JP2003258328A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JP2003258328A
JP2003258328A JP2002052245A JP2002052245A JP2003258328A JP 2003258328 A JP2003258328 A JP 2003258328A JP 2002052245 A JP2002052245 A JP 2002052245A JP 2002052245 A JP2002052245 A JP 2002052245A JP 2003258328 A JP2003258328 A JP 2003258328A
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Takuya Gendoshi
拓哉 源通
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電セラミック層と電極層とを交互に積層した
積層型圧電アクチュエータにおいて、長期駆動において
もクラックの発生がなく、かつ変位特性の劣化のない、
信頼性及び耐久性に優れた積層型圧電アクチュエータを
提供する。 【解決手段】圧電セラミック層11と電極層12とを交
互に積層した積層型圧電アクチュエータ10の圧電セラ
ミック層11間に挟まれた電極層12の平均厚みTを1
μm〜5μmとするとともに、電極層12中に圧電セラ
ミック粒子14を5重量%〜20重量%の範囲で含有さ
せ、さらに上記電極層12中に部分的に形成される貫通
孔15内に圧電セラミック粒子14を充填するようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタヘッドや超音波モータなどに応用される、積層型
圧電アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス機器に用いられる積層
型圧電アクチュエータは、微小な圧電素子で大きな変位
を得ることが要求されている。
【0003】例えば、インクジェットプリンタヘッドで
は、弾性変形可能な振動板に、図7に示すような、厚み
方向に分極処理を施した圧電セラミック層31と電極層
32とを交互に積層し、その端面に各電極層32と電気
的に接続される端面電極33を備えた積層型圧電アクチ
ュエータ30を接合して圧電素子を構成したものが用い
られている。そして、隣り合う電極層32間に異なる極
性の電圧を印加すると、圧電セラミック層31が厚み方
向に伸縮運動し、積層型圧電アクチュエータ30全体も
伸縮運動をするのに対し、積層型圧電アクチュエータ3
0の片面には振動板が接合されているため、この振動板
によって上記伸縮運動を撓み運動に変換させるようにな
っていた。
【0004】その為、この撓み運動する圧電素子をイン
クジェットプリンタヘッドのインク室を構成する壁とし
て用いれば、圧電素子の撓み運動によってインク室内の
インクを加圧することができるため、インク室に連通す
るインク吐出孔よりインク滴を吐出させることができる
ようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アクチュエ
ータとして積層型圧電アクチュータを用いる場合、電極
層と電界の作用によって変形する圧電セラミック層とは
できるだけ強固に密着していることが必要であるが、従
来の積層型圧電アクチュータ30は、圧電セラミック層
31と電極層32の表面の凹凸によるアンカー効果でも
って接合されているだけであるため、変形の繰り返しに
よって応力を加え続けると、密着性が低下してその界面
に部分的な剥離が発生し、剥離が進行すると、所望の変
位が得られなくなるといった課題があった。
【0006】しかも、図8に示すように、薄型の積層型
圧電アクチュータ30においては、電極層32にピンホ
ールと呼ばれる多数の貫通孔34が形成され、この貫通
孔34に応力が集中し易いことから、貫通孔34を起点
として亀裂が発生し、電極層32を断線させたり、圧電
セラミック層31と電極層32との間の剥離を発生させ
易いといった課題もあった。
【0007】このように、従来の積層型圧電アクチュー
タ30は信頼性及び耐久性の点で問題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、圧電セラミック層の変
形が繰り返されたとしても電極層との強固な密着力が得
られ、剥離やクラックが生じ難い、信頼性及び耐久性に
優れた積層型圧電アクチュエータを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
課題に鑑み、圧電セラミック層と電極層とを交互に積層
した積層型圧電アクチュエータにおいて、上記圧電セラ
ミック層間に挟まれた電極層の平均厚みを1μm〜5μ
mとするとともに、上記電極層中に圧電セラミック粒子
を5重量%〜20重量%の範囲で含有させ、さらに上記
電極層中に部分的に形成される貫通孔内に圧電セラミッ
ク粒子を充填するようにしたこと特徴とする。
【0010】なお、上記圧電セラミック層及び圧電セラ
ミック粒子としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニ
オブ酸鉛(PNN)のうち少なくとも1種を主成分とす
る圧電セラミックスを用いることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0012】図1は本発明の積層型圧電アクチュエータ
の一例を示す断面図である。
【0013】この積層型圧電アクチュエータ10は、圧
電セラミック層11と電極層12とを交互に積み重ねた
積層体16を焼成にて接合一体化したもので、隣り合う
電極層12は互いにずらして配置してあり、一つおきに
配置された電極層12を積層体16の一方端面に露出さ
せるとともに、残りの電極層12を積層体16の他方端
面に露出させ、積層体16の両端面に被着した端面電極
13によりそれぞれ通電するようになっている。
【0014】積層型圧電アクチュエータ10を形成する
圧電セラミック層11としては、チタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッ
ケルニオブ酸鉛(PNN)のうち少なくとも1種を主成
分とする圧電セラミックスを用いることができ、その厚
み方向に予め分極処理を施してある。
【0015】また、積層型圧電アクチュエータ10を形
成する電極層12としては、圧電セラミック層11と一
体的に焼成することができ、圧電セラミック層11と反
応することなく、熱膨張係数が近似したものを用いるこ
とが好ましく、例えば、白金、金、銀のいずれか1種の
金属又は白金系合金、金系合金、銀系合金のいずれか1
種の合金を用いることができる。
【0016】さらに、本発明の積層型圧電アクチュエー
タ10は、図2に電極層の一部を拡大した断面図を示す
ように、電極層12中には圧電セラミック粒子14を含
有させてある。その為、圧電セラミック層11と電極層
12とを焼成にて一体化するにあたり、圧電セラミック
層11と電極層12のアンカー効果以外に、電極層12
の表面に存在する圧電セラミック粒子14と、圧電セラ
ミック層11とを焼結させることができるため、圧電セ
ラミック層11と電極層12との間の密着力を大幅に向
上させることができる。
【0017】また、本件発明者の研究によれば、電極層
12中に圧電セラミック粒子14を含有させることによ
り、図2のA部に示すように、電極層12中に部分的に
形成される貫通孔15内に圧電セラミック粒子14が充
填され、電極層12を挟む圧電セラミック層11と焼結
させることができるため、圧電セラミック層11の変形
によって亀裂の起点となり易い貫通孔15(ピンホー
ル)を大幅に低減することができる。
【0018】この理由としては明らかではないが、電極
層12中に圧電セラミック粒子14を含有させることに
より、圧電セラミック層11と電極層12とを焼成にて
一体化する際、電極層12中に部分的に形成される貫通
孔15(ピンホール)内に電極層12中の圧電セラミッ
ク粒子14が押し出され、貫通孔15(ピンホール)内
に圧電セラミック粒子14が充填されるものと考えられ
る。
【0019】その為、本発明の積層型圧電アクチュエー
タ10によれば、隣り合う電極層12間に異なる極性の
電圧を印加して圧電セラミック層11を繰り返し変形さ
せたとしても圧電セラミック層11と電極層12との間
に剥離を発生させたり、電極層12を断線させるような
ことがないため、信頼性及び耐久性に優れたものとする
ことができる。
【0020】ところで、電極層12中に含有させる圧電
セラミック粒子14としては、電極層12を形成する材
質と反応することがなく、かつ圧電セラミック層11を
形成する材質の特性に悪影響を与えることがないよう、
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、マグネシウムニオブ
酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN)のうち
少なくとも1種を主成分とする圧電セラミックスを用い
ることが良く、さらに密着性を高めるためには、圧電セ
ラミック層11を形成する材質と同種の圧電セラミック
スを用いることが好ましく、望ましくは圧電セラミック
層11を形成する材質と同一の圧電セラミックスを用い
ることが良い。
【0021】なお、本発明において、圧電セラミック層
11を形成する材質と同種の圧電セラミックスからなる
とは、主成分が同じセラミックスからなることを指す。
【0022】ただし、電極層12中に含有する圧電セラ
ミック粒子14の含有量が5重量%未満では、電極層1
2の圧電セラミック層11との接合面に存在する圧電セ
ラミック粒子14の量が少ないため、密着力を高める効
果が小さく、また、電極層12中に部分的に形成される
貫通孔15(ピンホール)中に充填される圧電セラミッ
ク粒子14の量も少ないために、貫通孔15(ピンホー
ル)を圧電セラミック粒子14で完全に埋めることがで
きないため、亀裂の発生を抑える効果が小さくなり、逆
に、電極層12中に含有する圧電セラミック粒子14の
含有量が20重量%を超えると、電極層12内の抵抗が
高くなり過ぎ、電極としての機能が損なわれる。
【0023】その為、電極層12中に含有させる圧電セ
ラミック粒子14の含有量は5重量%〜20重量%とす
ることが好ましい。
【0024】また、電極層12中に含有させる圧電セラ
ミック粒子14は、その粒度が電極層12の平均厚みT
よりも小さいものを用いることが良い。
【0025】即ち、圧電セラミック粒子14の粒度が電
極層12の平均厚みTより大きいと、電極層12中に圧
電セラミック粒子14が占める割合が多くなり過ぎ、電
極層12の抵抗が大きくなって電極としての機能を果た
さなくなるからである。
【0026】さらに、電極層12中に圧電セラミック粒
子14を含有させるにあたり、電極層12の平均厚みT
は1μm〜5μmとすることが好ましい。
【0027】なぜなら、電極層12の平均厚みTが1μ
mより小さくなると、電極層12の抵抗が大きくなり、
電極としての機能が損なわれるからであり、逆に電極層
12の平均厚みTが5μmを超えると、圧電セラミック
層11の変形が阻害され、所望の変位量が得られ難くな
るからである。
【0028】ただし、本発明において電極層12の平均
厚みTとは、積層型圧電アクチュエータ10の断面に現
れる電極層12のうち、その最大厚みと最小厚みを測定
し、両者の平均値のことを言う。
【0029】次に、図1に示す積層型圧電アクチュエー
タ10の製造方法について説明する。
【0030】まず、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、
マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸
鉛(PNN)のうち少なくとも1種を主成分とする圧電
セラミック粉末を用意し、これに少量の有機バインダー
と有機可塑剤を加えて、有機溶剤中に分散、混合させて
スラリーを製作する。そして、このスラリーを用いて例
えばテープキャスティング法により未焼結の圧電セラミ
ック層を複数枚製作する。
【0031】次に、得られた未焼結の圧電セラミック層
の表面にスクリーン印刷法にて圧電セラミック粒子14
を添加した金属ペーストを電極層12の形状に印刷す
る。
【0032】金属ペーストには、白金、金、銀のうちい
ずれか1種の金属又は白金系合金、金系合金、銀系合金
のうちいずれか1種の合金に対し、チタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニ
ッケルニオブ酸鉛(PNN)のうち少なくとも1種を主
成分とする圧電セラミック粒子14を5重量%〜20重
量%の範囲で添加したものを有機溶剤中に分散させたも
のを用いる。
【0033】この時、焼成後の圧電セラミック粒子14
の粒度が電極層14の平均厚みTより小さくなるように
するため、添加する圧電セラミック粒子14はできるだ
け粒度の揃ったものを用いることが好ましい。
【0034】次いで、金属ペーストを印刷した未焼結の
圧電セラミック層を複数層積層し、熱圧着させた後、脱
脂処理を施し、しかる後、圧電セラミック粉末を焼結さ
せることができる温度にて焼成することにより、圧電セ
ラミック層11と電極層12とが交互に積層一体化さ
れ、圧電セラミック層11間に挟まれた電極層12の平
均厚みTが1μm〜5μm、電極層12中に圧電セラミ
ック粒子14を5重量%〜20重量%の範囲で含有する
とともに、電極層12中に部分的に形成される貫通孔1
5内に圧電セラミック粒子14が充填された積層体16
を製作する。
【0035】しかる後、電極層12が露出する積層16
体の端面に、端面電極13を形成した後、隣り合う電極
層12間に電圧を印加して圧電セラミック層11の厚み
方向に分極処理を施すことにより、本発明の積層型圧電
アクチュエータ10を得ることができる。
【0036】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明はこの実施形態だけに限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したも
のにも適用できることは言うまでもない。
【0037】
【実施例】チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分と
する圧電セラミック粉末を用意し、これに少量の有機バ
インダーと有機可塑剤を加えて、有機溶剤中に分散、混
合させてスラリーを製作した後、テープキャスティング
法により、厚さ50μmの未焼結の圧電セラミック層を
複数枚製作した。
【0038】次に、得られた未焼結の圧電セラミック層
を30mm角に切断した後、その表面にスクリーン印刷
法にて圧電セラミック粒子を添加した金属ペーストを焼
成後の厚みが1μm〜5μmとなるように電極層の形状
に印刷した。
【0039】この時、金属ペースト中の金属には、銀7
0重量%−パラジウム30重量%の合金を用いるととも
に、圧電セラミック粒子には、チタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)を主成分とする圧電セラミック粒子を用い
た。また、金属ペースト中に添加する圧電セラミック粒
子の粒度及び添加量をそれぞれ異ならせるようにした。
【0040】次いで、金属ペーストを印刷した未焼結の
圧電セラミック層を積層し、熱圧着にて一体化した後、
電気炉内で室温から800℃まで徐々に加熟して有機成
分を加熱分解させた後、さらにマグネシア密閉容器内に
て1200℃の温度で3時間焼成することにより、圧電
セラミック層と電極層とが交互に積層された積層体を得
た。この時、積層体の端面に露出する電極層の平均厚み
Tが1μm、2μm、3μm、5μmであるものを製作
した。ただし、いずれも圧電セラミック層の厚みは35
μmとなるようにした。
【0041】なお、各積層体の端面に露出する電極層を
見ると、電極層には部分的に貫通孔を有するものの、こ
の貫通孔内にはセラミック粒子が充填されており、この
セラミック粒子の組成についてICP分析にて測定した
ところ、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とす
る圧電セラミック粒子であった。
【0042】そして、得られた積層体をダイシングソー
を用いて約10mm角の大きさに切り出した後、電極層
が露出する積層体の端面に、銀とガラスフリットからな
る電極ペーストを印刷し、約600℃で1時間熱処理を
行い、端面電極を形成した。
【0043】そして、端面電極にリード線を接続し、厚
み1mm当たり約1.5kVの直流電圧を約80℃のシ
リコン油中にて印加して圧電セラミック層に分極処理を
施し、積層型圧電アクチュエータを製作した。
【0044】そして、得られた積層型圧電アクチュエー
タの電気容量の測定をインピーダンスアナライザーにて
計測を行った。ただし、電極層中に圧電セラミック粒子
を含有していない従来の積層型圧電アクチュエータの電
気容量を100%とし、これを基準試料とした。
【0045】電極層の平均厚みが1μmの時の圧電セラ
ミック粒子の含有量と積層型圧電アクチュエータの電気
容量変化との関係は図3に、電極層の平均厚みが2μm
の時の圧電セラミック粒子の含有量と積層型圧電アクチ
ュエータの電気容量変化との関係は図4に、電極層の平
均厚みが3μmの時の圧電セラミック粒子の含有量と積
層型圧電アクチュエータの電気容量変化との関係は図5
に、電極層の平均厚みが5μmの時の圧電セラミック粒
子の含有量と積層型圧電アクチュエータの電気容量変化
との関係は図6にそれぞれ示す通りである。
【0046】これらの結果、いずれも電極層中に含有さ
せる圧電セラミック粒子の粒度が電極層の平均厚みTよ
りも小さい範囲では、その添加量を20重量%以下とす
ることで、積層型圧電アクチュエータの電気容量の低下
を27%以下に抑えられることが判る。
【0047】次に、圧電セラミック粒子の粒度と含有量
及び電極層の平均厚みをそれぞれ異ならせ、積層型圧電
アクチュエータを駆動させた時の変位量をレーザー変位
計にて測定し、電極層中へ圧電セラミック粒子を含有さ
せていない従来の積層型圧電アクチュエータの変位量を
100%としてその割合を測定するとともに、20億回
振動させた後に積層型圧電アクチュエータを切断し、ク
ラックの有無について電子顕微鏡にて測定した。
【0048】ただし、いずれも積層型圧電アクチュエー
タの端面電極間には20Vの矩形波を印加して駆動させ
るようにした。
【0049】結果は表1に示す通りである。
【0050】
【表1】
【0051】この結果、表1より判るように、電極層中
に圧電セラミック粒子を含有させることで基準試料と比
較して変位量の低下が見られるものの、基準試料では駆
動に伴ってクラックの発生が見られた。
【0052】これに対し、電極層中に圧電セラミック粒
子を含有させたものにはクラックの発生は見られず、密
着力の改善が見られた。ただし、圧電セラミック粒子の
含有量が20重量%を超えると、基準試料に対して変位
量が大幅に低下していることが判る。
【0053】その為、電極層中に、粒度が電極層の平均
厚みより小さくかつ5重量%〜20重量%の範囲で含有
させることにより、変位量を大きく劣化させることな
く、長期駆動においてもクラック等の破損のない積層型
圧電アクチュエータが得られることが判る。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層型圧電アク
チュエータによれば、圧電セラミック層間に挟まれた電
極層の平均厚みを1μm〜5μmとするとともに、電極
層中に圧電セラミック粒子を5重量%〜20重量%の範
囲で含有させ、さらに上記電極層中に部分的に形成され
る貫通孔内に圧電セラミック粒子を充填するようにした
ことによって、変位量を大きく劣化させることなく、長
期駆動においてもクラック等の破損のない、信頼性及び
耐久性に優れた積層型圧電アクチュエータを提供するこ
とができる。
【0055】また、上記圧電セラミック層及び圧電セラ
ミック粒子として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、
マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸
鉛(PNN)のうち少なくとも1種を主成分とする圧電
セラミックスを用いることにより、圧電セラミック層と
電極層との密着力を高めることができ、信頼性及び耐久
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータの一例を示
す断面図である。
【図2】図1の電極層の一部を拡大した断面図である。
【図3】電極層の平均厚みが1μmの時の圧電セラミッ
ク粒子の含有量と積層型圧電アクチュエータの電気容量
変化との関係を示す線図である。
【図4】電極層の平均厚みが2μmの時の圧電セラミッ
ク粒子の含有量と積層型圧電アクチュエータの電気容量
変化との関係を示す線図である。
【図5】電極層の平均厚みが3μmの時の圧電セラミッ
ク粒子の含有量と積層型圧電アクチュエータの電気容量
変化との関係を示す線図である。
【図6】電極層の平均厚みが5μmの時の圧電セラミッ
ク粒子の含有量と積層型圧電アクチュエータの電気容量
変化との関係を示す線図である。
【図7】従来の積層型圧電アクチュエータの一例を示す
断面図である。
【図8】図7の電極層の一部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
10,30:積層型圧電アクチュエータ 11,31:
圧電セラミック層 12,32:内部電極 13,33:端面電極 14:
圧電セラミック粒子 15,34:貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/08 Q

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電セラミック層と電極層とを交互に積層
    した積層型圧電アクチュエータにおいて、上記圧電セラ
    ミック層間に挟まれた電極層の平均厚みが1μm〜5μ
    mであるとともに、上記電極層中に圧電セラミック粒子
    を5重量%〜20重量%の範囲で含有し、かつ上記電極
    層中に部分的に形成される貫通孔内に圧電セラミック粒
    子が充填されていることを特徴とする積層型圧電アクチ
    ュエータ。
  2. 【請求項2】上記圧電セラミック層及び圧電セラミック
    粒子が、チタン酸ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸
    鉛、ニッケルニオブ酸鉛のうち少なくとも1種を主成分
    とする圧電セラミックスからなることを特徴とする請求
    項1に記載の積層型圧電アクチュエータ。
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