JP5328750B2 - 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置 - Google Patents
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ZT系圧電セラミックスが開示されている。
が低下することや、磁器表面だけでなく、内部の結晶粒にもダメージを与え、耐久性が低下するという問題がある。
もに、前記Siが前記圧電セラミックスの結晶粒界に偏析し、前記Siが明確なガラス相として存在せず、単分子程度のSiO2として存在していることを特徴とするものである。
抵抗の経時変化を小さくすることができ、そのため、積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置を、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合でも、外部電極と内部電極とが断線することがなく、耐久性に優れた積層型圧電素子、噴射装置を提供することが可能となる。
分とする導電材とガラスからなり、且つ3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極4を接合し、各外部電極4にリード線5を接続固定して構成されている。尚、符号6は不活性層である。
より、積層型圧電アクチュエータは電圧を印加して、より大きな変位量を得るために積層数を増加させたとしても、アクチュエータの小型化、低背化ができるとともに、圧電体1の絶縁破壊を防止できる。
を減らすことができるため、安価な積層型圧電素子を提供することができる。しかし、第1b族金属の含有量を減らすと合金金属の融点が低下するため、1000℃以下の低温でも焼結する磁器でなければ用いることができない。磁器組成中にSiを5重量ppm以上100
重量ppm未満含有していると磁器の結晶が成長しやすくなり、より低温で焼結しやすくなる。また、前記範囲のSi含有量であれば圧電特性に悪影響を及ぼさない。
pm未満であることを特徴とする。Siは磁器の強度を向上させる効果があり、前記範囲のSi含有量であれば、粒界にSiが偏析して、結晶粒間の結合が強くなるため、加工時や超音波洗浄時等に脱粒しにくくなる。また、体積固有抵抗の劣化機構で、直流電界によって誘発される結晶粒界の劣化が磁器の劣化に対応していることが知られている。圧電セラミックスでは結晶粒界は結晶粒の内部よりも高い抵抗率を有していることが知られ、直流電界が印加された場合、Maxwell−Wagnerタイプの分極が結晶粒界に強い電界を発生さ
せる。この電界が局所的な絶縁破壊をもたらすことにより、磁器の体積固有抵抗が劣化すると考えられている。以上のような点からSi含有量が100重量ppm以上では、粒界に
ガラス相を形成するため、粒界での抵抗率が高まり、粒界に強い電界が発生し、局所的な絶縁破壊を起こすため、体積固有抵抗の劣化が起こりやすい。100重量ppm未満では粒
界に明確なガラス相は形成せず、単分子程度のSiO2として存在している。そのため、
粒界での抵抗率が低くなり、局所的な絶縁破壊を起こりにくくすることができる。一方、Si含有量が5重量ppm未満では、結晶粒間の結合力を向上させる効果が小さいため、加工時や超音波洗浄時に脱粒しやすくなる。
範囲であれば含んでいても構わない。
偏析し、粒界層の厚さは1nm以下となる。これにより、磁器の強度を高めつつ、さらに圧電歪定数などの特性には、ほとんど影響を与えず、体積固有抵抗の経時変化を小さくすることができる。これは、結晶粒内にSiが固溶すると圧電特性が著しく低下するが、結晶粒界に偏析すれば圧電歪み特性に対する影響を小さくできるからである。結晶粒界層の厚さが1nmを超えると、結晶粒界に明確なガラス相を形成する。粒界にガラス相があると、粒界の抵抗率が高くなるため結晶粒界で微少な絶縁破壊を起こしやすくなる。そのため、Siは結晶粒界にガラス相として存在するよりも単分子レベルで存在している方がよい。
5μmであり、その標準偏差をBとした時にB/Aが0.5以下であり、平均ボイド径Cが0.5〜5μmであり、その標準偏差をDとした時にD/Cが0.25以下、且つボイド率が5%以下であるとき、外部からの衝撃や繰返疲労に対して強くなる。また、急激に漏れ電流が増加し破壊に到る破壊モードは、なだれモードとして周知であるが、この原因はクラック、ボイドなどの構造欠陥に起因するため、磁器の微構造が均一であれば、例えばアクチュエータとして用いた場合、連続駆動時の体積固有抵抗の経時変化が小さくなるため、高い信頼性が得られる。
することは、原料の微粒化や焼成温度の問題から製法上困難である。このことから磁器の平均結晶粒径は1〜3μmであることが好ましい。
が均一でなくなり、大きな欠陥や結晶粒が存在するようになる。そのため、外部からの衝撃や繰返疲労によって破壊されやすくなることや、体積固有抵抗が劣化しやすくなり、信頼性が低くなる。
ることは、原料の微粒化や焼成温度の問題から安価にて製法することが困難である。
の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジオチル)、DOP(フタル酸ジブチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体1となるセラミックグリーンシートを作製する。
積層体1aが作製される。
し、柱状積層体1aを分極処理することによって、製品としての積層型圧電アクチュエータが完成し、リード線5を外部の電圧供給部に接続し、リード線5及び外部電極4を介して内部電極2に電圧を印加させれば、各圧電体1は逆圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
この収納容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容器31内には、噴射孔33を開閉することができるニードルバルブ35が収容されている。
焼結体が
Pb1−xBax(Zn1/3Nb2/3)a(Yb1/2Nb1/2)b(Co1/3Nb2/3)c(Fe2/3W1/3)dNbe[Zr0.48Ti0.52]1−a−b−c−d−eO3(ここで、x,a,b,c,d,eは1より小さい値)の組成になるように所定量秤量し、さらにSiO2を所定量秤量する。素原料中には不純物としてSiO2を含むが、できるだけ含有量の少ない原料を用いる。ボールミルで18時間湿式混合した後、次いで、この混合物を900℃で2時間仮焼し、当該仮焼物を再びボールミル等で湿
式粉砕する。
ート上にAgが90重量%、Pdが10重量%の比率からなる導電性ペーストを4μmの厚みにスクリーン印刷し、乾燥させた後、電極膜が形成されたグリーンシートを20枚(圧電歪定数d33を測定する際は200層)積層し、この積層体の積層方向の両端部に導電性ペース
トが塗布されていないグリーンシートを10枚積層した。
mm×横10mmに切断した後、800℃で10時間の脱バインダーを行い、1000℃にて焼成を
行い、1aに示す柱状積層体を作製した。その後、積層型圧電素子の2つの側面において、電極端部を含む圧電磁器の端部に該2側面において互い違いになるように、1層おきに深さ100μm、積層方向の幅50μmの溝を形成し、該溝部に絶縁体としてシリコーンゴム
を充填した。
線を接続し、積層型圧電素子の外周面にディッピングにより、シリコーンゴムを被覆した後、1kVの分極電圧を印加し、積層型圧電素子全体を分極処理して、図1に示すような本発明の積層型圧電素子を得た。得られた積層圧電素子について0〜200Vの電圧を印加
した時の変位量を測定するとともに、圧電歪定数d33を測定した。変位量の測定は上面にアルミニウム箔を張り付けた試料を防振台上に固定し、0〜200Vの電圧を試料に印加し
、レーザー変位計により素子の中心部および周囲部3箇所で測定した値の平均値で評価し
た。圧電歪定数d33は、積層数n=200と変位量ΔLおよび印加電圧V=200Vを用い、d33=ΔL/n・Vの式より算出した。
)試験を行なった。漏れ電流が増加し、絶縁破壊するまでの時間を測定した。条件は雰囲気温度300℃、電界2kV/mmにて試験を行なった。
界層厚さが1nmを超え、絶縁破壊に至るまでの時間も早いことがわかる。一方、Si含有量が5重量ppm未満の試料8、9、15では、耐脱粒性が低く、加工後や超音波洗浄後に脱粒が見られた。本発明のSi含有量が5重量ppm以上100重量ppm未満の範囲に
おいては、粒界層が1nm以下となり、電圧を印加しても体積固有抵抗が長時間変化せず、絶縁破壊が起こりにくいことがわかる。
囲にすることができれば、積極的にSiO2を添加せず、不純物としてSiO2を多めに含む出発原料を用いてもかまわない。
1a・・・・柱状積層体
2・・・・・内部電極
3・・・・・絶縁体
4・・・・・外部電極
5・・・・・リード線
6・・・・・不活性部
7・・・・・導電性補助部材
31・・・・収納容器
33・・・・噴射孔
35・・・・ニードルバルブ
37・・・・燃料通路
39・・・・シリンダ
41・・・・ピストン
43・・・・圧電アクチュエータ
45・・・・皿バネ
Claims (6)
- Siを含有するPZT系圧電セラミックスから成る圧電体層と内部電極層とを交互に積層して1000℃以下の温度で焼成して成る積層型圧電素子であって、前記圧電体層中に前記Siが5重量ppm以上100重量ppm未満含有されるとともに、前記Siが前記圧電セ
ラミックスの結晶粒界に偏析し、前記Siが明確なガラス相として存在せず、単分子程度のSiO2として存在していることを特徴とする積層型圧電素子。 - 前記結晶粒界の厚さが1nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
- 前記内部電極層の金属組成物が周期表第8族金属と第1b族金属とから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
- 前記内部電極の第8族金属の含有量をM1(重量%)、第1b族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0<M1<15、85<M2<100であることを特徴とする請求項3に記載の積層型圧電素子。
- 前記第8族金属がPt、Pdのうち少なくとも一種であり、第1b族金属がAu、Agのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項3または4に記載の積層型圧電素子。
- 噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された請求項1〜5のいずれかに記載の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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