JP3968408B2 - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータ装置に係わり、例えば、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子、自動車用エンジンの燃料噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、圧電板と電極とを交互に積層してなる積層型圧電アクチュエータが知られている。このような積層型圧電アクチュエータは、圧電板に電極を介して電圧を印加することにより、逆圧電効果によって圧電板を数〜数十μm伸長させ、その変位を圧電アクチュエータの駆動力源とするものである。そして、最近では、小型の積層型圧電体素子では大きな変位量を確保し、更により早い駆動を行うため、 高電圧、 高周波数での駆動が要求されている。
【0003】
また、圧電板と電極との積層体からなる圧電的に活性な積層体の上面および下面には、アクチュエータを支持、固定するとともに金属ケースとの絶縁性を保つために、圧電的に不活性な絶縁体をガラスによって接合したアクチュエータが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のアクチュエータでは、圧電板と電極との積層体と不活性絶縁体とを金属粉末とガラスからなる導電性接着材によって接合しているために両者が互いに強固に固着されており、アクチュエータに高電圧を高周波数で印加しながら長時間駆動すると、圧電板と電極との積層体と不活性絶縁体との境界部分に大きな応力が集中が発生し、前記積層体または不活性絶縁体が破壊してしまうという問題があった。
【0005】
このような問題に対しては、例えば、特開平7−30165号によれば、積層体の上下面に形成された不活性絶縁体に隣接する積層体中の電極の重なり面積を積層体の中央部における電極間の重なり面積よりも小さくすることによって積層体の端部の変位を小さくしたアクチュエータが提案されている。また、特開昭60−257186号によれば、不活性絶縁体を比誘電率が1200未満、ヤング率が7.0×1010N/cm2 以下の絶縁体によって形成し応力を不活性絶縁体によって吸収させようとすることが提案されている。
【0006】
上記の手法によれば、低電圧あるいは低周波での駆動においてはある程度の効果は見られるが、特に、400V以上、50Hz以上もの高電圧、高周波での長時間の駆動ではその応力も大きくなるために、圧電板と電極との積層体と不活性絶縁体との境界部分に生ずる応力集中を十分に緩和することは難しいものであった。
【0007】
しかも、特開平7−30165号の手法では、積層体における電極形成箇所および積層時の位置合わせを厳密に制御する必要があるために、量産性に欠けるものであり、また、特開昭60−257186号の手法では、不活性絶縁体を特殊な材料によって形成することが必要となり、その結果、積層体との熱膨張特性などを一致させることが難しくなるために、積層体と不活性絶縁体との熱膨張差によって新たな応力を発生させてしまうという問題があった。
【0008】
従って、本発明は、高電圧、高周波で駆動する場合においても、圧電板と電極との積層体と不活性絶縁体との境界部分に発生する応力を効果的に緩和し、長期信頼性に優れたアクチュエータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、圧電板と電極との積層体と不活性絶縁体との境界部分に発生する応力を効果的に緩和するための方法について検討を重ねた結果、積層体と不活性絶縁体との間に、弾性率の低い低弾性体を介在させて接合することにより、境界部分に発生する応力を低弾性体が効果的に吸収し、アクチュエータの長期信頼性を改善できることを見いだしたものである。
【0010】
即ち、本発明の積層型圧電アクチュエータは、複数の圧電板と、複数の正極用および負極用の電極板とを交互に積層してなる積層体と、前記正極用の電極板同士および負極用の電極板同士を前記積層体の側面にてそれぞれ接続するための接続部材とを具備し、且つ前記積層体の上下面に、圧電的に不活性な絶縁体を接合してなり、ガラス接合材又は導電性接合材により複数の金属板を積層した積層物からなる低弾性体を介して、前記積層体と前記不活性絶縁体とが接合されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成において、前記金属板がAg、Al、ジュラルミンのうちの1種以上の金属からなり、前記複数の金属板の総厚さが25〜300μmであるのが好ましい。また、前記低弾性体と前記積層体、および前記低弾性体と前記不活性絶縁体がガラスによってそれぞれ接合されているのが好ましい。
【0012】
なお、前記不活性絶縁体としては、圧電板と同一組成の材料からなることが望ましい。
【0013】
【作用】
本発明の積層型圧電アクチュエータでは、圧電板と電極とを積層してなる圧電的に活性な積層体と、この積層体の上下に配設される不活性絶縁体との間に、上記低弾性体を介在させることにより、変位する積層体により不活性絶縁体に伝達される応力が低弾性体によって有効的に緩和される結果、積層体と不活性絶縁体との境界部分における応力の集中を抑制できる。よって、高電圧、高周波にて高速駆動させた場合においても圧電板や不活性絶縁体に対してクラックや破断を生じることなく長時間の駆動が可能となり、アクチュエータの信頼性を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の圧電アクチュエータの一例を説明するための図であり、図1は概略側面図、図2は、電極板の平面図、図3および図4は要部拡大断面図である。この圧電アクチュエータ1は、複数の圧電板2と、複数の電極板3とを交互に積層した積層体を具備し、圧電板2の両面には導電層4が形成されており、圧電板2と電極板3とは、導電層4によって接合されている。導電層4は、導電性ペーストを圧電板2の表面に塗布し400〜600℃程度で焼き付けることにより形成される。この導電性ペーストは、Ag等の導電性粉末とガラス成分からなっており、ガラス成分を高温で溶融することにより圧電板2に焼き付けられる。この導電性ペーストは、Ag粉末を70〜98重量%と、ホウケイ酸鉛系などのガラス成分2〜30重量%とからなることが望ましい。
【0015】
圧電板2は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック材料などの周知の圧電材料によって構成されている。この圧電板2を構成する圧電材料としては、駆動時の変位量を大きくするために、圧電歪み定数d33が高いものが望ましい。また、この圧電板2の厚みは、小型化および高い電圧を印加するという点から0.2〜0.6mmであることが望ましい。
【0016】
特に、圧電板を構成する圧電材料としては、金属成分としてPb、Zr、Ti、Zn、Sb、Ni、Teと、SrおよびBaのうち少なくとも1種を含む複合ペロブスカイト型化合物からなり、これらの金属元素のモル比による組成式を、Pb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/4 a (Ni1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 と表わした時、x,y,a,b,cのモル比が、0≦x≦0.12、0≦y≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.12、0≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満足する基本成分100重量部に対して、等モル比からなるPbOおよびNb2 5 を合量で0.2〜1.2重量部添加含有してなる圧電磁器組成物が望ましい。
【0017】
また、電極板3には、図2に示すように、1対の接続部材5が一体に形成されており、電極板3は正極用と負極用とに分けられ、圧電板2の間に正極用の電極板3と負極用の電極板3が交互に積層される。そして、それぞれの正極用の電極板3の各接続部材5は積層体の側面の異なる方向にそれぞれ導出されている。
【0018】
そして、同一方向に導出された正極用の電極板3の接続部材5および負極用の電極板3の接続部材5は、それぞれ圧電アクチュエータ1に接触しないように所定の間隙Lをもつように、圧電アクチュエータ1の外周側面に沿って折曲され、正極用の接続部材5群、および負極用の接続部材5群は、それぞれ半田付け、あるいは溶接等によって互いに接続固定されている。
【0019】
接続部材5が圧電アクチュエータ1に近接して配設されると、圧電アクチュエータ1から発生した熱の放散を接続部材が阻害してしまう。そのため、上記間隙Lは、0.2mm以上であることが望ましい。なお、上記間隙Lが大きすぎると装置全体が大型化してしまうため、この間隙Lは2.0mm以下が望ましい。
【0020】
また、接続部材5は、圧電アクチュエータ1から発生する熱を拡散させる作用をなすことから、熱の拡散性の点からは接続部材5の幅Wは、大きい方がよく、圧電板2が円板である場合、その半径rに対してr/10以上であることが望ましい。一方、接続部材5の幅が大きすぎると隣接する異なる極性の接続部材5との距離が近くなり、隣接する接続部材5間で放電の可能性が高くなることから、その幅Wはr以下であることが望ましい。
【0021】
また、電極板3、接続部材5は、銀、真鍮、銅、ステンレス等の金属からなる導電性金属からなることが好ましい。電極板3の厚さは、変位量に影響を及ぼさないためにできるだけ薄いもの特に20〜100μmのものが好ましい。
【0022】
さらに、電極板3は、隣接する電極板3間の短絡や放電を防止するために、圧電アクチュエータ1の外周側面に露出しないように圧電板2よりも小さい寸法からなることが望ましい。
【0023】
(不活性絶縁体)
さらに、本発明の圧電アクチュエータ1によれば、上記の圧電板2と電極板3との積層体の上下面には、弾性率が100GPa以下、特に85GPa以下の低弾性体6を介して圧電的に不活性絶縁体7が接合されている。この低弾性体6の弾性率を100GPa以下に限定したのは、弾性率が100GPaよりも高いと高電圧、高速で駆動した際、不活性絶縁体と低弾性体の界面より、クラックが発生して破損するためである。
【0024】
弾性率が100GPa以下の低弾性体6としては、Ag、Al、ジュラルミンのうちの1種以上の金属、あるいはシリコンゴムが望ましい。
【0025】
この低弾性体6が金属からなる場合、その低弾性体6は、厚さが25〜300μmの金属板からなることが望ましい。これは、厚さが25μmよりも小さいと、応力緩和の効果が小さくなるためであり、300μmよりも大きいと、変位量の低下が大きくなるためである。
【0026】
また、図3のように圧電板2と電極板3との積層体と不活性絶縁体7とを金属板からなる低弾性体6によって接合するには、積層体の上面および下面に位置する圧電板2の表面と、不活性絶縁体7の積層体との接合面に、予めホウケイ酸鉛系ガラスなどのガラスペーストからなる絶縁性接着剤を塗布し、400〜600℃程度で焼き付けておき、積層体の上面、下面に上記金属板からなる低弾性体6および不活性絶縁体7を積層した後、400〜600℃で加熱することにより、低弾性体6と積層体、および低弾性体6と不活性絶縁体7をそれぞれガラス8によって接合して一体化することができる。
【0027】
また、金属板によって低弾性体6を形成する場合、低弾性体6を複数の金属板との積層物によって形成することが望ましい。このように低弾性体6を複数の金属板によって構成することにより、駆動中に発生する応力が複数の金属板によって分散され、1枚の金属板によって構成する場合に比較してさらに応力を緩和できるからである。かかる場合、複数の金属板の総厚さが25〜300μmの厚さとなるように、一枚の金属板の厚さを調整すればよい。なお、複数の金属板間は、ガラスや導電性ペーストによって接合されている。
【0028】
また、図4に示すように低弾性体6としてシリコンゴムを用いる場合は、シリコンゴム自体が接着剤としての機能も有しているため、シリコンゴム9が有する接着性によって積層体と不活性絶縁体7とを接合することができる。かかる場合、シリコンゴムの厚さは3〜300μmに調整される。
【0029】
上記の積層体と不活性絶縁体7との接合体に対して、適宜、積層体1の外周面及び不活性絶縁体7の一部の外周面をシリコンゴムなどの弾性率の低い絶縁性樹脂10で被覆するとともに、圧電板2の相互間及び圧電板2と接続部材5との間の空隙にも同様な絶縁性樹脂が隙間なく充填される。
【0030】
このようにして作製された圧電アクチュエータ1は、放熱性に優れた銀、銅、アルミニウム、ステンレスのうちの少なくとも1種の金属から金属ケース(図示せず)に装填された圧電アクチュエータ装置となる。
【0031】
【実施例】
実施例1
Pb0.94Sr0.04Ba0.02(Zn1/3 Sb2/3 0.075 (Ni1/2 Te1/2 0.005 Zr0.47Ti0.453 の組成からなる基本成分100重量部に対して、等モル比からなるPbOおよびNb2 5 を合量で0.5重量部添加含有した組成物を1130℃で焼成して作製したPZT系圧電セラミックスの両面を研磨して、直径20mm、厚み0.5mmの円板状の圧電板を形成した。
【0032】
この圧電板の両面に、Ag粉末97重量%、PbO−SiO2 −B2 3 を主成分とするガラス3重量%の導電性ペーストを10μmの厚みになるように印刷した後、100℃にて乾燥し520℃で焼き付けた。
【0033】
また、厚さ25μmのAg製薄板を、図2に示したような3mm×2mmの接続部材を有する直径19mmの円形に打ち抜いて電極板を作製した。
【0034】
そして、上記電極板と圧電板とを交互に積層し、圧電板の総数が100層の積層体を作製した。なお、電極板の接続部材は一層おきに正極用と負極用とを90度の角度差をもってそれぞれ同じ向きに突出させた。
【0035】
また、上記圧電板と同一組成のPZT系焼結体を用い、直径20mm、厚み5mmの円柱状の不活性絶縁体を形成し、この不活性絶縁体の片面と、前記積層体の最上面および下面にそれぞれPbO−SiO2 −B2 3 を主成分とするガラスペーストを10μmの厚みになるように印刷した後、100℃にて乾燥し520℃で焼き付けた。
【0036】
そして、この不活性絶縁体を上記積層体の上面および下面に、厚さが表1の種々の直径19mmのAg、Al、ジュラルミンの金属板を表1に示す層数にて位置ずれが生じないように積層して軽く圧力を加えた後、その積層物の上部に約3kgの重りを乗せて、600℃で1時間加熱して、不活性絶縁体と積層体とを金属板を介して接合した。
【0037】
次に、図1に示したように、圧電板の径方向に突出した正極用および負極用の接続部材の先端部を積層方向にそれぞれ折曲げ、折り曲げた接続部材の先端部と隣接する同極の接続部材とをハンダで接続した。なお、接続部材同士を接続する際には、圧電アクチュエータの一端から他端まで接続部材が圧電アクチュエータの側面から0.5mm離間するようにして接続部材を取り付けた。その後、積層体及び不活性絶縁体の外周面をシリコンゴムによって被覆した。
【0038】
そして、これを80℃のシリコンオイル中で3kV/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を行ない、積層型圧電アクチュエータを作製した。
【0039】
(評価)
得られた積層型圧電アクチュエータに温度雰囲気125℃において、0Vから+500Vの直流電界を50Hzの周波数にて印加し、印加回数5×108 回まで駆動を行った。そして、駆動時の圧電アクチュエータによる変位量と、積層体と不活性絶縁体の境界部分での圧電板または不活性絶縁体へのクラックや破断の発生を目視観察し、クラックや破断が生じるまでの回数を測定しその結果を表1に示した。
【0040】
さらに、125℃においてDC0〜500V、50Hzの条件で5×108 回まで駆動した時、各試料について、50個のサンプルを作製し、積層体と不活性絶縁体との間にクラックが発生したサンプル数を表1に示した。
【0041】
なお、変位量の測定は、圧電アクチュエータ装置を防振台上に固定し、試料上面にアルミニウム箔を張り付けて、レーザー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測定した値の平均値で評価した。
【0042】
比較例
比較として、積層体と不活性絶縁体の界面にAg薄板を挿入せずに、積層体と不活性絶縁体とをガラスによって接合した圧電アクチュエータを作製した。
【0043】
実施例2
実施例1で作製した圧電板と電極板との積層体の上面および下面と、不活性絶縁体の片面に粘着性を有するシリコンゴムを所定の厚さで塗布した後、積層体の上面および下面に不活性絶縁体を貼り付けた。そして、実施例1と同様な評価を行った。
【0044】
【表1】
Figure 0003968408
【0045】
表1の結果から明らかなように、比較用の圧電アクチュエータ(試料No.1)では、1×106 回印加で積層体と不活性絶縁体との境界部で破断は発生し、それ以上の駆動が不可能となった。
【0046】
また、積層体と不活性絶縁体との間に弾性率が80GPa以下の低弾性体を介在させた試料No.2〜7、試料No.10〜13では、いずれも500Vの直流電界を50Hzの周波数にて印加した場合においても、印加回数5×108 回まで駆動を行った場合でも積層体と不活性絶縁体との境界においてクラックや破断の発生を低減できた。特に、低弾性体の総厚さが25〜300μmの試料No.3、4、5では、変位量が30μm以上と大きく、しかも500V、50Hzの高電圧、高周波での駆動においても5×108 回以上の駆動が可能であり、しかもクラックの発生数も皆無とすることができた。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の積層型圧電アクチュエータでは、圧電的に活性な圧電板と金属板からなる積層体とこの積層体の上下面に配設される不活性絶縁体との間に複数の金属板を積層した積層物からなる低弾性体を挿入したので、変位する積層体により不活性絶縁体に伝達される応力が低減され、積層体と不活性絶縁体との境界部分における応力集中を抑制でき、不活性絶縁体または積層体端面の破損を防止できる。したがって、高電圧、高周波数での高速駆動の場合でもクラックや破断を生じることなく長時間の駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータの概略側面図である。
【図2】本発明の積層型圧電アクチュエータにおける電極板の平面図である。
【図3】本発明の積層型圧電アクチュエータにおいて、低弾性体として金属板を用いた場合の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の積層型圧電アクチュエータにおいて、低弾性体としてシリコンゴムを用いた場合の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 圧電アクチュエータ
2 圧電板
3 電極板
4 導電層
5 接続部材
6 低弾性体
7 不活性絶縁体

Claims (4)

  1. 複数の圧電板と、複数の正極用および負極用の電極板とを交互に積層してなる積層体と、前記正極用の電極板同士および負極用の電極板同士を前記積層体の側面にてそれぞれ接続するための接続部材とを具備し、且つ前記積層体の上下面に、圧電的に不活性な絶縁体を接合してなる圧電アクチュエータにおいて、
    ガラス接合材又は導電性接合材により複数の金属板を積層した積層物からなる低弾性体を介して、前記積層体と前記不活性絶縁体とが接合されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 前記金属板がAg、Al、ジュラルミンのうちの1種以上の金属からなり、前記複数の金属板の総厚さが25〜300μmである請求項1に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  3. 前記低弾性体と前記積層体、および前記低弾性体と前記不活性絶縁体がガラスによってそれぞれ接合されている請求項1又は2に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  4. 前記不活性絶縁体が、前記圧電板と同一材料からなる請求項1〜3のいずれかに記載の積層型圧電アクチュエータ。
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