JP2005217180A - 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置 - Google Patents

積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層型圧電素子において、高電圧、長時間の連続運転における耐久性を向上させる。
【解決手段】圧電体と電極とが交互に積層してなる積層型圧電素子10において、積層方向と垂直な断面の同一面でダミー層11の外周から保護層12の側面までの最短距離をA、保護層の幅をBとした時にA/Bが0.01〜0.08であるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型圧電素子および噴射装置に関し、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止装置等に搭載される駆動素子、ならびに燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、ならびに圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子に用いられる積層型圧電素子および噴射装置に関するものである。
従来より、積層型圧電素子を用いたものとしては、圧電体と内部電極を交互に積層した積層型圧電アクチュエータが知られている。積層型圧電アクチュエータには、同時焼成タイプと、圧電磁器と内部電極板を交互に積層したスタックタイプの2種類に分類されており、低電圧化、製造コスト低減の面から考慮すると、薄膜化に対して有利であることと、耐久性に対して有利であることから、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータが優位性を示しつつある。
図4は、従来の積層型圧電素子の断面の一部を示すもので、圧電体51と内部電極52が交互に積層されているが、内部電極52は圧電体51の主面全体には形成されておらず、いわゆる部分電極構造となっている。この部分電極構造の内部電極52を左右互い違いに積層することで、積層型電子部品の側面に形成された外部電極54に内部電極52を一層おきに交互に接続した構造となっている。そして積層型圧電アクチュエータとして使用する場合には、外部電極54にさらにリード線(図示なし)を半田により接続固定されていた。
このような積層型圧電素子の製造方法としては、圧電体51となるセラミックグリーンシートに内部電極52となる内部電極ペーストを所定の電極構造となるようなパターンで印刷し、この内部電極ペーストが塗布されたグリーンシートを複数積層して得られた積層成形体を作製し、これを焼成し、側面に外部電極54となる導電性ペーストを焼き付けることによって、積層型圧電素子を作製していた(例えば、特許文献1参照)。
このような積層型圧電素子は、一般的には圧電体51と内部電極52が交互に積層されて圧電層63が形成され、その積層方向における上下の両主面には保護層62が積層されている。このような積層型圧電素子は、保護層62に電極層を含まないものが普通であるが、圧電層63と保護層62の間で焼成時に収縮の差が生じ、応力が発生したり、クラックが発生したりすることを防止するために、保護層62に圧電層63と同様の電極層を積層し、焼成後に起こるクラックや使用時に起こるクラックを防止している(例えば特許文献2参照)
なお、内部電極52としては、銀とパラジウムの合金が用いられ、さらに、圧電体51と内部電極52を同時焼成するために、内部電極52の金属組成は、銀70重量%、パラジウム30重量%にして用いていた(例えば、特許文献3参照)。
特開昭61−133715号公報 特開平9−270540号公報 実開平1−130568号公報
しかしながら、積層型圧電アクチュエータは通常の積層型電子部品(例えば積層型セラミックコンデンサ)と異なり、通電に伴い圧電体51の磁器が変形する特徴がある。すなわち駆動回数と圧電体51の磁器変形回数が同じである。また、近年においては、小型の積層型圧電アクチュエータで大きな圧力下において大きな変位量を確保するためにより高い電界を印加し、長時間連続駆動させることが望まれている。
しかしながら、特許文献2の改善では、高い電圧を印加し、特に長時間連続駆動を行った場合、クラックが発生し、アクチュエータとしての機能が損なわれ、耐久性に問題があった。そこで、本発明者は、ダミー層61の外周から保護層62の側面までの最短距離と耐久性に関し研究開発を行った結果、その最短距離と耐久性の間に関係があるのを見出した。つまり、ダミー層61の保護層62の側面までの最短距離を制御することで、耐久性が格段に向上することを見出した。
そこで、本発明は、高電圧、高圧力下で圧電アクチュエータを長期間連続駆動させた場合でも、耐久性に優れた積層型圧電素子および噴射装置を提供することを目的とする。
上述の課題に鑑み、本発明の積層型圧電素子は、少なくとも1つの圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる圧電層と、該圧電層の上下に前記圧電体とダミー層とを交互に積層した保護層を有し、前記圧電層の一対の側面に前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極を具備し、該外部電極に電界を印加して駆動する積層型圧電素子において、前記ダミー層の外周から前記保護層の側面までの最短距離をA、保護層の幅をBとした時にA/Bが0.01〜0.08であることを特徴とする。
ここで上述の最短距離Aは保護層を積層方向と垂直な方向に切った面においてそれぞれの長さを測ったものであり、保護層の幅Bは、その最短距離Aを測った方向と同一の方向を測った長さとしている。
本発明の積層型圧電素子は、前記ダミー層に金属を含むことを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記ダミー層が前記圧電層の内部電極と同じ物質からなることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記圧電体の厚みが50μm以上であることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記ダミー層が無機組成物を含むことを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記ダミー層が無機組成物を2wt%以上含有することを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記内部電極中の金属組成物がVIII族金属および/またはIb族金属を主成分としたことを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記内部電極中のVIII族金属の含有量をM1(重量%)、Ib族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0<M1≦15、85≦M2<100、M1+M2=100を満足することを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記VIII族金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がCu、Ag、Auのうち少なくとも1種以上であることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記VIII族金属がPt、Pdのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がAg、Auのうち少なくとも1種以上であることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記Ib族金属がCuであることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記VIII族金属がNiであることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記内部電極中に金属組成物とともに無機組成物を添加することを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記無機組成物がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分としたことを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記圧電体がペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記圧電体がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記積層体の焼成温度が900℃以上1050℃以下であることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記内部電極中の組成のずれが焼成前後で5%以下であることを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子は、前記積層体の側面に端部が露出する前記内部電極と端部が露出しない前記内部電極とが交互に構成されており、前記端部が露出していない前記内部電極と前記外部電極間の前記圧電体部分に溝が形成されており、該溝に前記圧電体よりもヤング率の低い絶縁体が充填されていることを特徴とする。
本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納容器と、該収納容器に収納された請求項1乃至15のうちいずれかに記載の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする。
このように、本発明の積層型圧電素子によれば、ダミー層の外周から前記保護層の側面までの最短距離をA、保護層の幅をBとした時にA/Bが0.01〜0.08とすることで、保護層と圧電層との間に生じる応力を焼成の収縮を均一にすること及び圧電体間の適切な接合領域を設けることでより低減できるため、高電圧、長時間の連続的な使用においても耐久性が向上し、耐久性に優れた積層型圧電素子を有する噴射装置を提供することができる。
なお、上述の構成に加えて前記圧電層の内部電極中の金属組成物がVIII族金属および/またはIb族金属を主成分とすることにより、積層型圧電素子を連続駆動させても、シルバー・マイグレーション現象を防ぎ内部電極間の絶縁破壊を防ぐことができるため、更に耐久性を向上させることが可能となる。
図1は本発明の積層型圧電素子の一実施例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は圧電層、内部電極層、保護層、及びダミー層の積層状態を示す断面図である。
本発明の積層型圧電素子10は、図1に示すように、圧電体1と内部電極2とを交互に積層してなる圧電層13の一対の対向側面において、内部電極2が露出した端部と、一層おきに電気的に導通する一対の外部電極4が接合されている。さらに、圧電層13の上下には圧電体1とダミー層11とが交互に積層した保護層12が積層されている。ここで、本発明の積層型圧電素子10を積層型圧電アクチュエータとして使用する場合には、外部電極4にリード線6を半田により接続固定し、前記リード線6を外部電圧供給部に接続すればよい。
内部電極2は銀―パラジウム等の金属材料で形成しているので、内部電極2を通じて各圧電体1に所定の電圧を印加し、圧電体1を逆圧電効果による変位を起こさせる作用を有する。
そして本発明の積層型圧電素子10では、本発明者が鋭意検討の結果、圧電体1の積層方向と垂直な断面の同一面で前記ダミー層11の外周から保護層12の側面までの最短距離をA、その最短距離Aと同じ方向の保護層12の幅をBとした時にA/Bが0.01〜0.08とすることにより耐久性が向上し、長時間使用しても信頼性の高い積層型圧電素子を得ることができるのを見出したものである。
A/Bが0.01より小さくすると積層される圧電体1同士の接合部分の領域が小さくなりすぎ、高電圧、長時間の連続使用中に、ダミー層11において変形により受ける応力が圧電体間の接合力より大きくなり、デラミネーションが発生し、圧電素子として使用できなくなる。
一方、A/Bが0.08より大きいと保護層12と圧電層13との焼成時の収縮差や収縮のプロファイルが異なり、両者の間で大きな歪を生じ、圧電体間の接合力より大きくなり、最悪の場合、焼成後にデラミナーションが生じたり、長時間の使用でデラミネーションが生じたりする問題が発生する。
本発明では、A/Bの値は、0.02〜0.07であることが好ましい。更に0.03〜0.06であることがより好ましい。このようにすることで保護層12のデラミネーションが発生しにくくなり、耐久性を向上させることができる。
また、ダミー層11に金属を含むことが好ましい。これにより、圧電体1間に発生した応力を緩和でき、その結果、長時間の使用に対しても使用可能となり耐久性が向上する。金属としては、Ag、Cu、Ni、Pd等、周期律表にある金属元素単体でも良いし、それらのうち1つ以上の合金でも良い。さらにダミー層にガラスを含ませても良い。
また、ダミー層11が内部電極2と同じ物質からなることが好ましい。このことにより、保護層12と圧電層13との焼成の挙動はほぼ同じ物となり、両者間に発生する応力を抑えられ、デラミネーションを減少することができ、耐久性の向上した圧電素子を得ることができる。
また、圧電体1の厚みは50μm以上であることが好ましい。このように厚くすることで、発生する応力に耐えることができ、破壊を防止できる。
また、ダミー層11が無機組成物を含むことが好ましい。ダミー層11に無機組成物を入れることによって、圧電体1間に無機組成物の架橋が生じ、焼成や使用時の応力に対し強くなり、デラミネーションを生じ難くするので、耐久性が向上する。尚、無機組成物としては、PZT、Al、ZrO、TiO、SiO等を用いることができる。
更に、ダミー層11が無機組成物を2wt%以上含有することが好ましい。これにより圧電体1間の架橋が十分なものになり、圧電体1間の接合強度が増し、デラミネーションを減少させ、耐久性を向上できる。
さらに、内部電極2中の金属組成物がVIII族金属および/またはIb族金属を主成分とすることが望ましい。これは、上記の金属組成物は高い耐熱性を有するため、焼成温度の高い圧電体1と内部電極2を同時焼成することも可能である。
さらに、内部電極2中の金属組成物がVIII族金属の含有量をM1(重量%)、Ib族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0<M1≦15、85≦M2<100、M1+M2=100を満足する金属組成物を主成分とすることが好ましい。これは、VIII族金属が15重量%を超えると、内部電極2の比抵抗が大きくなり、積層型圧電素子を連続駆動させた場合、内部電極2が発熱する場合があるからである。また、内部電極2中のIb族金属の圧電体1へのマイグレーションを抑制するために、VIII族金属が0.001重量%以上15重量%以下とすることが好ましい。また、積層型圧電素子10の耐久性を向上させるという点では、0.1重量%以上10重量%以下が好ましい。また、熱伝導に優れ、より高い耐久性を必要とする場合は0.5重量%以上9.5重量%以下がより好ましい。また、さらに高い耐久性を求める場合は2重量%以上8重量%以下がさらに好ましい。
ここで、Ib族金属が85重量%未満になると、内部電極2の比抵抗が大きくなり、積層型圧電素子10を連続駆動させた場合、内部電極2が発熱する場合があるからである。また、内部金属2中のIb族金属の圧電体1へのマイグレーションを抑制するために、Ib族金属が85重量%以上99.999重量%以下とすることが好ましい。また、積層型圧電素子10の耐久性を向上させるという点では、90重量%以上99.9重量%以下が好ましい。また、より高い耐久性を必要とする場合は90.5重量%以上99.5重量%以下がより好ましい。また、さらに高い耐久性を求める場合は92重量%以上98重量%以下がさらに好ましい。
上記の内部電極2中の金属成分の重量%を示すVIII族金属、Ib族金属はEPMA(Electron Probe Micro Analysis)法等の分析方法で特定できる。
さらに、本発明の内部電極2中の金属成分は、VIII族金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がCu,Ag、Auのうち少なくとも1種以上であることが好ましい。これは、近年における合金粉末合成技術において量産性に優れた金属組成であるからである。
さらに、内部電極2中の金属成分は、VIII族金属がPt、Pdのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がAg、Auのうち少なくとも1種以上であることが好ましい。これにより、耐熱性に優れ、比抵抗の小さな内部電極2を形成できる可能性がある。
さらに、内部電極2中の金属成分は、Ib族金属がCuであることが好ましい。これにより、熱伝導性に優れた内部電極2を形成できる可能性がある。
さらに、内部電極2中の金属成分は、VIII族金属がNiであることが好ましい。これにより、耐熱性に優れた内部電極2を形成できる可能性がある。
さらに、内部電極2中には、金属組成物とともに無機組成物を添加することが好ましい。これにより、内部電極2と圧電体1を強固に結合できる可能性があり、前記無機組成物がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。
さらに、圧電体1がペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。これは、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)を代表とするペロブスカイト型圧電セラミックス材料等で形成されると、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いことから、変位量を大きくすることができ、さらに、圧電体1と内部電極2を同時に焼成することもできる。上記に示した圧電体1としては、圧電歪み定数d33が比較的高いPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。
さらに、焼成温度が900℃以上1050℃以下であることが好ましい。これは、焼成温度が900℃以下では、焼成温度が低いため焼成が不十分となり、緻密な圧電体1を作製することが困難になる。また、焼成温度が1000℃を超えると、焼成時の内部電極2の収縮と圧電体1の収縮のずれから起因した応力が大きくなり、積層型圧電素子10の連続駆動時にクラックが発生する可能性があるからである。
また、内部電極2中の組成のずれが焼成前後で5%以下であることが好ましい。これは、内部電極2中の組成のずれが焼成前後で5%を超えると、内部電極12中の金属材料が圧電体11へのマイグレーションが多くなり、積層型圧電素子10の駆動による伸縮に対して、内部電極2が追従できなくなる可能性がある。
ここで、内部電極2中の組成のずれとは、内部電極2を構成する元素が焼成によって蒸発、または圧電体1へ拡散することにより内部電極2の組成が変わる変化率を示している。
また、本発明の積層型圧電素子10の側面に端部が露出する内部電極2と端部が露出しない内部電極2とが交互に構成されており、前記端部が露出していない内部電極2と外部電極4間の圧電体1部分に溝3が形成されており、この溝内に、圧電体1よりもヤング率の低い絶縁体が形成されていることが好ましい。これにより、このような積層型圧電素子10では、駆動中の変位によって生じる応力を緩和することができることから、連続駆動させても、内部電極2の発熱を抑制することができる。
また、図2に示すように外部電極4が3次元網目構造をなす多孔質導電体からなるのが望ましい。外部電極4が3次元網目構造をなす多孔質導電体で構成されていなければ、外部電極4はフレキシブル性を有しないため、積層型圧電アクチュエータの伸縮に追従できなくなるので、外部電極4の断線や外部電極4と内部電極2の接点不良が生じる場合がある。ここで、3次元網目構造とは、外部電極4にいわゆる球形のボイドが存在している状態を意味するのではなく、外部電極4を構成する導電材粉末とガラス粉末が、比較的低温で焼き付けられている為に、焼結が進みきらずにボイドがある程度連結した状態で存在し、外部電極4を構成する導電材粉末とガラス粉末が3次元的に連結、接合した状態を示唆している。
あるいは、外部電極4中の空隙率が30〜70体積%であることが望ましい。ここで、空隙率とは、外部電極4中に占める空隙4aの比率である。これは、外部電極4中の空隙率が30体積%より小さければ、外部電極4が積層型圧電アクチュエータの伸縮によって生じる応力に耐えきれずに、外部電極4が断線する可能性がある。また、外部電極4中の空隙率が70体積%を超えると、外部電極4の抵抗値が大きくなるため、大電流を流した際に外部電極4が局所発熱を起こして断線してしまう可能性がある。
さらに、外部電極4の圧電体1側表層部にガラスリッチ層が形成されていることが望ましい。これは、ガラスリッチ層が存在しないと、外部電極4中のガラス成分との接合が困難になるため、外部電極4が圧電体1との強固な接合が容易でなくなる可能性がある。
また、外部電極4を構成するガラスの軟化点(℃)が、内部電極2を構成する導電材の融点(℃)の4/5以下であることが望ましい。これは、外部電極4を構成するガラスの軟化点が、内部電極2を構成する導電材の融点の4/5を超えると、外部電極4を構成するガラスの軟化点と内部電極2を構成する導電材の融点が同程度の温度になるため、外部電極4を焼き付ける温度が必然的に内部電極2を構成する融点に近づくので、外部電極4の焼き付けの際に、内部電極2及び外部電極4の導電材が凝集して拡散接合を妨げたり、また、焼き付け温度を外部電極4のガラス成分が軟化するのに十分な温度に設定できないため、軟化したガラスによる十分な接合強度を得ることができない場合がある。 さらに、外部電極4の圧電体1側表層部にガラスリッチ層が形成されていることが望ましい。これは、ガラスリッチ層が存在しないと、外部電極4中のガラス成分との接合が困難になるため、外部電極4が圧電体1との強固な接合が容易でなくなる可能性がある。
さらに、外部電極4を構成するガラスを非晶質にすることが望ましい。これは、結晶質のガラスでは、積層型圧電アクチュエータの伸縮によって生じる応力を外部電極4が吸収できないので、クラック等が発生する場合がある。
さらに、外部電極4の厚みが圧電体1の厚みよりも薄いことが望ましい。これは、外部電極4の厚みが圧電体1の厚みよりも厚いと、外部電極4の強度が増大するため、積層体10が伸縮する際に、外部電極4と内部電極2の接合部の負荷が増大し、接点不良が生じる場合がある。
さらに、外部電極4の外面に、金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板が埋設された導電性接着剤からなる導電性補助部材7を設けることが望ましい。外部電極4の外面に導電性補助部材7を設けないと、積層型圧電素子10に大電流を流して駆動する際に、外部電極4が大電流に耐えきれずに局所発熱してしまい、断線する可能性がある。
また、外部電極4の外面にメッシュ若しくはメッシュ状の金属板を使用しないと、積層型圧電素子10の伸縮による応力が外部電極4に直接作用することにより、駆動中の疲労によって外部電極4が積層型圧電素子10の側面から剥離しやすくなる可能性がある。
さらに、導電性接着剤が導電性粒子を分散させたポリイミド樹脂からなることが望ましい。これは、ポリイミド樹脂を使用することにより、積層型圧電素子10を高温下で駆動させる際にも、比較的高い耐熱性を有するポリイミド樹脂を使用することによって、導電性接着剤が高い接着強度を維持しやすい。
さらに、導電性粒子が銀粉末であることが望ましい。これは、導電性粒子に比較的抵抗値の低い銀粉末を使用することによって、導電性接着剤における局所発熱を抑制しやすい。
また、本発明の積層型圧電素子10は単板あるいは積層数が1またはそれ以上からなることが好ましい。これにより、素子に加えられた圧力を電圧に変換することも、素子に電圧を加えることで素子を変位させることもできるため、素子駆動中に予期せぬ応力を加えられたとしても、応力を分散して電圧変換することで、応力緩和させることができるので、耐久性に優れた高信頼性の圧電アクチュエータを提供することができる。
次に、本発明の積層型圧電素子10の製法を説明する。
本発明の積層型圧電素子10は、まず、PbZrO−PbTiO等からなるペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DOP(フタル酸ジオチル)、DBP(フタル酸ジブチル)等の可塑剤とを混合し、かつ、上記不純物の範囲としたスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体11となるセラミックグリーンシートを作製する。
次にこのグリーンシートを適当な大きさにカットし、A/Bを制御するために枠に固定する。
次に、銀−パラジウム等の内部電極2を構成する金属粉末にバインダー、可塑剤等を添加混合して導電性ペーストを作製し、これを前記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷し圧電層13用のグリーンシートを用意する。
次に、同様に銀−パラジュウム等を含むダミー層をグリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μm印刷し、保護層 12用のグリーンシートを用意する。印刷時には、焼成収縮を考慮し、A/Bが所定の値となるように制御し印刷する。
そして、A/Bを制御するために、上面に導電性ペーストが印刷された圧電層13用のグリーンシートと保護層12用のグリーンシートを圧電層13の上下に保護層12がくるように複数積層し、同時に圧力をかけて密着させる。このように、グリーンシートを枠に固定し、保護層12と圧電層13を同時に密着させることによって、ダミー層11の外周から保護層12の側面までの最短距離Aを制御することができる。
この後、グリーンシートを適当な大きさにカットし、所定の温度で脱バインダーを行った後、900〜1200℃で焼成することによって積層型圧電素子10が作製される。
なお、積層型圧電素子10は、上記製法によって作製されるものに限定されるものではなく、ダミー層11の外周から保護層12の側面までの最短距離Aを制御することができる方法であれば、どのような製法によって形成されても良い。
その後、積層型圧電素子10の側面に端部が露出する内部電極2と端部が露出しない内部電極2とを交互に形成して、端部が露出していない内部電極2と外部電極4間の圧電体1部分に溝3を形成して、この溝3内に、圧電体1よりもヤング率の低い、樹脂またはゴム等の絶縁体を形成する。ここで、前記溝3は内部ダイシング装置等で圧電層13の側面に外部電極4は構成する導電材は積層型圧電素子10の伸縮によって生じる応力を十分に吸収するという点から、ヤング率の低い銀、若しくは銀が主成分の合金が望ましい。
ガラス粉末に、バインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これをシート状に成形し、乾燥した(溶媒を飛散させた)シートの生密度を6〜9g/cmに制御し、このシートを、柱状圧電層13の外部電極形成面に転写し、ガラスの軟化点よりも高い温度、且つ銀の融点(965℃)以下の温度で、且つ焼成温度(℃)の4/5以下の温度で焼き付けを行うことにより、銀ガラス導電性ペーストを用いて作製したシート中のバインダー成分が飛散消失し、3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極4を形成することができる。
なお、前記銀ガラス導電性ペーストの焼き付け温度は、ネック部を有効的に形成し、銀ガラス導電性ペースト中の銀と内部電極2を拡散接合させ、また、外部電極4中の空隙を有効に残存させ、さらには、外部電極4と柱状圧電層13側面とを部分的に接合させるという点から、550〜700℃が望ましい。また、銀ガラス導電性ペースト中のガラス成分の軟化点は、500〜700℃が望ましい。
焼き付け温度が700℃より高い場合には、銀ガラス導電性ペーストの銀粉末の焼結が進みすぎ、有効的な3次元網目構造をなす多孔質導電体を形成することができず、外部電極4が緻密になりすぎてしまい、結果として外部電極4のヤング率が高くなりすぎ駆動時の応力を十分に吸収することができずに外部電極4が断線してしまう可能性がある。好ましくは、ガラスの軟化点の1.2倍以内の温度で焼き付けを行った方がよい。
一方、焼き付け温度が550℃よりも低い場合には、内部電極2端部と外部電極4の間で十分に拡散接合がなされないために、ネック部が形成されず、駆動時に内部電極2と外部電極4の間でスパークを起こしてしまう可能性がある。
なお、銀ガラス導電性ペーストのシートの厚みは、圧電体1の厚みよりも薄いことが望ましい。さらに好ましくは、アクチュエータの伸縮に追従するという点から、50μm以下がよい。
次に、外部電極4を形成した圧電層13をシリコーンゴム溶液に浸漬するとともに、シリコーンゴム溶液を真空脱気することにより、圧電層13の溝3内部にシリコーンゴムを充填し、その後シリコーンゴム溶液から圧電層13を引き上げ、圧電層13の側面にシリコーンゴムをコーティングする。その後、溝3内部に充填、及び柱状圧電層13の側面にコーティングした前記シリコーンゴムを硬化させることにより、本発明の積層型圧電素子10が完成する。
そして、外部電極4にリード線6を接続し、該リード線6を介して一対の外部電極4に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、圧電層13を分極処理することによって、本発明の積層型圧電素子10を利用した積層型圧電アクチュエータが完成し、リード線6を外部の電圧供給部に接続し、リード線及び外部電極4を介して内部電極2に電圧を印加させれば、各圧電体1は逆圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
さらに、外部電極4の外面に、金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板が埋設された導電性接着剤からなる導電性補助部材7を形成してもよい。この場合には、外部電極4の外面に導電性補助部材7を設けることによりアクチュエータに大電流を投入し、高速で駆動させる場合においても、大電流を導電性補助部材7に流すことができ、外部電極4に流れる電流を低減できるという理由から、外部電極4が局所発熱を起こし断線することを防ぐことができ、耐久性を大幅に向上させることができる。さらには、導電性接着剤中に金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板を埋設しているため、前記導電性接着剤にクラックが生じるのを防ぐことができる。
金属のメッシュとは金属線を編み込んだものであり、メッシュ状の金属板とは、金属板に孔を形成してメッシュ状にしたものをいう。
さらに、前記導電性補助部材7を構成する導電性接着剤は銀粉末を分散させたポリイミド樹脂からなることが望ましい。即ち、比抵抗の低い銀粉末を、耐熱性の高いポリイミド樹脂に分散させることにより、高温での使用に際しても、抵抗値が低く且つ高い接着強度を維持した導電性補助部材7を形成することができる。さらに望ましくは、前記導電性粒子はフレーク状や針状などの非球形の粒子であることが望ましい。これは、導電性粒子の形状をフレーク状や針状などの非球形の粒子とすることにより、該導電性粒子間の絡み合いを強固にすることができ、該導電性接着剤のせん断強度をより高めることができるためである。
本発明の積層型圧電素子10はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
また、上記では、圧電層13の対向する側面に外部電極4を形成した例について説明したが、本発明では、例えば隣設する側面に一対の外部電極を形成してもよい。
図3は、本発明の噴射装置を示すもので、収納容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容器31内には、噴射孔33を開閉することができるニードルバルブ35が収容されている。
噴射孔33には燃料通路37が連通可能に設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように形成されている。
また、ニードルバルブ35の上端部は直径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41となっている。そして、収納容器31内には、上記した圧電アクチュエータ43が収納されている。
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
また、本発明は、積層型圧電素子10および噴射装置に関するものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止装置等に搭載される駆動素子、または、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、ならびに圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子以外であっても、圧電特性を用いた素子であれば、実施可能であることは言うまでもない。
(実験例)
本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
まず、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックの仮焼粉末、バインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み150μmの圧電体11になるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、任意の組成比で形成された銀−パラジウム合金にバインダーを加えた導電性ペースト、Agにバインダーを加えた導電性ペースト、Cuにバインダーを加えた導電性ペースト、Niにバインダーを加えた導電性ペーストのいずれかを選択し、スクリーン印刷法により3μmの厚みに形成されたシートを300枚、積層体用として用意した。これとは別に保護層になるグリーンシートを用意し、これらを下から保護層30枚、積層体300枚、保護層30枚となるように積層し、プレスした後、1000℃で焼成した。なお、圧電体11、内部電極12および外部電極13の原料中にKCOあるいはNaCO粉末を添加した。
得られた焼結体の積層型圧電素子、圧電体、内部電極および外部電極に含まれるアルカリ金属はICP分析を用いて検出した。
その後、ダイシング装置により積層体の側面の内部電極の端部に一層おきに深さ50μm、幅50μmの溝を形成した。
次に、平均粒径2μmのフレーク状の銀粉末を90体積%と、残部が平均粒径2μmのケイ素を主成分とする軟化点が640℃の非晶質のガラス粉末10体積%との混合物に、バインダーを銀粉末とガラス粉末の合計重量100質量部に対して8質量部添加し、十分に混合して銀ガラス導電性ペーストを作製した。このようにして作製した銀ガラス導電性ペーストを離型フィルム上にスクリーン印刷によって形成し、乾燥後、離型フィルムより剥がして、銀ガラス導電性ペーストのシートを得た。このシートの生密度をアルキメデス法にて測定したところ、6.5g/cmであった
そして、銀ガラスペーストのシートを積層体の外部電極面に転写し、650℃で30分焼き付けを行い、3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極を形成した。なお、この時の外部電極の空隙率は、外部電極の断面写真の画像解析装置を用いて測定したところ40%であった。
その後、外部電極にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、図1に示すような積層型圧電素子を用いた積層型圧電アクチュエータを作製した。
得られた積層型圧電素子に170Vの直流電圧を印加した結果、積層方向に45μmの変位量が得られた。さらに、この積層型圧電素子に室温で0〜+170Vの交流電圧を150Hzの周波数にて印加し駆動試験を行った。
そして、この積層型圧電素子が駆動回数1×10回まで連続のテストを行って、この時までに不良になった数を不良率として表した。
結果を表1に示す。尚、表1に示すように保護層の圧電体の厚みは50〜200μmまで変化させ、ダミー層としては銀−パラジュウム合金、銀、銅、ニッケルのいずれかを用いた。
Figure 2005217180
同表より、積層方向と垂直な断面の同一面で前記ダミー層の外周から保護層の側面までの最短距離をA、保護層の幅をBとした時にA/Bが0.01〜0.08である本発明の試料No.1〜6、8〜14、16〜30は、連続耐久試験後の不良率は2%以下で比較例(No.7、15)に比べて小さく耐久性に優れることがわかった。
特にA/Bが0.02〜0.07である試料No.1〜6、9〜13、16、18〜30は、連続耐久試験後の不良率が1%以下で更に小さく耐久性に優れることがわかった。
更にA/Bが0.02〜0.07で、ダミー層に金属を含み、内部電極がダミー層と同じ物質からなり、圧電体の厚みが50μm以上、ダミー層に無機組成物を2wt%以上含む試料No.1〜6、10〜13、16、18〜25、27〜29は、連続耐久試験後の不良率が0.8%以下で更に小さく耐久性が更に優れることがわかった。
一方、本発明の範囲外であるA/Bが0.01より小さい試料No.7、A/Bが0.08より大きい試料No.15は、耐久試験後の不良率が3%以上と悪く、耐久性において本発明品に比べ劣っていた。
本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)は圧電層、内部電極層、保護層、及びダミー層の積層状態を示す断面図である。 外部電極の外面に導電性補助部材を形成した積層型圧電素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)は断面図。 本発明の噴射装置を示す説明図である。 従来の積層型圧電素子の断面の一部を示すものである。
符号の説明
1・・・圧電体
2・・・内部電極
3・・・溝
4・・・外部電極
6・・・リード線
7・・・導電性補助部材7
10・・・積層型圧電体素子
11・・・ダミー層
12・・・保護層
13・・・圧電層
31・・・収納容器
33・・・噴射孔
35・・・バルブ
43・・・圧電アクチュエータ
51・・・圧電体
52・・・内部電極
54・・・外部電極
61・・・ダミー層
62・・・保護層
63・・・圧電層

Claims (18)

  1. 少なくとも1つの圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる圧電層と、該圧電層の上下に前記圧電体とダミー層とを交互に積層した保護層を有し、前記圧電層の一対の側面に前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極を具備し、該外部電極に電界を印加して駆動する積層型圧電素子において、前記ダミー層の外周から前記保護層の側面までの最短距離をA、保護層の幅をBとした時にA/Bが0.01〜0.08であることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記ダミー層に金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記ダミー層が前記圧電層の内部電極と同じ物質からなることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記圧電体の厚みが50μm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 前記ダミー層が無機組成物を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  6. 前記ダミー層が無機組成物を2wt%以上含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 前記内部電極中の金属組成物がVIII族金属および/またはIb族金属を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  8. 前記内部電極中のVIII族金属の含有量をM1(重量%)、Ib族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0<M1≦15、85≦M2<100、M1+M2=100を満足することを特徴とする請求項7記載の積層型圧電素子。
  9. 前記VIII族金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がCu、Ag、Auのうち少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の積層型圧電素子。
  10. 前記VIII族金属がPt、Pdのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がAg、Auのうち少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  11. 前記VIII族金属がCuであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  12. 前記VIII族金属がNiであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  13. 前記内部電極中に金属組成物とともに無機組成物を添加したことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  14. 前記無機組成物がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項13記載の積層型圧電素子。
  15. 前記圧電体がペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  16. 前記圧電体がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項15記載の積層型圧電素子。
  17. 前記積層体の側面に端部が露出する前記内部電極と端部が露出しない前記内部電極とが交互に構成されており、前記端部が露出していない前記内部電極と前記外部電極間の前記圧電体部分に溝が形成されており、該溝に前記圧電体よりもヤング率の低い絶縁体が充填されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  18. 噴射孔を有する収納容器と、該収納容器に収納された請求項1乃至17のいずれかに記載の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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