤、及び必要に応じて上記圧電セラミックス仮焼粉末等を添加混合して、内部電極2を成す導電性ペーストを作製し、該導電ペーストを上記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷する。
ついで、上面に導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを積層し、所定の大きさに切断した後、所定の温度で脱バインダー処理を行った後、700〜1400℃で焼成する。このようにして、柱状積層体10を作製する。
ここで、本実施形態1及び2で示した積層型電子部品を製造するためには、本製造方法の焼成工程において、第1の焼成工程と第2の焼成工程の2段階で焼成する。第2の焼成工程は、焼成温度が第1の焼成工程よりも高く、焼成雰囲気中の圧力が第1の焼成工程と同じ又は第1の焼成工程よりも低く、かつ、焼成雰囲気中の鉛濃度が第1の焼成工程と同じ又は第1の焼成工程よりも低くなるように設定される。
具体的には、焼成温度は、第1焼成工程及び第2焼成工程のいずれも700〜1400℃、好ましくは800〜1300℃、より好ましくは850〜1200℃の範囲に設定する。このとき、第2の焼成工程の焼成温度は、第1の焼成工程よりも10℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上高い温度に設定する。
焼成雰囲気中の圧力と焼成雰囲気中の鉛濃度については、第1の焼成工程において鉢を密閉した状態にすることによりグリーンシートからでる鉛を含む蒸気で加圧して、鉛雰囲気中の鉛濃度が高い状態にし、第2の焼成では鉢に開放部を設けることにより圧力及び鉛濃度の上昇を抑制する。焼成時間は、第1焼成工程及び第2焼成工程のいずれも1〜20時間、好ましくは2〜10時間、経済性を考えるとさらに好ましくは3〜6時間焼成する。
第1の焼成工程と第2の焼成工程はバッチ炉などで2回の焼成に分けてもかまわないが、トンネル炉などの連続炉において温度プロファイルや、空気導入管などを用いて、連続的に焼成する方が量産性の観点から好ましい。
バッチ炉で2回に分けて焼成する場合には、第2の焼成工程は、焼成温度が第1の焼成工程より高く、焼成雰囲気の圧力が第1の焼成工程よりも低く、かつ、焼成雰囲気中の鉛濃度が第1の焼成工程よりも低く設定されるのが好ましい。その理由は以下の通りである。
誘電体の磁器は鉛成分が存在することにより、液相を生成しやすくなり、緻密化が促進される。液相が生成しやすくなるのは、鉛の化合物は一般的に低融点であり、鉛成分と反応することにより低融点の化合物の液相が生成するためであると考えられる。そのため、第1の焼成工程では焼成温度を低くし、焼成雰囲気中の鉛濃度を高くし、圧力を高めて焼成することにより緻密化を促進させる。十分に緻密化させ圧電特性を安定化するにはこの第1の焼成工程において、前記誘電体層の相対密度が80〜99%、好ましくは85〜95%、さらに好ましくは90〜95%の範囲になるまで焼成し、その後、第2の焼成工程を行うことが好ましい。
このように第1の焼成工程において相対密度を向上させてある程度緻密化させる必要があるのは、第2の焼成工程では鉛成分が分解しやすく、緻密化が阻害されやすいためである。しかしながら、第1の焼成工程で緻密な焼結体は得られるが、この段階では液相を生成した成分がそのまま粒界に残りやすい。したがって、第1の焼成工程だけでは、先に述べたように、高温動作度における強度特性を劣化させてしまう。特に銀などの内部電極成分を多く含む積層型電子部品においては、電極成分の拡散により、粒界に残りやすくなる。
そのため第2の焼成工程では、この液相を生成して、粒界に残りやすい鉛を含む成分を積極的に排出させる必要がある。具体的には焼成温度を第1の焼成工程よりも高く、鉢内の圧力を低くして、鉛の濃度を低くする。これにより、鉛の成分が排出されやすくなり、最終的に粒界に残る鉛化合物が少なくなり、初期の目的である高温強度特性に優れる誘電体を得られるのである。
また、このような焼成方法を用いると過剰な鉛が排出される。さらに、活性部の両側に不活性部を有する積層体では、活性部における不活性部近傍の鉛は不活性部からの鉛の供給により、活性部の中央付近における鉛の量より少なくなる。そのため、ペロプスカイト構造における(Aサイト/Bサイト)比が活性部の中央付近と比べて若干高くなり、活性部における不活性部に近い部分では、誘電率が高くなる。これにより、分極時に伸びにくくなるため、実施形態2で説明した、活性部における不活性部に近い部分の応力を緩和できる積層型電子部品が作製される。
さらに、活性部の中央部は不活性部近傍に比べ液相を形成させやすい銀などからなる内部電極の存在密度が高い。そのため、このような焼成方法を用いると、活性部の中央部付近では不活性部近傍に比べ焼成の初期段階の低温時点から液相が形成されて、液相中に含まれる鉛成分の移動を生じやすくすることができる。
また、鉛は揮発温度が低いため、焼成工程の最も高い温度では積層体の素子表面から揮発して、積層体の粒界から排出される。そのため、液相が形成される活性部の中央近傍は、不活性部よりも鉛の揮発が大きくなりペロプスカイト構造におけるA/B比のAサイトを構成する鉛成分を不活性部近傍に比べて小さいものとすることができ、活性部の中央部付近よりも不活性部近傍の誘電率が高くなる。その結果、分極がかかりにくく、活性部の中央部付近よりも不活性部近傍が伸びにくくなるため、活性部の中央部付近よりも変位量の小さな層を不活性部との間に備えることができ、活性部と不活性部との間の応力を緩和することができる。
したがって、上述したような、製造方法によれば、図4に示すように、最も上面側に位置する最上内部電極と、最上内部電極の次に上面側に位置する内部電極との間に配置された誘電体層における誘電率(ε1)と該誘電体層より下面側に位置する誘電体層の誘電率(ε4、ε5…)および/または、前記最も下面側に位置する最下内部電極と、最下内部電極の次に下面側に位置する内部電極との間に配置された誘電体層における誘電率(ε2)と該誘電体層より上面側に位置する誘電体層の誘電率(ε6、ε7…)が、活性部8中央付近において隣り合う2つの内部電極間に配置された誘電体層の誘電率(ε3)に向かって順次低下する部分を備えた積層型電子部品を製造でき、活性部8と不活性部9との間の応力を、誘電体層の厚みを変えることなく十分に緩和することができる。
このように、本製造方法では、誘電体層および内部電極を焼成する匣鉢に設けた開口により、焼成雰囲気における鉛濃度を調整することで可能となる。開口部は鉢のどの部分にあってもかまわないが、鉢に孔を開けたり、上下のふたにスペーサーを置くことによって可能となる。製品から分解してきた鉛を含む蒸気は、この開口部から排出され、過剰な圧力上昇や、鉛雰囲気を避けることができる。
また、焼成雰囲気における鉛濃度の調整は、匣鉢の内部に、又は匣鉢に隣接して鉛吸収材料を配置することによっても可能となる。この上記鉛吸収材料は、Al、ZrOまたはMgOであることが好ましい。これらの材料は鉛と反応しやすいため、焼成中の製品から分解して排出される過剰の鉛成分を吸収することができる。これらの材料は焼結体でも生製品でもかまわないが、生製品は反応が過剰になるため焼結体が好ましい。
さらに、第2の焼成工程では、匣鉢の内部と外部の圧力がほぼ同じであることが好ましい。開口部が大きすぎたり、吸収材料が多すぎて内部の圧力を下げすぎると、緻密になった焼結体から過剰に鉛成分が分解し、本来の圧電性を示さなくなるおそれがあるためである。
本発明の製造方法において、第1焼成工程及び第2焼成工程の焼成温度、圧力及び鉛濃度が好ましい範囲に設定されているか否かを判別するには、焼成前後の重量変化率を一つの目安とすることができる。本発明では、焼成前後における重量変化率(重量減少率)が、0.1〜3%、好ましくは0.5〜2%、より好ましくは1〜1.5%であるのがよい。重量変化率が0.1%未満では鉛の排出が不十分であり、結晶粒界に粒径0.01μm以上の鉛化合物が多く残存して絶縁性が低下するおそれがある。一方、重量変化率が3%を超えると、誘電体層の組成が所望の範囲から外れるおそれがあり、その場合、所望の特性が得られなくなるおそれがある。
連続炉で焼成する場合には、第2の焼成工程は、焼成温度が第1の焼成工程より高く、焼成雰囲気の圧力が第1の焼成工程とほぼ同じで、かつ、焼成雰囲気中の鉛濃度が第1の焼成工程とほぼ同じになるように設定されるのが好ましい。連続炉を用いた焼成においては、予め匣鉢に設けた開口を適当な大きさに調整した鉢を用いることにより、第1の焼成工程と第2の焼成工程の鉛濃度および圧力がほぼ同じになるとともに、第1の焼成工程では焼結に必要な鉛が焼成雰囲気中に存在し、第2の焼成工程では焼成雰囲気中に余分な鉛が存在しない状態となって、所望の製品を得ることができる。連続炉における焼成条件が適当であるか否かを判別するには、上記したように焼成前後の重量変化率を一つの目安とすればよい。重量変化率が上記範囲内となるように匣鉢の開口の大きさを調整すればよい。
<実施形態3>
また、本発明に係る実施形態3の積層型電子部品は、複数の誘電体層1と複数の内部電極2とを含み、誘電体層1と内部電極2とが交互に積層されてなる四角柱状の積層体10と、この積層体10の対向する2つの側面10a,10bに配設された一対の外部電極4を有してなり、表面に露出した誘電体層の結晶粒界には、2属元素化合物が析出している。尚、本実施形態3の積層型電子部品において、内部電極、外部電極及びそれらの接続構造については、実施形態1と同様である。
このように、耐湿度性が高い2属元素化合物が表面に析出していると、水分の磁器内への浸入を防ぐことができ、積層型電子部品の耐湿度性を向上させることができる。特に、2属元素のなかでも、より効果的に耐湿度性を向上させることができる、アルカリ土類金属(Ca,Sr,Ba,Ra)元素化合物が表面に析出していることがより好ましく、よりいっそう好ましくは、鉛と置換して固溶しやすく、析出させやすいバリウム(Ba)又はストロンチウム(Sr)元素化合物を析出させる。
尚、2族元素とは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raである。
また、表面の粒界に析出させる2属元素化合物は、ペロブスカイト構造の組成式ABOにおけるAサイトに固溶できる2属元素イオンを含む化合物であることが好ましい。このような2属元素イオンは、誘電体を構成する鉛と置換して固溶しやすく、かつ表面に析出させやすく、しかも析出した化合物と磁器との密着性を向上させることができる。また、2属元素化合物は、異方性がなく、特定の方向からの応力にも強い非晶質であることが好ましい。
また、2属元素化合物は、積層型電子部品の側面において最も変位が大きく、応力がかかる内部電極近傍に析出していることが好ましい。また、析出した2属元素化合物の粒径は、充填度を上げ、かつ密着強度を上げるために、積層型電子部品の表面における誘電体層の結晶粒径よりも小さいことが好ましい。さらに、誘電体層は、特に2属元素化合物を固溶しやすく、析出させやすいため耐湿度性が向上しやすいチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とすることが好ましい。
尚、本実施形態3の積層型電子部品においてさらに、実施形態1と同様、誘電体層1の結晶粒界における鉛化合物の粒径を制限、又は誘電体層1の結晶粒界における鉛化合物の量を制限するようにしてもよく、これにより、実施形態1の積層型電子部品に比較して、より耐湿特性に優れ、高電圧、高温下、高湿度下で繰り返し作動させることを可能な積層型電子部品を提供することができる。
以下、実施形態3に係る積層型電子部品の製造方法について説明する。
以下に説明する本実施形態3の製造方法は、実施形態1及び2の積層型電子部品の製造方法においてさらに、2属元素化合物を積層型電子部品の側面に析出させることができる方法である。
すなわち、本実施形態3に係る積層型電子部品の製造方法は、鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品の製造方法であって、鉛元素を含む誘電体材料の粉末を含む複数の成形体と、主に金属材料からなる複数の内部電極層とを積層して焼成前積層体を成形する成形工程と、前記焼成前積層体を匣鉢内において、鉛雰囲気中で焼成を行なう第1焼成工程と、前記第1焼成工程よりも、焼成温度が高くかつ濃度が低い鉛雰囲気中で焼成を行なう第2焼成工程と、を含んでおり、前記第1焼成工程において、前記誘電体材料及び金属材料の粒界に、鉛元素を含む液相が形成されるとともに、前記第2焼成工程において、前記液相中の鉛元素を積層体の外部に排出することを特徴としている。液相中に鉛成分を含ませることにより、焼結性を上げるとともに、過剰の鉛成分を外部に排出させやすくするためである。具体的には、その成形工程において、鉛元素を含む誘電体材料の粉末に2属元素を添加し、前記第1焼成工程において、前記液相には、前記2属元素が含まれており、前記第2焼成工程において、前記2属元素の化合物を前記積層体の表面において析出させることを特徴としている。2属元素成分を添加し、焼成中に外部に析出させることにより、表面に微小な2属元素化合物を析出させることができ、耐湿度性を向上させることができるのである。
この製造方法で得られた柱状の積層体は、焼成後そのままの形状であれば2属元素化合物が表面に析出しているため耐湿度性の効果が得られるが、その形状を整えるために、平面研削盤等で研削されてもよい。平面研削盤以外では、ロータリー研磨機や両頭研磨機等を用いた研磨方法でも良い。さらに、これらの研削後、あるいはこれらの研削に代えて炭化珪素やアルミナの砥粒を用いたラップ研磨や、ポリッシングで加工してもよい。砥粒の粒度は#1000から#3000が好ましい。研削することにより析出させた2属元素化合物は除去されてしまうが、加工後800℃以上の温度で熱処理することにより2属元素化合物を再度析出させることができ、同様の効果を得ることができる。
上記のようにして、複数の誘電体1と複数の内部電極2を交互に積層して成る柱状積層体10が作製される。さらに、柱状積層体10の対向する2つの側面10bにおいて、内部電極2の端部を互い違いで一層置きに絶縁体3により絶縁され、内部電極の絶縁されていない他方の端部には、外部電極4が接続され、該外部電極4にリード線6を接続することによって、本発明の積層型電子部品が得られる。
<噴射装置>
図5は、本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す概略断面図である。図5に示すように、本実施形態にかかる噴射装置は、一端に噴射孔33を有する収納容器31の内部に上記実施形態に代表される本発明の積層型電子部品が収納されている。収納容器31内には、噴射孔33を開閉することができるニードルバルブ35が配設されている。噴射孔33には燃料通路37がニードルバルブ35の動きに応じて連通可能に配設されている。この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で図示しない内燃機関の燃料室内に噴出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ35の上端部は内径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41が配置されている。そして、収納容器31内には、上記した積層型電子部品を備えた圧電アクチュエータ43が収納されている。
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
また、本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、上記積層型電子部品とを備え、容器内に充填された液体が積層型電子部品の駆動により噴射孔から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、素子が必ずしも容器の内部にある必要はなく、積層型電子部品の駆動によって容器の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本発明において、液体とは、燃料、インクなどの他、種々の液状流体(導電性ペースト等)が含まれる。
なお、本発明は、積層型電子部品および噴射装置に関するものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置、振動防止装置等に搭載される駆動素子(圧電アクチュエータ)、並びに燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、並びに圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子等に適用することができる。また、これら以外であっても圧電特性を用いた素子であれば、本発明を適用することが可能である。
<燃料噴射システム>
図6は、本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システムを示す概略図である。図6に示すように、本実施形態にかかる燃料噴射システム51は、高圧燃料を蓄えるコモンレール52と、このコモンレール52に蓄えられた燃料を噴射する複数の上記噴射装置53と、コモンレール52に高圧の燃料を供給する圧力ポンプ54と、噴射装置53に駆動信号を与える噴射制御ユニット55と、を備えている。
噴射制御ユニット55は、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御するものである。圧力ポンプ54は、燃料タンク56から燃料を1000〜2000気圧程度、好ましくは1500〜1700気圧程度にしてコモンレール52に送り込む役割を果たす。コモンレール54では、圧力ポンプ54から送られてきた燃料を蓄え、適宜噴射装置53に送り込む。噴射装置53は、上述したように噴射孔33から少量の燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
(実施例1)
実施例1では、先ず、PZTを主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、有機高分子からなるバインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、スリップキャスティング法で厚み150μmのセラミックグリーンシートを作製した。
このグリーンシートの片面に、主成分である銀とパラジウムの比率が7:3であり、この主成分100重量部に対して上記圧電セラミックスを30重量部添加した導電性ペーストをスクリーン印刷法により5μmの厚みに印刷し、導電性ペーストを乾燥させる。そして、該導電性ペーストが塗布された複数のグリーンシートを300枚積層し、さらに、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていないグリーンシートを上側10枚、下側20枚積層した。
次に、この積層体を100℃で加熱を行いながら加圧することにより一体化し、縦・横の寸法8mm×8mmの大きさの四角柱状に切断した後、800℃で10時間の脱バインダー処理を行った。次に、バッチ炉を用いて、表1に示す焼成条件で誘電体1と内部電極2からなる積層体を同時焼成して、図1に示すような柱状積層体10を得た。また、脱バインダー処理後の重量と焼成後の重量から重量変化率を求めた。
得られた柱状積層体10の4つの側面を、0.2mmずつ研削加工、面取りを行って評価用試料を作製し、150℃における3点曲げにて抗折強度を測定した。
また、実際の製品は柱状積層体10の対向する2つの側面10a,10bにおいて、内部電極2端部を含む誘電体1の端面で互い違いになるよう、一層おきに深さ200μm、積層方向の幅75μmの溝を形成する。そして、これらの溝にシリコーンゴムを充填して絶縁体3を形成し、内部電極2の端部を一層おきに柱状積層体10の対向する2つの側面10a,10bに露出させた。
この後、柱状積層体10の対向する2つの側面10a,10bに、銀とポリイミド樹脂から成る導電性接着剤を塗布し、該導電性接着剤中にメッシュ部材を埋め込み、この状態で200℃に加熱し、硬化することにより、外部電極4を形成した。
この後、両方の外部電極4にリード線6を半田で接続し、積層型電子部品の外周面をアルコール等で洗浄した後、プライマー等で表面処理することによって樹脂の密着性を向上させ、ディッピング等の方法でシリコーンゴムを被覆した後に、1kVの分極電圧を印加して積層型電子部品全体を分極処理し、図1に示す本発明の積層型電子部品を得た。
得られた積層型電子部品に200Vの直流電圧を印加した結果、各積層型電子部品は30μmの変位を得た。
誘電体の結晶粒界における鉛化合物の量、及び鉛とジルコニアの重量比率は、以下のようにして測定した。
焼結体から厚さ1mmの平板を切り出し、#3000のサンドペーパーにより薄層化し、TEM観察用のサンプルとした。TEM観察により観察領域100μm(10μm角)の場所を5点測定し、粒界に存在する鉛化合物の大きさと量を求めた。表1には、測定個所5点の平均値を記載した。また、表1中の「Pb化合物量」とは、粒径0.01μm以上の鉛化合物の個数を表す。ここでいう粒径は、鉛化合物の最大径のことを意味する。
また、焼結体から厚さ5mmの平板を切り出し、上下面を#3000のダイヤモンドペーストで鏡面研磨し、この平板を50%酢酸溶液に90℃で60分浸漬させ、酢酸溶液から平板を取り除いた後にこの酢酸溶液の成分をICP−MS装置で分析しPbとZrの重量比を求めた。
各試験結果は表1に示す通りである。
(実施例2)
実施例1と同様にして作製した柱状積層体を、表2に示す材料を鉢内の製品周囲に配置した状態で焼成した。実施例1と同様に評価を行った。結果は表2に示す通りである。
(実施例3)
実施例1と同様なPZTを主成分とし、表3に示す2属元素化合物を添加した圧電セラミックスの仮焼粉末に、有機高分子からなるバインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、スリップキャスティング法で厚み150μmのセラミックグリーンシートを作製した。以下実施例1と同様に作製した柱状積層体を、表3に示す条件で焼成した。その後走査型電子顕微鏡(SEM)により表面の析出物を確認した。さらに湿度90%80℃に24時間保持後実施例1と同様に150℃における抗折強度の評価を行った。結果は表3に示す通りである。
また、実際の製品は柱状積層体10の対向する2つの側面10a,10bにおいて、内部電極2端部を含む誘電体1の端面で互い違いになるよう、一層おきに深さ200μm、積層方向の幅75μmの溝を形成し、これらの溝にシリコーンゴムを充填して絶縁体3を形成し、内部電極2の端部を一層おきに柱状積層体10の対向する2つの側面10a,10bに露出させた。
この後、柱状積層体10の対向する2つの側面10a,10bに、銀とポリイミド樹脂から成る導電性接着剤を塗布し、該導電性接着剤中にメッシュ部材を埋め込み、この状態で200℃に加熱し、硬化することにより、外部電極4を形成した。
この後、両方の外部電極4にリード線6を半田で接続し、積層型電子部品の外周面をアルコール等で洗浄した後、プライマー等で表面処理することによって樹脂の密着性を向上させ、ディッピング等の方法でシリコーンゴムを被覆した後に、1kVの分極電圧を印加して積層型電子部品全体を分極処理し、図1に示す本発明の積層型電子部品を得た。
得られた積層型電子部品に200Vの直流電圧を印加した結果、各積層型電子部品は30μmの変位を得た。
(実施例4)
表4に示すように焼成条件を変えて、実施例1と同様に作製した柱状積層体を、150℃において、0〜+200Vの交流電界を200Hzの周波数にて印加し、それぞれ10個の試料について駆動試験を行った。この駆動試験において1×10サイクル後の素子の伸び量を比較した。また柱状積層体は外部電極を印刷する前に、測定したい層を挟む内部電極にプロ-ブをたててインピーダンスアナライザー(HP−4292A)で測定周波数1kHzのCpacitanceを測定した。その上で圧電体の厚みをもとに、誘電率を算出した。なお片側だけ外部電極を焼き付けて、反対側の1層ごとにプローブを立てて測定しても良い。さらに各層のA/B比をXRDのリートベルト解析から求めた。結果は表4に示す通りである
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Figure 0004954897
この表1、2、3、4から、比較例である試料番号5、12では、第2の焼成工程で隙間も、吸収材もなく、鉢内の圧力、鉛濃度が第1の焼成工程より高いため、粒界に存在する鉛化合物の量が3個以上なり、さらに酢酸溶液中に溶出するPb/Zrが100以上あったために、高温での強度が低くなった。また試料番号13では2属元素の添加がないため湿中放置で強度が劣化している。さらに試料番号23は鉢を密閉しているため、鉛の揮発がなく、組成差を生じない。そのため、不活性部近傍の誘電率も中央部と同じになり耐久性に劣っている。
これらに対して、粒界に存在するPb化合物の量が観察領域100μm当たり2個以下であり、酢酸中に流出する鉛とジルコニアの重量比率(Pb/Zr)が100以下の本発明の実施例(試料番号1〜4,6〜11)では、高温での強度に優れていた。また2属元素を添加し、表面に析出させた実施例(試料番号14〜18)では湿中放置での強度劣化は見られない。ふた開き焼成し、鉛を揮発させ、組成差を生じさせて活性部の中央付近の誘電体層に比べて不活性部近傍の誘電体層の誘電率が高い実施例(試料番号19〜22)は耐久性に優れている。

Claims (35)

  1. それぞれPbを含むペロブスカイト構造の焼結体からなる複数の誘電体層と複数の内部電極とを備え、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された積層型電子部品であって、
    記誘電体層の結晶粒界に残留する鉛化合物のうち、粒径が0.01μm以上の粒子の数が100μm当たり平均して2個以下になるように制限されたことを特徴とする積層型電子部品。
  2. それぞれPbとZrを含むペロブスカイト構造の化合物を有する焼結体からなる複数の誘電体層と複数の内部電極とを備え、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された積層型電子部品であって、
    前記誘電体層の結晶粒界に残留する鉛化合物の量が、前記誘電体層を酢酸で溶解したときに、前記鉛化合物から溶け出した前記酢酸中の鉛の量が結晶粒から前記酢酸中に溶け出したZrの量に対して100倍以下となるように、制限されたことを特徴とする積層型電子部品。
  3. 前記誘電体層の表面に露出した結晶粒界に、2属元素化合物が析出した請求項1又は2に記載の積層型電子部品。
  4. 鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品であって、前記誘電体層の結晶粒界における粒径0.01μm以上の鉛化合物の存在個数が、観察領域100μm当たり2個以下であることを特徴とする積層型電子部品。
  5. 鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品であって、前記誘電体層の少なくとも一部を酢酸中で溶解させたときに酢酸中に流出する鉛とジルコニアの重量比率(Pb/Zr)が100以下であることを特徴とする積層型電子部品。
  6. 前記誘電体における結晶粒子の平均粒径が1μm以上である請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  7. 前記誘電体層に含まれる銀が0.5重量%以下である請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  8. 前記誘電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とすることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  9. それぞれPbを含むペロブスカイト構造の化合物を有する焼結体からなる複数の誘電体層と複数の内部電極とを備え、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された積層型電子部品であって、
    前記積層型電子部品の表面において、誘電体層の結晶粒界には、2属元素化合物が析出していることを特徴とする積層型電子部品。
  10. 前記2属元素化合物は、アルカリ土類金属化合物である請求項9記載の積層型電子部品。
  11. 前記2属元素化合物の2属元素は、バリウム(Ba)又はストロンチウム(Sr)であることを特徴とする請求項10に記載の積層型電子部品。
  12. 前記2属元素化合物は、ペロブスカイト構造の組成式ABOにおけるAサイト原子に置換して固溶されている2属元素イオンと同じイオンを含むことを特徴とする請求項11に記載の積層型電子部品。
  13. 前記2属元素化合物が非晶質であることを特徴とする請求項9〜12のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  14. 前記2属元素化合物は、前記積層型電子部品の側面において内部電極近傍に析出していることを特徴とする請求項9〜13のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  15. 前記2属元素化合物の析出物の粒径は、前記積層型電子部品の表面における誘電体層の結晶粒径よりも小さいことを特徴とする請求項9〜14のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  16. 前記誘電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とすることを特徴とする請求項9〜15のうちのいずれか1つに記載の積層型電子部品。
  17. それぞれ鉛元素を含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含む積層型電子部品の製造方法であって、
    前記誘電体層となる誘電体粉末を含むシートと前記内部電極となる金属粉末を含む金属層とを交互に積層して積層体を作製する工程と焼成工程とを含み、
    該焼成工程が、焼成条件の異なる第1の焼成工程と第2の焼成工程を含み、前記第2の焼成工程は、焼成温度が前記第1の焼成工程より高く、焼成雰囲気の圧力が前記第1の焼成工程と同じ又は第1の焼成工程よりも低く、焼成雰囲気中の鉛濃度が前記第1の焼成工程と同じ又は第1の焼成工程よりも低いことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  18. 前記第2の焼成工程の焼成雰囲気中の圧力が前記第1の焼成工程よりも低い請求項17に記載の積層型電子部品の製造方法。
  19. 前記第2の焼成工程の焼成雰囲気中の鉛濃度が前記第1の焼成工程よりも低い請求項17又は18に記載の積層型電子部品の製造方法。
  20. 前記誘電体層および内部電極を焼成する匣鉢に設けた開口により前記鉛濃度を調整する請求項17〜19のいずれかに記載の積層型電子部品の製造方法。
  21. それぞれPbを含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含む積層型電子部品の製造方法であって、
    前記誘電体層となる誘電体粉末を含むシートと前記内部電極となる金属粉末を含む金属層とを交互に積層して積層体を作製する工程と焼成工程とを含み、
    該焼成工程が、第1の焼成工程と第2の焼成工程を含み、前記第1の焼成工程では、前記積層体が内部に配置された匣鉢を密閉した状態で焼成を行い、前記第2の焼成工程では、匣鉢の一部を開放した状態で焼成を行い、該第2の焼成工程の焼成温度が前記第1の焼成工程よりも高いことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  22. 前記匣鉢の内部に、又は匣鉢に隣接して鉛吸収材料を配置する請求項21に記載の積層型電子部品の製造方法。
  23. 前記鉛吸収材料が、Al、ZrO及びMgOからなる群から選択された少なくとも1つである請求項22に記載の積層型電子部品の製造方法。
  24. 前記第2の焼成工程では、前記匣鉢の内部と外部の圧力がほぼ同じである請求項21〜23のいずれかに記載の積層型電子部品の製造方法。
  25. 前記第1の焼成工程において、前記誘電体層の相対密度が80〜99%の範囲になるまで焼成し、その後、第2の焼成工程を行う請求項17〜24のいずれかに記載の積層型電子部品の製造方法。
  26. 焼成前後における重量変化率が0.1〜3%である請求項17〜25のいずれかに記載の積層型電子部品の製造方法。
  27. 鉛元素を含む複数の誘電体層と、複数の内部電極とを交互に積層した積層型電子部品の製造方法であって、鉛元素を含む誘電体材料の粉末を含む複数の成形体と、主に金属材料からなる複数の内部電極層とを積層して焼成前積層体を成形する成形工程と、前記焼成前積層体を匣鉢内において、鉛雰囲気中で焼成を行なう第1焼成工程と、前記第1焼成工程よりも、焼成温度が高くかつ濃度が低い鉛雰囲気中で焼成を行なう第2焼成工程と、を含んでおり、前記第1焼成工程において、前記誘電体材料及び金属材料の粒界に、鉛元素を含む液相が形成されるとともに、前記第2焼成工程において、前記液相中の鉛元素を積層体の外部に排出することを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  28. 前記成形工程において、鉛元素を含む誘電体材料の粉末に2属元素化合物を添加して、前記液相に前記2属元素が含まれるようにし、前記第2焼成工程において、前記2属元素の化合物を前記積層体の表面に析出させることを特徴とする請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
  29. 前記2属元素はアルカリ土類金属であり、前記2属元素化合物はアルカリ土類金属化合物である請求項28に記載の積層型電子部品の製造方法。
  30. 鉛を含む複数の誘電体層と複数の内部電極とを含み、前記誘電体層と前記内部電極とが交互に積層された活性積層部と、
    前記活性積層部の積層方向の上面に設けられた上不活性部と、
    前記活性積層部の積層方向の下面に設けられた下不活性部と、を備え、
    前記内部電極のうち、最も上に位置する最上内部電極と、その最上内部電極の次に位置する内部電極との間に配置された第1上部誘電体層の誘電率ε1、及び前記内部電極のうち、最も下に位置する最下内部電極と該最下内部電極の次に位置する第2下部内部電極との間に配置された第1下部誘電体層の誘電率ε2が、前記活性積層部の中央部に配置された中央誘電体層の誘電率ε3より大きいことを特徴とする積層型電子部品。
  31. 前記第1上部誘電体層と前記中央誘電体層の間に、ε1からε3の範囲の誘電率を有する複数の誘電体層を含み、該複数の誘電体層の誘電率は中央部に向かって順次減少することを特徴とする請求項30に記載の積層型電子部品。
  32. 前記第1下部誘電体層と前記中央誘電体層の間に、ε2からε3の範囲の誘電率を有する複数の誘電体層を含み、該複数の誘電体層の誘電率は中央部に向かって順次減少することを特徴とする請求項30に記載の積層型電子部品。
  33. 前記内部電極が銀を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項30〜32のいずれかに記載の積層型電子部品。
  34. 噴出孔を有する容器と、請求項1〜16及び30〜33のいずれかに記載の積層型電子部品とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型電子部品の駆動により前記噴射孔から噴射するように構成されたことを特徴とする噴射装置。
  35. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、
    このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する請求項34に記載の噴射装置と、
    前記コモンレールに高圧の燃料を供給する圧力ポンプと、
    前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットと、
    を備えた燃料噴射システム。
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