JP4931334B2 - 噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型圧電素子を用いた噴射装置に関する。
来、積層型圧電素子としては、圧電体と内部電極を交互に積層した積層型圧電アクチュエータが知られている。積層型圧電アクチュエータには、同時焼成タイプと、圧電磁器と内部電極板を交互に積層したスタックタイプとの2種類に分類されており、低電圧化、製造コスト低減の面から考慮すると、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータが薄層化に対して有利であるために、その優位性を示しつつある。
図5は、従来の積層型圧電アクチュエータを示すもので、この積層型圧電アクチュエータでは、圧電体51と内部電極52が交互に積層されて積層体53が形成され、その積層方向における両端面には不活性層55が積層されている。内部電極52は、その一方の端部が積層体53の側面に左右交互に露出しており、この内部電極52の端部が露出した積層体53の側面に、外部電極70が形成されている。内部電極52の他方の端部は絶縁体61により被覆され、外部電極70とは絶縁されている。
また、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータは、圧電体の仮焼粉末と有機バインダーからなるセラミックグリーンシートに、銀−パラジウム粉末にバインダーを添加混合した内部電極ペーストを印刷したものを所定枚数積層して得られた積層成形体について、所定の温度で脱脂を行った後、焼成することによって、積層体を得ていた。
しかしながら、従来の積層型圧電アクチュエータでは、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合、外部電極と内部電極の接続部で接点不良を起こし、一部の圧電体に電圧が供給されなくなり、駆動時に変位特性が変化するという問題があった。
即ち、近年においては、小型の積層型圧電アクチュエータで大きな圧力下において大きな変位量を確保するため、より高い電界を印加し、長期間連続駆動させることが行われているが、導電性ペーストを単に積層体の側面に塗布し、焼き付けただけでは、外部電極と内部電極との接合が十分に行われずに、高電界で連続駆動させた場合に、外部電極が積層体側面および内部電極端部から剥離してしまい、接点不良が生じ、変位特性が低下してしまうといった問題が生じる可能性があった。
本発明は、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合でも、外部電極と内部電極とが断線することがなく、耐久性に優れた安価な積層型圧電素子を用いた噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納容器と、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる積層体と、該積層体の側面に設けられ、前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極とを具備してなるとともに、前記外部電極が導電材とガラスからなり、前記外部電極と前記圧電体との界面の圧電体表層部に亀裂を設け、該亀裂にガラス材料を充填して成る、前記収納容器内に収容された積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする。
また、前記ガラス材料が前記外部電極を構成するガラスと同一成分であることを特徴とする。
また、前記亀裂を前記界面から深さ方向で100μm以下の前記圧電体表層部に設けたことを特徴とする。
また、前記亀裂中のガラス材料の充填率が70%以上であることを特徴とする。
また、前記積層体と前記外部電極間にガラス層を形成したことを特徴とする。
このように、本発明の噴射装置によれば、噴射孔を有する収納容器と、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる積層体と、該積層体の側面に設けられ、前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極とを具備してなるとともに、前記外部電極が導電材とガラスからなり、前記外部電極と前記圧電体との界面の圧電体表層部に亀裂を設け、該亀裂にガラス材料を充填してなる、前記収納容器内に収容された積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることから、前記ガラス材料と前記外部電極を構成するガラスとが親和性よく接合するとともに、前記亀裂に充填されたガラス材料が前記圧電体における楔効果により、前記圧電体と接合強度を向上できるため、前記外部電極が前記積層体側面に強固に接合され、高電界で連続駆動させた場合においても前記外部電極が積層体側面から剥離するといった問題が生じるのを防ぐことができる。
また、本発明の噴射装置は、前記積層型圧電素子の外部電極と内部電極との断線を抑制できるため、高電界下においても、耐久性を大幅に向上することができる。
また、前記ガラス材料が前記外部電極を構成するガラスと同一成分であることにより、前記外部電極と前記圧電体との接合力をより強固にするとともに、前記外部電極を焼き付ける工程にて同時に前記亀裂にガラスを充填できるため、製造工程数を削減することができ、新たなガラス材料を添加する必要もない。
また、前記亀裂を前記界面から深さ方向で100μm以下の前記圧電体表層部に設けたことにより、前記亀裂にガラス材料を充填しやすくなるとともに、前記圧電体内部に発生する応力により前記亀裂からの破壊を抑制することができる。
また、前記亀裂中のガラス材料の充填率が70%以上であることにより、積層型圧電素子の連続駆動により前記亀裂から生じる破壊を低減できるとともに、前記外部電極と前記圧電体との接合力をより強固にすることができる。
また、前記積層体と前記外部電極間にガラス層を形成したことにより、前記外部電極を構成するガラスと前記ガラス材料とが前記ガラス層を介して強固に接合されるため、前記外部電極と前記圧電体との接合強度を容易に向上させることができる。
図1は本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータの一実施例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータは、図1に示すように、複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層してなる四角柱状の積層体10の側面において、内部電極2の端部を一層おきに絶縁体3で被覆し、絶縁体3で被覆していない内部電極2の端部に、銀を主成分とする導電材とガラスからなる外部電極4を接合し、各外部電極4にリード線6を接続固定して構成されている。
圧電体1の間には内部電極2が配されているが、この内部電極2は銀−パラジウム等の金属材料で形成されており、各圧電体1に所定の電圧を印加し、圧電体1に逆圧電効果による変位を起こさせる作用を有している。
これに対して、不活性層9は内部電極2が配されていない複数の圧電体1の層であるため、電圧を印加しても変位を起こさない。
また、積層体10の対向する側面には外部電極4が接合されており、この外部電極4には、積層されている内部電極2が一層おきに電気的に接続されているため、接続されている各内部電極2に圧電体1を逆圧電効果により変位させるに必要な電圧を共通に供給することができる。
さらに、外部電極4にはリード線6が半田等により接続固定されているため、外部電極4を外部の電圧供給部に接続することができる。
そして、本発明の積層型圧電アクチュエータでは、外部電極4が導電材とガラスからなり、外部電極4と圧電体1との界面の圧電体1表層部に亀裂1aを設け、該亀裂1aにガラス材料を充填している。これは、圧電体1表層部にガラス材料が充填された亀裂1aが存在しないと、外部電極4と圧電体1とを強固に接合し難くなるため、積層型圧電素子を長時間連続駆動させると、外部電極4が積層体側面から剥離してしまい、接点不良が生じ、変位特性が低下してしまう。
これに対して、本発明の積層型圧電アクチュエータでは、亀裂1aに充填されたガラス材料と外部電極4を構成するガラスとが親和性よく接合できるため、充填材の圧電体1に対する楔効果により、外部電極4と圧電体1との接合を強固なものとすることができる。ここで、上記した楔効果とは、図2(a)に示すように、外部電極4を構成するガラスが圧電体1に楔を打ち込んだ構造を有する亀裂内のガラス材料と接合することにより、外部電極4の圧電体1への接合強度が強くなるものである。これにより、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させる場合においても、外部電極4が積層体10側面から剥離することなく、優れた耐久性を有することができる。
尚、亀裂の向きは、図2(a)に示すように、外部電極4と圧電体1との界面に対して垂直であっても、傾斜していても構わない。また、亀裂1aの先端が内部電極2に達していてもよく、内部電極2側から亀裂1aが進展していても構わない。
併せて、亀裂1aに充填するガラス材料の軟化点を抑制することにより、圧電体1の焼成温度よりも十分に低い温度で亀裂1aに充填することができるため、圧電体1の特性変化を抑制することができる。
上記ガラス材料は、ガラスを主成分とする材料で構成されており、ガラス成分としては、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリけい酸ガラス、アルミノほうけい酸塩ガラス、ほうけい酸塩ガラス、アルミノけい酸塩ガラス、ほう酸塩ガラス、りん酸塩ガラス、鉛ガラス等を用いる。
例えば、ほうけい酸塩ガラスとしては、SiO40〜70質量%、B2〜30質量%Al0〜20質量%、MgO、CaO、SrO、BaOのようなアルカリ土類金属酸化物を総量で0〜10質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%含有するものを使用することができる。また、上記ほうけい酸塩ガラスに、5〜30質量%のZnOを含むようなガラスとしても構わない。ZnOは、ほうけい酸塩ガラスの作業温度を低下させる効果がある。
また、りん酸塩ガラスとしては、P40〜80質量%、Al0〜30質量%、B0〜30質量%、ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物0〜30質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
また、鉛ガラスとしては、PbO30〜80質量%、SiO0〜70質量%、Bi0〜30質量%、Al0〜20質量%、ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物0〜30質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
また、上記親和性を向上させるために、外部電極4を構成するガラスと亀裂に充填されるガラス材料は同等の主成分を有する組成であることが好ましい。
尚、亀裂1aに充填されたガラスの有無、および後述する亀裂1aに充填されたガラスの充填率に関しては、EPMA(電子線プローブ微小部分析)でのガラス構成元素の面分析によって確認できる。
さらに、亀裂1aに充填されたガラス材料が外部電極4を構成するガラスと同一成分であることが望ましい。これは、同一のガラス成分を使用することにより、外部電極4と圧電体1との接合力をより強固にするとともに、外部電極4を焼き付ける工程にて同時に亀裂1aにガラスを充填できるため、製造工程数を削減することができる。
さらに、亀裂1aを外部電極4と圧電体1との界面から深さ方向tで100μm以下の圧電体1表層部に設けることが望ましい。これは、亀裂1aを前記界面から深さ方向tで100μmを超えた圧電体1表層部に設けると、亀裂1aにガラス材料を充填し難くなるとともに、亀裂1aが圧電体表層部から深部へ進展し、破壊の起点になったり、内部電極2を断線してしまう可能性があるためである。尚、亀裂1aの長さの測定は、外部電極4と接合されている圧電体1表層部の任意の断面をSEM(走査電子顕微鏡)にて観察して求めた。尚、倍率は2000倍、測定個所は10ヶ所とした。
さらに、亀裂1a中のガラス材料の充填率が70%以上であることが望ましい。これは、充填率が70%未満であると、外部電極4を構成するガラスと亀裂1a中のガラス材料との接合力が弱くなってしまうため、積層体10から外部電極4の剥離が生じる可能性がある。また、亀裂1a中にガラス材料が充填されない空隙部分が増大するため、長時間連続駆動させると、該空隙部分に応力集中が生じて、積層体10が破壊してしまう場合がある。
さらに、積層体10の側面と外部電極4間にガラス層を形成することが望ましい。これは、前記ガラス層を形成すると、亀裂1aに前記ガラス層を構成するガラス材料が入り込んで充填できるとともに、外部電極4を構成するガラスと亀裂内1aのガラス材料とが前記ガラス層を介して強固に接合することができる。
さらに、図4は、本発明の積層型圧電素子からなる噴射装置を示すもので、噴射孔33を有する収納容器31と、この収納容器31に収容された圧電アクチュエータ43と、この圧電アクチュエータの駆動により噴射孔33から液体を噴出させるバルブ35を有している。
噴射孔33には燃料通路37が連通可能に設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、バルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように形成されている。
また、バルブ35の上端部は直径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41となっている。
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
圧電体1は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O(以下PZTと略す)、或いはチタン酸バリウムBaTiOを主成分とする圧電セラミックス材料等で形成されている。この圧電セラミックスは、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いものが望ましい。
また、圧電体1の厚み、つまり内部電極2間の距離は50〜250μmが望ましい。これにより、積層型圧電アクチュエータは電圧を印加してより大きな変位量を得るために積層数を増加しても、積層型圧電アクチュエータの小型化、低背化ができるとともに、圧電体1の絶縁破壊を防止できる。
外部電極4は銀を主成分とする導電材80〜99質量%と、残部がガラス成分1〜20質量%からなり、積層体10の圧電体1の側面とは主に外部電極4中のガラス成分を介して接合している。また、外部電極4は、導電材とガラスからなる導電材ペーストを焼き付けて形成されるが、焼き付け時に外部電極4の厚み方向に10%以上収縮することが望ましい。これは、導電材ペーストを焼き付け時に厚み方向に10%以上収縮させることにより、焼き付け時の収縮による応力で圧電体1表層部に亀裂1aを発生させたり、また、予め圧電体1表層部に存在する微小な亀裂をガラス材料が入り込むことができる程度の大きさを有する亀裂1aに成長させることができる。
外部電極4を構成するガラスの成分は、圧電体1との接合強度を高め、且つ、有効的に亀裂に充填するという点から、酸化鉛若しくは酸化珪素の少なくとも1種を含む軟化点800℃以下のガラスが望ましい。また、前述以外に、ガラス成分は、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリけい酸ガラス、アルミノほうけい酸塩ガラス、ほうけい酸塩ガラス、アルミノけい酸塩ガラス、ほう酸塩ガラス、りん酸塩ガラス、鉛ガラス等を用いる。
例えば、ほうけい酸塩ガラスとしては、SiO40〜70質量%、B2〜30質量%Al0〜20質量%、MgO、CaO、SrO、BaOのようなアルカリ土類金属酸化物を総量で0〜10質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%含有するものを使用することができる。また、上記ほうけい酸塩ガラスに、5〜30質量%のZnOを含むようなガラスとしても構わない。ZnOは、ほうけい酸塩ガラスの作業温度を低下させる効果がある。
また、りん酸塩ガラスとしては、P40〜80質量%、Al0〜30質量%、B0〜30質量%、ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物0〜30質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
また、鉛ガラスとしては、PbO30〜80質量%、SiO0〜70質量%、Bi0〜30質量%、Al0〜20質量%、ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物0〜30質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
また、外部電極を構成する導電剤は、耐酸化性があり、ヤング率が低く、安価であるという点から、銀を主成分とすることが望ましい。なお、耐エレクトロマイグレーション性を高めるという点から、微量の白金若しくはパラジウムを添加しても構わない
さらに、積層体10の側面に一層おきに深さ30〜500μm、積層方向の幅30〜200μmの溝が形成されており、この溝内にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等が充填されて絶縁体3が形成されている。この絶縁体3は、積層体10との接合を強固とするために、積層体10の変位に対して追従する弾性率が低い材料、特にはシリコーンゴム等からなることが好適である。
次に、本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータの製法を説明する。
本発明の積層型圧電アクチュエータは、先ず、PZT等の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジオチル)、DOP(フタル酸ジブチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形法により圧電体1となるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、銀−パラジウム粉末にバインダー、可塑剤等、及び必要に応じて前記圧電セラミックスの仮焼粉末等を添加混合して、内部電極2をなす導電性ペーストを作製し、これを前記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷する。
そして、上面に導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを複数枚積層し、この積層体について所定の温度で脱バインダーを行った後、900〜1200℃で焼成することによって積層焼成体を作製する。
尚、積層焼成体は、上記製法によって作製されるものに限定されるものではなく、複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層してなる積層焼成体を作製できれば、どのような製法によって形成されても良い。
得られた積層焼成体を、平面研削盤などの研削装置にて#6000より粗い砥石にて研削を行い、所定の寸法の積層体10を得る。このとき、積層体10表層部に微少な亀裂が形成される。この微少な亀裂が起点となり、後述する外部電極4の形成時に圧電体1と外部電極4の接合部の圧電体1表層部に亀裂1aを形成することができる。
その後、図3(a)に示すように、ダイシング装置等により積層体10の側面に一層おきに深さ30〜500μm、積層方向の幅30〜200μmの凹溝5を形成する。
次に、外部電極4の形成方法を説明する。
まず、粒径0.1〜10μmの銀粉末を80〜99質量%と、残部が0.1〜10μmで酸化鉛若しくは酸化珪素の少なくとも1種以上を含むガラス粉末1〜20質量%からなる混合物に、バインダーを加えて導電材ペースト21を作製する。
そして、離型処理したフィルム上に、5〜40μmの厚みで導電材ペースト21をスクリーン印刷し、乾燥後、離型フィルムより導電材ペーストシート21を剥離する。このとき、乾燥後の導電材ペースト21の銀粉末とガラス粉末を合わせた粉体充填率を40〜75%しておくことが望ましい。この導電材ペーストシート21を図3(b)に示すように、溝が形成された積層体10の外部電極4形成面に転写し、導電材ペースト21に含まれるガラス成分の軟化点よりも高い温度、且つ銀の融点以下の温度で焼き付けを行うことにより、外部電極4を形成することができる。
ここで、上記した研削加工により形成された亀裂1aは、焼き付け時の導電材ペーストの収縮による応力により成長するとともに、導電材ペースト21に含まれるガラスの軟化点を超えた温度領域で導電材ペースト21中のガラス成分が亀裂1aに毛管現象により充填され、また同時に導電材ペースト21に含まれるガラス成分が選択的に圧電体1の表層部に集まり、ガラス層4aが形成される。このとき、亀裂1aに充填されたガラス成分と、圧電体1表層部に形成されたガラス層4aとは互いに強固に接合される。即ち、外部電極4のガラス成分が圧電体1表層部に楔を打ち込んだ構造となっており、結果、外部電極4と積層体10との接続が確実強固なものとなる。
このとき、内部電極2を構成する銀−パラジウムと外部電極4中の銀が相互拡散して、内部電極2と外部電極4が強固に接合させる。
また、外部電極4と圧電体1との界面にガラス層を有効的に形成するために、導電材ペースト21を多層構造に、若しくは導電材ペースト21中のガラス成分の分布に傾斜をつけても構わない。即ち、圧電体1表層部側に近づくほどガラス成分を多くしておくことにより、焼き付け時に有効に圧電体1表層部の亀裂にガラス成分が侵入し、圧電体1と外部電極4との界面にガラス層4aを形成できる。
また、導電材ペースト21の段階で、圧電体1表層部にガラス層4aを設けても、焼き付け時に、積層体10と外部電極4間にガラス層4aを設けても構わない。この場合においても、ガラス成分は積層体10側面から露出した内部電極2と濡れ性が悪いため、焼き付け時に導電材ペースト21中の銀は、内部電極2を形成する銀−パラジウムと拡散接合により強固に接合される。
尚、外部電極4の形成方法は、上述の方法に限定されるものではなく、直接積層体10側面の外部電極4形成面に印刷しても構わない。
また、導電材ペースト21は、焼き付け時に厚み方向に10%以上収縮することが望ましい。これは、収縮率を10%以上とすることにより、焼き付け時の収縮による応力で圧電体1表層部に有効的に亀裂1aを形成することができる。
ここで、収縮率とは、導電材ペースト21の乾燥厚みと焼き付け後の厚みの差を、乾燥厚みで割ったものを百分率で示したものである。
尚、導電材ペースト21の焼き付け時の厚み方向の収縮率は、上記研削工程において微小な亀裂がなくとも形成することは可能であり、導電材ペーストの収縮により亀裂1aを形成するためには、前記収縮率が20%以上であることが望ましい。
また、導電材ペースト21の収縮により、外部電極4中の銀と拡散接合する内部電極2先端が外部電極4に引っ張られて、図2(b)に示すように、内部電極2を起点とする亀裂1aが生じ、該亀裂1aにガラス材料が充填される場合もある。
また、外部電極4の厚みは、圧電体1の厚みよりも薄いことが望ましい。さらに好ましくは、アクチュエータ本体である積層体の伸縮に追従するためにも、50μm以下がより好ましい。
導電材ペースト中の銀粉末を80〜99質量%、残部のガラス粉末を1〜20質量%としたのは、銀粉末が80質量%より少ない場合には、外部電極4の比抵抗が大きくなってしまい、大電流を流して高速で駆動させる場合において、該外部電極4で局所発熱を起こす可能性があり、一方で、銀粉末が99質量%よりも多い場合には、相対的にガラス成分が少なくなり、外部電極4と積層体10との接合強度が弱くなってしまい、駆動中に外部電極4が積層体10から剥離してしまうといった問題が生じる可能性がある。
また、導電材ペーストのガラス成分に、酸化鉛若しくは酸化ケイ素の少なくとも1種を含有させることにより、積層体10との接合強度を向上させることができる。
次に、外部電極4を形成した積層体10をシリコーンゴム溶液に浸漬し、前記シリコーンゴム溶液を真空脱気することにより、積層体10の凹溝5内部にシリコーンゴムからなる絶縁層3を充填し、その後シリコーンゴム溶液から積層体10を引き上げ、積層体10の側面にシリコーンゴムをコーティングする。その後、凹溝5内部に充填、及び積層体10側面にコーティングした前記シリコーンゴムを硬化させる。
その後、外部電極4にリード線6を半田等で接続することにより本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータが完成する。
尚、本発明の積層型圧電素子を用いた積層型圧電アクチュエータは、上述した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲あれば変形可能である。例えば、上述では絶縁体3を充填した凹溝5を設けているが、従来の積層型セラミックコンデンサの電極取り出し部のように、内部電極2の端部が一層おきに外部電極4と接合されて、且つ内部電極2のもう一方の端部が外部電極4と接合しないような絶縁性を維持できる形状であってもよい。
そして、リード線6を介して一対の外部電極4に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、積層体10を分極処理することによって、製品としての積層型圧電アクチュエータが完成し、リード線6を外部の電圧供給部に接続し、リード線6及び外部電極4を介して内部電極2に電圧を印加させれば、各圧電体1は逆圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
先ず、PZTを主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み150μmの圧電体1になるセラミックグリーンシートを作製した。
このグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金にバインダーを加えた導電性ペーストをスクリーン印刷法により3μm厚みで形成し、前記セラミックグリーンシートを300枚積層し、980〜1100℃で焼成して積層焼成体を得た。その後、#400の砥石を用いて積層焼成体を研削して、図1の積層体10を得た。得られた積層体10の圧電体1表層部には微少な亀裂が生じていた。
次に、図3(a)に示すように、ダイシング装置により積層体10側面の内部電極2の端部に一層おきに深さ50μm、幅30μmの溝を形成した。
次に、平均粒径2μmの銀粉末を80〜99質量%に、平均粒径2μmで酸化鉛若しくは酸化ケイ素の少なくとも1種以上を含むガラス粉末を混合させ、さらにバインダーを添加して、導電材ペーストを作製した。
次に、離型フィルム上に導電材ペーストをスクリーン印刷により5〜40μmの厚みで印刷を行い、乾燥後、離型フィルムより剥がして、銀ペーストシートを得た。この時の銀ペーストシートの粉体充填率は、55%であった。その後、前記銀ペーストシートを溝を形成した積層体10側面の対向する一対の側面に転写し、800℃で15分焼き付けを行った。
このとき、外部電極4の圧電体1側表層部にはガラス成分が偏在したガラス層4aが形成されていた。また、導電材ペースト21の厚み方向の収縮率は40%であった。(焼き付け後の厚みは、乾燥厚みの60%であった。)さらに、断面写真の観察から、外部電極4との接合部の圧電体1表層部には、長さ5〜20μmの亀裂1aが存在し、該亀裂1aには外部電極4を構成するガラスを充填されていた。
その後、外部電極にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、図1に示す本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータを作製した。
(実施例1)積層焼成体を研削する砥石の番手(粗さ)と外部電極4を構成する導電性ペーストの種類とその焼き付け温度を変化させた以外は、上記の製法を用いて本発明の実施例である積層体圧電アクチュエータ(試料番号1〜5)を作製した。
また、比較例として、積層焼結体を細かい番手を有する砥石にて研削し、外部電極4を構成する焼き付け時の収縮率が極めて小さい導電性ペースト21を用いて外部電極4を作製することにより、圧電体1表層部に実質的に亀裂1aを設けないように形成した積層型圧電アクチュエータを作製した(試料番号6)。また、試料番号6の積層型圧電アクチュエータは、外部電極4の圧電体側1表層部にはガラス層は存在していなかった。
上記した種々の積層型圧電アクチュエータに対して、185Vの直流電圧を印加したところ、すべての積層型圧電アクチュエータにおいて、積層方向に49μmの変位が得られた。さらに、これらの積層型圧電アクチュエータを室温で0〜+185Vの交流電界を150Hzの周波数で印加して1×10サイクルまで駆動試験を行った。
尚、亀裂1aの有無は、外部電極4と圧電体1との界面を、SEMにて任意の場所を20ヶ所観察し判定した。亀裂1a部へのガラス材料の充填率は、前述の断面SEM写真により、各々の亀裂1aの面積に対して、該亀裂1aに充填されているガラス材料の面積の割合を百分率で示したものの中で、最も充填率の低い値を表1に示した。併せて、ガラスの有無や組成はEPMAによる面分析により確認した。また、亀裂の深さは、前述の断面SEM写真より観察された亀裂の最大の深さのものとした。駆動試験後の外観については、駆動試験後に前述同様の外部電極と圧電体との界面をSEMにて任意の場所の観察を行った結果について表記した。変位量の変化率は、駆動試験前の変位量を基準とし、駆動試験後の変位量を測定し、その変化の割合を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004931334
この表1から、比較例である試料番号6の積層型圧電アクチュエータにおいては、圧電体1表層部に亀裂1aが実質的に存在しなかったため、亀裂1aにガラスを充填できないことにより、上述したガラスによる楔効果を奏さないので、1×10サイクル駆動後に外部電極4が積層体表面から数箇所剥離して変位量が低下した。
これに対し、本発明の試料番号1〜5の積層型圧電アクチュエータは、外部電極4接合部の圧電体1表層部に亀裂1aを設け、且つ、該亀裂1aにガラス材料を充填したため、亀裂1aに充填されたガラス材料の楔効果によって、外部電極4と積層体表面とを強固に接合できたので、積層型圧電アクチュエータを高速で駆動させた場合においても外部電極4が積層体表面から剥離することなく、変位量が低下すると言った問題が生じることはなかった。
さらに、前述と同じ条件で、1×10サイクルまで駆動を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004931334
この表2から、試料番号3の積層型圧電アクチュエータは、亀裂1aへのガラス材料の充填率が70%より小さかったために、ガラス材料による楔効果が弱くなり、外部電極4と圧電体1との接合力が低下し、駆動中に外部電極4の一部が積層体から剥離して変位量が低下した。
また、試料番号5の積層型圧電アクチュエータは、亀裂1aの深さが100μmより大きかったため、亀裂1aの一部が進展して他の亀裂1aに到達して大きな亀裂1aを形成しやすくなり、一部の内部電極2に亀裂1aが貫通して断線が発生し、変位量が低下した。
これらに対して、試料番号1、2及び4の積層型圧電アクチュエータは、亀裂1aの深さが、圧電体1と外部電極4との界面〜深さ方向tで100μm以下で且つ、亀裂の70%以上がガラス材料で充填されているため、高速で長時間駆動させた場合においても、外部電極4が積層体表面から剥離することがなく、変位量が低下するといった問題が生じていない。
本発明の積層型圧電素子は、圧電トランスに利用できる。また、本発明の積層型圧電素子は、自動車用燃料噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子等に用いられる積層型圧電アクチュエータに利用できる。さらに、本発明の積層型圧電素子を用いることにより、自動車用燃料やインクジェットプリンタのインク等の噴射装置に利用できる。
本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 (a)及び(b)は本発明の積層型圧電素子の圧電体表層部における拡大断面図である。 (a)〜(c)は本発明の積層型圧電素子の製法を説明するための説明図である。 本発明の噴射装置を示す側面図である。 従来の積層型圧電アクチュエータの側面図である。
符号の説明
1・・・圧電体
1a・・・亀裂
2・・・内部電極
3・・・絶縁体
4・・・外部電極
4a・・・ガラス層
5・・・凹溝
6・・・リード線
10・・・積層体
21・・・導電材ペースト
31・・・収納容器
33・・・噴射孔
35・・・バルブ
43・・・圧電アクチュエータ

Claims (5)

  1. 噴射孔を有する収納容器と、
    複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる積層体と、該積層体の側面に設けられ、前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極とを具備してなるとともに、前記外部電極が導電材とガラスからなり、前記外部電極と前記圧電体との界面の圧電体表層部に亀裂を設け、該亀裂にガラス材料を充填してなる、前記収納容器内に収容された積層型圧電素子と、
    該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブと
    を具備してなることを特徴とする噴射装置。
  2. 前記ガラス材料が前記外部電極を構成するガラスと同一成分であることを特徴とする請求項1記載の噴射装置
  3. 前記亀裂を前記界面から深さ方向で100μm以下の前記圧電体表層部に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の噴射装置
  4. 前記亀裂中のガラス材料の充填率が70%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の噴射装置
  5. 前記積層体と前記外部電極間にガラス層を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の噴射装置
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