JP2002285937A - 積層型圧電素子及び噴射装置 - Google Patents

積層型圧電素子及び噴射装置

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JP2002285937A
JP2002285937A JP2001088131A JP2001088131A JP2002285937A JP 2002285937 A JP2002285937 A JP 2002285937A JP 2001088131 A JP2001088131 A JP 2001088131A JP 2001088131 A JP2001088131 A JP 2001088131A JP 2002285937 A JP2002285937 A JP 2002285937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部電極の柱状積層体への接合強度を向上でき
る積層型圧電素子及び噴射装置を提供する。 【解決手段】複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交
互に積層してなる活性体1a1と、該活性体1a1の上下
面にそれぞれ設けられた不活性体1a2とからなる柱状
積層体1aの側面に、内部電極2が一層おきに交互に接
続する一対の外部電極4を接着してなるとともに、不活
性体1a2に接着された外部電極4の端部にリード端子
6を接続してなる積層型圧電素子であって、外部電極4
の端部が接着される不活性体1a2の側面に凹溝9が形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電素子及
び噴射装置に関し、例えば、自動車用燃料噴射装置、光
学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子等
に用いられる積層型圧電素子及び噴射装置に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来から、電歪効果を利用して大きな変位
量を得るために、圧電体と内部電極層を交互に積層した
積層型圧電アクチュエータが提案されている。積層型圧
電アクチュエータには、同時焼成タイプと圧電磁器と内
部電極板を交互に積層したスタックタイプの2種類に分
類されており、低電圧化、製造コスト低減の面から考慮
すると、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータが
薄層化に対して有利であるために、その優位性を示しつ
つある。
【0003】図3は、従来の積層型圧電アクチュエータ
を示すもので、このアクチュエータでは、圧電体51と
内部電極52が交互に積層されて活性体53aが形成さ
れ、該活性体53aの積層方向上下面に不活性体53b
を形成して柱状積層体53が構成されている。内部電極
52は、その一方の端部が左右交互に絶縁体54で被覆
され、その上から、導電性接着剤を活性体53a及び不
活性体53bの側面に塗布乾燥して、一対の帯状外部電
極56を形成し、これらの帯状外部電極56が内部電極
52と左右各々一層おきに導通している。
【0004】この積層型圧電アクチュエータでは、不活
性体53bの側面に接合された帯状外部電極56の下側
端部表面に、リード端子57が半田58により接合され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、小型の圧電アクチュエータで大きな圧力下におい
て大きな変位量を確保するため、積層数を増加させ、ま
たより高い電界を印加して、長期間連続駆動させること
が行われているが、上記した従来の圧電アクチュエータ
では、帯状外部電極56の端部が不活性体53bの側面
から剥離し易いという問題があった。
【0006】即ち、活性体53aでは積層方向に大きな
変位が発生するが、不活性体53bでは変位が発生しな
いため、活性体53a及び不活性体53bに跨って形成
された帯状外部電極56には、その端部に積層方向への
引張応力や圧縮応力が発生し、不活性体53bに位置す
る帯状外部電極56の端部が剥離し易いという問題があ
った。この状態で駆動を続けると、不活性体53bに接
合された帯状外部電極56の端部だけでなく、活性体5
3aに位置する部分においても、帯状外部電極56が活
性体53aの表面から剥離して、内部電極52との接続
が解除され、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた
場合、一部の圧電体51に電圧が供給されなくなり駆動
中に変位特性が変化するという問題があった。
【0007】また、リード端子57が接合される帯状外
部電極56の下側端部では、リード端子57が何らかの
原因で引っ張られることにより、特に剥離し易いという
問題があった。
【0008】本発明は、外部電極の柱状積層体への接合
強度を向上できる積層型圧電素子及び噴射装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電素子
は、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層して
なる活性体と、該活性体の上下面にそれぞれ設けられた
不活性体とからなる柱状積層体の側面に、前記内部電極
が一層おきに交互に接続する一対の外部電極を接着して
なるとともに、前記不活性体の側面に接着された前記外
部電極の端部にリード端子を接続してなる積層型圧電素
子であって、前記外部電極の端部が接着される前記不活
性体の側面に凹溝が形成されていることを特徴とする。
【0010】このような積層型圧電素子では、外部電極
の端部が、不活性体の側面の凹溝が形成されている部分
に接着されるため、不活性体の側面と外部電極との接合
強度を向上でき、これにより、より高い電界を印加して
大きな変位量を発生せしめ、この状態で長期間連続駆動
させたとしても、外部電極の端部からの剥離を抑制する
ことができ、外部電極の柱状積層体への接合強度を向上
できる。
【0011】即ち、外部電極は、内部電極との接合を確
実に行うという理由から、変位を発生する活性体から変
位を発生しない不活性体にまで延設し、活性体及び不活
性体に跨って外部電極を形成し、リード端子接続部にア
クチュエータの伸びによる応力を発生させないという理
由から、リード端子を、不活性体まで延設された外部電
極の端部に接合せざるを得ないが、本発明では、外部電
極の端部が、不活性体の側面の凹溝が形成されている部
分に接合されるため、アンカー効果により、外部電極の
端部が不活性体の側面から剥離することを抑制すること
ができ、外部端子の端部からの剥離開始を抑制すること
ができる。
【0012】また、本発明では、不活性体の側面に形成
された凹溝の深さが5〜100μmであることが望まし
い。このような構成を採用することにより、不活性体の
折損を抑制することができるとともに、外部電極の端部
の剥離を有効に防止できる。
【0013】さらに、本発明では、外部電極が接続する
内部電極の端部には、一層おきに柱状積層体の側面から
突出する突起状導電性端子が設けられていることが望ま
しい。このような構成を採用することにより、外部電極
の柱状積層体からの剥離をさらに抑制することができ
る。
【0014】また、本発明の噴射装置は、噴射孔を有す
る収納容器と、該収納容器内に収容された上記積層型圧
電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔か
ら液体を噴出させるバルブとを具備してなるものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層型圧電アクチ
ュエータからなる積層型圧電素子の一実施例を示すもの
で、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿
った縦断面図、(c)は(a)の一部を拡大して示す斜
視図、(d)は(b)の一部を拡大して示す断面図であ
る。
【0016】本発明の積層型圧電アクチュエータは、図
1に示すように、複数の圧電体1と複数の内部電極2と
を交互に積層してなる活性体1a1と、該活性体1a1
上下面に形成された不活性体1a2とからなる四角柱状
の柱状積層体1aの側面において、内部電極2の端部を
一層おきに絶縁体3で被覆し、絶縁体3で被覆していな
い内部電極2の端部に突起状導電性端子5を設け、該突
起状導電性端子5を埋設するように導電性接着剤を柱状
積層体1aの側面に塗布乾燥して外部電極4を形成し、
各外部電極4の下側端部にリード端子6を接続固定して
構成されている。
【0017】外部電極4は、活性体1a1から不活性体
1a2にわたって形成され、外部電極4の下側端部が形
成される不活性体1a2の側面には、凹溝9が複数条形
成されている。これらの凹溝9は、内部電極2の露出し
た端部と平行に、かつ外部電極形成面積よりも少し大き
い面積範囲で形成されている。このような不活性体1a
2に位置する外部電極4の端部にリード端子6が半田等
で接合されている。
【0018】これらの凹溝9の深さdは5〜100μm
とされている。この範囲の深さであれば、不活性体1a
2が折損せず、また、外部電極4の接合強度を向上でき
るからである。一方、凹溝9の深さが5μmよりも浅い
場合には、外部電極4の不活性体1a2への接合強度が
低く、100μmよりも深い場合には、高電圧で駆動さ
せる場合に不活性体1a2の凹溝9の部分で折損しやす
いからである。
【0019】凹溝9の積層方向における幅bは、アンカ
ー効果を高めるという点から5〜50μmであることが
望ましい。このような凹溝9は、ダイシング加工もしく
はスクラッチ加工することにより形成できる。
【0020】尚、リード端子6が形成される下側の不活
性体1a2の側面にのみ凹溝9を形成したが、上側の不
活性体1a2の側面にも凹溝を形成しても良いことは勿
論である。また、凹溝9を外部電極形成面積よりも少し
大きい面積範囲で形成したが、不活性体1a2側面全面
に形成しても良いことは勿論である。
【0021】さらに、凹溝9を内部電極2の露出した端
部と平行に形成したが、内部電極2の露出した端部と直
交するように形成してもよく、さらには、凹溝9を格子
状に形成しても良い。
【0022】圧電体1は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)、或い
はチタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電セ
ラミック材料等で形成されている。この圧電セラミック
スは、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いもの
が望ましい。
【0023】また、圧電体1の厚み、つまり内部電極2
間の距離は50〜250μmが望ましい。これは、積層
型圧電アクチュエータは電圧を印加してより大きな変位
量を得るために、積層数を増加させる方法がとられる
が、積層数を増加させた場合に圧電体1の厚みが厚すぎ
るとアクチュエータの小型化、低背化ができなくなり、
一方、圧電体1の厚みが薄すぎると絶縁破壊しやすいか
らである。
【0024】圧電体1の間には内部電極2が配されてい
るが、この内部電極2は銀−パラジウム等の金属材料で
形成されており、各圧電体1に所定の電圧を印加し、圧
電体1に逆圧電効果による変位を起こさせる作用をな
す。
【0025】複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交
互に積層して成る柱状積層体1aは、先ず、PZT等の
圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラー
ル系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フ
タル酸ジオチル)、DOP(フタル酸ジブチル)等の可
塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知
のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ
成型法により圧電体1となるセラミックグリーンシート
を作製する。
【0026】次に、銀−パラジウム粉末にバインダー、
可塑剤等を添加混合して導電性ペーストを作製し、これ
を前記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によ
って1〜40μmの厚みに印刷する。
【0027】そして、上面に導電性ペーストが印刷され
たグリーンシートを複数積層し、この積層体の上下面に
導電性ペーストが印刷されていないグリーンシートを積
層し、これを所定の温度で脱バインダーを行った後、9
00〜1200℃で焼成することによって作製される。
【0028】その後、柱状積層体1aの外部電極4を形
成する対向する側面に銀を主成分するペーストを塗布
し、700〜950℃で焼き付けすることにより、突起
状導電性端子5が形成される。即ち、このような突起状
導電性端子5を形成するためには、特に、銀を主成分と
するペーストに軟化点が600℃〜950℃のガラス粉
末を分散させておき、該ペーストを外部電極4の形成面
に塗布、焼き付けを行うことにより、有効的に突起状導
電性端子5を形成することができる。
【0029】即ち、ペーストにガラス成分を分散させて
おくことにより、焼き付け時にガラスが軟化し、この状
態において圧電体1には拡散しにくい銀が内部電極2の
端部に拡散して寄り集まるため、図1(c)に示すよう
な突起状導電性端子5を形成できる。
【0030】この突起状導電性端子5は柱状積層体1a
の側面の一部に形成されており、レール状に形成され、
その長さは外部電極4の幅とほぼ同一とされている。
尚、突起状導電性端子5の長さは、外部電極4の幅より
も短くても良い。
【0031】また、突起状導電性端子5が形成された柱
状積層体1aの側面に一層おきに深さ50〜500μ
m、積層方向の幅30〜200μmの溝が形成されてお
り、この溝内にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等が充填さ
れて絶縁体3が形成されている。
【0032】溝が形成されていない内部電極2の端部
は、上記した突起状導電性端子5を介して外部電極4と
接続されている。なお、突起状導電性端子5に板状導電
部材を接合し、この板状導電部材を埋設するように導電
性接着剤で柱状積層体1aの側面に接合して外部電極4
を形成しても良い。この場合の導電性接着剤は、弾性係
数が小さく、変形し易いものが望ましい。突起状導電性
端子5と板状導電部材との接合は、例えば荷重を加えた
状態で700〜950℃で熱処理することにより、主成
分である銀が突起状導電性端子5と板状導電部材間を相
互に拡散し、いわゆる銀の拡散接合に行うことができ
る。
【0033】このように板状導電部材を突起状導電性端
子5を介して内部電極2に接続すると、アクチュエータ
を高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合でも、
突起状導電性端子5が変形して突起状導電性端子5が駆
動時に生じる応力を十分に吸収できるため、該外部電極
4と内部電極2の断線を抑制することができ、耐久性に
優れたアクチュエータを提供することができる。
【0034】さらに、板状導電部材の外面に、金属等の
メッシュ、メッシュ状の金属板、導電性コイル、若しく
は導電性波板、若しくは導電性繊維集合体(ウール状)
のいずれか一種からなる導電性補助部材を形成しても良
い。この場合には、アクチュエータに大電流を投入し、
高速で駆動させる場合においても、大電流を導電性補助
部材に流すことができ、外部電極4に流れる電流を低減
できるという理由から、外部電極4が局所発熱を起こし
断線することを防ぐことができ、耐久性を大幅に向上さ
せることができる。
【0035】また、絶縁体3により内部電極2の端部が
互い違いに一層おきに絶縁され、内部電極2の絶縁され
ていない他方の端部は、突起状導電性端子5を介して外
部電極4と接合されることになる。
【0036】なお、絶縁体3は、柱状積層体1aとの接
合を強固とするために、柱状積層体1aの変位に対して
追従する弾性率が低い材料、具体的にはシリコーンゴム
等からなることが好適である。
【0037】突起状導電性端子5の積層方向と同一方向
の幅Bは、図1(c)に示すように、外部電極4と内部
電極2との接続部の抵抗を低くし、且つアクチュエータ
の駆動時に生じる応力を十分に吸収するという点から、
1μm以上且つ圧電体1厚みの1/2以下であることが
望ましい。特には、幅Bは5〜25μmが望ましい。
【0038】また、突起状導電性端子5の突出高さh
は、アクチュエータの伸縮によって生じる応力を十分に
吸収するという点から、圧電体1厚みの1/20以上で
あることが望ましい。突出高さhは、15〜50μmが
望ましい。
【0039】さらに、板状導電部材の厚みは、アクチュ
エータの伸縮に追従し、外部電極4と突起状導電性端子
5の間、若しくは突起状導電性端子5と内部電極2の間
で断線を生じないという点から、50μm以下であるこ
とが望ましい。
【0040】突起状導電性端子5及び板状導電部材は、
銀、ニッケル、銅、金、アルミニウム、等の導電性を備
えた金属及びそれらの合金からなり、このうち、内部電
極との接合強度が強く、ヤング率が低いという点から、
銀が望ましい。
【0041】以上のように構成された積層型圧電素子
は、外部電極4の端部が、不活性体1a2の側面の凹溝
9が形成されている部分に接合されているので、アンカ
ー効果により、外部電極4の端部が不活性体1a2の側
面から剥離することを抑制することができ、外部端子4
の端部からの剥離開始を抑制することができる。また、
リード端子6に外力が作用し、引っ張られたとしても、
外部電極4の接合強度が高いため、外部端子4の端部の
剥離を抑制できる。
【0042】本発明の積層型圧電素子はこれらに限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であ
れば種々の変更は可能である。
【0043】図2は、本発明の噴射装置を示すもので、
図において符号31は収納容器を示している。この収納
容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容
器31内には、噴射孔33を開閉することができるニー
ドルバルブ35が収容されている。
【0044】噴射孔33には燃料通路37が連通可能に
設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結
され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給され
ている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開
放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の
高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるよう
に形成されている。
【0045】また、ニードルバルブ35の上端部は直径
が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリン
ダ39と摺動可能なピストン41を有している。そし
て、収納容器31内には、上記した圧電アクチュエータ
43が収納されている。
【0046】このような噴射装置では、圧電アクチュエ
ータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41
が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞
し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止
されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45
がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37
と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
【0047】
【実施例】まず、柱状積層体を作製した。圧電体は厚み
150μmのPZTで形成し、内部電極は厚み3μmの
銀−Pt合金によって形成し、圧電体及び内部電極の各
々の積層数は300層とした。外部電極が形成される不
活性体の側面に、ダイシング加工により、深さdが20
μm、幅bが20μmの凹溝を100μm間隔で5本形
成した。形成面積は、外部電極形成面積よりも僅かに大
きい面積とした。
【0048】次に、外部電極が形成される柱状積層体の
側面に銀を含有するペーストを塗布し、800℃で焼き
付け、柱状積層体の側面に露出した内部電極の端部に、
積層方向と同一方向の幅Bが10μm、高さhが20μ
mの突起状導電性端子を形成した。この後、内部電極の
端部一層おきに溝を形成し、該溝に絶縁体としてシリコ
ーンゴムを充填した。
【0049】次にポリイミドの前駆体であるポリアッミ
ク酸をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解さ
せ、ワニス状にし、このワニスに銀粉末20重量%を混
合、混練、ペースト状にしたものを、外部電極を形成す
る所定の位置に塗布し、220℃の空気中で溶媒を蒸発
させるとともに、硬化反応を起こさせ、外部電極を形成
した。
【0050】この後、正極用外部電極、負極用外部電極
の下側端部にリード端子を半田で接合し、図示しない
が、アクチュエータの周囲にデイッピング等の方法によ
り、シリコーンゴムを被覆し、さらに、正極、負極に3
kVの分極電圧を印加し、アクチュエータ全体を分極処
理することで、図1に示す積層型圧電アクチュエータを
得た。
【0051】得られた積層型圧電アクチュエータに15
0Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に40μmの
変位量が得られた。さらに、このアクチュエータに室温
で0〜+150Vの交流電圧を60Hzの周波数にて印
加し駆動試験を行った結果、1×109サイクルまで駆
動したところ40μmの変位量が得られ、外部電極の剥
離等の異常は見られなかった。
【0052】また、本発明者は、凹溝の深さdを5〜1
00μmに変更する以外は、上記と同様にして、積層型
圧電アクチュエータを作製し、得られた積層型圧電アク
チュエータに150Vの直流電圧を印加した結果、積層
方向に40μmの変位量が得られた。さらに、このアク
チュエータに室温で0〜+150Vの交流電圧を60H
zの周波数にて印加し駆動試験を行った結果、1×10
9サイクルまで駆動したところ40μmの変位量が得ら
れ、外部電極の剥離等の異常は見られなかった。
【0053】一方、凹溝、突起状導電性端子を形成しな
い以外は、上記と同様にして、積層型圧電アクチュエー
タを作製し、得られた積層型圧電アクチュエータに15
0Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に40μmの
変位量が得られたものの、このアクチュエータに室温で
0〜+150Vの交流電圧を60Hzの周波数にて印加
し駆動試験を行った結果、1×106サイクル駆動後に
変位量の低下が見られたため、駆動を停止し、アクチュ
エータを観察したところ、外部電極の下側端部が剥離し
ていた。
【0054】
【発明の効果】本発明の積層型圧電素子では、外部電極
の端部が、不活性体の側面の凹溝が形成されている部分
に接着されるため、不活性体の側面と外部電極との接合
強度を向上でき、これにより、より高い電界を印加して
大きな変位量を発生せしめ、この状態で長期間連続駆動
させたとしても、外部電極の端部からの剥離を抑制する
ことができ、外部電極の柱状積層体への接合強度を向上
できる。従って、高温の使用環境下、高い印加電界、高
速で連続駆動させる場合においても、外部電極と内部電
極が断線することなく高耐久性を備えた積層型圧電素子
を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)
は斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿った縦断面
図、(c)は(a)の一部を拡大して示す斜視図、
(d)は(b)の一部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の噴射装置を示す説明図である。
【図3】従来の積層型圧電アクチュエータの縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・圧電体 1a・・・柱状積層体 1a1・・・活性体 1a2・・・不活性体 2・・・内部電極 4・・・外部電極 5・・・突起状導電性端子 6・・・リード端子 9・・・凹溝 31・・・収納容器 33・・・噴射孔 35・・・バルブ 43・・・圧電アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層してなる活性体と、該活性体の上下面にそれぞれ設
    けられた不活性体とからなる柱状積層体の側面に、前記
    内部電極が一層おきに交互に接続する一対の外部電極を
    接着してなるとともに、前記不活性体の側面に接着され
    た前記外部電極の端部にリード端子を接続してなる積層
    型圧電素子であって、前記外部電極の端部が接着される
    前記不活性体の側面に凹溝が形成されていることを特徴
    とする積層型圧電素子。
  2. 【請求項2】不活性体の側面に形成された凹溝の深さが
    5〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の
    積層型圧電素子。
  3. 【請求項3】外部電極と接続する内部電極の端部には、
    柱状積層体の側面から突出する突起状導電性端子が設け
    られていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層
    型圧電素子。
  4. 【請求項4】噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内
    に収容された請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積
    層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴
    射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなること
    を特徴とする噴射装置。
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