JPH03174783A - 積層型圧電素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電界によって圧電材料に誘起される伸縮歪を利
用し、アクチュエータとして用いられる積層型圧電素子
の構造に関する。

〔従来の技術〕

近年メカトロニクス機器が急速に発展し、これに伴なっ
て例えばロボットなどを駆動し、微小な変位や発生力を
利用した制御装置として用いられる圧電アクチュエータ
の開発も盛んである。特に厚さ方向に分極された圧電材
料をその分極方向が互いに対向するようにスタックとし
て積み重ね、圧電材料層に電界誘起歪を発生させる積層
型圧電素子は、小さな電圧によって大きな変位を得るこ
とができるのでその有用性が注目されている。

この種の積層型圧電素子は例えば第３図にその構造を模
式断面図により示したものが知られている。第３図にお
いて、この積層型圧電素子はジルコン酸チタン酸鉛など
の圧電材料層１と、金属を主成分とする導電性の内部電
極層２とが交互に多数積層された積層体の上下両端面に
、内部電極層２を介して圧電材料層１と同質の材料から
なる保護Ｎ３を設りてあり、各内部電極層２は積層体の
中心軸に関して互いに反対位置にある平行側面端部にお
いて、−層おきに機械加工により明けたスリットに縦方
向で左右非対称となるようにシリコーン系樹脂などを充
填して、絶縁層４を形成することにより電気的に絶縁し
、平行側面に露出している各部材を連結するエポキシ系
導電性Ａｇペーストの外部電極５を取り付け、この外部
電極５からリード線６を用いて図示してない直流電源の
極性の異なる端子７，７ａに電気的に並列接続した構造
となっており、さらに積層体の側面全域に亘って外周面
にゴム弾１牛をもつイｆＩＡ系の絶縁コーティング樹脂
８を塗布して、積層体側面に露出する各内部電極層２間
の沿面絶縁と、この積層型圧電素子の環境汚染からの保
護がなされている。そして直流電源端子７，７ａに異な
る極性の電圧を印加したとき、圧電材料層１内に生した
電界による圧電縦効果の伸び歪が積層方向に発生し、各
圧電材料層１の歪が相加されて積層体全体としてこの積
層型圧電素子に大きな伸び歪が生ずるのである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、以上の構造を持つ積層型圧電素子の信頼
性をさらに高めるためには次のような問題を解決しなけ
ればならない。

第一の問題はこの積層型圧電素子に形成されている積層
体側面の絶縁コーティング樹脂８は、機掠的強度か小さ
い上に被膜厚さも薄いので積層体側面に外力が加わった
場合、僅かな力で損傷を受Ｉｌｌやすく、また通常この
絶縁コーティング樹脂８にはシリコーン系もしくはウレ
タン系の樹脂が用いられるが、これらの蕩い被膜では湿
気や有害なガスを透過するので積層型圧電素子が有害な
雰囲気に置かれたとき、その環境汚染から保護するのに
十分ではないことである。

第二二の問題は電圧印加用のリード線６が積層体の端部
から外部へ取り出されているので、使用時に積層体両端
の保護層３を剛体に接触させて伸縮駆動させるとき、リ
ード線６の被覆が直接剛体に接触してしまい、長時間の
使用に対して電気的に絶縁破壊する可能性があることと
、リード線６の取り付け位置が積層体の端部であること
から、外部からリード線６に引っ張り応力が加わった場
合は、リード線６が容易に破断してしまう恐れかあるこ
とである。

本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目
的は外力や環境汚染に対して十分に耐えることができ、
通常の使用条件においてもリード線の高い機械的強度と
一ト分な電気的絶縁性を保ち、高信頼性を有する積層型
圧電素子を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために本発明の積層型圧電素子は
、積層体の二つの平行側面に設けた外部電極の外面に接
着した導電性金属箔と、この金属箔を含む積層体の全側
面に電気絶縁性コーティング樹脂を介して被覆した弗素
樹脂系熱収縮チューブを備え、電圧印加用のリード線を
導電性金属箔の長手方向の中央部近傍に取り何け、積層
体側面に対して垂直な方向に熱収縮チューブの小孔を通
して引き出すように構成したものである。

〔作用〕

本発明の積層型圧電素子は上記のように構成したことに
より、積層体の全側面はコーティング樹脂と熱収縮チュ
ーブとの二重に覆われた厚い保護被膜を形成して強度を
増し外力による損傷を防ぎ、また熱収縮チューブの被覆
時の熱収縮加熱処理がコーティング樹脂の半硬化状態の
時に行われるために、このコーティング樹脂は積層体の
全側面の全ての凹凸面内に充填され、そこにピンホール
の生ずる余地はなくなり、短期間に湿気の侵入などによ
る絶縁不良を起こすことがない。また、ワド線を積層体
長手方向の中央部近傍から取り出しであるために、使用
時に保護層と接触する剛体に直接触れることなく、しか
もリード線は熱収縮チューブで固定されるから、外力に
よって容易に破断することがなくなり、耐環境性ととも
に電気的絶縁性や機械的強度に対して高い信頼性を有す
る積層型圧電素子を得ることができる。

〔実施例〕

以下本発明を実施例に基づき説明する。

第１図は本発明の積層型圧電素子の構成を示す模式断面
図であり、第２図と共通部分を同一符号で表わしである
。第１図かられかるように本発明の積層型圧電素子では
、積層体の両平行側面における外部電極５から直流電源
端子７，７ａへの接続は、外部電極５に導電性接着剤を
用いて貼り付けた錫メツキ銅箔などの導電性金属箔９に
半田付けしたリード線６により行なっており、この積層
体の外部電極５および導電性金属箔９を含む全便面゛に
シリコーン系のコーティング樹脂１０を塗布し、さらに
その外側から弗素樹脂系の熱収縮チューブ１１で被覆し
た構造としである。

このように本発明の積層型圧電素子は、積層体全側面を
コーティング樹脂１０を介して熱収縮チューブ１１で被
覆しであるから、これらが厚さの大きな強度の高い保護
膜としての役割を持ち、外力に対する損傷を防ぎ、また
この熱収縮チューブ１１はシリコーン系コーティング樹
脂１０が半硬化状態にあるとき熱収縮処理を行なうため
、積層体側面に存在している全ての微小な凹凸面内にま
でコーティング樹脂１０が圧入されることになり、空隙
が埋められてしまうのでピンホールを生ずることもなく
、積層体側面を完全に外気から遮断することができる。

したがって、湿気や有害なガスなどの侵入を防ぎ環境汚
染に対して高い信頼性が得られる。

このようにして得られた積層型圧電素子をシリンダー状
の金属容器中に収め、周期的パルス電圧を印加し、高温
度環境下における絶縁破壊までの寿命について、本発明
の積層型圧電素子とコーティング樹脂８のみ用いた従来
の積層型圧電素子との比較試験を行なった結果、本発明
の方が従来に比べて３〜５倍程度の寿命を有することが
確認された。

さらに本発明ではリード線６の接続に関して、電気的絶
縁と機械的強度を確保するために、第２図のように＋ｉ
威することができる。第２図はその模式断面図を示すも
のであり、第１図と共通部分に同一符号を用いである。

第２図が第１図と異なる所は、リード線６の取り付け位
置とその引き出し方にあり、その他は第１図と全く同様
であるから、ここではリード線６についてのみ説明する
。

リード線６の取り付け位置は第２図のように、積層体端
部から離れた側面の中央部またはその近傍とし、このリ
ード線６を弗素樹脂系熱収縮チューブ１１の側面に形成
した図示してない直径約１ｍの小孔を通して外部に引き
出している。このようにすると、使用時に上下の保護層
３に剛体を接触させて積層体を伸縮駆動したとき、リー
ド線６が剛体に直接触れることのないように配線するこ
とができる。この場合リード線６を導電性金属箔９との
接合部分から積層体の長さ方向に対してほぼ垂直な方向
に、折り曲げることなくそのまま引き出しても同様の効
果を得ることはできるが、第２図のように、リード線６
を導電性金属箔９との接合部分から積層体の長さ方向に
沿って数ｍｍ伸ばした位置で折り曲げ、積層体側面と垂
直な方向に熱収縮チューブ１１の小孔を通して外部に引
き出し、即ちリード線６を積層体の側面から見てＬ字状
となるように引き出して、リード線６の一部が数Ｕ固定
されるように熱収縮チューブ１１を熱収縮処理すること
により、リード線６に外部から引っ張り応力が加わって
も、リード線６と導電性金属箔９との接合部分にその外
力が直接伝わることがなく、外力によってリード線６が
破損するという心配もなくなる。

このように構成した積層型圧電素子の特性が向上するこ
とは前述の通りであるが、リード線６に引っ張り応力を
加えた場合の強度についても、積層体の端部からリード
線６を取り出した従来の素子に比べて、本発明の素子の
方が数倍も大きいことが確認された。

０ 〔発明の効果〕 積層体の全側面を電気絶縁性コーティング樹脂のみで覆
った従来の積層型圧電素子は機械的な強度や耐環境性に
関して十分でなかったのに対して、本発明では実施例で
述べたように、積層体の全側面を電気絶縁性コーティン
グ樹脂を介して弗素樹脂系の熱収縮チューブで被覆する
構造としたために、積層体側面の保護被膜としての厚さ
が大きくなりその強さを増して外力によって損傷するの
を防ぎ、一方熱収縮チューブの熱処理を行なう過程テヒ
ンホールの発生も解消する。また、この積層型圧電素子
に取り付ける電圧印加用のリード線は導電性金属箔の長
平方向の中央部近傍に取り付け、積層体側面に対して垂
直な方向に熱収縮チューブの小孔を通して引き出すよう
にしたため、リード線を積層体外部の物体に拘束される
ことなく配線することができ、しかもリード線は部分的
に熱収縮チューブに固定されるので、接合個所で引っ張
り応力による破断を起こすこともない。

以上のことから、本発明により耐環境性が著しく向上し
長寿命が確保されるとともに、電気的絶縁性や機械的強
度に対して高い信頼性を有する積層型圧電素子を得るこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の積層型圧電素子の構成を示す模式断面
図、第２図はリード線に関して第１図とは異なる構成を
示す模式断面図、第３図は従来の積層型圧電素子の構成
を示す模式断面図である。 １：圧電材料層、２：内部電極層、３：保護層、４：絶
縁層、５：外部電極、６：リード線、７７ａ：電源端子
、ｓ、ｉｏ：コーティング樹脂、９：導電性金属箔、■
１：熱収縮チューブ。 特開平３−１７４７８３　（５）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）積層された複数個の圧電材料層の間にそれぞれ埋め
   込まれた内部電極層を有し上下両端に内部電極層を介し
   て保護層を設けた積層体，この積層体の内部電極層側端
   部で交互に形成された絶縁層を含む二つの平行側面の双
   方に接続され、内部電極層と一層おきに電気的な導通を
   可能とする二つの外部電極，これら各部電極の外面に接
   着した二つの導電性金属箔，これら導電性金属箔に取り
   付け積層体外部に引き出す二つのリード線，および各金
   属箔表面を含む積層体の全側面を電気絶縁性コーティン
   グ樹脂を介して被覆した弗素樹脂系熱収縮チューブを有
   することを特徴とする積層型圧電素子。 ２）請求項１）記載の二つのリード線をそれぞれ各導電
   性金属箔の長さ方向のほぼ中央部に取り付け、積層体の
   長さ方向に垂直に弗素樹脂系熱収縮チューブに形成した
   小孔を通して積層体外部に引き出すことを特徴とする積
   層型圧電素子。 ３）請求項１）記載の二つのリード線をそれぞれ各導電
   性金属箔の長さ方向のほぼ中央部に取り付け、各導電性
   金属箔の長さ方向に沿う適当距離から折曲げ積層体の長
   さ方向に垂直に弗素樹脂系熱収縮チューブに形成した小
   孔を通して積層体外部に引き出すことを特徴とする積層
   型圧電素子。