JPH11340535A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JPH11340535A
JPH11340535A JP10149385A JP14938598A JPH11340535A JP H11340535 A JPH11340535 A JP H11340535A JP 10149385 A JP10149385 A JP 10149385A JP 14938598 A JP14938598 A JP 14938598A JP H11340535 A JPH11340535 A JP H11340535A
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JP
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piezoelectric
plates
plate
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JP10149385A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Onizuka
克彦 鬼塚
Makoto Higashibetsupu
誠 東別府
Takeshi Setoguchi
剛 瀬戸口
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性体と不活性体の境界部近傍に発生する応力
集中を緩和して、この部分における応力破壊を防止する
とともに、効率の良い冷却を行い、高い信頼性を有する
積層型圧電アクチュエータを提供する。 【解決手段】複数の圧電板1と複数の金属薄板4とを交
互に積層し、該金属薄板4を導電性接着剤により各圧電
板1に接合してなる活性体2と、該活性体2の上下に絶
縁性接着剤によりそれぞれ接合された緩衝用金属板7
と、該緩衝用金属板7に絶縁性接着剤によりそれぞれ接
合された金属製不活性体9とを具備するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電アクチ
ュエータに関し、例えば、光学装置等の精密位置決め装
置や、振動防止用の駆動素子や自動車用エンジンの燃料
噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電アクチュエ
ータに関する。
【0002】
【従来技術】従来から、逆圧電効果を利用して大きな変
位量を得るために、圧電板と電極層とを交互に複数枚積
層した積層型圧電体素子の構造が多数提案されている。
これは、圧電体に高電圧を印加して圧電体を数〜数十μ
m伸長させ、アクチュエータの駆動力源とするものであ
る。
【0003】積層型圧電アクチュエータの製造方法とし
て、電極と圧電板とを同時焼成する方法がある。この方
法では、圧電板の厚みを薄くすることが比較的容易であ
り、印加電界を高くできるために低電圧高変位が可能で
ある。しかしながら、圧電板材料(例えば、Pb(Zr
Ti)O3 等のセラミックスからなる)と同時焼成を行
なうための内部電極用材料としては、PdやPt等の貴
金属を使用する必要があり、積層数の増加に伴い内部電
極用材料の使用量も増加し、コスト高になるという問題
があった。
【0004】そこで、従来、コストを低減するために、
図5に示すように、例えば両面に導電性接着剤層30が
形成された円形の圧電板31を複数枚積層するととも
に、導電性接着剤層30間に金属薄板33を配置し、こ
れらの金属薄板33に形成された接続用突起部35を軸
方向に折曲し、同一極性の接続用突起部35を重ね合わ
せて接合し、駆動電圧印加用の電極とした構造が提案さ
れている。
【0005】これらの積層型圧電アクチュエータは、変
位を発生する圧電的に活性な部分(活性体37)と、変
位を発生しない圧電的に不活性で機械的エネルギーを伝
達する部分(不活性体39)とが接合されているのが一
般的である。この様な構造にする事により、所望の変位
量を確保する為に圧電板の積層数を変更し、活性体の長
さが変化した場合にも、不活性体の寸法を調整する事に
よりアクチュエータ全体の寸法を一定長さに保持するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た積層型圧電アクチュエータでは、活性体37と不活性
体39がともにセラミックスで構成され、互いに強固に
接合されていたために、高電圧を印加し長時間にわたり
駆動すると、不活性体39と活性体37の境界部に大き
な応力集中が起こり、不活性体39の活性体37側の部
分、または活性体37の不活性体39側の部分破壊が発
生してしまうという問題があった。
【0007】即ち、活性体37は電圧印加によって積層
方向に変位を生じるが、同時に半径方向にも変位を発生
している。この半径方向変位は、活性体37が軸方向に
伸長している時は収縮する方向に、活性体37が軸方向
に収縮している時は伸長する方向となる。活性体37に
は電圧印加によって、この半径方向の変位が生じるのに
対し、不活性体39は半径方向の変位を生じる事が無
く、この両者が強固に接合されている事によって接合境
界部近傍に高い応力が発生し、これが破壊の原因とな
る。
【0008】この様な問題を解決する為に、例えば、特
開平7−30165号には、活性体の不活性部近傍にお
ける内部電極の重なり面積を、他の活性体における内部
電極の重なり面積よりも小さくした積層型圧電アクチュ
エータが開示されている。しかし、この方法では、電極
板、および導電性接着剤の塗布に関わるコストが上昇す
る事や、積層時に界面に隙間が生じ易いなどの問題があ
り、適切な方法とは言えなかった。
【0009】また、特開平1−226186には横効果
圧電歪定数が比較的小さい圧電材料を応力緩和層として
設けた構造が開示されている。しかし、この方法では圧
電体材料を複数用意する必要があり、コストの上昇をま
ねくという問題があった。
【0010】更に、特開平3−66183には弾性率に
異方性を持つ固体を活性体端面に固着した構造が開示さ
れている。しかし、この方法では活性体の駆動に伴って
発生した熱を外部に効率よく逃がす事が考慮されておら
ず、例えば高温下で使用される自動車用エンジンの燃料
噴射用の駆動素子等では活性体の温度がキュリー点以上
になり、圧電特性が失われるといった問題があった。
【0011】本発明は、高い印加電圧で高速で駆動する
場合でも、活性体と不活性体の境界部近傍に発生する応
力集中を緩和して、この部分における応力破壊を防止す
るとともに、効率の良い冷却を行い、高い信頼性を有す
る積層型圧電アクチュエータを提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電アク
チュエータは、複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互
に積層し、該金属薄板を導電性接着剤により前記各圧電
板に接合してなる活性体と、該活性体の上下に絶縁性接
着剤によりそれぞれ接合された緩衝用金属板と、該緩衝
用金属板に絶縁性接着剤によりそれぞれ接合された金属
製不活性体とを具備するものである。
【0013】ここで、金属製不活性体の側面にセラミッ
ク層を形成するとともに、金属薄板を交互に電気的に接
続して正極用外部電極および負極用外部電極を形成し、
該正極用外部電極および負極用外部電極にそれぞれ接続
された一対の接続部材を前記セラミック層まで延設し、
該セラミック層表面で前記一対の接続部材にリード線を
それぞれ接続してなることが望ましい。
【0014】また、緩衝用金属板と、活性体、金属製不
活性体との絶縁性接着剤による接合面積が、圧電板と金
属薄板との導電性接着剤による接合面積よりも小さいこ
とが望ましい。
【0015】
【作用】本発明の積層型圧電アクチュエータでは、活性
体の上下に絶縁性接着剤により緩衝用金属板を接合し、
この緩衝用金属板に絶縁性接着剤により金属製不活性体
を接合したので、活性体とその両端の金属製不活性体と
の間に応力緩和層が形成されることになり、活性体の半
径方向の変位によって発生する応力を緩衝用金属板によ
り緩和することができ、高い印加電圧で高速で動作する
時でも、活性体の不活性体側近傍や不活性体の活性体側
近傍においてクラックや破断を生じることがなく、長時
間の作動が可能となる。
【0016】また、活性体に、上記した応力緩和層を介
して金属製不活性体が直接接合されているため、活性体
の駆動により発生した熱を緩衝用金属板、金属製不活性
体を介して効率よく外部に放出でき、高温環境下でも活
性体の圧電板材料のキュリー点を超えることがなく安定
して作動することができる。
【0017】さらに、金属製不活性体の側面にセラミッ
ク層を形成したので、例えば、正極用外部電極および負
極用外部電極から延設された接続部材端を、セラミック
層表面でリード線とそれぞれ接続することが可能とな
り、正極、負極の絶縁が確保され、リード取付け部にお
ける絶縁破壊を防止できる。
【0018】また、緩衝用金属板と、活性体、金属製不
活性体との絶縁性接着剤による接合面積を、圧電板と金
属薄板との導電性接着剤による接合面積よりも小さくす
ることにより、変位する活性体により不活性体に伝達さ
れる応力が低減され、活性体と不活性体との境界部分に
おける応力集中を抑制でき、不活性体または活性体端面
の破損を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る積層型圧電
アクチュエータの一実施形態を示す断面図であり、図1
において符号1は円板状の圧電板を示している。
【0020】圧電板1を構成する圧電体材料には、例え
ばチタン酸バリウムBaTiO3 や、チタン酸ジルコン
酸鉛Pb(ZrTi)O3 (以下PZTと略す)を主成
分とする圧電セラミックス材料などが使用される。しか
し、これに限定されるものではなく、圧電性を有するセ
ラミックス、結晶あるいは、電歪性を有するセラミック
ス、結晶であれば何でもよい。この圧電板1を構成する
圧電体材料としては、圧電歪み定数d33が大きいものが
望ましい。この圧電板1の厚みは、小型化および高い電
界を印加するという点から、0.2〜0.6mmである
ことが望ましい。
【0021】そして、両主面に導電性接着剤層3が形成
された複数の圧電板1が積層されて活性体2が形成され
ており、導電性接着剤層3の形成された圧電板1の間に
は円板状の金属薄板4が介装され、圧電板1を挟持した
状態で、金属薄板4が圧電板1に接合されている。これ
らの金属薄板4は、図4に示すように、連結部材5によ
り連結され一体的に構成されており、図2に示すよう
に、連結部材5は圧電板1の径方向に突出している。ま
た、連結部材5が交互に90度の角度を有するように、
金属薄板4が圧電板1の間に介装されており、これらの
金属薄板4は、その連結部材5の位置により正極用外部
電極、負極用外部電極とされている。さらに、連結部材
5は圧電板1の外周面から離間した位置でアーチ状に折
り曲げられている。
【0022】金属薄板4は、導電性を有するもので、例
えば、銀、真鍮、銅、ステンレス、Fe−Ni−Co合
金等の金属が好ましい。金属薄板4の厚さは、変位量に
寄与しないためにできるだけ薄いもの、例えば、20〜
70μmのものが好ましい。
【0023】また、金属薄板4は、他の金属薄板4との
短絡や放電を防止するために、活性体2の外周面に露出
しないように、圧電板1よりも小さいことが望ましい。
【0024】導電性接着剤層3は、導電性接着剤を圧電
板1に塗布し乾燥することによって形成されるが、この
導電性接着剤は、Ag等の導電性の金属粉末とガラス成
分を含有し、400〜600℃程度で溶融するものが望
ましい。これは、積層時に加圧加熱すると導電性接着剤
に含有されるガラス成分が溶融し、圧電板1同士を強固
に接合し、高電界の繰り返し印加によって発生する界面
での剥離等を防止することができ、積層型圧電体素子の
信頼性を向上できるからである。この導電性接着剤は、
特に、Ag粉末を70〜98重量%を主成分とし、Pb
O−SiO2 −B2 3 からなるガラス成分2〜30重
量%を含有することが望ましい。
【0025】いように耐水性樹脂等で充填することが望
ましい。使用される耐水性樹脂は、絶縁性が高く、常温
から200℃までの温度で硬化できる有機樹脂であれば
どのようなものでもよいが、絶縁性が高く、充填しやす
いという点からシリコン系樹脂、シリコン系ゴム、ある
いは、エポキシ系樹脂であることが望ましい。
【0026】活性体2の上下面には、絶縁性接着剤によ
りそれぞれ緩衝用金属板7が接合され、該緩衝用金属板
7には絶縁性接着剤によりそれぞれ金属製不活性体9が
接合されており、活性体2の上下面には、図3に示すよ
うに、絶縁性接着剤層10、緩衝用金属板7、金属製不
活性体9が順次形成されている。
【0027】絶縁性接着剤としては、エポキシ樹脂やポ
リイミド樹脂が用いられ、緩衝用金属板7としては、
銀、銅、アルミニウム等の弾性率の低い金属材料が用い
られ、金属製不活性体としては、ステンレス(SU
S)、SCM鋼、Fe−Ni−Co合金等が用いられ
る。
【0028】不活性体9の側面には、例えば、アルミ
ナ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素等からなるセラミ
ック層13が形成されている。セラミック層13は絶縁
性のあるセラミックスであれば何でも良く、金属製不活
性体9の側面に蒸着、CVD、PVDなどの方法で強固
に被覆形成されている。
【0029】セラミック層13は、例えば、リング状の
セラミックスまたはガラスに金属製不活性体9を挿入
し、接合して形成しても良い。セラミック層13は、金
属製不活性体9と熱膨張係数の近いセラミックスあるい
はガラスが好ましい。
【0030】金属薄板を交互に電気的に接続して形成さ
れた正極用外部電極および負極用外部電極の下端部は、
図1に示すように、接続部材15によりセラミック層1
3側方まで延設され、セラミック層13表面でリード線
17とそれぞれ接続されている。
【0031】また、緩衝用金属板7と、活性体2、金属
製不活性体9との絶縁性接着剤による接合面積が、圧電
板1と金属薄板4との導電性接着剤による接合面積より
も小とされている。つまり、絶縁性接着剤層10の面積
が、導電性接着剤層3の面積よりも小さいのである。
【0032】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータでは、活性体2の上下に絶縁性接着剤により緩
衝用金属板7を接合し、この緩衝用金属板7に絶縁性接
着剤により金属製不活性体9を接合したので、活性体2
とその両端の金属製不活性体9との間に応力緩和層が形
成されることになり、活性体2の半径方向の変位によっ
て発生する応力を緩衝用金属板7により緩和することが
でき、高い印加電圧で高速で動作する時でも、活性体2
の不活性体9側近傍や不活性体9の活性体2側近傍にお
いてクラックや破断を生じることがなく、長時間駆動さ
せることができる。
【0033】また、活性体2に、緩衝用金属板7を介し
て金属製不活性体9が直接接合されているため、活性体
2の駆動により発生した熱を緩衝用金属板7、金属製不
活性体9を介して効率よく外部に放出でき、高温環境下
でも活性体2の圧電板材料のキュリー点を超えることが
なく安定して作動することができる。
【0034】さらに、金属製不活性体9の側面にセラミ
ック層13を形成したので、例えば、正極用外部電極お
よび負極用外部電極から延設された接続部材15端を、
セラミック層13表面でリード線17とそれぞれ接続す
ることが可能となり、正極、負極の絶縁が確保され、リ
ード取付部19における絶縁破壊が防止できる。
【0035】また、緩衝用金属板7と、活性体2、金属
製不活性体9との絶縁性接着剤による接合面積を、圧電
板1と金属薄板4との導電性接着剤による接合面積より
も小さくすることにより、変位する活性体2により不活
性体9に伝達される応力が低減され、活性体2と不活性
体9との境界部分における応力集中を抑制でき、不活性
体9または活性体2端面の破損を防止できる。
【0036】尚、活性体2と不活性体9との間に複数の
緩衝用金属板7を設けても良い。
【0037】本発明の積層型圧電アクチュエータは以下
のようにして製造される。先ず、圧電板1の両主面に導
電性接着剤を塗布し、この導電性接着剤を乾燥した後、
複数の圧電板1の間、即ち、導電性接着剤層3間に金属
薄板4を介装して積層し、この後加熱しながら加圧し、
複数の圧電板1を相互に接合し、圧電板1と金属薄板4
との間に導電性接着剤層3を形成し、活性体2とする。
【0038】次に、活性体2の上下面に、絶縁性接着剤
により弾性率の低い金属箔で作製された緩衝用金属板7
を接合し、緩衝用金属板7に絶縁性接着剤により不活性
体9を接合する。
【0039】この後、正極用外部電極および負極用外部
電極の下端部を、接続部材15によりセラミック層13
まで延設し、セラミック層13表面でリード線17とそ
れぞれ接続する。
【0040】尚、活性体2の外周をSiゴムで被覆して
も良い。また、本発明の積層型圧電アクチュエータは円
柱状や四角柱状等どのような形状であっても良い。
【0041】
【実施例】実施例1 PZT系焼結体の両面を研磨して、直径15mm、厚み
0.4mmの円盤状の圧電板1を形成した。この圧電板
1の両主面に、Ag粉末95重量%、PbO−SiO2
−B2 3 系ガラス5重量%の導電性接着剤を直径13
mm、10μmの厚みになるように印刷した後、120
℃にて乾燥した。厚さ30μmのAg製板を、直径が1
3mmの金属薄板4に幅2mmの連結部5を形成した形
状に加工し、この金属薄板4を圧電板1の間に交互に挟
み込み、圧電板1を100層積層し、導電性接着剤によ
り接合して活性体2を形成した。
【0042】尚、金属薄板4の連結部5は一層おきに同
じ位置にくるように、他方は90度の角度を有するよう
に配置した。
【0043】こうして形成した活性体2の上下面に、エ
ポキシ接着剤からなる絶縁性接着剤を塗布し、直径が1
3mm、厚さ50μmのAg製の緩衝用金属板7を積層
し、緩衝用金属板7の表面にエポキシ接着剤からなる絶
縁性接着剤を塗布し、圧電的に不活性で機械的エネルギ
ーを伝達する不活性体9を積層し、100℃、1時間で
硬化・接合した。不活性体9は直径15mm、厚さ20
mmのステンレスの外表面にアルミナセラミックスを厚
さ1μmコーテイングしたものを使用した。
【0044】次に、活性体2の外周部にシリコンゴムを
被覆した。これを80℃のシリコンオイル中で3kv/
mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を行ない、
図1に示すような積層型圧電体アクチュエータを作製し
た。
【0045】得られた積層型圧電アクチュエータに50
0Vの直流電圧を印加した結果、40μmの変位量が得
られた。更にこのアクチュエータに0Vから+500V
の直流電圧を40Hzの周波数にて印加した結果、5億
回の連続動作を行った場合でも活性体2と不活性体9の
境界部分近傍において破断は見られなかった。
【0046】また、上記の積層型圧電アクチュエータの
動作中の温度を赤外線放射温度計によって測定したとこ
ろ、活性体2の温度は80℃であった。
【0047】一方、セラミックスからなる不活性体を用
い、また、緩衝用金属板7を用いることなく活性体にエ
ポキシ樹脂で不活性体を接合した以外は、上記と同様に
して従来の積層型圧電アクチュエータを作製し、上記と
同様に連続動作させたところ、100万回で活性体と不
活性体の境界部分近傍において破断が発生し、それ以上
の駆動が不可能となった。
【0048】また、動作中の温度を上記と同じ方法で測
定したところ、活性体は150℃に達していた。
【0049】尚、変位量の測定は、試料を防振台上に固
定し、試料表面にアルミニウム箔を張り付けて、レーザ
ー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測定
した値の平均値で評価した。
【0050】実施例2 実施例1と同様にして作製した活性体2、および直径1
3mm、厚さ5mmのステンレス金属を、内径13mm
外径15mm厚さ5mmのリング状のPZTセラミック
スに挿入し、エポキシ樹脂で接合した不活性体9を用
い、緩衝用金属板7として直径が12mm、厚さ50μ
mのFe−Ni−Co合金製板を用いる以外は、上記実
施例1と同様にして積層型圧電体アクチュエータを作製
した。
【0051】得られた積層型圧電アクチュエータに50
0Vの直流電圧を印加した結果、40μmの変位量が得
られた。更にこのアクチュエータに0Vから+500V
の直流電圧を50Hzの周波数にて印加した結果、5億
回の連続動作を行った場合でも活性体と不活性体の境界
部分近傍において破断は見られなかった。
【0052】また、上記の積層型圧電アクチュエータの
動作中の温度を赤外線放射温度計によって測定したとこ
ろ、活性体の温度は100℃であった。
【0053】
【発明の効果】本発明による積層型アクチュエータで
は、活性体の上下に絶縁性接着剤により緩衝用金属板を
接合し、この緩衝用金属板に絶縁性接着剤により金属製
不活性体を接合したので、活性体とその両端の金属製不
活性体との間に応力緩和層が形成されることになり、活
性体の半径方向の変位によって発生する応力を緩衝用金
属板により緩和することができ、高い印加電圧で高速で
動作する時でも、活性体の不活性体側近傍や不活性体の
活性体側近傍においてクラックや破断を防止でき、長時
間駆動できる。
【0054】また、活性体に、緩衝用金属板を介して金
属製不活性体が直接接合されているため、活性体の駆動
により発生した熱を緩衝用金属板、金属製不活性体を介
して効率よく外部に放出でき、高温環境下でも活性体の
圧電板材料のキュリー点を超えることがなく安定して作
動することができる。
【0055】さらに、金属製不活性体の側面にセラミッ
ク層を形成したので、例えば、正極用外部電極および負
極用外部電極から延設された接続部材端を、セラミック
層表面でリード線とそれぞれ接続することが可能とな
り、正極、負極の絶縁が確保され、リード取付け部にお
ける絶縁破壊が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータを示す断面
図である。
【図2】図1のA−A線に沿う横断面図である。
【図3】図1の緩衝用金属板およびその近傍を拡大して
示す断面図である。
【図4】金属薄板を連結部材により連結した平面図であ
る。
【図5】従来の積層型圧電アクチュエータを示す側面図
である。
【符号の説明】
1・・・圧電板 2・・・活性体 3・・・導電性接着剤層 4・・・電極薄板 5・・・連結部材 7・・・緩衝用金属板 9・・・金属製不活性体 10・・・絶縁性接着剤層 13・・・セラミック層 15・・・接続部材 17・・・リード線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互に
    積層し、該金属薄板を導電性接着剤により前記各圧電板
    に接合してなる活性体と、該活性体の上下に絶縁性接着
    剤によりそれぞれ接合された緩衝用金属板と、該緩衝用
    金属板に絶縁性接着剤によりそれぞれ接合された金属製
    不活性体とを具備することを特徴とする積層型圧電アク
    チュエータ。
  2. 【請求項2】金属製不活性体の側面にセラミック層を形
    成するとともに、金属薄板を交互に電気的に接続して正
    極用外部電極および負極用外部電極を形成し、該正極用
    外部電極および負極用外部電極にそれぞれ接続された一
    対の接続部材を前記セラミック層まで延設し、該セラミ
    ック層表面で前記一対の接続部材にリード線をそれぞれ
    接続してなることを特徴とする請求項1記載の積層型圧
    電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】緩衝用金属板と、活性体、金属製不活性体
    との絶縁性接着剤による接合面積が、圧電板と金属薄板
    との導電性接着剤による接合面積よりも小さいことを特
    徴とする請求項1または2記載の積層型圧電アクチュエ
    ータ。
JP10149385A 1998-05-29 1998-05-29 積層型圧電アクチュエータ Pending JPH11340535A (ja)

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