JP2001313428A - 積層型圧電アクチュエータおよび噴射装置 - Google Patents

積層型圧電アクチュエータおよび噴射装置

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JP2001313428A
JP2001313428A JP2000130994A JP2000130994A JP2001313428A JP 2001313428 A JP2001313428 A JP 2001313428A JP 2000130994 A JP2000130994 A JP 2000130994A JP 2000130994 A JP2000130994 A JP 2000130994A JP 2001313428 A JP2001313428 A JP 2001313428A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部電極の断線を防止できるとともに、圧電体
の破損を防止できる積層型圧電アクチュエータおよび噴
射装置を提供する。 【解決手段】複数の圧電体2と複数の内部電極3とを交
互に積層してなるアクチュエータ本体1と、第1内部電
極3a同士および第2内部電極3b同士をそれぞれ電気
的に接続する一対の外部電極19a、19bと、アクチ
ュエータ本体1および外部電極19a、19bを被覆す
る熱収縮チューブAとを具備し、外部電極19a、19
bを、アクチュエータ本体1に形成された金属膜6a、
6bと、該金属膜6a、6bに当接する導電性弾性体1
5a、15bと、該導電性弾性体15a、15bに当接
する金属板17a、17bとを具備して構成するととも
に、熱収縮チューブAにより、金属板17a、17bを
アクチュエータ本体1の金属膜6a、6bに押圧固定し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電アクチ
ュエータおよび噴射装置に係わり、例えば、光学装置等
の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子、自動車用
エンジンの燃料噴射用の駆動素子等に使用される積層型
圧電アクチュエータおよび噴射装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、圧電体は、電圧を印加することによ
り伸縮する逆圧電効果を有している。しかしながら、圧
電体1枚1枚の伸縮量は微量であることから、圧電体を
複数枚積層して形成した積層型圧電アクチュエータを作
製していた。この積層型圧電アクチュエータは、圧電体
に電圧を印加して数〜数十μm伸長させ、アクチュエー
タの駆動力源とするものである。
【0003】このような積層型圧電アクチュエータに
は、同時焼成タイプと、圧電板と電極薄板を交互に積層
したスタックタイプの2種類に分類されており、厚みの
薄い圧電板を多数枚積層することが比較的容易であるこ
とから低電圧高変位化、及び小型化が可能な同時焼成タ
イプの積層型圧電アクチュエータがその優位性を示しつ
つある。
【0004】同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエー
タとして、例えば、特公平4−51992号公報に記載
されているように、電歪効果を示す圧電体と内部電極と
が交互に積層され、一体に焼成された積層焼結体からな
るアクチュエータ本体であって、各内部電極の形状が圧
電体の積層方向に垂直な断面形状のうち、その外周部を
含む一部分が除去された形状であり、また、各内部電極
はその除去された部分が積層方向に対して、互いに隣り
合う内部電極の間では重ならず、1層おきの内部電極の
間では重なるように積層されており、アクチュエータ本
体の側面上の前記除去された部分に対応する位置には、
各内部電極を1層おきに接続する外部電極がそれぞれ形
成されたアクチュエータが開示されている。
【0005】また、特開平4−237172号公報に
は、アクチュエータ本体の側面に露出した内部電極の端
部に1層おきにガラスからなる絶縁層を被覆し、外部電
極には、絶縁層と同じピッチで、かつ絶縁層の断面より
やや大きい凹部を形成し、この凹部内に絶縁層を収容す
るようにして、かつ、凹部間の凸部に、絶縁層が形成さ
れていない内部電極の端部を導電性接着剤で接着するこ
とにより、外部電極と一方の内部電極との電気的接続を
確保し、他方の内部電極との絶縁性を確保した積層型圧
電アクチュエータが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、積層型圧電アク
チュエータは大きな変位量を確保した状態で、積層型圧
電アクチュエータの特徴である高応答性を利用するた
め、高い電圧を高周波数で印加し駆動を行っている。こ
のような、高電圧下で長期間連続駆動させた場合、圧電
体間に形成された内部電極と正極、負極用の外部電極と
の間で剥離が発生し、一部の圧電体に電圧供給されなく
なり、駆動中に変位特性が変化するという問題があっ
た。
【0007】また、特開平4−237172号公報に開
示された積層型圧電アクチュエータでは、アクチュエー
タ本体の側面に露出した内部電極の端部には1層おきに
ガラスからなる絶縁層が被覆され、内部電極とその両側
の圧電体が強固に接合されており、この絶縁層が外部電
極の凹部内に収容されて、外部電極と内部電極との絶縁
性が確保されていた。しかし、高電圧下で長期間連続駆
動させた場合、ガラスからなる絶縁層に割れが生じ、こ
の割れを介して内部電極と外部電極との間でショート
し、積層体が破損するという問題があった。
【0008】即ち、アクチュエータ本体は、圧電体と内
部電極との積層方向に伸縮するため、内部電極の端部お
よびその近傍の圧電体に設けられた高ヤング率のガラス
からなる絶縁層が、長期間連続駆動による伸縮動作に耐
えきれずに破壊され、この破壊部分を介して内部電極と
外部電極間でショートが発生し易いという問題があっ
た。
【0009】電圧印加時の内部応力による外部電極の断
線防止を図った積層型圧電アクチュエータとして、特開
平5−218519号公報に開示されるようなものが知
られている。この積層型圧電アクチュエータでは、積層
体の側面に形成された外部電極に、その外側に配置され
た金属板、金属線またはゴム状の導電性部材を、熱収縮
チューブの収縮力により押し付けて導通されていた。
【0010】このような積層型圧電アクチュエータで
は、圧電板側面の変形を拘束しないようにすることがで
きるので、導電性部材(外部電極)の断線を抑制するこ
とができるものの、導電性部材が金属板や金属線の場
合、外部電極と導電性部材とを完全に密着することがで
きず、外部電極と導電性部材との隙間で局所的に同極間
によるスパークが発生し、圧電板を破損することによ
り、両極間にてショートを引き起こし、駆動できなくな
るという問題があった。
【0011】また、ゴム状の導電性部材を用いた場合に
は、ゴム状の導電性部材は金属板より比抵抗が非常に高
いため、圧電板に電圧を印加しにくく、また、発熱しや
すいため、積層型圧電アクチュエータの外部電極材とし
て使用できないという問題があった。
【0012】本発明は、外部電極の断線を防止できると
ともに、圧電体の破損を防止できる積層型圧電アクチュ
エータおよび噴射装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の積層型圧
電アクチュエータは、複数の圧電体と複数の内部電極と
を交互に積層してなり、前記内部電極が交互に第1内部
電極または第2内部電極とされたアクチュエータ本体
と、前記第1内部電極同士および前記第2内部電極同士
をそれぞれ電気的に接続する一対の外部電極と、前記ア
クチュエータ本体および前記外部電極を被覆する熱収縮
チューブとを具備する積層型圧電アクチュエータであっ
て、前記外部電極を、前記アクチュエータ本体に形成さ
れ、前記第1内部電極同士および前記第2内部電極同士
をそれぞれ電気的に接続する金属膜と、該金属膜に当接
する導電性弾性体と、該導電性弾性体に当接する金属板
とを具備して構成するとともに、前記熱収縮チューブに
より、前記金属板を前記アクチュエータ本体の金属膜に
押圧固定してなるものである。
【0014】このような構成を採用することにより、内
部電極の端部が露出した面に導電性の金属膜を被覆して
形成し、導電性弾性体を、金属板を介して、熱収縮チュ
ーブで金属膜に押し付つけて外部電極を形成するため、
金属膜と導電性弾性体を完全に密着させることができ、
密着不良による同極間のスパークを防止することができ
る。
【0015】また、導電性弾性体は、圧電板の高電圧、
高応答下での連続駆動による変形を拘束しないため、外
部電極に発生する繰り返し応力を緩和することができ、
外部電極の断線を防止できる。
【0016】本発明の積層型圧電アクチュエータは、金
属板の熱収縮チューブ側の面が、熱収縮チューブ側に向
けて凸となる円弧状であることが望ましい。このような
金属板を用いることにより、熱収縮チューブによる押圧
力が金属板の円弧状の面に均等に、かつ、金属板の中央
部に向けて作用し、金属板と導電性弾性体との間に隙間
が発生することを防止でき、金属板と導電性弾性体の密
着不良による同極間のスパークを防止することができ
る。
【0017】さらに、本発明の積層型圧電アクチュエー
タは、導電性弾性体として、金属網を用いることが望ま
しい。
【0018】また、本発明の噴射装置は、噴射孔を有す
る収納容器と、該収納容器内に収容された上記積層型圧
電アクチュエータと、該積層型圧電アクチュエータの駆
動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具
備してなるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層型圧電アクチ
ュエータの斜視図であり、図2は、熱収縮チューブの記
載を省略した斜視図、図3は図1の縦断面図である。
【0020】図1乃至図3において、符号1は四角柱状
のアクチュエータ本体を示すもので、このアクチュエー
タ本体1は、熱収縮チューブAにより被覆されている。
アクチュエータ本体1は、複数の圧電体2と複数の内部
電極3a、3bとを交互に積層して構成され、このアク
チュエータ本体1の対向する2つの側面には、第1内部
電極3aが電気的に接続される金属膜6a、および第2
内部電極3bが電気的に接続される金属膜6bが形成さ
れている。
【0021】金属膜6a、6bは、メッキ処理、金属コ
ロイドの塗布、金属材料の蒸着及び導電性樹脂の塗布な
どにより形成されている。金属膜6a、6bの材質は導
電性を有する金属であればよく、また金属膜6a、6b
の厚みは1μm以上あればよい。金属膜6a、6bとし
ては、圧電板との接合強度を向上させるという点から、
メッキ処理が望ましい。
【0022】圧電体2は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)或い
は、チタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電
セラミック材料などが使用されるが、これらに限定され
るものではなく、圧電性を有するセラミックスであれば
何れでも良い。この圧電体材料としては、圧電歪み定数
d33が高いものが望ましい。また、圧電体2の厚み
t、つまり内部電極3aと内部電極3b間の距離は、小
型化および高い電界を印加するという点から0.05〜
0.2mmであることが望ましい。
【0023】内部電極3a、3bは、アクチュエータ本
体1の4つの側面全てに端部が露出しており、アクチュ
エータ本体1の金属膜6aが形成された側面には、内部
電極3bの端部が露出する凹溝が形成され、また、アク
チュエータ本体1の金属膜6bが形成された側面には、
内部電極3aの端部が露出する凹溝が形成され、これら
の凹溝内には絶縁体11が充填され、金属膜6aと内部
電極3b、および金属膜6bと内部電極3aが絶縁され
ている。
【0024】絶縁体11としては、ガラス、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコー
ンゴム等であり、低ヤング率の材質、例えばシリコーン
ゴム等が特に好ましい。
【0025】また、アクチュエータ本体1の積層方向の
両端面には、アクチュエータ本体1を機械的に保持し、
発生する力を外部へ伝達するための不活性部13が積層
され、接合されている。
【0026】また、アクチュエータ本体1の側面に形成
された金属膜6a、6bには、導電性弾性体15a、1
5bがそれぞれ当接し、これらの導電性弾性体15a、
15bには金属板17a、17bがそれぞれ当接してお
り、金属膜6a、導電性弾性体15a、金属板17aか
ら外部電極19aが形成され、金属膜6b、導電性弾性
体15b、金属板17bから外部電極19bが形成され
ている。
【0027】導電性弾性体15a、15bは、金属ウー
ル、金属網、導電性ポリイミド樹脂の一種より構成され
ている。導電性弾性体15a、15bの材質は、高温に
よる酸化を防止するために、ステンレス材、あるいは、
コバール材が望ましい。
【0028】熱収縮チューブAによる外力を導電性弾性
体15a、15bに伝える金属板17a、17bは、高
温による酸化を防止するために、ステンレス材、あるい
は、コバール材が望ましい。また、金属板17a、17
bは、熱収縮チューブAによる外力を均等に加えられる
ように、熱収縮チューブAと接する面を、図4(a)に
示すように、熱収縮チューブA側に凸となる円弧状とす
ることが望ましい。金属板17a、17bには、それぞ
れリード線7が取り付けられている。
【0029】さらに、図示されていないが、アクチュエ
ータ本体1および外部電極19a、19bの外周面を、
絶縁性樹脂によって被覆することにより、内部電極間の
沿面放電を防止でき、これにより大きな電圧を印可する
ことができ、高変位量を確保することが可能となる。こ
の絶縁性樹脂は電圧印加による圧電板の変形を拘束しな
いような低ヤング率の材質、例えばシリコーンゴム等が
好ましい。
【0030】熱収縮チューブAは、外部電極19a、1
9bが形成されたアクチュエータ本体1の側面を被覆し
ており、加熱処理により収縮し、この収縮により金属板
17a、17bがアクチュエータ本体1側に向けて押圧
され、金属板17a、17bを介して、導電性弾性体1
5a、15bを金属膜6a、6bに密着させることがで
き、電気的に接続した状態となる。熱収縮チューブA
は、高温、高湿の環境下においても、外部からの水蒸気
の進入を防ぎ、内部電極材のエレクトロマイグレーショ
ンの発生を抑制する働きを持たせるために、水蒸気透過
率が15×10-9cc・cm/sec・cm2・cmH
g・ΔT以下の樹脂が望ましく、特に耐熱性の高いテフ
ロンが望ましい。
【0031】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータは、以下のプロセスにより製造される。先ず、
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3などの圧
電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバ
インダーと、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、ス
リップキャステイング法により、厚み50〜250μm
のセラミックグリーンシートを作製する。
【0032】このグリーンシートの片面に内部電極3と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により1〜10μmの厚みに印刷する。
この導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが
塗布された複数のグリーンシートを所定の枚数だけ積層
し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペースト
が塗布されていないグリーンシートを積層する。
【0033】次に、この積層体を50〜200℃で加熱
を行いながら加圧を行い、積層体を一体化する。一体化
された積層体は所定の大きさに切断された後、400〜
800℃で5〜40時間、脱バイが行われ、900〜1
200℃で2〜5時間で本焼成が行われ、アクチュエー
タ本体1となる積層焼結体を得る。このアクチュエータ
本体1の側面には、内部電極3の端部が露出している。
【0034】その後、該アクチュエータ本体1の2つの
側面において、内部電極3端部を含む圧電体2の端部に
該2側面において互い違いになるように、1層おきに深
さ50〜500μm、積層方向の幅50〜300μmの
凹溝を形成し、該凹溝内にシリコーンゴム等の絶縁体1
1を充填する。以上のように、内部電極3は互い違いに
1層おきに絶縁される。
【0035】この後、アクチュエータ本体1の2つの側
面にメッキ処理により、Niの金属膜6a、6bを形成
した後、アクチュエータの外周面にデイッピング等の方
法により、金属膜6a、6b表面を除き、絶縁性樹脂を
被覆し、ステンレス製の金属網からなる導電性弾性体1
5a、15b、ステンレス製の金属板17a、17bを
順次金属膜6a、6b上に配置し、テフロン(登録商
標)製の熱収縮チューブAで全体を取り巻き、加熱処理
することで、熱収縮チューブAを収縮させ、金属板17
a、17bを金属膜6a、6b側に押圧して外部電極1
9a、19bを形成する。
【0036】この後、金属板17a、17bの端部にリ
ード線7を接続した後、0.1〜3kVの分極電圧を印
加し、アクチュエータ全体を分極処理することで、最終
的な積層型圧電アクチュエータを得る。
【0037】なお、本発明の積層型圧電アクチュエータ
は、四角柱、六角柱、円柱等、どのような柱体であって
も構わないが、切断の容易性から四角柱状が望ましい。
【0038】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータでは、内部電極3の端部が露出した面に導電性
の金属膜6a、6bを被覆して形成し、導電性弾性体1
5a、15bを、金属板17a、17bを介して、熱収
縮チューブAで金属膜6a、6bに押し付つけて外部電
極19a、19bを形成するため、金属膜6a、6bと
導電性弾性体15a、15bを完全に密着させることが
でき、密着不良による同極間のスパークを防止すること
ができる。
【0039】また、導電性弾性体15a、15bは、圧
電板2の高電圧、高応答下での連続駆動による変形を拘
束しないため、外部電極19a、19bに発生する繰り
返し応力を緩和することができ、外部電極19a、19
bの断線を防止できる。
【0040】さらに、金属板17a、17bを、熱収縮
チューブAと接する面が、図4(b)に示すように、断
面が矩形状の金属板を用いる場合には、熱収縮チューブ
Aによる金属板17a、17bの押圧力は、金属板17
a、17bの中央部では弱いため、金属板17a、17
bと導電性弾性体15a、15b、この導電性弾性体1
5a、15bと金属膜6a、6bとの密着力が弱いが、
図4(a)に示すように、熱収縮チューブA側に凸とな
る円弧状とすることにより、熱収縮チューブAによる押
圧力が金属板17a、17bの円弧状の面に均等に、か
つ、金属板17a、17bの中央部に向けて作用し、金
属板17a、17bと導電性弾性体15a、15b、こ
の導電性弾性体15a、15bと金属膜6a、6bとの
密着力を向上でき、密着不良による同極間のスパークを
防止することができる。
【0041】図5は、本発明の噴射装置を示すもので、
図において符号51は収納容器を示している。この収納
容器51の一端には噴射孔53が設けられ、また収納容
器51内には、噴射孔53を開閉することができるニー
ドルバルブ55が収容されている。
【0042】噴射孔53には燃料通路57が連通可能に
設けられ、この燃料通路57は外部の燃料供給源に連結
され、燃料通路57に常時一定の高圧で燃料が供給され
ている。従って、ニードルバルブ55が噴射孔53を開
放すると、燃料通路57に供給されていた燃料が一定の
高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるよう
に形成されている。
【0043】また、ニードルバルブ55の上端部は直径
が大きくなっており、収納容器51に形成されたシリン
ダ59と摺動可能なピストン61となっている。そし
て、収納容器51内には、上記した圧電アクチュエータ
63が収納されている。
【0044】このような噴射装置では、圧電アクチュエ
ータ63が電圧を印加されて伸長すると、ピストン61
が押圧され、ニードルバルブ55が噴射孔53を閉塞
し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止
されると圧電アクチュエータ63が収縮し、皿バネ65
がピストン61を押し返し、噴射孔53が燃料通路57
と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
【0045】
【実施例】チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O
3からなる圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分
子からなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリー
を作製し、スリップキャステイング法により、厚み15
0μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0046】このグリーンシートの片面に内部電極3と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により5μmの厚みに印刷し、導電性ペ
ーストを乾燥させた後、導電性ペーストが塗布された複
数のグリーンシートを100枚積層し、この積層体の積
層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていない
グリーンシートを10枚積層した。
【0047】次に、この積層体を100℃で加熱を行い
ながら加圧を行い、積層体を一体し、10mm×10m
mの大きさに切断した後、800℃で10時間の脱バイ
を行い、1130℃で2時間で本焼成が行ない、アクチ
ュエータ本体1となる積層焼結体を得た。
【0048】その後、該アクチュエータ本体1の2つの
側面において、内部電極3端部を含む圧電体2の端部に
該2側面において互い違いになるように、1層おきに深
さ100μm、積層方向の幅50μmの凹溝を形成し、
この凹溝内に絶縁体材料を充填した。
【0049】この後、内部電極3が交互に露出したアク
チュエータ本体1の2つの側面に、Niを厚さ5μmで
メッキし、金属膜6a、6bの表面を除いて、アクチュ
エータ本体1の外周面にデイッピング法により、シリコ
ーンゴムを被覆した。
【0050】この後、ステンレス製の金属網からなる厚
み50μmの導電性弾性体15a、15b、ステンレス
製の円弧形状に加工された金属板17a、17bを順次
金属膜6a、6b上に置き、テフロン製の熱収縮チュー
ブAで全体を取り巻き、加熱処理することで、熱収縮チ
ューブAを収縮させ外部電極19a、19bを形成し
た。この後、金属板17a、17bにリード線7を接続
し、1kVの分極電圧を印加し、アクチュエータ全体を
分極処理して本発明の積層型圧電アクチュエータを得
た。
【0051】また、比較例として、同条件にて積層体を
作製し、金属膜上に導電性弾性体のみを配置し、熱収縮
チューブで締め付け固定した比較例1と、金属膜上に金
属板のみを配置し、熱収縮チューブで締め付け固定した
比較例2を作製した。
【0052】得られた3種類の積層型アクチュエータの
耐久性を比較するために、印加荷重300kgf下で、
0Vから+200Vの直流電界を50Hzの周波数にて
1×109 回印加する耐久試験を行った。その結果、
本発明品は変位量30μmで1×109 回でも問題無
く駆動するのを確認した。
【0053】一方、金属膜上に導電性弾性体のみを配置
し、熱収縮チューブで締め付け固定した比較例1では、
1×107回にて駆動しなくなった。このアクチュエー
タの外周面を観察した結果、内部電極と外部電極の接続
部付近が黒く焼けており、接触不良による同極間スパー
クにより積層体が破損していた。
【0054】また、金属膜上に金属板のみを配置し、熱
収縮チューブで締め付け固定した比較例2では、駆動前
の状態で数層しか電気的に接続しておらず、駆動試験を
ストップした。尚、変位量の測定は、試料を防振台上に
固定し、試料上面にアルミニウム箔を張り付けて、レー
ザー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測
定した値の平均値で評価した。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層型圧電
アクチュエータでは、外部電極を、アクチュエータ本体
に形成され、第1内部電極同士および第2内部電極同士
をそれぞれ電気的に接続する金属膜と、該金属膜に当接
する導電性弾性体と、該導電性弾性体に当接する金属板
とを具備して構成するとともに、熱収縮チューブによ
り、金属板をアクチュエータ本体の金属膜に押圧固定し
たので、金属膜と導電性弾性体を完全に密着させること
ができ、密着不良による同極間のスパークを防止できる
とともに、導電性弾性体は、圧電板の高電圧、高応答下
での連続駆動による変形を拘束しないため、外部電極に
発生する繰り返し応力を緩和することができ、外部電極
の断線を防止できる。
【0056】従って、高変位量を高応答で繰り返し発生
させても、外部電極の断線の生じない、信頼の高い積層
型圧電アクチュエータを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータの斜視図で
ある。
【図2】アクチュエータ本体に外部電極を形成した状態
を示す斜視図である。
【図3】図1の縦断面図である。
【図4】金属板およびその近傍を示す断面図であり、
(a)は金属板の熱収縮チューブ側の面を、熱収縮チュ
ーブ側に向けて凸となる円弧状とした例の断面図、
(b)は断面が矩形状の金属板を示す断面図である。
【図5】本発明の噴射装置を示す説明図である。
【符号の説明】
2・・・圧電体 3、3a、3b・・・内部電極 6a、6b・・・金属膜 15a、15b・・・導電性弾性体 17a、17b・・・金属板 19a、19b・・・外部電極 A・・・熱収縮チューブ 51・・・収納容器 53・・・噴射孔 55・・・バルブ 63・・・圧電アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層してなり、前記内部電極が交互に第1内部電極また
    は第2内部電極とされたアクチュエータ本体と、前記第
    1内部電極同士および前記第2内部電極同士をそれぞれ
    電気的に接続する一対の外部電極と、前記アクチュエー
    タ本体および前記外部電極を被覆する熱収縮チューブと
    を具備する積層型圧電アクチュエータであって、前記外
    部電極を、アクチュエータ本体に形成され、前記第1内
    部電極同士および前記第2内部電極同士をそれぞれ電気
    的に接続する金属膜と、該金属膜に当接する導電性弾性
    体と、該導電性弾性体に当接する金属板とを具備して構
    成するとともに、前記熱収縮チューブにより、前記金属
    板を前記アクチュエータ本体の金属膜に押圧固定してな
    ることを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】金属板の熱収縮チューブ側の面が、前記熱
    収縮チューブ側に向けて凸となる円弧状であることを特
    徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】導電性弾性体が金属網であることを特徴と
    する請求項1または2記載の積層型圧電アクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内
    に収容された請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積
    層型圧電アクチュエータと、該積層型圧電アクチュエー
    タの駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブ
    とを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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