JP3250918B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents
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Description
精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子に使用される
積層型圧電体に関する。
型圧電体(積層型のアクチュエーター)を作製する方法
が多数開示されている(例えば特公昭56ー50434
号公報参照)。特に圧電板の接合方法により接合状態が
大きく変化し、積層後の特性の変動が大きく、素子間で
の特性ばらつきが大きくなるため様々な信頼性向上の方
法が示されている。
法としては、同時焼成による方法がある。この同時焼成
による方法では、圧電板の厚みを薄く作製することが比
較的容易であり、印加電界を高くできるために低電圧高
変位が可能であるが、圧電板材料(例えば、Pb(Zr
Ti)O3等のセラミックスからなる)と同時焼成を行
なうための内部電極材料としては、PdやPt等の貴金
属を使用する必要があり、積層数が増すにしたがってコ
スト高になるという問題点があった。
を何らかの導電性接着材を使用して積層接合する方法
が、例えば、特開昭60−121784号公報に開示さ
れている。この公報には、圧電板間に圧電板と同一形状
の電極用金属板を挟み込み、銀ペースト等の導電性ペー
ストの接着力により接合する方法が開示されている。
方法では、圧電板間にこの圧電板と同一形状の電極用金
属板を挟み込むために、電極用金属板と圧電板との接合
が不十分になるという問題があった。このため、圧電板
の積層数を増加するにしたがって接合界面での剥離等の
発生確率が増加するという問題があった。この結果、圧
電アクチュエータとして使用中に接合界面で剥離し、使
用不能になるという問題があった。
電極用金属板により押し出されて圧電板の側面にはみ出
し、圧電板の間にそれぞれ介装された正電極と負電極を
構成する金属板同士が短絡するという問題があった。
ことができるとともに、電極同士の短絡を防止すること
ができる積層型圧電体を提供することを目的とする。
は、積層された複数の圧電板と、これらの圧電板の間に
それぞれ複数介装されるとともに接続用突起部を有する
細長金属板と、前記圧電板の間に介装されるとともに前
記細長金属板を埋設する導電性接着層とを有する積層型
圧電体であって、前記圧電体の両側に配置された細長金
属板をそれぞれ正電極用細長金属板および負電極用細長
金属板とするとともに、前記正電極用細長金属板の接続
用突起部同士を電気的に接続し、前記負電極用細長金属
板の接続用突起部同士を電気的に接続してなるものであ
る。
と、これらの圧電板の間にそれぞれ介装されるとともに
接続用突起部を有する金属メッシュと、前記圧電板の間
に介装されるとともに前記金属メッシュを埋設する導電
性接着層とを有する積層型圧電体であって、前記圧電板
の両側に配置された金属メッシュをそれぞれ正電極用金
属メッシュおよび負電極用金属メッシュとするととも
に、前記正電極用金属メッシュの接続用突起部同士を電
気的に接続し、前記負電極用金属メッシュの接続用突起
部同士を電気的に接続してなるものもある。
の圧電板の両面にそれぞれ導電性ペーストを塗布し、こ
の導電性接着層用ペーストを乾燥した後、複数の圧電板
の間に接続用突起部を有する金属メッシュを介装して積
層し、この後加熱しながら加圧し前記複数の圧電板を相
互に接合し、前記圧電板の間に金属メッシュを埋設する
導電性接着層を形成し、前記圧電板の両側に配置された
金属メッシュを正電極用金属メッシュおよび負電極用金
属メッシュとするとともに、前記正電極用金属メッシュ
の接続用突起部同士を電気的に接続し、前記負電極用金
属メッシュの接続用突起部同士を電気的に接続すること
により製造される。
もので、例えば、真鍮、銅、ステンレス等の金属が好ま
しい。金属メッシュの厚さは、接合後の状態で導電性接
着層用ペースト中に隙間なく金属メッシュが埋設するよ
うになるのが好ましく、このためには、金属メッシュの
厚みは導電性接着層用ペーストの厚さと同程度か、もし
くは、それ以下が望ましい。また、金属メッシュのメッ
シュ径は、メッシュ内へのペーストの充填の点および圧
電板の接合力の点から300μm以下であれば使用で
き、特に100μm以下のものが望ましい。
ば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミッ
クス材料などが使用されるが、これに限定されるもので
はなく、圧電性を有するセラミックスであれば何れでも
良い。この圧電体を構成する圧電材料としては、圧電歪
み定数d33が高いものが望ましい。
さい幅を有するものであり、その材料および厚みは、金
属メッシュと同様の理由により同様の材料、厚みが望ま
しい。
の細長金属板を圧電板の間に介装するため、積層時に加
圧すると導電性接着層用ペーストが細長金属板の回りに
入り込み、圧電板同士を強固に接合する。
板の回りに入りこむため、圧電板の積層中に導電性接着
層用ペーストの圧電板側面へのはみ出しを抑制すること
ができる。
で、符号11は円板状の圧電板を示している。これらの
圧電板11はPb(ZrTi)O3(以下PZTと略
す)を主成分とする焼結体であり、直径20mm、厚み
0.5mmの円板状とされている。
り、その間には、例えば、ガラス成分を含むAgからな
る導電性接着層13が形成され、導電性接着層13内に
は、例えば、真鍮製の金属メッシュ15が埋設されてい
る。これらの金属メッシュ15には、図2に示すよう
に、接続用突起部17が形成されており、圧電板11の
径方向に突出している。また、接続用突起部17は、図
1に示したように交互に180度反対を向くように、金
属メッシュ15が圧電板11の間に介装されており、こ
れらの金属メッシュ15は、その接続用突起部17の位
置により正電極用金属メッシュ19,負電極用金属メッ
シュ21とされている。そして、正電極用金属メッシュ
19の接続用突起部17が折曲され、相互に電気的に接
続され、また、負電極用金属メッシュ21の接続用突起
部17が折曲され、相互に電気的に接続されている。
両面にそれぞれ導電性ペーストを塗布し、この導電性接
着層用ペーストを乾燥した後、複数の圧電体11の間、
即ち、ペースト間に接続用突起部17を有する金属メッ
シュ15を介装して積層し、この後加熱しながら加圧
し、複数の圧電板11を相互に接合し、圧電板11の間
に、金属メッシュ15を埋設する導電性接着層13を形
成することにより形成される。
用金属メッシュ19および負電極用金属メッシュ21の
接続用突起部17をそれぞれ接続する。即ち、正電極用
金属メッシュ19の接続用突起部17同士を電気的に接
続し、負電極用金属メッシュ21の接続用突起部17同
士を電気的に接続することにより製造される。
電極としての金属メッシュ15を圧電板11の間に介装
するため、積層時に加圧すると導電性接着層用ペースト
が金属メッシュ15のメッシュ間に入り込み、圧電板1
1同士を強固に接合し、高電界の繰り返し印加によって
発生する界面での剥離等を防止することができ、積層型
圧電体の信頼性を向上することができる。
シュ15の間に入り込むため、圧電板11の積層中に導
電性接着層用ペーストが圧電板11により押し出されて
側面にはみ出すことがなく、正電極用金属メッシュ19
の接続用突起部17と負電極用金属メッシュ21の接続
用突起部17の電気的な導通を防止し、正電極用金属メ
ッシュ19と負電極用金属メッシュ21との短絡を防止
することができる。
くすることができるため、電界印加時に発生する変位ヒ
ステリシスが小さく、繰り返し使用後の変位量の低下が
小さく、寿命の長い積層型圧電体を提供することができ
る。
mm、厚み0.5mmの円板状の圧電板11を形成し
た。この圧電板11の両主面にガラス成分を含む電気伝
導性のAgペーストを40〜60μmの厚みになるよう
に印刷した後、100℃にて乾燥した。厚さ50μm、
メッシュ径100μmの真鍮製メッシュを、図2に示し
たような2mm×2mmの接続用突起部17を有する直
径20mmの円形に打ち抜き、金属メッシュ15とし、
この金属メッシュ15を圧電板11の間に挟み込み、圧
電板11を100層積層して積層型圧電体を形成した。
は一層おきに同じ位置にくるように、他方は180度反
対側に来るように配置した。圧電板11を100層積層
した圧電体は、位置ずれが生じないように軽く圧力を加
えた後、積層体の上部に約4kgの重りを乗せて、65
0℃、1時間で加圧接合した。
径方向に突出した接続用突起部17を軸方向に折曲げ、
一層おいた隣の接続用突起部17と接続し、正電極用金
属メッシュ19の接続用突起部17同士を電気的に接続
するとともに、負電極用金属メッシュ21の接続用突起
部17同士を電気的に接続した。これを80℃のシリコ
ンオイル中で3kv/mmの直流電圧を30分間印加し
て分極処理を行なった。
圧を印加した結果、15μmの変位量が得られた。更に
この積層型圧電体に0Vから+200Vの交流電界を1
0Hzの周波数にて印加した結果、印加回数3×108
回までこの変位量を維持した。これに対して、圧電板と
同一形状の金属板を電極として挿入した従来例において
は、0Vから+200Vの交流電界を10Hzの周波数
にて印加した回数が5×106回で積層界面に剥離が生
じ、変位量に変化が生じた。
定し、試料上面にアルミニウム箔を張り付けて、レーザ
ー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測定
した値の平均値で評価した。
mm、厚み0.35mmの円板状の圧電板11を形成し
た。この圧電板11の両主面にガラス成分を含む電気伝
導性のAgペーストを20μmの厚みになるように印刷
した後、120℃にて乾燥した。厚さ20μm、メッシ
ュ径200μmの真鍮製メッシュを図2に示したような
2mm×2mmの接続用突起部17を有する直径15m
mの円形に打ち抜き、金属メッシュ15を作成した。該
金属メッシュ15を圧電板11の間に挟み込み、圧電板
11を200層積層して積層型圧電体を形成した。
は一層おきに同じ位置に来るように、他方は180度反
対側に来るように配置した。圧電板11を200層積層
した圧電体は、位置ずれが生じないように軽く圧力を加
えた後、積層体の上部に約3kgの重りを乗せて、60
0℃、1時間で加圧接合した。次に、図1に示したよう
に、圧電板11から外側に出た接続用突起部17を軸方
向に折曲げ、一層おいた隣の接続用突起部17と接続
し、正電極用金属メッシュ19の接続用突起部17同士
を電気的に接続するとともに、負電極用金属メッシュ2
1の接続用突起部17同士を電気的に接続した。これを
80℃のシリコンオイル中で2kv/mmの直流電圧を
30分間印加して分極処理を行なった。
圧を印加した結果、31μmの変位量が得られた。更に
この積層型圧電体に0Vから+200Vの交流電界を1
0Hzの周波数にて印加した結果、印加回数が3×10
8回までこの変位量を維持した。これに対して、圧電板
と同一形状の金属板を電極として挿入した従来例におい
ては、0Vから+200Vの交流電界を10Hzの周波
数にて印加した回数が1×106回で積層界面に剥離が
生じ、変位量に変化が生じた。変位量の測定について
は、上記参考例1と同様にして測定した。
mm、厚み0.3mmの正方形状の角板からなる圧電板
11を形成した。この圧電板11の両主面に電気伝導性
を有するペースト、例えばガラス成分を含むAgペース
トを40乃至50μmの厚みになるように印刷した後、
120℃にて乾燥した。厚さ40μm、メッシュ径50
μmの真鍮製メッシュを図3に示すような2mm×2m
mの接続用突起部17を有する一辺10mmの正方形状
に打ち抜き、該金属メッシュ15を圧電板11の間に挟
み込み、圧電板を300層積層して積層型圧電体を形成
した。
は一層おきに同じ位置に来るように、他方は180度反
対側に来るように配置した。圧電板を300層積層した
積層型圧電体は、位置ずれが生じないように軽く圧力を
加えた後、積層体の上部に約2kgの重りを乗せて、6
00℃、1時間で加圧接合した。次に、図1に示したよ
うに、これらの外側に出た接続用突起部17を軸方向に
折曲げ、一層おいた隣の接続用突起部17と接続し、正
電極用金属メッシュ19の接続用突起部17同士を電気
的に接続するとともに、負電極用金属メッシュ21の接
続用突起部17同士を電気的に接続した。これを80℃
のシリコンオイル中で2kv/mmの直流電圧を30分
間印加して分極処理を行なった。
を印加した結果、12μmの変位量が得られた。更にこ
の積層型圧電体に0Vから+50Vの交流電界を10H
zの周波数にて印加した結果、印加回数が7×108回
までこの変位量を維持した。
を電極として挿入した従来例においては、0Vから+5
0Vの交流電界を10Hzの周波数にて印加した回数が
2×106回で積層界面に剥離が生じ、変位量に変化が
生じた。変位量の測定につていは、上記参考例1と同様
にして測定した。
mm、厚み0.3mmの円板状の圧電板11を形成し
た。この圧電板11の両主面にガラス成分を含む電気伝
導性のAgペーストを10〜20μmの厚みになるよう
に印刷した後、100℃にて乾燥した。厚さ20μm、
メッシュ径100μmの真鍮製メッシュを、図2に示し
たような2mm×2mmの接続用突起部17を有する直
径12mmの円形に打ち抜き、金属メッシュ15とし、
この金属メッシュ15を圧電板11の間に挟み込み、圧
電板11を100層積層して積層型圧電体を形成した。
は一層おきに同じ位置にくるように、他方は180度反
対側に来るように配置した。圧電板11を100層積層
した圧電体は、位置ずれが生じないように軽く圧力を加
えた後、積層体の上部に約2kgの重りを乗せて、65
0℃、30分間で加圧接合した。
径方向に突出した接続用突起部17を軸方向に折曲げ、
一層おいた隣の接続用突起部17と接続し、正電極用金
属メッシュ19の接続用突起部17同士を電気的に接続
するとともに、負電極用金属メッシュ21の接続用突起
部17同士を電気的に接続した。これを80℃のシリコ
ンオイル中で3kv/mmの直流電圧を30分間印加し
て分極処理を行なった。
圧を印加した結果、6μmの変位量が得られた。更にこ
の積層型圧電体に0Vから+100Vの交流電界を10
Hzの周波数にて印加した結果、印加回数5×108回
までこの変位量を維持した。
を電極として挿入した従来例においては、0Vから+1
00Vの交流電界を10Hzの周波数にて印加した回数
が2×106回で積層界面に剥離が生じ、変位量に変化
が生じた。
する焼結体の両面を研磨して直径18mm、厚み0.3
5mmの円板状の圧電板31を形成した。
む電気伝導性のAgペーストを25μmの厚みになるよ
うに印刷した後、100℃にて乾燥した。幅2mm、厚
さ25μm、長さ20mmの細長金属板33を、図4に
示すように、圧電板31のペースト32の上に2本平行
に配置し、圧電板31の間に挟み込み、圧電板31を1
50層積層して積層型圧電体を形成した。
たように、接続用突起部37は一層おきに同じ位置にく
るように、他方は180度反対側に来るように配置し
た。圧電板31を150層積層した圧電板31は、位置
ずれが生じないように軽く圧力を加えた後、積層体の上
部に約3kgの重りを乗せて、650℃、1時間で加圧
接合した。
径方向に突出した接続用突起部37を軸方向に折曲げ、
一層おいた隣の接続用突起部37と接続し、正電極用金
属メッシュ19の接続用突起部17同士を電気的に接続
するとともに、負電極用金属メッシュ21の接続用突起
部17同士を電気的に接続した。これを80℃のシリコ
ンオイル中で3kv/mmの直流電圧を30分間印加し
て分極処理を行なった。
とほぼ同様の効果を得ることができる。さらに、この場
合には、細長金属板33を2本平行に配置したため、圧
電板31同士を平行に積層することができる。
を印加した結果、35μmの変位量が得られた。更にこ
の積層体に0Vから+300Vの交流電界を10Hzの
周波数にて印加した結果、印加回数が2×108回まで
この変位量を維持した。これに対して、圧電板と同一形
状の金属板を電極として挿入した従来例においては、0
Vから+300Vの交流電界を10Hzの周波数にて印
加した回数が1×106回で積層界面に剥離が生じ、変
位量に変化が生じた。変位量の測定につていは、上記参
考例1と同様にして測定した。
長金属板33を2枚平行に配置した例について説明した
が、本発明では上記実施例に限定されるものではなく、
圧電板の間に細長金属板を3枚以上配置しても良い。ま
た、細長金属板は必ずしも平行に配置する必要はない。
電体の幅よりも小さい幅を有する電極としての細長金属
板を圧電板の間に介装するため、積層時に加圧すると導
電性接着層用ペーストが細長金属板の間に入り込み、圧
電板同士を強固に接合し、高電界の繰り返し印加によっ
て発生する界面での剥離等を防止することができ、積層
型圧電体の信頼性が向上することができる。
板のまわりに入り込むため、圧電板の積層中に導電性接
着層用ペーストが圧電板により押し出されて側面にはみ
出すことがなく、細長金属板同士の短絡を防止すること
ができる。
的損失を小さくすることができるため、電界印加時に発
生する変位ヒステリシスが小さく、繰り返し使用後の変
位量の低下が小さく、寿命の長い積層型圧電体を提供す
ることができる。
ある。
状態を示す平面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】積層された複数の圧電板と、これらの圧電
板の間にそれぞれ複数介装されるとともに接続用突起部
を有する細長金属板と、前記圧電板の間に介装されると
ともに前記細長金属板を埋設する導電性接着層とを有す
る積層型圧電体であって、前記圧電体の両側に配置され
た細長金属板をそれぞれ正電極用細長金属板および負電
極用細長金属板とするとともに、前記正電極用細長金属
板の接続用突起部同士を電気的に接続し、前記負電極用
細長金属板の接続用突起部同士を電気的に接続してなる
ことを特徴とする積層型圧電体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26652094A JP3250918B2 (ja) | 1994-06-30 | 1994-10-31 | 積層型圧電素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14949194 | 1994-06-30 | ||
JP6-149491 | 1994-06-30 | ||
JP26652094A JP3250918B2 (ja) | 1994-06-30 | 1994-10-31 | 積層型圧電素子 |
Publications (2)
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