JP4841046B2 - 積層型圧電素子及び噴射装置 - Google Patents

積層型圧電素子及び噴射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型圧電素子及び噴射装置に関し、例えば、自動車用燃料噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子等に用いられる積層型圧電素子及び噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、電歪効果を利用して大きな変位量を得るために、圧電体と内部電極層を交互に積層した積層型圧電アクチュエータが提案されている。積層型圧電アクチュエータには、同時焼成タイプと圧電磁器と内部電極板を交互に積層したスタックタイプの2種類に分類されており、低電圧化、製造コスト低減の面から考慮すると、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータが薄層化に対して有利であるために、その優位性を示しつつある。
【0003】
図3は、従来の積層型圧電アクチュエータを示すもので、このアクチュエータでは、圧電体51と内部電極52が交互に積層されて活性体53aが形成され、該活性体53aの積層方向上下面に不活性体53bを形成して柱状積層体53が構成されている。内部電極52は、その一方の端部が左右交互に絶縁体54で被覆され、その上から、導電性接着剤を活性体53a及び不活性体53bの側面に塗布乾燥して、一対の帯状外部電極56を形成し、これらの帯状外部電極56が内部電極52と左右各々一層おきに導通している。
【0004】
この積層型圧電アクチュエータでは、不活性体53bの側面に接合された帯状外部電極56の下側端部表面に、リード端子57が半田58により接合されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年においては、小型の圧電アクチュエータで大きな圧力下において大きな変位量を確保するため、積層数を増加させ、またより高い電界を印加して、長期間連続駆動させることが行われているが、上記した従来の圧電アクチュエータでは、帯状外部電極56の端部が不活性体53bの側面から剥離し易いという問題があった。
【0006】
即ち、活性体53aでは積層方向に大きな変位が発生するが、不活性体53bでは変位が発生しないため、活性体53a及び不活性体53bに跨って形成された帯状外部電極56には、その端部に積層方向への引張応力や圧縮応力が発生し、不活性体53bに位置する帯状外部電極56の端部が剥離し易いという問題があった。この状態で駆動を続けると、不活性体53bに接合された帯状外部電極56の端部だけでなく、活性体53aに位置する部分においても、帯状外部電極56が活性体53aの表面から剥離して、内部電極52との接続が解除され、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合、一部の圧電体51に電圧が供給されなくなり駆動中に変位特性が変化するという問題があった。
【0007】
また、リード端子57が接合される帯状外部電極56の下側端部では、リード端子57が何らかの原因で引っ張られることにより、特に剥離し易いという問題があった。
【0008】
本発明は、外部電極の柱状積層体への接合強度を向上できる積層型圧電素子及び噴射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層型圧電素子は、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる活性体と、該活性体の上下面にそれぞれ設けられた不活性体とからなる柱状積層体の側面に、前記内部電極が一層おきに交互に接続する一対の外部電極を接着してなるとともに、前記不活性体の側面に接着された前記外部電極の端部にリード端子を接続してなる積層型圧電素子であって、前記外部電極の端部が接着される前記不活性体の側面に凹溝が形成されていることを特徴とする。
【0010】
このような積層型圧電素子では、外部電極の端部が、不活性体の側面の凹溝が形成されている部分に接着されるため、不活性体の側面と外部電極との接合強度を向上でき、これにより、より高い電界を印加して大きな変位量を発生せしめ、この状態で長期間連続駆動させたとしても、外部電極の端部からの剥離を抑制することができ、外部電極の柱状積層体への接合強度を向上できる。
【0011】
即ち、外部電極は、内部電極との接合を確実に行うという理由から、変位を発生する活性体から変位を発生しない不活性体にまで延設し、活性体及び不活性体に跨って外部電極を形成し、リード端子接続部にアクチュエータの伸びによる応力を発生させないという理由から、リード端子を、不活性体まで延設された外部電極の端部に接合せざるを得ないが、本発明では、外部電極の端部が、不活性体の側面の凹溝が形成されている部分に接合されるため、アンカー効果により、外部電極の端部が不活性体の側面から剥離することを抑制することができ、外部端子の端部からの剥離開始を抑制することができる。
【0012】
また、本発明では、不活性体の側面に形成された凹溝の深さが5〜100μmであることが望ましい。このような構成を採用することにより、不活性体の折損を抑制することができるとともに、外部電極の端部の剥離を有効に防止できる。
【0013】
さらに、本発明では、外部電極が接続する内部電極の端部には、一層おきに柱状積層体の側面から突出する突起状導電性端子が設けられていることが望ましい。このような構成を採用することにより、外部電極の柱状積層体からの剥離をさらに抑制することができる。
【0014】
また、本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された上記積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の積層型圧電アクチュエータからなる積層型圧電素子の一実施例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿った縦断面図、(c)は(a)の一部を拡大して示す斜視図、(d)は(b)の一部を拡大して示す断面図である。
【0016】
本発明の積層型圧電アクチュエータは、図1に示すように、複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層してなる活性体1a1と、該活性体1a1の上下面に形成された不活性体1a2とからなる四角柱状の柱状積層体1aの側面において、内部電極2の端部を一層おきに絶縁体3で被覆し、絶縁体3で被覆していない内部電極2の端部に突起状導電性端子5を設け、該突起状導電性端子5を埋設するように導電性接着剤を柱状積層体1aの側面に塗布乾燥して外部電極4を形成し、各外部電極4の下側端部にリード端子6を接続固定して構成されている。
【0017】
外部電極4は、活性体1a1から不活性体1a2にわたって形成され、外部電極4の下側端部が形成される不活性体1a2の側面には、凹溝9が複数条形成されている。これらの凹溝9は、内部電極2の露出した端部と平行に、かつ外部電極形成面積よりも少し大きい面積範囲で形成されている。このような不活性体1a2に位置する外部電極4の端部にリード端子6が半田等で接合されている。
【0018】
これらの凹溝9の深さdは5〜100μmとされている。この範囲の深さであれば、不活性体1a2が折損せず、また、外部電極4の接合強度を向上できるからである。一方、凹溝9の深さが5μmよりも浅い場合には、外部電極4の不活性体1a2への接合強度が低く、100μmよりも深い場合には、高電圧で駆動させる場合に不活性体1a2の凹溝9の部分で折損しやすいからである。
【0019】
凹溝9の積層方向における幅bは、アンカー効果を高めるという点から5〜50μmであることが望ましい。このような凹溝9は、ダイシング加工もしくはスクラッチ加工することにより形成できる。
【0020】
尚、リード端子6が形成される下側の不活性体1a2の側面にのみ凹溝9を形成したが、上側の不活性体1a2の側面にも凹溝を形成しても良いことは勿論である。また、凹溝9を外部電極形成面積よりも少し大きい面積範囲で形成したが、不活性体1a2側面全面に形成しても良いことは勿論である。
【0021】
さらに、凹溝9を内部電極2の露出した端部と平行に形成したが、内部電極2の露出した端部と直交するように形成してもよく、さらには、凹溝9を格子状に形成しても良い。
【0022】
圧電体1は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)、或いはチタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電セラミック材料等で形成されている。この圧電セラミックスは、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いものが望ましい。
【0023】
また、圧電体1の厚み、つまり内部電極2間の距離は50〜250μmが望ましい。これは、積層型圧電アクチュエータは電圧を印加してより大きな変位量を得るために、積層数を増加させる方法がとられるが、積層数を増加させた場合に圧電体1の厚みが厚すぎるとアクチュエータの小型化、低背化ができなくなり、一方、圧電体1の厚みが薄すぎると絶縁破壊しやすいからである。
【0024】
圧電体1の間には内部電極2が配されているが、この内部電極2は銀−パラジウム等の金属材料で形成されており、各圧電体1に所定の電圧を印加し、圧電体1に逆圧電効果による変位を起こさせる作用をなす。
【0025】
複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層して成る柱状積層体1aは、先ず、PZT等の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジオチル)、DOP(フタル酸ジブチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体1となるセラミックグリーンシートを作製する。
【0026】
次に、銀−パラジウム粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合して導電性ペーストを作製し、これを前記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷する。
【0027】
そして、上面に導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを複数積層し、この積層体の上下面に導電性ペーストが印刷されていないグリーンシートを積層し、これを所定の温度で脱バインダーを行った後、900〜1200℃で焼成することによって作製される。
【0028】
その後、柱状積層体1aの外部電極4を形成する対向する側面に銀を主成分するペーストを塗布し、700〜950℃で焼き付けすることにより、突起状導電性端子5が形成される。即ち、このような突起状導電性端子5を形成するためには、特に、銀を主成分とするペーストに軟化点が600℃〜950℃のガラス粉末を分散させておき、該ペーストを外部電極4の形成面に塗布、焼き付けを行うことにより、有効的に突起状導電性端子5を形成することができる。
【0029】
即ち、ペーストにガラス成分を分散させておくことにより、焼き付け時にガラスが軟化し、この状態において圧電体1には拡散しにくい銀が内部電極2の端部に拡散して寄り集まるため、図1(c)に示すような突起状導電性端子5を形成できる。
【0030】
この突起状導電性端子5は柱状積層体1aの側面の一部に形成されており、レール状に形成され、その長さは外部電極4の幅とほぼ同一とされている。尚、突起状導電性端子5の長さは、外部電極4の幅よりも短くても良い。
【0031】
また、突起状導電性端子5が形成された柱状積層体1aの側面に一層おきに深さ50〜500μm、積層方向の幅30〜200μmの溝が形成されており、この溝内にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等が充填されて絶縁体3が形成されている。
【0032】
溝が形成されていない内部電極2の端部は、上記した突起状導電性端子5を介して外部電極4と接続されている。なお、突起状導電性端子5に板状導電部材を接合し、この板状導電部材を埋設するように導電性接着剤で柱状積層体1aの側面に接合して外部電極4を形成しても良い。この場合の導電性接着剤は、弾性係数が小さく、変形し易いものが望ましい。突起状導電性端子5と板状導電部材との接合は、例えば荷重を加えた状態で700〜950℃で熱処理することにより、主成分である銀が突起状導電性端子5と板状導電部材間を相互に拡散し、いわゆる銀の拡散接合に行うことができる。
【0033】
このように板状導電部材を突起状導電性端子5を介して内部電極2に接続すると、アクチュエータを高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合でも、突起状導電性端子5が変形して突起状導電性端子5が駆動時に生じる応力を十分に吸収できるため、該外部電極4と内部電極2の断線を抑制することができ、耐久性に優れたアクチュエータを提供することができる。
【0034】
さらに、板状導電部材の外面に、金属等のメッシュ、メッシュ状の金属板、導電性コイル、若しくは導電性波板、若しくは導電性繊維集合体(ウール状)のいずれか一種からなる導電性補助部材を形成しても良い。この場合には、アクチュエータに大電流を投入し、高速で駆動させる場合においても、大電流を導電性補助部材に流すことができ、外部電極4に流れる電流を低減できるという理由から、外部電極4が局所発熱を起こし断線することを防ぐことができ、耐久性を大幅に向上させることができる。
【0035】
また、絶縁体3により内部電極2の端部が互い違いに一層おきに絶縁され、内部電極2の絶縁されていない他方の端部は、突起状導電性端子5を介して外部電極4と接合されることになる。
【0036】
なお、絶縁体3は、柱状積層体1aとの接合を強固とするために、柱状積層体1aの変位に対して追従する弾性率が低い材料、具体的にはシリコーンゴム等からなることが好適である。
【0037】
突起状導電性端子5の積層方向と同一方向の幅Bは、図1(c)に示すように、外部電極4と内部電極2との接続部の抵抗を低くし、且つアクチュエータの駆動時に生じる応力を十分に吸収するという点から、1μm以上且つ圧電体1厚みの1/2以下であることが望ましい。特には、幅Bは5〜25μmが望ましい。
【0038】
また、突起状導電性端子5の突出高さhは、アクチュエータの伸縮によって生じる応力を十分に吸収するという点から、圧電体1厚みの1/20以上であることが望ましい。突出高さhは、15〜50μmが望ましい。
【0039】
さらに、板状導電部材の厚みは、アクチュエータの伸縮に追従し、外部電極4と突起状導電性端子5の間、若しくは突起状導電性端子5と内部電極2の間で断線を生じないという点から、50μm以下であることが望ましい。
【0040】
突起状導電性端子5及び板状導電部材は、銀、ニッケル、銅、金、アルミニウム、等の導電性を備えた金属及びそれらの合金からなり、このうち、内部電極との接合強度が強く、ヤング率が低いという点から、銀が望ましい。
【0041】
以上のように構成された積層型圧電素子は、外部電極4の端部が、不活性体1a2の側面の凹溝9が形成されている部分に接合されているので、アンカー効果により、外部電極4の端部が不活性体1a2の側面から剥離することを抑制することができ、外部端子4の端部からの剥離開始を抑制することができる。また、リード端子6に外力が作用し、引っ張られたとしても、外部電極4の接合強度が高いため、外部端子4の端部の剥離を抑制できる。
【0042】
本発明の積層型圧電素子はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0043】
図2は、本発明の噴射装置を示すもので、図において符号31は収納容器を示している。この収納容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容器31内には、噴射孔33を開閉することができるニードルバルブ35が収容されている。
【0044】
噴射孔33には燃料通路37が連通可能に設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように形成されている。
【0045】
また、ニードルバルブ35の上端部は直径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41を有している。そして、収納容器31内には、上記した圧電アクチュエータ43が収納されている。
【0046】
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
【0047】
【実施例】
まず、柱状積層体を作製した。圧電体は厚み150μmのPZTで形成し、内部電極は厚み3μmの銀−Pt合金によって形成し、圧電体及び内部電極の各々の積層数は300層とした。外部電極が形成される不活性体の側面に、ダイシング加工により、深さdが20μm、幅bが20μmの凹溝を100μm間隔で5本形成した。形成面積は、外部電極形成面積よりも僅かに大きい面積とした。
【0048】
次に、外部電極が形成される柱状積層体の側面に銀を含有するペーストを塗布し、800℃で焼き付け、柱状積層体の側面に露出した内部電極の端部に、積層方向と同一方向の幅Bが10μm、高さhが20μmの突起状導電性端子を形成した。この後、内部電極の端部一層おきに溝を形成し、該溝に絶縁体としてシリコーンゴムを充填した。
【0049】
次にポリイミドの前駆体であるポリアッミク酸をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、ワニス状にし、このワニスに銀粉末20重量%を混合、混練、ペースト状にしたものを、外部電極を形成する所定の位置に塗布し、220℃の空気中で溶媒を蒸発させるとともに、硬化反応を起こさせ、外部電極を形成した。
【0050】
この後、正極用外部電極、負極用外部電極の下側端部にリード端子を半田で接合し、図示しないが、アクチュエータの周囲にデイッピング等の方法により、シリコーンゴムを被覆し、さらに、正極、負極に3kVの分極電圧を印加し、アクチュエータ全体を分極処理することで、図1に示す積層型圧電アクチュエータを得た。
【0051】
得られた積層型圧電アクチュエータに150Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に40μmの変位量が得られた。さらに、このアクチュエータに室温で0〜+150Vの交流電圧を60Hzの周波数にて印加し駆動試験を行った結果、1×109サイクルまで駆動したところ40μmの変位量が得られ、外部電極の剥離等の異常は見られなかった。
【0052】
また、本発明者は、凹溝の深さdを5〜100μmに変更する以外は、上記と同様にして、積層型圧電アクチュエータを作製し、得られた積層型圧電アクチュエータに150Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に40μmの変位量が得られた。さらに、このアクチュエータに室温で0〜+150Vの交流電圧を60Hzの周波数にて印加し駆動試験を行った結果、1×109サイクルまで駆動したところ40μmの変位量が得られ、外部電極の剥離等の異常は見られなかった。
【0053】
一方、凹溝、突起状導電性端子を形成しない以外は、上記と同様にして、積層型圧電アクチュエータを作製し、得られた積層型圧電アクチュエータに150Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に40μmの変位量が得られたものの、このアクチュエータに室温で0〜+150Vの交流電圧を60Hzの周波数にて印加し駆動試験を行った結果、1×106サイクル駆動後に変位量の低下が見られたため、駆動を停止し、アクチュエータを観察したところ、外部電極の下側端部が剥離していた。
【0054】
【発明の効果】
本発明の積層型圧電素子では、外部電極の端部が、不活性体の側面の凹溝が形成されている部分に接着されるため、不活性体の側面と外部電極との接合強度を向上でき、これにより、より高い電界を印加して大きな変位量を発生せしめ、この状態で長期間連続駆動させたとしても、外部電極の端部からの剥離を抑制することができ、外部電極の柱状積層体への接合強度を向上できる。従って、高温の使用環境下、高い印加電界、高速で連続駆動させる場合においても、外部電極と内部電極が断線することなく高耐久性を備えた積層型圧電素子を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿った縦断面図、(c)は(a)の一部を拡大して示す斜視図、(d)は(b)の一部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の噴射装置を示す説明図である。
【図3】従来の積層型圧電アクチュエータの縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・圧電体
1a・・・柱状積層体
1a1・・・活性体
1a2・・・不活性体
2・・・内部電極
4・・・外部電極
5・・・突起状導電性端子
6・・・リード端子
9・・・凹溝
31・・・収納容器
33・・・噴射孔
35・・・バルブ
43・・・圧電アクチュエータ

Claims (4)

  1. 複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる活性体と、該活性体の上下面にそれぞれ設けられた不活性体とからなる柱状積層体の側面に、前記内部電極が一層おきに交互に接続する一対の外部電極を接着してなるとともに、前記不活性体の側面に接着された前記外部電極の端部にリード端子を接続してなる積層型圧電素子であって、前記外部電極の端部が接着される前記不活性体の側面に凹溝が形成されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 不活性体の側面に形成された凹溝の深さが5〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 外部電極と接続する内部電極の端部には、柱状積層体の側面から突出する突起状導電性端子が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層型圧電素子。
  4. 噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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