JPH11238918A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JPH11238918A
JPH11238918A JP4080898A JP4080898A JPH11238918A JP H11238918 A JPH11238918 A JP H11238918A JP 4080898 A JP4080898 A JP 4080898A JP 4080898 A JP4080898 A JP 4080898A JP H11238918 A JPH11238918 A JP H11238918A
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piezoelectric
insulating resin
laminate
plates
plate
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JP4080898A
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English (en)
Inventor
Koki Ashida
幸喜 芦田
Katsuhiko Onizuka
克彦 鬼塚
Makoto Higashibetsupu
誠 東別府
Tomohiro Kawamoto
智裕 川元
Takeshi Setoguchi
剛 瀬戸口
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】積層体外周面に被覆される絶縁性樹脂の剥離を
防止して、マイグレーションを抑制し、耐久性の高い積
層型圧電アクチュエータを提供する。 【解決手段】複数の圧電板11と複数の金属薄板14と
を交互に積層し、該金属薄板14を導電性接着剤により
各圧電板11に接合した積層体1を具備するとともに、
から金属薄板14に形成された接続用突起15を積層体
1から交互に少なくとも2方向に突出せしめ、同一方向
に突出した接続用突起15同士を電気的に接続し、さら
に、積層体1の外周面に絶縁性樹脂20を被覆してなる
積層型圧電アクチュエータであって、圧電板11の絶縁
性樹脂20と当接する不活性部分Aの面粗さRa1 を、
圧電板11の導電性接着剤と当接する活性部分Bの面粗
さRa2 よりも大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電アクチ
ュエータに係わり、例えば、光学装置等の精密位置決め
装置や振動防止用の駆動素子、自動車用エンジンの燃料
噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電アクチュエ
ータに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、電極が形成された圧電板を複数
枚積層して形成された積層型圧電アクチュエータが知ら
れていた。このような積層型圧電アクチュエータでは、
圧電板に電圧を印加して逆圧電効果によって数十μm程
度伸長させ、アクチュエータの駆動力源とするものであ
る。
【0003】積層型の圧電アクチュエータを作製する方
法としては、同時焼成による方法がある。この同時焼成
による方法では、圧電板の厚みを薄く作製することが比
較的容易であり、印加電界を高くできるために低電圧高
変位が可能であるが、圧電板材料(例えば、Pb(Z
r,Ti)O3 等のセラミックスからなる)と同時焼成
を行なうため、内部電極材料としては、PdやPt等の
貴金属を使用する必要があり、積層数が増すにしたがっ
てコスト高になるという問題があった。
【0004】そこで、従来、両面に金属電極を形成した
圧電板を複数積層し、金属電極間に金属薄板を配置し、
これらの金属薄板に形成された接続用突起を圧電板の外
周縁に対して所定の空隙を残すように軸方向に折り曲
げ、同一極性の接続用突起に重なり合わせて接合し導通
させ、接続用突起と圧電板の外周縁との空隙(間隔0.
5mm)に、弾性率が0.3〜10kgf/mm2 の絶
縁コーティング材(シリコーン系)を充填するととも
に、積層体全面に前記絶縁コーティング材を被覆した積
層型圧電アクチュエータが開示されている(実開平3−
50357号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この実
開平3−50357号公報に開示された積層型圧電アク
チュエータでは、絶縁コーティング材が連続駆動時の振
動により圧電板の外周面から剥離し、圧電板と絶縁コー
ティング材との隙間から湿気が進入しマイグレーション
を引き起こし、耐久性を低下させるという問題があっ
た。
【0006】本発明は積層体外周面に被覆される絶縁性
樹脂の剥離を防止して、マイグレーションを抑制し、耐
久性の高い積層型圧電アクチュエータを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電アク
チュエータは、複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互
に積層し、該金属薄板を導電性接着剤により前記各圧電
板に接合した積層体を具備するとともに、前記金属薄板
に形成された接続用突起を前記積層体から交互に少なく
とも2方向に突出せしめ、同一方向に突出した前記接続
用突起同士を電気的に接続し、さらに、前記積層体の外
周面に絶縁性樹脂を被覆してなる積層型圧電アクチュエ
ータであって、前記圧電板の絶縁性樹脂と当接する不活
性部分の面粗さRa1 を、前記圧電板の導電性接着剤と
当接する活性部分の面粗さRa2よりも大きくしたもの
である。ここで、圧電板の絶縁性樹脂と当接する不活性
部分の面粗さRa1 が5〜10μmであることが望まし
い。
【0008】また、本発明の積層型圧電アクチュエータ
は、複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互に積層し、
該金属薄板を導電性接着剤により前記各圧電板に接合し
た積層体を具備するとともに、前記金属薄板に形成され
た接続用突起を前記積層体から交互に少なくとも2方向
に突出せしめ、同一方向に突出した前記接続用突起同士
を電気的に接続し、さらに、前記積層体の外周面に絶縁
性樹脂を被覆してなる積層型圧電アクチュエータであっ
て、前記金属薄板の外周部に、前記絶縁性樹脂が充填さ
れた複数の凹部を形成してなるものである。ここで、凹
部の金属薄板中央部側には拡径凹部が形成されているこ
とが望ましい。
【0009】
【作用】本発明の積層型圧電アクチュエータでは、圧電
板の絶縁性樹脂と当接する不活性部分の面粗さRa
1 を、圧電板の導電性接着剤と当接する活性部分の面粗
さRa2 よりも大きくしたので、絶縁性樹脂が圧電板の
外周面に強く付着し、圧電板からの絶縁性樹脂の剥離を
有効に防止することができ、圧電板と絶縁性樹脂間の隙
間からの湿気の進入を防ぎ、マイグレーションを抑制し
て耐久性および長期にわたる信頼性を向上できる。
【0010】また、圧電板の導電性接着剤と当接する活
性部分の面粗さRa2 は従来と同様十分に小さいため、
圧電板間の隙間をなくして積層体の弾性率を高く維持で
き、変位量を従来と同様大きく維持できる。
【0011】さらに、圧電板の絶縁性樹脂と当接する不
活性部分の面粗さRa1 を5〜10μmとすることによ
り絶縁性樹脂の圧電板への付着強度をさらに向上でき
る。
【0012】また、金属薄板の外周部に複数の凹部を形
成したので、積層体の外周面に被覆される絶縁性樹脂が
凹部内に充填され、アンカー効果により絶縁性樹脂が圧
電板の外周面に強く付着し、圧電板からの絶縁性樹脂の
剥離を有効に防止することができ、圧電板と絶縁性樹脂
間の隙間からの湿気の進入を防ぎ、マイグレーションを
抑制して耐久性および長期にわたる信頼性を向上でき
る。
【0013】さらに、凹部の金属薄板中央部側に拡径凹
部を形成することにより、絶縁性樹脂のアンカー効果を
さらに向上でき、絶縁性樹脂の圧電板への付着強度をさ
らに向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の積層型
圧電アクチュエータを示すもので、符号11は円板状の
圧電板を示している。尚、図1においては絶縁性樹脂を
省略した。これらの圧電板11はPb(Zr,Ti)O
3 (以下PZTと略す)を主成分とする焼結体である。
【0015】圧電板11を構成する圧電材料は、例え
ば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミッ
クス材料などが使用されるが、これに限定されるもので
はなく、圧電性を有するセラミックスであれば何れでも
良い。この圧電板11を構成する圧電材料としては、圧
電歪み定数d33が高いものが望ましい。
【0016】特に、金属成分としてPb、Zr、Ti、
Zn、Sbを含む複合ペロブスカイト型化合物であっ
て、これらの金属元素のモル比による組成式を、Pb
1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni1/2
Te1/2 b ZrcTi1-a-b-c 3 と表わした時、
x、y、a、b、cのモル比が、0≦x≦0.12、0
≦y≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.1
2、0≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満
足する基本成分100重量部に対して、等モル比からな
るPbOおよびNb2 5 を合量で0.2〜1.2重量
部添加含有してなる圧電磁器組成物が望ましい。
【0017】この圧電板11の厚みtは、小型化および
高い電圧を印加するという点から、0.2〜0.6mm
であることが望ましい。
【0018】そして、複数の圧電板11が積層されてお
り、その間には2層の導電性接着層12が形成され、そ
れらの導電性接着層12間には、図4に示すように、円
板状の金属薄板14が介装され、積層体1が形成されて
いる。これら金属薄板14には接続用突起15が形成さ
れており、圧電板11の径方向に突出している。
【0019】また、金属薄板14が交互に90度反対を
向くように、圧電板11の間に介装されており、これら
金属薄板14は接続用突起15の位置により正電極用金
属薄板および負電極用金属薄板とされている。そして、
金属薄板14の接続用突起15の先端部が折曲され、そ
の先端部が同一方向に突出した接続用突起15に接続さ
れている。
【0020】金属薄板14および接続用突起15は導電
性を有するもので、例えば、銀、黄銅、銅、ステンレス
等の金属が好ましい。金属薄板14の厚さは、変位量に
寄与しないためにできるだけ薄いもの、例えば20〜5
0μmのものが好ましい。また、金属薄板14として
は、他の金属薄板14との短絡や放電を防止するため
に、積層体の外周面に露出しないように圧電板11より
小さいことが望ましい。
【0021】導電性接着層12は導電性接着剤を圧電板
11に塗布し乾燥することによって形成されるが、この
導電性接着剤は、Ag等の金属粉末とガラス成分とから
なり、400〜600℃程度で溶融するものが望まし
い。これは、積層時に加圧加熱すると導電性接着剤に含
有されているガラス成分が溶融し、圧電板11同士を強
固に接合し、高電界の繰り返し印加によって発生する界
面での剥離などを防止することができ、積層体1の信頼
性を向上できるからである。導電性接着剤は、特に、A
g粉末を70〜98重量%と、PbO−SiO2 −B2
3 からなるガラス成分2〜30重量%とからなること
が望ましい。
【0022】そして、図2に示すように、積層体1の外
周面に絶縁性樹脂20が被覆されている。即ち、接続用
突起15と圧電板11の外周面との間にも絶縁性樹脂2
0が充填されている。使用される絶縁性樹脂20は、絶
縁性が高く、常温から200℃までの温度で使用でき、
弾性率が低いという点からシリコン系の樹脂もしくはシ
リコンゴムが望ましい。これは繰り返しの応力に対して
高い弾性率の樹脂であれば、接続用突起15に応力集中
が生じ、接続用突起15が断裂してしまうためである。
【0023】また、圧電板11の外周面と接続用突起1
5との間に隙間がないように絶縁性樹脂20で充填する
には、あらかじめ粘度等の条件を調節し、真空脱泡によ
りエアーを完全に除去していくようにすることが重要で
ある。
【0024】そして、圧電板11の絶縁性樹脂20と当
接する不活性部分Aの面粗さRa1が、圧電板11の導
電性接着層12と当接する活性部分Bの面粗さRa2
りも大きくされている。不活性部分Aと活性部分Bを図
3(a)、3(b)を用いて説明すると、不活性部分A
は圧電板11の外周面にドーナツ状に形成され、活性部
分Bは圧電板11の上下面に円形状に形成されている。
尚、面粗さRa1 、Ra2 は、中心線平均粗さである。
【0025】一般に、積層体1の弾性率を高くして変位
量を増加させるために、導電性接着層12と当接する部
分の圧電板の表面は面粗さRa2 が0.3〜0.5μm
程度に研摩されているため、活性部分Bの面粗さRa2
は0.3〜0.5μm程度である。一方、不活性部分A
の面粗さRa1 は、活性部分Bの面粗さRa2 よりも大
きい5〜10μmであることが絶縁性樹脂20の付着強
度という点から望ましい。これは、表面粗さRa1 が5
μm以下である場合には連続駆動時の振動により絶縁性
樹脂20の剥離が生じ易く、10μm以上になると圧電
板11の脱粒及びクラックの進展の原因になり耐久性が
低下するからである。
【0026】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータは以下のようにして製造される。先ず、圧電板
11の表面を、面粗さRa2 が0.3〜0.5μm程度
に研摩する。そして、圧電板11中央の両面に導電性接
着剤を塗布し、所定温度で焼き付け、導電性接着層12
を形成する。
【0027】この後、導電性接着層12の形成されてい
る部分をマスキングし、そのマスキング部分以外を、サ
ンドブラストなどにより所定の面粗さに加工を行う。
【0028】そして、圧電体11と金属薄板14とを交
互に積層し、加熱して接合する。この後、金属薄板14
の接続用突起15の先端部を折曲し、その先端部を同一
方向に突出した接続用突起15にハンダ等により接続す
る。
【0029】最後に、積層体1の外周面に絶縁性樹脂2
0を被覆することにより、本発明の積層型圧電アクチュ
エータが作製される。
【0030】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータでは、圧電板11の絶縁性樹脂20と当接する
不活性部分Aの面粗さRa1 を、圧電板11の導電性接
着層12と当接する活性部分Bの面粗さRa2 よりも大
きくしたので、絶縁性樹脂20が圧電板11の外周面に
強く付着し、圧電板11からの絶縁性樹脂20の剥離を
有効に防止することができ、圧電板11と絶縁性樹脂2
0間の隙間からの湿気の進入を防ぎ、マイグレーション
を抑制して耐久性および長期にわたる信頼性を向上でき
る。また、活性部分Bの面粗さRa2 は従来と同様と小
さくできるため、積層体1の弾性率を高く維持でき、変
位量が低下することがない。
【0031】さらに、圧電板11の絶縁性樹脂20と当
接する不活性部分Aの面粗さRa1を5〜10μmとす
ることにより、絶縁性樹脂20の圧電板11への付着強
度をさらに向上できる。
【0032】本発明の他の積層型圧電アクチュエータで
は、図5に示すように圧電体11間に介装される金属薄
板14および接続用突起15の外周部に、絶縁性樹脂2
0が浸入する複数の凹部25が形成されている。この凹
部25の金属薄板14中央部側には、図6に示すように
円形の拡径凹部27が形成され、凹部25および拡径凹
部27には絶縁性樹脂20の被覆時に絶縁性樹脂20が
充填されることになる。
【0033】金属薄板14の凹部25および拡径凹部2
7はエッチングにより形成されている。円形の拡径凹部
27の直径は0.2〜0.5mmが望ましい。これは
0.2mm以下の場合加工が困難であり、また絶縁性樹
脂20が浸透し難いからである。また0.5mm以上の
場合では、金属薄板14に占める拡径凹部27の面積が
大きくなり、 荷重変位特性等のアクチュエータの荷重特
性に影響を及ぼすためである。凹部25の幅も同様に
0.2〜0.5mmが好ましいが、アンカー効果の点か
ら拡径凹部27の径の約1/2程度が望ましい。尚、拡
径凹部27は必ずしも円形である必要はなく、例えば四
角形であっても良いことは勿論である。
【0034】金属薄板14の凹部25および拡径凹部2
7に絶縁性樹脂20を充填するには、絶縁性樹脂20の
粘度等の条件を予め調節し、真空脱泡によりエアーを完
全に除去していくようにすることが重要である。
【0035】尚、金属薄板14を導電性接着層12より
も凹部25および拡径凹部27の形成分だけ大きく作製
し、金属薄板14の外周部が圧電板11の径方向に導電
性接着層12から突出させても良い。この場合には絶縁
性樹脂20の凹部25および拡径凹部27への充填が確
実に行なわれ、絶縁性樹脂20の剥離を確実に防止でき
る。
【0036】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータでは、金属薄板14の外周部に凹部25を形成
したので、積層体1の外周面に被覆される絶縁性樹脂2
0が凹部25内に充填され、アンカー効果により絶縁性
樹脂20が圧電板11の外周面に強く付着し、圧電板1
1からの絶縁性樹脂20の剥離を有効に防止することが
でき、圧電板11と絶縁性樹脂20間の隙間からの湿気
の進入を防ぎ、マイグレーションを抑制して耐久性およ
び長期にわたる信頼性を向上できる。
【0037】さらに、凹部25の金属薄板14中央部側
に拡径凹部27を形成することにより、絶縁性樹脂20
のアンカー効果をさらに向上でき、絶縁性樹脂20の圧
電板11への付着強度をさらに向上できる。また、接続
用突起15の外周部にも凹部25および拡径凹部27を
形成したため、絶縁性樹脂20の積層体1への付着強度
をさらに向上できる。
【0038】尚、本発明の積層型圧電アクチュエータは
円柱状や四角柱以外の六角柱等どのような多角形状であ
っても良い。
【0039】また、圧電板の絶縁性樹脂と当接する不活
性部分の面粗さRa1 を、圧電板の導電性接着剤と当接
する活性部分の面粗さRa2 よりも大きくするととも
に、金属薄板の外周部に、絶縁性樹脂が浸入する複数の
凹部を形成することが、絶縁性樹脂の圧電板への付着強
度をさらに向上できる点で最も望ましい。
【0040】
【実施例】実施例1 PZT焼結体の両面を研磨して、直径約15mm、厚み
0.4mmの円板状の圧電板11を形成した。また、同
時に、圧電板11の表面を平面ラップ盤により表面粗さ
Ra2 を0.4μmに研摩した。
【0041】圧電板11の両主面にAg粉末97重量
%、PbO−SiO2 ―B2 3 を主成分とするガラス
3重量%の導電性接着剤を5μmの厚みになるように印
刷した後、100℃にて乾燥し、450℃にて焼き付け
を行い、導電性接着層12を形成した。
【0042】その後、導電性接着層12をマスキング
し、圧電板11の不活性部分Aの面粗さがRa1 =10
μmになるようにサンドブラストによる研磨を行った。
そして、厚さ25μmのAg製の金属薄板14を圧電板
11の間に挟み込み、圧電板11を100層積層して、
図1に示すような積層体1を形成した。
【0043】尚、金属薄板14の接続用突起15を一層
おきに同じ位置にくるように交互に配置した。圧電板1
1を100層積層した積層体1の上下に不活性ブロック
を積層し、位置ずれが生じないように、接合治具にセッ
トし軽く圧力を加えた後、積層体1の上部に約3kgの
重りをのせて600℃、1時間で加圧接合した。
【0044】次に図1に示したように、圧電板11の径
方向に突出した接続用突起15を軸方向に折り曲げ、ハ
ンダにより電気的に接続した。
【0045】これを80℃のシリコンオイル中で3kV
/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を行っ
た。その後、積層体1の表面にシリコンゴムを塗布して
真空脱泡により接続用突起15と圧電板11の外周面間
に空気が入らないように被覆し、120℃、1時間で乾
燥硬化させ、本発明の積層型圧電アクチュエータを作製
した。
【0046】得られた積層型圧電アクチュエータに50
0Vの直流電圧を印加した結果、40μmの変位量が得
られた。
【0047】また、本発明の積層型圧電アクチュエータ
10個を常温、湿度90%の雰囲気で、500Vの矩形
交番電圧を100Hzで印加し、連続駆動試験を行った
結果、10個すべてにおいて駆動回数10億サイクルを
達成した。初期値からの10億サイクル後の変位量の変
動は約5%であった。
【0048】次に、不活性部分Aのサンドブラストによ
る研磨加工を施さない積層型圧電アクチュエータを10
個作製し、同様の試験を行ったところ、500Vの直流
電圧を印加した結果、40μmの変位量が得られたが、
湿度90%での駆動では、10個中4個が3億サイクル
でショートした。また、残り6個についても5億サイク
ルまでに全てショートした。この積層型圧電アクチュエ
ータについてカットを行い、断面観察を行なったとこ
ろ、全てのサンプルにおいて、絶縁性樹脂20と圧電板
11との間に隙間が形成されており、正極側の不活性部
分Aにマイグレーションが確認できた。
【0049】また、圧電板11の不活性部分Aの面粗さ
Ra1 を5μmおよび8μmになるようにサンドブラス
トによる研磨を行った積層型圧電アクチュエータをそれ
ぞれ作製し、上記と同様の試験を行なったところ、50
0Vの直流電圧を印加した結果、42μmの変位量が得
られ、湿度90%での駆動でも駆動回数10億サイクル
を達成した。
【0050】尚、変位量の測定は、試料を荷重印加用治
具に固定し、2kNの荷重を印加しレーザー変位計にて
測定した。
【0051】実施例2 実施例1と同様にして、導電性接着層12を有する圧電
体11を作製した。この後、幅0.3mm、長さ0.8
mmの凹部25と、この凹部25先端の直径0.5mm
の拡径凹部27を形成した厚さ25μmAg製の金属薄
板14を圧電板11の間に挟み込み、実施例1と同様に
して、積層型圧電アクチュエータを形成した。
【0052】得られた積層型圧電アクチュエータに50
0Vの直流電圧を印加した結果、39μmの変位量が得
られた。
【0053】また、本発明の積層型圧電アクチュエータ
10個を常温、湿度90%の雰囲気で、500Vの矩形
交番電圧を100Hzで印加し、連続駆動試験を行った
結果、10個すべてにおいて駆動回数10億サイクルを
達成した。初期値からの10億サイクル後の変位量の変
動は約5%であった。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、圧
電板の絶縁性樹脂と当接する不活性部分の面粗さRa1
を、圧電板の導電性接着剤と当接する活性部分の面粗さ
Ra2よりも大きくしたので、絶縁性樹脂が圧電板の外
周面に強く付着し、圧電板からの絶縁性樹脂の剥離を有
効に防止することができ、圧電板と絶縁性樹脂間の隙間
からの湿気の進入を防ぎ、マイグレーションを抑制して
耐久性および長期にわたる信頼性を向上できる。また、
活性部分の面粗さRa2 は小さく維持できるため、積層
体の弾性率を高く維持でき、変位量が低下することがな
い。
【0055】また、金属薄板の外周部に複数の凹部を形
成したので、積層体の外周面に被覆される絶縁性樹脂が
凹部内に充填され、アンカー効果により絶縁性樹脂が圧
電板の外周面に強く付着し、圧電板からの絶縁性樹脂の
剥離を有効に防止することができ、圧電板と絶縁性樹脂
間の隙間からの湿気の進入を防ぎ、マイグレーションを
抑制して耐久性および長期にわたる信頼性を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータを示す側面
図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】導電性接着層が形成された圧電板を示すもの
で、(a)は平面図、(b)断面図である。
【図4】金属薄板に接続用突起が一体に形成されている
状態を示す平面図である。
【図5】金属薄板および接続用突起に凹部および拡径凹
部が形成されている状態を示す平面図である。
【図6】図5の一部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・積層体 11・・・圧電板 12・・・導電性接着層 14・・・金属薄板 15・・・接続用突起 20・・・・絶縁性樹脂 25・・・凹部 27・・・拡径凹部 A・・・不活性部分 B・・・活性部分
フロントページの続き (72)発明者 川元 智裕 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 瀬戸口 剛 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互に
    積層し、該金属薄板を導電性接着剤により前記各圧電板
    に接合した積層体を具備するとともに、前記金属薄板に
    形成された接続用突起を前記積層体から交互に少なくと
    も2方向に突出せしめ、同一方向に突出した前記接続用
    突起同士を電気的に接続し、さらに、前記積層体の外周
    面に絶縁性樹脂を被覆してなる積層型圧電アクチュエー
    タであって、前記圧電板の絶縁性樹脂と当接する不活性
    部分の面粗さRa1 を、前記圧電板の導電性接着剤と当
    接する活性部分の面粗さRa2 よりも大きくしたことを
    特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】圧電板の絶縁性樹脂と当接する不活性部分
    の面粗さRa1 が5〜10μmであることを特徴とする
    請求項1記載の積層型圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互に
    積層し、該金属薄板を導電性接着剤により前記各圧電板
    に接合した積層体を具備するとともに、前記金属薄板に
    形成された接続用突起を前記積層体から交互に少なくと
    も2方向に突出せしめ、同一方向に突出した前記接続用
    突起同士を電気的に接続し、さらに、前記積層体の外周
    面に絶縁性樹脂を被覆してなる積層型圧電アクチュエー
    タであって、前記金属薄板の外周部に、前記絶縁性樹脂
    が充填された複数の凹部を形成してなることを特徴とす
    る積層型圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】凹部の金属薄板中央部側には拡径凹部が形
    成されている請求項3記載の積層型圧電アクチュエー
    タ。
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Cited By (4)

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