JPH06120579A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JPH06120579A
JPH06120579A JP3326056A JP32605691A JPH06120579A JP H06120579 A JPH06120579 A JP H06120579A JP 3326056 A JP3326056 A JP 3326056A JP 32605691 A JP32605691 A JP 32605691A JP H06120579 A JPH06120579 A JP H06120579A
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JP
Japan
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laminated
internal electrode
piezoelectric actuator
ceramic body
electrode film
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JP3326056A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kondo
正博 近藤
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H57/00Electrostrictive relays; Piezo-electric relays

Abstract

(57)【要約】 【目的】高湿度環境で直流またはそれに近い駆動電圧で
駆動されても寿命に影響を受けない、高信頼性積層型圧
電アクチュエータを提供する。 【構成】薄板状の圧電性セラミック片1とこれとほぼ同
一形状の薄膜状の内部電極膜2A,2Bとを交互に重ね
て一体化した積層体3の、積層方向に平行な4つの稜
(その一つを破線8で囲んで示す)をそれぞれ形成する
セラミック片1および内部電極膜2A,2Bの各層の4
つの端部の各各を、断面台形状または円弧状に除去す
る。上記4つの稜を形成する上記各層の4つの端部に上
記の加工を加えることによって、マイクロクラックの分
布密度の高い各層端部が除去されるので、この発明のア
クチュエータにおいては、上記マイクロクラックに起因
する内部電極膜2A,2Bの層間短絡を生じることがな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄板状の圧電性セラミ
ック片と薄膜状の内部電極とを交互に重ねて積層体に一
体化した構造の積層型圧電アクチュエータに関し、特
に、圧電性セラミック片のほぼ全面にわたって内部電極
薄膜が重ねられている構造の積層型圧電アクチュエータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の積層型圧電アクチュエータは、
圧電性セラミック片の各層にかかる電界強度を高めるこ
とができ、しかも一層ごとの圧電効果に伴うセラミック
の伸縮による変位が累積されるので、低電圧で大きな変
位を発生でき、小型化に適している。中でも、本発明と
同じ譲受人名義の米国特許第4,523,121号およ
び同第4,681,667号に開示されている積層型圧
電アクチュエータは、積層された圧電性セラミック片と
内部電極膜とがほぼ同一の形状をもち、圧電性セラミッ
ク片全体に均一な電界が掛かる構造になっている。従っ
て、この構造のアクチュエータでは圧電性セラミック片
の各各は万遍なく伸縮し不活性部分は生じないので、不
活性部分による圧電性セラミック片の伸縮への制約は生
じない。また活性部分と不活性部分との境界で応力が発
生し圧電性セラミック片に損傷を与えることもない。し
たがって、上記2件の米国特許に開示されている積層型
圧電アクチュエータは、小型化および高速繰返し駆動が
要求されるインパクトプリンタ用プリントヘッドや小型
リレーなどに用いられる。図6を参照すると、この図に
示す従来技術による積層型圧電アクチュエータは、薄板
状の圧電セラミック片1と内部電極膜2A,2Bとを交
互に重ねて積層体3をなしている。内部電極膜2A,2
Bの端部は、積層体3の積層方向に平行な4つの側面に
露出しているが、対向する一対の側面の片方では奇数番
目の層の電極膜2Aの端部が、それら一対の側面の他方
では偶数番目の層の電極膜2Bの端部がそれぞれ細長い
ガラス膜4で覆われており、それらガラス膜はその上を
覆って形成される外部電極5と前記電極膜2A,2Bと
の間の絶縁層を形成する。上記一対の側面の上記片方に
おいて上記ガラス膜を介することなく上記外部電極5と
直接接触状態になる偶数番目の層の電極膜2Bと、上記
一対の側面の上記他方において同様に外部電極と接触状
態になる奇数番目の層の電極膜2Aとが、導体6aおよ
び6bをそれぞれ通じて駆動電源(図示してない)に接
続される。この構成により、圧電セラミック片1の各各
を挟んで対向する一対の内部電極膜2A,2Bを通じて
圧電セラミック片1の各各に電界が掛かるので、矢印7
で示す方向に機械的変位が発生する。
【0003】この積層型圧電アクチュエータは、上記米
国特許第4,681,667号に開示されているよう
に、大きな焼結体から2回の切断工程を経て所定の寸法
の積層体に切り出される。この積層体の、積層方向に平
行な4つの稜はその切出し工程を経たたままの状態であ
り、破線で示した稜(4つの稜のうちの1つを破線8で
示してある)の部分の横断面の角度はほぼ90°であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の用途におけるこ
の種のアクチュエータの信頼性は高く、用途は更に広が
る傾向にあるが、一方、使用条件によっては劣化が早い
ことが観察されるに至った。例えば、半導体集積回路の
製造などに用いられるマスフロ―コントロ―ラの弁の開
閉用のアクチュエータのように駆動電圧が直流あるいは
それに近い場合は、寿命が1,000時間程度に留るこ
とがある。アクチュエータの設置場所が高湿度の環境に
ある場合は寿命は更に短くなる。例えば、チタン酸ジル
コン酸鉛からなる圧電性セラミック片と銀・パラジウム
合金からなる内部電極とを重ねて積層体にし、この積層
体の積層方向に垂直な断面積を5mm×5mm,長さを
20mmにした従来構造の積層型圧電アクチュエータに
対して、温度40℃,湿度90〜95%RHの雰囲気の
もとで最大定格直流電圧150V(圧電性セラミック片
の電界強度約15,000V/cm)を連続印加して耐
湿負荷寿命試験を行なうと、平均寿命(MTTF)は5
00時間程度である。この値は、積層型圧電アクチュエ
ータを直流で駆動するユーザーの要求を辛うじて満たし
てはいるが余裕のある値ではない。通常、カタログ記載
の値の十倍以上の寿命であることが望ましい。
【0005】本発明の目的は、高湿度環境で直流または
それに近い駆動電圧で駆動されても寿命に影響を受けな
い高信頼性積層型圧電アクチュエータとその製造方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電アク
チュエータは、圧電効果を示す薄板状セラミック片とそ
のセラミック片とほぼ同一形状の電極膜とを交互に積層
して一体化した積層セラミック体と、前記積層セラミッ
ク体の積層方向に平行で互いに対向する一対の側面の一
方および他方において、奇数番目および偶数番目の層の
前記内部電極膜の露出部をそれぞれ覆う絶縁物膜と、前
記絶縁物膜および前記内部電極膜の露出部を覆って前記
一対の側面にそれぞれ設けられ、前記内部電極膜の露出
部を外部駆動電源に電気的に接続する外部電極膜とを含
む積層型圧電アクチュエータにおいて、前記積層セラミ
ック体の積層方向に平行な稜を断面円弧状または台形状
に除去したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明者は、上述の耐湿負荷寿命試験で故障し
た試料を観察し解析した結果、これら故障は、積層体3
の側面で雰囲気に露出しているセラミック片1外周部の
マイクロクラックを介して内部電極膜2A,2B間に生
ずる短絡に起因するものであることを見出だした。内部
電極膜どうしの間の短絡は、積層体の積層方向に平行な
4つの稜の近傍に特に集中して発生することが観察され
た。
【0008】本発明の積層型圧電アクチュエータは、ほ
ぼ同一形状の複数の薄板状圧電性セラミック片と薄膜状
の内部電極膜とを交互に重ねて積層体に一体化した構造
をもつアクチュエータであって、前記積層体の前記セラ
ミック片および内部電極膜に垂直な4つの稜をそれぞれ
形成する前記セラミック片および内部電極膜の各層の4
つの端部を直線状または円弧状に研磨により除去したこ
とを特徴とする。これら4つの端部の除去は、積層体を
組み立てたあとの仕上げ段階における上記4つの稜の研
磨によるのが望ましい。上記4つの稜を形成する上記各
層の4つの端部に上記の加工を加えることによって、上
記マイクロクラックの分布密度の高い各層端部が除去さ
れているので、この発明のアクチュエータにおいては内
部電極膜の上記層間短絡を生じない。
【0009】圧電セラミック焼結体からセラミック片を
切り出す工程においてセラミック片の各各の4つの端部
に機械的応力が集中して掛かり、その応力が上記マイク
ロクラックを発生させ、積層体の動作環境によってそれ
らマイクロクラックが更に拡大され、雰囲気中の水蒸気
の侵入を受けて内部電極膜の上記層間短絡を引き起すも
のと思われる。マイクロクラック内に侵入し水滴として
留まるこの水蒸気は、積層体がパルス駆動の場合はヒス
テリシス損失に伴う温度上昇により蒸発しやすいが、直
流駆動の場合はそのヒステリシス損失がなく上記温度上
昇が起らないので長期間にわたりマイクロクラック内に
留まる。直流駆動の積層体の劣化の原因はここにあると
思われる。
【0010】
【実施例】次に本発明の最適な実施例について説明す
る。図1を参照すると、この図に示した本発明の第1の
実施例の積層型圧電アクチュエータは、図6において破
線8で示した上記稜部分が研磨により除去され丸み付け
が施されている。図2(a)を参照すると、先ず、Pb
(Ni1/3 Nb2/3 )O3 ーPbTiO3 ーPbZrO
3 系のペロブスカイト構造複合酸化物の仮焼粉末を主成
分とする泥漿からドクターブレードを用いたスリップキ
ャスティング法により作成した縦横100mm×70m
mで厚さ135μmのグリーンシート9の一方の表面
に、銀70%・パラジウム30%からなる銀・パラジウ
ム合金ペーストをスクリーン印刷し乾燥させて内部電極
膜2を形成した。
【0011】次に、内部電極膜2が形成されたグリーン
シート9を、1枚ごとに長手方向の向きを180°変え
ながら126層積み重ね、上下から100kg/cm2
の圧力を加えて圧縮成形した(図2(b)では簡略化の
ため4層だけ表示)。温度500℃まで加熱してグリー
ンシート中に含まれる有機バインダーおよび可塑剤を分
解させて除去した後、1,120℃で焼成して焼結体1
0とした(図2(b))。
【0012】次いで、この焼結体10を、直径0.2m
mのピアノ線11によるワイヤーソー(詳細図示は省
略)により、5mm幅の細長の積層体12に切り分けた
(図3(a))。この工程は、砥粒として1,200番
のアルミナ粉末を用い、ピアノ線11に100gの力を
加えてこれを1m/secの速さで前後に往復運動させ
て行なった。
【0013】次に、細長の積層体12の一対の側面であ
って内部電極膜2の端部が一層おきに現われる側面に銀
ペーストを塗布して一対の仮電極13bおよび13aを
形成した(図3(b))。次に、図4(a)を参照する
と、テフロン製テープからなるマスキング材14を積層
体12の一方の切断面(図4(a)の斜視図の裏面側)
に貼り付け、細長の積層体12の上記電極13aに直流
電圧を印加し、電気泳動法により、積層体12の切断面
(図4(a)の斜視図の手前側)に露出している内部電
極膜2の端面に一層おきに、亜鉛系結晶ガラス粉末(Z
nO60%,B2 3 25%,その他酸化物15%)を
付着させ、600℃から800℃の温度で焼成して細長
いガラス膜4を形成した。
【0014】次に、上記工程により、ガラス膜4の形成
された積層体側面(図4(a)の斜視図の手前側)にマ
スキング材を貼り付け、電極13bに直流電圧を印加
し、上記工程によるものとは一層ずつずれた対応部分に
ガラス膜を形成した。
【0015】上記工程によりガラス膜4の形成された2
つの側面上に銀ペーストを5mm間隔でスクリーン印刷
し(図4(b))、700℃で焼成して外部電極5を形
成し、内部電極膜2の各各と電源装置(図示せず)との
間の接続端子とした。更に、上記工程を経た上記細長の
積層体12を、図3(a)の工程と同様のワイヤーソー
による切断工程にかけ、断面5mm×5mmの積層体に
切り分けた(図4(c))。
【0016】次に、上記切断工程により得られた積層体
の4つの稜部を除去するように回転研磨機による研磨工
程にかけた。この研磨工程は、1,500番のエメリー
ペーパーを取り付けた100RPMの直径8インチのラ
ップ盤に、上記積層体を50gから100gの力で圧接
して行なった。この圧接は積層体の稜の方向とラップ盤
の半径方向とが一致した状態を保持しながら行なった。
上記研磨工程の終了後、積層体を平均粒形が1μmのア
ルミナ粉末によるバフ研磨にかけて仕上げた。
【0017】本実施例のアクチュエータにおいて、圧電
セラミック片1の厚さは105μm、内部電極膜2の層
数は126層、積層方向に垂直な断面は5mm×5mm
の正方形、長さは20mmに選んだ。積層体の稜の丸み
付けは、曲率半径0.5mm(R0.5と表示),1.
0mm(R1.0)および1.5mm(R1.5)の3
種類を選んだ。これら3種類の曲率を稜に与えた製品
と、曲率を全く与えない製品(図4(c)の切断工程の
直後の積層体)にそれぞれ温度40℃,湿度90〜95
%RHの環境で直流電圧150Vを印加して性能比較を
行なった。その結果を表1に示す。表1は、積層体の稜
に与えた3種類の曲率の大きさとアクチュエータとして
の平均寿命との関係を示すものであって、縦の欄にはア
クチュエータの構造(積層体の稜に対する丸み付けの有
り無しおよび曲率の大きさ)を示し、横の欄にはそれぞ
れの構造のアクチュエータの相対平均寿命を示してあ
る。同表中の相対平均寿命は、上記の寿命試験で得られ
た各製品毎の故障寿命をワイブル確率紙に打点し、各曲
率ごとに層別して平均寿命(MTTF)を求め、同様に
して求めた従来技術によるアクチュエータの平均寿命を
1.0として規格化して示したものである。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示されるとおり、稜の曲率をR1.
0程度にするだけで改善効果が著しく表われ、従来技術
による構造のものに比べて平均寿命が約10倍に伸びて
いることが分る。
【0020】本実施例のアクチュエータの積層方向に垂
直な断面を染色法および透過型電子顕微鏡で観測し、切
断面および研磨面におけるマイクロクラック発生状況を
調べたところ、マイクロクラックは、これら切断面およ
び研磨面から圧電セラミック片の内部に向って樹木状に
伸び、その幹は、切断面および研磨面にほぼ垂直である
ことが分った。マイクロクラックの深さ方向の長さは、
切断によるマイクロクラックの場合には平均約30μ
m,最大約200μmであり、研磨によるマイクロクラ
ックの場合には平均約10μm、最大約15μmであっ
て、研磨によるマイクロクラックの方が切断によるマイ
クロクラックよりも、長さが短かくばらつきも小さいこ
とが分かった。
【0021】上述の第1の実施例においては、稜の研磨
は断面円弧状としたが、この研磨部分を図5に示す第2
の実施例のように、平面状にすることも出来る。
【0022】本発明の第2の実施例では、第1の実施例
と同じ積層構造および寸法の積層体を作成し、この積層
体の4つの稜を第1の実施例と同じ研磨工程により、平
面状に仕上げてアクチュエータとした。この平面状の研
磨面の大きさは、面取り0.4mm(C0.4と表示す
る),0.8mm(C0.8)および1.2mm(C
1.2)の3種類に選んだ。これら3種類の製品と研磨
工程にかけない従来構造の製品とに対して第1の実施例
と同一条件で耐湿負荷寿命試験を行ない性能比較した結
果を表2に示す。表2は表1と同様に、縦の欄には積層
体の構造を示し横の欄にはそれぞれの構造のアクチュエ
ータにおける相対平均寿命を示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2を参照すると、本実施例でも、積層体
の稜の面取りが大きくなるに従ってアクチュエータの平
均寿命が延びており、特に、C0.8以上の時に改善効
果が著しく表れ、平均寿命が従来の約10倍に延びてい
ることが分る。上述の第2の実施例は、第1の実施例に
比べて研磨による加工工程が容易であり量産向きであ
る。
【0025】上述の2つの実施例では、積層体の積層方
向に垂直な断面が5mm×5mmの正方形であるアクチ
ュエータを用いたが、この断面が更に大きい場合あるい
は正方形ではなく長方形である場合でも、積層体の4つ
の稜の各各をその横断面において少なくとも曲率半径
1.0mmの円弧状または面取り0.8mmの台形状に
研磨することによって、アクチュエータの寿命を従来技
術によるアクチュエータの寿命の約10倍にすることが
できる。
【0026】また、上述の実施例は特定の材質の圧電性
セラミック片に基づいているが、他の材質のものを選ん
だ場合は稜部の加工の度合を適宜選ぶことによって、本
発明独特の効果を上げることができる。
【0027】以上説明してきたとおり、本発明の積層型
圧電アクチュエータにおいては稜部が研磨等により除去
されているので、稜部に分布するマイクロクラックが取
り除かれ、動作環境の影響を受けにくい。
【0028】
【発明の効果】本発明の積層型圧電アクチュエータは、
薄板状の圧電性セラミック片とこれとほぼ同一形状の薄
膜状の内部電極膜とを交互に重ねて積層体に一体化した
構造をもつアクチュエータであって、前記積層体の積層
方向に平行な4つの稜をそれぞれ形成する前記セラミッ
ク片および内部電極膜の各層の4つの端部の各各を、断
面台形状または円弧状に除去したことを特徴としてい
る。上記4つの稜を形成する上記各層の4つの端部に上
記の加工を加えることによって、マイクロクラックの分
布密度の高い各層端部が除去されるので、この発明のア
クチュエータにおいては、上記マイクロクラックに起因
する内部電極膜の層間短絡を生じることがない。従っ
て、本発明のアクチュエータは、高湿度環境で直流また
はそれに近い駆動電圧で駆動されても寿命に影響を受け
ず、高信頼性を維持できる。圧電性セラミック片にPb
(Ni1/3 Nb2/3 )O3 ーPbTiO3 ーPbZrO
3 系のペロブスカイト構造複合酸化物を用い、上記4つ
の稜の各各をその断面において曲率半径1.0mm以上
の円弧状または面取り0.8mm以上の台形状に切除す
ることによって、アクチュエータの寿命を従来技術によ
るアクチュエータの約10倍にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の斜視図である。
【図2】分図(a)は、内部電極膜を表面に印刷した焼
結前のセラミック体(グリーンシート)の斜視図であ
る。分図(b)は、図2(a)に示されるグリーンシー
トを積層し焼結して得られる焼結体の斜視図である。
【図3】分図(a)は、図2(b)に示される焼結体を
ワイヤーソーにより複数の圧電セラミック積層体に切断
する工程を示す斜視図である。分図(b)は、ガラス膜
を電気泳動法によって形成するための仮電極を付けた上
記積層体の斜視図である。
【図4】分図(a)は、内部電極膜が上記積層体の側面
で露出した部分をガラス膜で覆った上記積層体の斜視図
である。分図(b)は、図4(a)の積層体に外部電極
を設けた状態を示す同積層体の斜視図である。分図
(c)は、図4(b)の積層体を複数の積層型圧電アク
チュエータに切断する工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例の斜視図である。
【図6】従来技術による積層型圧電アクチュエータの斜
視図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミック片 2A,2B 内部電極膜 3 積層体 4 ガラス膜 5 外部電極 6a,6b 導体 7 矢印 8 破線 9 グリーンシート 10 焼結体 11 ピアノ線 12 積層体 13a,13b 仮電極 14 マスキング材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電効果を示す薄板状セラミック片とそ
    のセラミック片とほぼ同一形状の内部電極膜とを交互に
    積層して一体化した積層セラミック体と、 前記積層セラミック体の積層方向に平行で互いに対向す
    る一対の側面の一方および他方において、奇数番目およ
    び偶数番目の層の前記内部電極膜の露出部をそれぞれ覆
    う絶縁物膜と、 前記絶縁物膜および前記内部電極膜の露出部を覆って前
    記一対の側面にそれぞれ設けられ、前記内部電極膜の露
    出部を外部駆動電源に電気的に接続する外部電極膜とを
    含む積層型圧電アクチュエータにおいて、 前記積層セラミック体の積層方向に平行な稜を断面円弧
    状または台形状に除去したことを特徴とする積層型圧電
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記薄板状の圧電性セラミック片が、P
    b(Ni1/3 Nb2/3 )O3 ーPbTiO3 ーPbZr
    3 系のペロブスカイト構造複合酸化物であることを特
    徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記積層セラミック体の稜の円弧状切除
    が、少なくとも曲率半径1.0mm以上の丸み付けによ
    るものであることを特徴とする請求項2記載の積層型圧
    電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記積層セラミック体の稜の台形状切除
    が、少なくとも0.8mm以上の面取りによるものであ
    ることを特徴とする請求項2記載の積層型圧電アクチュ
    エータ。
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