JP2707782B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents
積層型圧電素子Info
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Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電界によって圧電材料に誘起される伸縮歪を
利用し、アクチュエータとして用いられる積層型圧電素
子に関する。
利用し、アクチュエータとして用いられる積層型圧電素
子に関する。
近年メカトロニクス機器が急速に発展し、これに伴い
例えば微小位置決め装置などの制御装置に、微小な変位
や発生力を利用される圧電アクチュエータの開発も盛ん
である。特に、厚さ方向に分極された圧電材料を、その
分極方向が互いに対向するようにスタックとして積み重
ね、圧電材料層に電界誘起歪を発生させる積層型圧電素
子は、小さな電圧によって大きな変位を得ることができ
るので、その有用性が注目されている。
例えば微小位置決め装置などの制御装置に、微小な変位
や発生力を利用される圧電アクチュエータの開発も盛ん
である。特に、厚さ方向に分極された圧電材料を、その
分極方向が互いに対向するようにスタックとして積み重
ね、圧電材料層に電界誘起歪を発生させる積層型圧電素
子は、小さな電圧によって大きな変位を得ることができ
るので、その有用性が注目されている。
この積層型圧電素子は例えば第5図(a),(b)に
その構造模式図で示したものが知られている。第5図
(a)は平面図、第5図(b)は第5図(a)のA−
A′断面を表わす図である。第5図(a),(b)にお
いて、この積層型圧電素子はジルコン酸チタン酸鉛など
の圧電材料層1と、金属を主成分とする導電性の内部電
極層2とが交互に積層された積層体の上下両端面に、内
部電極層2を介して圧電材料層1と同質の材料からなる
保護層3を設けてあり、互いに平行な平面を形成した積
層体の両側面では、内部電極層2を1層おきに機械加工
により形成したスリットに、絶縁材料4を充填すること
により電気的に絶縁し、さらにその外部で積層体の両側
面にそれぞれ取り付けた外部電極5によって、内部電極
層2が電気的に並列接続された構造となっている。そし
て二つの外部電極5にはそれぞれリード6aと6bを接続
し、このリード6aと6bに異なる極性の電圧を印加したと
き、圧電材料層1内に生じた電界によって圧電効果の伸
び歪が積層方向に発生し、各圧電材料層1の歪は相加さ
れて、積層体全体として大きな伸び歪が生ずるのであ
る。
その構造模式図で示したものが知られている。第5図
(a)は平面図、第5図(b)は第5図(a)のA−
A′断面を表わす図である。第5図(a),(b)にお
いて、この積層型圧電素子はジルコン酸チタン酸鉛など
の圧電材料層1と、金属を主成分とする導電性の内部電
極層2とが交互に積層された積層体の上下両端面に、内
部電極層2を介して圧電材料層1と同質の材料からなる
保護層3を設けてあり、互いに平行な平面を形成した積
層体の両側面では、内部電極層2を1層おきに機械加工
により形成したスリットに、絶縁材料4を充填すること
により電気的に絶縁し、さらにその外部で積層体の両側
面にそれぞれ取り付けた外部電極5によって、内部電極
層2が電気的に並列接続された構造となっている。そし
て二つの外部電極5にはそれぞれリード6aと6bを接続
し、このリード6aと6bに異なる極性の電圧を印加したと
き、圧電材料層1内に生じた電界によって圧電効果の伸
び歪が積層方向に発生し、各圧電材料層1の歪は相加さ
れて、積層体全体として大きな伸び歪が生ずるのであ
る。
しかしながら、以上のような構造を有する積層型圧電
素子には、なお次の問題がある。第5図(b)に示すよ
うに、各内部電極層2の側端面は、一方はスリットに充
填された絶縁材料4によって電気的に絶縁され、他方は
積層体の側面に露出したままの状態でその上から外部電
極5を取り付けてある。したがって、内部電極層2と外
部電極5とは内部電極層2の露出端面で接触し電気的に
接続される。この露出端面の縦方向寸法は、内部電極層
2の厚さに相当し、その厚さは通常この種の積層型圧電
素子では10〜20μm程度である。即ち、内部電極層2と
外部電極5は、積層体両側面で1層おきに縦方向は10〜
20μm程度で接続されることになる。またスリット内に
充填する絶縁材料4には、素子の伸縮に対して追従性の
よい可撓性のある有機系絶縁材料を用いるために、これ
に見合う外部電極5の材料としては、高温で焼き付ける
タイプの導電性ペーストを使用することができず、有機
系のバインダーを含む導電性ペーストが使われている
が、一般にこの種の導電性ペーストは、ガラスフリット
の入った高温焼き付けタイプのものにくらべて接着力が
弱いので、素子の駆動に対して部分的な剥離を起こしや
すい。したがって、前に述べた内部電極層2と外部電極
5との接続が縦方向で10〜20μm程度しかないことと共
に、素子の縦方向の伸縮駆動中に外部電極5が内部電極
層2から剥離する可能性が高く、僅かな剥離が生じて
も、このとき内部電極層2は外部電極5との電気的接続
が断たれ、積層型圧電素子の伸縮特性を低下させる原因
となるという外部電極5の接続性についての問題があ
る。
素子には、なお次の問題がある。第5図(b)に示すよ
うに、各内部電極層2の側端面は、一方はスリットに充
填された絶縁材料4によって電気的に絶縁され、他方は
積層体の側面に露出したままの状態でその上から外部電
極5を取り付けてある。したがって、内部電極層2と外
部電極5とは内部電極層2の露出端面で接触し電気的に
接続される。この露出端面の縦方向寸法は、内部電極層
2の厚さに相当し、その厚さは通常この種の積層型圧電
素子では10〜20μm程度である。即ち、内部電極層2と
外部電極5は、積層体両側面で1層おきに縦方向は10〜
20μm程度で接続されることになる。またスリット内に
充填する絶縁材料4には、素子の伸縮に対して追従性の
よい可撓性のある有機系絶縁材料を用いるために、これ
に見合う外部電極5の材料としては、高温で焼き付ける
タイプの導電性ペーストを使用することができず、有機
系のバインダーを含む導電性ペーストが使われている
が、一般にこの種の導電性ペーストは、ガラスフリット
の入った高温焼き付けタイプのものにくらべて接着力が
弱いので、素子の駆動に対して部分的な剥離を起こしや
すい。したがって、前に述べた内部電極層2と外部電極
5との接続が縦方向で10〜20μm程度しかないことと共
に、素子の縦方向の伸縮駆動中に外部電極5が内部電極
層2から剥離する可能性が高く、僅かな剥離が生じて
も、このとき内部電極層2は外部電極5との電気的接続
が断たれ、積層型圧電素子の伸縮特性を低下させる原因
となるという外部電極5の接続性についての問題があ
る。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その
目的は伸縮駆動中に外部電極が剥離を生ずることなく、
安定に長寿命を保つことができ、高信頼性を有する積層
型圧電素子を提供することにある。
目的は伸縮駆動中に外部電極が剥離を生ずることなく、
安定に長寿命を保つことができ、高信頼性を有する積層
型圧電素子を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、積層
型圧電素子を、 板状の圧電材料を複数個積み重ねた各圧電材料層の間
に、これら圧電材料層と互いに密接して埋め込んだ複数
個の内部電極層を有し、上下両端の前記圧電材料層に前
記内部電極層の介在する保護層と、所定幅の互いに平行
な平面を呈する側面とを形成した積層体、 この積層体の前記二つの側面で前記内部電極の1層お
きに、左右互い違いに前記各内部電極層の側端面から前
記積層体内部に所定の深さ埋め込まれ、前記積層体の前
記二つの側面の外方に所定長さの突出部をもつ複数個の
絶縁材料、 それぞれ前記積層体の前記二つの側面に接して前記各
絶縁材料の前記突出部の間を埋め、前記各絶縁材料の前
記突出部端面と同一平面を形成するガラスフリット入り
焼き付けタイプ導電性ペーストからなる接続用電極、 前記各絶縁材料の前記突出部端面と前記各接続用電極
とのなす前記同一平面上の前記各接続用電極に、低融点
合金を用いて接合した金属系の二つの外部電極、を有す
るものとする。
型圧電素子を、 板状の圧電材料を複数個積み重ねた各圧電材料層の間
に、これら圧電材料層と互いに密接して埋め込んだ複数
個の内部電極層を有し、上下両端の前記圧電材料層に前
記内部電極層の介在する保護層と、所定幅の互いに平行
な平面を呈する側面とを形成した積層体、 この積層体の前記二つの側面で前記内部電極の1層お
きに、左右互い違いに前記各内部電極層の側端面から前
記積層体内部に所定の深さ埋め込まれ、前記積層体の前
記二つの側面の外方に所定長さの突出部をもつ複数個の
絶縁材料、 それぞれ前記積層体の前記二つの側面に接して前記各
絶縁材料の前記突出部の間を埋め、前記各絶縁材料の前
記突出部端面と同一平面を形成するガラスフリット入り
焼き付けタイプ導電性ペーストからなる接続用電極、 前記各絶縁材料の前記突出部端面と前記各接続用電極
とのなす前記同一平面上の前記各接続用電極に、低融点
合金を用いて接合した金属系の二つの外部電極、を有す
るものとする。
以上のように本発明の積層型圧電素子は、積層体側面
で内部電極層と外部電極との接続がこれらの間に設けた
接続用電極を介して行われており、この接続用電極は内
部電極層と同種のガラスフリット入りの焼き付けタイプ
の導電性ペーストを用い、この接続用電極が外部電極と
広い面積で接続されているので、内部電極層と外部電極
との電気的接続が確実に行なわれ、また接続用電極は圧
電材料層にも強固に接着し、積層型圧電素子の伸縮駆動
に対して、外部電極が剥離するのを防ぐ補強の役割を果
たしている。
で内部電極層と外部電極との接続がこれらの間に設けた
接続用電極を介して行われており、この接続用電極は内
部電極層と同種のガラスフリット入りの焼き付けタイプ
の導電性ペーストを用い、この接続用電極が外部電極と
広い面積で接続されているので、内部電極層と外部電極
との電気的接続が確実に行なわれ、また接続用電極は圧
電材料層にも強固に接着し、積層型圧電素子の伸縮駆動
に対して、外部電極が剥離するのを防ぐ補強の役割を果
たしている。
以下、本発明を参考例ならびに実施例に基づき説明す
る。
る。
参考例 第1図(a),(b)は本発明の参考例の積層型圧電
素子の構造を示す模式図であり、第1図(a)は平面
図,第1図(b)は第1図(a)のA−A′断面図であ
る。第1図(a),(b)では第5図(a),(b)と
共通部分を同一符号で表わしてある。本参考例の積層型
圧電素子が構造上従来素子と異なる所は、第1図
(a),(b)と第5図(a),(b)との比較からわ
かるように、積層体両側面にそれぞれ接続用電極7を設
けてあり、各絶縁材料4は積層体の側面から接続用電極
7の厚さ分だけ外方に突出し、各絶縁材料4の積層体の
縦方向自由面に取り付けた外部電極5と積層体側面との
間に接続用電極7が配置されるようにして、内部電極層
2の露出端面と外部電極5との電気的な接続をこの接続
用電極7を介して行なっていることである。
素子の構造を示す模式図であり、第1図(a)は平面
図,第1図(b)は第1図(a)のA−A′断面図であ
る。第1図(a),(b)では第5図(a),(b)と
共通部分を同一符号で表わしてある。本参考例の積層型
圧電素子が構造上従来素子と異なる所は、第1図
(a),(b)と第5図(a),(b)との比較からわ
かるように、積層体両側面にそれぞれ接続用電極7を設
けてあり、各絶縁材料4は積層体の側面から接続用電極
7の厚さ分だけ外方に突出し、各絶縁材料4の積層体の
縦方向自由面に取り付けた外部電極5と積層体側面との
間に接続用電極7が配置されるようにして、内部電極層
2の露出端面と外部電極5との電気的な接続をこの接続
用電極7を介して行なっていることである。
本発明の積層型圧電素子は、圧電材料層1に例えばPb
ZrO3・PbTiO3・Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3系の直径20mm,厚
さ500μmの圧電セラミックスを用い、この表面にガラ
スフリット入りの銀ペーストを塗布して約600℃で焼き
付けて内部電極層2とし、これを80〜100枚同心状に積
み重ね、上下両面に圧電材料層1と同じ組成を持つ同径
の厚さ3〜4mmの保護層3を形成することにより、まず
積層体を作製するが、この積層体の中心と対称位置にあ
る二つの側面に、それぞれ絶縁材料4,接続用電極7およ
び外部電極5を設ける方法については、第2図(a)〜
(d)を参照して述べる。
ZrO3・PbTiO3・Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3系の直径20mm,厚
さ500μmの圧電セラミックスを用い、この表面にガラ
スフリット入りの銀ペーストを塗布して約600℃で焼き
付けて内部電極層2とし、これを80〜100枚同心状に積
み重ね、上下両面に圧電材料層1と同じ組成を持つ同径
の厚さ3〜4mmの保護層3を形成することにより、まず
積層体を作製するが、この積層体の中心と対称位置にあ
る二つの側面に、それぞれ絶縁材料4,接続用電極7およ
び外部電極5を設ける方法については、第2図(a)〜
(d)を参照して述べる。
第2図(a)〜(d)は上記のようにして得た積層体
の側面加工の手順を示したものであり、積層体の一方の
側面を横にして見た部分断面図として表わし、第1図
(b)と共通部分には同一符号を用いてある。積層体の
もう一方の側面加工についても第2図(a)〜(d)と
全く同じ手順で行なうのでその説明は省略する。
の側面加工の手順を示したものであり、積層体の一方の
側面を横にして見た部分断面図として表わし、第1図
(b)と共通部分には同一符号を用いてある。積層体の
もう一方の側面加工についても第2図(a)〜(d)と
全く同じ手順で行なうのでその説明は省略する。
まず圧電材料層1と内部電極層2とが交互に積み重ね
られた積層体の側面を所定の幅に平面研削し、その上に
内部電極層2と同じガラスフリット入りの銀ペーストを
均一に塗布して約600℃で焼き付け、電極7aを形成する
〔第2図(a)〕。次にこの電極7aの表面から、内部電
極層2の端部の一部を削り取るように、カッティングマ
シンのダイアモンドブレードを用いて、内部電極層2の
1層おきにスリット8をあけ、このスリット8の大きさ
を深さ500μm,積層体の縦方向寸法で500μmとする。こ
のとき同時に接続用電極7が形成される〔第2図
(b)〕。続いて各スリット8の中にエポキシ系樹脂を
充填して絶縁材料4として固着し、接続用電極7と絶縁
材料4とが積層体側面で同一平面を持つように絶縁材料
4を形成する〔第2図(c)〕。次いでその平面上にエ
ポキシ系樹脂のバインダーを含む銀ペーストを塗布し、
に加熱硬化させてこれを外部電極5とする〔第2図
(d)〕。
られた積層体の側面を所定の幅に平面研削し、その上に
内部電極層2と同じガラスフリット入りの銀ペーストを
均一に塗布して約600℃で焼き付け、電極7aを形成する
〔第2図(a)〕。次にこの電極7aの表面から、内部電
極層2の端部の一部を削り取るように、カッティングマ
シンのダイアモンドブレードを用いて、内部電極層2の
1層おきにスリット8をあけ、このスリット8の大きさ
を深さ500μm,積層体の縦方向寸法で500μmとする。こ
のとき同時に接続用電極7が形成される〔第2図
(b)〕。続いて各スリット8の中にエポキシ系樹脂を
充填して絶縁材料4として固着し、接続用電極7と絶縁
材料4とが積層体側面で同一平面を持つように絶縁材料
4を形成する〔第2図(c)〕。次いでその平面上にエ
ポキシ系樹脂のバインダーを含む銀ペーストを塗布し、
に加熱硬化させてこれを外部電極5とする〔第2図
(d)〕。
以上のようにして得られた外部電極5は、積層体のこ
の側鉛では絶縁材料4のない個所の内部電極層2と接続
用電極7を介して電気的接続が行なわれる。なおこれと
反対側の積層体側面においても、これらの部材を形成す
る手順は全く同じであるが、絶縁材料4を形成する個所
は、内部電極層2に関して、この側面と互い違いとなる
ようにすることは第1図(b)に示した通りである。
の側鉛では絶縁材料4のない個所の内部電極層2と接続
用電極7を介して電気的接続が行なわれる。なおこれと
反対側の積層体側面においても、これらの部材を形成す
る手順は全く同じであるが、絶縁材料4を形成する個所
は、内部電極層2に関して、この側面と互い違いとなる
ようにすることは第1図(b)に示した通りである。
その後第1図(a),(b)の如く、リード6a,6bを
半田付けして、本発明の参考例の積層型圧電素子を得る
ことができる。この積層型圧電素子に、図示してない電
源を用いてリード6a,6bにより、二つの外部電極5の間
に400Vの直流電圧パルスを周期的に印加して、素子の寿
命を測定した結果、107回を経過した後も伸縮特性は低
下することなく安定性を保持している。これは従来素子
が106回程度で接続不良をおこすことが多かったのに対
して1桁以上寿命が延びたことになる。
半田付けして、本発明の参考例の積層型圧電素子を得る
ことができる。この積層型圧電素子に、図示してない電
源を用いてリード6a,6bにより、二つの外部電極5の間
に400Vの直流電圧パルスを周期的に印加して、素子の寿
命を測定した結果、107回を経過した後も伸縮特性は低
下することなく安定性を保持している。これは従来素子
が106回程度で接続不良をおこすことが多かったのに対
して1桁以上寿命が延びたことになる。
実施例 第3図(a),(b)は内部電極層2と外部電極5を
接続用電極7を用いて接続する本発明の積層型圧電素子
について、参考例とは異なる構成を示した模式図であ
り、第1図に倣って(a)は平面図,(b)は断面図で
表わしてある。第3図(a),(b)が第1図(a),
(b)と異なる所は、外部電極5としてNi箔などの金属
薄板を用い、これを接続用電極7の表面で半田などの低
融点合金9により接合している点にあり、内部電極層2
の露出端面から外部電極5に至る電気的接続経路をより
強固にし、安定にさせたものである。
接続用電極7を用いて接続する本発明の積層型圧電素子
について、参考例とは異なる構成を示した模式図であ
り、第1図に倣って(a)は平面図,(b)は断面図で
表わしてある。第3図(a),(b)が第1図(a),
(b)と異なる所は、外部電極5としてNi箔などの金属
薄板を用い、これを接続用電極7の表面で半田などの低
融点合金9により接合している点にあり、内部電極層2
の露出端面から外部電極5に至る電気的接続経路をより
強固にし、安定にさせたものである。
これら部材の接続方法も第2図(a)〜(d)に倣っ
て第4図(a)〜(d)に示すが、第4図(a),
(b)までは第2図(a),(b)と全く同じであるか
ら、その説明は省略する。続いて、各スリット8の中に
エポキシ系樹脂を充填して絶縁材料4を固着し、接続用
電極7と絶縁材料4とが積層体側面で同一平面を持つよ
うに絶縁材料4を形成した後、接続用電極7の表面に、
例えば融点が150〜200℃のPb−Sn半田のような低融点合
金9を、融点近くの温度で均一な厚さに融着する〔第4
図(c)〕。ここでは外部電極5に、例えば厚さ20μm
程度のNi箔を用いて、これにも上記の低融点合金9の膜
を形成しておき、先に形成した接続用電極7上の低融点
合金9に重ね合わせ、低融点合金9の融点以上の温度に
短時間加熱することにより接続用電極7と外部電極5と
が接合される〔第4図(d)〕。
て第4図(a)〜(d)に示すが、第4図(a),
(b)までは第2図(a),(b)と全く同じであるか
ら、その説明は省略する。続いて、各スリット8の中に
エポキシ系樹脂を充填して絶縁材料4を固着し、接続用
電極7と絶縁材料4とが積層体側面で同一平面を持つよ
うに絶縁材料4を形成した後、接続用電極7の表面に、
例えば融点が150〜200℃のPb−Sn半田のような低融点合
金9を、融点近くの温度で均一な厚さに融着する〔第4
図(c)〕。ここでは外部電極5に、例えば厚さ20μm
程度のNi箔を用いて、これにも上記の低融点合金9の膜
を形成しておき、先に形成した接続用電極7上の低融点
合金9に重ね合わせ、低融点合金9の融点以上の温度に
短時間加熱することにより接続用電極7と外部電極5と
が接合される〔第4図(d)〕。
なお、ここで用いる外部電極5はNi箔のほかに、Cu箔
やパターニングされたフレキシブルプリント板などでも
よく、低融点合金9は150〜200℃の融点を有するPb−Sn
系半田に限ることなく、この範囲の融点を持ち必要な接
合強度の得られるものであれば,その他の金属、合金な
どを用いてもよい。
やパターニングされたフレキシブルプリント板などでも
よく、低融点合金9は150〜200℃の融点を有するPb−Sn
系半田に限ることなく、この範囲の融点を持ち必要な接
合強度の得られるものであれば,その他の金属、合金な
どを用いてもよい。
その後、第3図(a),(b)のようにリード6a,6b
を半田付けして得られた本発明の積層型圧電素子に、参
考例と同じく400Vの直流電圧を印加したとき、やはり参
考例と同様に107回の安定した素子の伸縮特性を得るこ
とができた。
を半田付けして得られた本発明の積層型圧電素子に、参
考例と同じく400Vの直流電圧を印加したとき、やはり参
考例と同様に107回の安定した素子の伸縮特性を得るこ
とができた。
積層型圧電素子は、従来その両側面で内部電極層と外
部電極が極めて狭い領域で接続されていることから、素
子の伸縮駆動時に、外部電極が剥離する可能性が大きか
ったが、本発明では上記の構成を採用した結果、外部電
極の接続領域が拡大し、これらの電気的接続が確実にな
されるとともに、外部電極が素子の伸縮駆動に対して剥
離を生ずることもなく、長期間安定な伸縮特性を持続す
る信頼性の高い積層型圧電素子を得ることができる。
部電極が極めて狭い領域で接続されていることから、素
子の伸縮駆動時に、外部電極が剥離する可能性が大きか
ったが、本発明では上記の構成を採用した結果、外部電
極の接続領域が拡大し、これらの電気的接続が確実にな
されるとともに、外部電極が素子の伸縮駆動に対して剥
離を生ずることもなく、長期間安定な伸縮特性を持続す
る信頼性の高い積層型圧電素子を得ることができる。
第1図(a)は本発明の参考例の積層型圧電素子の構造
を示す模式平面図、第1図(b)は同じく模式断面図、
第2図(a)〜(d)は第1図(a),(b)の積層型
圧電素子の側面に形成する接続用電極,絶縁材料および
外部電極の製造工程図、第3図(a)は第1図とは異な
る構造を持つ本発明の積層型圧電素子の模式平面図、第
3図(b)は同じく模式断面図、第4図(a)〜(d)
は第3図(a),(b)の積層型圧電素子の側面に形成
する接続用電極,絶縁材料および低融点合金を用いて外
部電極を接合する製造工程図、第5図(a)は従来の積
層型圧電素子の模式平面図、第5図(b)は同じく模式
断面図である。 1:圧電材料層、2:内部電極層、3:保護層、4:絶縁材料、
5:外部電極、6,6a:リード、7:接続用電極、7a:電極、8:
スリット、9:低融点合金。
を示す模式平面図、第1図(b)は同じく模式断面図、
第2図(a)〜(d)は第1図(a),(b)の積層型
圧電素子の側面に形成する接続用電極,絶縁材料および
外部電極の製造工程図、第3図(a)は第1図とは異な
る構造を持つ本発明の積層型圧電素子の模式平面図、第
3図(b)は同じく模式断面図、第4図(a)〜(d)
は第3図(a),(b)の積層型圧電素子の側面に形成
する接続用電極,絶縁材料および低融点合金を用いて外
部電極を接合する製造工程図、第5図(a)は従来の積
層型圧電素子の模式平面図、第5図(b)は同じく模式
断面図である。 1:圧電材料層、2:内部電極層、3:保護層、4:絶縁材料、
5:外部電極、6,6a:リード、7:接続用電極、7a:電極、8:
スリット、9:低融点合金。
Claims (1)
- 【請求項1】(1)板状の圧電材料を複数個積み重ねた
各圧電材料層の間に、これら圧電材料層と互いに密接し
て埋め込んだ複数個の内部電極層を有し、上下両端の前
記圧電材料層に前記内部電極層の介在する保護層と、所
定幅の互いに平行な平面を呈する側面とを形成した積層
体、 (2)この積層体の前記二つの側面で前記内部電極の1
層おきに、左右互い違いに前記各内部電極層の側端面か
ら前記積層体内部に所定の深さ埋め込まれ、前記積層体
の前記二つの側面の外方に所定長さの突出部をもつ複数
個の絶縁材料、 (3)それぞれ前記積層体の前記二つの側面に接して前
記各絶縁材料の前記突出部の間を埋め、前記各絶縁材料
の前記突出部端面と同一平面を形成するガラスフリット
入り焼き付けタイプ導電性ペーストからなる接続用電
極、 (4)前記各絶縁材料の前記突出部端面と前記各接続用
電極とのなす前記同一平面上の前記各接続用電極に、低
融点合金を用いて接合した金属系の二つの外部電極、を
有することを特徴とする積層型圧電素子。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13980889 | 1989-06-01 | ||
JP1-139808 | 1989-06-01 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0387079A JPH0387079A (ja) | 1991-04-11 |
JP2707782B2 true JP2707782B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=15253922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2053073A Expired - Lifetime JP2707782B2 (ja) | 1989-06-01 | 1990-03-05 | 積層型圧電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2707782B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4053822B2 (ja) | 2002-06-10 | 2008-02-27 | 日本碍子株式会社 | 圧電/電歪デバイスとその製造方法 |
JP4931334B2 (ja) | 2004-05-27 | 2012-05-16 | 京セラ株式会社 | 噴射装置 |
JP2009046140A (ja) * | 2007-08-20 | 2009-03-05 | Shunwa:Kk | 結合構造物及びそれを用いた構造体 |
JP5634433B2 (ja) | 2012-04-27 | 2014-12-03 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 粒子状物質検出素子とその製造方法、並びに、粒子状物質検出センサ |
JP5709808B2 (ja) * | 2012-08-02 | 2015-04-30 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 粒子状物質検出素子の製造方法、並びに、粒子状物質検出センサ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02137280A (ja) * | 1988-11-17 | 1990-05-25 | Nec Corp | 電歪効果素子およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-03-05 JP JP2053073A patent/JP2707782B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0387079A (ja) | 1991-04-11 |
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